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    元スレ女「私、今日からイケメンくんと付き合うことになったの…」

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    1 :

    「だからもう、男くんとは一緒ではいられないんだ…」

    「…ごめんね」

    ピピピピピピ…

    「…!!」ガバッ

    「…夢か」

    「幼馴染がイケメンと付き合うようになってもう3ヶ月かぁ…」

    SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1451408867

    2 :

    前にもこんなやつあったよね
    期待してる

    3 = 1 :

    初心者です
    初心者スレは一応読んできましたが違反等やらかしてたらご指摘願いますm(_ _)m
    書き溜めです

    4 = 1 :


    学校 教室

    「ねぇ、イケメンくん、今日は天気いいから屋上でお昼食べない?」

    イケメン「悪い!今日の昼はちょっとコーチから呼び出しかかってんだ」

    「えー。じゃあ一緒に食べられないの?」

    イケメン「ホントごめん!県選抜の話だから抜けられないんだよ」

    「ぶー。…まぁいいよ。帰りは?」

    イケメン「練習。今日から夏メニューになるから、それなりに遅くなるよ?」

    「ん…待ってる」

    イケメン「悪いな」

    「平気。待ってるの好きだよ、私」

    「…」ガタッ

    ガラガラガラ

    教師「おい、男。一限からサボりか?」

    「腹痛いんでうんこしてきます」

    クラス「ザワザワ…」

    教師「何で朝の内にしてこなかったんだ。早く行け」

    「すんません」

    教師「全く…おい!授業始めるぞ」


    屋上

    「ハァハァ…うぅっ…!!」シコシコ

    「うっ…イクっ!イクよ!!イクよぉぉぉおおおおお!!!」ドピュドピュ

    「ふぅ…うっ…くっ…うぅっ…うわあぁぁぁぁぁぁん!!!!幼馴染いいいぃぃぃ!!」

    「うぅっ…なんでなんだよぉ…幼馴染いぃ…なんで…」

    「…」

    「グズッ…」

    (精子拭かなきゃ…)

    (もういいや…このまま寝ちゃおう)

    ムスコ「refreshed!」

    ×××

    「…」ムクッ

    (もう四限目終わる頃か…混む前に購買行こ)

    「幼馴染はどこで飯食うんだろ…」

    5 = 1 :

    購買

    おばちゃん「なんだい、あんた。またサボってんのかい?」

    「違いますよ。今日はたまたま早めに授業終わっただけ」

    おばちゃん「今日'も'の間違いじゃないの?」ニヤニヤ

    「おばちゃん、そんな笑うと化粧崩れるよ」

    おばちゃん「失礼な奴だねまったく…まだそんな厚化粧するような歳じゃないよ」

    「とりあえず、テリ玉サンドとおかかのおにぎりちょうだい」

    おばちゃん「はいよ。調整豆乳つけるかい?」

    「ん、お願い」

    おばちゃん「はいよ。450円」

    「…30円高くない?」

    おばちゃん「前は20円まけてやったろ?今日は機嫌いいから上乗せしてやったのさ。いいからさっさと払いな」

    「ぼったくりだ…」チャリーン

    おばちゃん「はいよ。お姉さんのことおだてたくなったらまたおいで」


    廊下

    キーンコーンカーンコーン

    (どこで食べようかなぁ…)

    (夏祭りのポスター…もうそんな時期か…)

    (幼馴染は…やっぱりイケメンと行くのかな…)

    「…」

    (…幼馴染はどこで昼飯食べるんだろ)トボトボ

    女友「……なんだってぇー」

    「えっー?それホントにー?」

    女友「ホントだってばー。そういえば今日はいいの?イケメン君とお昼食べなくて」

    「んー…なんか、部活のことで職員室に呼ばれてるみたい」

    女友「そういえば、県選抜に選ばれたんだってね!おめでとう!」

    「ははは…ありがと」

    女友「あれー?女はあんま嬉しくない感じなの?」

    「んーん…嬉しいんだけどね…」

    女友「そっかぁー。遊ぶ時間無くなっちゃうもんね」

    「それよりもね、なんかイケメン君がどんどん遠くにいっちゃう感じが嫌なんだ…私ってちゃんと釣り合った彼女でいれるのかなぁーって…」

    女友「それはダイジョブだよ。女は凄い可愛いし、頭もいいんだから!…あ」

    「えっ?」

    女友「男君がこっちみてる…早く行こ」スタスタ

    「…うん…」トテトテ

    「…」

    「屋上行こ…」ボソッ

    6 = 1 :

    屋上

    (さっきの精子、もう乾いたかな…)

    ?「ぎゃーっ!!なにこれ!?うっわベタベタ…最悪…」

    (あそこはさっき俺が居た…)スタスタ

    「大丈夫?」

    ?「何!?」

    「いや…何か叫んでたから」

    ?「全然ダイジョブじゃない!何か変なの触っちゃうし!ビックリしてお弁当ひっくり返したし!最悪!!何なのこれ!?」

    「…」

    「スカート染みになっちゃったらどうしよ…」

    「…そこに座ったの?」

    「ちょっと見てくれない?」

    「やべぇ…なんかエロいわ。(紺色だからそんな目立ってないけど、確かに染みになってるね。洗えば落ちんじゃない?)」

    「は?」

    「紺色だからそんな目立ってないけど、確かに染みになってるね。洗えば落ちんじゃない?」

    ?「今、なんかエロいとか言わなかった?」

    「お漏らしみたいになってるよ」

    ?「最低。それ、普通初対面の女子に言う?」

    「言わない」

    ?「まぁ、いいや。ごめん、ちょっと私のクラスまで行ってジャージ取ってきてくれない?」

    「は?」

    「今のセクハラ発言は聞かなかったことにしてあげる。だから、ジャージ取ってきて」

    「チッ…分かったよ。お前、何年何組?」

    ?「えっ?私のこと知らないの??」

    「当たり前だろ。お前だってさっき初対面っていってたじゃんかよ」

    ?「ホントに知らない?キミ、何年生?」

    「2年」

    「何組?」

    「3組」

    「えっ!?ウソ?ホントのホントに知らないの?同学年なのに!?クラス隣なのに!?」

    「しつこいな。誰だよ」

    「4月に可愛過ぎる転校生が来たって話題にならなかった!?」

    「…ああ、何かあったなそんなの」

    ?「それ、私!!ホントに知らない?」

    「知らねぇよ。興味無かったし。(その日は幼馴染みとイケメンが付き合う事になった日だからな…)」

    転校生「うわぁ…本人前にしてそーゆーこと言うかな?ちょっとショックなんですけど…」

    「お前、自意識過剰だろ。いいから何組だよ」

    転校生「軽く流されたし…2組よ」

    「分かったからちょっと待ってろ」スタスタ

    7 = 1 :

    2組教室

    (とは言ったものの…男の俺が女子のジャージ取りに来たってどうなんだ?大丈夫なのか?)

    同級生A「あれ?男じゃん。どうかした?」

    「…わりぃ、ちょっと頼み辛いんだけど…」

    同級生A「ん?」

    「…いや、いいわ。誰でもいいからテキトーに女子呼んで貰えない?」

    同級生A「?ちょっとまって」

    ×××

    同級生B「男くん?どうかしたの?何かAくんに呼ばれたけど…」

    「あ、ああ…ごめん、ちょっと事情があってさ…転校生さんがジャージ取ってきてって…」

    同級生B「男くんに?」

    「うん…まぁ…」

    同級生B「どういうこと?何かあったの?」

    「お…」

    同級生B「お?」

    「お漏らしした」

    同級生B「…転校生ちゃんが?」

    「…まぁ、そんな感じ」

    同級生B「…ちょっとまって。今、転校生ちゃんに電話してみるから…」

    「あ…うん(んだよ、最初からその手があったんじゃん。最悪だ。完全に変態だと思われてるよ…もう行こう…)」トボトボ

    「俺の昼飯、屋上じゃん…」

    8 = 1 :

    屋上

    ガチャッ

    転校生「うんうん、いやだからホントに違うから。お漏らしじゃないから、ダイジョブだよ。ごめんね。あ…男くん来た。うん、よろしくね。ありがと」ピッ

    「…」

    転校生「…」ジトー

    「ええっと…俺の昼飯はどこかなぁ…」キョロキョロ

    転校生「ちょっと、男くん!ふざけないでよ!」

    「ジャージはBさんが届けてくれるんだろ?感謝しろよ」

    転校生「Bちゃんにはね。キミ、私がお漏らししたって言ったでしょ」

    「お漏らしみたいな感じっていっただけだよ。厳密には違う」

    転校生「意味わかんないし。ホント、最低。あり得ない。後、男くんのお昼ごはんもうないから」

    「は?」

    転校生「あ、調整豆乳なら残ってるよ。私、これ苦手なんだ」

    「なっ…どういうことだよバカ野郎…」

    転校生「だって、私のお昼ごはんなくなっちゃったんだもん。それに男君からは辱しめ受けるし」

    「バカバカ!俺の昼飯どうすんだよ!?」

    転校生「知らない。後、私、男くんよりは頭良いと思うよ。中間試験1位だったし」

    「中間1位の奴が人の昼飯無断拝借すんのかよ…」

    転校生「男くんがわるいんじゃないのー」

    ガチャッ

    転校生「あ!Bちゃん来た」

    同級生B「転校生ちゃん、ジャージ持ってきたよ」

    転校生「ありがと!ごめんね?わざわざ」

    同級生B「ううん、大丈夫だよ。でもこういうのって男子に頼まない方がいいよ?私に話す前にAくんに言ってたら多分、クラス中に言いふらされてただろうし…」

    「…」

    同級生B「男くんも、変なこと言っちゃダメだよ?」

    転校生「ホント、男くんサイテー」

    同級生B「下だけジャージだと変だから、トイレで着替えよ?…それで、結局、何に座っちゃったの?」

    転校生「わかんない…」テクテク

    バタン

    「…」

    「…昼飯どうしよ」

    「つかあの女、弁当忘れてんじゃん…」パカッ

    「中身グチャグチャだけど、全然食えるし…」モグモグ

    「あー。調整豆乳マジうめぇわ」

    「…」

    (幼馴染みはもう食べ終わった頃かな…)

    9 = 1 :

    通学路

    (今日の夕飯は何にしよ…)テクテク

    (コンビニ弁当はもう飽きたし…たまには自炊してみようかな)

    (…少し遠いけどマク○ナルド行こ)

    ×××

    「ふぅ…」ノットシコシコ

    「やっぱ久々に食べると上手いな」

    「もう7時か…(商店街の方寄って帰ろう)」

    10 = 1 :

    商店街

    (そういや、ここの喫茶店のケーキ、幼馴染みが好きなんだよな)

    (ケーキ買ってこうかな…)

    キィー

    「あっ…」

    「あっ…(幼馴染み!)」

    「男くん…」

    イケメン「どうしたの女?早く出ようよ」ヒョコッ

    「…」

    「あっ…うん…」

    イケメン「あれ?男?」

    「…」

    「い…行こ!イケメンくん!男くん、じゃあね!」スタスタ

    イケメン「あぁ…」テクテク

    「…」

    店員「お客様?お決まりでしたらこちらでお伺いしますよ」

    「…ブレンドのレギュラーサイズ、テイクアウトで」

    店員「かしこまりました……」

    ×××

    店員「ありがとうごさいましたー」

    キィー

    「はぁ…最悪だ」テクテク

    イケメン「何が最悪なの?」

    「!?」

    イケメン「何が最悪なの?」

    「イケメン…女…さんと帰ったんじゃなかったのかよ…」

    イケメン「ちょっとお前に言っておきたいことがあってさ。申し訳なかったけど先帰ってもらった」

    「もう暗くなってきてんのに一人で帰らせてダイジョブなのかよ…」

    イケメン「家近いし、この辺は人も多いから問題ねぇだろ。ってか、お前が心配することじゃなくね?」

    「…俺に何の用だよ」

    イケメン「女のことだよ。いい加減、アイツに付きまとうのやめてくんねぇかな。お前が女のこと、どう思ってるかは知らねぇけど、今は俺の彼女なんだよね。」

    「…別に、付きまとってなんかねぇだろ…」

    イケメン「女友も言ってたぜ?女と居るとしょっちゅうお前から見られてるって。キモいんだよね、そういうの。マジやめてくんね?」

    「…女…さんがそう言ったのかよ…」

    イケメン「お前それ、判ってて聞いてるだろ?あいつはそんな事言わないよ。そういう性格じゃねぇからな。でも、言わないからって思ってないわけじゃない。迷惑してんだよこっちは」

    「…何かの勘違いだろ。俺は別に何もしてない」

    イケメン「あっそーかよ。まぁ、俺も女もお前も同じクラスだし、これ以上ゴチャゴチャしたくねぇから今日はもう言わねぇけど、次に何かあったらただじゃおかねぇから」スタスタ

    「…最悪だ」

    11 = 1 :

    男宅

    「ただいまー」ガチャッ

    「って、誰も居るわけないか…」

    (一人暮らしもだいぶ慣れたな…)

    「いって!!なんだ?」

    (…夏祭りのときの指輪…こんなところにあったのか…)

    (…料理と掃除も早く出来るようになんないとな)

    ×××

    「はぁ…はぁ…幼馴染ぃ…」シコシコ

    (幼幼馴染「ねぇ、むこうに射的があるよ!わたしあれやりたい!」)

    「うぅっ…幼馴染みぃい!!」シコシコシコ

    (幼幼馴染「えーっとね…あ!あれほしい!!あのキラキラしたゆびわ!」)

    「はぁ…はぁ…はぁ…幼馴染ぃ…幼馴染ぃ…うっ…」シコシコシコシコ

    (幼幼馴染「やったー!!すごい!!じょうずだね!…うん!ありがとう!大切にするね!!」)

    「幼馴染ぃ…幼馴染ぃ…はぁはぁ…」シコシコシコシコシコ

    (幼幼馴染「ううん、うれしい!ゆびわもらったからわたしのことお嫁さんにしてくれるんだよね!」)

    「うっ…うっ…イクよっ!イクよっ!幼馴染っ!!」シコシコシコシコシコ

    (幼幼馴染「うんっ!やくそく!おとなになったらわたしのこと、ぜったいにお嫁さんにしてね!」)

    「あぁっ…イク!イクイクイクっ!!」ドビュッドビュッ

    「ふぅ…」ムスコビクンビクン

    「くずっ…寝よう。もう起きなくっても、いいや」

    ムスコ「(´・ω・`)」

    12 = 1 :

    学校

    (授業受ける気しないな…)テクテク

    「あっ…」

    (幼馴染み!?)

    「おっ…おはよう…」

    「あっ…ああ…おはよう(昨日の事があったから気まずいな…)」

    「今日、イケメンは一緒じゃないの?」

    「えっ?…うん…朝練行ってるから…」

    「そっか…」

    「昨日、あの後、イケメンくんと会った?」

    「えっ?…なんで?(幼馴染みは昨日のこと、どこまで知ってるんだ?)」

    「…何か喫茶店出たあと、用事思い出したって言ってすぐ戻っちゃったから…」

    「そうなんだ…」

    「うん…男くん、何か知らない?」

    「いや…知らない…」

    「そっか…」

    「…」テクテク

    「…」テクテク

    (気まずいな…)

    (このまま一緒に教室入るのも嫌だ。…仕方ない。二日連続になるけどまたサボるか)スタスタ

    「?男くん?教室こっちだよ?」

    「ちょっと、トイレ」スタスタ

    13 = 1 :

    屋上

    「ふぅ…」ノットシコシコ

    「っていっても、ここ来たってやることないんだよなぁ…」

    「あぢぃ…」

    転校生「あ、居た。男くん!」

    「!?…ああ…何?」

    転校生「いやぁ、何か気まずそうな雰囲気出して歩いてたねぇ。一緒にいた子、女さんだよね?仲いいの?」

    「見てたのかよ…」

    転校生「何かアヤシイカンケイに見えたよ?」ニヤニヤ

    「別になんもないよ。ていうかお前こそ何だよ。それ言うためにわざわざ来たのか?」

    転校生「そんな訳ないでしょ。…男くん、私のお弁当知らない?昨日、忘れたと思って取りに来たんだけど…見付かんないんだよね」

    「ああ…」ガサゴソ

    「はい。ごちそうさま。弁当箱は一応洗っておいたから」

    転校生「…食べたの?男くんが??」

    「俺の昼飯はお前が食ったんだからおあいこだろ。ってか、中身グチャグチャになってただけで全然食えたぞ」

    転校生「…だってお弁当箱に変なの着いちゃったんだもん…ってかさ、これ、水洗いしかしてないでしょ?」

    「ああ…悪い。家に帰ってちゃんと洗おうとしたんだけど、スポンジも洗剤も無くてな」

    転校生「…スゴいお家に住んでるのね…え?何それ?そんな家初めて聞いたんだけど…」

    「一人暮らしなんだよ俺。自炊とかしないから食器も使わない訳」

    転校生「それにしたって、それくらいなきゃダメでしょ…後これ、一応洗ったとは言わないから。カビになったら男くんのせいだよ?」

    「カビが生えたらそれは調整豆乳の恨みだな」

    転校生「意味わかんないし…」

    「いや、俺もあんま好きじゃないんだよ。調整豆乳。どうせ俺の飯奪うならあいつも一緒に奪って欲しかった。」

    転校生「…だったら何で買ったのよ…ホントに意味わかんないよねキミ…」

    「購買のおばちゃんが押し付けてくんだよ。いつも売れ残るから買ってくれって」

    転校生「そんなの断ればいいだけじゃない…」

    「こっちにも色々あるんだよ…(授業サボって早めに買ってるの見逃してもらってるからな)」

    転校生「あっそ。ま、どうでもいいけど。そう言えば昨日のお昼ごはん、いくらだったの?」

    「…2,000円位」

    転校生「高っ?!んな訳ないでしょ!真面目にいくらかって聞いてんのよ!」

    「昨日はあの後、マックで夕飯食って喫茶店でコーヒー飲んだからな。昼飯をお前にとられたせいだと考えればこれらの出費は昼飯の延長だろ」

    転校生「フツーに夜ご飯だから…しかも、私のお弁当食べてんだからお昼は関係ないじゃん」

    「…まぁ、そういう事だ」

    転校生「は?」

    「いや、昼飯代返そうとしてくれてたんだろ?お前の昼飯食っちゃったからチャラでいいよ」

    転校生「…ちっ、違うわよ!私のお弁当代から男くんの昼飯代を差し引いた差額を徴収しようとしてんのっ!いくら?」

    「お前、マジで性格悪いよな…確か300円くらいか?」

    転校生「300円ね。はい」チャリーン

    「え?いや、マジでいいって。これもらったら俺も何か返さないとじゃん」

    転校生「私の気持ちの問題だからいいの!…それで…さ…」

    「ん?」

    転校生「…ホントに食べたの?…その…お弁当……ダイジョブだった?」

    14 = 1 :

    「ああ…うん。これ、ぜってぇー返すときに言ってやろうと思ったんだけど…玉子焼きに殻入ってて口の中、ジャリっていた。あれはないわー」

    転校生「…うそ?」

    「あと、ウインナーすげぇ焦げてただろ。一本はほとんどケシズミ状態だったし。あれもないわー」

    転校生「…うっ…」

    「あれ、お前が作ったのか?まぁ、確かにあんな悲惨な弁当、教室で友達と。なんて無理だわな。屋上で一人こそこそ食べたくなる気持ちも分かるわ」

    転校生「…ひっ…ひどっ!そこまで言うことなくない!?…た…確かに、見た目悪かったし、ちょっと…失敗しちゃってたから美味しくはなかった…かもしれないけど…」

    「見た目の悪さに関してはグチャグチャにシェイクされてたからなおさらだな」

    転校生「うぅっ…」タジッ

    「…あ、でも唐揚げは上手かったな」

    転校生「それ、冷凍のやつだし…!」

    「だと思いました(あれ…なんか顔赤い…怒ってんのか?)」

    転校生「…だいたい、キミが勝手に食べちゃうのが悪いんだからね!?私、料理得意なんて言ってないし!そもそも誰かに食べさせようと思って作った訳じゃないし!!朝はいつも時間ぎりぎりだから仕方ないし!!…それにそれに…」

    「…いや…そう…か…なんかすまんな…」

    転校生「…うっ…うるさいばかっ!ホントに信じらんない…普通そこは、ウソでも美味しかったって言うところじゃないの!?空気読みなさいよっ!」

    「いや…ごめん…まぁなんだ?…そんな落ち込むなよ」

    転校生「…べっ…別に落ち込んでないし!ぜんっぜん気になんないしっ!!」

    「そうか…すまん…」

    転校生「…うぅ~…」

    「…」

    転校生「…」

    「…」

    転校生「…男くん、こんな可愛い子に恥かかせてただで済むと思ってる?」

    「…それ、自分で言ってて恥ずかしくないの?」

    転校生「うっ…うるさいなぁ!…私、これでも男子からは結構人気あるんだからね!…転校してきてからも色んな人に付き合って下さいって言われたんだから!」

    「…今度はいきなり自慢かよ…」

    転校生「私が男くんに辱め受けたって言ったら、男くんたいへんだよ?色んな男子から恨まれて、報復されるかも…」

    「んな、マンガみたいな話があるかよ!辱めなんて受けさせてねぇし!!…てかもう戻んねぇと授業始まんぞ?」

    転校生「えっ?ウソ?HRは!?」

    「もう終わってんね」

    転校生「そんな…私まだこっち来てから一度も遅刻してなかったのに…」

    「そりゃご立派だわ」

    転校生「ホント、キミに関わってるとロクなことないよ!サイテー!」

    「またえらい言い掛かりだなおい!お前が勝手に絡んできたんだろ?」

    転校生「言い掛かりじゃないですー、事実ですー!」

    「マジでめんどくせー。いいからさっさと行けよ…」

    転校生「言われなくても行きます!男くんなんて大っ嫌い!!フンッ!」スタスタ

    「小学生かよ…」ボソッ

    転校生「…ていうか、男くんは戻らないの?」

    「まぁな…」

    転校生「ふぅ~ん…やっぱ女さんと何かあるから気まずいんだぁ」ニヤニヤ

    「関係ねぇよ。俺はいつもこうなんだ」

    転校生「…あっそ。まぁ、どうでもいいけど。じゃあまたね」バタン

    「はぁ…あいつマジめんどくせぇ。モテるとか絶対嘘だわ…」

    15 = 1 :

    購買

    (寝過ごした…この時間は混んでるから来たくないんだよな…)

    (…どうしよ)

    転校生「あ。男くんだ」

    「?…ああ、なんだ。今日は購買なのか?」

    転校生「誰かさんが私のお弁当箱持って帰っちゃったせいでね」

    「…悪かったな」

    転校生「男くんはいつも購買なの?」

    「基本な。だから昨日は正直久々の手作り弁当で感動したんだぜ?…まぁ、内容はアレだったけど」

    転校生「うるさいなぁ。私みたいな可愛い女の子のお弁当食べれたんだからそれだけで幸せだと思ってよね」

    「…今日も屋上で食うのか?」

    転校生「何?来てほしいの?」ニヤニヤ

    「んな訳あるか。お前が来んなら俺がどっか行かなきゃと思っただけだよ」

    転校生「あっそ。残念だけど今日は普通に友達と食べるから。私、男くんと違って友達多いし!」

    「そうかよ…」

    転校生「そうですぅ~…じゃあ私、もう行くから。またね」スタスタ

    「…」

    「…男くん?」

    「!?…何?」

    「…今の転校生さんだよね?仲良いの?」

    「…別に…」

    「そう?でもなんかお弁当の話してたし…」

    「そんなことよりイケメンは?一緒じゃないの?」

    「…男くん、私と会うとすぐイケメンくんのこと聞くよね…なんか部活のことで職員室に呼ばれてるみたい」

    「そっか…」

    「それより、男くん凄いね。あの転校生さんと仲良いなんて…」

    「…何で?」

    「知らないの?あの人、すっごい人気あるのに全然男子と仲良くしないんだよ」

    「…」

    「何かね、転校してからもう10人以上の人に告白されてるみたい…でも、全部断ってるって…」

    (モテるってマジだったのか…)

    「でも、いいと思うよ転校生さん。可愛いし、性格も優しそうだよね」

    「(性格はクソ悪いけどな。っつか何で俺は幼馴染とこんな話してんだよ…)…別に関係ないだろ。俺もう行くわ」スタスタ

    「あっ…」


    屋上

    「…昼飯買い忘れた」

    (まあ、いいか…午後もこのままフケっちゃお…)

    16 = 1 :

    ×××

    キーンコーンカーンコーン

    「…」ムクッ

    「…ふぁ…」

    「…」

    「…明日こそは真面目に授業受けよう」

    「…帰るか」ムクッ


    階段 踊り場

    (あれ?転校生…と、ありゃ5組の優男か?…邪魔だな)

    転校生「…だから、無理って言ってるでしょ。あなたのこと全然知らないし…」

    「お互いを知るのは付き合ってからでもいいと思う。とりあえず1週間だけでもいい。僕と付き合ってくれないかな」

    転校生「…ごめん、やっぱり無理。あなたを好きになる可能性ないもの」

    「それは付き合ってみなきゃ分からないと思うよ?僕、本当にキミが好きなんだ」

    転校生「知りもしないくせによく好きとか言えるよね。私のどこを好きになったの?私のなにを知ってるの?」

    「…やっぱりキミはイケメンが好きなの?」

    (…!!)

    転校生「はぁ!?なんでそうなるのよ!!」

    「知らないの?転入した日、イケメンとキミが怒鳴り合いのケンカしてたって…結構なウワサになってたんだよ?」

    転校生「っ…!」

    「…やっぱりそうなんだ。でもね、キミの為にも言わせてもらうけど、諦めた方がいい。イケメンは女さんと付き合ってるんだからね」

    転校生「知ってるわよそんなこと!それと私があなたを振ったのとイケメンは何の関係もないから!!変なこと言わないでよね!!」タッタッタ…

    「…」

    「…」

    (すげぇ所見ちまった…)

    17 = 1 :

    廊下

    (…しかしマジかよ…まさか、あいつがイケメンのこと好きだったなんて…)

    (何であいつばっかそんな人気あんだよ…)

    (やっぱ顔か…)

    「…」

    「おい」

    転校生「!?」クルッ

    「なんか、よく合うな」

    転校生「…うん…そうだね…」グズッ

    (目が赤いな…泣いてたのか?やっぱりそれほどイケメンのことが…)

    転校生「…男くんは今、帰り?」

    「そうだな…」

    転校生「そっか…じゃあさ、一緒に帰らない?もし嫌じゃなかったら…」

    「別に構わんぞ」

    転校生「良かった…ありがと」ニコッ

    「…(///)」

    18 = 1 :

    通学路

    「…」

    転校生「…」

    「…」

    転校生「…」

    「…あ」

    転校生「そうだっ!!」

    「!?…どうした?」

    転校生「ね、男くん!この後暇?」

    「まあ…用事はないけど…」

    転校生「ホント?じゃあさ、一緒にご飯食べない?昨日、不味い料理食べさせちゃったから、私の奢りでさ!ね?行こ?」

    「…いや、悪いって。昼飯代も返してもらってんのにそんな甘えらんねぇよ…」

    転校生「…ダメ?」

    「お前に悪いからな。俺のプライドが許さん」

    転校生「そっか…」トボトボ

    「…」テクテク

    転校生「…」トボトボ

    「…と、思ったけど行く。うん、行く。腹減って死にそうだわ。これ、このままだと家着く前に餓死しそうだわ。ヤバいわコレ」

    転校生「…いいの?」

    「家着く前に死にたくないしな」

    転校生「えへへ…男くんってどうしようもない奴だけど、良い奴だね…」

    「…言ってろ」

    転校生「うん…」


    商店街 ファミレス

    店員「せー。お客さま何名さますかー」

    「二人です」

    店員「すねー。どぞー」

    「…」

    転校生「…」

    店員「メニュー決まりましたらっせねー」スタスタ

    「…」

    転校生「…」

    19 = 1 :

    ×××

    店員「以上でおそろすねー。ごゆっくりどぞー」スタスタ

    「…」

    転校生「…」

    「…」モグモグ

    転校生「…いただきます…」

    「…」モグモグ

    転校生「…」

    「モグモグ」

    転校生「…男くんさ…」

    「ん?」

    転校生「…女さんと仲…良いの?」

    「…何で?」

    転校生「朝、何か深刻そうな話してたじゃん…?」

    「あれは別にそういうのじゃないよ。昨日放課後にたまたま会ってさ…そん時の話をしてただけ」

    転校生「…同じクラスにイケメンって人いるよね?」

    「…ああ」

    転校生「女さんと付き合ってるって知ってる?」

    「知ってるよ」

    転校生「その人とは仲良い?」

    「俺がイケメンとってこと?」

    転校生「うん…」

    「…別にだな。ほとんど話したこともないし」

    転校生「…そっか…」

    「…どうかしたのか?」

    転校生「…どうして?」

    「いや…いきなりそんなこと聞いてきたから…」

    転校生「うん…」

    「…」

    20 = 1 :

    転校生「…何か私、イケメンって人のこと好きって勘違いされちゃってるみたい」

    「…」

    転校生「…迷惑な話だよね…私は全然そんな風には思ってないのに…」

    「…」

    転校生「…男くんから伝えてもらえないかな?女さんに…このままだと向こうにも迷惑かけちゃう…」

    「…」

    転校生「…お願い、出来ない?」

    「…4月にさ、イケメンっと言い合いしてったっての…ホントなのか?」

    転校生「…あはは…知ってたんだ…男くんも…」

    「噂程度でな…」

    転校生「…うん、ホント…ちょっと色々あって…まあ…私がカーッとなちゃってそれで…」

    「そか…」

    転校生「でもね、ホントに好きとかそういうのじゃなくて…それは全然関係ないことなの…」

    「わかったよ」

    転校生「え?」

    「よく分かんないけど、何か事情があんだろ?伝えとけばいいんだろ?女さんに」

    転校生「…うん…ありがと…ごめんね」

    「いいから食おうぜ。冷めたら不味くなっちまう」モグモグ

    転校生「うん…」モグモグ

    転校生「おいしい…」

    21 = 1 :

    商店街

    転校生「…ごめんね?結局、私が奢ってもらっちゃって」

    「いんだよ。そういうときは素直にありがとうで」

    転校生「うん…ありがと…」

    「まぁ、弁当貰ったしな。これでチャラだろ」

    転校生「そんな訳ないじゃん!私のお弁当がファミレスのオムライス一個で清算されるなんて思わないでよ」

    「…おまっ…まだ何か奢らせる気か?」

    転校生「えへへっ、どうだろうね?」

    「言っとくけど、俺すげえ貧乏だから多分二度と奢ることなんてねぇぞ」

    転校生「うわっ…甲斐性なしだ」

    「なんでお前に甲斐性見せなきゃいけねえんだよ」

    転校生「うーん…美少女だから?」

    「また自分で言ってるし…マジで恥ずかしいからな、それ」

    転校生「事実なんだからしょうがないじゃん!」

    「ホント、どこまで本気なんだよ…」

    転校生「…ねぇ、私ってそんなに魅力ない?」

    「…は?」

    転校生「男くんから見ると私って、そんなに可愛く見えない??」

    「…なんだそれ?」

    転校生「ね?どうなの?…それとも男くんに他に好きな子いるからとか?」ジー

    「…」

    転校生「…」ジー

    「…あ」

    転校生「ん?」クルッ

    キィー

    イケメン「それにしてもお前、そんなにケーキばっか食ってたら太るぞ?」

    「好きなものは仕方ないの!こんなに美味しいのが悪いんだもん!あっ…」

    イケメン「?どうした?あっ…」

    「…」

    転校生「…」

    「…」

    イケメン「…」

    「お…」

    転校生「行こっ!男くん!」グイッ

    「おっ!?うわっ…ちょっと待てよ!引っ張んな!」ズルズル

    転校生「…」スタスタ

    「…おい!」ズルズル

    転校生「…」スタスタ

    「おい!」ズルズル

    22 = 1 :

    転校生「…」スタスタ

    「おいってば!」グイッ

    転校生「あっ…ごめん…」

    「…ダイジョブかよ、お前…」

    転校生「え…うん…」

    「そうか?…俺、向こうだからもう帰るな」

    転校生「あっ…う、うん…ありがと…なんかごめん…」

    「…ああ。じゃあな」

    転校生「うん…バイバイ…またね…」


    男宅

    「ふっ…うっ…」シコシコ

    「幼馴染ぃ…幼馴染ぃ…」シコシコシコ

    「うっ…うっ…幼馴染ぃ…」シコシコシコシコ

    「出るっ…出るよっ…幼馴染ぃ!…」シコシコシコシコシコ

    「ううぅぅぅっ!!!…」ドッピュンコ☆

    「うっ…ふぅ…」フキフキ

    「…」

    「寝よ」

    ムスコ「…」

    23 = 1 :

    学校

    「はぁ…」トボトボ

    イケメン「…おい」

    「…ん?ああ…なんだよ」

    イケメン「お前、転校生と仲良いのか?」

    「…は?」

    イケメン「昨日、一緒に居ただろ。お前は女のこと好きなんだと思ってたんだが…転校生と付き合ってんのか?」

    「んな訳ねえだろ。」

    イケメン「…転校生からなんか話しされてるか?」

    「何がだよ」

    イケメン「…」

    「ああ。何かお前らがケンカしてたって話か?別になんも。興味ないし」

    イケメン「…ホントだな?」

    「気になるなら転校生に直接聞いたらいいだろ」

    イケメン「うるせえな。あいつに余計なこと言うんじゃねえぞ」スタスタ

    「…なんなんだよ」


    教室

    教師「お。今日はちゃんと男がいるじゃないか」

    「…」

    教師「不思議なもんだよな。教室以外では見かけるのに授業の時間にはいないんだから」

    「…」

    教師「今日は当てまくるからな」

    「…」

    クラス「クスクス…」

    ×××

    (やっと昼か…)

    (購買はもう混んでるだろうし…どうすっか)

    (面倒だし寝てようかな)

    「…」

    クラス「ワイワイガヤガヤ」

    「うるせえな…」ボソッ

    (…屋上行こ)ガタッ

    25 = 1 :

    屋上

    「…」

    (幼馴染はまたイケメンといるのかな)

    「…」グゥー

    ガチャッ

    転校生「あっ!やっぱり男くんここにいた。こんなに暑いのによく毎日毎日こんなとこにいられるよね」

    「…なんだよ」

    転校生「なんだとは何よ。ホントキミって失礼だよね」

    「何か用?」

    転校生「うん…一緒にお昼食べようと思って…」

    「俺と?何で?」

    転校生「…別に何でもいいじゃん…って言うか男くん、もっと喜んだら?こんな可愛い子とお昼一緒できるんだから」

    「…何回も言ってると思うが、お前その可愛い子って自分で言うのやめろよ。痛々しいぞ」

    転校生「う…うるさいなあ…別にいいでしょ!」

    「いや…あんま良くないと思うけど。かなり恥ずかしいぞ」

    転校生「そ、それより一緒にお昼食べようよ!」(///)

    「残念ながら俺、今日は飯ないんだ。だから一人で食ってくれ」

    転校生「え?…どうして?」

    「今日は真面目に授業に出たんだ」

    転校生「…うん」

    「…」

    転校生「…」

    26 = 1 :

    >>24ありがとうございます

    「…」

    転校生「…それで?」

    「は?」

    転校生「いや、真面目に授業出て、それでなんでお昼ご飯なくなるの?」

    「購買が混むじゃん」

    転校生「はぁ…」

    「いや、男子から絶大な支持を誇り学校ヒエラルキーのトップに君臨するようなお前には分からないかもしれんがな、購買というのは本来、俺みたいな底辺ぼっちが行けるような場所じゃねえんだよ」

    転校生「…は?」

    「だから、要はあそこはリア充の巣窟で、輝く青春を謳歌せんと地肉を削る若人が集う戦場な訳。俺みたいな人種が本来立ち入ってはいけない聖域なの」

    転校生「…何言ってんのかはさっぱり理解出来ないけど、普段は授業サボって早めに行くから買えるけど授業出ちゃうと混むから行きたくないってこと?」

    「みなまで言うなばかやろう」

    転校生「…男くんってホントどうしようもない奴だよね」

    「ほっとけ」

    転校生「…私のお弁当、半分食べる?」

    「…はい?」

    転校生「うっ…い、いやなら別にいいんだけど…そのままじゃ午後の授業でお腹鳴って恥ずかしくなっちゃうよ…」

    「いやだってお前の弁当ってお前…」

    転校生「…っ!…今回はお母さんに手伝って貰ったからダイジョブです!!ちゃんとキレイな美味しいお弁当です!!」

    「…ならいいんだが…お前はいいのかよ?」

    転校生「うーん…昨日のお礼ってことで?」

    「…お前、何かにつけて俺に何か食わせようとするよな」

    転校生「わっ…悪い!?」

    「いやまあ、悪かねえけど…」

    転校生「じゃあ、食べようよ。…あ」

    「ん?」

    転校生「お箸、ひとつしかないね」

    「だろうな」

    転校生「どうしよ…」

    「俺は気にしなくていいから、お前が普通に食えよ」

    転校生「いい。これ、男くんにあげる!私は購買行ってくる」

    「いやそりゃ流石に悪いだろ。もともとお前のなんだからお前が食えよ」

    転校生「いいの!男くんが食べて!じゃないと私の評価が料理下手な女のままで終わっちゃう…」

    「お前、それが理由かよ…」

    転校生「いいから食べて。美味しいから!」ズイッ

    「…まぁ、そこまでいうなら…」

    転校生「じゃあ、私購買行くね。お弁当箱はちゃんと洗わないなら今日中に返してね」スタタタタ…

    (…あの女は結局、何がしたかったんだ…)

    「…」

    「いただきます」カパッ

    27 = 1 :

    2組 教室

    「…」

    同級生B「男くんだ。また転校生ちゃんがお漏らししたの?」

    「…まだ言ってんのかそれ。転校生は?」

    同級生B「そういえば帰りのHRにはもういなかったかな…何か用だった?」

    「まあ…(あの女、弁当箱のこと忘れてやがるな)」

    同級生B「なんか二人って仲良いよね。付き合ってたりするの?」

    「そんなんじゃないよ」

    同級生B「そう?でも確かに男くんって転校生ちゃんみたいな子はタイプじゃなさそうだよね」

    「…??俺が転校生のタイプなんじゃなくて?」

    同級生B「さあ?それはどうなんだろうね?」

    「…」

    28 = 1 :

    商店街 スーパー

    (久々に入ったが、相変わらず安いな…)

    (これからはコンビニとかじゃなくてこっちで飯買うか)

    「…ん?」

    (転校生だ)

    「おい」

    転校生「?」クルッ

    「お前、弁当箱のこと忘れてただろ。何先に帰ってんだよ」

    転校生「…男くんか…」

    「なあに?学校のお友達?」

    転校生「えっ…う、うん。同級生の男くん」

    「あら。転校生のお友達なんて珍しいわね。しかも男の子だなんて」

    転校生「もう、そういうのじゃないから…茶化さないでよ」

    「こんにちは。男くん、わ…」

    転校生「男くん!この人は私のお母さん!!」

    「…ども…同級生の男です…」

    転校生母「…はじめまして。転校生の母です。…私なんだか邪魔みたい。先帰ってるわね」スタスタ

    転校生「…もう…」

    「若いお母さんだな」

    転校生「キレイでしょ?」

    「まあな」

    転校生「…男くんは年上が好み?」

    「そうだとしてもお前のお母さんは狙わないから安心しろ」

    転校生「当たり前じゃない。お母さんと男くんじゃ全然釣り合わないもの」

    「…仲良いんだな」

    転校生「うん。お母さん大好きだもん。私」

    「そっか…」

    転校生「それより一旦出ましょ。何か私に用なんでしょ?」

    29 = 1 :

    帰り道

    転校生「にしてもびっくりした。まさかあんな所で男くんに合うなんてね…」

    「誰のせいだと思ってんだよ…」

    転校生「?誰のせいなの?」

    「お前が弁当箱受け取る前に帰ったからだろ。そのせいで洗剤とスポンジ買う羽目になったんだよ」

    転校生「ああ!ごめん!忘れてた。…でも、洗剤とスポンジくらいこんなことが無くても持っておくべきだと思うよ…」

    「あんまり無駄な出費はしたくねえんだよ」

    転校生「無駄な出費って…ホント男くんってどういう生活してんのよ…確か一人暮らしなんだっけ?」

    「ああ」

    転校生「生活費は?仕送り?」

    「それもあるけど、あんま使わない。4月位まではすげえバイトしてたから今はそれの貯金切り崩して生活してる」

    転校生「へえー。偉いんだね。でもそれならちゃんと自炊したほうが安上がりなんじゃないの?」

    「食器や調理器具、それに調味料やら何やら揃えんといけないことを考えると実はそうでもない。切り詰めた食生活してれば外食の方が安上がりなんだ。光熱費なんかも全然違うぞ」

    転校生「そんなもんなの?」

    「ああ。(俺はあんまり切り詰めてないからどっこいどっこいって感じだが…)…あ、それと忘れんうちにこれ。ありがとな」

    転校生「うん…で、今回はどう?ちゃんと美味しかったでしょ?」

    「ああ。びっくりする位マトモだった。」

    転校生「でしょ!?ちゃんとやれば出来るんだから!」

    「お母さんに手伝って貰っといてよくそこまでえばれるな…」

    転校生「…っ…お母さんに手伝って貰ったのはせいぜい2割くらいだしっ!実質はほとんど一人で作ったんだからいいの!!」

    「そうかよ。…ってか、お前、完全に弁当箱忘れてただろ。学年一位が聞いて呆れるぜ」

    転校生「…今日は、たまたまよ…たまたま、お母さんが仕事早く終わったから久々に夜ご飯一緒に食べようって連絡きて…」

    「そんでHRバックれて急いで帰ったのかよ…どんだけお母さん好きなんだよお前…」

    転校生「どれだけだって好き。恩人だもん」

    「…」

    30 = 1 :

    転校生宅

    転校生「着いた。ここが私ん家」

    「…」

    転校生「…良かったら、上がってく?」

    「迷惑だろ。遠慮するよ」

    転校生「…そう?でもどうせ夕飯も一人なんでしょ?家で食べてけば?」

    「久々にお母さんと食べるんだろ?家族水入らずに俺が混ざったら気まずいだろ…それにお前の親父さんだっていい気分じゃないだろうし…」

    転校生「お父さんいないよ。母子家庭だから。家」

    「あ…悪い。失言だった」

    転校生「ううん、そうじゃなくって、だから気にしなくても大丈夫だよってこと…」

    「いや、それにしたって悪いって。昼飯まで貰ってるのに…いきなり来たらお前のお母さんだって困るだろ」

    転校生「そっか…ちょっと待って。聞いてくる」タッタッタ…

    「あ…」

    ×××

    転校生「お母さん、大歓迎だって!!入って入って!」グイグイ

    「…お邪魔します」

    転校生母「いらっしゃい。また会ったわね」

    「はぁ…どうも」

    転校生母「狭いけどゆっくりしていってね!」

    「おかまいなく…」

    転校生「お母さん!私も手伝う」

    31 = 1 :

    ×××

    転校生「ホントに送ってかなくて平気?道分かる?」

    「来た道戻ればいいだけだろ。小学生じゃあるまいし」

    転校生「そう…今日はありがとね…」

    「そりゃ、俺の台詞だろ。ありがとな。なんか久々にすげえ楽しかった」

    転校生「ホント?…だったら良かった」

    「ああ。お前の母さんの料理、最高だったし」

    転校生「私だって手伝ったんだからね!」

    「そうだったな。まあ、頑張って一人でちゃんと弁当作れる位にはなれよ」

    転校生「男くんに言われたくないし。…でも、そしたらまたお弁当食べてくれる?」

    「俺は基本貧乏だかんな。貰えるもんはもらいます」

    転校生「うん…じゃあ頑張ろうかな…」

    「そうしろ。お母さんも喜ぶだろ」

    転校生「そだね…」

    「ああ…」

    転校生「…」

    「じゃあ、そろそろ帰るわ」

    転校生「うん…」

    「じゃあな」

    転校生「…男くん…」

    「ん?」

    転校生「やっぱり私も、今日はありがとうなんだ…私、ホントは転校してからあんまりクラスに馴染めてなくって…そのことでお母さんに心配かけちゃってたから…だから…」

    「…」

    転校生「だから、お母さん、凄い安心してくれたと思う。ありがとうね、男くん…」

    「…お前は友達多い奴かと思ってたわ。てか、前に自分でそう言ってたよな」

    転校生「友達多い奴が屋上で一人でお昼食べようとなんてする訳ないじゃん」

    「それもそうだな」

    転校生「そうだよ…ね、今度は男くんの家に行ってもいい?」

    「はあ?家なんてなんもねえし狭いだけだぞ?」

    転校生「家も十分狭かったでしょ?別に気にしないよ」

    「…確かに俺の部屋と比べても遜色ない狭さだったな…」

    転校生「ひどっ!?…でも、だったらいいでしょ?ね?」

    「…まあ、気が向いたらな」

    転校生「うん、約束。…そろそろ戻るね」

    「ああ。じゃあな。ごちそうさん」

    転校生「うん…バイバイ。またね」

    32 = 1 :

    男宅

    「…」シコシコ

    「はぁ…はぁ…」シコシコシコ

    「…うっ…幼馴染ぃ…幼馴染ぃ…」シコシコシコシコ

    「幼馴染、幼馴染、幼馴染ぃ!」シコシコシコシコシコ

    「…うぅっ!!…イキそうだよっ…」シコシコシコシコシコシコ

    「…はぁ…はぁ…うっ…イく!イくよ!!幼馴染ぃ!!」シコシコシコシコシコシコシコ

    「うぅっ…ああぁぁぁあぁぁあぁ!!!」シコシコシコシコシコシコシコシコ

    「…」シコシコシコシコシコシコシコシコシコ

    「…あれ?」シコシコシコシコシコシコシコシコシコシコ

    「…い…かない…」シコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシ…

    「…」

    「…そういう日も…あるか。…うん…もう寝よう」

    ムスコ「WTF!?」

    33 = 1 :

    ×××

    プルルルルルル…

    「…」ピッ

    「…あれ?…もう…10時半…学校…」

    「…」

    「…あ?…今日休みじゃん…」

    プルルルルルルル…

    「…」ピッ

    プルルルルルルル…

    「…」ピッ

    プルルルルルルル…

    「…」ピッ

    「…何?」

    転校生「あ、男くん?良かった全然出ないから番号間違ってるんじゃないかと思っちゃったよ」

    「出ないというか、切ってたんだけど…」

    転校生「だろうね。ちょっと酷くない?」

    「お前がこんな非常識な時間に電話掛けてくるのが悪い」

    転校生「非常識って…もうお昼なんだけど…」

    「休日の午前中は深夜の延長なんて学生の常識だろ。で、なんの用だよ」

    転校生「…男くん、今日は暇なのかな?」

    「…暇じゃない」

    転校生「…そか…何するの?」

    「お前に奪われた貴重な睡眠時間を取り戻すのに忙しい」

    転校生「…それって、暇ってこと?」

    「お前は俺の話しを聞いてなかったのか?忙しいんだよ…」

    転校生「だったらさ、今から男くんの家行ってもいい?」

    「…え?なんだって?」

    転校生「うわぁ…その台詞、ホントに言う人いるんだね。ちょっと引くわ…ね?ダメ?」

    「…家来て何すんの?」

    転校生「テスト勉強一緒にしようよ!男くん、授業サボりまくってて勉強全然ダメだって昨日言ってたでしょ?私が教えてあげるから!ね!」

    「…気が進まん」

    転校生「なんだったらご飯も作るよ?一人でもちゃんと出来るとこ見せてあげる!男くん、何が好き?」

    「…天丼」

    転校生「分かった!材料買って行くから待っててね!」ピッ

    「…あいつホントはすげえ馬鹿だろ」

    「…部屋片さねえと…」

    (とりあえず、ゴミまとめてベランダにポイしよう)

    34 = 1 :

    ×××

    プルルル…

    「…」ピッ

    to:転校生
    題名:今スーパー(T‐T)
    本文:家の場所知らなかった(T‐T)

    「…アホだ」

    ×××

    転校生「おじゃまします…」

    「まぁ、なんもないけどな」

    転校生「…ホントだ…家とあんまり広さ変わらないね…モノがなにもない分、家より広く感じるかも…」

    「しかし、ホントに来るとわな…」

    転校生「…ごめんねいきなり…迷惑だった?」

    「だいぶ」

    転校生「…ごめん…でも、そこは嘘でもそんなことないよって言うのが男子の礼儀じゃないの?」

    「そんな礼儀は知らん。後俺、教科書、ノート、筆記具、全部学校に置きっぱだから」

    転校生「…だろうと思った…よくそんなんで2年生に進級できたよね…」

    「…その頃はまだちゃんと勉強してたんだよ…」

    転校生「へえー。なんかちょっと以外…」

    「あのな、根は真面目なの俺」

    転校生「そっか…ちなみにちゃんと勉強してたときは何位くらいだったの?」

    「…100位前後?」

    転校生「中の下…いや、下の上くらいじゃん…それ、ちゃんとやってたって言うの?」

    「うるせえな。元々そんなに好きじゃないんだよ。」

    転校生「まあ、今回は私がしっかり見てあげるから、ちゃんと頑張りなさいよね?」

    「…とりあえず、先に飯にしないか?何か買ってきたんだろ?」

    転校生「…と、思ってたんだけど…ホントに何もなさ過ぎて自炊諦めるレベル…」

    「お前…まさか食材買い込んだのか?」

    転校生「ううん、なんにもないって聞いてたからお弁当買っておいた」

    「賢明な判断だ…と、言いたい所だが残念。この家には電子レンジすらないぜ」

    転校生「…ホント、どうやって生活してるのキミ」

    「電気ケトルならある」

    転校生「…」

    35 = 1 :

    ×××

    転校生「…ごちそうさまでした」

    「…お前、食うのすげえ遅いよな」

    転校生「…その分、よく噛んで食べてるんだからいいの!さ、勉強しよ!」

    「うげ…でも、俺何も勉強道具ないぞ…」

    転校生「一緒にやるんだから私の使えばいいでしょ?」

    「…まさかガチでテスト勉強する羽目になるとは…つかお前、ホントよく来たよな」

    転校生「なにが?そんなに嫌だった?」

    「…っていうか、だって同級生の男が一人暮らししてる部屋だぜ?普通だったら警戒して来たがらないだろ?」

    転校生「…警戒?」

    「お?なんだお前、普段は自分可愛い可愛いって言いまくってる割にはこういうことには無頓着なのか?…要は襲われないかとか心配しないかってこと」

    転校生「…襲うの?」

    「…は?」

    転校生「男くんは私を襲う気なの?」

    「そんな気はないけど」

    転校生「じゃあダイジョブじゃん」

    「…」

    転校生「私だってちゃんと相手選ぶよ?それくらい分かる。男くん、私に興味ないでしょ?」

    「なんかその言い方だと俺が酷い奴にならないか…」

    転校生「その通りじゃん。…本当に興味ないよね。態度見てると凄いよく分かるよ」

    「…ホントに興味なかったら、一緒に飯食ったり部屋に呼んだりしねえんじゃねの?」

    転校生「あはは、男くん、誰に向かってフォローしてるの?変なの」

    「い…いいから、さっさと勉強始めようぜ」

    転校生「うん、そだね。男くん何の教科が得意?」

    「得意じゃないが点数一番取れてたのは国語だな。中間は70点位だったはず…」

    転校生「一番低かったのは?」

    「数学も悪かったけど英語かな。10点も取れてない」

    転校生「それは流石に酷い…reading?writing?」

    「…どっちも…」

    36 = 1 :

    ×××

    「ふぅ…」ノットシコシコ

    転校生「もう8時か…今日は終わりにしようか…」

    「疲れた…全然頭に入ってこねえ…」

    転校生「それは男くんが勉強できないのに授業サボってるのが悪い」

    「…」

    転校生「高校の勉強なんて容量なんだから…要はやることやってれば点数とるのなんて簡単だよ」

    「それは出来る奴の見解だろ…」

    転校生「私だって最初からこんなに出来たわけじゃないよ?いっぱい勉強したし…」

    「俺には真似出来ん…」

    転校生「頑張んなきゃ留年しちゃうかもよ?」

    「…それは嫌だなぁ…」

    転校生「じゃあ、やっぱり頑張らないとね…さて、私はそろそろ帰るね」

    「ああ。てか、こんな遅くまでダイジョブだったのか?お母さん心配しない?」

    転校生「まだこの時間じゃ帰って来てないよ。いつも日が変わる位まで働いてるから…」

    「そっか…大変なんだな」

    転校生「ホントは私もバイトして少しでも楽してもらいたいんだけど…学生は勉強しなさいって…」

    「いいお母さんじゃねえか」

    転校生「うん、大好き…」

    「なんかいいよな。そういうの」

    転校生「何が?」

    「親子でちゃんと互いを支え合ってるっていうの?ちゃんとお互いが必要としてる感じがさ…」

    転校生「…そうかな?確かに私はお母さんが必要だけど…お母さんに私は必要ないと思うな…」

    「そうか?お前のお母さんはお前が立派にお母さんの期待に答えて頑張ってるからこそ、一生懸命働いて、お前に勉強に集中出来る環境を作ってやってるように思うけどな」

    転校生「…えへへ…だとしたら嬉しいな…」

    「もっと誇れよ。お前は偉いよ」

    転校生「うんっ!」ニコッ

    37 = 1 :

    帰り道(※)

    転校生「ごめんね?送ってもらちゃって…」

    「別に。夕飯も食いたかったし、流石に時間も遅いしな」

    転校生「早い日だとお母さん、この位には帰ってきてるんだよね…」

    「そっか…だとしたら心配させてるかもな」

    転校生「一応、男くんと一緒に夕飯食べてるって連絡はしたから大丈夫だと思うけど…」

    「それは果たして大丈夫というのか、俺にはわからん」

    転校生「…?なんで?」

    「まぁ…なんでもない」

    転校生「ふーん…」

    「あ」

    転校生「え?」

    「あそこの人影、ありゃお前のお母さんじゃないか?あの自転車押してる人…」

    転校生「あ…」

    「…隣に居るの誰だ?」

    転校生「…」

    「…あれ、イケメンじゃねえか?」

    転校生「…っ!!」タッ…

    「おいっ!」


    公園

    「はあ…はあ…っ!」

    転校生「…」

    「ぜぇっ…お前…脚も速いのな…」

    転校生「…」

    「…どうしたんだよ、いきなり…」

    転校生「…男くん、今日ちょっと帰りたくないかも…」

    「…は?」

    転校生「…ね、今日泊めてくれない?」

    「何言ってんだお前…」

    転校生「ダメ?」ジワッ

    「ダメも何も、んなこと…」

    転校生「ね、お願い…」ポロポロ

    「…」

    38 = 24 :

    寝たか?

    39 = 1 :

    男宅

    「はい。はい。そうです。今は俺ん家にいます…」

    「ええ。なんか帰りたくないって…はい。お母さんには謝っといてくれって…本人は今は話したくないっていってます…」

    「分かりました。明日の朝には帰らせますんで。はい…すいません、失礼します」ピッ

    「…」

    転校生「…お母さん、なんて?」

    「お前のこと、心配してた。そんでなんかちゃんと話がしたいって…」

    転校生「…」

    「明日、仕事休むからちゃんと話そうって言ってたぞ。今からでも帰ってやったらどうだ?」

    転校生「…」

    「本気で家に泊まるつもりか?」

    転校生「ごめん…迷惑なら出てく…」

    「今出てっても家には帰らないんだろ?」

    転校生「…」

    「はぁ…明日の朝にはちゃんと帰れよ?」

    転校生「うん…」

    「…風呂入るか?何か飲み物でも買ってくるか?」

    転校生「ううん…ダイジョブ…ありがとう」

    「何かしてほしいことあったら言えよ」

    転校生「へへ…なんだか男くんが優しい…嬉しいな…」

    「気持ちわりいこと言うんじゃねえよ。俺はいつも優しいだろ…」

    転校生「そうかもね…聞かないんだ、さっきのこと」

    「お前のお母さんとイケメンのことか?聞いて欲しいなら聞いてやるよ」

    転校生「あ…やっぱりいつもの男くんだ。イジワルだ」

    「お前、落ち込むとキャラ変わるよな」

    転校生「そうかな…自分じゃよくわかんない…」

    「実はすげえ打たれ弱いだろ…」

    転校生「…それは、そうかも…だからあんなことでもすぐ不安になっちゃう…」

    「…何があったんだよ」

    転校生「知りたい?」

    「聞いてやるから話せよ」

    転校生「…ホント、イジワルな言い方するよね男くん…」

    「悪かったな」

    転校生「…でも、取り繕おうとしないところ好きだよ」

    「…」

    転校生「…」

    「…」

    転校生「…」

    「…風呂でも入るか?」

    転校生「うん…」

    「…タオルとってくる…」

    40 = 1 :

    転校生「私のお母さんね…」

    「え…」

    転校生「私のお母さん、本当のお母さんじゃないんだ…本当のお母さんとは私が中学に上がった頃に別れたの。それっきり連絡もとってない。今はどうしてるかも全然知らないんだ…」

    転校生「本当のお父さんには会ったこともない。私は会ってみたかったんだけど…向こうは会いたくないみたい…」

    転校生「…なんか、難しいね…こうやって話すのって…上手く出来ないや。ごめんね…」

    「ゆっくりでいいよ」

    転校生「うん…それでね、私の本当のお父さんっていうのがイケメンのお父さん。異母兄弟なんだ、私たち」

    「…」

    転校生「…で、今のお母さんはイケメンのお父さん、私のお父さんの妹さん…つまり本当は叔母さんなんだ」

    転校生「本当のお母さんが私を産んだ頃にはもうお父さんはイケメンの家庭に入ってて、家族の反対を押し切って一人で私を育てたの」

    転校生「…でも、すぐその後に再婚して…私が小学生になる位にはその再婚相手の人との間に子供が出来てた」

    転校生「その子が産まれたあとの私はもう本当に惨めだった。学校ではイジメられてたし、家に帰れば空気のように扱われてた…私の分のご飯だけ用意されてないこともあったかな…」

    転校生「…でもね、それでも親だったから…親だと思いたかったから私は一生懸命空気を演じてた。だってそれが私に望まれた役割だったから」

    転校生「やっぱり本当のお母さんのこと、嫌いにはなれなかったしね」

    転校生「そうやって6年間過ごして…中学生になったときに再婚相手の人に…殺されそうになった…寝てるときに枕を頭に押し付けられて…」

    転校生「お前が邪魔だって…邪魔だから死んでくれって…グイグイグイグイ…押し付けられたの」

    転校生「その声を聞いてだと思うんだけれど…お母さんが来たから、未遂で終わったの…でもお母さん、助けてくれなかった」

    転校生「…ただ私のことじーっと見て…慰めてもくれなかった…」

    転校生「それからすぐ私は叔母さん…今のお母さんに引き取られたの。どういう経緯でそうなったのか、知ったのは最近だけど…どうも本当のお母さんがお父さんに連絡してたみたい」

    転校生「アンタの子なんだからアンタが面倒見ろ!って…おかしいよね、だって、お母さんの子供でもあるのに…」

    転校生「でも、お父さんにはイケメンとイケメンのお母さんがいる家庭があったから…勿論、私を引き取るなんてしなかった」

    転校生「そこで、名乗りを上げてくれたのが今のお母さん、お父さんの妹さんだったんだ…私を引き取ったとき、まだ24歳だった…」

    「…」

    転校生「ここに引っ越してきたのは、叔母さんの仕事の都合だったんだけど、ホントに偶然。私は…引っ越す前に聞かされてはいたけど出来るだけ深く考えないようにしてた」

    転校生「叔母さんにこれ以上迷惑かけたくなかったから…」

    転校生「…いい機会だとも思ったの。折角なんだからお父さんに会ってみようって。どうせ同じ学校にいるならお兄ちゃんとも仲良くしたいって…」

    転校生「…でも無理だった。転校した日に早速、お兄ちゃん…イケメンに声を掛けてみたんだけど、向こうはそんな話、全然知らなかった。凄い目で睨まれた…」

    転校生「いきなりそんな話しを振ったのも悪かったかもしれないけど、それでもお父さんには私がこの街に来ること、ちゃんと伝えてあった筈だから…」

    「…」

    転校生「お互い無関係でいようって…そう言われた。…それで、私…カっとなちゃって…」

    「それで怒鳴り合いのケンカか」

    転校生「…私が一方的にまくし立ててただけだったけど、酷いこといちゃった。いっぱい…八つ当たりだった」

    転校生「それで、私も決めたの。無関係に生きようって…心残りはあるけど、でもお互いのことを考えたらそれがベストなんだろうって…」

    「そうか…」

    転校生「その考えを叔母さんに伝えたら叔母さんも理解してくれた。だったら私も兄とは無関係でいるとまで言ってくれた。凄く嬉しかったな。私を選んでくれるんだって…涙がとまらなかった」

    転校生「…だから、さっきイケメンとお母さんが歩いてるのを見たら…どうしても裏切られた気分になっちゃって…悔しくて…」ジワッ

    「…」

    転校生「…きっと、何か理由があるんだろうとは思うんだ…思うんだけど…悔しくてっ…悔しいっ…悔しいよ…っ!!」ポロポロ

    転校生「私は…結局、誰にも選んでもらえないのかな?…やっぱり…どこに行ってもよそ者で邪魔物なのかな…」ポロポロポロ

    「…」ギュッ

    転校生「うっ…うわああぁぁぁぁぁっ!!」ボロボロボロボロ

    「…」

    41 = 1 :

    ×××

    「…?」

    「おい…」ユサユサ

    転校生「すぅ…すぅ…」

    (こいつ…寝やがった…)

    (とりあえず降ろすか)

    転校生「んんっ…」ギュッ

    「…鼻水ついてるし…」

    「… …」

    ×××

    「…ん…」

    転校生「男くん?起きた?」

    「…あ…」

    転校生「男くん?」

    「…ああ」

    転校生「…起きてる?」

    「…起きた」

    転校生「おはよう」

    「…今何時?」

    転校生「8時ちょっと前」

    「大丈夫?」

    転校生「うん…いろいろありがとう。迷惑かけてごめんね…あ…」

    「何?」

    転校生「涙…男くんの服に染みちゃってる」

    「ああ、そりゃ鼻水だ」

    転校生「うそ…」

    「昨日の夜に確認した。ばっちり鼻から垂れてた」

    転校生「…うそ?寝顔見たの?」

    「引き剥がそうとしても離れねえんだもん。困ったよ」

    転校生「…バカッ!」(///)

    「なにが?お前だって先起きてたんだから俺の寝顔見ただろ?おあいこじゃねえか」

    転校生「っ…私はいいのっ!バカ!」(///)

    「なんつー理不尽な…」

    転校生「理不尽じゃないっ!もう帰るね!ありがとっ!バイバイ!」スタスタ

    「なんなんだよめんどくせえ…」

    転校生「…ねえ」

    「あん?」

    転校生「…家まで送ってくれない?」

    「…」

    42 :

    読んでて心痛くなるは

    43 = 1 :

    帰り道(※)

    転校生「…ホントにごめんね?最後の最後まで迷惑かけちゃって」

    「まあ、そういう時もあるだろ。気にすんな」

    転校生「…今度ちゃんとお礼するから」

    「気にすんなって」

    転校生「うんん、ちゃんとさせて?何でもいいから…」

    「お前な、何でもいいとか簡単に言うなよな…まあ、だったらまた飯でも作ってくれよ。ちゃんと美味しいやつな」

    転校生「分かった…頑張るね」

    「ああ」

    転校生「…」

    「…」

    転校生「…」

    「…ダイジョブか?」

    転校生「…うん…今のお母さん、大好きだから…いなくなっちゃたらって考えると…そんなことはないってわかってるんだけど…思い出しちゃうんだ…お母さんに捨てられたときのこと…」

    「あのお母さんに限ってそんなこと絶対ねえだろ。ダイジョブだって。お前を捨てるような人じゃないよ」

    転校生「…男くんも」

    「ん?」

    転校生「…男くんも、やっぱり親と上手くいってないの?」

    「…まぁな」

    転校生「そっか…」

    「…」

    転校生「…」

    44 = 1 :

    転校生宅

    「…」

    転校生「…」

    イケメン「…」

    転校生「お兄ちゃん…」

    イケメン「…なんで男がここにいんだよ。やっぱお前らそういう関係なんだろ」

    「ちげえよ」

    転校生母「転校生っ!」

    転校生「…お母さん…」

    転校生母「良かった…戻ってきてくれて…男くんも、どうもありがとう。迷惑かけてごめんなさいね…」

    「いや…俺は別に…」

    転校生「お母さん…話って…」

    転校生母「ええ…あなたのお父さんの話…とりあえず中に入って、ね?」

    転校生「…」

    転校生母「ごめんね、イケメンくん。最初は転校生と二人で話したいから…少し待っててくれるかしら?」

    イケメン「わかりました」

    転校生母「男くんも本当にありがとう。また家に遊びにきて?ごちそうするから」

    「いえ…」

    転校生「あ…」

    転校生母「さ、入って。ちゃんとお話しましょ…」パタン

    イケメン「…」

    「…」

    イケメン「…」

    「…」スタスタ

    イケメン「帰るのかよ」

    「あ?」

    イケメン「心配じゃねえのかよ?転校生のこと」

    「…俺がここで心配してたらどうこうなる問題じゃねえだろ。後はお前ら家族の問題じゃねえか」

    イケメン「…ちっ…全部知ってんだな」

    「ああ。昨日転校生から聞いた」

    イケメン「そうかよ…」

    「仲良くしてやれよ。転校生と」

    イケメン「そんな簡単にできっかよ…だいたい俺、あいつにどんな顔して接すればいいと思うんだよ…」

    「でも、なんとかしたいと思ってるからここにいるんじゃねえの?」

    イケメン「…」

    「まぁ、最初からは上手くはいかねえだろ。時間かけてゆっくり頑張れよ」

    イケメン「知った風な言い方だな」

    「…悪かったよ」スタスタ

    イケメン「待たねえのか?」

    「もう俺には関係ないよ」スタスタ

    イケメン「…」

    45 = 1 :

    男宅

    「…」シコシコ

    「…」シコシコシコ

    「…」シコシコシコシコ

    「…勃たない…」シコシコシコシコシコ

    「どうしよう…勃たないよ…勃たなくなっちゃったよ…うっ…」シコシコシコシコシコシコ

    「うっ…なんで…なんで勃って…くれないんだよ…うぅっ…幼馴染ぃ…」グズッ

    「…今日は疲れたからな…もう寝よう…」

    ムスコ「(´;ω;`)」

    47 = 1 :

    >>46支援感謝です

    学校

    「おはよう…」

    「あ…ああ…」

    「…」テクテク

    「…」テクテク

    「…男くんは…知ってるんだよね」

    「何が?」

    「イケメンくんと転校生さんの関係…」

    「おさ…女も知ってたのか?」

    「…うん、転校生さんが来る前の日に聞いたんだ…」

    「…え?」

    「?…どうかした?」

    「…いや…なんで、そんなこと…いや…それより…なんでそんな話聞いて次の日付き合おうってなるんだよ?」

    「…うん…イケメンくん、すっごく辛そうで…転校生さんとどう接すればいいのか…うんん、関わっていいのかすら分かってなかったの…」

    「…」

    「凄い罪悪感を感じてた…自分のせいだって言って…泣いてた…」

    「…」

    「イケメンくんも、知ったのは転校生さんが来る3日前位だったんだって…それで、すごいショック受けちゃったみたい…ホント、あのときのイケメンくん、見てられなかったな…」

    「…」

    「それで次の日、転校生さんが来て、仲良くしようって言ったみたい…それで、イケメンくん動揺しちゃって…知らないって追いはらちゃって…」

    「…」

    「その後、すっごい泣いて…なんか、それ見てたら…そばに居てあげたいなって思って…」

    「そうか…」

    「…軽蔑してる?私のこと」

    「…え?」

    「薄情な女だなって思ってたり…するのかなって…」

    「…」

    「…こういう話しってあんまりしたことなかったよね。今まで」

    「なあ…」

    「なに?」

    「そろそろ行かないと、授業始まる」

    「…そうだね…」

    48 = 1 :

    教室

    教師「今日はイケメン休みなのか…珍しいな」

    「…!?」ガバッ

    教師「?…どうかしたか?男」

    「…いや…」

    教師「なんだお前、イケメンが休みでさみしいのか?」ニヤニヤ

    「…」

    クラス「ザワザワ…」

    ×××

    教師「はい。ではこの辺で終わります。ワークの27ページを明日までにやってこいな」スタスタ
    ガララ…

    (イケメンが休みだってこと…女は知ってたのか?)

    (…転校生は来てんだろうか…)

    「…」

    49 = 1 :

    2組教室

    同級生A「お!男じゃん。どうしたよ」

    「…あ、転校生って今日来てるか?」

    同級生A「いや、休んでるけど?」

    「…そうか。さんきゅ…」テクテク…

    同級生A「ちょっと待てよ!」ガシッ

    「なんだよ?」

    同級生A「なんかお前最近、転校生さんと仲良いみたいじゃんかよ。え?どういうことなんだ?」ニヤニヤ

    「は?」

    同級生A「とぼけんなって。2人で一緒にいるところ、結構目撃されてんだぜ!?」

    「たまたまだろ。…別になんもねえよ…」

    同級生A「おいおい、あの男を寄せ付けない転校生さんがたまたまで野郎と2人きりでなんか居るかよ!ホントは付き合ってたりすんじゃねぇの?」ニヤニヤ

    「マジでそんなんじゃねえよ。もう離せ」ガバッ

    同級生A「えぇ~ムキになると、尚更怪しいぜ?」

    「言ってろ」スタスタ

    50 = 1 :

    廊下

    女友「……なんだってぇー」

    「えっー?それホントにー?」

    (幼馴染…)

    女友「あっ…また男くんがこっち見てるよ…早く行こ」ボソッ

    「えっ…あ…」

    「女さん!」

    「え?」

    女友「何か用?」ズイッ

    「…ちょっといい?女さん」

    「うん…ごめんね女友ちゃん、ちょっと行くね」

    女友「…」

    ×××

    「ごめん、友達と一緒だったのに…」

    「それは平気なんだけど…どうしたの?珍しいね。男くんの方から私に話しかけてくるなんて…転校生さんのこと?」

    「…」

    「男くんは転校生さんから聞いてないの?今日のこと…私が話してもいいのかな…」

    「話せないなら別に…」

    「いや、そんな対した話しじゃないんだけど…今日はイケメンくんたちと4人で会ってるんだって」

    「…昨日の今日で?また急だな…」

    「うん…私も経緯はよく知らないんだけど…」

    「そっか…」

    「でも、これで仲良くなれればいいよね…転校生さんも、イケメンくんも…お父さんとも…」

    「…」

    「…ね、男くん、今年の夏祭りさ…転校生さんと一緒に来なよ…」

    「…!!」

    「私はイケメンくんと行こうと思ってる」

    「…なんで…」

    「そこで、ちゃんと話そうと思ってるよ…イケメンくんに私と男くんとそれから…」

    「ふざけんなっ!!!」

    「男くん…」

    「なんでっ!…何でそんなこと言えんだよっ!…お前…お前もかよ…」

    「…このままじゃ男くんのためにもならないよ…」

    「うるせぇ!そんなことは自分で決める!!お前とはもう関係ない!」

    「でも…」

    「もうこの話はやめだ」スタスタ

    「どこ行くの?午後の授業始まっちゃうよ…」

    「関係ないって言ってんだろ」スタスタ

    「男くん…」


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