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    元スレ勇者「仲間TUEEEEEEEEEEEEEE!!」

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    601 = 571 :

    仲間「またワンパンで終わっちまった」

    勇者「仲間TUEEEEEEEEEEEEEE!!」

    602 = 597 :

    死んでも真魔王いるから大丈夫だし(震え声)

    603 :

    正直、草生えまくった

    604 = 552 :

    既に完結したかのような雰囲気で草

    605 :

    いつから勇者が勇者だと錯覚していた?

    606 :

    これだけ強いとちょっとした動作でも天変地異、自然災害レベルの大惨事になりそうなんだけど
    ジャンプのトリコの八王みたいなもんになる

    それと、勇者の神託は女神だけの能力で、聖女はそれ以外の仕事を肩代わりしてるんじゃないかな

    608 :

    だ、大丈夫!
    きっと裏魔王とか極魔王とか超絶魔王とかが居るはず…

    609 :

    大賢者の才能が凄まじいレベルなんだが

    610 :

    あれ?でもこれ、よく見ると女神を封じた魔王って別にいるんじゃね?女神が弱ってるのは事実だし、鳳凰とか天使とか神クラスの使いレベルが竜と同じくらいだからそれよりちょっと強い程度のあの魔王じゃ、女神を封じれない気がするし。

    611 :

    ゴーレムから溢れ出るスパロボ感wwwwwwww

    612 :

    インフレが清々しすぎて気持ちいい

    613 :

    魔族の基本値が人間に比べて高いのは食生活のせいではなかろうか?

    614 :

    いや騙された、見事としか言えない

    615 :

    単位が違うことに笑うしかない

    616 :

    ー 異界の最果て ー


    側近「ま、魔王様ぁぁぁ!! 魔王様は何処に!!」キョロキョロ

    側近「吹き飛ばされた方角からして、絶対こちらの方向にいるはずなのに! 最果てまで来ても一向に見つからない……!」

    側近「一体、どこへ……!! 『闇の衣』を纏っている魔王様がやられるはずがない! あの方は絶対に生きておられる!!」



    側近「魔王様ぁぁぁ!! 私の声が聞こえておられたら、どうかお返事を!! 魔王様ぁぁぁ!!」




    「っ…………」




    側近「!!」

    側近「今、藪の中から、気配が……!! 声が……!!」


    側近「魔王様! そちらにお出でなのですか!!」ダダダッ




    魔王「ぁ……がっ……」ビクッ、ビクッ
    残り体力:1

    死神鳥A「カァァァ!! カァァァ!!」ツンツン
    死神鳥B「カァァァ!! カァァァ!!」ツンツン
    死神鳥C「カァァァ!! カァァァ!!」ツンツン
    死神鳥D「カァァァ!! カァァァ!!」ツンツン
    死神鳥E「カァァァ!! カァァァ!!」ツンツン
    死神鳥F「カァァァ!! カァァァ!!」ツンツン
    死神鳥G「カァァァ!! カァァァ!!」ツンツン
    死神鳥H「カァァァ!! カァァァ!!」ツンツン



    側近「ま、魔王様ぁぁぁぁぁーーーー!!!!!」

    617 = 616 :

    側近「このクソ鳥どもがっっ!! 魔王様に近付くな!!!」ジャキッ、ズバッ!!! (剣で払う)


    死神鳥A「ガアアッ!!」バササッ (退避)
    死神鳥B「ガアアッ!!」バササッ (退避)
    死神鳥C「ガアアッ!!」バササッ (退避)
    死神鳥D「ガアアッ!!」バササッ (退避)
    死神鳥E「ガアアッ!!」バササッ (退避)
    死神鳥F「ガアアッ!!」バササッ (退避)
    死神鳥G「ガアアッ!!」バササッ (退避)
    死神鳥H「ガアアッ!!」バササッ (退避)




    魔王「っ……ぁっ……」ビクッ、ビクッ (瀕死)
    『残り体力:1』


    側近「おいたわしや、魔王様!! この様な無惨な姿に……!!」グスッ

    側近「魔王様の盾となるべき私がついていながら、なんたる失態……!! 全てこの私の責任!!」ポロポロ

    側近「今すぐお助け致します! 私の全魔力をお受け取り下さい!! これで魔王様は回復を!!」パァァァァッ!!!
    『残り魔力:497万→0』


    魔王「っ……! うぐっ……!!」ビクンッ!!!
    『残り体力:1→62万』


    側近「良かった……。持ち直されたか……。傷もふさがっていく……」グスッ

    618 = 616 :

    ー 数時間後、湖のほとり ー


    魔王「うっ……」パチリ……

    側近「魔王様、気が付かれましたか!」


    魔王「ここは……」

    側近「異界でございます! どこかは正確にはわかりませんが、かなり端の方かと!」


    魔王「余は……何故……ここにこうして寝て……」

    側近「そ、それは……。非常に申し上げにくい事なのですが……」


    魔王「いや……良い。……思い出した」

    側近「…………」


    魔王「余は……負けたのだな……。この世界の魔王に……」

    側近「はい……」


    魔王「その辺りの記憶がいまいち戻って来ぬが……。余はどう負けたのだ……?」

    側近「……ほとんど一瞬の事だったので、私にもわかりません。……気が付けば魔王様が吹き飛ばされていました」

    魔王「そうか……。一瞬か……。一撃で余はやられたのか……」

    側近「…………」

    619 = 616 :

    魔王「倒れていた時に……夢を見たのだ」

    側近「……?」


    魔王「夜に見る夢の方だ……。その夢の中では……余がまだ王にもなっておらぬ頃だった……。魔界を旅して……強くなって……」

    魔王「もうこの魔界に敵はおらぬと思った頃……。師匠に出会い……そして今の様に一撃でやられた……」

    魔王「実際は違うのだがな……。現実では……師匠は余を軽くあしらっただけで……手傷一つ負わせる事なく余に勝ったのだから……」

    側近「…………」

    魔王「その時の師匠と余ではそれだけの差があった……。だからこそ……こんな夢を見たのであろう……」

    側近「……左様ですか」

    魔王「そして、余はその夢の中で師匠に何か言われた……。覚えてはおらぬが、師匠は何と言っていたのか……」

    魔王「困ったような……呆れたような……それでいて優しい顔をしていたが……」

    側近「…………」

    620 = 616 :

    側近「魔王様……」

    魔王「何だ……?」

    側近「最終的には……魔王様は師匠を超えられたのですから。今度もまた……同じ事になると私は信じております」

    魔王「そうだな……。余もそのつもりだ」

    側近「一度の敗北など、取るに足りません。また研鑽を積まれ、次に会った時に雪辱を晴らせば宜しいかと」

    魔王「わかっておる……案じるな。余は同じ相手に二度も負けはせぬ」

    側近「はっ! それでこそ魔王様!! 我が主様です!!」

    621 = 616 :

    魔王「ならば……そろそろ行くか」ムクッ

    側近「いえ! まだ休まれた方が! 御体調は万全とは言えません!」

    魔王「構わぬ。話してる内に、感覚もずいぶんと戻ってきたからな。それに、手と足さえ動けば問題ない」

    側近「ですが、まだ御養生なされるべきです!」

    魔王「いや、時間の無駄だ。それに、再戦をしに行こうという訳ではないぞ。一時、魔王城へと戻る事とする。出直しだ」

    側近「そうですか……それならば……」

    魔王「異界に来たのは無駄足となってしまったが、新たな目標が出来たのだ。決して悪い気分ではない。凱旋は出来ぬが、それは次回の楽しみに取っておこう」

    側近「はっ!」

    魔王「それと、御苦労であったな、側近。倒れている間、余をずっと守っていたのであろう。この有り様を見ればお前がどれほど奮戦したか手に取るようにわかる」

    側近「いえ、これしきの事は……」
    『残り体力:26万』




    烈火オオカミ「」…… (骸)
    凍結鳥A「」…… (骸)
    凍結鳥B「」…… (骸)
    四手の怪奇サル「」…… (骸)
    暗黒ゾウA「」…… (骸)
    暗黒ゾウB「」…… (骸)
    暗黒ゾウC「」…… (骸)
    巨大キラーアントA「」…… (骸)
    巨大キラーアントB「」…… (骸)
    熱ムカデ「」…… (骸)
    鋼鉄イノシシ「」…… (骸)
    鬼ゾンビ「」…… (骸)
    死神の鎧A「」…… (骸)
    死神の鎧B「」…… (骸)
    死神の鎧C「」…… (骸)

    622 = 616 :

    側近「それよりも、魔王様……」

    魔王「何だ」

    側近「魔王城へ戻りましたら、どうか私を処罰して下さい。どの様な処分でもお受け致します」

    魔王「意味がわからぬな」

    側近「私は魔王様の盾となるべき存在です。それが、あの時は何も出来ず、魔王様をみすみす危機に追いやりました。処罰を受けて当然の事でございます」

    魔王「下らぬな。余はこうして生きているし、お前の働きがなければどうなっていたかはわからぬ。誉める理由はあれど、処罰する理由はない」

    側近「いえ、あの時、私が魔王様の身代わりとなって死ぬべきでした。それこそが盾たる私の役目。それを全う出来なかったのは全て私の責任でございます。どうか、ご処罰を」

    魔王「ならば、側近には次の事を命じる。心して聞け」

    側近「はっ」

    魔王「お前はこれから先、寿命以外で死ぬ事を許さぬ。その上で、生涯をかけて余の盾たる役目を全うせよ」

    側近「……!」

    魔王「良いな。それがお前への罰だ。余の許しなく勝手に冥界に行く事は許さぬ」

    側近「はっ!! 必ずや!!」ポロポロ……

    623 = 616 :

    ー 同時刻、山奥の村 ー


    約束の木「」…… (倒壊)



    「…………」

    剣聖「…………」

    闘神「…………」

    魔王「…………」

    大富豪「ご、ごめんなさい……」シュン

    624 = 616 :

    魔王「……折っちゃたんだ」

    大富豪「わ、わざとじゃないの……。ゴーレムで着陸した時に、当たっちゃって……」シュン

    闘神「何て言ったらいいか……。どうしような、これ……」

    剣聖「……聖女、お前の奇跡で何とかならないか? これじゃ、勇者が戻ってきた時に悲しむぞ」

    「わかってる。そう思って、今、木さんにお願いしてるんだけど……」ソッ (木に手で触れる)


    約束の木「」…… ピカーッ(光り輝く)


    「もう寿命が近いからって……。どうせ近い内に枯れるなら、治さずにこのままがいいって言ってるから……」シュン

    剣聖「そうか……。それならもう仕方がないか……」

    闘神「真魔王、あんたでも無理? 時魔法とかで時間戻して何とかなんないの?」

    魔王「そこまで魔法は万能じゃないからね……。時の加速は出来ても、逆行は出来ないよ。そこら辺は女大富豪の方が詳しいよね?」

    大富豪「うん……。因果律に逆らう様な魔法は存在しないの……。それが出来たら歴史が目茶苦茶になっちゃうし……」


    ※注釈
    因果律。原因があるから結果があるのであって、その逆は有り得ないという考え


    闘神「じゃあもう、どうしようもないって事か……」ハァ……

    625 = 616 :

    「しょうがないよね……。勇者が来たら、訳を話して謝ろう。女大富豪ちゃんもわざとじゃないんだし、きっと許してくれると思うよ」

    剣聖「そうだな。あいつは優しかったし、それに、器量も人一倍大きかった。きっと、許してくれるはずだ」

    魔王「そうだね。勇者なら間違いなく大丈夫だと思う」

    「木さんもごめんね……。女大富豪ちゃんを許してあげてね」ソッ


    約束の木「」…… ピカーッ(光り輝く)


    「うん……そっか。大丈夫だって。気にしないでって言ってる。良かったね、女大富豪ちゃん」

    大富豪「うん……。ごめんなさい、それと今まで私達を見守ってくれてありがとね」

    剣聖「最期は俺が見取る。また、苗木が生えて成長出来るように……」スッ


    「聖剣技! メ サ イ ア !!」

    スパッッ!!!


    切り株「」……



    闘神「この倒れた木の方は、切って牧場の柵として使おうか。柵が結構壊れるって言ってたから、きっと牧場のおっちゃんも喜ぶだろ」ヒョイッ (重量2t)

    「そうだね。それがいいね」

    大富豪「あ、じゃあ、それは私がやる!」

    魔王「ううん。みんなでやろう。牧場のおじさんには昔から全員お世話になってるし、恩返しだと思ってさ」

    剣聖「良い事言うな、真魔王。よっしゃ、なら全員で張り切って行くか!」



    「おーっ!!」


     

    626 = 616 :

    ー そして、それから五日経った現在 ー


    切り株「」……


    勇者「…………」(茫然自失)



    勇者「何で……切り株になって……」

    勇者「皆とここで約束したのに……」

    勇者「また……この木の下で会おうって……」


    勇者「みんなは……じゃあ、どこに……」



    ドッッッッゴーーーーーンンッッ!!!



    勇者「」ビクッ!!!


    勇者「な、何だ、今の音は!!」チャキッ (剣を構える)

    勇者「まさか、またキメラが襲ってきたのか!?」

    勇者「向こうの方から聞こえてきたな!! 村の外か!!」ダダダッ


    ダンッ (柵を飛び越える)

     

    627 = 616 :

    ー 外にある特設訓練場 ー



    闘神「どーだっ! あたしがこの一年で編み出した最強奥義は!」


    剣聖「痛てて……。参るな……。俺じゃなかったら死んでたぞ、これ……」


    大富豪「相変わらずだよね。二人とも強い強い。もう動きが目で追えないもん。羨ましい」

    「でも、剣聖って、もしかしてちょっと弱くなった? さっきから女闘神ちゃんに押されっぱなしだし」

    魔王「そういえば、今は国王様になってたんだっけ。革命が大詰めの時だったし、修行する時間はあまりなかったんじゃないかな?」


    剣聖「まあ、確かに修行する時間は減ったかもしれないが、それを負けの言い訳にするつもりはないぞ。純粋に、俺の実力不足だ」

    闘神「違う! あたしが強くなったんだ!」


    「どっちだろうね、真魔王。ふふっ」

    魔王「なんかこういうやり取り、毎年の様に聞いてるからなあ。何だかんだで仲が良いんだよね、あの二人」

    大富豪「でも、恋愛関係とかにはならなさそうなのがね。なんか親友って感じだし」


    アハハッ、ソーダネ、ハハハッ






    ー 300メートル離れた地点 ー


    勇者「確か、ここらから音が……」ダダタッ……

    勇者「あ……」

    勇者「あそこにいる五人って、まさか……」

    628 = 616 :

    闘神「ん……?」ピクッ

    剣聖「…………」ピクッ


    「二人とも、どうしたの?」


    剣聖「いや、何か向こうから見られてる気配がな……」クルッ

    闘神「うん。殺気とかないし、気にする程じゃないんだけどさ……スライムかな?」クルッ




    勇者「あ……こっちに気付いた……?」

    勇者「行こう……!」タタタッ




    闘神「あ……ちょっとみんな、見て! 向こう!」

    剣聖「あれはもしかして……!」


    「え?」クルッ
    魔王「どうしたの?」クルッ
    大富豪「?」クルッ


    「あ! あの格好……!」

    魔王「それに、その顔……!」

    大富豪「ひょっとして……!」



    「「「「「勇者……!?」」」」」







    勇者「」タッタッタ……

    勇者「うん……。みんな……だよね?」



    「勇者ぁっ!! 久し振り!!!」

    「うん!! 久し振り、みんな!!!」




    「会いたかったっ!!! 十五年振りっっ!!!」


     

    629 = 616 :

    勇者「みんな、変わったね! 少しだけ面影が残ってるけど!」

    剣聖「そうか? 自分じゃ全然わかんないけどな!」

    闘神「あたしら、そんなに変わった?」

    勇者「うん! みんな、何か凛々しくなったっていうか、格好良くなってる! あと、女の子達は綺麗になって!」

    「ゆ、勇者、いつからそんな御世辞覚えたの、もう//」

    魔王「流石、王都で長く過ごしてただけはあるね。そうやって、何人の女の子を口説いたんだい?」

    勇者「いや、本当だって! 嘘なんかついてないよ! 全員、本当に立派になったし、美男美女になってる!」

    「で、でも、勇者も立派になってるよ!// 何かもう、見た目からして伝説の勇者って風格出てるもん!」

    大富豪「何せ勇者は、王都で騎士隊長就任の最年少記録出してるぐらいだもんね。私は色んな町を回ってたから、噂で活躍は何回も聞いてるよ。自分の事みたいに誇らしくってさ」

    勇者「ありがとう。そう言われると素直に嬉しいよ。でも、みんなとの約束があったから、俺は今日まで頑張ってこれたんだよ。だから、みんなのおかげだよ!」

    魔王「そういうとこ、変わらないね、勇者は。僕はそれが嬉しいよ」

    「うん……。優しくて素直で、思いやりがあって明るい勇者のまま……。わたしもなんか嬉しくなっちゃう」

    剣聖「そうだな。お前が変わってなくて本当に良かった」

    大富豪「そして、約束通り、世界でたった一人の勇者に選ばれて……」

    闘神「こうして、ここに帰ってきてくれた!!」



    「勇者、おめでとう!! 子供の頃からの夢が叶って!!!」

    「ありがとう、みんなっ!!」


    630 = 616 :

    闘神「にしても、ホントにびっくりしたよ! 振り向いたらいきなり勇者がいるんだもん!」

    剣聖「俺たち、勇者が来たらすぐに駆けつけようって思ってたのに、完全に虚をつかれたからな!」

    勇者「そうだったんだ、何かごめん。いきなりで」

    「ううん。逆に感心したよ。ね、みんな?」

    魔王「そうだね。剣聖と女闘神の二人にまったく気付かれないって相当なものだからさ」

    大富豪「だよね。それだけ強さとか覇気を隠してたって事でしょ? なかなか出来る事じゃないよね」

    勇者「……隠す?」

    剣聖「まったくだな。勇者が来たら闘気とかですぐにわかると思ったんだけどな。悔しいというより流石だぜ」

    闘神「ね。そういうの欠片も感じなかったもんね。あれだけ近付くまで気付かせないってスゴいよ。あたしらでも、あそこまで力を抑える事出来ないもん」

    勇者「??」

    631 = 616 :

    「ね、勇者はもう村長さんとかに会った? きっとみんな喜ぶと思うよ」

    魔王「そうだね。神父さんとか、あと隣のおじさんおばさんとかも。勇者の事を気にしてたからさ」

    勇者「あ、うん。会ったよ。一応、挨拶は済ませた。それよりもさ」

    闘神「?」

    勇者「十五年前に約束したあの木が伐られてたんだけど……。あれ、一体何があったの?」

    大富豪「あ……」

    「あ、あの、ごめんね。悪気はなかったの……」

    魔王「あれ、女大富豪がはずみで折っちゃったんだよ……」

    勇者「……え? はずみで?? え??」

    闘神「お、怒らないで聞いてくれよ、勇者。女大富豪もそんなつもりはなかったんだから。折ろうとして折った訳じゃないんだ」

    剣聖「ちょっと勢いがつきすぎて、ぶつかったみたいでな……。事故なんだよ」

    勇者「ぶつかってあの大木が折れるの????」

    大富豪「あ、あの、ごめんなさい! だから、勇者、怒らないで! 落ち着いて!」

    632 = 616 :

    勇者「いや……怒ってはないけど……。ただ、状況がよくわからないから……」

    「あ、そうだよね。勇者は何も知らないんだから、そうなるよね。ちゃんと順番に説明するね」

    魔王「えっと……まず、女大富豪がゴーレムを造ったんだよ」

    勇者「!?」

    剣聖「それで、そのゴーレムに乗ってここまで来たんだが、約束の木の下に着陸したら勢いがつきすぎたみたいでな」

    勇者「着陸……??」

    闘神「で、元々あの木自体が寿命近くて脆かったみたいなんだよ。だから、ボキリと」

    勇者「ボキリ!?」

    大富豪「ご、ごめんね……。聖女でも、真魔王でも、治せないらしくって……。だから……」

    勇者「治す????」

    633 = 616 :

    闘神「とにかくさ、女大富豪には悪気はなかったんだよ。本人も反省してるしさ、許してやってくれよ」

    「ね、勇者、お願い。残念だろうし、悲しいのはわかるけど、もうどうしようもなかったの」

    剣聖「大切な思い出の場所だもんな、気持ちはわかる。だけど、な? 俺達からも謝るからさ」

    勇者「あ、いや……大丈夫だよ……。いまいち理由がよくわからないけど、怒ってはないから。何か事情があったなら、もう仕方ないと思うし……」

    魔王「良かった……。それ聞いて安心したよ」

    大富豪「本当にごめんね、勇者……。その分、冒険の旅で頑張るから……」シュン

    勇者「ううん、大丈夫。もう気にしてないから。こうしてまたみんなに会えた事だけで十分嬉しいし」

    「良かった。やっぱり勇者は勇者だね……。優しい」

    剣聖「ああ、そうだな。快く許してくれたし」

    闘神「ホントだよ! あんたは変わらずいいやつだ!」

    勇者「そんな、やめてよ。照れるよ」


    ハハハッ、アハハッ

    634 = 616 :

    勇者「それよりもさ、女大富豪。さっき言ってたよね。冒険の旅って」

    勇者「それって、ひょっとして……」

    大富豪「あ、そうだね。まだ全員言ってなかったっけ」

    「私たちもね、子供の時の約束、ちゃんと果たしてるよ」ニコッ

    剣聖「そう。俺は戦士に!」

    闘神「あたしは武闘家に!」

    魔王「僕は魔法使い」

    大富豪「私は商人に!」

    「そして、わたしは僧侶になってるの」


    勇者「本当に!? 凄いや!! みんな覚えててくれたんだ! 約束を果たしてくれたんだ!!」


    「もちろん!!」


    「だって、このみんなで魔王を倒すって決めたんだから!!!」


    勇者「うんっ!!!」

    635 = 616 :

    ー 神界、封印の牢獄内 ー


    「……良かった。無事に勇者は約束の場所へと辿り着けましたね……」

    【慈愛と運命の女神】
    『体力 :853万
     攻撃力:772万
     防御力:914万
     聖力 :ーーーー(人々の信仰で変動する)
     素早さ:649万』


    大天使「はい……。どうにか無事に仲間たちと合流出来たようです」

    【神界の三大天使】
    『体力 :628万
     攻撃力:305万
     防御力:573万
     聖力 :421万
     素早さ:347万』


    「これで私の役目はほぼ終わりました……」

    「後はしばし待ちましょう……。彼らが魔王を倒してくれるのを……」

    大天使「はい……」

    636 = 616 :

    大天使「しかし……肝心の勇者が心配ですね。実力差に心を抉られなければ良いのですが……」

    「……ですが、あの者以外に勇者は務まりません。恐らく、辛い現実と向き合う事になるでしょうが、耐え忍んでもらう以外に方法は……」

    大天使「やはり、いっその事……仲間の誰かを勇者に任命した方が良かったのでは……」

    「その様な空気を読めない事が出来るはずありません……」

    大天使「…………」


    「あの者たちは世界を滅ぼす力を持っているのですよ……。あまりの強さに私の運命の干渉すら効果がありません……」

    「あの山に張られていた特殊な結界のせいで、あの者たちの存在に気が付くのが遅すぎたのです……」

    「十五年前の約束通り、あの者を勇者にしなかったら、一体何が起きるか最早私にも予測がつきません……。もしも、それがきっかけで仲違いを始めたらと思うと……」

    「ただの喧嘩が三界全てを滅ぼす大戦争に発展する可能性もあるのです……。他の者を勇者になど、出来るはずがありません……」

    「その為に神託も、十五年後に合わせて五年近くも待ったのです……。本来ならば、あの者たちは五年前にはもう、一人で魔王を倒す実力を十分身に付けていたというのに……」

    637 = 616 :

    大天使「ですが、その五年のせいで、更に恐ろしいぐらいの差がつきましたが……」

    「才能がありすぎたのです、あの五人は……」ハァ……


    「人間にも魔族にも竜にも神にも、みな強さの限界というものがあるのです……。しかし、良き師と環境に恵まれたのでしょう……。あの四人はその限界を何回も何十回も越えてしまい……」

    「一人だけ武術や魔法の才能がなかった子も、知力でそれを補って……」

    「最早、私達に出来るのは、あの五人が喧嘩をしないよう、ただ祈る事だけです……」シュン


    大天使「誰に祈れば良いのでしょうかね……私達は……」

    「五人のまとめ役をしてくれる勇者に……。喧嘩を未然に防げる可能性があるとしたら彼だけでしょう……」

    「この世界を滅びの道へと進ませないようにしてくれる事を彼に祈りましょう……」

    大天使「真逆の立場なんですね、私達は……」

    638 = 616 :

    ここまで

    639 :

    乙、これはひどい

    640 :

    ああ女神様……
    たとえ焼け石に水でも5年頑張って勇者の運命に干渉しまくって限界超えさせてあげていれば……

    え、既にやった?

    641 :

    主人公が一番才能がなくて環境にも恵まれないとか

    642 :

    (合流しちゃったらもう運命干渉のチャンス)ないやん
    相棒の馬に望み託すしかない

    643 :

    友情努力勝利じゃなくて、才能環境師匠努力覚醒限界突破だな

    644 :

    もう女神は勇者に一生添い遂げて
    償わないといけないと思います

    645 :

    勇者が世界の命運を握ってるとか王道だなあ

    646 :

    ある程度未来予測できるなら勇者にブレンド種か魔老師との接触機会を与える運命線を辿らせるべきだったと思う……なかったんだろうな。分かってる

    647 :

    >>646
    ・子供の頃に修行できなかったからどうにもならない
    ・武術の才、魔法の才、それらがなくても補う知力、全てがないからどうにもならない

    単純計算山奥の村人達の1/3くらいのステにしかならなさそう

    648 :

    乙。

    勇者ってスライム位の気なんだね。

    DQのスライムみたいな話だけど実際は、水辺だと倒すのほぼ無理な強敵なんだけどね。

    物理無効、属性攻撃半減位だ。

    649 :

    乙!
    この五人は存在その者がチートだから勇者に女神の加護(チート)与えても意味ねーな

    650 = 646 :

    >>648
    言いたい事はわからんでもないがお前の言う実際ってどこの話だよ

    しかし胃が痛い展開だ


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