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    元スレ勇者「仲間TUEEEEEEEEEEEEEE!!」

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    501 = 481 :

    ー 北の国、小さな村 ー



    「はい、どうぞ。お水です。川を潤しておきますね」ドポドポドポドポ

    村人A「おおっ! ありがたや、ありがたや……。これで田んぼに水が張れます。今年は何とか生きていける……」

    「そう、良かった。でも、ここら辺一帯には井戸とかないんですか? どこも水不足だって聞きましたけど……」

    村人B「あるにはあるんだがねえ……。すぐに干からびちまうんだ。乾燥した地域だし、雨がろくに降らねえんでな……」

    「そうなんですか……」

    村人C「昔はもっと雨が降ったもんなんだがなあ……。女神様の力が弱くなったかもしんなくてな……。魔王が出てきてからは本当に雨が少なくなっちまった……」

    「女神様の力が弱まって……」


    「おーいっ!! 大変だあぁぁっ!!」


    村人A「何だ、どうした!?」


    村人D「」ハァハァ、ハァハァ

    村人D「む、村の近くにりりり竜が出ただっ!! そんで、旅の娘が今、そこにっっ!!」


    村人A「!!?」
    村人B「竜が!?」
    村人C「なしてこんなとこに!?」


    「!!」タタタタタッ

    村人D「あ、ちょっとあんた、どこさ行くだ!!」

    「その子を助けに行くっ!!」タタタタタッ


    村人D「む、無茶だ!! 絶対殺されるぞっ!!」

    502 = 481 :

    ー 西の国、貴族の屋敷 ー



    少年D「凄い……。王都でもないのに、これだけの書物があるなんて……」

    少年D「しかも、魔法関連の書物ばかりだ。あ、こっちには魔導書が。こっちは魔物関連のが」バサッ、ドサッ

    貴族「お気に召したかね、魔法使い殿?」

    少年D「ええ、とても。ありがとうございます。助かります」

    貴族「いやいや、礼など要らぬよ。我が領地に現れた魔物を無償で倒してもらったのだからな。こんな物で済むならお安いご用だ」

    少年D「とんでもない。ここの図書室は金貨100枚以上の価値がありますよ。こちらは、貴族様が集められたのですか?」

    貴族「いや、先代の先代が古書好きでな。私ではないし、私には価値がさっぱりわからんよ。書いてある文字すら読めんからな」

    少年D「ほとんどが古代文字ですからね。しかし、素晴らしいです。しばらく滞在して、ここの本を読ませてもらう事は出来ますか?」

    貴族「構わんよ。好きなだけいるといい。部屋も用意させておこう」

    少年D「ありがとうございます!」

    貴族「それでは、私はこれで失礼するよ。食事の時間になったら、メイドを遣わそう。それではな」クルッ、スタスタ

    バタンッ……


    少年D「助かるなあ。ありがたい話だ」

    少年D「読みたいものばかりだからな。この魔物大全集とか、他にも魔導関連の書物が一杯」ゴソゴソ

    ザザッ、バサッ (積み上げていた本が落ちる)

    少年D「っと、いけない。貴重な書物だっていうのに」ササッ

    少年D「ん……これは?」

    少年D「異界移動の儀……? 昔、先生から異界の事は伝説として聞いてたけど、本当に異界なんてあるのかな……? あるのならここにも行ってみたいものだけど……」ペラッ、ペラッ……

    503 = 481 :

    ー 南の国、海上 ー


    船員「大変です、船長!! 向こうから海賊船が!!」

    船員「あれは、疾風の海賊団の旗です!! まずい!!」


    ワー、キャー、タスケテー!!


    船長「舵を西に取れぃぃっ!! 逃げるぞ! 全速前進!! 」

    船長「それと、客を落ち着かせろ!! 邪魔だから、船室にでも全員ぶちこんどけ!!」

    「うるさいわよ! ったく! 海賊船一隻ぐらいで騒がないで!」バタンッ!!

    船長「おい、何だお前は! 邪魔だから向こうに」

    「聞きなさいっ!!!」ビリリッ

    船長「」ビクッ!!

    船員「」ビクッ!!

    「命令は変更! 舵を正面に!! 海賊船を逆に叩き潰すわよ!!」

    船長「ア、アイサー!!」

    船員「アイサー!!」


    「まったく……。そういえば、うちの国は海の魔物が比較的少ないから、一番海賊が多い海域だったっけ」

    「まあ、丁度いいわ。これも何かの縁よ。折角だから、海賊達をこの海から根こそぎ葬ってやろうじゃないの」

    「海賊を狩る海賊といったところね。名前を変えて、この海で一暴れしてやるわ!」

    504 = 481 :

    ー 西の国、研究所 ー


    「とうとう立てたわ、私専用の特別研究所」

    「苦節、十年……。ようやく私の道が見えてきたわね」

    「商売の方は軌道に乗ったし、各支店長にある程度任せても大丈夫だし……」

    「ここで、思う存分研究出来るわ!」

    「そして、私が子供の頃からずっと考えてた『あれ』を現実のものにするの!」

    「魔結晶をたっぷり買えるだけのお金も今から貯金しておいて、五年後には『あれ』も完成させる!」

    「それで初めて、私は世界を救う勇者の仲間だと胸を張って言えるんだから!」

    505 = 481 :

    ここまで
    流石にそろそろ、わかる人には展開バレしてるだろうから、今回だけはネタバレ的な書き込みは控えてもらえるとありがたい

    506 :

    ネタ振りにしか聞こえない

    507 = 491 :


    勇者の間の悪さよ…

    509 :

    まさか魔王と同門とは奇縁だな

    510 :


    盛り上がってきたな

    512 :

    前振り長くてクソだわ

    514 :

    全盛期の三分の一から更に二百年程経ってこの強さ、全盛期は魔王と同じカンストクラスか、爺さん強いな。

    515 :

    乙乙

    516 :

    GEE3、アンタのしわざか……

    517 :

    才能(勇者)を努力(修行とドーピング)で上回る話か

    518 :

    努力…?

    519 :

    環境の重要さを教えてくれるSS

    520 :

    >>498の訂正

    魔老師「お前たち……。よくぞこれまで五年間、真面目に修業をした……」

    魔老師「お前たち……。よくぞこれまで十年間、真面目に修業をした……」

    521 = 520 :

    そして、現在……

    勇者が山奥の村に訪れる五日前の事……





    ー 東の国、王宮 ー



    兵士A「名剣士様、ご来訪ーーーっ!!」


    バタンッ! (玉座の間の大扉が開かれる)


    兵士B「」ビシッ (敬礼)
    兵士C「」ビシッ (敬礼)
    兵士D「」ビシッ (敬礼)
    兵士E「」ビシッ (敬礼)

    兵士F「」ビシッ (敬礼)
    兵士G「」ビシッ (敬礼)
    兵士H「」ビシッ (敬礼)
    兵士I「」ビシッ (敬礼)


    部屋の左右に並ぶ屈強な兵士たち

    彼等は全員、歴戦の強者であり、その顔には大小の傷が武勲代わりに刻まれ、そのたたずまいには一分の隙もなかった

    そんな彼等にして、自然と敬意を払わせてしまう男
    それこそが部屋の中央、豪華な敷物の上をゆっくりと歩き、玉座へと近付いていく彼

    即ち、名剣士である


    名剣士「お久し振りでございます、陛下」

    名剣士「いえ、ここではあえてこう言わせて頂きましょう。無礼の程をお許しを」


    名剣士「お久し振りです、師匠」


    剣聖「ははっ。そうだな。やっぱりお前はそういう言い方のがしっくり来るな」

    522 = 520 :

    剣聖「しかし、相変わらずの厚かましさで安心したぞ。俺はお前を弟子にとった覚えなんかないんだが、いつの間にか師匠呼ばわりしやがって」

    名剣士「心の師匠ですよ。それに多少は稽古をつけてもらいましたからね」

    剣聖「勝手な事を。剣のいろはも教えた覚えはないんだがな」

    名剣士「いの字ぐらいまでは教わったと自負してますよ。しかし、相変わらず軽いですね、師匠は。その甲冑を着こなしている身なりといい、とても国王様になられたとは思えない」

    剣聖「こっちのが落ち着くんだよ。そう言うな。元は革命軍のリーダーだったのが、いきなり国王だとかに祭り上げられて一番戸惑ってるのは俺だからな」

    名剣士「統率力や指揮能力とか考えれば当然ですよ。あと、その呆れるぐらいの強さもですけどね。俺は師匠に剣をかすらせた事すらないですから」

    剣聖「剣の強さなんて、革命を行う上であまり必要なかったがな。クーデター起こそうってんじゃないんだ。国民の意識の改革から始めないと」

    名剣士「実際、クーデターなら一日で終わってたでしょ、師匠は」

    剣聖「で、何が変わるんだ? 血にまみれた独裁者が新しく誕生するだけだろ。そんなのは願い下げだ。政権が変わるのが大事なんじゃない、国民の意識が変わるのが大事なんだよ」

    名剣士「わかってます。ただ、従うだけでは操り人形と同じだって。師匠の師匠の教えですよね。もう耳にタコなんで」

    剣聖「俺にとっては血肉だ。師匠の教えがなければ、俺は今のこの強さも平和も手に入らなかった」

    名剣士「尊敬されてるってのはよくわかってますよ。それよりも……」

    523 = 520 :

    名剣士「多分、師匠の耳にも既に入ってますよね? 勇者が現れたって話」

    剣聖「ああ、知ってる。その為に無理を言って、しばらくこの国を留守にする事を議会にねじ込んだからな。準備はもう整ってる」

    名剣士「なら、わざわざ来なくても良かったですかね。師匠が動けなくて困ってるといけないと思って、何か助け船を出そうかと急いで来たんですけど」

    剣聖「悪いな、気持ちだけもらっとく」

    名剣士「残念ですよ。逆に恩を売る機会だと思ったのに」

    剣聖「そういう奴だ、お前は。妙なところだけ俺に似てやがる」

    名剣士「まあ、唯一の弟子なんでね。師匠譲りですよ、それは」

    剣聖「だから、弟子にした覚えはないぞ」

    名剣士「師匠と俺は元革命軍のリーダーと副リーダーじゃないですか。その時、政治やら剣術やら色々教わったし、言ってみればもう師弟みたいなもんですよ」

    剣聖「強引過ぎるな。まあいい。それよりも名剣士、暇ならこれからちょっと付き合え。丁度今から旅立つつもりだったんだ。折角だから見送りをしていけ」

    名剣士「もちろん、お付き合いします。久々に師匠の勇姿も見たいですしね」

    524 = 520 :

    ー 大廊下 ー


    名剣士「しかし、驚きましたよ。本当に師匠の言っていた通りになるなんて……」テクテク

    剣聖「当たり前だ。ガキの頃から、俺は『勇者(名前)』にたった一回でも勝った事がないんだからな」テクテク

    名剣士「そこらは正直、話し半分に聞いてたんですけどね。師匠に勝てる人間がいるなんて想像がつかなかったんで……」

    名剣士「でも、師匠より強いってんなら、間違いなく世界を救う勇者に選ばれるでしょうし、実際そうなってますから。そりゃ流石に信じますよ」

    剣聖「だから、俺の話した事は嘘や間違いじゃなかっただろ。今じゃ、あいつがどれだけ強くなってるか、俺にも想像がつかないしな」

    剣聖「正直、剣の道はもう極めたと内心では思ってたんだが、とんだ驕りだった。俺もまだまだ修業不足だな。勇者に選ばれたあいつは、きっと俺よりも遥かに強くなってるだろうから」

    名剣士「にしちゃあ、嬉しそうですよね、師匠」

    剣聖「当たり前だ。子供の頃からの夢がようやく叶うんだぞ」

    名剣士「っと、話してたらもう着いちゃいましたか、厩舎に」

    剣聖「ああ、見送りはここまででいい。さ、行こうか、相棒」


    天馬「」ヒヒーン!!

    525 = 520 :

    剣聖「それじゃあな! 魔王を倒したら戻ってくる! 城の奴等にも宜しく伝えといてくれ!」ヒラリ

    天馬「」ブルル


    名剣士「ご武運を!」


    剣聖「ああ、それじゃ行くぞ、相棒!」タンッ

    天馬「」バッサ、バッサ (天に舞い上がってく)





    名剣士「……しかし、相変わらずカッケーな、師匠は」

    名剣士「天騎士の鎧に名剣デュランダルと伝説剣エクスカリバー、そしてペガサス……。神話に出てくる英雄そのものだ。勇者でないのが不思議なくらいだぜ……」

    526 = 520 :

    ー 東の国、上空 ー



    剣聖「さて、お前の速度なら山奥の村まで20分ぐらいで着くだろう。十五年前の約束を果たしに行くぞ!」

    天馬「」バッサ、バッサ


    剣聖「しかし、最近は政務ばかりで実戦は久し振りだからな。腕が鈍ってないといいが……」


    剣聖「む……」

    天馬「」バッサ、バッサ


    剣聖「……珍しいな。こんなところで大型の魔物に出会うなんて」




    焔鳥「SIGYAAAAAA!!!」バッサ、バッサ (全長41メートル)




    剣聖「どれ、肩慣らしといくか」チャキッ


    「飛剣! メ ル ト ス ラ ッ シ ュ ッ !!」


    ザシュッ!!!!



    焔鳥「シィ……ギィ…………」 (真っ二つ)


    ヒューン……ドグシャッ!!!



    剣聖「弱すぎて試し切りにもならんか。ちっ」

    【天下無双の剣聖】
    『体力 :9999億
     攻撃力:9999億
     防御力:9999億
     魔力 :9999億
     素早さ:9999億』

    特殊技能:魔法剣
        :剛剣
        :柔剣
        :飛剣
        :聖剣
        :暗黒剣
        :暗殺剣
        :二刀流
        :無刀流
        :居合

    527 :

    ええええええっ!?

    528 = 520 :

    ー 中央国、大聖堂

      離れの特別礼拝堂

      最奥の間 巨大部屋 ー



    ギギギギギギィィ…… (魔力でコーティングした鋼鉄製の扉が開かれる)


    「……ようやく。ようやく、お会い出来ました」

    「お久し振りでございます、女です」ペコッ……

    「今日は特別な知らせを持って参りました」

    「この世で唯一無二、世界にただ一人だけの特別なお方」

    「竜に愛されし聖女様……」



    「わ、久し振りだね、女ちゃん。懐かしいなあ」


    その言葉とほぼ同時に、彼女のすぐ横に座っていた二匹の生物が低いうなり声を出しながら顔を上げた……

    三界における最強の孤立種族ーードラゴンである


    天海竜『グルルルッ……』(全長38メートル)
    地海竜『ギルルルッ……』(全長38メートル)

    【双子の竜族】(二匹の平均値)
    『体力 :736万
     攻撃力:424万
     防御力:408万
     魔力 :357万
     素早さ:280万』

    529 :

    いつから名剣士が少年Bと(ry

    530 = 520 :

    「少し痩せたんじゃない? 大丈夫? 元気にしてた?」

    「はい、体は健康そのものです。それもこれも全て女神様の加護の賜物です。聖女様こそ、お元気そうで何よりです」

    「もう、相変わらず固いなあ、女ちゃんは。もっとフレンドリーでいいって言ってるのに」

    天海竜『…………』ジロッ
    地海竜『…………』ギロッ

    「あ、ダメだよ、ドラリンにドラポン。この子はわたしの友達。攻撃したら、めっ、だからね」

    天海竜『…………』コクッ
    地海竜『…………』コクッ

    「うん。いい子たちだね。よしよし」ナデナデ

    天海竜『ぐるるっ……』(ご満悦)
    地海竜『ぎるるっ……』(ご満悦)


    「聖女様も初めてお会いした時から少しも変わっておられないようで安心しました……。あの時も聖女様はそうやって、竜をまるで赤子の様に大人しくさせてしまわれて……」

    「もう五年も前の話だっけ? そういえば女ちゃん、あの時、竜に襲われかけてたよね」

    「はい。そこを聖女様に助けて頂きました。まるで奇跡を見ているかのようでした」

    「大袈裟だよ。竜は元々大人しい種族なんだから、きちんと話せばわかってくれるもの。こっちに悪意とか恐怖がなければ平気よ」

    「それを言えるのは、世界で唯一、聖女様だけですよ。正直、私は今でも竜は怖いですし……」

    「そうなの? こんなに可愛いのにね」ナデナデ

    天海竜『ぐるるるるっ……』(ご満悦)
    地海竜『ぎるるるるっ……』(ご満悦)


    (猫みたいな鳴き声を出してる……)

    531 = 520 :

    「それで、今日はどうしたの? 何か特別な報せがあるって言ってたけど」

    「はい。吉報です。聖女様が前に話しておられた勇者様が現れたのです。名前も確認しましたが、以前お聞きしていた通り勇者様ご本人で間違いありません」

    「ああ、うん、知ってるよ。女神様から直接聞いたから」

    「そうですか。直接お伝えを受けるとは、流石は聖女様です。もしも知らなかったら、どうしてもお伝えしなければと、ここまで来たものですから」

    「わざわざありがとうね。ここに来るのも大変だったんじゃない? 忍び込んで来たの?」

    「いえ、色々ありまして、教会に復職する事になりました。不本意ではありますが、その内、また枢機卿に任命されるようです」

    「あ、戻っちゃうんだ。女ちゃんはそのまま教会とは縁を切ってた方が良かったと思うんだけど……」

    「申し訳ありません。こちらにも事情がありまして……。聖女様のお耳汚しとなる様な事なので、詳しくは申し上げませんが……」

    「うーん……。でも、気になる。教えてくれない?」

    「いえ、いくら聖女様と言えどもこればかりは……。しばらくの辛抱だと割り切りますし、あまりに長くなるようなら、その内、自分で何とか致します」

    「そうは言ってもなあ……。女ちゃんも困ってるみたいだし……」

    532 = 520 :

    「悪いけど、ちょっとだけごめんね」

    「?」

    「」パアアッ (後光が差す)

    「!?」

    「ふうん……。勇者の事で脅されちゃったんだ」

    「わ、わかるのですか!?」

    「うん。何となくだけど。でも、それなら平気だよ。私も一緒に行くし、何なら各地の教会に勇者は本物だって伝えるよう、天使さんを派遣してもいいし」

    「……て、天使様??」

    「うん。お話は聞いてたよね? いざという時はお願いしていい?」


    ピカーッ (目映い光が部屋中を照らす)

    天使A「心得ました」フワッ

    天使B「全ては聖女様のお心のままに」バサッ

    天使C「御安心を……」フワリッ

    【聖女の世話役】(三天使の平均値)
    『体力 :516万
     攻撃力:272万
     防御力:296万
     聖力 :264万
     素早さ:224万』



    「て、天使様が降臨を……!!!」

    533 = 520 :

    「け、結界は……大丈夫なのですか? この部屋には聖魔含めて最強の結界がかけられていたはずですが……」

    「唯一、通過出来る場所が、あの外側からしか開かない頑丈な扉だけだというのに……」

    「結界なら、この前ドラリン達が遊んでいる時にパリンッて割れちゃったみたい」

    「」

    「どっちにしろ、あの程度の結界じゃ、天使さんには意味ないけどね」

    「そ、そうですか……。流石は天使様……」

    「私自身も、前からこっそり抜け出して色々なところに行ってたりしてたし」

    「」

    「そもそもドラリン達なら、あの扉自体、壊すの簡単だと思うよ」

    「」

    534 = 520 :

    「な、ならば何故、聖女様はこの様な軟禁生活を受け入れられてるのですか」

    「私はてっきり、聖女様は封印されていて身動きが取れないからだと……。しかし、その気になればここからいつでも出られるというのに、何故!」

    「それは、ここの場所が聖地だけあって、みんなの信仰や祈りが世界中から集まってくるからだよ」

    「今、女神様が魔王によって封印されてるらしくって。だから私が女神様の代わりに、この場所でそれを祝福や加護に変えて与えてるの」

    「で、では、聖女様は今や実質的に女神様と同じ……。私の加護も聖女様が……」ガクガク、ガタガタ

    「うん。天使さんに頼まれてその代わりをしてるだけなんだけどね。私は力を貸してるだけで、細かい事は天使さんが全部やってくれてるよ」

    「そ、そうですか……。さ、流石は聖女様……」ガクガク

    「急にどうしたの? 震えてるけど? 寒いの?」

    「あ、い、いえ……。多少驚いてしまったので……」ガクガク

    「驚く程大した事はしてないよ。きっと女ちゃんでも出来るから。試してみる?」

    「ムリムリムリムリムリムリ、恐れ多いです! 私ごときではとてもとても!!」ブルブル

    「そんな謙遜しなくてもいいのに」

    「いえいえいえいえいえいえ!! 絶対ムリですから!! 無茶ぶりやめて下さい!!!」ガクガク

    535 = 520 :

    「でも、気軽に動けないと不便な時もあるからなあ。今回もどうしようかなって考えてたところだし」

    「そ、それはそうでしょうね……。勇者様のお供をすると言うのならかなり長い間、ここを空ける事になりますし……」ガクガク

    「そうなんだよね。二・三日ぐらいならいなくなっても平気なんだけど、何ヵ月も空けると世界中の加護とか祝福が少なくなっちゃうだろうから、みんな困ると思うし……」

    「は、はい……。そうでなくとも聖女様は教会のシンボル的なところありますし……。聖女様が行方知れずになったとなれば、世界中の者が悲しむはずです」

    「それに、竜に愛されてる聖女様の存在があるからこそ、教会は絶大的な信頼を得ています。最強の武力を有している事にもなるので、大きな顔が出来ている訳ですし……。きっと教会も聖女様の旅立ちを認めないでしょうね……」

    「言い方全然違うけど、何か教皇さんも似たような事を言ってたね。あの人の陰湿なやり方は嫌いなの、わたし。だから、女ちゃんがやってる事は応援してたよ」

    「で、では、聖女様も今の教会の方針を快く思ってはいないと……!」

    「うん。わたしはここから長い間離れられなくなっちゃったし、わたしが教会の事を悪く言うときっと女神様への信仰自体が弱くなっちゃうからね。そのせいで何も出来なかったんだけど」

    「だから、信仰を下げずに教会に反旗を翻している女ちゃんにはいつも感謝してたよ」

    「なら、私はすぐさま、以前の様に教会から袂を分かちます! まだ枢機卿になるという発表はされてませんし!」

    「そう? ありがとね。でも、その前にやっぱり女ちゃん、わたしの代わりに祝福や加護をみんなに与えてくれない?」

    「だからそれはムリですって!! 聖女様たっての頼みなので断りたくはないのですが、ムリなんです!!」ガクガク

    536 = 520 :

    「そんな事ないよ。結構簡単な事だし」

    「世界規模の加護や祝福を簡単とか言われても困ります!!」ガクガク

    「女ちゃんなら才能あるし大丈夫だと思うんだ。一度試してみればわかるから。わたしの聖力を少しだけ女ちゃんにも貸すしね。はい」パアアッ

    「あ、あああああああああああああああああああっっ!!!///」ビクンッ!

    『女のパラメータが上がった!!』

    【教会を破門された女】
    『体力 :6254
     攻撃力:   1
     防御力:9999
     魔力 :8870
     素早さ:4209』
         ↓
    【聖女の祝福を受けし女】
    『体力 :7289万
     攻撃力:    1
     防御力:8753万
     聖力 :9999万
     素早さ:5047万』


    「それで、この地に送られてきてる祈りや信仰を女ちゃんに受け渡して」パアアッ

    「ふああああああっ!!///」ビクンッ!!!


    「ね? 平気でしょ?」

    「え、あ、はい……。大丈夫……みたいですね……」パアアッ (後光が差す)


    「それじゃ、お願いしてもいい? 細かい事は天使さんがやってくれるから」

    天使A「ええ。私どもに万事お任せを……」ペコッ

    「は、はい!!」ビクッ


    「あと、念の為にドラポンを護衛に残しておくから。頼んだよ、ドラポン。女ちゃんを守ってあげるんだよ」

    地海竜『グルルルッ!!』フンスッ

    「」ビクッ!!

    537 :

    インフレが止まらねえ!

    538 = 520 :

    「それじゃ行ってくるから。悪いけど、しばらくお願いね」

    「は、はいっ!! 聖女様からの頼みであれば、この命尽きるまでここでお待ちしております!!」

    「大袈裟だよ。でも、出来るだけ早く帰ってこられるように頑張るね」

    「はいっ!!」

    「魔王を倒して女神様の封印が解けたら、わたしもこの場所から自由に動けるようになるし、そうなったら、この教会の事も何とかしよう。女ちゃんと一緒なら良い方向に変えていけると思うし」ニコッ

    「あ、ありがとうございますっ! 聖女様!!」

    「それじゃ行こうか、ドラリン。よいしょっと」ピョン(竜の背に乗る)

    天海竜『グルルルッ!!』フンスッ


    「」ビクッ

    539 = 520 :

    「魔王を倒したらすぐに戻ってくるから。どれだけかかるかわからないけど、女ちゃん、それまでドラポンと一緒に仲良くしててね」

    地海竜『ぎるる』コクコク

    「は、はい!!」


    「じゃあ、行こっか。わたしの行く先を阻む物よ、一時、その力を消したまえ」パァァッ

    (壁がぐにゃりと曲がり、巨大な穴が開く)


    「なにあのまほう……。わたししらない……」


    「進む先は山奥の村だよ。飛んで!」

    天海竜『グルルルッ!!』バッサ、バッサ



    ヒューン……!!!



    「はや!」


    ウニョニョ……


    「あ、かべがもとにもどってく……。すごい……」

    540 = 520 :

    ー 中央国、上空 ー


    「やっぱり空飛ぶのって気持ちいいよね」

    天海竜『グルルルッ』バッサ、バッサ


    「それにしても、勇者、どんな風に変わってるかな? きっとスゴく強くなってるよね」

    天海竜『グルルルッ!』バッサ、バッサ


    「だよね! あと、スゴくカッコよくなってるかもしれないね。昔からカッコ良かったし」

    天海竜『グルルルッ!』バッサ、バッサ


    「え? 前? あ、魔物だね。悪霊系かな……?」





    闇死霊「竜……!? た、退避……!!」フワリッ




    天海竜『グルルルッッッ!!』バッサ、バッサ!!!

    「あ、いいよ。私がやるから」

    「闇より生まれし亡者よ、闇へと消え去りなさい」パァァ




    闇死霊「あ、ああああっ……!!!」ビキキィィィ


    パリンッ…… (消滅)




    「さ、行こう。十五年振りに勇者に会いに! 楽しみだね!」

    天海竜『グルルルッ!!』バッサ、バッサ!!

    【竜に愛されし聖女】
    『体力 :9999億
     攻撃力:9999億
     防御力:9999億
     聖力 :9999億
     素早さ:9999億』

    特殊技能:奇跡

    541 = 520 :

    ー 南の海、凪の海賊団、アジト前 ー


    船長「大船長ーーーーっ!!!」ダダダダダッ


    バキイッ!! ズゴーンッ!! ガッシャーン!!!

    船長A「ぐぼおらげほぐふげふわっっっ!!!」ビューン!!

    【格闘王】
    『体力 :7574
     攻撃力:8329
     防御力:6811
     魔力 :  36
     素早さ:6025』

    船長「!!?」


    「大船長!! 考え直しぎゃぐいあぐげごぼがぎふあっっ!!!」

    バリーィン!! ズガッシャーン!!

    船長B「が、ぐふっ…………」ドサッ

    【三番艦隊、隊長】
    『体力 :6597
     攻撃力:7134
     防御力:5468
     魔力 :   0
     素早さ:7256』


    船長「お、遅かったか、ちくしょう!!」

    542 = 520 :

    ー アジト内 ー


    ガチャッ!!!

    船長「大船長っっ!!」


    闘神「ああ、女船長、お帰り。悪いけど、今、ちょっと立て込んでてね」

    副船長「がふっ……!!!」ドサッ……

    【四海の小覇王】
    『体力 :8187
     攻撃力:8255
     防御力:8436
     魔力 : 291
     素早さ:5923』


    船長「副船長までっ!!!」

    船長「やっぱり、この海賊団を抜ける気なんですか、大船長!!」


    闘神「そ。ひょっとしてあんたまで止めに来たの?」

    闘神「もしそうで、そこのみんなみたいに実力行使で止めようとするってんなら、床とキスする覚悟はしときなよ」



    船長C「」(気絶)
    船長D「」(気絶)
    船長E「」(気絶)
    船長F「」(気絶)
    船長G「」(気絶)
    船長H「」(気絶)
    船長I「」(気絶)


    船長「わ、私を除いた十番隊の船長全員が、もう……!!」

    543 = 520 :

    闘神「だから、最初に言っておいたのにさ。子供の時からの約束があるから、あいつが伝説の勇者になって現れたら、あたしは海賊稼業をすっぱりやめるって」


    船長「確かにそりゃ聞きましたよ!! でも、本当にその幼馴染みが約束通り勇者になって旅立つなんて、誰も思わないじゃないですか!!」

    船長「それに、大船長はもう世間じゃ海賊王だって言われてるんですよ!! この海賊団がここまでデカクなったのだって、大船長が率いていたからで!!」

    船長「大船長はこの海賊団の竜骨なんですよ!! 屋台骨なんです!! 今更抜けるって言われたら、そりゃ何としてでも止めますよ!!」


    闘神「それこそ勝手な言い分だね。あたしは初めから全員に言ってあるんだし、それでいいって話だったんだから」

    闘神「で、いざその時が来たら、納得出来ないからってムリヤリ捕まえようとしてくるなんてね。そりゃあたしだって反撃するよ」


    船長「大船長が抜けたら、その後、私らはどうしろってんですか! 解散しろって言うんですか!?」

    船長「こんだけデカイ海賊団まとめれるの、大船長だけなんですよ!! でなきゃ隊長同士で争いが起こりますって!!」


    闘神「ま、それについてはあたしも困るからね。だから、しばらくは副船長に任せる事にした。これ、一応委任状。あんたはその補佐にしといたから」ピラッ

    船長「ちょっ! 勝手ですって、そんなの!!」

    闘神「いいでしょ、別に。ずっとって訳じゃないんだし。魔王倒したらまた帰ってくるから、それまでの間だけだしさ」

    船長「それ、いつになるんすか!! 無理ですよ、私らじゃそんなに長い期間もたないですって!!」

    闘神「なら、お互い武闘家らしく、拳でケリつけよっか?」スッ

    船長「っ!!! そ、そっちも無理です……!! 大船長に勝てる訳ないじゃないですか!!」ガタガタ

    544 = 520 :

    闘神「ま、あんた達もそこそこ強くなった訳だし、平気だってば。もう、ここらじゃ敵なしぐらいの強さにはなってるはずだし」

    闘神「それに、海賊稼業もそろそろ潮時だったからね。これからは貿易でやっていこうかって話になってたし、あたしはあまり必要ないでしょ」

    船長「必要あります!! 大船長がいなかったら、私ら誰から経営学とか学ぶんですか!! ずぶの素人揃いなんすよ!!」

    闘神「そっちも、あたしが昔使ってた教本置いといたから、自分たちで学びなよ。小麦とかのあまり価格変動が起きないもの扱って堅実にやってけば、大こけはしないはずだから」

    闘神「ただし! 商売とかせずに、あたしがいない間に勝手に先祖がえりして、もしも商船の略奪を始めるようなら……」

    闘神「その時は容赦なく潰すから、それだけは忘れないようにしなよ」ゴゴゴゴゴ……

    船長「っ!!」ビクッ!!


    闘神「って事で、他の隊長達にも起きたらそう伝えといて。それじゃあね」ダンッ (窓から近くの大岩まで大ジャンプ)


    闘神「」ピィィーッ (指笛)



    ヒューン……

    鳳凰「」バッサ、バッサ (全長56メートル)

    【神の使い】
    『体力 :551万
     攻撃力:246万
     防御力:219万
     魔力 :336万
     素早さ:304万』




    船長「!!!???」



    闘神「さ、行こっか! 目指すは山奥の村!! 勇者と合流するよ!!」スタンッ (乗る)

    鳳凰「シギャアアアアアアッ!!」ビリビリッ



    バッサ、バッサ、バッサ……



    船長「っ……。け、結局、止めるどころか、一歩も動けなかった……」ヘナヘナ

    船長「大船長……。いつの間にあんな怪物手懐けたんだ……」

    船長「やっぱ化物だわ、あの人…………」ハァ……

    545 = 520 :

    ー 南の国、上空 ー


    闘神「にしても、大変な騒ぎになっちゃったな。この五年の間にちょっと組織をデカくし過ぎたかも」

    鳳凰「」バッサ、バッサ


    闘神「しっかし、楽しみだな。本当に勇者に選ばれちゃったし、あいつ。どれだけ強くなってるんだろ」

    鳳凰「」バッサ、バッサ


    闘神「ま、伝説の勇者だし、それぐらい強くなってもらわないと困るか。ふふっ」

    鳳凰「シギャアアアアッ!!」バッサ、バッサ


    闘神「ん、ああ……。下にちょっと強そうな魔物がいるね。女船長だけじゃ多分あれはキツいかな。他の面子は今気絶してるし、あたしが片付けておくか」





    クラーケン「URYYYYYYY!!?」ビクッ (全長39メートル)




    闘神「行くよっ!!」ギュイイーン


    「 烈 火 降 破 弾 !!!」(気功弾)



    ズガッバキッガッシャーーーーーーーン!!!

    クラーケン「GYUAAAAAAAAAA!!!」ドギャボギアガギ!!!


    ゴボゴボゴボ…… (撃沈)




    闘神「よしっ! それじゃ、十五年前の約束を果たしに行こっか!!」

    【武を極めし女闘神】
    『体力 :9999億
     攻撃力:9999億
     防御力:9999億
     魔力 :9999億
     素早さ:9999億』

    特殊技能:魔法拳
        :硬気功
        :柔気功
        :軽気功
        :外気功
        :秘孔
        :合気
        :消力
        :忍術
        :暗殺拳
        :殺意の波動

    546 = 520 :

    ー 異界、中央巨大塔、最上階 ー


    カツーン、カツーン……

    魔王「さて、ここまで来てようやく真魔王と御対面という訳なのだが……」

    側近「」チャキッ (剣を構える)

    魔王「しかし、お前がこの世界の魔王とはな。その姿、意外としか言えないぞ」


    「?」

    「お前、誰だ。いきなり訪ねて来て無礼だろ」


    魔王「無礼はそちらであろう。招かれざる客ではあるが、余は魔界から来た魔王だぞ。礼儀を知っているのならば、それなりの態度を持って遇せよ」


    「お前が魔界の王?」

    「嘘だな、お前、弱すぎる。論外だ」


    魔王「ほう。ならば試してみるか……?」ゴゴゴゴゴ……


    「断る、面倒だ。客でないなら排除するだけ」ビュンッ!!

    「はいっ!!」ドゴオオオオオオオオンンンンッッッ!!!


    ズガゴラギングワンバキンドグガッシャーーーーン!!!

    魔王「ごぶげらがぎぐれごがぶぎがりごぼほあああああっっっ!!!!!」メキョ、バキッ、ガッシャーン!!!

    側近「魔王様ぁぁぁぁーーーー!!!」



    「お前は見逃してやる。さっさと去れ」

    側近「ぐっ、うおああぁっっ!!! ま、魔王様ぁぁぁっっ!!!」ダダダダダッ


    「とんだ無礼な奴らだ。あんなの、御主人様に会わせる価値もない」

    【真魔王の式神】
    『体力 :2000億
     攻撃力:2000億
     防御力:2000億
     魔力 :2000億
     素早さ:2000億』

    547 = 520 :

    「」ペタペタ、ヌリヌリ (魔王が吹き飛んで壊れた壁の修復中)


    魔王「おーい、侍女ー。さっき、何か大きな音がしたけど、何かあったのかい?」テクテク

    「変な奴ら来たから、追い出した」

    魔王「そうか。そりゃありがとう。いつも、御苦労様」

    「他愛ない。もっと誉めろ」フンスッ

    魔王「わかったよ。君は偉い、よくやってくれてる」

    「それほどでもない」フンスッ

    魔王「そっか。ああ、それとしばらく僕は出掛けてくるから、その間、留守番を頼んだよ」テクテク

    「何だ? 御主人様、どっか行くのか?」

    魔王「人間界に里帰りだよ。幼馴染みが勇者に選ばれたからね。だから、これから僕も一緒に魔王を倒す旅に出てくるのさ」

    「魔王か。きっと恐ろしく強いんだろうな。御主人様、大丈夫か?」

    魔王「どうだろうね……。とんでもないぐらいの強さだって話だし……。何せ三年間、僕の先生の元で修行しただけで、先生が戦わずして負けを認めたらしいからね……。正直なところ、僕の実力では叶わないだろうなって思ってる」

    魔王「でも、勇者の他にも僕には強い仲間達が一杯いるからね。皆で力を合わせて戦えばきっと何とかなるよ。どれぐらいかかるかわからないけど、必ず魔王を倒して帰ってくるから」ニコッ

    「それでも心配だ。私、留守番で平気か? 手伝うぞ?」

    魔王「大丈夫だよ、ありがとう。それに、僕は不老不死の秘法を会得してるしね。最悪でも、死ぬ事はないよ」

    「そうか。でも、やはり心配だ。気を付けろ」

    魔王「わかってる。それじゃ、ちょっと行ってくるから」スッ


    魔王「時空の扉を開けたまえ、我が目指すは人間界なり……」


    ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……


    魔王「じゃあ、留守番頼んだよ」フッ…… (消える)




    「行ったか」

    「無事に帰ってこいよ、御主人様。私はそれまで待ってるからな」

    548 = 520 :

    ー 竜界(人間界)、妖魔の森すぐ近く ー


    フッ……

    魔王「ん……。到着っと。ここは妖魔の森近くかな」

    魔王「おや……」



    大賢者「」…… (骸)


    魔王「魔物にでもやられたのか……。だけど、亡くなってからそう時間が経ってる訳でもないみたいだ……」

    魔王「これなら……」スタスタ


    魔王「蘇生魔法。この者の魂を冥界から呼び戻したまえ……」パァァッ……

    大賢者「っ……」ビクリッ……


    魔王「うん。甦ったな。あとは……」

    魔王「召喚魔法。我の魔力を贄としてその姿を現したまえ……。左より、守護の雷神」パァァッ

    ズゴゴゴゴゴゴ……

    トール「……我を呼びし者、何用だ」

    魔王「陰陽術。我との契約を結びし者、我の前に姿を見せよ……。右より、姿麗しき霊獣」ピカッ

    ズゴゴゴゴゴゴ……

    九尾の狐「……何じゃ、昼寝しとったところを呼び出しおって」


    魔王「我が名をもって命じる。トールはこの者を葬った魔物に、裁きの鉄槌を」

    魔王「九尾の狐はこの者を安全な場所に移して、回復するまで面倒を見てくれ」


    トール「容易い願いだ……。叶えよう」

    【古の雷神】
    『体力 :624万
     攻撃力:482万
     防御力:376万
     魔力 :153万
     素早さ:219万』


    九尾の狐「やれやれ……。その程度の事で妾を呼び出しおってのう……」

    【傾国の美狐】
    『体力 :377万
     攻撃力:213万
     防御力:159万
     魔力 :582万
     素早さ:252万』

    549 = 520 :

    トール「出でよ、ミョルニル!」ズンッ


    ※注釈
    ミョルニルは鎚の名前。名称は古ノルド語で「粉砕するもの」
    決して壊れない。投げても的を外さずに再び戻ってくる


    トール「ふんっ!!!」ブンッ (ぶん投げ)


    ヒューン……





    「UGIYUAAAAAAAAAA!!!」 (断末魔)




    九尾の狐「どれ、では運んでやるか」パクッ、グイッ (口でくわえる)

    大賢者「う……」ズルッ


    九尾の狐「面倒じゃが、妾の屋敷で世話してやる。感謝するんじゃな」ピョーンッ

    大賢者「こ、これは……ゆ、夢…………?」


    ピョン、ピョーンッ……



    魔王「これで良しと」

    魔王「それじゃあ、僕も行くとしようかな。今から勇者に会うのが楽しみだ」ニコッ

    【異界に君臨せし真魔王】
    『体力 :9999億
     攻撃力:9999億
     防御力:9999億
     魔力 :9999億
     素早さ:9999億』

    特殊技能:多重魔法
        :合成魔法
        :召喚魔法
        :陰陽術
        :回復・蘇生魔法
        :時魔法
        :時空魔法
        :移動魔法
        :即死魔法
        :魔力錬成術


    魔王「山奥の村まで! 移動魔法!」ヒュンッ……

    550 = 520 :

    ー 西の国、専用研究所 ー


    大富豪「いよいよね。これで魔結晶は全部そこのエネルギータンクに入り終わったわ」

    秘書「はい。しかし、膨大な数でしたな……」ゼェゼェ

    大富豪「そうね。でも、フルパワーでずっと動かそうとするなら、きっとこれぐらいは必要よ」


    大富豪「子供の頃、絵本やおとぎ話を聞いて、私はずっと思い描いてたの」

    大富豪「私は体を動かすのが得意じゃない。だから」

    大富豪「私の代わりとなって戦ってくれる、ゴーレムの様な存在が欲しいって」

    大富豪「そして、私は苦労の末に魔導鉄の開発に成功した。これは偶然じゃないと私は確信したのよ」

    大富豪「運命の女神が、私にこれを造れと、ずっと囁いていたのよ!」

    大富豪「魔結晶をエネルギーとして動き、魔導鉄と魔力回路によって自在に可動する、人が生み出したる神たる存在!」

    大富豪「この、『魔導機神、ウイングフリーダムゴーレム』をね!!」


    魔導機神「」…… (全長19メートル・人型)

    【最終決戦兵器・魔導機神ウイングフリーダムゴーレム】
    『耐久力:9999億
     火力 :9999億
     装甲 :9999億
     運動性:9999億
     持続力:9999億』

    武装:近接防御機関砲×2門
      :高エネルギー魔力出力砲×8門
      :魔力ソード×2
      :魔導シールド
      :対巨大魔獣用、大型魔力凝縮出力砲×2
      :魔導レールガン×6門
      :遠隔操作型、魔力出力小型砲台×32機
      :大型魔導弾バズーカ×2
      :光の翼(背面超大型魔力ソード)


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