元スレ小鳥「今日は皆さんに」 ちひろ「殺し合いをしてもらいます」
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351 = 333 :
やよい「……あうぅ」
話しているうちに自分でも何を言ってるのか分からなくなったのだろう。
やよいはとうとう黙り込んでしまった。
やはり響の問いかけは、やよいを困らせてしまっただけだった。
しかし響はこれを見て、自分の頭が先ほどまでに比べて落ち着いていることに気が付いた。
理由は分からない。
やよいも自分と同じだと知って安心したのかも知れない。
分からないがしかし、今やよいを見ている響の目は、
先ほどの弱々しいものとは少し違っていた。
響「……ありがとう、やよい。ごめんね、困らせるようなこと言っちゃって……」
やよい「わ、私こそごめんなさい……何も答えられなくて……」
響「ううん……気にすることないさー。
そうだよね。こんなこと、簡単に決められるわけないよね……」
352 = 333 :
響「正直言って、自分もまだ分からない。自分がどうするべきなのか、決められてない……。
でも自分、これだけは決めたんだ」
それまで申し訳なさそうに俯いていたやよいだが、この響の言葉に視線を上げる。
そして響はやよいの目を真っ直ぐ見て、はっきりと言った。
響「自分は、人殺しが嫌だっていう気持ちは絶対に忘れない。
でもだからって、殺した人を責めたりなんかもしない。
それが765プロの誰かだったら、自分は、味方になりたいんだ。
もし自分達までその人を責めちゃったら、きっとその人、本当に一人ぼっちになっちゃうから……」
やよい「響さん……」
響「だから、なんていうのかな。人殺しは許せないけど、人を殺した人は許すっていうか……。
765プロの味方をするのは当たり前かもしれないけど、えっと……
ちょ、ちょっと上手く言えないけど、とにかくそういうことなんだ」
353 = 333 :
響「他にも考えなきゃいけないことや決めなきゃいけないことは山ほどあるけど、
それだけは決めたんだ……! って、こんなこと言ったって、
だからどうってわけでもないんだけど……」
響は最後少し遠慮がちになったが、これを聞き、やよいの目にも僅かながら力が戻った。
そして響もそのことに気付き、ほんの少しだけ笑顔が戻った。
実際、問題はまだ何も解決していない。
しかし自分の心にただ一つ揺るぎないものがあると自覚できたことは、
二人の心を強く支えてくれた。
やよい「は……はい、私も! 私も、同じです!」
響「……うん。これからいっぱい、考えていこう」
そこで二人の会話は途切れた。
そしてどちらからともなく、少し離れた貴音たちの方へ目をやる。
そうだ、まずはきちんと謝らないと。
響は小鳥が戻ってくるまでじっくりと謝罪の言葉を考えることにした。
354 = 330 :
あれ?響がお姉さんして…る?
355 = 333 :
・
・
・
貴音「――申し訳ありません、小鳥嬢」
響達からある程度離れたところで立ち止まり、貴音は小鳥に声をかける。
その第一声が謝罪であったことを、小鳥は表情に出さない程度に意外に思った。
貴音「響は、人の想いが分からぬはずはないのです。ただ、この異常な状況で……。
どうかそのことを、理解していただけると……」
小鳥「ええ、大丈夫。私も分かってるから……。
貴音ちゃんが言ってた通り、響ちゃんの優しさも素直さも、あの子の良いところだもの。
あとで響ちゃんにも、私は気にしてないって言っておくわ」
貴音「……ありがとうございます」
356 = 333 :
ここで小鳥は貴音から視線を外し、どこか遠くの方を見つめる。
その様子を疑問に思った貴音が声をかけようとした直前、
小鳥「貴音ちゃん達は、今までに346プロの子には会った?」
突然の質問。
問いかけた後、小鳥は再び貴音の方へ目を向けじっと見つめる。
貴音にはこの質問の意図が分かりかねた。
だがここでそれを探るのは無意味だし何より無礼に当たる。
貴音はそう感じ、正直に答えることにした。
貴音「……いえ。森の中で一人こちらを窺っていた者が居たようですが、
すぐに去っていったので……。まだ出会ってはおりません」
357 = 333 :
貴音の答えを聞き、小鳥は微かに息を吐く。
恐らく安堵のため息だろう、と貴音が考えた直後、
小鳥は真っ直ぐに貴音に向き直り、そして言った。
小鳥「貴音ちゃん、お願い。一つ約束して欲しいことがあるの。
あなた達は絶対に……絶対に、誰も殺さないで」
その言葉に貴音は微かに目を見開く。
小鳥はそのまま、貴音の目を見て続けた。
小鳥「みんなにあんなこと、させられない……。
あんな思いをするのも、手を汚すのも、私だけで十分なの。
だからお願い貴音ちゃん、約束して……!」
貴音「小鳥嬢……」
小鳥「あなた達のことは、私が守るから……。だから、お願い……」
358 = 333 :
うっすらと涙を滲ませ、そう懇願する小鳥。
それを見て貴音は少し逡巡した後、静かに答えた。
貴音「……分かりました。貴女の意思を尊重致します。
可能な限り人を殺さぬと約束しましょう。しかし……」
と、貴音は一度言葉を切る。
そして小鳥が何か言う前に、自分の想いを伝えた。
貴音「私とて、765プロの皆を守りたい気持ちは貴女と同じです。
ですから有事の際には……私の意思も尊重していただきたいのです」
小鳥「っ……」
『もしもの時は自分も346プロの者を殺す』
はっきりとは言わなかったが、貴音の発言はつまりこういうことだった。
359 = 333 :
それは小鳥の意思にはそぐわないこと。
しかし小鳥は貴音の目と言葉に宿った想いを拒絶することはできなかった。
そしてだからこそ、より一層小鳥の意思は強まった。
小鳥「……ええ。でも、安心して。そんなこと絶対に起きないから。
私が必ず、みんなを守ってみせるから……!」
強くそう言い切った小鳥を見て、貴音はこれ以上何も言うまいと言葉を飲み込んだ。
これで互いの意思は確認した。
今はこれで十分だ。
小鳥「それじゃあ、響ちゃんとやよいちゃんのところに戻りましょうか。
これからどうするか……みんなでしっかり、考えないといけないものね」
貴音「ええ……そうですね」
そうして二人は、心配そうにこちらを見る響たちの元へ戻っていった。
360 = 333 :
今日はこのくらいにしておきます
続きは多分明日投下します
362 :
あかん、面白い
取り返しが付かない方向に転がっていく様が
乙
364 = 326 :
乙です
貴音が川田みたいになっとる…
ゲームじゃ超能力(?)で男ブッ飛ばすし、あいつマジで何モンだよ…
366 :
乙乙
小鳥と貴音が合流したか えげつない強さになりそうだな
てか貴音は凛に気づいてたのかよ化け物すぎだろ
367 :
765しか手を出してない所為で全面的に悪者に見える
これからが気になるな
368 :
乙
天使しかいないのに、悪魔にならなければ生き残れないジレンマ
369 :
乙
貴音の強者オーラが凄いことになってる
まあピヨが殺したのは敵意が全くない卯月だから悪く見えるわな
370 :
杏対小鳥は避けられない対決になりそう
371 :
避けられないというかその2人は最終決戦でしょ順当にいけば メンタルにしても武装にしても1番最初の因縁があること考えてもね
そういう王道展開かあえて2人とも関係ないとこで死ぬかは作者の好み次第ではあるけどここならどっちでも面白くなりそう
372 :
貴音、響、やよいは天使だったか…卯月の死体をわざわざ埋めてあげるなんて…
373 :
蘇って人肉食い始めても困るしな
374 :
17:00 双海亜美
亜美「真美、やっぱ気のせいじゃないっぽいよ……!」
真美「ど、どうしよう、隠れなきゃ……!」
二人で森を歩いていた亜美と真美だが、
そう言葉を言い交わし慌ててそれぞれ木の陰に隠れた。
少し前から、どうも人の気配がするような気がする。
物音のような、話し声のような、はっきりとは分からないが
何か近付いてきていると、亜美と真美はそう感じていた。
そして今、それは確信に変わった。
少し離れたところから木の枝を折るような音が聞こえたのだ。
枝葉が特に濃く天然のカーテンのようになった、その向こう側からだった。
375 = 374 :
二人は息を殺して別々の木陰に身を潜め、
ほんの少し頭を覗かせて様子を窺う。
すると数メートル先の枝葉が揺れ、気配の正体が姿を現した。
杏「……きらり、通れる?」
きらり「うん……」
かな子「はぁ、はぁ……」
目に映ったのは見知らぬアイドル三人。
それを確認し、二人は慌てて頭を引っ込めた。
亜美はゴルフクラブを、真美は鎌を、それぞれ胸元で握り締める。
そして二人はこのままじっとしていることにした。
もし何も無ければあるいは接触をはかったかもしれない。
しかし二人は、杏の手に握られた銃をはっきりと見た。
376 = 374 :
あんな武器を持ち歩く人間なんかどう考えても危ない。
このまま隠れてあの三人が去るのを待とう。
亜美と真美はチラリと視線を合わせ、互いの意思を目で確認した。
しかし、
杏「……待って、誰か居る」
その言葉に亜美たちの心臓は止まりかけた。
かと思えば胸を突き破る程の勢いで加速し出す。
イタズラで隠れているのが見つかった時の比ではない緊張感が二人を襲う。
きらり「だ、誰か、って……?」
かな子「だ、誰? 誰が居るの……!?」
377 = 374 :
緊張しているのは亜美たちだけではないが、
そんなことを気にする余裕はない。
亜美と真美は口元を押さえ、互いを見つめ合うしかできない。
杏「……もう気付いてるからさ、出てきなよ。出てこないならこっちから行くよ?」
その声の直後に足を踏み出す音が聞こえ、
亜美と真美は同時に覚悟を決めた。
亜美真美「……」
かな子「っ! あ、亜美ちゃん、真美ちゃん……!」
木陰から姿を現した二人のアイドル。
面識はないが見覚えのあるその顔に、かな子は思わず声を上げた。
だが亜美と真美の表情は固い。
というより、明らかに警戒している。
378 = 374 :
亜美と真美の強い警戒心はその表情から読むまでもなく、
本人たちの口からはっきりと表れた。
亜美「あ、亜美たちをどうする気!?」
真美「そのテッポウで撃つ気なの!?」
そう叫んだ亜美と真美の体は震え、もはや泣きべそをかく寸前に見えた。
そしてそんな二人を見て、真っ先に反応したのはきらりだった。
きらり「そっ……そんなことない、そんなことないにぃ!
大丈夫、きらりたち、なんにもしないよぉ。だから安心して、ねっ?」
つい先ほどまではまともに喋らずにこりともしなかったきらり。
しかし泣きそうな子供をこれ以上怖がらせたくないその一心で、
懸命にいつもの調子を取り戻し、話しかけた。
379 = 374 :
真美「ほ……ほんと? なんにもしない?」
亜美「じゃ、じゃあそのテッポウしまってよ! すっごく怖いんだからね!」
きらり「あっ……う、うん、ごめんね。杏ちゃん、それ、しまお?
これじゃあ亜美ちゃんと真美ちゃんのこと、怖がらせちゃうにぃ」
杏「……あー、うん。わかった、ごめんごめん」
そう言って杏は短機関銃を肩にかけた鞄の中に入れた。
きらりとかな子はそれを見てほっと息を吐く。
杏はきらりから銃を受け取る際、「襲われた時に逃げるためだ」というようなことを言っていた。
そして確かにその通り、敵意のない相手には使わないようだと二人は安堵した。
きらり「もう怖い鉄砲はしまったよ。大丈夫!
だから、こっち来て一緒にいよ? こんな森の中に二人だけで居たら危ないにぃ」
そう言って優しく微笑みかけるきらり。
それを見て亜美と真美は、ようやく警戒心を解いた。
380 = 374 :
二人は顔を見合わせた後、ゆっくりと近付く。
亜美も真美も相手を警戒してはいたが決して敵対したいわけではない。
このふざけたゲームを終わらせるため、
自分たちではまともな案が思い浮かばなかったが
それでも大勢で協力すれば、とそう考えていた。
ここで敵意のない346プロのアイドルに会えたのは運が良い。
二人は自分達の幸運に感謝した。
……しかし次の瞬間、亜美は気付いた。
それと同時に真美を見るが、真美はまったく気付いていない。
そうだ、死角になっているんだ。
きらりとかな子も、気付いていないのか、それとも気付かないふりをしているのか。
分からない、分からないが、そんなことを考えている場合じゃない。
杏は、武器をしまった鞄から手を抜いていなかった。
381 = 374 :
亜美「真美ッ!!」
そう叫び、真美は亜美に飛びついた。
そしてそれと同時だった。
杏の鞄の中から、何かが連続して破裂するような、
少なくともきらりもかな子も聞いたことのない音が聞こえた。
だがすぐに何が起きたか理解した。
杏が、亜美と真美に向けて発砲したのだと。
きらり「だ、駄目えッ!!」
杏「っ!」
状況を理解した直後、咄嗟にきらりは武器を持つ杏の手を掴んだ。
銃口はあらぬ方向を向き、杏はトリガーから指を離す。
そして次に目線を戻した時、亜美と真美は既に遠くへと走り去っていた。
382 = 374 :
杏はすぐにあとを追おうとしたが、
きらりが自分の手をまったく離しそうにないと知り、諦めた。
そして深く息を吐き、
杏「きらり、邪魔しちゃ駄目だよ。危ないし……」
いつもとまったく変わらない様子でそう言う杏を、
きらりは信じられないものを見るような目で見た。
そして、まるで意思疎通ができるか確かめるかのように、恐る恐る問いかける。
きらり「ど、どうして、杏ちゃん……?」
杏「……何が?」
きらり「だ、だって! だって杏ちゃん、使わないって……!」
杏「言ってないよ。持ってるだけで威嚇になるとは言ったけど、
撃たないなんて言ってない。っていうか……撃たないわけないじゃん。
やらなきゃみんな死ぬんだから」
383 = 374 :
きらり「そっ……そんなことない! みんなで考えれば、絶対なんとかなるよ!
人なんか撃たなくても、絶対……!」
杏「……じゃあそれでみんな死んだら、きらり責任取れるの?」
きらり「え……」
杏「あー……ごめん、今のなし。きらりも死ぬんだから責任も何も無いんだった。
まぁとにかくアレだよ……。無理だよ。ゲームに勝つ以外で生き残るなんて」
かな子「あ……杏ちゃん」
杏「杏なりに一応色々考えたんだよ。でもやっぱり無理なんだ。
だからやるしかないんだよ。それとももしかして、
人を殺すくらいなら自分が死んだ方がマシとかって考えちゃう感じ?」
ここで杏はひと呼吸置く。
そしてはっきりと、宣言するように言った。
杏「杏は嫌だよ。絶対に死にたくない。自分が生き残るためなら他の誰が死んだって構わない。
ああ、二人は多分無理だろうから誰も殺さなくていいよ。杏が全部一人でやるから」
384 = 374 :
・
・
・
真美「はあ、はあ、はあ……」
亜美「はあッ、はあッ……!」
杏の発砲を受け、亜美と真美は全力でその場を走り去った。
離れてしまわないよう手を繋ぎ森の中を駆ける。
しかし並んで走っていたはずの二人はいつの間にか、
真美が亜美の手を引く形になっていた。
真美「亜美、早くっ! 何してんの!」
亜美「っ……ごめん、真美……」
385 = 374 :
ひたすら前を向いて妹を引っ張る真美。
しかしここで唐突に、亜美の足が止まった。
真美「わっ!? あ、亜美!? なんで……」
汗ですべって手を離したため真美は転倒することはなかったが、
慌てて後ろを振り向く。
そして急かそうとした真美だったが、亜美の様子を見て表情を一変させた。
亜美は地面に両膝をついて息を切らせ、
そしてその衣服はかなりの範囲が真っ赤に染まっていた。
真美「え、えっ……!? な、なんで!? 怪我、怪我したの!? 亜美、どこか……!」
亜美「……うん、そうみたい……」
今まで聞いたことのないようなか細い声でそう呟いた亜美は、
ぐらりと上半身が揺れ、そのままぱったりと横に倒れた。
386 = 374 :
真美「亜美!!」
倒れた亜美を見て、真美も慌てて倒れこむようにすぐ横に座る。
亜美は仰向けになり、汗にまみれた顔で真美の顔を見上げた。
亜美「真美、ごめん……。先、行ってて。亜美、なんか疲れちった……」
真美「い……行くわけないっしょ!? どこ怪我したの!? お腹!? 服捲るよ!?」
そう言って服を捲った真美は、その瞬間息が止まった。
脇腹に見たこともないような傷ができ、そこから血が溢れ出ている。
どう見ても重症なそれを見て、真美は思わず泣き出してしまった。
亜美「……なんで真美が泣くの。怪我してんの亜美なのに……」
真美「だ、だって、だってぇ……!」
387 = 374 :
亜美「ヘーキだよ。別に、痛くないし……。
見えないけど、多分見た目よりは大したことないっぽいよ……」
真美「ほ、ほんと!? 痛くない!? 痛くないの!?」
亜美「うん……。だから泣かないで、真美。真美が泣いたら、亜美まで悲しくなっちゃうよ」
真美「っていうか、これ真美のせいだよね!? 亜美がさっき、真美のこと庇ったから……!」
亜美「……んっふっふ~。亜美の方が、先輩だかんね……。先輩が後輩守るのは、当然っしょ?」
真美「そんなの関係ないじゃん! それ言ったら真美の方がお姉ちゃんだもん!
お姉ちゃんが妹守んなきゃいけないんだよ!」
亜美「そっちの方が……関係ないっぽいよ。亜美たち……どっちがお姉ちゃん、とか……そんなの……」
真美「先輩とかのが関係ないもん! 亜美の馬鹿! おたんこなす!」
388 = 374 :
亜美「……ごめん……なんか亜美、ちょっと、眠いかも……」
真美「え!? ま、待って! これ寝ちゃダメな奴じゃないの!?
寝たら死ぬっぽいよ! 駄目だよ! 寝ちゃ駄目!」
亜美「……ねぇ、真美?」
真美「な、何!? どうしたの!?」
亜美「それじゃ……今度は、真美が……亜美のこと……守って……くれる……?」
真美「あ、当たり前っしょ!? 真美の方がお姉ちゃんなんだから!
オトナなんだから! 今度は真美が守るよ! 約束だかんね!」
亜美「……ね、真美……?」
真美「何!? 今度はどんな約束……」
亜美「……ごめんね……」
389 = 374 :
真美「え……? なに、何が?」
『ごめんね』
その真意が分からず、真美は亜美に尋ねた。
しかし亜美は目を閉じたまま、答えない。
真美「ね……寝ちゃったの? 駄目だよ亜美! 寝ちゃ駄目だって!
起きろ亜美! 起きて、起きて!!」
肩を揺すっても、頬をつねっても、亜美は返事をしない。
だが真美は亜美を起こそうと叫び続ける。
イタズラで寝ているふりをしている妹を起こすように。
真美「亜美、亜美ってばー! 鼻つまんじゃうよー! ほら、苦しいでしょ!
このままじゃ本当に死んじゃうよ! な、なーんてウソウソ!
ほら離したよ、息できるよ! いつまでやってんの、ホラ起きてってば!」
390 = 374 :
真美「ねぇ、亜美、本当は起きてるんだよね……!?
真美のこと引っ掛けようとしてるんでしょ!?
もういいよ! これ以上やるんだったら真美、本気で怒るよ!?
さっきの約束もなかったことにするかんね! それが嫌なら早く……」
その時、真美は突然背後に気配を感じた。
反射的に振り向いた先に居たのは、
息を切らせて目を見開いた伊織だった。
真美「っ! いおりん……! ほら亜美、いおりんが来たよ!
起きないといおりんのでこりんビームだよ!」
正面へ向き直り、再び亜美を起こそうとする真美。
そんな真美を尻目に伊織はゆっくりと近づいて、亜美の横に腰を下ろした。
探知機を地面に置き、横たわる亜美の手をそっと握る。
そしてその手を胸元へ引き寄せ、声を押し殺して泣き始めた。
それを見て、真美の中で辛うじて繋がっていたものがぷっつりと切れた。
391 = 374 :
真美は、分かっていた。
だが信じたくなかった。
いつものようにふざけていれば、いつものように起きてくれると願っていた。
でも駄目だった。
亜美の頬に手を添える。
汗でしっとりと濡れ、弾力もあり、まだ温かい。
でも、動いていない。
ほんの少しも、まるでよくできた人形みたいに、ぴくりとも動かない。
真美は亜美の頭を抱き、声を上げて泣いた。
地面に置かれた探知機の液晶には
765プロのアイドルを示す印が二つ、静かに点滅していた。
双海亜美 死亡
392 = 374 :
今日はこのくらいにしておきます
続きは多分日曜の夜投下します
393 = 372 :
やっぱ杏はそうなるよな…
とりあえず亜美を殺ったのは許さないからお仕置き(意味深)をするしかないな
394 :
乙
ニートが本気になると恐い・・・・
395 :
乙
ダークサイド真美にならないか心配
396 :
杏が本気になったのはピヨちゃんのせいやで、と真美に囁きたい
乙
397 :
乙
親しい子に看取られることなくあっさり逝った卯月がかわいそうだったけど
しっかり看取られて描写が濃いとこっちが精神に来る…
398 :
乙
俺の亜美が……
399 :
躊躇無しとは恐れ入る
まあでもこういう完全に理屈のみで動く人が居ないと話が進まないよな
400 = 394 :
放送ないのがある意味救い・・・なのかな・・・・
みんなの評価 : ★
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