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    元スレアムロ「アレックスは伊達じゃない!」

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    301 :

    >>297
    少しグレイフォックスとぶりぶりざえもんが混ざっちゃってますけど、こんな感じのマクベ閣下もアリかなーって思います。

    マクベ「お助け料、北宋の壺」


    >>298
    ただの再編だとジ・オリジンと変わらないので、ホワイトベースには『HARDモード』を体験してもらってますw

    >>299
    登場メカについては
    >>159 >>160 >>231 >>232
    を御参照ください。


    今晩第8話投下予定。第9話も粗方書けてるので、近日中にサイド6を旅立つはず……はず……。

    302 :

    このマさんなら銀河英雄伝説でも生きていける

    303 :

    ──宇宙世紀0079年12月8日
    ──宇宙要塞ソロモン、スペースポート

    ドズル「おう、バロム大佐! 長旅ご苦労だった!」

    バロム「これは、ドズル閣下自らお出迎えを……恐縮であります」

    ドズル「そんなことは気にせず、楽にしてくれ。ところで、姿が見えんがマ・クベの小父貴(おじき)はどうした?」

    バロム「マ・クベ閣下は……アサルムを逃がす為に殿軍としてホワイトベースと交戦──戦死なさいました」

    ドズル「死んだ……? ジオンいちの名将、マ・クベが……?」


    シャア「バロム大佐、お久しぶりです──ドズル閣下、どうなさった?」

    バロム「シャア大佐……」

    ドズル「……マ・クベが、死んだそうだ……」

    シャア「な……何ですと? ……あのマ・クベ閣下が? まさか、そんな?」

    バロム「ガンダムと交戦し……戦死……なさいました」

    シャア「また……ガンダムか……! ええい、私が北米で取り逃さなければ……」

    ドズル「……過ぎたことを悔いても仕方あるまい! ティアンムの艦隊が攻めてくるのは間違いないのだ、まずはそっちの対策を練らねばならんだろう」

    バロム「おっしゃる通りです、閣下」

    ドズル「ラコック、佐官クラスから将軍まで全員呼べ! 緊急会議を招集する!」

    ラコック「はっ!」

    シャア「はっ」

    バロム「は!」

    304 = 1 :

    ──同刻
    ──テキサス・コロニー、オアシス湖畔

    「綺麗ね。ここが荒れ果てたところだなんて、誰が信じるかしら」

    「逆だよ。ここがこんなに豊かなどと、誰が信じるだろうか」

    「でも、ここは観光用コロニーなのでしょう?」

    「ああ。だが、ルウム戦役でミラーが故障して、万年砂漠のような気候になってしまっているんだ。観光用だったのは戦前の話さ」

    「そう……むつかしい話をするのね。大人って」

    「そんなに難しかったかい?」

    「えぇ。もっと簡単でいいのに」

    「簡単、ねえ……」

    「……あっ。綺麗な瞳の男の子が来るわ」

    「……?」

    305 = 1 :





    『宿命の出会い』
    <BGM:http://youtu.be/yyy_crmOAow>



    306 = 1 :

    ──宇宙世紀0079年12月8日、未明
    ──テキサス・ゾーン


    ブライト「こちら地球連邦宇宙軍第十三独立機動部隊、ホワイトベースです。聞こえますか」

    ロジェ『通信感度良好。こちらはテキサス・コロニー・レジスタンス、ロジェ・アズナブルです』

    セイラ「!!」

    ミライ「……?」

    ブライト「……アズナブル……?」

    ロジェ『……お気付きか。ジオン公国軍のシャア・アズナブルは、私の倅です』

    ブライト「なんと……」

    ロジェ『貴艦の状況は見張りから聞いています。さぁ、スペースポートへ』

    ブライト「助かります」

    セイラ「…………」

    ミライ(セイラ……?)

    307 = 1 :


    カイ「っへぇ~……シャアの親父さんが、レジスタンスのリーダーとはねえ」

    ハヤト「変な話ですよね」

    ジョブ・ジョン「好きで送り出したわけじゃない、ってことかなあ」

    タカアキ「あー。俺も志願した時には親父にブン殴られたな~」

    クリス「そんなことがあったの? あぁ、だから入学式の時にほっぺ腫らしてたのね」

    タカアキ「ちょ、なんでそんなこと覚えてるんです!?」

    ジョブ・ジョン「ああ、あれは傑作だった。みんな話題にしてたんだぜ」

    タカアキ「そんな!?」

    スレッガー「お前サンたち、同期か」

    クリス「ええ、そうなんです。私は配属がまったく違ったから、ここで久々に話せて」

    タカアキ「クリスったら、かわいい女の子だけど成績は誰よりも良かったんですよ」

    スレッガー「っへえ~。見た目じゃわからねえもんだな」

    カイ「アムロちゃんだって見た目はナヨナヨだぜ?」

    スレッガー「おっと、それもそうだ」

    ハヤト「あいつは特別ですよ、特別」

    クリス「あら。彼だって普通の男の子よ?」

    カイ「お? 中尉、アムロちゃんと何かあったりなかったり?」

    クリス「バカいってんじゃないの。さ、入港作業に入りましょ」

    カイ「へいへ~い」

    スレッガー「おや、何かあったのかい?」

    クリス「別に何も。詮索するの、やめません?」

    スレッガー「へっへっへ、すまんね。女好きが災いしちまったようだ」

    クリス「もう!」

    ハロ「ンモウ! ンモウ!」

    クリス「ハロ、うるっさい!!」

    ガッ!

    ハロ「ワァ~ッ!」

    スレッガー「おー、こわっ」

    308 = 1 :

    ──テキサス・コロニー、スペースポート

    ロジェ「ブライト艦長。お会い出来て光栄です」

    ブライト「ロジェさん、どうも。本当に補給を?」

    ロジェ「ええ。できることは限られますが。……それと、ひとつ条件が」

    ブライト「ありがたい。条件とは?」

    ロジェ「我々をサイド6まで運んでほしいのです」

    ブライト「……それは……」

    ロジェ「どちらにせよ、あなたがたも一度ちゃんと補給を受ける必要がある。もちろん軍隊だから、上層部から許可が出なければそれで構いません。最低限の補給だけは行います」

    ブライト「……わかりました。難民として保護しましょう。武装解除後、船内へ案内します」

    ロジェ「助かった! ありがとう、ありがとう!」

    ブライト「いや……ただし、船室は限られますから、狭い思いをさせますよ」

    ロジェ「なに、そんなの、荒野の暮らしに比べれば。本当にありがとう、艦長」

    ブライト「いえ……。我々も少し観光をしても?」

    ロジェ「ええ。荒野とはいえ、アメリカ南西部の自然そのものだ。どうぞ」

    ブライト「ありがとうございます。クリスチーナ中尉、セイラたち観光の許可が出た、と。アムロも動けそうなら連れ出してやってくれ」

    クリス「了解。伝えてきます」

    ロジェ「……あのう、今、セイラと?」

    ブライト「ええ。何か?」

    ロジェ「もしやその方は、セイラ・マスという名前では……」

    セイラ「そう。お久しぶりです、おじ様」

    ロジェ「お……おぉ……セイラさん……なのか……」

    ブライト「え? ええ? あの?」

    セイラ「ブライトには言ってなかったかしら。開戦の直後まで、私はテキサスで暮らしていたの」

    ブライト「そ、そうだったのか」

    セイラ「彼のお子さんとも、知り合いだったわ」

    ロジェ「……シャア……」

    ブライト「……積もる話もあるだろうから、おれは席を外すよ。何かあったら呼んでくれ。艦橋か部屋にいるから」

    セイラ「ありがとう、ブライト」

    309 = 1 :

    ──テキサス・コロニー、荒野

    アムロ「すごい景色ですね……」

    クリス「ええ。本当のアメリカ中西部は全部こんなってわけじゃないけれど、これはこれで宇宙生まれの人々には感動モノよね」

    ジョブ・ジョン「は~、年中夕方になっちまって、こんなに荒れても、動物は生きてるんだなあ」

    アムロ「……どうしたんです、急に」

    ジョブ・ジョン「……おい。俺が感動しちゃあいけないっていうの!?」

    アムロ「そういうわけじゃあ、ないですけどォ……」

    ジョブ・ジョン「じゃあなんだっていうの、このっ、このっ!!」

    アムロ「わあっ、やめてくださいよっ。いたいいたいっ! ちょっと!」

    クリス「ふふっ、まるで兄弟みたいよ、二人とも」

    ジョブ・ジョン「こんなやつと? 冗談はよせやい!」

    アムロ「ジョブ・ジョンさんと? 勘弁してください!」

    ジョブ・ジョン「なんだって、俺じゃあ不服かあっ?」

    アムロ「そっちこそ!」

    310 = 1 :


    ジョブ・ジョン「うぎぎぎぎ!」

    アムロ「むぐぐぐぐ!」

    マサキ「はいはい、やめやめ。アムロもけがのこと考えて自制してよ、もちろん少尉も!」

    クリス「それに、女性の目の前で喧嘩だなんて、みっともないわよ」

    ジョブ・ジョン「喧嘩じゃあ」

    アムロ「ありませんよっ!」

    クリス「……いい加減に、しなさいっ!」


     げん
        こつ!


    アムロ「ごめんなさい……」

    ジョブ・ジョン「すみませんでした……」

    クリス「わかればよろしい」

    マサキ(旦那を尻に敷くタイプだ……!)

    311 = 1 :

    ──テキサス・コロニー、オアシス

    アムロ「……あ、あそこ。オアシスがある」

    クリス「本当だわ。……ああ、ガイドブックには載ってないけれど」

    ジョブ・ジョン「俺は頭殴られて痛いし、ここで休んでるよ」

    クリス「あら。ごめんあそばせ」

    ジョブ・ジョン「まったくだぜ」

    クリス「何か仰って?」

    ジョブ・ジョン「いえ何も」

    アムロ「じゃあ、先に行きますね」

    マサキ「ちょっと! まぁいいけど」

    クリス「アムロくんも、ちょっと内気なところが直ればね」

    ジョブ・ジョン「まぁ、アイツはあれでいいのかも」

    クリス「どういうこと?」

    ジョブ・ジョン「あれで外交的だったら、モブの立つ瀬ナイっしょ」

    クリス「え、どういうこと?」

    マサキ「メタな……」

    クリス「?」

    312 = 1 :


    アムロ「すごい。荒野の真ん中とは思えない……あっ、鷲が……?」

     オアシスの上を飛んでいたハクトウワシが徐々に力を失い、湖面に墜落する。

    ボチャッ……

    「かわいそうな鳥……」

    アムロ「? ……あっ」

    「…………」

    アムロ「ごめん、脅かすつもりはなかったんだ」

    「…………」

    アムロ「う……えっと……あの鳥、好きだったのかい」

    「綺麗なものが、嫌いな人がいるのかしら?」

    アムロ「いや、そりゃそうですけど……」

    「それが年老いて死んでいくのを見るなんて、とても悲しいことだわ。違って?」

    アムロ「そうだけど……。僕はそういうことを聞いているんじゃあ……」

    313 = 1 :


     褐色の肌の少女が、初めてアムロの方を向く。

    「……綺麗な目をしているのね」

    アムロ「そ、そう?」


    クリス「アムロ~、どこにいったの? ブライト艦長から帰投命令が出たわ! 戻ってきて!」

    アムロ「あっ。今行きます! ごめんね、騒がしくって。さようなら」

    「さようなら、アムロ」

    アムロ「! ……最後に、君の名前を聞かせてもらってもいい?」

    ララァ「私はララァ。ララァ・スン」

    アムロ「ララァ。素敵な名前だ。……お邪魔しました。さようなら!」

    314 = 1 :

    ──ホワイトベース、食堂

    ロジェ「さあ、テクス・メクス料理を召し上がれ!」

    タムラ「いやあ、まさか宇宙でタコスが食べられるなんて……ムシャムシャ」

    フラウ「喋りながら食べるなんて、お行儀悪いですよぅ」

    レツ「うめえー!」

    キッカ「からいぃぃ!!!」

    フラウ「もう、チリコンカンなんて辛いもの、キッカには無理よっ! お水飲んで!」

    カツ「チリコンカン、おいしいのに」

    レツ「な。キッカこどもだから」

    キッカ「た―べーるー!!」

    フラウ「無理ようっ!」

    315 = 1 :


    カイ「ニヒヒ、まるで保母さんだナ」

    ハヤト「ええ、優しい子ですから」

    カイ「ほほう、惚れてますな~」

    ハヤト「ちっ、違いますよっ!」

    スレッガー「戦場じゃあいつ死ぬかわからないんだ。想いくらい伝えておいて、いいんじゃあないの」

    ハヤト「スレッガーさんまで!」

    マクシミリアン「そうだぜ、ハヤト。ほら、告れよ!」

    ハヤト「ああ、もうっ。こういうノリ苦手なんですよっ!」

    フムラウ「ははは! まぁ、冗談半分だけどさ、中尉の言う通り、想いは伝えておいたほうがいいよ」

    カイ「そうそう。俺みたいに先に亡くしちまう前にな。違うか、ハヤト?」

    ハヤト「……急に真面目になるの、ずるいですよう……」

    カイ「ニハハハハッ! まっ、真面目に考えておくんだナ」

    ハワド「そうそう。カイさんじゃないけど、いつどっちか死んじゃうかもわからないんだぜ」

    ハヤト「……はあい」

    316 = 1 :

    >>312

    アムロ「すごい。荒野の真ん中とは思えない……あっ、白鳥が……?」

     オアシスの上を飛んでいた白鳥が徐々に力を失い、湖面に墜落する。

    ボチャッ……

    「かわいそうな鳥……」

    アムロ「? ……あっ」

    「…………」

    アムロ「ごめん、脅かすつもりはなかったんだ」

    「…………」

    アムロ「う……えっと……あの鳥、好きだったのかい」

    「綺麗なものが、嫌いな人がいるのかしら?」

    アムロ「いや、そりゃそうですけど……」

    「それが年老いて死んでいくのを見るなんて、とても悲しいことだわ。違って?」

    アムロ「そうだけど……。僕はそういうことを聞いているんじゃあ……」



    さすがにワシはジャナイ感強すぎたので訂正。
    テキサスにした弊害がここに。

    317 :

    アニメだとジャブローから打ち上げ後はグラナダ行くと見せかけた陽動でシャアを引き付けて、
    中立コロニーのサイド6寄ってソロモンだったがこのSSだとルウム宙域のテキサスコロニーにいって
    MS隊がマさんにボロボロにされたしソロモン戦は間に合わんとか?  まさかなぁ…赤い人もソロモンにいるのに

    そういや『本物のシャア・アズナブル』はもう故人で、
    それをキャスバル坊やが替え玉になってジオン公国軍入りしたんだっけか?

    318 = 1 :


    アムロ「か、からいっ……」

    クリス「あら、アムロは辛いの苦手?」

    アムロ「そういうわけじゃあ、ないんですけど……これ、チリ利き過ぎでしょ……」

    クリス「うーん、確かに辛いけれど。ブリートってこんなものでしょう?」

    ジョブ・ジョン「ですね。チャイナ料理の辛さには全然及ばないし、これくらいでヒイヒイ言ってたらクリスに呆れられちゃうぜ……って、ひいっ、辛いな! これチレ・レイェーノか!」

    クリス「ちゃんと確認しなさいよ……」

    アムロ「どれが辛くない具なんです?」

    ジョブ・ジョン「バルバコアとか。バーベキュー風味でおいしいぜ」

    クリス「フリホレス・レフリトスが入ってるやつもおいしいわ。これ、食べてみて」

    アムロ「フリホ……なんですって? あ、おいしい。あまり辛くないんですね」

    ジョブ・ジョン「そうそう。具を選べる楽しさがあるから、いろいろ食べてみるといいよ」

    アムロ「へえ~っ。少しチリが利いてて、なかなか……」

    319 = 1 :


    ロジェ「みんな楽しんでくれているようで何よりだ」

    ブライト「ありがとうございます、ロジェさん。みんな気を詰めていたので、リラックスできたようです」

    ロジェ「いや、これくらいはさせてもらわないと。サイド6までとはいえ、居候の身ですから」


    アムロ「そういえば、テキサスに白鳥って……」

    クリス「うん?」

    アムロ「いえ、何でも。ちょっと考え事してて」

    クリス「へぇ? ……わかった、女の子のことでしょ」

    アムロ「えっ!」

    クリス「図星ね。フラウ・ボゥ? それともセイラ? あら、もしかして私?」

    ジョブ・ジョン「“女の子”の定義って曖昧だよな、カイ」

    カイ「え? そ、そうねェ……?」

    クリス「目にチリぶち込むわよ」

    ジョブ・ジョン「すみませんちょっと失言」

    320 = 1 :

    ──同刻
    ──サイド6、研究所

    博士「困ったな」

    助手「ええ。マ・クベ准将が“荷物”を回収する手立てだったのですが」

    博士「死んだんだって?」

    助手「はい。キシリア様から、そう」

    博士「ふん、キシリアめ。だから自らの配下の者にやらせろと」

    助手「……どうします、被験体L・Sは。最終調整が終わっていないのに……」

    博士「それが、だな。現地のレジスタンスのリーダーと連絡がついている。大金とサイド6での暮らしを保証してやったよ」

    助手「さすがです、フラナガン博士!」

    フラナガン「ふふふ……私にぬかりはないさ。追って連絡が来たら私に知らせてくれ、シムスくん」

    シムス「はい、博士」

    321 = 1 :

    ──宇宙世紀0079年12月9日
    ──テキサス・コロニー、スペースポート

    ブライト「準備はよろしいですか?」

    ロジェ「ええ。コロニーの管理は私の使命でしたが、もはや維持もできますまい」

    ブライト「……野生動物はどうなるのでしょう」

    ロジェ「……それを思うと心苦しいものですが、仕方ない……そう、自らを納得させるしか」

    ブライト「そう、ですね。……ではホワイトベース、発進!」

    ミライ「ホワイトベース、発進!」

    ブライト「行き先はサイド6。まずは連邦軍本部と連絡を取り、補給を要請する!」

    アムロ「う……? なんだ、この感覚……?」

    ブライト「どうした?」

    アムロ「……いえ、多分、気のせいだと」

    ブライト「今はお前の勘にも頼らないといけない。何かあったら言ってくれよ、アムロ」

    アムロ「ニュータイプはエスパーなんかじゃないですって。でも、わかりました」

    ロジェ「ニュータイプ……?」

    アムロ「ちょっと勘がいいだけですよ」

    322 = 1 :

    ──ホワイトベース、船室

    セイラ「まさか、あなたが反ジオン活動に身を投じているなんて」

    ロジェ「それはこちらのせりふだ。まさかきみが連邦軍の軍曹になっているとは……」

    セイラ「シャア・アズナブルとは?」

    ロジェ「家を出て行ったあの日から会っていない。お兄さんも事故でお亡くなりになって、親しかったシャアとも会えず、寂しかったろう」

    セイラ「シャアは、私の兄です」

    ロジェ「……は?」

    セイラ「サイド7とジャブローで会ったんです。あれは兄でした。私の素性を知り、軍を抜けろと忠告してきた」

    ロジェ「まさか……そんな……じゃあ、死んだのは倅で、エドワウ・マスは生き残っていた……?」

    セイラ「……彼らは瓜二つでしたから……おそらく、入れ替わったのだと」

    ロジェ「なんということだ……だが、納得がいく。息子は決して逞しい男ではなかったし、機械や馬の扱いも得意ではなかった。それと比べて、エドワウは馬術に体術に、息子よりも優れた才を発揮していたように記憶している……!」

    セイラ「兄は……きっとザビ家への復讐を……」

    ロジェ「そう、だったのか……」

    323 = 1 :


    ガチャ

    ララァ「おじさま? このひとは?」

    ロジェ「ああ、ララァさん。彼女は地球連邦軍の兵隊さんだよ」

    セイラ「セイラ・マスです。短い間ですけど、どうぞよろしく」

    ララァ「……シャアの、妹……」

    ロジェ「!?」

    セイラ「えっ!?」

    ララァ「……何かしら、ごめんなさい。頭が痛くて……」

    セイラ「い、いえ……」

    ロジェ「あ、ああ。じゃあ薬を飲みなさい」

    ララァ「どうもありがとう」

    セイラ「……今の方は?」

    ロジェ「ララァ・スン。身寄りがないっていうんで、預かっていたんです。サイド6の知人が引き取ってくださるそうで、それで」

    セイラ「そう。……彼女は、エスパーかもしれない……」

    ロジェ「…………」

    324 = 1 :


     テキサス・コロニーにて再会したロジェ・アズナブルとセイラ・マス。
     昔話に花が咲く一方で、二人にとっての最大の懸案材料はシャア・アズナブルであった。
     所変わってサイド6では、何やら不穏な空気が漂って……。

     機動戦士ガンダム、次回、『平和の国』
     君は、生き延びることができるか?

    325 = 1 :

    今日はここまで。
    出会ってしまった2人……。

    次回次次回でサイド6やりましょうね。

    「待て、次回」


    >>317
    ヒント:史実でいけばソロモン海戦まであと17日
    もちろん、史実通りに事は運びませんがw

    326 :

    気になる引きをする……!
    それにしてもクリスって理想のお姉さんだよな

    327 :


    「女の子」の定義か……

    328 :

    >>326
    このスレでは意識してアムロにとって話しやすい『理想のお姉さん』であるように描いているつもりではあります。
    とはいえ、元からクリスは理想の『となりのお姉さん』ですよねw

    329 :

    声優がめぐさんってのも大きいと思うんだ

    330 :

    ifだけどアムロとクリスがくっついたらベルトーチカとチェーンは完全にイラン子だわな
    クリスは配属でテストパイロットになったけど本来はOS技師だったはずだし

    331 :

    >>330
    OS関連の技師だったのがド素人とは思えないセンスを見せたてのもある
    それでも化け物専用に調整された機体のテストパイロットてのは無理があるが

    332 :

    九話は明日くらいに投下予定。
    早くて今日の深夜。

    セイラさんと話すキャラはみんな口調が丁寧語になっちゃう不具合が発生してるのでもう少し待ってください。
    週2投下(週末・週中の2回)が今年の目標。

    >>330
    クリスにはバーニィがいるでしょ(?)

    333 :

    ──ホワイトベース、格納庫

    オムル「どうだ、ハワド」

    ハワド「ムルンバ技師いわく、アレックスは一度本格的にオーバーホールしないとダメらしいです。電気系統が完全にやられてるとか」

    オムル「さすがにそこはジムのパーツじゃ補えないしな……仕方ない」

    ハワド「それと、ダニエルのキャノンとウンジュのジムが回収できたので、パーツはある程度流用できました。クリスチーナ中尉とタカアキ少尉のジムは出せます」

    オムル「こっちも、ジョブ・ジョンとカイのキャノンは復旧できた。ハヤトには砲手でもやってもらうしかないな」

    ハワド「ですね。あと、ガンダムなんですが」

    オムル「うん」

    ハワド「装甲表面とフィールドモーターに少しダメージはありましたけど、当分は使えそうです」

    オムル「確認ありがとサン。ガンダムはスレッガー中尉に任せた方がいいかな」

    ハワド「ええ、アレックスの性能に慣れてきたアムロに、今旧式を任せたら辛いと思いますし、インターフェースもだいぶ違いますからね」

    オムル「よしわかった。艦長にはそう進言しとく」

    ハワド「お願いします」

    オムル「じゃあ、整備を続けてくれ。カル、バロ! あと頼むぞ!」

    ハワド「はい!」

    カル「はいよ!」

    バロ「了解!」

    334 = 1 :

    ──ホワイトベース、ブリッジ

    オムル「艦長、ちょっといいですか」

    ブライト「オムルか、何だ?」

    オムル「モビルスーツの状況についてなんですが」

    ブライト「ああ、聞かせてくれ」

    オムル「いや、いいんです? 民間人のロジェさんに聞かれたらまずいでしょう」

    ブライト「ん? ああ、すまん。疲れてるようだ……失礼ですが、ロジェさん」

    アズナブル「ええ、こちらこそ、図々しくブリッジにお邪魔して。船室に戻っていますね」

    ブライト「ええ。お願いします。……それで、オムル?」

    オムル「はい。まず、アレックスなんですが、電気系統がいかれてるっていうんで、オーバーホールしないと動かないそうです。ムルンバ技師に診て貰ったんで、間違いないと」

    ブライト「そうか。ジムとキャノンはどうだ?」

    オムル「ええ、クリスチーナ中尉とタカアキ少尉の分は確保できました。キャノンはジョブ・ジョン少尉とカイ軍曹の分は」

    ブライト「ん? スレッガーはどうなる?」

    オムル「それなんですが、ガンダムのパイロットとしてモビルスーツ隊を率いて貰ってはどうかと」

    ブライト「何っ? アムロはどうするんだ」

    オムル「アレックスに慣れ始めたアムロに、ジムと性能の大差ないガンダムじゃあ負担が大きすぎます。それに操作系統も違いますし」

    ブライト「ううむ……わかった。そこまで言うなら、そうしよう。パイロットへは俺から伝えておく」

    オムル「ええ、お願いします。では、作業に戻ります」

    ブライト「ああ、頼む」

    335 = 1 :





    『平和の国』
    <BGM:http://youtu.be/yyy_crmOAow>



    336 = 1 :


    フラウ「アムロ、降ろされちゃうんですか?」

    ブライト「いや、違う。アレックスが修理できるまで休んでもらうだけさ」

    フラウ「疲れてますものね、アムロも」

    ブライト「ああ。一足早いクリスマス休暇みたいなものよ」

    ミライ「私にもクリスマス休暇いただけますかしら?」

    ブライト「バンマスに操舵代わらせるか?」

    ミライ「あら、優しいのね?」

    ブライト「よせよ。おい、バンマス」

    バンマス「はい、聞いてましたよ。ミライさんはどうぞ休んで」

    ミライ「本当にいいの? ありがとう、二人とも」

    バンマス「ブライトさんだってカッコつけたいんですョ」

    ブライト「バンマス、後で俺の部屋に来い」

    バンマス「げえっ、冗談ですって!!」

    ミライ「ふふ。じゃあ、サイド6に着いたら呼んでくださるかしら? 私の名前を出せば多少の無理は利くはずです」

    ブライト「君の家名に頼らざるを得んとはな。すまん、その時は頼むよ」

    337 = 1 :

    ──宇宙世紀0079年12月10日
    ──サイド6宙域

    ブライト「こちら地球連邦宇宙軍第13独立部隊、ホワイトベース。そちらへの入港許可を求めます」

    カムラン『こちらはサイド6出入管理局、カムラン・ブルーム監察官です』

    ミライ「カムラン?」

    カムラン『えっ、ミライなのかい?』

    ミライ「ええ、ミライ・ヤシマです。どういった手続きが必要なのか、手短に説明願えますか?」

    カムラン『えっ、えっ?』

    ミライ「手早く。そちらで入港させてもらえないなら、行き先を変えなければなりません」

    カムラン『あ、ああ。えっと、三点あります。まず第一に入港目的の説明。第二に武装の封印。第三にそれらに関する書類の記入が必要です』

    ブライト「そちらで補給を受けることは?」

    カムラン『できかねます』

    ブライト「濁す物言いだ」

    カムラン『正式には行えない、ということです。そういった企業や組織はありますけど、我々は関与していません、わかりますね?』

    ブライト「……なるほど。あと、上層部と連絡を取りたいので通信施設をお借りしたいのですが」

    カムラン『それは許可できません。自前の通信装備を使ってください』

    ブライト「わかりました。ああ、それと難民の受け入れをお願いしたいのですが。サイド5宙域で収容した難民が大勢おりまして」

    カムラン『難民? 上と相談しますので、それについてはまた後で』

    ミライ「お願いね、カムラン」

    カムラン『あ、ああ』

    338 = 1 :


    ブライト「さすがはヤシマ家のお嬢様だな……本当に助かった」

    ミライ「父ももういないのだから、家名がどれだけ役に立つかわかったものじゃないけれど」

    ブライト「でも、今はきみの家名のおかげでスムーズに事が運んだ」

    ミライ「違うわ。カムラン、私の婚約者なんです」

    ブライト「え?」

    ミライ「親同士が決めたことだけれど、悪い人じゃないの」

    ブライト「はあ」

    ミライ「まっ、戦争が始まった途端サイド6に逃げ込んで、うまくやっているようだけれど」

    ブライト「そ、そうですか」

    ミライ「……あら、ブライト。妬いてるの?」

    ブライト「よ、よせよ。そういうのじゃあないって」

    339 = 1 :

    ──1時間後
    ──サイド6、スペースポート

    カムラン「これにて、ホワイトベースの全武装の封印が完了しました」

    ブライト「はい」

    カムラン「もしこれが破られるようなことがあると──」

    ブライト「わかっています。罰金の支払いが命じられる」

    カムラン「現在、ジオンの軍艦も一隻停泊していますが、勿論これとの諍いも処罰の対象です」

    ブライト「わかっています。クルーには徹底させています」

    カムラン「結構。コロニー内では軍服を脱いで、私服での行動をお願いします。軍属を嫌う住民も多いので」

    ブライト「はい、それもクルーに徹底させましょう」

    カムラン「ええ、よろしく。では、何かあればまた連絡しますので」

    ブライト「はい、どうも」

    カムラン「あと、私情で申し訳ないんですが……ミライ・ヤシマと少し話をしても」

    ブライト「……ええ、構いませんよ。今はまだブリッジにいるはずです」

    カムラン「どうもありがとう」

    340 = 1 :

    ──ホワイトベース、ブリッジ

    スレッガー「俺がガンダムのパイロットですってよ」

    ミライ「聞いたわ。でも、正式な決定はここで精密検査を受けてからになるんでしょう?」

    スレッガー「まぁ、そりゃあそうだが」

    ミライ「何もないよう、祈っています」

    スレッガー「! ああもう治った。全部治ったね、俺ぁ」

    ミライ「あら、本当かしらね」


    カムラン「失礼、ミライ・ヤシマはいますか?」

    フムラウ「ん? ミライさん、お客さんですよ」

    ミライ「あ……カムラン」

    スレッガー「ああ、例の婚約者。お邪魔だろうから席を外すよ。いこうぜ、フムラウ」

    フムラウ「あ、はい」

    341 = 1 :


    カムラン「生きていてくれたんだね、ミライ。サイド7が襲撃を受けたと聞いて、心配していたんだ」

    ミライ「あなたこそ、よく御無事で」

    カムラン「君の父上も亡くなったと聞いているし、本当に心配だった。どうして連絡をくれなかったんだい?」

    ミライ「忙しくて、そこまで気が回らなかったのよ」

    カムラン「君の消息を掴む為に僕は必死だったというのに」

    ミライ「……必死で?」

    カムラン「ああ。必死で捜させたよ。いくら費用がかかったか知れないが、君が無事でよかった」

    ミライ「なぜ、ご自分で捜してくださらなかったの?」

    カムラン「仕事で忙しかったし、誰かがここで君を待っている必要があると思って」

    ミライ「……そう。結局、親同士が決めた結婚だったということよね」

    カムラン「待って、ミライ。それは違うよ、君の誤解だ!」

    ミライ「誤解だって言われても、わたしにはスレッガー中尉やブライトの方が素敵な殿方に思えるわ」

    カムラン「そ、そんな言い方ないじゃないか。そうだ、今から僕の家に来ないか? 父も喜ぶ」

    ミライ「え? でも」

    カムラン「悪いようにはしないよ。ミライ、君の無事を祝ってパーティを──」

    スレッガー「ハイハイ、うちのお店ではお触りはNGですよ、お客サン」

    カムラン「な、なんなんです。急に胸ぐらを掴んで」

    ミライ「ス、スレッガー中尉!?」

    スレッガー「聞いちゃいられねえよ」

    カムラン「うぐっ……離しなさいって」

    スレッガー「いくら婚約者だからって、俺達の艦で操舵手を務める女性にヨ、下手なちょっかい出してもらいたくないもんだね」

    ミライ「中尉。い、いいのよ、止して」

    スレッガー「本当ですかい? ふぅん……」

    カムラン「げほっ、げほげほっ」

    スレッガー「へっ、悪いな。ヤサオトコ」

    ミライ「カムラン、大丈夫?」

    カムラン「あ、ああ。なに、女性の口説き方がまずいってことさ。そうでしょ、中尉?」

    スレッガー「ま、そんなところかね」

    カムラン「今回は出直します。次はもっとうまく誘ってみせるよ、ミライ」

    ミライ「……ええ、そうして」

    スレッガー「…………」

    342 = 1 :

    ──サイド6・リボー、市街地

    アムロ「久々のコロニーだなあ……」

    クリス「そっか、サイド7を出てからずっと地球だったんだっけ」

    アムロ「はい。テキサスはちょっと特殊でしたし」

    クリス「そうね。あそこは荒野だったし」

    カイ「それにしてもクリスチーナ中尉、素敵なお洋服で!」

    ジョブ・ジョン「クリスはスタイルいいから、モデルみたいだよな」

    クリス「褒めても何も出ないわよ、二人とも」

    ハヤト「カイさん下心見えすぎですよ」

    カイ「ば、ばかやろう。そういうんじゃあねえよ! な、アムロ?」

    アムロ「え、ええ? 僕に振らないでくださいよ」

    クリス「そういえばアムロ。あなた、私服それしか持ってないんじゃない?」

    アムロ「え? ええ。……おかしいですか?」

    クリス「おかしくはないけれど、男の子なんだから、もっとおしゃれに気を遣ったらいいのに」

    カイ「そーそー。ぼくちゃんみたいにサ。ね、中尉」

    クリス「カイくんは……まあ、ええ、そうね」

    ハヤト「ぷぷっ、なんです、今の間?」

    カイ「てめ、ハヤトこんにゃろうめ!」

    ハヤト「うわわっ、暴力反対!」

    343 = 1 :


    金髪の青年「なんだ? 騒がしい連中だな……修学旅行生か何かか」

    中年の「おい、バーナード。ああいう赤毛の姉ちゃんが好みなのか?」

    バーニィ「えっ? ちょっと、適当なこというのやめません?」

    「悪い悪い、ハッハッハ!」

    バーニィ「まったく。勘弁してくださいよ、バタシャム少尉」

    バタシャム「なに、この小休憩が終われば、俺達も戦場行きなんだ。少しくらい羽目を外そうじゃあないの」

    バーニィ「……それも、そうですね」

    344 = 1 :


    クリス「せっかくの非番だし、私たちは休暇を満喫しましょう」

    ジョブ・ジョン「おう。バーでも行くかい」

    アムロ「じゃあ、僕らは別行動ですかね」

    タカアキ「そうなるな」

    ジョブ・ジョン「ああ。ウンジュとダニエルに捧げよう」

    タカアキ「そりゃいい」

    クリス「じゃあ、私の知ってるお店でいいわよね?」

    タカアキ「おう。じゃ、坊や達はここから別行動ってことで」

    カイ「マジかよ? 仕方ねえな」

    アムロ「了解です。飲みすぎたらいけませんよ?」

    ジョブ・ジョン「大丈夫! 最悪、クリスの家に泊めてもらうって」

    クリス「嫌よ。年頃の娘が酔っぱらって男二人連れ帰ったら問題でしょ」

    タカアキ「ははっ、違いねえ!」


    ハヤト「大丈夫かなあ」

    アムロ「あはは……僕たちも食事でも取りましょう」

    カイ「おう。さっきバーガーショップがあったな」

    ハヤト「じゃあそこでいいんじゃないか?」

    アムロ「うん、そうしよう」

    345 = 1 :

    ──バーガーショップ

    カイ「このバーガー、なかなかどうして、イケるぜ」

    ハヤト「本当だ。フラウも呼べばよかったな、アムロ」

    アムロ「うん、ハワドやフムラウも今仕事かな。パイロットが優先的に休めるのはいいけど」

    カイ「当然っちゃ当然だろ。ま、スレッガー中尉は病院で検査らしいがよ」

    アムロ「まぁ、ここ最近激戦続きでしたからね」

    ハヤト「ああ。……銀色のグフ連中、つよかったな」

    カイ「もうあんな奴ら、ゴメンだね、俺ぁ」

    ハヤト「僕もですよ。本当に手強かった。アムロがヤられるなんて」

    アムロ「僕が迂闊だっただけさ。もうヤられない。みんなを死なせないさ」

    カイ「おっほ、心強いな。ニュータイプさまさまってね」

    ハヤト「ちょっとカイさん」

    アムロ「気にしないで。僕だって、自分がニュータイプだとすれば納得がいくことだってある」

    カイ「……?」

    ハヤト「……よくわからないけれど、お前は特別だよ、アムロ」

    アムロ「よせよ、ハヤト。──んっ!?」

    ハヤト「どうした?」

    アムロ「……あれ……」

    カイ「あん? 痩せこけたオッサンがどうし──あっ!?」

    ハヤト「あれ、アムロの親父サンじゃあ……!?」

    アムロ「先にホワイトベースに戻っておいてくれ!」

    ハヤト「おい、アムロ!」

    カイ「行っちまいやがった。……まさか、親父サンが生きてたりなんて、な?」

    ハヤト「ま、まさか。……でも、もし本人だったら……」


    カイ「……とりあえず食って、ホワイトベースに戻ろうぜ」

    ハヤト「アムロめ、全部食べてからいけよな」

    カイ「じゃあ俺がもーらい」

    ハヤト「あっ、ズルイですよ!」

    346 = 1 :

    ──バス停

    中年の「…………」

    アムロ「……あのォ」

    中年の「はい、なんです? ……もしかして、アムロか?」

    アムロ「え、ええ。やっぱり、父さんなんですか?」

    テム「そう、そうだ、テム・レイだ。……そうか、お前も無事だったか」

    アムロ「はい、何とか。父さん、無事で何より」

    テム「二か月も経つ、まさか生きているとは」

    アムロ「え、ええ……三か月、ですけど」

    テム「うん? そうだったか? いや、暫く入院していたようでね」

    アムロ「入院……ともかく、無事でよかった」

    ブロロロ……キキッ

    テム「バスが着た。乗りなさい。私の住まいで話をしよう」

    347 = 1 :

    ──スクラップヤード・アパートメント

    アムロ「こんなところに……?」

    テム「ああ。ジャンク屋組合に身を置いている。酸素欠乏症にかかったとはいえ、だいぶ回復しているからな」

    アムロ「酸素欠乏症に……」

    テム「うん、サイド7から放り出されてしばらく──数日かな。漂流していたのだ。軍人じゃあないからドッグタグもつけていなくて身元がわからんでな」

    アムロ「それで、こんなところに?」

    テム「ガンダムは無事のようだったしな。それより、お前は今何を?」

    アムロ「……機密なんですけど、ホワイトベースの乗員をしています」

    テム「何っ? パオロ艦長とブライト中尉はお元気か?」

    アムロ「パオロ・カシアス中佐は戦死、ブライト・ノア大尉が現在艦長を」

    テム「何と……ガンダムは?」

    アムロ「今はジャブローで合流したパイロットが乗っています」

    テム「そうかそうか。お前はどういう仕事をしているんだ?」

    アムロ「新型ガンダムのパイロットを」

    テム「……何? ──もしや、サイド7でガンダムを動かしたのは……」

    アムロ「そう、僕です」

    テム「……そうか。そうだったのか」

    アムロ「結果として父さんを危険にしたことは謝ります。でも、やるしかなかった」

    テム「そうだな。お前のおかげで、ホワイトベースもガンダムも無事なんだったら、それでいいよ」

    アムロ「……ありがとう、父さん」

    テム「ホワイトベースに戻るのか?」

    アムロ「はい。そろそろ戻らないと、ブライトさんに叱られてしまうし」

    テム「ははは……彼は堅物だからな」

    アムロ「そうだ、父さん。地球で母さんと会ったよ」

    テム「なに? カマリアと?」

    アムロ「少しだけ話して、別れを告げた。母さんは昔の僕しか見えてないから……」

    テム「……そうか。彼女も無事だったんだな」

    アムロ「心配、していたのかい?」

    テム「いつも心の隅では考えていた。……まぁ、ガンダム開発中は忘れていたかもしれんが」

    アムロ「これだから、技術者って」

    テム「ははは。……お前が無事でよかった。行きなさい」

    アムロ「はい。戦争が終わったら、また会いに来るよ」

    テム「うん、それがいい」

    アムロ「二人でまた食事でも。きっと戦後手当が僕にも出るだろうし」

    テム「じゃあ私は申請すれば、傷病兵手当でも貰えるかな」

    アムロ「ははは。高級レストランで食事ができる。……じゃあ、また」

    テム「ああ。またな、アムロ」

    348 = 1 :

    ──フラナガン研究所

    シムス「博士。連絡が」

    フラナガン「来たかね。L・Sが」

    シムス「はい。協力者と間もなく到着する、と」

    フラナガン「……噂をすれば」

    職員「博士、お客様です」

    フラナガン「ああ、そろそろ来ると思っていたよ。通してくれ」

    プシュッ

    職員「どうぞ」

    フラナガン「よく、無事で仕事をしてくれた」

    シムス「ご協力に感謝しますよ、ロジェ・アズナブル氏」

    ロジェ「…………」

    ララァ「ありがとう、おじさま。お久しぶりです、博士」

    ロジェ「博士、約束は」

    フラナガン「勿論。今から政府に取り次ごう。リボーでの暮らしは無理だろうが、ユピテル辺りで暮らせるように打診しておいてやろう」

    ロジェ「それだけじゃない、報酬金は?」

    フラナガン「ああ。この紙に記された口座から引き落としなさい」

    ロジェ「……どうも」

    フラナガン「用は済んだ。ご退散願いたいな」

    ロジェ「言われずとも、ええ」

    プシュッ

    フラナガン「ふん、下衆め」

    シムス「では、最終調整を行いましょう。ララァ・スン、こちらへ」

    ララァ「はい」

    349 = 1 :


     故郷に戻り、羽を伸ばすクリスチーナ。
     ホワイトベースの面々は平和の国でささやかな休日を得る。
     サイド6を発つ時、それぞれが抱く想いは。

     機動戦士ガンダム、次回、『ポケットの中の世界』
     君は、生き延びることができるか?

    350 :

    そういやサイクロプス隊とはまだ闘ってなかったんだったな
    親父も無事でよかった
    今後のアムロに影響しそう


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