元スレ小鳥「今日は皆さんに」 ちひろ「殺し合いをしてもらいます」
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501 = 496 :
17:55 水瀬伊織
伊織「……真美、立って」
荷物を持って立ち上がり、伊織は真美に声をかける。
しかし真美は反応を返さない。
亜美が目を覚まさなくなってからしばらく経つが、
真美は未だに遺体の横に座ったまま動かずにいた。
本来なら伊織も、真美の気が済むまでずっと二人を一緒に居させてやりたかった。
だが、このエリアに来て既に数十分が経過している。
細かい時間を見ていなかったため正確には分からないが、
そろそろ動き始めておかないと取り返しのつかないことになる。
伊織「ほら、真美……行かなきゃ。早く立って……」
真美「……」
502 :
スネークみりあ
503 = 496 :
伊織は真美を急かすがやはり反応はない。
このままでは二人揃って死んでしまう。
そう思い、伊織は口元を引き締め、少し語気を強めて言った。
伊織「真美、早く行かないと一時間経つわ。そしたらどうなるかあんたも知ってるでしょ」
それを聞き真美はようやく反応した。
俯いたまま、消え入りそうな声でぽつりと、
真美「……じゃあ亜美も連れてく」
そう言ったまま再び黙り込んでしまう。
伊織はその声に、言葉に、胸を締め付けられながら答えを返す。
伊織「ダメよ……。それはできないわ。人一人抱えてこんな森の中を歩くなんて……」
真美「じゃあ行かない。真美もずっとここに居る。亜美と一緒じゃないとやだ」
504 = 496 :
そうして真美はやはり、俯いたまま黙ってしまった。
今真美がどんな気持ちで居るか、伊織には計り知れない。
ずっと二人で、いつも一緒に居た双子の姉妹。
自分の分身とも言える大好きな妹を失った真美の気持ちは、恐らく誰にも分からない。
真美の心情を考えるだけで胸を切り裂かれる思いがしたが、
その痛みを堪えるように、
伊織「っ……いいから早く立ちなさい……! もうあと何分なのか分からないんだから!
早く移動しないと、ここに居たら死んじゃうのよ!?」
ぐっと拳に力を入れ伊織は真美にそう強く言った。
しかし真美は伊織の言葉を聞き表情を酷く歪めた。
そして涙でボロボロになった顔を伊織に向け、叫んだ。
真美「いいもん!! 死んじゃってもいい!!
亜美と一緒に居られないんだったら死んだほうがいいよ!!」
伊織「ッ……!!」
505 = 481 :
まあ産まれたときからずっと一緒にいたし、自分が油断したのを庇って死んだとなればな…
506 = 496 :
次の瞬間、伊織は真美に向けて思い切り手を振り上げた。
真美はそれを見て反射的に首をすくめて目を瞑る。
しかし痛みに備えた真美の体に伝わったのは、強く抱きしめる腕の感覚。
それと、震えた伊織の声だった。
伊織「嫌よ……お願い、そんなこと言わないで……」
真美「え……」
伊織「亜美だけじゃなくて、あんたにまで死なれたらどうしたらいいのよ……!
お願い、真美……死んでいいなんて言わないで……!」
そうして伊織は真美の肩を掴んで体を離す。
その目から亜美と同じように涙が流れている。
しかし、目つきは亜美とは全く違った。
伊織「それに亜美の気持ちも考えて……。
生きて欲しくてあんたを守ったこの子の気持ちを、無駄にしないで……!」
その視線と言葉を受け、真美は今度は伊織にしがみつき、再び声を上げて泣き始めた。
伊織はそっと真美の手を握り、肩を抱いて二人で立ち上がる。
真美は泣きながら、伊織に手を引かれて妹の元を離れていった。
507 = 496 :
18:00 秋月律子
莉嘉「あっ……! ねぇ律子ちゃん、あれ!」
律子「えぇ。やっと見えたわね」
海岸沿いを手を繋いで探索していた律子達は、
取り敢えずの目的地に定めていた灯台をようやく見つけた。
見つけたとは言っても、別に探していたわけではなく
歩いていればそのうち着くことは分かっていた。
しかしそれでも自分の目で確かめられると多少気も落ち着く。
508 = 481 :
これ今のが終わったら最初の安価を選ぶところから再び始まるのかな
509 = 496 :
だが気を緩めるわけにはいかない。
律子は立ち止まり、そして莉嘉に向き直る。
そしてきょとんとする莉嘉に、真剣な顔を向けて言った。
律子「いい? もしあの灯台に誰が居たとしても、絶対に手を離しちゃダメよ?
どうしてかはちゃんと覚えてるわね?」
莉嘉「う、うん! アタシたちが、お互いに協力しようとしてるってことを見せるため!」
律子「よしっ。それじゃ、行きましょう」
そう言って二人は再び歩き出す。
律子と莉嘉が手を繋いで歩いているのは、単純に仲が深まったからというわけではない。
互いに敵意がないことが第三者の目からも分かるようにと、律子が発案した一つの策だった。
510 = 496 :
尤も、これも絶対の効果を保証するものではない。
場合によっては一方がもう一方を脅して演技を強要していると、そう取られてもおかしくはない。
そしてその時は恐らく自分が脅していると思われるんだろうな、と律子は自覚していた。
もちろんそう誤解された時にはお互いに庇い合うという約束事はしている。
また仮に誤解されたとしても、
不意打ちで抵抗する間もなく攻撃され……という可能性はほぼゼロにできるはず。
律子は少なくともそう信じていた。
実際に効果があるかどうかは、恐らくもう数十分後には明らかになる。
目覚めてから三時間が経過し、完全に夜の闇が訪れるのも近い。
この状況であれば灯台に誰かが居る可能性はそれなりに高いはずだ。
灯台が近付くに連れ、莉嘉と繋がった自分の手が汗ばんでいく気がするが、
動揺を伝えてはならないと、律子はそれまで通りに莉嘉と二人で探索を続けた。
511 = 496 :
それからしばらく歩き、もう灯台も目と鼻の先と言えるまでに近付いた。
その頃になるともうはっきりと見える。
灯台の一階部分の窓から、明かりが漏れている。
見張りなどは立っていないようだが、ほぼ間違いなく中に誰か居る。
流石にこの段階になると二人とも緊張を隠せない。
黙って入口まで歩いたが、窓は締め切っていたようで声は聞こえなかった。
先に声で判断できれば楽だったのだが、聞こえなかったものは仕方ない。
律子は扉の前に軽く握った拳を掲げ、ひと呼吸置く。
そして奥まで音が届くよう強めに三回、扉を叩いた。
そのまま反応があるまで待つが、この数秒が律子には嫌に長く感じた。
十秒ほど経ったか、あるいはもう三十秒になるか、もう一度ノックした方が良いか。
と律子が同じように拳を上げかけた、その時。
「……誰ですか……?」
512 = 496 :
扉越しに聞こえたこの返事に、律子と莉嘉は同時に目を見開いた。
聞こえた声は一つではなかった。
二人が同時に声を重ねていた。
そして律子達はそれぞれ、自分に聞き取れた方の声の主を、同時に呼んだ。
律子「千早……!?」
莉嘉「美波ちゃん!」
二人が名を呼んでから一秒も待たず、扉は開かれた。
そこに立っていたのは律子達の耳の通り。
その目で相手を確かめた瞬間、莉嘉は思わず美波に飛びついた。
そして直後、奥のもう一枚の扉から更に二人現れる。
アーニャ「Удивленный……! 驚きました……」
春香「律子さん! 良かったぁ……!」
513 = 496 :
莉嘉「アーニャちゃんも居たんだ! やったー! すっごく嬉しい!」
律子「千早、春香……!」
律子は765プロの仲間に会えたことや、
彼女たちが346プロのアイドルと共に居たことに安堵し、思わず涙ぐみそうになる。
しかし懸命に堪え、すぐに気持ちを切り替えた。
律子「と……取り敢えず、中に入っても良いかしら。
もうずっと立ちっぱなし歩きっぱなしで……」
千早「ええ、もちろんどうぞ……なんて、別に私の家ではないのだけれど」
春香「椅子なんかも人数分ありますから! しっかり休んでください!」
514 = 481 :
律子莉嘉は灯台(協力)組と合流できたが、亜美と卯月の死亡を知ったときどうなるんだろ
515 = 496 :
こうして今、765プロと346プロのアイドルが
同じ屋根の下にそれぞれ三人ずつ揃った。
先に居た四人は律子たちを中へ案内し、六人全員で一つのテーブルを囲う。
そして自己紹介やここに至るまでの経緯など、各々が持つ情報を話した。
互いが持つ様々な情報の中、やはり一番の重みを持っていたのは、伊織に関するものだった。
しかし律子は、春香や千早ほどには動揺を見せなかった。
律子「……あの子なら確かに、
そういう行動に至ってしまってもおかしくないかも知れないわね……。
なんとなくそんな予感はしていたけど……嫌な予感に限って当たるんだから」
動じていないかと言えば当然そんなことはないが、
深く息を吐いて額に手をやる律子の表情は、混乱というより困惑に近い。
そしてそんな律子に、美波は恐る恐る問いかけた。
516 = 496 :
美波「律子さんは……竜宮小町のプロデューサーでしたよね。
伊織ちゃんは私たちのことをどの程度敵視しているか、推測がついたりはしませんか……?」
律子「……残念だけど、自信を持って答えることはできないわ。
普段の仕事の中でのアクシデントならあの子達が何を考えるか、
ある程度は分かるつもりだけど……。あまりに状況が異常過ぎて……」
そこで律子は何かを考えるように目を伏せ、口元に手をやる。
そして数秒の沈黙の後、
律子「あの子の優しさと気の強さがどういう方向に行くか、完全には予測がつかない。
ただ、簡単に人を殺す判断を下すなんてことは絶対にあり得ないわ。
美波さんの武器を奪った時点では、本当に警戒心や不安がほとんどだったと思う。
だからあなた達の考える通り、その後あの子に何も無ければ、
説得に応じて協力してくれる公算は高いわ」
517 = 496 :
765プロの中でも特に伊織をよく知る律子の分析。
これを聞き、一同は取り敢えずこれまでの自分達の考えが
そう外れたものではないことを知って安堵した。
だが当然手放しでは喜べない。
律子が思うには、伊織が説得に応じるのはあくまで「何もなければ」だ。
その「何か」というのは、恐らく考え始めればキリがない。
答えが出ない以上、悪い想像はいたずらに不安を掻き立てるだけ。
だから律子はこの「何か」には敢えて深く言及しなかった。
しかしその「何か」は、
恐らく伊織自身の身に起こることではないと律子は考えていた。
仮に、そう、例えば……仲間が襲われ、傷ついてしまったとしたら。
それは伊織の心に大きな影響を与えることになるだろう。
伊織の優しさをよく知る律子は、
その嫌な想像がこれ以上加速する前に別の話題に切り替えることにした。
518 = 496 :
律子「ところでみんな、明日のことについてはどう考えてる?
何時から行動を始めるか、どう行動するか、その辺りを聞かせてもらえないかしら」
美波「はい。一応、行動の開始は七時を考えてます。
基本的には灯台を中心に他事務所同士の二人一組で探索して、
他の子が見つかれば協力をお願いする……ということになってます」
律子「そうね、他事務所同士のペアを作るのは私も賛成。探索の範囲はどの程度?」
美波「細かくは決めてませんが、灯台が見える範囲内にしようかと……。
私たちが居ない間に誰かが灯台に来て入れ違いになるのはできるだけ避けたいので」
律子「なるほど……。でもそれだと、ひと組を灯台周辺に置いて、
他の組はより広い範囲を探索する、というのもアリよね。
特に今は私たちが加わったわけだから、もっと効率よく行けるんじゃないかしら」
美波「ひと組を灯台周辺に……確かに、そうですね。
もしそうするんだったら、灯台周辺というより上に登った方がいいかも知れませんね。
そうすれば遠くの様子まで見ることができますし。
もちろん一時間おきに下に降りて、一度エリアを移動する必要がありますけど……」
519 = 496 :
律子「灯台の高さは私も利用するべきだと思うわ。
流石に森の中までは見えないでしょうけど、耳からもより情報を得られやすいでしょうし。
私は異論は無しね。みんなはどう?」
千早「ええ、私もそれでいいと思う」
春香「あ、えっと……。ご、ごめんなさい、もう一回お願いします……」
アーニャ「私も、すみません……。よく、わかりませんでした……」
莉嘉「二人一組で、ひと組は灯台の周りで……? もうひと組が……?」
美波「あ、あぁ、ごめんね! 私たちだけで……!
つまり、ひと組は灯台に登って周りを観察して、
他のふた組はもっと広い範囲まで探索する、っていうことね」
律子「……アナスタシアと莉嘉はともかく、春香はもう少ししっかりしてもらわないと……。
別に難しいやり取りをしてたわけじゃないんだから」
520 = 496 :
春香「す、すみません。二人共しっかりしてて心強いなーって思ってたら……」
律子「まったく……。美波さん達と会った時も、
あなたのおっちょこちょいで色々と大変だったんでしょう?」
春香「うぅ、ごめんなさい……」
美波「ま、まぁでも、春香ちゃんのおかげで私たちは出会うことができたわけですから」
春香「……でもそれも、千早ちゃんが言ってくれなかったら
あの毒ずっと置きっ放しだったかも……」
莉嘉「ほんと良かったよね! アタシだったら食べちゃってたかも……」
アーニャ「危なかったですが、もう大丈夫です。ぜんぶ捨てましたから。誰も危なくないです」
千早「そうね。一時は焦ったけれど、取り敢えずは危険を取り除けて良かったわ」
521 = 481 :
捨てたのかよ…最凶の武器だったのにもったいねぇな
522 = 496 :
律子「とにかく、あなたはどちらかと言うと年長組になるんだから。
ここでも私と美波さんの次に年齢が上なのよ? もっとしっかりしなさい、いいわね?」
春香「はいぃ……」
こうして序盤の緊迫した空気はいつの間にか消え去り、
まるで日常の中のような柔らかいものへと少しずつ変わっていった。
この空気の変化に気付いている者ももちろん居る。
しかし敢えて口には出さず、身を任せていた。
こんな状況ではあるが……いや、こんな状況だからこそ、和やかさは必要であると。
気を休められるときには、思い切って休めておこう。
四六時中張り詰めていてはきっと身が持たない。
六人はほんの一時殺し合いのことを忘れて会話を重ね、互いの親睦を深めていった。
523 = 496 :
今日はこのくらいにしておきます
続きは多分明日投下します
524 :
乙
今思うときらりを完全に支配下に置いてる杏って結構レアかも
525 = 481 :
おつ
今の杏は二人を御荷物と認識してるから、下手したら犠牲にしてでも敵を殺るって考えてそうで怖い
526 :
乙
縦と横にでかい的だからね、背の小さいのが利点になる杏にとっては足手まとい
殺しはしないが夜に眠ってる間に単独行動に移る事は選択肢として、杏なら考える
527 :
乙乙
んーと未央と真が交戦したのが南東の集落で杏は行き先をそこからもう片方に変更したわけだから杏はこのまま行くと李衣菜に合流することになるってことであってる?
てかみりあちゃんすごすぎでしょ 自分が弱いことと危険を理解した上で未央助けるために1人で監視し始めたよ
528 = 524 :
杏組と李衣菜組が合流したらやっと346組が反撃に移りそうだな
そして灯台組の協力策はどうなるか・・・
529 :
みりあルドはやるときはやる子
530 = 489 :
美希グループ→南東集落
みくグループ、杏グループ→北西集落
で合ってる?
531 :
乙です
アーニャ「ぜんぶ捨てましたから(捨てたとは言ってない)」
532 :
乙
亜美が殺されたと知ったらりっちゃんやあずささんはどんな行動に出るか
533 :
乙
いおまみ組がどうなるか非常に気になります
534 :
>>531
この誤用きらい
535 :
期待
気になるねぇいおまみ組
騙し取った探知機で卯月のことも知っているかもしれないし
536 :
みりあは熊本弁理解できるからな
537 :
大丈夫、346組はいざとなったらグラブル版にクラスチェンジすれば十分に戦えるから
538 :
現状あまり戦力として期待出来ない蘭子がラスボスみたいになる
539 = 536 :
>>537
そうなったら765はゼノグラになってアイドルが…
540 :
後頭部バットでぶん殴って放置して、1時間ルールで死んだ風に見せかけるというゲスい提案
541 = 536 :
>>540
無理だな。美希自身浅いと感じてるし、他の敵側のアイドルがいて介抱されて生きてる可能性があると思ってるし
542 :
そもそも一時間のペナルティは首輪の爆発だからな
見間違えようがない
543 :
亜美が死んだ時伊織の持ってる発信機の反応が消えたのからして生命反応ちゃんとわかるようになってるみたいだし
死んだフリは出来そうもないな、346側に晶葉でもいれば解体するなり誤魔化すなり出来る可能性もあったのかもしれんが
544 :
>>542
爆発した仲間を詳しく調べるなんてしないから打撲痕は見つからんと思うが
まぁでもできるなら止めを刺す方がいいか
545 = 536 :
>>543
765ではタイムマシンを開発しちゃう律ちゃんがいるんやで
>>544
sageろ
546 :
もし良ければ、どこか区切りのいい所で>>92、>>180の最新版を貼って欲しいです
547 :
あんまり先の予測をするのはやめてやれ
>>1がどんなタイプか知らんけど予測されてる話変えなきゃ!って当初の予定通り進めなくてエタるのが最悪のパンティー
548 :
19:00 双葉杏
李衣菜「……そんな……」
みく「み……見間違い、とかじゃないの? か、勘違いとか!」
杏「……見間違いじゃないし、勘違いってこともまずないと思う」
あの後、杏たちは予定を変更してこの集落へと向かい、
その結果李衣菜たちと合流することができた。
李衣菜に案内され民家へ入り、まず杏はみくが横になっている理由を聞いた。
それから自分たちに起きたことを話した。
つまり、卯月が死亡したことを。
549 = 548 :
卯月の死を、三人はやはり信じられなかったようだった。
というより実感が湧かなかった。
あまりに冷静に話す杏の姿が、その言葉に実感を与えてくれなかったのかも知れない。
しかし次の瞬間、杏の言葉は急に実感を伴った。
ずっと黙っていたかな子が、顔を両手で覆い泣き始めたのだ。
その姿が、声が、三人に卯月の死を現実として実感させた。
李衣菜は唇を噛み、肩を震わせて俯く。
みくは腕で口元を隠し嗚咽を押し殺す。
蘭子はかな子と同じように顔を覆い、手の端から涙を溢れさせる。
杏はわずかに眉をひそめ、
きらりは真っ赤に腫れた目を薄く開いたまま、ただうつむいていた。
550 = 548 :
そのまましばらく経ち、声を上げて泣いていた者がようやく
しゃくり上げる程度に落ち着いた頃、杏は静かに言った。
杏「……悲しいのはしょうがないし、泣ける時には泣いていいと思うよ。
ただ三日目の朝にはあんまり動揺しないように、覚悟はしておいて」
と、この言葉にほとんどの者が眉根を寄せた。
「三日目の朝」という言葉が何を意味するのか理解できなかったのだ。
杏はそんな彼女たちの反応を見、それから鞄を探って数枚の紙を取り出す。
杏「この中に書いてたんだよ。三日目の朝7時に、それまでの死亡者の名前が発表されるって。
っていうかこれ、ちゃんと読んでおいた方がいいよ。
最初の説明で言ってなかったこともいくつか書いてあるから」
そう言って杏は一番近くに居た李衣菜に書類を差し出す。
しかし、李衣菜はそれを受け取ろうとはしなかった。
李衣菜は紙を差し出す杏の顔を数秒見た後、俯いて声を絞り出すように言った。
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