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    元スレアムロ「アレックスは伊達じゃない!」

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    601 :

    待ってまふ

    602 :

    事情があるなら仕方ないね(生暖かい目)

    603 :

    乙、待ってるよ
    コンタドールのマリアローザ姿が今年最後かも知れないと思うと何か来るものがあるねぇ
    カンチェといいウィギンスといいビッグネームの引退が続きそうで悲しい

    604 :

    >>601
    ありがとうございます。

    >>602
    わ、わあ、優しいなあ……(震え声)

    >>603
    ありがとうございます。
    実はロードレースは今回が初めてで。
    今日の落車が影響しないといいんですが……。



    ソロモン戦自体は粗方書き終わってはいるのですが、何かすごく淡白になってる気がして。
    何か入れ忘れたネタはないか、とか。

    この間めぐりあい宇宙を見直す機会があったんですが、台詞集を読むだけと実際の映像を見るのでは結構違うものですね……。
    ドズルって思ったよりテンション低い!

    605 :

    おひさしぶりです。今晩投下予定ですので、一度age。

    606 :

    いっちを待ってるよ!

    607 :

    やったぜ

    608 :

    おまたせ。投下します

    609 = 1 :

    ──第三艦隊、尖峰モビルスーツ部隊

    アムロ「スレッガー中尉、これよりアレックスは敵艦隊を強行突破、穴を開けます」

    スレッガー「あいよ、じゃあスレッガー隊は援護行動に入る。うまくやれよ」

    アムロ「了解……」


    アムロ「前方にはチベ級が4隻とムサイ級が8隻……。ミサイル1番から4番でやれるか……? いやっ、やるんだ!」

     アレックスが加速し、シールド裏に装備したミサイル・ランチャーを前へ突き出す。

    アムロ「撃っ!!」

     4基のランチャーから次々とミサイルが放たれ、敵艦隊へと殺到。
     小型のミサイルを対空砲火が容易に撃ち落とせるわけもなく、3隻のムサイと1隻のチベに火球が起こった。

    アムロ「ミサイル・ランチャー1から4、パージ。沈める!」

     ペダルを踏み込み、よりスロットルを上げる。
     殺人的加速性能をリニアシートで飲み込み、アレックスは咆哮を上げた。

    アムロ「ひとつ! ……ふたぁーつ! みっつ! よっつうっ! いつつっ!!」

     座礁した敵艦にとどめを刺し、沈む前にと慌てふためき飛び出してきたモビルスーツを次々と撃破する。
     ようやく追い付いてきたスレッガー隊と、連邦モビルスーツ部隊が共に攻撃を開始。

     ジオン公国宇宙攻撃軍ミルヴァ艦隊は一瞬にして壊滅状態へと追い込まれた。

    610 = 1 :


    アムロ「よし! 揚陸作戦に移行し──」

    マクシミリアン「アムロ! 聞こえるか!」

    アムロ「え? マックス?」

     近寄ってきたジムがアレックスの肩を触れ、接触回線を開く。
     状況を見たスレッガーのガンダムもそこに近寄り、接触回線に合流した。

    マクシミリアン「伝令! ティアンム提督の第二艦隊が攻撃を受けている! 敵の新型モビルアーマーが確認された! アレックス単機で急行し、威力偵察! 可能ならば敵を撃滅せよ! ……だってよ」

    アムロ「えっ、ティアンム提督って……この作戦の総司令官じゃなかったっけ?」

    マクシミリアン「まさしくその通りだ! それがヤバイってんだ。俺はこのままスレッガー隊に加わるから、アムロはそっちを頼む!」

    アムロ「わ、わかった。スレッガーさん、聞こえてました?」

    スレッガー「おーう。ちゃちゃっと提督助けて、勲章貰ってこい!」

    アムロ「はいっ。アムロ・レイ、戦列を離れます!」

    611 = 1 :




    『ビーム・シャワーを抜け出して』


    612 :


    あっさりと描写されてたから見逃しそうになったがミルヴァ艦隊壊滅って
    どんだけヤバいんだこいつら……

    613 :


    アムロがロレックスの自慢する話かと思ったら見間違いだった

    614 :

    寝落ち寝落ち。
    今日も夜に投下します。

    アーマード・アレックスは背中に大型のブースターパックを背負い、両腕にシールドを装備している状態です。
    胸部と前腰部、脚部前面には追加装甲を装着し、激戦に備えています。
    シールド裏にはミサイルランチャーを装備。(サンダーボルト版FAガンダムをイメージ)

    詳細情報は追々出せるかと。
    「G・アーマー(拡張兵装)を装備した(アーマード)アレックス」です。
    いわゆるフルアーマー・ガンダムです(?)

    >>612
    ???「連邦のモビルスーツは化け物かっ!」
    でも、ガンタム世界において軍艦は結構脆い存在ですよね。

    >>613
    何それ面白そう書いて

    615 :

    >>612
    戦争は数じゃなかったよ…

    616 :

    戦争は数てのは一番安定していて手に入れる事も補充もしやすい力だし

    617 :

    ──20分後
    ──第二艦隊展開宙域

    アムロ「あっ……あああっ……あの強烈なプレッシャー……あいつだったんだ……!!」


     望遠映像で映し出された悪鬼のようなモビルアーマーに、アムロ・レイは戦慄した。


    アムロ「あれをやらなきゃ……ティアンム提督は──」

     そして望遠映像はもう一つ情報を捉える。
     画面表示には『シグナル・ロスト』の文字。

    アムロ「……バーミンガム級大型戦艦2番艦“タイタン”……信号途絶……?」

    アムロ「──や、やられたっていうのかっ? 連邦の最新鋭戦艦が」



    ビビーッ!!

    アムロ「接近警報……来るっ!?」

     至近距離で爆発が起こり、アムロは咄嗟に機体を翻らせた。

    アムロ「ぐっ……! 青い、ドム!?」

    618 = 1 :


    ガトー「彼奴がランバ・ラル大尉をやったというモビルスーツか!」

    カリウス「大尉、援護します!」

    ガトー「応! 小隊散開せよ! 波状戦法で行く!」

    302中隊「「「了解!」」」

    619 = 1 :


    アムロ「ううっ!? 一瞬で展開した!」

     リック・ドムの編隊が次々と接近し、四方からバズーカを発砲しながら迫る。
     一定の距離を保ちつつ、6機のドムが次々と攻撃を仕掛けてくるのだ。
     特に青と緑に塗装されたエース機と、その護衛らしき機体は動きがいい。

    アムロ「なんて波状攻撃だ! だけど、ここで負けるわけにはっ!」

     頭部バルカンで砲弾を撃ち落としながら、ヒート・サーベルと斬り結ぶ。
     1機のドムを両断し、もう1機も右腕と頭を刎ね飛ばした。

    アムロ「よし!」



    カリウス「なんと!」

    ガトー「ええい、小癪な! 手負いは退けい!」

    カリウス「……我ら2機のみとなります」

    ガトー「構わんッ。 フォーメーションBで行く!」

    カリウス「はっ!!」



    アムロ「く、来るっ!?

    620 = 1 :


    ガトー「チェストォオオオッ!!」

    アムロ「重いっ!!」

     振りかぶったヒート・サーベルと、ビーム・サーベルが激突し、スパークする。

    ガトー「今だ、カリウス!」

    カリウス「はっ! 食らえェエーイ!!」

     アムロとガトーが競り合う中、カリウス軍曹のドムが猛進、ガンダムを討ち取らんとヒート・サーベルを突き出した。

    アムロ「シールド・パージッ!」

    ガトー「何とォッ!?」

    カリウス「うわああっ!!!?」

     右腕に装着していたシールドを打ち捨て、右脚でカリウス機に向けて蹴り飛ばす。

    アムロ「冗談じゃない! お前たちと戦っている暇はないんだ!」

     鍔迫り合いを続けていたサーベルを強引に押し戻し、青いドムを吹き飛ばす。

    アムロ「大人しく、してろおっ!!」

     両脚と両腕を寸断し、漂っていたデブリに叩きつける。
     青いリック・ドムは達磨のようになって瓦礫に埋まり、戦闘不能に陥った。

    621 :

    既に敵将は出陣、けど討ち取るにはまだ遠いっ…!

    623 :

    中の人の厄介さを考えたら討ち取ってしまいたいとこだけど……
    偉いさんの救出に向かわないといけないのが辛いとこだな

    624 :

    中の人のプライドの高さを考えると狂人あるいは廃人になりそうで怖いww

    625 :

    ごめん、また寝落ちしました。
    夜中に投下すんのやめた方が良さそうですねえ……。

    ガトー大尉には早期退場願いました。
    元々は予定に入れ忘れていて、書きながら強引に捩じ込んだものでして、へへへ……。


    >>623
    ガトー大尉を討ち取ってしまったら、未来が大きく変わってしまうじゃないですか(意味深)

    >>624
    狂人ガトー「く、くくくく……ガンダム……久しいなガンダムうう!! 会いたかったぞ! 実に三年も待ったのだ! この臥薪嘗胆の念、今晴らさでおくべかぁぁあああ!!! 抱き締めたいなああっ、ガンダムううう!!!」(生身でGP02Aに抱きつく)

    ニナ「いやあああああっ、アタシのガンダムうううう!!!!?」

    コウ「……え……っと……これがほんとうの地獄か……(錯乱)」

    キース「なあ、コウ……行こうぜ。あれ絶対ヤバイ人だよ……」

    オービル「……こりゃ今の内に寝返った方が良さそうだな……」


    廃人ガトー「う……う……ガン……ダム……白い……悪魔……あああっ、来るっ、来るううっ!!? はっ!! はあっ……はあっ……」

    カリウス「大尉……おいたわしや……ぐすんっ」

    デラーズ「ガトーよ……今は耐えるのだ……」


    どっちもやめといた方が良さそうですね?

    626 :



    ガトーが死ぬか使い物にならなくなるとガトーより格下のパイロットを02奪取に向かわせる事になるからな
    下手すりゃ01で追撃に出たコウやバニング隊に仕留められて星の屑頓挫でとんでもない歴史になってしまう

    星の屑頓挫でデラーズが合流して大規模化したアクシズvs量産型GPシリーズ&エース機体が軒並みGPシリーズの連邦…………やべぇ超見たい

    627 :

    デラフリの戦力なんてMS60機くらいだし足しにもならなそう

    628 = 624 :

    >星の屑頓挫でデラーズが合流して大規模化したアクシズ
    派閥争いやらなんやらで内部がボロッボロになってそうだけど逆に見てみたいかもww

    629 :

    >>627
    MS60機は微妙だが、熟練パイロット60名が使える様になるのは大きい
    逆シャアの時ですら小規模戦闘に近い訳だし、だからシャアも急いでたのもある

    ロンド・ベルの時点でラーカライム、チャタ、キェム、エルム、クラップ級3隻
    UC時点でラーカイラム級は下駄のスペースに無理やり詰め込んでもMS搭載10機前後
    ジェガン18+ルナツー残存兵α、リ・ガズィ1、ν1、映像に写ってないラーザイム分艦載機含め
    ジムⅢ×6の合計26機(ロンド・ベルのみ)+α

    ロリコン総帥側が12隻、サザビー1、ヤクト2(1機中破)、アルパ1、ギラドーガ80

    630 :

    ガトーがいなければ、星の屑の立案自体が微妙だからなあ
    エースに頼ったジオンらしい作戦といえば、作戦なんだけどさ

    631 :


    カリウス(ま、まさかッ!? あの一瞬で大尉のドムを達磨にしたっていうのか!)

    ガトー「くうっ!!」


    ドズル『ガトーよ、聞こえるか!』

    ガトー「ドズル閣下っ?」

    ドズル『退けい、ガトー! あとは俺がその化け物を成敗してくれる』

    ガトー「で、ですが!」

    ドズル『これより大型メガ粒子砲で砲撃を行う。貴様らはそれを合図にソロモンへ戻れ! 射角に入るなよ!』

    ガトー「閣下!」

    ドズル『手負いの貴様に何ができるか! 退け!』

    カリウス「大尉、今お助け致します!」

    ガトー「……くっ、この臥薪嘗胆の念、いつか晴らしてくれようぞ! 申し訳ありません、ドズル閣下……!」

    632 = 1 :


     突如、長距離からのビーム砲撃を察知し、機体にロール運動をとらせる。

    アムロ「うわあっ!!?」

    アムロ「なんだ、今の威力は!!」

     宇宙空間において、ビームは減衰しない。
    とはいえ、無重力空間に漂う多数の塵を巻き込んで少しずつ威力が落ちていくのが通常である。

     しかし、モビルアーマー=ビグ・ザムの大型メガ粒子砲は違った。
     そのあまりの火力に、如何ほどの塵もその進路を阻むことは出来ぬ。
     あえて形容するならば、その破壊光線は最強の砲と言える。

     アムロ・レイはその事実を瞬時に理解し、戦慄した。

    アムロ「どれだけのエネルギーゲインがあれば、あんな砲を搭載できるんだ……!」

     この砲を相手に、遠距離を保てば周囲の被害も免れない。
     ならば、肉薄するのが得策と考えるのは自然。

    アムロ「青いドムは戦闘不能……護衛も手負いだし、戦闘の意思はない、か」

     よし、と呟いて機体を大型モビルアーマーに正対させる。

    アムロ「そうと決まれば、吶喊する!」

    633 = 1 :


    ドズル「ふん、接近するつもりか? だがそううまくいくものかよ!」

     再び大型ビームを放つ。機体の角度を変えれば、薙ぎ払うようにビームが撃てるのも艦隊にとっては脅威だった。

    ドズル「ゲルト、トマス。前方のメガ粒子砲放て!」

    兵士「「 はっ! 」」

     ビグ・ザムには中央の大型メガ粒子砲以外にも、そこを中心として機体の周囲360度を囲うメガ粒子砲を搭載している。
     中央の大型砲と比べると小口径に思われるが、それでも59メートルの巨体に装備されたメガ粒子砲は戦艦グワジンと同等クラスのものだ。
     その威力は、モビルスーツであれば擦過するだけでも中破を免れないほど。
     対要塞戦用として開発されたこのモビルアーマーは、奇しくも艦隊戦に最適化された装備を備えていた。

     ドズル・ザビはその特性を最大限活用し、第二艦隊を全滅させたのである。

     そして、今その火砲の全てはアレックス……単機のモビルスーツへと注がれんとしていた。

    634 = 1 :


    アムロ「うっ! 大口径ビーム以外にも、まだあるのか!」

     角度を変えながら自機へ殺到するビームを、寸でのところで躱し続ける。
     その出力は想像がつかないが、直撃すれば命がないことは勿論、掠るだけでも命の保証はないだろうことは直感的に理解していた。

    アムロ(見える……次の砲撃が見える! 僕は次にあっちに飛べばいい)

     クイ、とレバーを軽く捻り、ビームを躱し続ける。

    アムロ(……これが、人類の革新だっていうのか? 戦うための能力じゃないか? そんなことって、悲しすぎるじゃないか!!)

     ビーム砲撃の合間を縫って、じわりじわりとビグ・ザムに接近するアレックス。
     ドズル・ザビは焦燥を隠せないでいた。

    ドズル「な、何故当たらんのだ! このビグ・ザムのビームは掠るだけでも戦艦を沈められるというに! 何故、何故ガンダムは墜ちない!?」

    兵士「閣下、対空機銃を使います!」

    ドズル「そちらの管制任せる! 俺はビーム攻撃に集中する!」

     対空機銃とビーム砲、持てる攻撃すべてを注いでいるのに、ガンダムは墜ちない。
     まるで全てを見透かされているかのよう。
     その考えに至った瞬間、ドズル・ザビの脳裡にある言葉が過った。

    ドズル(はっ……ニュータイプ……!!!!!)

     まるでシャワーのようにビームを浴びせているのに、その一雫が明確に捉えられ、回避されている。
     これはもはや、ニュータイプと思わねば納得がいくまい。

     しかしドズルは、そこで思考停止する武将ではない。
     ニュータイプと言えど人間、こちらが粘れば焦りも生まれる。
     闘将ドズルは、自らが最も好まない持久戦に切り替えることを余儀なくされ、内心毒づいた。

    635 = 1 :


    アムロ「くっ、なかなか接近できない! でもこの距離なら、ビーム・ライフルでも相当のダメージになるはずだ!」

     アレックスがビーム・ライフルをビグ・ザムへと向け、トリガーを引く。
     数々のモビルスーツ、戦艦を沈めてきた閃光がビグ・ザムへと到達した。

     しかし。

    バシュッ!!

    アムロ「なっ!? 掻き消されたのか!?」

     大型戦艦クラスの中距離ビームさえ逸らすI・フィールドにとって、長距離からのライフル射撃程度は脅威ではない。
     ガンダムのビーム・ライフルは『戦艦の主砲並みの火力を持つ』とされる。

     しかし、小銃一丁如きに通常からそれほどの火力を持たせることは不可能で、最大火力で放った場合のみ、それほどの火力を発揮できる。
     通常射撃においてはサラミス級の主砲とさして違わぬ程度の威力であるからして、ビグ・ザムの鉄壁を前にしては無力であった。

     ビームが効かないことを理解したアムロは、左腕に残された4基のミサイル・ランチャーから全てのミサイルを解き放った。

     1番から4番には対艦ミサイルを搭載していたが、5番から8番には拡散ミサイルを搭載している。
     これは面制圧用で、本来ビグ・ザムのような単機のモビルアーマーに使うものではない。
     それでも、現状では最も有効な策であるとアムロは判断していた。

    636 = 1 :


     面でビグ・ザムへと殺到するミサイルは、ビームのシャワーに巻き込まれて次々と誘爆する。

    ドズル「馬鹿め! 効かんわっ!」

     そして一面を炎が覆い尽くした時、アムロはアレックスのスロットル・レバーを最大まで押し倒した。

    兵士「か、閣下! 敵MSがセンサーから一瞬でロストしました!」

    ドズル「何っ? 今の誘爆に巻き込まれ……いや、その筈はない」

    637 = 1 :


    アムロ「おおおッ!」


    ドズル「め、目くらましか!! 全ビーム砲門撃てるか!」

    兵士「砲身融解! 威力35%まで低下します!」

    ドズル「撃ち過ぎたか!? 構わん、撃てい!!」

     正面から無闇矢鱈に放たれたビームを、ビーム・コーティングが施されたシールドで強引に受け流す。

    アムロ「う……おぉおおおおおおっ!!!」

     アムロはずっと考えていた。
     あのモビルアーマーのどこが弱点なのか。
     おそらく、あのバリアーのようなものは脚にまでは及んでいない。
     だが、脚を切り落としたところで撃破には及ばないだろう。


     ならば、どこだ。

    638 = 1 :


     爆炎を抜けた先、眼前に迫ったモビルアーマー。

    ドズル「下か!? 対空防御!」

     ビグ・ザムの爪先からクロー・ミサイルが放たれ、左腕に残ったシールドと、背負ったブースターユニットを刺し貫く。

    アムロ「まだまだあっ!!」

     クローが刺さったパーツをパージし、さらに加速を増す。
     相手の弱点は、おそらく下方だろう。
     クローが対空防御になっているとは度胆を抜かされたが、なくなってしまえば爪のない足など怖くない。

     ビグ・ザムの股が視界に入る。
     大型のロケット・ブースター。……これを磁界で覆っているとは、考えられない。
     それに、至近距離のビームなら磁界を貫けるはずだ。

     アムロは咄嗟にG・アーマーを脱ぎ捨て、ビグ・ザムの大口径メガ粒子砲へと突撃させた。

     慌てるように放たれたビームがG・アーマーを破壊し、大きな爆発が両者のセンサーカメラを機能不全に陥らせる。

    アムロ「やったなあっ!? それでもっ、そこだあ!!」

     アムロは確信をもってビグ・ザムの股下に潜り込んでいた。
     カメラは復旧していないが、本能的に察知したと言ってもいい。
     その股下、大型のロケット・ブースターにビーム・ライフルの銃口を向けた。

    639 = 1 :

    ──────
    ────
    ──


     復旧したセンサーカメラが捉えたのは、内部機構からプラズマ光を吐き出すビグ・ザムの姿だった。

     擱座しようとも大型メガ粒子砲を虚空へ噴き上げているのを見れば、放置しても危険であることは明白だった。
     アムロはビグ・ザムにとどめを刺すべく、機体上方へ飛翔。
     モノ・アイの真下を狙い、ビーム・サーベルを突き立てた。

    アムロ「これで終わりだ……! んっ!?」


     ビーム・サーベルを深々と突き入れたアレックスの前に、ノーマルスーツを着た男が飛び出す。
     コクピット・ハッチを開ければ言葉が交わせる距離で、男は合金の壁越しにアムロを睨み、自動小銃を腰溜めに構えた。

    640 = 1 :


    ドズル「やられはせん……!」


    ドズル「たかが1機のモビルスーツに、このビグ・ザムがやられるものか……!!」


    ドズル「やられはせんっ、やられはせんぞ! 貴様如きモビルスーツにぃぃ、やられはせんぞぉぉおおおおっ!!!」

    ババババッ!!


    アムロ「な、なんだ……!? パイロットが外に飛び出て!?」


    ドズル「俺の部下達を、俺の妻子を、……ミネバの未来をおおっ……やらせはせん、やらせはせん!!」 

    ドズル「やらせはせんぞおっ、白い悪魔あああ!!!!」

     自動小銃を乱射する男から、執念のようにオーラが巻き上がる。
     やがてそれは亡霊のように男を絡め捕り、同じくしてビグ・ザムは内部機構が完全に破壊、ダクトから炎を上げ、男の姿を塵と消した。

    アムロ「な……何者……なんだ?」

    641 = 1 :

    ──宇宙要塞ソロモン、中央指揮所

    管制官「ビグ・ザムの信号、途絶!!」

    ラコック「な、なんだと!?」

    コンスコン「ええい、やられたというのか! 第302中隊が付いてたはずだ!」

    管制官「ミノフスキー粒子の影響大きく、確認は取れませんが……敵の大部隊に包囲されたものと思われます!」

    コンスコン「望遠映像は出せないか!」

    管制官「先程の敵戦術兵器により、多くの観測機器が損傷。……また、敵の攻撃激しく、他地点からも確認取れません!」

    ラコック「ええい……閣下がティアンムの艦隊を潰したというのに、まだ別働隊がいたのか……」

    コンスコン「こりゃあ、ティアンムとワッケインだけじゃあないな。おそらく参謀本部のモニカ・ハンフリー大佐も一枚かんでいると見た」

    ラコック「“魔女”ですか……!」

    コンスコン「うむ。……ミルヴァ隊はどうか?」

    ミルヴァ『現在、残存戦力は18%! ……ぞ、増援を……! うわあああっ!!』

    コンスコン「ミルヴァ大佐! おい、返事を! ……くっ!」

    ラコック「ワッケイン艦隊には木馬も……」

    コンスコン「ちいっ、手に負えんか!? フォン・ヘルシングは何をやってる!」

    ヘルシング『こちらシャア艦隊。木馬とガンダムが見当たりません。敵部隊を押しのけようにも、敵が多すぎます!』

    コンスコン「なんだと!? 木馬はワッケイン艦隊にいたはずだ!」

    ヘルシング『確認できません!』

    コンスコン「ええい、どうなっている……!!」

    642 = 1 :


    ラコック「ドロワが出られるとのこと!」

    コンスコン「出すな! 今あんなデカイのを出したら蜂の巣だ……!」

    ラコック「ですが……!」

    管制官「あっ……映像来ました! ポイントFから戻った、第302中隊のものです!」

    ガトー『302中隊、アナベル・ガトー大尉であります。中隊は壊滅、ドズル閣下が殿として戦っておられました』

    コンスコン「何があった、大尉! 敵の別働隊か!?」

    ガトー『自機のカメラログを送信しました。ご確認を……』

    コンスコン「今見ておるが……おい? あれは、ガンダムじゃないか?」

    ガトー『は。当初、我ら302中隊が交戦したものの、一瞬で崩され壊滅。その後閣下の掩護あってようやくこちらまで落ち延びた次第……』

    コンスコン「ドズルの阿呆め、ビグ・ザムはモビルスーツとの戦闘には向かんというのに!」

    ラコック「何と……」

    コンスコン「ガトー大尉。ご苦労だった。貴官らはドロワに撤収せよ」

    ガトー『はっ!』

    ラコック「ビグ・ザムを沈めたのはガンダム……ということは……!? ヘルシング大佐! ポイントFに──」

    コンスコン「待て。大佐、ガンダムを確認した。しかし、そちらの戦線を維持しろ」

    ヘルシング『はい。シャア大佐だけでもポイントFへ送りますか?』

    コンスコン「いや、ミルヴァ艦隊が壊滅した今、そこは貴様らが生命線だ。暫く持たせてくれ」

    ヘルシング『……了解』

    643 = 1 :

     【次回予告】
     モビルアーマー=ビグ・ザムは墜ちた。
     ミルヴァ艦隊も壊滅し、ソロモン海戦の趨勢は決したと見える。
     そんな中、最前線で赤い彗星と再び会い見える1羽の鳥がいた。

     機動戦士ガンダム、次回、『ジャブローの荒鷲』

    644 = 1 :

    というわけでここまで。
    途中カッコが抜けるミスあったけど、キニシナイキニシナイ。

    ミノ粉散布下でこんなに通信できるのかって思うけど、原作でもそんな感じだしキニシナイキニシナイ!

    次回。
    悲しいけど、これ、戦争なのよね。

    645 :

    やはりアーマーパージアタックは最高だな

    646 :


    戦闘シーンってだるくなって流し読みする事が多いんだけどここのは熟読してしまう

    647 :


    ビグザム戦で死ななかったから生存ルートかと思ったけど
    次回予告がそれってことはスレッガーさん…

    648 :


    ジオン軍は無念だろうなというのがひしひしと伝わってくる
    そしてドズルの気迫と執念……と単純に言っていいのかは分からないが、の恐ろしさよ

    649 :

    長々とレス返し。
    流石に全レスはしていませんが、嬉しいところに気付いてくれたものとかだけでもお返しできたらと思っております、はい。

    次は週明けくらいに投下したい。
    早くア・バオア・クーまで行こうな。
    ララァとシャアも空気になってるしだな。

    >>645
    ロマンですよね。
    シールドパージで一度使った手だし何回もやるのはなあ、とも思ったのですが。
    ……やっちゃいました。
    ついでに言えば、ソロモンで強化パーツ出すのは普通に早すぎたな、と後悔しております。
    先に立たず。

    >>646
    ありがとう。
    戦闘シーンの描写って難しいですよね。
    あまり文章で動きを限定し過ぎないようにはしています。

    >>647
    悲しいけど戦争なのよね。
    でも考えてみてほしい。ミライとのフラグ立ては行われていない!

    >>648
    原作ではドズルはもっとサラッと死ぬんですが
    なんかビグザムには絶望感を持たせてアムロを苦しめることで初めてドズルの
    『たった一機のモビルスーツに』
    という言葉が活きてくるように思うんですね。

    650 = 1 :

    ちなみに >>632

    アムロ「どれだけのエネルギーゲインがあれば、あんな砲を搭載できるんだ……!」

    に関しての補足。

    エネルギーゲインとは、電気工学用語の『利得(ゲイン)』に由来し、電気回路における入出力比を意味します。
    電力利得や電流利得という使われ方をするようで、英語のまま用いる場合もあるそう。

    ガンダムはジェネレーター出力の5倍もの電力利得があるモビルスーツ、ということです。
    常にジェネレーター出力の5倍もの電力を機体に溜め置けることを意味します。

    このセリフに関しては、単純に言えばアムロがビグザムの火力に驚愕しただけのことですが、電気工学に明るいアムロ少年は独り言でもこんなことを言っちゃいました。

    電気工学は全くの専門外なので、細かい間違いは悪しからず……。
    ネットで簡単に調べただけでここまでの話をでっち上げることができる……寒い時代とは思わんかね?【了】


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