元スレアムロ「アレックスは伊達じゃない!」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
651 :
やっと追いついた
652 :
ドロスってジ・オリジンだとマゼランを一方的にボコってたよな
最初から浮かべて砲台にしておけよと
653 :
投下予告は意味を為さない。
週末投下します(震え)
>>651
ありがとう。アバオアクーまで付き合ってね。
>>652
ドロワには積荷があったから出すに出せなかった状況。
オリジンのドロス級空母はムサイを何隻を格納できるサイズの移動要塞だから、今更出してもマジでただの的だよね。
654 :
ドズル亡き今、コンスコンはソロモンと命運を共にするんだろうか
ア・バオア・クーに有能コンスコンがいれば、
ドズル麾下の部隊が有効に運用されるんだがなぁ
655 :
このSSのコンスコンさんだったらドズルに殉死してあたら兵やMSを無駄にするより、
敗残兵を少しでもまとめて自身の存在(命)も含めてア・バオア・クー防衛の為に臥薪嘗胆すると思うなぁ~
それこそ、仮にこっからジオンが大逆転勝利してジオン新政府が樹立して新政権が安定したのを見届けたら、
旧世代の古い武人はこれからの新しい時代・新しい世代に不用だと言い放って、ここで初めてドズルの後を追って殉死しそう
656 :
今晩投下予定(投下するとは言っていない(投下しないとも言っていない))。
>>654
そうなったら、少なくとも青葉区はもう少し長持ちしそうですね。
660 :
そういうの、やりづらいんだよなあ!
眠たいけど、これ投下なのよね。
661 :
──同刻
──ワッケイン艦隊、先鋒
スレッガー「あー、やだやだ! 折角アムロちゃんが前で楽できちゃうと思ったのによお!」
カイ「おいおい……スレッガーさんよ、そりゃないでしょ~」
ハヤト「そうですよっ」
スレッガー「何言ってんだ。戦いってぇ~のはね、如何に効率良く手を抜くか、なのよね」
ジョブ・ジョン「そうそう。中尉みたいにうまくやるのが生き残るコツだってこと」
スレッガー「へへへっ、な~んてお上手なんでしょ、ボク!」
ビーム・サーベルでドムを裂きながら、スレッガーは笑う。
スレッガー「へへ……戦いに感情なんて持ち込まなくていいのサ。そんなの、やり辛くってしょうがない」
セイラ「中尉の言うことも一理あるわ。……戦いに私情は禁物。そうでしょ?」
クリス「そうよ、カイくん、ハヤトくん。戦場では冷静であることが命を分けるわ」
カイ「そ、そうですけどぉ……」
ジョブ・ジョン「ホワイトベースが誇る美女二人にこう言われちゃあ、何も言えねえよな」
タカアキ「まあ、クリスはほとんど実戦経験ないんだけど」
クリス「ちょっと、タカ」
タカアキ「おーっと、失言。前言を撤回」
セイラ「あら、ジョブ・ジョン、褒めても何も出ないわよ」
クリス「私はキスくらいしてあげてもいいけどね。タカ以外」
ジョブ・ジョン「ぜひよろしく!」
スレッガー「俺にも是非お願いしたいもんだ」
タカアキ「おいおい……」
662 = 1 :
『ジャブローの荒鷲』
663 = 1 :
──グラーフ・ツェッペリン、艦橋
ヘルシング「ララァ少尉。戦況をどう考える」
ララァ「……この戦い、負けます」
ヘルシング「ほう?」
ララァ「コンスコン少将が悪いとか、そういうことじゃありません。……ただ、“彼”が強すぎるんだわ……」
ヘルシング「“彼”……ガンダムのパイロットか」
ララァ「大佐は鋭いのですね」
ヘルシング「誰だってわかる。今の話の流れならな。なあ、マリガン中尉」
マリガン「ええ? そりゃ、まあ」
ヘルシング「だろ? な。シャアをあちらへ送るべきだと思うか」
ララァ「……いいえ。シャアが死んでしまうわ」
へへへ、とヘルシングは己の口から声が漏れるのを聞いた。
平時では発さないような、下卑た笑いだったと自覚する。
ヘルシング「そうかい……それほどかい? そいつは怖ぇや……」
664 = 1 :
──ミルヴァ艦隊、展開宙域
シャア「ええい、冗談ではない!」
ジムを切り捨て、シャアは叫ぶ。
シャア「ガンダムはおらぬ、敵は予想を遥かに上回る大戦力……! コンスコン少将の読みがこうも外れるとは!!」
バーニィ「大佐、大丈夫ですか!」
シャア「バーニィか。私は無事だが、ミルヴァ大佐の艦隊はやられたようだ。もはやここも持つまい」
バーニィ「くっそぉ……連邦がこんなに多いなんて!」
ゴツン、とバーナードのドムの肩に手を触れる。
シャア「誤算だったな。……バーニィ、撤退戦の用意だ。艦長とバタシャムに伝えろ」
バーニィ「!? ……了解っ」
ピピピッ!
センサーが何かを捉え、警告音を発した。
シャア「ンッ!! ……あれは!」
バーニィ「あ、あれは、ガンダム!?」
シャア「色が違うが……行け、バーニィ! あれは私が仕留める!」
バーニィ「はい!」
665 = 1 :
──宇宙要塞ソロモン、中央指揮所
コンスコン「……致し方あるまいな」
ラコック「?」
コンスコン「ドロワにありったけの物資を積み込め! 機密情報の処分も準備しろ!」
ラコック「閣下!?」
コンスコン「ラコック中佐よ。……もはや手遅れだ」
ラコック「で、ですが」
コンスコン「戦力を見誤ったのだ。まさかティアンム艦隊が2割ほどしか戦力を持たず、戦術兵器の運用に特化しておったということだ!」
ダン、と拳で机を叩く。
コンスコン「そんなことはあり得ぬと高を括っていた! わしの采配の誤りだ……!!」
兵士「閣下……」
コンスコン「諸君! これより、我々ソロモン防衛軍は撤退戦に入る! 遺憾ながら、宇宙要塞ソロモンを放棄する!!」
ラコック「コンスコン少将!」
コンスコン「ガンダムの存在もイレギュラーだ。まさか単機でビグ・ザムを沈めるとは想定できん」
ラコック「ですが、撤退には早すぎるかと」
コンスコン「早く撤退せねば、多くの将兵の命が塵と消える! 判断を早めねば、我らは真の意味で負ける!」
ラコック「……了解しました」
コンスコン「すまんな、中佐。アサルムを殿として撤退戦を行う」
ラコック「……聴いての通りだ! 各員、ノーマルスーツを着用。我々は最後までここに残り、撤退準備が完了次第、共にアサルムへ向かう! いいな!」
「「「「はっ!!」」」」
コンスコン「撤退指令は全隊には出すな! ミルヴァ艦隊の残党にもはや航行能力はない。……切り捨てる」
ラコック「!!」
コンスコン「わしは、より多くの兵を生かさねばならん。……非道と思うか」
ラコック「……いえ」
コンスコン「ハッ、貴様は嘘が吐けんな……」
666 :
クリスさん俺にもお願いします
667 :
乙
コンスコンが青葉区までソロモンの敗残兵をまとめて引き上げても、
指揮権上それ運用するのがギレン(というかキシリア)だからなあ…
668 :
寝落ちなのよね。
今日も夜投下します。
>>666
バカ野郎、クリスのキスはバーニィ専用だ
>>667
ギレンは舐めプさえしなければ有能ですからね……どう転ぶかな
669 :
仮にア・バオア・クーを勝ったとしても逆転するのはほぼ不可能
ドズルの言ってた数や物量を体現してくるし
670 :
乙
この状況ナメプとか言ってられないとは思うが……どう転ぶか
671 :
ここは閣下が南斗最強の拳を以って先陣に立つしかあるまいよ
672 :
ねてた。
今晩こそは……今晩こそは……
>>669
原作アニメでは宇宙軍のほぼ全戦力を星一号作戦に投入していたはずなので、アバオアクーを守り抜けばジオンの勝利は固いかと。
もぬけの殻となった、ルナツーとコンペイトウの確保に成功さえすれば、今度こそ制宙権を完全に得られますからね。
>>670
↑の続きになりますが、だからこそギレンはソーラレイによりレビルら主力を削ったことにより勝利を確信していた故の
『圧倒的だな、我軍は』
だと考えています。
IQ300とも言われる天才であるが故に相手を軽んじていた、と。
673 = 1 :
>>671
聖帝が乗れるモビルスーツが……ハッ、ジオング……!!
674 :
舐めプよりもキシリア次第なんだよなぁ
アレが余計な事さえしなければ……
675 :
>>672
あれ全戦力だけ?ビンソン計画で再建した主力艦隊だったと記憶してたが
仮にルナツーとコンペイトウを確保し制空権を取れたとしても、ブリティッシュ作戦の様に
超短期決戦でないと補給線が拡大しすぎて維持できない
最終防衛ラインたるア・バオア・クーにまで攻められた時点で勝っても戦争が長引き
ジオンは勝てない、素人などの人材不足、マさんが稼いだ物資の不足、etc・・・
ただ連邦も尊大な被害を被るから、原作よりもジオン側に良い条件で停戦になる可能性も高い
もしかするとギレンはそれを狙ってた可能性もある
676 :
あの時点での再編した宇宙艦隊全てを星一号作戦に投入したのは間違いない気がする
アニメじゃティアンムやレビルが死んで連邦の佐官以上でロクな人材がいなかった
(後付けで今はナンボでも人材がいたことになってるが)
青葉区さえ凌げば連邦はまた軍の再編に時間がかかるし、
更なる泥沼化を嫌ってある程度ジオン側に配慮した停戦講和がなされたかも
ま、その後は問題の先延ばしで形を変えた0083みたいな流れになっただけだろうけど
677 :
コパアメリカで寝不足なんや……
今日こそ投下する。日付が変わる頃を予定。
>>675
連邦の主力艦隊には主要将校の多くが配属されていますし、仮に星一号作戦を退ければ連邦宇宙軍の将官は多くが戦死するでしょう。
ルナツーに残存する艦隊はおそらくモビルスーツ運用力に欠く戦隊や、練度の低い兵士が大半を占めるでしょう。
コンペイトウには多少の戦力は残りましょうが、ソーラレイで主力艦隊の1/3を損した宇宙軍の増援としてアバオアクーに向かっていると考えられます。
少なくともジオンにはグラナダの艦隊とサイド3の艦隊がありますから、短期決戦ならどうにかならなくもないとは思っていたのですが……、補給線の拡大やその後の地上攻撃の困難さからするに、やはり戦勝とまでは厳しそうですね。
参考にさせていただきます、ありがとう。
>>676
再編してガンダム開発計画に向かうのか……
???「ヒトは同じ過ちを繰り返す。まったく……!」
678 :
──ミルヴァ艦隊展開宙域
スレッガー「おや……あれは」
タカアキ「どうか?」
スレッガー「厄介な奴を見つけちまった。俺はここで奴を食い止める。全隊、揚陸戦用意!」
タカアキ「ええっ!?」
クリス「……赤いモビルスーツ? ジョニー・ライデン……いや、シャア・アズナブルか」
スレッガー「そういうこと。俺のガンダムなら奴と張り合えるでしょ!」
クリス(? ……RX-78-02のスペックは、通常型のジムと同等のはず……指揮官用のジムに劣る部分もあるのに?)
スレッガー「味方のジムが皆殺しにされてんの、見てらんないじゃないの!」
グイ、と踏み込んで増速する。
タカアキ「あっ! 中尉!?」
クリス「……行くわよ、タカ。ホワイトベース隊の指揮は私が受け継ぎます!」
セイラ「……一人じゃ危険だわ。私が援護します。みんなは行って!」
クリス「ちょっと!? ……ああもうっ! 各機、つづけ!」
セイラ機が隊列を離れるのを確認して、クリスは部隊を前へと進める。
クリス(セイラ……何を焦っているの)
679 = 1 :
シャア「ふふふ、ガンダムのパイロットは乗り換えたはずだから……あれに乗っているのはそれに準ずるエースということか」
銀色の仮面の下で口角を歪める。
目にあたる部位には半透明のバイザーがあり、その仮面越しには青年の表情は窺えなかった。
シャア「ならば、相手にとって不足なし。貴様を倒して、撤退の準備をさせてもらおう!」
しかし、その声色は不敵に笑う。
シャア・アズナブルは嗤っていた。
シャア「フフフ……がっかりさせないでくれよ。……ん?」
ふと、左肩に刻まれたエンブレムが目に留まった。
シャア「……あの紋章、どこかで?」
ここ数週間の中で、同じようなエンブレムをどこかで見たはずだ。
そう思い、シャアは思考を巡らせる。
シャア「ああ……そうか」
ニイィィッ!
シャア「フフフ、ハハハハッ! 貴様、生きていたか!」
画面上には弾薬切れを示す警告が出ている。
装弾数100発のマシンガンだが、多くのジムと交戦する内に、弾薬数を確認するのを怠っていた。
悪態をつきながらマシンガンを投げ捨て、ビーム・ナギナタを引き抜く。
シャア「是非見せて貰おうか、ジャブローの荒鷲の本領とやらをな」
抜刀し突進してくるガンダムをいなし、腰にマウントしていたシュツルム・ファウストを放つ。
頭部バルカンで撃ち落とされたその爆炎の向こうから、ビーム・ライフルが飛び出してくるのは想定内だった。
ビーム・ナギナタを振り、エネルギーを打ち消す。
シャア「奴とは違って、実に正攻法で戦う。あの時より腕は良くなったかな?」
680 = 1 :
コクピットの中で不気味に笑う男を因縁の相手と、スレッガー・ロウは再度突進した。
スレッガー「い、今っ! 確かにビームを打ち消した。タイミングも完璧だが──あのビーム剣、なんていう出力だ……!」
たじろぎはしたが、ここで戦いをやめるわけにはいかない。
ミカエル、エトゥル、ウォンの命を奪った、赤いモビルスーツを赦すわけにはいかない。
スレッガー「これならどうだい!」
右で振り下ろしたビーム・サーベルとは別に、左手で新たにビーム・サーベルを抜き放ち、逆手で逆袈裟に斬りあげる。
いわば教科書通りな自分の戦い方において、通常なら絶対に選択しない方法だった。
しかし、スレッガーは確信を持っている。
奴を倒すには、尋常では駄目だと。
シャア「なっ……!!」
切り結んだナギナタを強引に前に押しやってガンダムの体勢を崩しにかかるが、ビーム刃はまさに目の前まで迫る。
シャア「ま、まずい!!」
681 :
ま、まずい!
今日はここまで。
682 :
乙
ま、まずい!このままではシャアがしぁあない結果に終わってしまう!
683 :
テッレレレ~テッレ~今は良いのさ~全てを忘れて~
一人残っーたー傷ついた~おれがー後に戻れば~地獄に落ち~る
シャアッ!シャアッ!ビーム輝~くフラッシュバック~に奴の影~
シャアッwwwwww!シャアッwwwwww!シャアッwwwwww! 大佐!邪魔です!
684 = 1 :
>>680 ちょっと訂正。
大筋変わってないけど。
次回の投下は暫く先になります。
スレッガーは呆然とした。
あの赤いモビルスーツは、ビーム・ライフルを打ち消して見せたのだ。
スレッガー「い、今っ! 確かにビームを打ち消した。タイミングも完璧だが──あのビーム剣、なんていう出力だ……!」
たじろぎはしたが、ここで戦いをやめるわけにはいかない。
ミカエル、エトゥル、ウォンの命を奪った、赤いモビルスーツを赦すわけにはいかない。
コクピットの中で不気味に笑う男を因縁の相手と、スレッガー・ロウは再度突進した。
スレッガー「それでも! おりゃああああっ!!」
右手でビーム・サーベルを振りおろしながら、左に構えたシールドを投げ捨てた。
案の定、ビーム・サーベルは受け止められ、新モビルスーツ・ゲルググの膂力で以て押し返されそうになる。
スレッガー「まだまだあっ!!」
右で振り下ろしたビーム・サーベルとは別に、空いた左手で新たにビーム・サーベルを抜き放ち、逆手で逆袈裟に斬りあげる。
いわば教科書通りな自分の戦い方において、通常なら絶対に選択しない方法だった。
しかし、スレッガーは確信を持っている。
奴を倒すには、尋常では駄目だと。
そして、スレッガーは確信した。
獲った、と。
シャア「なっ……!!」
切り結んだナギナタを強引に前に押しやってガンダムの体勢を崩しにかかるが、ビーム刃はまさに目の前まで迫る。
シャア「ま、まずい!!」
685 :
一気に死亡フラグ感が……
686 = 682 :
獲ったとか言うから一気にスレッガーさんが死にそうに……
687 :
面白い
688 :
3週間ほど空けましたが、書き溜めていたわけではないィーーーッ(ジャンピング土下座)
ツールドフランス開幕したし、多少はね?
今日の夜、アズナブルくんとスレッガー中尉の生死を明らかにする為投下予定。
終着点が未だ不透明なので、そこさえまとまれば一気に方を付けます。他に書きたいネタもあったまってきてるし。
というわけで、予告age。
689 :
乙です、楽しみにしてます
久々の日本人0は寂しいけど、マイヨジョーヌが入れ替わるのは楽しい
ボーナスタイム復活は案外正解かも知れん
690 :
GCBでアムレックス使ってたから懐かしい気分になるわ
どうなることやら
691 :
そういえばカードビルダー復活するな
692 :
今日の夜 #とは
ごめんなさい、寝落ちした挙句パソコン調子悪かったので、木曜日に投下します……。
693 :
「うおおおおおおっ!!!!」
694 = 1 :
ガゴンッ!!!
スレッガー「うがああっ!?」
獲ったと思った。
確信を持っていた。
しかし、現実はそうもいかなかった。
ガンダムの機体姿勢が乱れていることをコンピュータが警告する。
姿勢制御バーニアがオートマティックで作動し、警告音が鳴り止むまでスレッガーは茫然としていた。
スレッガー「へ、へへへっ。やってくれるじゃあないの……」
695 = 1 :
バーニィ「はっ……はっ……ぜっ……はあっ……!」
シャア「伍長……!?」
バーニィ「すみません大佐……遅くなりましたっ!」
バーナード・ワイズマン伍長は乗機のドムでガンダムに体当たりを試み、シャアの命を救ってみせた。
シャア「すまない、助かった! だが、ヘルシング大佐へは?」
バーニィ「伝達済みです。バタシャム少尉を捕まえて、引き継ぎました」
シャア「全く……貴様がやり遂げねばならんだろうに」
バーニィ「結果オーライ、でしょ!」
シャア「ふっ……言うようになった。伍長、やれるな!」
バーニィ「はい!」
696 = 1 :
スレッガー「…………まさか、新手が来るとはねえ」
画面に表示されている情報を確認する。
スレッガー「ははっ、エネルギー残量20%ときたか」
スレッガー「ビーム・サーベルを無理に使い過ぎたかしらね、っと……」
水のチューブを取り出し、グッと握る。
漏れ出した液体は球状を保ってコクピット内を漂い始めた。
スレッガー「エア漏れは無さそうだな。……ふうっ」
ヘルメットのバイザーを開けて、深く息を吐く。
それからようやく、ヘルメットを脱ぎ捨ててシートの後ろに押し込んだ。
水を宙に漂わせてエア漏れをチェックするのは、昔からやる験担ぎのようなものだった。
70年前の旧式宇宙戦闘機ならまだしも、新型の機動兵器にエア漏れを告げる警報が搭載されていないわけがない。
スレッガー・ロウは見かけによらず敬虔なキリスト教徒だし、女癖も悪くない。
生まれ育ったアメリカの地は荒れ果てているが、いつかきっとカウボーイ・スタイルで草原を疾走できる日が戻ると信じてやまない懐古主義者であった。
命の危機に置かれると、それが危機的であればあるほど思考はクリアに近づいていく。
すると、自然と頭の中は哲学に満たされていくのだ。
たとえば、スレッガーは女を口説く時に決まったような文句しか吐けない男が嫌いだ。
それは自分でも知らぬ内に戦闘を放棄している気がしてならない。
いつだって諦めず、思考を動かし続け、常識を超える必要があるのだと考えている。
スレッガー「なーんて、どうでもいいこと考えちゃったりして」
へへへ、と力無く笑い、操縦桿を握りなおした。
スレッガー「いけねえよなあ。やりづらくってさ!」
ブースターを蒸かし、ムサイ級軽巡洋艦の残骸に姿を隠す。
水を飲んで、スレッガーは隊員の顔を思い浮かべた。
スレッガー「……カイ軍曹にはあんなコト言ったけどよお。……これ、仇(あだ)討ちなのよね!」
697 = 1 :
──先刻
──グラーフ・ツェッペリン艦橋
ヘルシング「ん? おい、あのドムは誰のだ」
マリガン「バタシャムです! 光信号です!」
ヘルシング「何て言ってる!」
マリガン「シャアタイサヨリ、テッタイシジ……撤退?」
ヘルシング「シャアから撤退指示? ……潮時かな」
マリガン「ですね。ソロモンもあわただしくなってきました。おそらく我々にここをキープさせて、全体の撤退を支援させる腹かと」
ヘルシング「そりゃあ吝かではないがねえ、コンスコン少将……。よし、撤退用意始め!」
マリガン「全艦、撤退用意! 僚艦には光信号で伝えい!」
オペレーター「は!」
ヘルシング「シャア隊を拾えばさっさとトンズラするぞ!」
マリガン「了解!」
ララァ(……シャア……。無事で……)
698 = 1 :
【次回予告】
シャアと互角に戦ってみせるスレッガー・ロウ。
しかし、助太刀に入った若きエースと共に、シャアは勢いを取り戻す。
再び窮地に陥ったスレッガーに、勝利の女神は微笑むのか。
機動戦士ガンダム、次回、『ソロモンの荒鷲』
君は、生き延びることができるか?
699 :
かっけえ
700 :
はい。
ようやく区切りがつきました。
次回でスレッガーさんが[ピー]ます!
次回投下ハ未定ナレド、我投下ノ意志アリ。
ドウゾヨロシク。
>>689
ジーロもそうだったんですが、ツールも初観戦なんですよね。
こっちが遅くなりすぎないようにだけ気をつけますので、どうぞ引き続きよろしく。
>>690
カードビルダーとやらは全く触ったことありませんが、アレックスをより一層愛してあげてくださいね!
みんなの評価 : ☆
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