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    元スレ祥鳳「ここは、はずれの鎮守府ですから・・・」

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    451 = 1 :

    提督「……ふぅ」

     夜。広い風呂で手足を伸ばしてゆっくりするのは至福の一言に尽きる極上の瞬間の一つだ。疲れが全身の毛穴から吸い出されていくような錯覚にしばし浸る。
     今日も午前は座学で教鞭をとり、午後は実技で航行練習だ。風邪を治して復帰した加古は相変わらずまともに航行できないが、あの暴走の一件以来何か掴んだのか浮かぶだけならもうよろけたり力んだりすることはなくなったし、全員航法の基礎はだいぶ定着してきた。来週には戦闘訓練に移っても問題はなさそうだ。

    提督「やれやれ、やることは山積みかぁ……」

     改めて自分のやっている事の大変さを自覚する。これは本来提督の仕事ではなく、ゆえに今まで士官学校で学んできたことのほとんどはあまり役に立たない。艦娘とは提督の元についた時にはすでに戦い方を覚えているのが常識なのだから、当然といえば当然である。
     練度が低いだけの駆逐艦たちはともかく、そうもいかないのもいる。実戦に出したらたちどころにやられてしまうに違いな、そんな危なっかしい艦娘達だ、ここが辺境の敵が来ない海域で本当に良かった。
     何とはなしに上を向く。少し高い天井と、隣の女湯との仕切りが見えた。屋根付近は仕切りがないので向こうでにぎやかに入浴を楽しむ艦娘達の声が聞こえてくる。みな元気なようで一安心。

    提督「さて、と……うっ」

     湯船を出ようと立ちあがったところで立ちくらみが来た。風呂上り特有のものだろうか、しばらくするとおさまり、問題なく平衡感覚が戻ってくる。

    提督「いかんいかん、これでこけたらえらい目にあう」

     つるっと滑って前にこけ、そのままモノが床と体に挟まって死にかけたというトラウマモノの記憶が思わず背筋を冷やした。

    提督「まったく、目の覚める話だな……」

     脱衣所に出て体をふき、寝巻代わりの運動着を着て外へ出る。これもあまり数が無いので着回しが大変だ。そういえば艦娘たちはそのあたりをどうしているんだろうか。そこも考えないと……

    提督「あ、そうだ、あれもたのま、ない…と……」

     ふっ、と。
     唐突に意識が遠のく。あ、マズイと思った時にはもう体は倒れ伏していた。とっさに手が出たので体や頭が打ち付けられることはなかったが、それ以上体が動く気配はない。
     これは、どうしたものか……少し、がんばり過ぎ、た、か……

    ??「あれ、提督? 提督!?」

     誰かが呼んでいる気がするが、もう提督にはそれが誰だか分らなかった。

    ―――――
    ―――

    452 = 1 :

     本日は以上とさせていただきたく。この辺筆が乗ってたのでかなりスピードあげた書いたため、誤字脱字やらが心配です……確認しろというこの

     育成したい艦が多くて困りますなぁ。とりあえず蒼龍飛龍改二を目指しつつサブ育成にここでの登場艦娘を育てていくことにします。しかし、鬼怒が捕まらない。うむぅ、これ書こうと思うずいぶん前に図鑑登録できたので満足して改装に回して以来、出てこないんですよねぇ

     次回は明日の夜になる予定です。このあたり一気に書いたんで連日投下もできますよ! ではまた……

    453 :


    おにおこはイベント海域以外でドロップ狙うと面倒くさい場所しかないから
    デイリー建造でちまちま狙うのがいいかもね

    454 :

    Lv.100超えてるけど一回しか出たことないなぁ

    455 :


    最初の建造で来てくれたのが鬼怒だったなあそういや

    456 :


    阿武隈 鬼怒って演習でも見たことないや

    458 :

    ヤダッ

    459 :

    乙です
    次回の更新は提督が目を覚ますとそこに誰がいるのか楽しみだな

    460 :

     どうも、鬼怒狙いでレア艦レシピ回しました、阿武隈でした……お前じゃないんだよ……>>1です。艦の狙い撃ちは難しい、はっきりわかんだね。

     今夜も少し投下していきましょう。と言っても大した展開にはなりませんが

    461 = 1 :

    提督「……ん、おぉ?」

     次に感じたのは柔らかな布の感触だった。察するに布団に寝かされているようだ。若干カビ臭いこの布団は、多分いつもの自分が使っているあの布団だ。ということはここは宿直室だろうか……

    祥鳳「あ、気がつきましたか?」

     声を聞いて首を横へ向けると、祥鳳が安心したような顔でこちらを見ていた。

    提督「祥鳳……俺は?」

    祥鳳「過労だそうです。最近、全然寝てなかったんじゃないか、とは主任妖精さんの談ですが?」

    提督「それは……正直すまん」

     このところ連日の授業のために寝不足の日が続いていた。加えて授業のために前に立ち、海に出てしていれば疲れはおのずとたまるという物だ。

    祥鳳「ホントですよ」

    提督「う……そ、それで俺はどれだけ寝ていたんだ?」

    祥鳳「そうですね……ざっと、12時間くらいですか」

     頭の中で計算する。風呂に入ったのが18時だったから、今はもう朝の6時ということになる。

    提督「まさか、ずっとここに?」

    祥鳳「秘書艦ですから、当然です」

    462 = 1 :

    提督「そんな無理をするなと」

    祥鳳「言えた義理ですか?」ニッコリ

     笑顔で言う祥鳳は少し怖い。心なしか言葉の端々にとげを感じる。恐る恐る、聞いてみた

    提督「……怒ってる?」

    祥鳳「はい、それはもう」

     きっぱりとした返事が返ってきて思わず肩をすくめる。

    祥鳳「……ですけど、もっと怒りたそうな人がいるので私は我慢します」

    提督「え、それはどういう……」

     聞こうとしたところで、部屋の扉が控えめにノックされた。

    祥鳳「ふふ、来ましたね。どうぞ」

    初霜「あの、失礼します……あ」

     静かに扉を開いて入ってきた初霜は、目を開いて自分の方を見ている提督を見つけてしばしかたまり、

    初霜「あ……提督……!」

     じわっと、目に涙をためて駆け寄り、

    初霜「て、提督ー!」

     そのまま飛び込んできた。

    463 = 1 :

    提督「ごふぁっ!?」

     小柄とはいえ人一人だ、思いっきり腹に体重が掛かってまた意識が飛びかける。

    提督「は、はつし、も……か?」

    初霜「もう、提督のバカバカバカバカバカバカバカバカバカぁああああ!」

    提督「お"ぅっ!?」

     普段の初霜からは考えられない様子に面喰う提督。初霜はそんな提督にかまうことなく両こぶしでポカポカと力なく提督をたたく。

    初霜「人を助けても自分が無事じゃなきゃ意味無いって、自分で言ったんじゃないですかぁ!」

    提督「あ……」

     それも、つい数時間前だ。

    初霜「なのに、なのにっ、じっ、自分がぁ……じっせんできでな"ぐでぇ……ひっく、ふえええええ……!」

     泣きじゃくりながら、両手の動きは次第に小さくなっていく。布団越しでは全く痛くないが、芯に響く痛みが体に抜けて来る。

    初霜「ひっく、お、お風呂がら出て、提督、たっ、倒れ"ででぇ……す、ずっごくじんばいじたんですがらぁああああああああ!」

    464 = 1 :

    提督「そうか、君が助けてくれたんだな」

     最後に聞いたのは初霜の声だったらしい。

    祥鳳「初霜さんの声を聞いて出てきた時、提督を必死に担いで、どこに連れて行けば分からないのにとにかく助けないと、って、もう泣きそうになりながら、でも泣かずにがんばってたんですよ?」

    提督「……そうか」

     申し訳なさとばつの悪さで今すぐ消え入りたい気分だ。偉そうなことを散々言っておいてこの様、恥ずかしいことこの上ない。取りすがって泣く初霜に声の一つかけられそうもなかった。が、

    祥鳳「……提督」

     祥鳳が頷くので、提督は初霜に手を伸ばした。

    提督「初霜、ありがとうな」

    初霜「でーどぐぅ……」

     よく寝たおかげか体は軽く、むしろ良好だった。だから上半身を起こして、くしゃくしゃになった顔を向ける初霜の頭をなでて言う。

    提督「ごめんな、心配掛けた」

    初霜「っ! うわあああああああああああ!」

     かじりつかん勢いで飛びついて来た初霜を今度こそ受け止めて、頭をなでてやった。彼女の泣き声が、自分の中でとことん叩いてくるのを甘んじて受け止めて、泣きやむまでずっとそうしていた。

    465 = 1 :

     そして、泣きやむ頃には、泣き疲れたのかそのまま眠ってしまった。

    提督「……やれやれ」

    祥鳳「あなたがいえた口ですか?」

    提督「い、いや、自分がだよ、自分が!」

     ジト目にあわてる提督に、祥鳳はくすりと笑って

    祥鳳「ふふ、冗談です。十分に反省してくださいね」

    提督「うん、すまん……この調子じゃ、今日明日は授業何かさせてもらえそうにないな」

    祥鳳「あたりまえです」

     語調も強くぴしゃりと却下されて思わずへこむ。

    提督「ぬぅ……と、とにかく初霜を寝かさないとな」

     ぎゅっと提督の服を握った初霜を離そうとしたが、

    提督「ん、これは」

    初霜「ゃ、やぁ……」

     離そうとすればするほど強く握って離す気配はない。これには困ったように頭を掻くしかない提督だ。

    祥鳳「ふふ、起きるまで初霜さんのこと、よろしくお願いしますね」

    提督「はぁ……罰だと思って甘んじてうけよう」

     幸いあまり暑くない季節だ、くっついていてもあまり差支えはないし、どうせ今日は布団の上から動かしてもらえそうにもないのだからと頷いた。が、

    466 = 1 :

    提督「あ、でもトイレ……」

    祥鳳「…………」

    提督「…………」

    祥鳳「……がんばってくださいね?」

    提督「あ、こら祥鳳! 待て! おい、おいていくなぁ! あ、言っている間に尿意が……尿意がぁ!!」

    初霜「んぅ……てぇとくぅ……」

     大騒ぎする提督をよそに、初霜は幸せそうな寝顔でギュッと提督を離そうとしなかった。
     その後、尿意をこらえる提督と幸せそうな初霜を見てそのギャップで見舞いに来た艦娘達が笑い転げ、のちにそれを聞かされた初霜が真っ赤になるのも、さらにその後、我慢しすぎて別の意味で体を壊しかけ、初霜が提督に泣きながら謝り倒すことになるのも、それらはまた別の話である。

    ―――――
    ―――

    467 = 1 :

     本日は以上とさせていただきたく。取りすがって泣きじゃくる初霜なでなでしたいんじゃ~(^ω^)

     初霜って戦歴だけ見たら立派な主人公ですよね。何ともレスキュー魂燃えたぎるセリフがカッコイイですよねー……なんでこんなに地味なんだorz

     さて次回の投下は明日の夜ですかね。皆様も隊長にお気を付け下さいね。当方、秋の花粉症で目がアレな事になっておりますが、元気ですww ではまた……

    468 :

    初期艦じゃなく改二が無くてレアでもない駆逐艦は基本そう

    469 :

    投下乙です…

    隊長に気をつける…陸軍かな?

    470 :

    おもらししそうな提督マダー

    471 :

    男なんだし腹を思いっきり殴られん限り大丈夫だろ。
    そのうち尿意も無くなるしな

    472 :


    最近飲んだくれの工廠妖精が(圭)に思えてきた

    473 :

    >>459
    君には失望したよ、、

    474 :

    ワタシッ?

    475 :

    所で風呂場で倒れて気付いたら布団って、今提督はどんな恰好なんですかねぇ?
    そして誰が風邪ひかないように身体を拭いたんですかねぇ?(ゲス顔)

    477 :

    >>451を読めば分かるが倒れる前にちゃんと服着てる(マジレス)

    478 :

    更に言うと外出てからぶったおれてる

    479 :

    そんなロマンの無いこと言うなよ!
    私は提督の裸が見たいです(錯乱)

    480 = 475 :

    >>477
    oh……どうやら俺は節穴の文盲だったようだ

    481 = 474 :

    提督は文字が読めないからな

    482 :

     どうも、提督の裸人気に驚きを隠せない>>1です。そんなに……提督の裸を見たいのか……あと>>472宇宙最強のエンジニアは石村にお帰り下さい、攻具(誤字ではない)で深海棲艦を切り刻む様とか見たくないですww

     本日も少し投下していきましょう

    483 = 1 :

    提督「ん、朝か……」

     提督が倒れた次の日。目が覚めたのは、いつもの癖で長良の早朝ランニングの時間だ。とはいえ昨日の今日だ、走りに出れば可愛い鬼が捕まえに来るだろう。また泣きじゃくられても困るので、今日もおとなしくしておくことにした。

    提督「…………」

     コチコチコチコチ…――
     古い時計が時間を刻む音だけが宿直室に響く。静かすぎて耳鳴りがしてきそうだ、いやそんなことより、

    提督「眠れん」

     布団をのけて上体を起こした。昨日はそれなりに大騒ぎだったがほとんど布団の上だったため、全く眠たくない。しかも提督は体内時計がはっきりしている方なので、一度起きると満腹になるか夜になるまで基本的に眠たくならないから余計だ。

    提督「……本を読むくらいは、構わないよな……」

     誰に言い訳しているかはともかく、提督は布団を抜け出すと制服に着替えて適度に着崩し、宿直室に持ち込んだ資料に目を通し始めた。が、

    提督「……なんだろう、頭に入らん」

     すぐに閉じてしまった。今日は調子が悪いらしく集中力も持たない。なんとも面倒な調子だ、提督は思わずげんなりする。しかし起きているのはせいぜい長良くらいだろうが、ランニングの邪魔をするのもよくないから声をかけに行くのも気が引ける。

    提督「あ"ー、暇だぁー」

     私物は最低限しか持ち込んでいないので、暇をつぶせる娯楽もこれと言ってない。
     こうなったら怒られるのを覚悟で外に出るしかないのか……

    484 = 1 :

    提督「流石に寝たきりじゃ逆に疲れるもんな、うん。それにちゃんと適度に運動しなくちゃ、うん、適度な運動……」

     少々多すぎる独り言を残して提督はこっそり宿直室を後にする。左右を確認、艦娘の姿も気配もない。そっと胸をなでおろして廊下を静かに進んだ。
     とりあえず校舎の外は長良に見つかるかもしれないので校舎内と中庭くらいしか行く場所がない。隙を見れば工廠にくらいは行けるだろうが、あの妖精はいつ起きてるのかもよくわからない。

    提督「さて、どうしたものか……」

     と、行き先を悩んでいると、どこからともなくいいにおいが漂ってきた。これは鬼怒と名取が作る朝食のにおいだろうか。
     ひょっとしたらあの二人なら抜け出しても怒らないかもしれない、少し行ってみることにした。

    ―――――
    ―――


    鬼怒「ふぅ、さて次は……」

    提督「おや、名取はいないのか?」

    鬼怒「うひゃあ!?」

     提督が食堂につくと、厨房に立っていたのは鬼怒だけだった。声をかけると鬼怒はいつぞやのように肩をすくませて驚く。

    鬼怒「もー、提督! いきなり声掛けちゃ危ないでしょ!」

    提督「ははは、すまんすまん」

    鬼怒「まったく……って、提督起きてていいんですか?」

    485 = 1 :

    提督「目が覚めてしまってな。それに動かないと体が痛くなってしまう」

    鬼怒「ははっ、分かる気がします」

    提督「まぁ、適度な運動も必要ということで……」

    鬼怒「ふふふ、初霜ちゃんには黙っとくよ」

    提督「助かる……それで、名取はどこへ?」

    鬼怒「あー、それが何だか寝坊しちゃってるみたいで……起こしてみたんだけど起きなくって」

    提督「ふむ……」

     やはり日々の訓練が響いているのかもしれない。例の件は早く進めておいた方がいいかもしれない。

    提督「それじゃあ、今日は私が手伝おう」

    鬼怒「え?」

     やることが多かったとかそういうのを言い訳に対応が遅れたのは自分の落ち度だ。たとえ彼女の寝坊がそのせいではないとしても、今は彼女を手伝いたいような気分だった。

    鬼怒「で、できるの……料理?」

    提督「鬼怒のような味付けは難しいが、少なくとも具材を切ったり火加減を調節するくらいは出来るさ……それで足手まといと言われたら大人しく引き下がるが」

    鬼怒「……それじゃ、お願いしちゃおっかな!」

     にかっと笑う彼女に少し救われたような気がして、少しほっとする提督だ。初霜にしても鬼怒にしても、彼女たちを助けているようで助けられているのは自分なのかもしれないと、そんなふうに感じる。

    486 = 1 :

    提督「何でも言ってくれ、厨房の中じゃ私は君の下になるからな」

    鬼怒「もうっ、何言ってるのかなこの人は」

     けらけら笑って厨房へ引っ込む鬼怒を追って提督も中へ入って行った。外から見た通り、中はきちんと整理と掃除が行きとどいて綺麗なものだ。しかし二人で使うには少し広そうだ。

    提督「で、私は何をすればいいかな?」

    鬼怒「そうですねぇ、それじゃあみそ汁に入れる大根を短冊切りにしてほしいな」

    提督「短冊切り……ああ、分かった」

     しっかり手を洗って消毒し、まな板の前に立つ。木製のまな板はよく使いこまれてはいるがその分手入れが丁寧らしく、綺麗なものだ。
     大根を置いて包丁を手に取った。4cm程度の輪切りにして皮を剥いていく。悪くない手ごたえだ。

    鬼怒「はえー、うまいもんだねぇ」

    提督「まぁ、これくらいはな」

     断面から包丁を入れて、今度は5mmくらいの間隔で切ると長方形になる。それを重ねてまた5mmくらいの間隔で切っていけば短冊切りの完成だ。

    提督「よし」

    鬼怒「おまけに手早い……これは驚いたなぁ」

     感心する鬼怒に見守られながら、さっさか作業をこなす提督。すると鬼怒の方を向きつつ、

    提督「手伝っているのにそっちの手が止まってはあまり意味はなさそうなんだが?」

    鬼怒「おっと! いけないいけない」

    487 = 1 :

     うっかりしてたとばかりに鍋の前に戻る鬼怒。だしを入れた鍋に味噌を溶かしているらしい、空腹をくすぐるにおいが届いてくる。

    提督「これは楽しみだな」

    鬼怒「えへへっ、慣れてますから」

     面映ゆそうにしつつおどけてみせる鬼怒はその傍らで薄揚げをザクザクと切って鍋に入れている。薄揚げと大根の味噌汁。想像するだけで胃が騒ぎ出すようだ。

    提督「鬼怒は、料理が好きなのか?」

    鬼怒「うーん、たぶんね。戦ったりするよりは好きかも。あ、でも体動かすのはもっと好きだよ!」

    提督「鬼怒は元気だな。毎日訓練とかもあるのに大変だろう」

     尋ねる提督に、鬼怒は苦笑しながら答えた。

    鬼怒「でも、私らがやんなきゃ皆が困っちゃうしさ、だから頑張んないとなー、って」

    提督「そうか……辛くないか?」

    鬼怒「好きなことやって疲れるのは苦じゃないかなぁ……でも、やっぱたまにシンドイと思うときはあるよ、誰か代わってくれー、って」

     みんな手伝ってくれたりするけどね、と付け足すも、大変なことには変わりないらしい。
     やはり、やるべきなんだろう。

    提督「そうか、わかった。少し何か考えてみるよ」

     大根をさしだしつつ提督は頷いた。

    488 = 1 :

    提督「その内戦闘訓練もするし、座学も実技に変わる日だってくる。そうなると今のようにいかないこともあるだろうから」

    鬼怒「え、でも……どうするの?」

     受け取って形を確かめつつ、鬼怒は首をかしげる。

    鬼怒「ここ、人材派遣一番後回しって言うか、基本的に人来ないじゃん」

    提督「まぁ、どうにかしてみるさ」

     さっとお玉を取ってみそ汁を一掬いしてつまみ食い。うん、今日も美味しい。

    鬼怒「あー! 提督ったらもー!」

    提督「はは、まぁ、手伝った報酬と言うことで」

    鬼怒「んもー、タダでやってくれるんじゃないのー?」

    提督「一言もタダでとは言ってないぞ、と……さて、次はどうすればいい」

    鬼怒「調子いいんだから……」

     膨れてみせる鬼怒だが、笑って次の指示を出した。
     楽しんで、それを自分の仕事だと言い張る彼女には少し失礼なのかもしれないが、やはり負担は減らさねばならない。ひょっとしたら怒られるかもしれないが、やはりやらねばならないと心に決める提督だった。

    名取「すみませぇえん! おくれましたぁ!」

     やがて寝癖もそのままに慌てて名取が厨房に飛び込んでくる頃には、

    489 = 1 :

    提督「おう、おはよう」

    鬼怒「もうできてるよー」

    名取「ふぇえ!? て、提督!?」

     きちんとした朝食が完成していた。食堂にはもう食欲の湧く匂いで一杯になっている。

    提督「ほら、寝癖がすごいぞ」

    名取「へ? ふわあああ!?」

    鬼怒「ほら、暖かいぬれタオル」

     鬼怒がパタパタと駆けていってタオルを掛けてやる。熱かったらしい、名取がもがいている。何とも言えない光景だ。笑いそうになるのを必死にこらえていると、

    初霜『てーとくー!?』

    提督「やべッ!?」

    名取・鬼怒(提督でもそういう言葉使うんだ)

     初霜の声が聞こえてきた。目が覚めて真っ先に自分を確認しに行ったらしい彼女の必死なというか最早怒号のような声が聞こえてくる。しまった、長居し過ぎた。

    鬼怒「て、提督……」

    提督「あ、あははは……怒られてくるわ」

     その後、正座でたっぷりお説教をされたという。すっかり縮こまっていた提督だった。

    490 = 1 :

     本日は以上とさせていただきたく。泣く子と地頭には勝てぬとはよく言ったものです。でも、この艦娘に怒られる提督という光景が見られるようになったのは、>>1的にはいいことだと考えるのです。しかし今回、結構な量になったなぁ

     あと飛龍改二になりました。カッコイイけど、せっかくの改二なのにボイスの追加が一切なしとはこれいかに……正規空母って何気に扱い悪いですよね? キャラソンまで出した赤城と翔鶴も未だ何もなしですもんね。まぁ、イベントボイスはありましたが、それでもこう、せめて補給ボイスくらいはほしいですよね、飛龍改二

     書き溜めはもう切れましたので、次回の更新はたぶん明後日でしょう。筆が走れば明日になるかもですね。ではまた……

    491 :

    乙です

    個人的な予想ですが、声帯の妖精さんがすみぺな他の娘(吹雪とか)が改二になったりしたらそのタイミングでボイスが増えるんでは無いかと…

    494 :

    乙 これは間宮さんか大鯨さん登場な予感

    そーいえば夏イベで赤城加賀の改2こなかったな

    495 :

     どうも、書き溜め難航中です、>>1です。どうにもうまく展開がつながらない。物語的には些細な事なので全体が崩壊するようなことは無いのですが、こう、次の場面に移るにあたっての繋ぎが難しいというか……ぐぬぬ。

     今日は小ネタ一個投下してお茶を濁します……申し訳ない。あと、もうすぐ500行きますね。ここまで一つの話を続けたのは割と初めてなので新鮮な気分です。せっかくなのでまた小ネタを募集したいと思います。
     いつ投下するかは>>1の気まぐれですが、それでも読みたい小ネタがあれば>>500くらいまで受け付けます。条件は以前と同じで結構です。

     次回の投下は、少し空いて来週の初めごろですね。火曜日になる予定です。では、子日、提督観察の日をどうぞ……

    496 = 495 :

    子日、提督観察の日3

    ~訓練中~

    提督「よし、今日は隊列を組んでみよう」

     午後の訓練。古鷹おねえちゃんとか初春ちゃんが出ていて、今は見学の日。今は隊列を組む練習中だ。単縦陣から単横陣、輪形陣……みたいに隊列を組み直したり変えたりする練習なんだよ。

    提督「旗艦古鷹として、単縦陣!」

     さーっと、打ち合わせた艦順に一列になる。とっても速い! 提督も頷いて次の指示を出す。

    提督「次、単横陣!」

     すぐに反応して動く。初春ちゃんがんばれ!

    提督「輪形陣へ」

     出た輪形陣! 配置が複雑で難しいんだよーぅ!
     だから、少しもたついちゃった。ふらふらしたりぶつかったりしそうでちょっとヒヤヒヤしちゃう。
     でも、それは提督も一緒みたい。ぶつかりそうになったりするたびに、提督の右手がぴくりぴくりって震えちゃってるの! ちょっと可愛い!

    提督「続いて複縦陣から梯形陣へ!」

     最後に少し難しい意地悪な指示を出すのがいつもの提督だ。今日もなんだか難しいことを言っている。

    古鷹「複縦から、梯形……」

    初春「お、おお?」

    由良「あ、あれ、えっとうわわ!」

    初霜「わわわわわわあああああ!?」

     もつれにもつれて、あーあ、倒れちゃった……子日、ちょっと心配の日……

    提督「……またやっちまった……」

    子日「んん?」

     ぼそって、なんか提督が言ったのが聞こえた。子日、可愛いだけじゃなくって耳もいいんだよ? 意地悪なのはついやっちゃうのかな?

    提督「大丈夫か? 自力じゃなくてもいいから帰ってこい」

     でも誰も気づかない。やっぱり提督は心配性だ。

    その4・提督は意地悪だけど心配性

    名取(なんなんだろう、あのメモ……)

    ―――――
    ―――

    497 :


    小ネタは以前の濡れすけ事件で男性を意識するようになった加古の変化でお願いします

    498 :

    乙です
    普段料理を作ってる二人のために提督がお菓子を作る

    小ネタのリクエストはコレでお願いします

    499 :

    乙っぽい
    小ネタは古鷹との休日で

    500 :

    乙です
    しばらく来れなかったらリクで出した観察の日がシリーズ化していて驚いた
    多謝


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