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元スレ小鳥「今日は皆さんに」 ちひろ「殺し合いをしてもらいます」
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オープニングで誰も死ななかったのが好感触
丁寧に描写してくれそうで楽しみ
丁寧に描写してくれそうで楽しみ
15:00 我那覇響
響「……ッ!!」
意識が戻ったと同時に響は飛び起きた。
慌てて辺りを見回すと、今いる場所は深い木々に覆われた森の中のようだった。
服は普段のトレーニングウェアに着替えさせられている。
響は直前の記憶が夢ではなかったことを悟り、吐き気にも似た感覚を覚えた。
視界がじわりと滲む。
伊織は執事との電話で『殺し合いゲーム』が事実であると信じていたようだが、
正直に言うとあの時はまだ自分は、やっぱりドッキリなんじゃないかと心のどこかで思っていた。
しかしあの後、猫が殺されて、本当に部屋にガスが注入されて、
そして目が覚めるとこんなところに寝かされていた。
つまり、本当なんだ。
冗談やドッキリなんかでこんなこと……するはずがない。
響「……ッ!!」
意識が戻ったと同時に響は飛び起きた。
慌てて辺りを見回すと、今いる場所は深い木々に覆われた森の中のようだった。
服は普段のトレーニングウェアに着替えさせられている。
響は直前の記憶が夢ではなかったことを悟り、吐き気にも似た感覚を覚えた。
視界がじわりと滲む。
伊織は執事との電話で『殺し合いゲーム』が事実であると信じていたようだが、
正直に言うとあの時はまだ自分は、やっぱりドッキリなんじゃないかと心のどこかで思っていた。
しかしあの後、猫が殺されて、本当に部屋にガスが注入されて、
そして目が覚めるとこんなところに寝かされていた。
つまり、本当なんだ。
冗談やドッキリなんかでこんなこと……するはずがない。
しかし響が絶望感で動けずに居たのは数秒のこと。
はっと思い出したかのように、響はすぐ隣に置いてあったカバンに目をやった。
中身を探ると、記憶にある説明の通りのものが入っていた。
水は500mlのペットボトルが三本、食料は栄養調整食品が数種類。
時計、地図、コンパス。
それから……
響「……これって確か……」
響はそれを手に取り、また見えやすい位置にあった紙を広げて見た。
『スタンガン(改造済み)』
大きめに印刷された文字が目に映る。
そしてその下には武器の説明が丁寧に分かりやすく書いてあった。
どうやら使い方が分からずに困ることはなさそうだった。
はっと思い出したかのように、響はすぐ隣に置いてあったカバンに目をやった。
中身を探ると、記憶にある説明の通りのものが入っていた。
水は500mlのペットボトルが三本、食料は栄養調整食品が数種類。
時計、地図、コンパス。
それから……
響「……これって確か……」
響はそれを手に取り、また見えやすい位置にあった紙を広げて見た。
『スタンガン(改造済み)』
大きめに印刷された文字が目に映る。
そしてその下には武器の説明が丁寧に分かりやすく書いてあった。
どうやら使い方が分からずに困ることはなさそうだった。
しかし現状、これまでで最も最悪な形で困っている。
一体なぜ自分がこんな目に……。
響は一度出したものを再びカバンにしまい込み、
そんな思いをぶつけるように、また不安をかき消すように、目一杯叫んだ。
響「おーーーい!! 誰かーーーーーッ!!」
その後数秒待ったが、返事はない。
しかし仲間を求めて響は叫び続ける。
響「貴音ーーーーーーーッ!! 返事してくれーーーーーー!!
美希ーーーーーーっ! 真ーーーーーーー!! 春香ぁーーーーーーッ!!」
大声で仲間の名を呼び続ける響。
そしてそろそろ全員呼び終えようかという頃……。
響「おーーーーーい!! 誰か……んぐっ!?」
突如背後から口元を押さえつけられた。
一体なぜ自分がこんな目に……。
響は一度出したものを再びカバンにしまい込み、
そんな思いをぶつけるように、また不安をかき消すように、目一杯叫んだ。
響「おーーーい!! 誰かーーーーーッ!!」
その後数秒待ったが、返事はない。
しかし仲間を求めて響は叫び続ける。
響「貴音ーーーーーーーッ!! 返事してくれーーーーーー!!
美希ーーーーーーっ! 真ーーーーーーー!! 春香ぁーーーーーーッ!!」
大声で仲間の名を呼び続ける響。
そしてそろそろ全員呼び終えようかという頃……。
響「おーーーーーい!! 誰か……んぐっ!?」
突如背後から口元を押さえつけられた。
貴音「響、静かに。大声を出してはなりません……!」
響「……!」
一瞬身を強張らせた響だが、その声を聞いて安堵した。
親友である貴音が来てくれたことを喜び、
意志の疎通を示すため何度もコクコクと頷く。
それを確認して貴音はそっと手を離した。
響「た、貴音! 良かったぞ、自分……」
貴音「響」
貴音は静かに響の言葉を遮り、口元に指を当てて声を抑えるよう促した。
それを受けて響は一度深く息を吐き、気持ちを落ち着かせる。
響「……!」
一瞬身を強張らせた響だが、その声を聞いて安堵した。
親友である貴音が来てくれたことを喜び、
意志の疎通を示すため何度もコクコクと頷く。
それを確認して貴音はそっと手を離した。
響「た、貴音! 良かったぞ、自分……」
貴音「響」
貴音は静かに響の言葉を遮り、口元に指を当てて声を抑えるよう促した。
それを受けて響は一度深く息を吐き、気持ちを落ち着かせる。
響「……も、もう大丈夫。落ち着いたぞ」
貴音「何よりです。以降は気を付けてください。
大声に呼び寄せられるのは、味方だけとは限りませんから」
響「え……そ、それって、つまり……」
貴音「その可能性は、十分に有り得ることです。ですから……」
やよい「響さーん! どこですか! 返事してくださいー!」
貴音「!」
響「や、やよい!?」
やよい「あっ、響さん! 貴音さんも! 良かったですー!!」
貴音「何よりです。以降は気を付けてください。
大声に呼び寄せられるのは、味方だけとは限りませんから」
響「え……そ、それって、つまり……」
貴音「その可能性は、十分に有り得ることです。ですから……」
やよい「響さーん! どこですか! 返事してくださいー!」
貴音「!」
響「や、やよい!?」
やよい「あっ、響さん! 貴音さんも! 良かったですー!!」
響「しーっ! やよい、大声出しちゃダメだぞ!」
少し距離のあるやよいにギリギリ届く程度の声で響はそう伝える。
やよいは初め、響が何を言っているのかわからなかったようだが、
口元に指を当てている響のジェスチャーを見てようやく理解した。
そして口を両手で押さえたまま二人の元へ駆け寄り、
囁くような声で問いかけた。
やよい(えっと、響さん。どうしてダメなんですか?)
響「え……? ご、ごめん、聞こえなかった。なんて……?」
やよい(あの、どうして、大声出しちゃ、ダメなんですか?)
貴音「……やよい。静かに話すのであれば普通に喋っても構いませんよ」
少し距離のあるやよいにギリギリ届く程度の声で響はそう伝える。
やよいは初め、響が何を言っているのかわからなかったようだが、
口元に指を当てている響のジェスチャーを見てようやく理解した。
そして口を両手で押さえたまま二人の元へ駆け寄り、
囁くような声で問いかけた。
やよい(えっと、響さん。どうしてダメなんですか?)
響「え……? ご、ごめん、聞こえなかった。なんて……?」
やよい(あの、どうして、大声出しちゃ、ダメなんですか?)
貴音「……やよい。静かに話すのであれば普通に喋っても構いませんよ」
やよい「えっ? あ、はい! えっと、どうして大きな声で話しちゃダメなんですか?」
貴音「やよいは……今私たちの置かれている状況を理解できていますか?」
やよい「あ……」
二人に会えた喜びが大きく、ほんの一時頭の片隅に追いやられていた事実。
それを思い出し、やよいの表情は一気に暗くなった。
貴音はそのことに心を痛めつつも、言葉を続ける。
貴音「これは響にも言ったことですが……大声に誘われるのは味方だけではないということです。
初期の配置はらんだむとのことでしたが、私たちがこうして互いに近い位置で
目覚めたことを考えると、346の者もすぐ近くに居るかも知れません」
やよい「……それって……346プロの人たちが、私たちを……?」
貴音「はい。あまり考えたくはありませんが……」
貴音「やよいは……今私たちの置かれている状況を理解できていますか?」
やよい「あ……」
二人に会えた喜びが大きく、ほんの一時頭の片隅に追いやられていた事実。
それを思い出し、やよいの表情は一気に暗くなった。
貴音はそのことに心を痛めつつも、言葉を続ける。
貴音「これは響にも言ったことですが……大声に誘われるのは味方だけではないということです。
初期の配置はらんだむとのことでしたが、私たちがこうして互いに近い位置で
目覚めたことを考えると、346の者もすぐ近くに居るかも知れません」
やよい「……それって……346プロの人たちが、私たちを……?」
貴音「はい。あまり考えたくはありませんが……」
響「で、でも、そんなこと本当にあるかな……」
貴音「……と言いますと?」
響「自分、人殺しなんて絶対にしたくない……。
それは346プロの人たちも同じのはずだぞ。
だから、346プロの人たちと協力すればいいって自分思うんだ」
やよい「協力……そ、そっか。そうですよね!」
響「そうさー! みんなで力を合わせれば良いんだ!
そしたらこんなふざけたゲームなんか……」
貴音「残念ですが、それには同意しかねます。
恐らく彼女たちも、私たちのように
『殺し合いげぇむ』が事実である証拠を見せられているはず。
そしてこれが事実である以上、響の考え方は些か楽観的に過ぎるかと思います」
貴音「……と言いますと?」
響「自分、人殺しなんて絶対にしたくない……。
それは346プロの人たちも同じのはずだぞ。
だから、346プロの人たちと協力すればいいって自分思うんだ」
やよい「協力……そ、そっか。そうですよね!」
響「そうさー! みんなで力を合わせれば良いんだ!
そしたらこんなふざけたゲームなんか……」
貴音「残念ですが、それには同意しかねます。
恐らく彼女たちも、私たちのように
『殺し合いげぇむ』が事実である証拠を見せられているはず。
そしてこれが事実である以上、響の考え方は些か楽観的に過ぎるかと思います」
やよいと響は一瞬、貴音の言葉に耳を疑った。
しかしその後に続く言葉は、彼女たちに真っ向からの反論を許さなかった。
貴音「私たちは互いに、仲間の命を人質に取られているようなもの。
仲間と他人の命を天秤にかければ、自らの手を汚してしまっても構わないと……。
そう考える者が出てもおかしくはありません」
響「そ、それは……! でも、だから、みんなで協力すればきっと別の方法が……」
貴音「必ず見つけられると言い切れますか?
望みの薄い可能性に賭け、全滅のリスクを負える者ばかりだと思いますか?
この状況下で疑心暗鬼にならずに相手と協力しようとする者ばかりだと思いますか?」
響「っ……じゃ、じゃあどうするの!?
本当に殺し合えって、346プロの人を殺せって、そう言うのか!?」
しかしその後に続く言葉は、彼女たちに真っ向からの反論を許さなかった。
貴音「私たちは互いに、仲間の命を人質に取られているようなもの。
仲間と他人の命を天秤にかければ、自らの手を汚してしまっても構わないと……。
そう考える者が出てもおかしくはありません」
響「そ、それは……! でも、だから、みんなで協力すればきっと別の方法が……」
貴音「必ず見つけられると言い切れますか?
望みの薄い可能性に賭け、全滅のリスクを負える者ばかりだと思いますか?
この状況下で疑心暗鬼にならずに相手と協力しようとする者ばかりだと思いますか?」
響「っ……じゃ、じゃあどうするの!?
本当に殺し合えって、346プロの人を殺せって、そう言うのか!?」
貴音「そうは言いません。人殺しを忌避するのも当然の感情です。
ですが……警戒は必要です。それに、覚悟も」
響「か、覚悟……? 覚悟って何!?」
貴音「……」
響「や……やっぱり殺すんじゃないか! 自分、嫌だぞ! 人殺しなんて絶対……!」
やよい「ひ、響さん落ち着いてください! 声が大きくなってます……!」
響「あっ……ご、ごめん……。で、でも、自分……」
貴音「殺せ、とは言いません。しかしいざと言う時、自分で自分の身を守る覚悟を……
渡された武器を使う覚悟を。私たちは全員、持っているべきではないでしょうか」
ですが……警戒は必要です。それに、覚悟も」
響「か、覚悟……? 覚悟って何!?」
貴音「……」
響「や……やっぱり殺すんじゃないか! 自分、嫌だぞ! 人殺しなんて絶対……!」
やよい「ひ、響さん落ち着いてください! 声が大きくなってます……!」
響「あっ……ご、ごめん……。で、でも、自分……」
貴音「殺せ、とは言いません。しかしいざと言う時、自分で自分の身を守る覚悟を……
渡された武器を使う覚悟を。私たちは全員、持っているべきではないでしょうか」
響「……そんな……」
やよい「あぅ……」
響とやよいは、貴音の言葉に沈黙してしまう。
貴音はやはりその様子に胸を締め付けられる思いをしたが、表情には出さず冷静に続けた。
貴音「……まずは確認させて頂いてもよろしいでしょうか。
私たちが今持つ自衛の手段……。支給された武器を」
そう言って貴音は右手を静かに挙げ、
その手にずっと握られていた物を見えやすい位置に掲げた。
貴音「私はこの鉄製の棒……。確か『ばぁる』、と言いましたか。これが鞄に入っておりました。
やよい、貴女の鞄には何が入っていましたか?」
やよい「あ……え、えっと、私は……!」
やよい「あぅ……」
響とやよいは、貴音の言葉に沈黙してしまう。
貴音はやはりその様子に胸を締め付けられる思いをしたが、表情には出さず冷静に続けた。
貴音「……まずは確認させて頂いてもよろしいでしょうか。
私たちが今持つ自衛の手段……。支給された武器を」
そう言って貴音は右手を静かに挙げ、
その手にずっと握られていた物を見えやすい位置に掲げた。
貴音「私はこの鉄製の棒……。確か『ばぁる』、と言いましたか。これが鞄に入っておりました。
やよい、貴女の鞄には何が入っていましたか?」
やよい「あ……え、えっと、私は……!」
こんなこと言いたくないけどほぼ全戦力の765とたかが全体の一部、それも新人の346じゃ受けるダメージも違うよね……姉ヶ崎や楓さんがいるならともかく
やよいは貴音に促され、慌ててカバンを探る。
そして少々難儀しながら、それを取り出した。
やよい「私はこれでした! これって、弓矢ですよね……?」
貴音「弓矢……とは少し違いますね」
響「そ、それ、見たことあるぞ。本物じゃないけど……」
やよい「でも私、使い方がよく分からなくて……」
貴音「……私と同様であれば、説明書があるはずですが」
やよい「えっ? そ、そうなんですか?」
そして少々難儀しながら、それを取り出した。
やよい「私はこれでした! これって、弓矢ですよね……?」
貴音「弓矢……とは少し違いますね」
響「そ、それ、見たことあるぞ。本物じゃないけど……」
やよい「でも私、使い方がよく分からなくて……」
貴音「……私と同様であれば、説明書があるはずですが」
やよい「えっ? そ、そうなんですか?」
バールにもわざわざ説明書が付けてあったのか、と
その必要以上に丁寧すぎる対応に響は困惑と共に微かな苛立ちを覚えた。
そんな響を尻目に、やよいは再び自分の鞄を探る。
そして数秒後、
やよい「あ……ありました! これですよね?」
そう言ってやよいは響たちに取り出した紙を見せる。
そして彼女たちの目に真っ先に飛び込んできた大きな片仮名。
『クロスボウ』
その下に書かれた武器の説明は、
概要だけでもそれが十分な殺傷能力を持っていることは十分に伝わるものだった。
その必要以上に丁寧すぎる対応に響は困惑と共に微かな苛立ちを覚えた。
そんな響を尻目に、やよいは再び自分の鞄を探る。
そして数秒後、
やよい「あ……ありました! これですよね?」
そう言ってやよいは響たちに取り出した紙を見せる。
そして彼女たちの目に真っ先に飛び込んできた大きな片仮名。
『クロスボウ』
その下に書かれた武器の説明は、
概要だけでもそれが十分な殺傷能力を持っていることは十分に伝わるものだった。
響「……なんだよ、これ……。こんなの使ったら、本当に……!」
武器を見、そして説明書を見、響は改めてこのゲームの狂気を実感した。
自分のスタンガンや貴音のバールとは違い、指先一つで簡単に人を殺せる武器。
こんなものが他のアイドル達にも配られているかも知れないのだ。
怒りからか恐怖からか拳を震わせる響に対し、貴音はやはり冷静に声をかける。
貴音「あくまで自衛……警告や交渉の道具としてなら、十分以上です。
それより、響。あなたも……」
響「わ、分かってるぞ! 自分はこれ! スタンガン!」
不安を取り払うかのように響は勢いよく返事し、
そして鞄からスタンガンと説明書を取り出して二人に見せる。
やよい「あ、それは知ってます! ドラマで見ました。
電気がバチバチーってなって気絶しちゃうやつですよね?」
武器を見、そして説明書を見、響は改めてこのゲームの狂気を実感した。
自分のスタンガンや貴音のバールとは違い、指先一つで簡単に人を殺せる武器。
こんなものが他のアイドル達にも配られているかも知れないのだ。
怒りからか恐怖からか拳を震わせる響に対し、貴音はやはり冷静に声をかける。
貴音「あくまで自衛……警告や交渉の道具としてなら、十分以上です。
それより、響。あなたも……」
響「わ、分かってるぞ! 自分はこれ! スタンガン!」
不安を取り払うかのように響は勢いよく返事し、
そして鞄からスタンガンと説明書を取り出して二人に見せる。
やよい「あ、それは知ってます! ドラマで見ました。
電気がバチバチーってなって気絶しちゃうやつですよね?」
貴音「しかし実際には気絶するほどの威力はない、とプロデューサーから聞いたことがあります。
このすたんがんがどうなのかは分かりかねますが……」
響「い、いや……。これ、改造して威力が高めてあるって書いてたぞ。
だから使えば失神もさせられるって……」
貴音「……なるほど。しかしそれでも『くろすぼう』とは違い
まさに自衛のための武器、といったところでしょうか」
やよい「あ、あの……。でも私のは……」
貴音「……そうですね」
貴音は呟くようにそう言い、考えるように目線を伏せた。
二人がその様子を疑問に思い声をかけようとした直前。
貴音は再び顔を上げ、そして言った。
貴音「提案なのですが……。道具を交換するというのは如何でしょうか?」
このすたんがんがどうなのかは分かりかねますが……」
響「い、いや……。これ、改造して威力が高めてあるって書いてたぞ。
だから使えば失神もさせられるって……」
貴音「……なるほど。しかしそれでも『くろすぼう』とは違い
まさに自衛のための武器、といったところでしょうか」
やよい「あ、あの……。でも私のは……」
貴音「……そうですね」
貴音は呟くようにそう言い、考えるように目線を伏せた。
二人がその様子を疑問に思い声をかけようとした直前。
貴音は再び顔を上げ、そして言った。
貴音「提案なのですが……。道具を交換するというのは如何でしょうか?」
やよい「えっ?」
響「道具を交換……?」
貴音「はい。くろすぼうは、やよいが扱うには文字通り荷が重いかと……。
ですから、くろすぼうは私が持ちます。
代わりにやよいには、響のすたんがんを持たせては如何でしょうか。
すたんがんなら、小柄なやよいでも十分扱えると思うのですが」
響「そ、そっか。確かに……じゃあ自分は、貴音のバール?」
貴音「そういうことになります。
以上が私の提案ですが、意見があれば聞かせてください」
響「道具を交換……?」
貴音「はい。くろすぼうは、やよいが扱うには文字通り荷が重いかと……。
ですから、くろすぼうは私が持ちます。
代わりにやよいには、響のすたんがんを持たせては如何でしょうか。
すたんがんなら、小柄なやよいでも十分扱えると思うのですが」
響「そ、そっか。確かに……じゃあ自分は、貴音のバール?」
貴音「そういうことになります。
以上が私の提案ですが、意見があれば聞かせてください」
やよい「え? あ、あの……」
響「べ、別にないって言うか……。すぐに意見なんて思い付かないぞ……」
貴音「……そう、ですね。ではもし何か思いつけば、遠慮せずすぐに言ってください。
それまでは私の案を採用する、それでよろしいですか?」
響「う、うん……。わかった」
やよい「は、はい、大丈夫です」
貴音「では少しの間、説明書をしっかりと読みましょう。
特にやよいと私には必要……。っ!」
と、貴音は途中で言葉を切り、視線を二人から外した。
そして何もない森の中をじっと険しい表情で見続ける。
響「べ、別にないって言うか……。すぐに意見なんて思い付かないぞ……」
貴音「……そう、ですね。ではもし何か思いつけば、遠慮せずすぐに言ってください。
それまでは私の案を採用する、それでよろしいですか?」
響「う、うん……。わかった」
やよい「は、はい、大丈夫です」
貴音「では少しの間、説明書をしっかりと読みましょう。
特にやよいと私には必要……。っ!」
と、貴音は途中で言葉を切り、視線を二人から外した。
そして何もない森の中をじっと険しい表情で見続ける。
やよい「あの、貴音さん……? どうかしたんですか?」
響「も、もしかしてそっちに誰か居るのか……!?」
貴音の様子を不安に思い、二人は声をかけた。
しかし数秒後、貴音はふっと視線を戻す。
貴音「いえ、気のせいだったようです。ただ……私たちが武器の理解に時間をかける間、
何者かが近寄って来ないとも限りません。
ですから響はその間、周囲の警戒をお願いできますか?」
響「えっ? う、うん、わかったぞ……!」
貴音「その後、南下して海岸へ出てみましょう。
海岸沿いを歩けば、何か手がかりのようなものが見つかるかも知れません」
こうして三人は説明書に目を通した後、海岸へ出ることに決めた。
響「も、もしかしてそっちに誰か居るのか……!?」
貴音の様子を不安に思い、二人は声をかけた。
しかし数秒後、貴音はふっと視線を戻す。
貴音「いえ、気のせいだったようです。ただ……私たちが武器の理解に時間をかける間、
何者かが近寄って来ないとも限りません。
ですから響はその間、周囲の警戒をお願いできますか?」
響「えっ? う、うん、わかったぞ……!」
貴音「その後、南下して海岸へ出てみましょう。
海岸沿いを歩けば、何か手がかりのようなものが見つかるかも知れません」
こうして三人は説明書に目を通した後、海岸へ出ることに決めた。
15:03 諸星きらり
きらり「はぁ、はぁ、はぁっ……!」
歩きなれない森の中を、きらりは必死に駆けていた。
大きな体と長い髪を小枝が擦り、少なからず傷付けていく。
しかしそんなことなど意に介さずきらりは駆け続けた。
目覚めた少しあとに聞こえた大きな叫び。
きらりにははっきりと聞こえ、声の主が346プロの者ではないということも分かった。
距離は多少あったようだが、
『殺し合いゲームの敵が居る』という事実はきらりの恐怖心を十分以上に煽った。
きらり「はぁ、はぁ、はぁっ……!」
歩きなれない森の中を、きらりは必死に駆けていた。
大きな体と長い髪を小枝が擦り、少なからず傷付けていく。
しかしそんなことなど意に介さずきらりは駆け続けた。
目覚めた少しあとに聞こえた大きな叫び。
きらりにははっきりと聞こえ、声の主が346プロの者ではないということも分かった。
距離は多少あったようだが、
『殺し合いゲームの敵が居る』という事実はきらりの恐怖心を十分以上に煽った。
急いでこの場を離れなければ。
そう判断し、きらりはすぐに鞄を抱え込むように持ち、声とは逆方向に走り出した。
地図など見る暇もなく、ただがむしゃらに走ったきらりだったが、
しかしこれが恐らく正解だった。
少し走ると波の音が聞こえ、そしてすぐに視界が開けた。
海に出たのだ。
きらりはどちらに逃げようか迷い、視線を右から左に動かす。
そして左の一点で、ぴたりとその目は止まった。
海沿いを歩く一つの影。
きらりは一瞬それが誰か分からず全身の毛穴が開くような感覚を覚えたが、
すぐに自分がそのシルエットをよく知っていることに気付いた。
きらり「か、かな子ちゃん……!」
そう判断し、きらりはすぐに鞄を抱え込むように持ち、声とは逆方向に走り出した。
地図など見る暇もなく、ただがむしゃらに走ったきらりだったが、
しかしこれが恐らく正解だった。
少し走ると波の音が聞こえ、そしてすぐに視界が開けた。
海に出たのだ。
きらりはどちらに逃げようか迷い、視線を右から左に動かす。
そして左の一点で、ぴたりとその目は止まった。
海沿いを歩く一つの影。
きらりは一瞬それが誰か分からず全身の毛穴が開くような感覚を覚えたが、
すぐに自分がそのシルエットをよく知っていることに気付いた。
きらり「か、かな子ちゃん……!」
それが346プロの仲間、三村かな子であると知るが早いか、きらりは再び全速力で走り出した。
少し走り、ある程度近付いた頃、きらりは抑えきれない感情を声に出した。
きらり「かな子ちゃーーーん!!」
かなこ「えっ!? あっ……き、きらりちゃん!?」
波の音に足音をかき消されたか直前までまったく気付かなかったが、
自分の名を大きな声で呼ばれ、かな子は驚いて振り返った。
そして直後、
かな子「きゃあっ!?」
きらり「かな子ちゃん、良かった、良かったぁ……!」
少し走り、ある程度近付いた頃、きらりは抑えきれない感情を声に出した。
きらり「かな子ちゃーーーん!!」
かなこ「えっ!? あっ……き、きらりちゃん!?」
波の音に足音をかき消されたか直前までまったく気付かなかったが、
自分の名を大きな声で呼ばれ、かな子は驚いて振り返った。
そして直後、
かな子「きゃあっ!?」
きらり「かな子ちゃん、良かった、良かったぁ……!」
かな子「きらりちゃん……。だ、大丈夫だよ、だから落ち着いて……。
っていうか、く、苦しい……」
きらり「あっ……ご、ごめんね! ごめんね!」
自分がかなりの力で締め付けていたことに気付き、きらりは慌てて離れる。
開放され、かな子はふぅと息をついて言った。
かな子「でも、私も良かった……。こんなことになって、
それで目が覚めたら本当に、一人ぼっちだったから……」
そう言ってかな子は目元を拭う。
その時初めて、きらりはかな子の目が赤くなっていることに気付いた。
きらり「……かな子ちゃん……」
っていうか、く、苦しい……」
きらり「あっ……ご、ごめんね! ごめんね!」
自分がかなりの力で締め付けていたことに気付き、きらりは慌てて離れる。
開放され、かな子はふぅと息をついて言った。
かな子「でも、私も良かった……。こんなことになって、
それで目が覚めたら本当に、一人ぼっちだったから……」
そう言ってかな子は目元を拭う。
その時初めて、きらりはかな子の目が赤くなっていることに気付いた。
きらり「……かな子ちゃん……」
ほんの一瞬まではただただ不安と恐怖に怯えていたきらりだったが、
かな子の、友達の涙を見て、ほんの僅かだがその感情は影を潜めた。
そうだ、怖いのは自分だけじゃない。
自分が怖がっていたら、周りのみんなまで怖がらせてしまう。
怖がるより、いつも通り元気な自分で居ないと。
きらり「でも……もう大丈夫だよね! きらりも怖かったけど、大丈夫だもん!
きらりにはかな子ちゃんが居るし、かな子ちゃんにはきらりが居るから!
だからハピハピ! 怖くなんかないにぃ!」
かな子「! う、うん……ありがとう、きらりちゃん」
そう言って互いに、心の底からではないにせよ、笑顔を向けあった。
かな子の、友達の涙を見て、ほんの僅かだがその感情は影を潜めた。
そうだ、怖いのは自分だけじゃない。
自分が怖がっていたら、周りのみんなまで怖がらせてしまう。
怖がるより、いつも通り元気な自分で居ないと。
きらり「でも……もう大丈夫だよね! きらりも怖かったけど、大丈夫だもん!
きらりにはかな子ちゃんが居るし、かな子ちゃんにはきらりが居るから!
だからハピハピ! 怖くなんかないにぃ!」
かな子「! う、うん……ありがとう、きらりちゃん」
そう言って互いに、心の底からではないにせよ、笑顔を向けあった。
しかし当然、それで問題が解決したわけではない。
これから先どうするか、考えなければならない。
かな子「……やっぱりまずは、みんなを探した方が良いかなぁ」
きらり「うん……。きらりも、そう思うにぃ。
それで、みーんなで、どうしたら良いか相談しよ!」
かな子「うん、そうだね。でも……765プロの人たちは、どうするのかな。
もしできれば、765プロの人たちも一緒に相談した方がいいよね?」
きらり「あっ……」
これから先どうするか、考えなければならない。
かな子「……やっぱりまずは、みんなを探した方が良いかなぁ」
きらり「うん……。きらりも、そう思うにぃ。
それで、みーんなで、どうしたら良いか相談しよ!」
かな子「うん、そうだね。でも……765プロの人たちは、どうするのかな。
もしできれば、765プロの人たちも一緒に相談した方がいいよね?」
きらり「あっ……」
かな子の言葉を聞いて、きらりは先ほどの自分の行動を後悔した。
そうだ、逃げちゃダメだったんだ。
冷静に考えれば765プロの子たちだって、こんなゲームやりたくないに決まってる。
だから敵とか味方とかじゃなくて、みんなで一緒に協力しなきゃいけなかったんだ。
かな子「……? きらりちゃん? どうしたの?」
きらり「ご……ごめんね。さっき森の中に765の人が居たんだけど、きらり、逃げちゃって……」
かな子「えっ。そ、そうだったの?」
きらり「ごめんなさい……」
かな子「い、いいよいいよ、謝らなくても! 仕方ないよ!」
そうだ、逃げちゃダメだったんだ。
冷静に考えれば765プロの子たちだって、こんなゲームやりたくないに決まってる。
だから敵とか味方とかじゃなくて、みんなで一緒に協力しなきゃいけなかったんだ。
かな子「……? きらりちゃん? どうしたの?」
きらり「ご……ごめんね。さっき森の中に765の人が居たんだけど、きらり、逃げちゃって……」
かな子「えっ。そ、そうだったの?」
きらり「ごめんなさい……」
かな子「い、いいよいいよ、謝らなくても! 仕方ないよ!」
きらり「どうしよう……。今から戻ったら、会えるかなぁ。
かな子ちゃん、きらりが居たとこまで戻ってみよ!
そしたらきっと765プロの子たちにも会えるにぃ!」
かな子「あ、えっと……」
自身の考えを改めたきらりは、765プロのメンバーに会いに行くことを提案した。
しかしかな子は、何か少し煮え切らない様子だ。
きらりがその反応への疑問を口にする前に、かな子は口を開いた。
かな子「ご……ごめんなさい。私、さっきはああ言ったけど、でも……。
ほ、本当は、ちょっと怖いの。
もしかしたら、765プロの人は……そ、その気なんじゃないか、って……」
きらり「その気って……え? そ、そんなことないよ。
人を殺すなんて、そんなことやりたがる子なんて居るわけ……」
かな子「で、でも! もしかしたらって思うと、やっぱり……ご、ごめんなさい……」
かな子ちゃん、きらりが居たとこまで戻ってみよ!
そしたらきっと765プロの子たちにも会えるにぃ!」
かな子「あ、えっと……」
自身の考えを改めたきらりは、765プロのメンバーに会いに行くことを提案した。
しかしかな子は、何か少し煮え切らない様子だ。
きらりがその反応への疑問を口にする前に、かな子は口を開いた。
かな子「ご……ごめんなさい。私、さっきはああ言ったけど、でも……。
ほ、本当は、ちょっと怖いの。
もしかしたら、765プロの人は……そ、その気なんじゃないか、って……」
きらり「その気って……え? そ、そんなことないよ。
人を殺すなんて、そんなことやりたがる子なんて居るわけ……」
かな子「で、でも! もしかしたらって思うと、やっぱり……ご、ごめんなさい……」
『そんなはずはない』
かな子も基本的にはそう考えたい、信じたいと思っているのはきらりにもよく分かった。
しかしやはり、もしかしたらという不安は簡単にぬぐい去れるものではない。
そして何より……震えるかな子に無理強いさせてまで
自分の考えを押し通すことはきらりにはできなかった。
きらり「……ううん、きらりこそごめんね。それじゃ、私たちから会いに行くのはやめよっか!
たまたま会って、それで大丈夫だってなったら、一緒に頑張ることにしよ!」
かな子「う、うん……! ありがとう、きらりちゃん」
きらり「元々、きらりが逃げちゃったのが悪いんだし……。
それより、これからどうすゆ? あ、そうだ! 島の周りをぐるーって歩いてみようよ!
そしたらきっと誰かに会えるし、もしかしたら何かいい方法が見つかるかも知れないにぃ!」
かな子「そうだね……うん、そうしよう!」
かな子も基本的にはそう考えたい、信じたいと思っているのはきらりにもよく分かった。
しかしやはり、もしかしたらという不安は簡単にぬぐい去れるものではない。
そして何より……震えるかな子に無理強いさせてまで
自分の考えを押し通すことはきらりにはできなかった。
きらり「……ううん、きらりこそごめんね。それじゃ、私たちから会いに行くのはやめよっか!
たまたま会って、それで大丈夫だってなったら、一緒に頑張ることにしよ!」
かな子「う、うん……! ありがとう、きらりちゃん」
きらり「元々、きらりが逃げちゃったのが悪いんだし……。
それより、これからどうすゆ? あ、そうだ! 島の周りをぐるーって歩いてみようよ!
そしたらきっと誰かに会えるし、もしかしたら何かいい方法が見つかるかも知れないにぃ!」
かな子「そうだね……うん、そうしよう!」
そうして二人は島の東側海岸を北上することに決めた。
そうと決まれば、とかな子は地図を探すため鞄を開けたが、その時にふと思い出した。
かな子「そう言えば……きらりちゃん、鞄の中何が入ってた?
私はこれだったんだけど……」
そう言ってかな子が取り出したのは、催涙スプレー。
護身の為の道具として広く一般に普及しているものだ。
きらり「そっか。すっかり忘れてたにぃ……」
きらりもかな子に倣って鞄を開ける。
しかし中を覗いた瞬間、ぴたりとその手が止まった。
そうと決まれば、とかな子は地図を探すため鞄を開けたが、その時にふと思い出した。
かな子「そう言えば……きらりちゃん、鞄の中何が入ってた?
私はこれだったんだけど……」
そう言ってかな子が取り出したのは、催涙スプレー。
護身の為の道具として広く一般に普及しているものだ。
きらり「そっか。すっかり忘れてたにぃ……」
きらりもかな子に倣って鞄を開ける。
しかし中を覗いた瞬間、ぴたりとその手が止まった。
かな子と同じ催涙スプレーかあるいはそれと同等のものが入っていると、
きらりはすっかりそう思い込んでいた。
しかしそこにあったのは、
きらり「な……え? に、偽物、だよね……?」
震える手で取り出したそれは、映画などでよく見る銃。
それも拳銃ではなく、両手で扱うようなものだった。
そしてきらりが取り出したのと同時に、紙が地面に落ちる。
かな子はその紙の正体に覚えがあった。
拾って見ると、やはりそれは銃の説明書だった。
二人が説明書に目をやると、
『短機関銃(サブマシンガン)』
大きな文字で書かれたその文字がまず目に入った。
きらりはすっかりそう思い込んでいた。
しかしそこにあったのは、
きらり「な……え? に、偽物、だよね……?」
震える手で取り出したそれは、映画などでよく見る銃。
それも拳銃ではなく、両手で扱うようなものだった。
そしてきらりが取り出したのと同時に、紙が地面に落ちる。
かな子はその紙の正体に覚えがあった。
拾って見ると、やはりそれは銃の説明書だった。
二人が説明書に目をやると、
『短機関銃(サブマシンガン)』
大きな文字で書かれたその文字がまず目に入った。
その下に、丁寧かつ分かりやすく書かれてある文章は、
それが玩具ではなく本物の、殺傷能力を持った銃であることを示していた。
きらり「や……やだ。こ、こんなのいらない……!」
きらりはそう言って、散弾銃を地面に投げ捨て、先に進もうとする。
しかしかな子がそれを止めた。
かな子「ま、待ってきらりちゃん! 捨てちゃダメだよ!」
きらり「えっ……ど、どうして?」
かな子「だ、だって、もしもの時に……」
それが玩具ではなく本物の、殺傷能力を持った銃であることを示していた。
きらり「や……やだ。こ、こんなのいらない……!」
きらりはそう言って、散弾銃を地面に投げ捨て、先に進もうとする。
しかしかな子がそれを止めた。
かな子「ま、待ってきらりちゃん! 捨てちゃダメだよ!」
きらり「えっ……ど、どうして?」
かな子「だ、だって、もしもの時に……」
きらり「こ……こんなの使ったら死んじゃうよ! きらりは、誰も殺したくなんか……!」
かな子「お願い、きらりちゃん! 捨てないで、お願い……!」
そう言ってすがるかな子の目。
その目を見てきらりは、かな子が抱いている不安を思い出した。
そしてそうなった以上、きらりの取る選択は一つだった。
きらり「わ……わかった、捨てないよ。念の為に、持っておくね……」
この返事を聞き、かな子は安堵の表情を浮かべる。
きらりはそんな彼女にぎこちないながらも優しい笑みを向け、
武器を鞄へとしまって再び歩き始めた。
かな子「お願い、きらりちゃん! 捨てないで、お願い……!」
そう言ってすがるかな子の目。
その目を見てきらりは、かな子が抱いている不安を思い出した。
そしてそうなった以上、きらりの取る選択は一つだった。
きらり「わ……わかった、捨てないよ。念の為に、持っておくね……」
この返事を聞き、かな子は安堵の表情を浮かべる。
きらりはそんな彼女にぎこちないながらも優しい笑みを向け、
武器を鞄へとしまって再び歩き始めた。
描写が丁寧で面白いけど
ほんとに殺し合いになったら読んでられるかちょっと不安だ
ほんとに殺し合いになったら読んでられるかちょっと不安だ
亜美真美が近い上に敵も遠いとかすげーな
小鳥さんハードモード過ぎない?
小鳥さんハードモード過ぎない?
15:20 秋月律子
律子「……」
いつまでもこんなところに居ても仕方ない。
考え事は歩きながらでもできるはず。
律子はようやく、この場を動くことを決意した。
自分をこんな状況に追いやった者から与えられた道具を使うのは
正直言って気が進まなかったが、しかしそんなことも言ってられない。
気休め程度にしかならないかも知れないが使えるものは使っておくべきだ。
そう思い、脇に置いてあった防災ヘルメットを被って律子は立ち上がった。
律子「……」
いつまでもこんなところに居ても仕方ない。
考え事は歩きながらでもできるはず。
律子はようやく、この場を動くことを決意した。
自分をこんな状況に追いやった者から与えられた道具を使うのは
正直言って気が進まなかったが、しかしそんなことも言ってられない。
気休め程度にしかならないかも知れないが使えるものは使っておくべきだ。
そう思い、脇に置いてあった防災ヘルメットを被って律子は立ち上がった。
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