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    元スレ提督「強くて・・・ニューゲーム?」

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    901 :

    川内「例えば、片方は守りに優れた艦娘。もう片方は攻めに優れた艦娘。二つを合わせたらどうなると思う?」

    龍驤「……攻めと守り、両方に優れる?」

    川内「単純に考えればそうなるわね。厳密に考えなければ近代化改装はそういう方法で艦娘を強くする認識であっているわ」

    瑞鳳「じゃあ、お互いのいいところを合わせる事が出来て万々歳って事?」

    川内「本当にそう思う?」

    吹雪「ち、ちょっとまってください!二人の艦娘を合わせたらって……それって、片方しか残らないんじゃ?」

    川内「その通りよ。片方がベースとなって、もう片方はその強化の礎となる。勿論礎となった艦娘は犠牲となる」

    吹雪「そん、な……」

    龍驤「でも、それじゃあ鎮守府中に出回らない技術になる訳やで。ウチも全然聞いた事なかったし」

    川内「それだけじゃないわ。近代化改修を行う事自体にもかなりのリスクが存在するの」

    北上「なに、ほかにも問題があるの?」

    川内「命を犠牲に強さを移してはいおしまい、なんて都合よくはいかないのよ」

    川内「いい、ベースとなった艦娘に引き継がれるものはピンポイントで長所なんて事は出来ないのよ」

    川内「大体は長所をある程度引き継ぐ事が出来るわ。けど、艦娘がどのようにして生まれるか、忘れてはいないわよね?」

    吹雪「はい、確か艦の魂を受け継ぐ適正を持った女性だけが、訓練を受けて艦娘となる事が出来るんですよね?」

    川内「そう、適性を持った女性。つまり私達が訓練を受けた末に専用の調整を受けて、それでようやく艦娘として戦う事が出来る」

    川内「じゃあ、ベースとなる艦娘が礎となる艦の適正を備えていなかったらどうなる?」

    瑞鳳「え……っと?」

    902 = 1 :

    吹雪「適正の無い艦用の調整を受けた人は魂の齟齬が生じて、やがて死んでしまうと聞いた事がありますけど……まさか!?」

    川内「そう、最初は駆逐艦の適正を備えた艦娘に戦艦の火力と装甲を近代化改修で移植しようとした実験があったの」

    川内「けれど、その娘は戦艦の適正を持っていなかった。段々と魂の齟齬が生じて精神にも異常が現れた」

    川内「段々と人らしい事も出来なくなって、最期には廃棄処分になったわ……その娘の提督は上層部に殴り込んで返り討ち。行方は分かっていないわ」

    瑞鳳「そんなの、ひどすぎませんか!?あんまりよ……可哀想すぎる」

    川内「けど、それだけで近代化改修計画は終わらなかった。次は魂ごと移植する実験が行われたわ」

    龍驤「魂ごと!?正気なんかそれ!?」

    川内「魂に適正がないなら、適正がある魂ごと移植すればいいと仮説が出たのよ。勿論それは実行に移された」

    川内「実験台として選ばれたのは100隻の艦娘。それぞれがベースとなって様々な艦娘から魂ごと移植を受けたわ」

    川内「結果としては移植そのものは成功。1隻目の近代化改修を終えた時点では、90隻の実験台が移植に成功していたわ」

    川内「残りの10隻は齟齬を起こして廃棄。けど、すぐにまた問題が起きた」

    川内「一つの身体に魂ごとの移植。元の人物はたまったもんじゃない」

    川内「改装を終えてから2日後、1隻の艦娘の性格が一変したわ。元々おとなしかった艦娘がいきなり荒々しくなったの」

    川内「その性格は犠牲となった艦娘そのもの。けど、少しして元に戻った……と思えば発狂。齟齬が生じて廃棄処分」

    川内「何が起きたと思う?」

    903 = 1 :

    吹雪「え、えっと……多重人格ですか?」

    瑞鳳「それは違うと思うけど……」

    北上「………」

    龍驤「まさか、一つの身体を二つの魂が取り合った結果齟齬が生じるようになったとか?」

    川内「正解。魂同士の干渉の結果齟齬が生じて、使い物にならなくなったのよ」

    川内「当事者は近代化改修で移植された魂と上手く折り合いをつけるなり、ねじ伏せるなりしなければすぐに崩壊してしまう」

    川内「ほぼ毎時、頭に直接、犠牲となった艦娘の魂が話しかけてくるのよ。しかも周りからは幻聴としか思われていない」

    川内「二つの魂が反発しあえば、それだけ齟齬が生じる。それだけのリスクが存在する」

    川内「それでも、上層部は更なる改修を行ったわ。実験台を更に強くしようと」

    川内「近代化改修をすればする程、犠牲になる艦娘、自分の中に入ってくる魂は増える」

    川内「一つ魂が入り込んだだけで廃棄となる可能性があるのに、次から次へと別の魂が入り込んで来たらどうなると思う?」

    龍驤「そ、そんなの……耐えられる訳ないやん」

    川内「結果からいえば生存者は6%にまで落ちたわ。重なる近代化改修の結果、94隻の艦娘は廃棄処分となった」

    904 = 1 :

    吹雪「ってちょっと待ってください!元帥直属部隊ってもしかして……」

    「えぇ、私達は近代化改修を耐え抜いた結果、今の強さを持っています。この中に数え切れない犠牲を抱えて」

    瑞鳳「そ、それって……大丈夫、なんですか?」

    川内「大丈夫な訳ないわ。私だって生きているのが不思議な位だもの」

    川内「そんな悲惨な実験を行っていた事を元帥が知って、実験を行っていた施設を閉鎖させて私達を拾ってくれたの」

    川内「私達が今こうしていられるのは、元帥のおかげなのよ」

    龍驤「拾ってくれたって、ちょい待ち!元帥の指示で近代化改修の実験を行っていたんとちゃうんか!?」

    「それは違うわ。指示していたのは当時の大将の一人で、その時元帥には新戦力作成の訓練としか伝えられていなかったの」

    川内「その時の大将は……黒提督」

    北上「!!」

    905 = 1 :

    「彼はその地位を利用して実験の隠蔽を目論んでいた。……けど、実験が元帥に知られて彼は謹慎処分、後に鎮守府の提督にまで地位を落としたわ」

    龍驤「あいつ、そんな前からやばい事やっとったんか……もう呆れて何も言えんわ」

    「黒提督の事を知っているのですか?」

    北上「知ってるもなにも、あたしの元上司。あんな糞提督二度と表に出てこなければいいと思ってる」

    川内「そう……苦労したのね」

    吹雪「その……その事件が明るみに出て、実験は取りやめになったんですよね?」

    川内「そうよ。実験が取りやめになって、生き残っていた私達は行く宛がなくなったの」

    川内「それを見かねた元帥が拾ってくれて、今の部隊を作ってくれたのよ」

    川内「その後、近代化改修技術は封印されて二度と使われる事はなかった……これが、近代化改修よ」

    吹雪「近代化改修にそんな秘密が隠されていたんですね……あれ?でも元帥直属部隊って5隻だと私は教わりましたけど」

    川内「その内の1隻は一つの部隊で堅苦しくやっているよりやりたい事があると言って、諜報部隊に異動したわ」

    瑞鳳「異動したんですか!?元帥直属部隊を降りて!?」

    「そうよ。あの娘も根がいい人だから、近代化改修技術みたいに裏で非道な事がこそこそ行われているのが許せないと言ってね」

    「元帥直属部隊も、元々私達の居場所として用意された場所に過ぎなかったの。だから、異動に関して元帥は反対しなかったわ」

    川内「それどころか自分の気持ちを優先しなさいって保護者が娘を送り出すような感じで異動しちゃったのよ。青葉って艦娘よ」

    吹雪「えぇ!?あの人元帥直属部隊だったんですか!?」

    龍驤「いや、そんな驚く事やないで。あれだったら元帥直属部隊所属してた言うても普通に信じるレベルやし」

    川内「とにかく、そういう事だから近代化改修はNG。私達並に強くなるのは不可能よ」

    瑞鳳「そうですか……はぁ、やっぱり強さには相応の理由があるんですね」

    北上「………」




    天龍「おい、吹雪達はいるか!?」バンッ

    906 :

    発砲すんな

    907 = 1 :

    吹雪「天龍さん!?一体どうしたんですか」

    北上「随分息切らしてるけど、何かあったの?」

    天龍「何かあったから……急いで来たんだろうが」ゼェ…ゼェ

    龍驤「まぁまぁとにかく落ち着き。一体どうしたん?」

    天龍「か、確認するけど……こっちに響と提督は来てないか?」

    吹雪「いえ、来てませんけど」

    天龍「まじかよ……くそっ!!」



    田舎提督「騒がしいと思ってきてみたら、一体何の騒ぎだい?」


    吹雪「あ、田舎提督さん」

    天龍「丁度よかった。つっても全員集める暇もねぇから今ここで言うぞ」







    天龍「俺達の鎮守府が、壊滅していた」

    908 = 1 :

    一旦ここまで!
    発泡じゃないですドア開いた音です(´・ω・`)
    重荷が下りた後だと爽快に書ける不思議

    909 :



    帰ってきてもらえて嬉しい

    楽しみにしてるぜ

    910 :

    -鎮守府跡地-




    龍驤「なんや……これ」

    瑞鳳「鎮守府の原型が……ほとんど、残ってない」

    陸奥「一体、何が起きたっていうの?」

    天龍「俺達が作戦に出ている間に襲撃されたんだろ。あいつら、やってくれるぜ」

    北上「ねぇ天龍、そっちは全員無事だったの?」

    天龍「あぁ、こっちは苦戦こそしたけどかろうじて死傷者は0だ」

    北上「そっか……」

    天龍「そっちもかなり激しい戦いだったみたいだな」

    北上「うん、重軽傷多数。他の艦隊の艦娘だけど、轟沈した艦娘もいたよ」

    天龍「……そうか」

    北上「大井っちも戦闘で左手と両足痛めてるのに「北上さんが行くなら私も!」って張り切ろうとした時は焦ったけどねー」

    天龍「それであいつがいないのか」

    北上「説得には苦労したけどね」

    天龍「つっても緊急事態だからな……動ける奴だけ来てもらったけど、この状況は正直まずい」

    龍驤「提督も響も行方不明、このまま見つからないか、遺体で発見されたらどうなるかわからんで」

    天龍「最悪、別の提督がいるところに配属される事も考えなければいけなくなっちまう……くそっ」

    911 = 1 :

    北上「あたしはさ、あの提督の下でなら戦ってもいいと思ってるけど他の提督のところに行けって言われたらお断りするよ」

    天龍「俺もだ。瑞鳳はまだ新入りだからわからないだろうけど、あいつは他の提督よりもずっと信頼出来る」

    龍驤「あの提督のおかげで、何回もピンチ乗り越えられたからなぁ。他の提督だったら死んどるわ」





    吹雪「た、大変です!!」バシャア

    天龍「どうした、何か見つけたのか!?」

    吹雪「赤城さんが……近海でこれを見つけたんです」スッ

    天龍「これは……!!」

    龍驤「これって、響の帽子やないか!?」

    北上「これが浮いてたって……まさか!?」

    吹雪「赤城さんによると、これが海に落ちてから大分時間が経っているそうなので……恐らくは」

    天龍「うそだろ……くそっ!!」

    瑞鳳「で、でもまだ轟沈したと決まった訳じゃ」

    龍驤「当たり前や、ウチは諦めんで」

    龍驤「なんとしても見つけ出して、提督も響も連れ帰ったる」スッ

    龍驤「艦載機発進や!どーんと広範囲で捜索するんやで!!」バッ

    瑞鳳「わ、私も艦載機で捜索網を広げます!」

    天龍「俺達も捜すぞ。絶対に見つけ出して、連れ帰ってやる」

    吹雪「は、はい!」

    北上「…………」

    912 = 1 :

    天龍「ぜぇ……ぜぇ……そっちはいたか?」

    吹雪「だめです、全然見つかりません」

    如月「こっちも貴女達が来る前から探してるけど、全然見つからないわ」

    夕立「夕立達がパーティしてないでそのまま帰ってたら、提督さん達も無事だったのかな」

    叢雲「後ろ向きに考えてんじゃないわよ。起こってしまった事に関してとやかく言う暇があったら、それに対して今出来る事をしなさい」

    天龍「……一度戻るぞ。みんなを集めて捜索会議だ」





    陸奥「代理リーダーから帰投命令よ。捜索会議をするみたい」

    龍驤「確かに、闇雲に探しても見つかるとは思えへんしなぁ……雪風、帰投するで」

    雪風「分かりました!」

    瑞鳳「はぁ……提督、何処にいるのかな」

    赤城「…………」

    赤城「(嫌な胸騒ぎがします。提督、無事でいてください)」



    雪風「…………」

    雪風「もう少し、探します。雪風は幸運艦ですから、私なら見つけられるはずです」

    913 :

    気になるところで止まったなぁ
    どうなることやら

    914 = 1 :

    天龍「皆集まったか?」

    吹雪「ひぃ、ふぅ、みぃ……あれ、一人足りない?」

    北上「一人って……あたしに吹雪、赤城、天龍、陸奥に……」

    夕立「雪風がいないっぽい?」

    龍驤「ほんまや!あいつ帰るでって言ったのにまさかまだ探しとるんか!?」

    叢雲「あぁもう!なんで一人で行動するの!?」

    天龍「赤城達は艦載機の展開を頼む!余力のある奴らは俺と一緒に雪風捜索をするぞ!」

    吹雪「わ、わかりました!」

    赤城「分かりました!」ビシュッ

    北上「あぁもう、どうして無茶ばかりするかなぁ」

    天龍「絶対に仲間は失わせねぇ、勝手に死ぬんじゃねぇぞ」

    915 = 1 :

    雪風「しれぇ……どこ、ですか?」

    雪風「雪風は……ここに……いますよ?」

    雪風「お願いですから……早く、出てきてください」


    ザザァ


    ハ級「…………」

    チ級「…………」


    雪風「……敵が、いる」

    雪風「しれぇを迎える為にも、倒さなきゃ」スッ

    ドォン

    ハ級「!」チュンッ

    チ級「……オマエモ、テキダ」スチャ

    ドォン

    雪風「がっ……!!」ドォン

    雪風「う……ぐ…………」

    雪風「倒さなきゃ、しれぇが待ってるのに……雪風が見つけないと」フラフラ



    チ級「……カエレ!」ドォン



    雪風「…………ぁ……」フラッ

    ザブンッ

    ヒュンッ


    ハ級「……ハズレタ」

    チ級「ホウッテオケ。アノママタオレテイレバイズレウミノモクズダ」

    ハ級「ワカッタ」スゥ



    雪風「……」

    雪風「しれぇ……どこかな」

    雪風「雪風は……沈みません」

    雪風「絶対……しれぇを見つけ……て……」



    ザバァ


    雪風「……?」

    「 」

    雪風「誰……です、か?」

    「 」

    雪風「ごめん、なさい……疲れちゃって、よく聞こえないです」フッ

    401「ってあーもー!気絶しないでよぉ!! 偶然通りかかっただけなのに」

    401「はぁ……関わっちゃった以上そのままって訳にはいかないよね。初風さんや隊長にも知らせなきゃ」

    916 :

    また新しい提督が出るのかな?

    917 = 1 :

    -時は遡り-





    レ級「ハァイ、ゲンキシテタ?」

    提督「お前は……!!」

    レ級「ソウミガマエルナヨ。セッカクジャマモノガイナイトキニキテヤッタンダカラサ」

    提督「要件はなんだ?」

    レ級「カンタンナシツモンダヨ。オマエガコンカイノトラベラーカドウカタシカメテオキタインダトサ」

    提督「確かめておくって……そういう事か」

    レ級「サッシガヨクテタスカルネ。オレニハヨクワカラネェケドナ」

    提督「…………」

    レ級「サテ、シツモンダ。オマエハネコガドコニイルカシッテイルカ?」

    提督「猫?猫って、一般家庭でよく飼われている猫の事か?」

    レ級「……シツモンヲカエルゾ。カコニモドルマエニ、ネコノナキゴエヲキイタカ?」

    提督「過去に戻る前……まさか、あの時の?」

    レ級「オ、シッテルミタイダナ。ナラハナシガハヤイ」ジャキッ

    提督「!!」

    レ級「オトナシクシテオケヨ。ソウスレバハンゴロシテイドデスマセテヤルカラ」

    提督「半殺しって……もう少しお手柔らかに扱って欲しいものだな」

    レ級「ワルイネ、ソウイウセンサイナコトハニガテナンダヨ」

    918 = 1 :

    「(どういう、事?)」

    「(司令官の部屋に本を持ち込もうと思ったら、深海棲艦がいるなんて)」

    「(しかも……あ、あれ……あの深海棲艦は)」ガタガタ

    「(あ、あの時の……レ……級)」ガチガチ

    「(こ、このままだと司令官が……でも、怖い)」フラ…フラ…

    「(怖くて、身体に力が入らない。死にたくない)」

    「(でも勇気を出さなきゃ。勇気を出さないと司令官が)」

    「(勇気……勇気を…………)」





    レ級「ソレジャ、マズハリョウテリョウアシダナ」


    「うわぁあああああああああああああああああああああ!!」バッ


    レ級「ナッ!?」


    提督「響!?」

    「司令官、今の内に逃げて!」


    レ級「クソガ、ハナレロ!」ブンッ



    「あぐぅ!」ダァン

    提督「響!!」ダッ

    「ぐ……ぅ…」

    提督「響、大丈夫か!?」

    「私は大丈夫。だから早く司令官は逃げてほしい」

    提督「ばかやろう、お前も逃げるぞ!」グッ

    レ級「ニガスカヨ!!」ジャキッ

    「ぐ……魚雷、発射!」バシュッ

    レ級「ナニ!?」


    ドォオオオン

    919 = 1 :

    提督「ぐわっぷ!」

    「げほっげほっ……なんとか逃げ出せたね」

    提督「部屋どころかその周囲が崩壊したけどな!」

    「……ごめん」



    レ級「シツナイデギョライウツトカショウキカヨ?ソウイウツモリナラコッチモブッパナスゼ」ジャキッ



    提督「やべっしっかり捕まってろよ!!」

    「う、うん!」ギュッ


    ドォン


    提督「どわぁあああああああ!!?」



    レ級「チッヨケルナヨ」



    提督「くっなんとか外に逃げるぞ!」

    「司令官、あっちにエレベーターがあるよ!」

    提督「エレベーターなんかに乗ってたら狙い撃ちにされるぞ!!」



    レ級「オトナシクシテロ!!」ドォン



    提督「鎮守府が崩壊していく……」

    「それより今は逃げないと!」

    提督「わかっている!」ダッ



    レ級「アイツラ、ソトニデテカンムスノキドウデニゲキルツモリカ?」

    レ級「ナラオニゴッコダ。イツマデニゲキレルカタメシテヤルヨ」

    920 = 1 :

    提督「外に出たぞ、響!」

    「うん、海に出たら私が運ぶ。司令官は掴まって!」

    提督「お、おう!」ガシッ





    ドォンドォンドォン



    提督「ぶっ!?」

    「鎮守府が……!!」



    レ級「ジャンジャジャーン、ナントイウコトデショウ!」

    レ級「アンナニフクザツデイドウニテマガカカルゴテゴテシタナイソウガ、タクミノテニヨリスッキリソウカイ!!」



    提督「響、急ぐぞ!!」

    「了解。響、出撃する!!」ダッ


    レ級「アレ、セッカクゲキテキビフォーアフターシテヤッタノニムハンノウカヨ」

    レ級「マァイイケドナ。オニゴッコノスタートダ!テメェラヒッシコイテニゲマワリヤガレ!!」ダッ



    「…………レーダーに高出力反応」

    提督「早いな、このままだと追いつかれるぞ」



    レ級「ミーツケタ!サァドウヤッテニゲマワルカナ?」シュバッ



    提督「艦載機来るぞ!」

    「了解、回避行動に専念するよ!」


    バババババドォンドォンドォン


    提督「どわぁあああああ!!」

    「ぐっ……!! 司令官、大丈夫かい?」

    提督「生身に海面の衝撃は答えるっつーの。それより二次波来るぞ!」



    レ級「サスガニヨケタカ。ナラコイツハドウカナ?」ジャキッ

    921 :

    提督「主砲来るぞぉ!!」

    「今まともな武装は持っていない、全力で回避する!!」

    ドォンドォン

    提督「ぐぁああああっ!!」

    「司令官!?」

    提督「ぐ……大丈夫だが、付近に着弾した衝撃だけでこの様か。直撃なんてもらったら細胞一つ残らず消し飛ぶぞ」



    レ級「ホラホラ、モットヨケテミロヨォ!!」ドォンドォンドォン



    ドォンドォンドォン



    提督「ぐ…ぁあああああああああああ!!」

    「司令官!!っあ!?」グラッ

    バシャッ




    「ぐ……ぅ……し、司令官?」

    提督「ぁ……が……」ピクピク

    「よかった、まだ無事だ」

    「……あれ、私の帽子がない?」

    「一体どこに……」



    レ級「ヨソミシテルヒマハナインジャナイノ?」キィイイン



    「はっ!?」




    レ級「コウナッタラマトメテオダブツ!!」




    「……っ!!」





    ???「させないわ」

    922 = 1 :

    バババババシュッ


    レ級「!?」



    ドドドドドォン


    「…………!?」

    ???「早くその人を連れて逃げなさい」

    「き、君は?」

    ???「私の事は後、その人に今死なれてもらっては困るのよ」

    ???「ここから北に20km進みなさい、そこで私も合流するわ」ボソッ

    「……了解」




    レ級「アッテメェニガスカ!!」



    ドドドドドォン



    レ級「チィッ!!」



    ???「貴女の相手は私よ。戦闘狂」

    レ級「テメェ……ナニモンダ」

    ???「私が何者かなんてどうでもいいじゃない。足止めはさせてもらうわ」ジャキッ

    レ級「全身を覆うフード付きマント……正体を隠して戦う気か」ギラッ

    ???「左目に青い炎、貴女がオリジナルなのね」

    レ級「その事も知っているのか。ますます気に入らない」

    レ級「邪魔をした事、地獄の底で後悔しろ」ヒュンッ

    ???「…………」ピンッ

    923 = 1 :

    バババババシュッ



    レ級「何!?」


    ドドドドドォン


    レ級「(何もないはずの海面下から五連装酸素魚雷!?一体どうなってやがる)」

    ???「どうかしたの?随分驚いてるみたいだけど」

    レ級「テメェナニヲシタ!!」ドォンドォンドォン

    ???「くっ!」ヒュンヒュンヒュン

    ピンッ


    ボフンッ



    レ級「煙幕!?小賢しい真似をしやがって」

    レ級「ならまとめて吹き飛ばしてやるよ!!」ジャキッ



    ???「そこ!」バババババシュッ


    レ級「何時の間に後ろに!? ちぃっ!!」



    ドドドドドォン



    レ級「(こいつ、俺のレーダーにも一切反応しねぇ。マジで何者だ!?)」

    924 = 1 :

    ???「……」ピンッ


    バババババシュッ


    レ級「また魚雷かよ!?」

    ドドドドドォン


    レ級「くそが、小細工ばかり使いやがって!!」


    ???「(一つ一つだと防がれる。なら)これで!」ピンピンピンッ

    バババババババババババババババシュッ



    レ級「は?」



    ドドドドドドドドドドドドドドドォン



    ???「おまけ!」ポイッ



    レ級「ぐぅ……さすがに死ぬかと思っ」


    カッ!!




    レ級「ぐぁあああああああああああああああ!!目が、目がああああああああああああ!!」

    レ級「くそがああああああ!!あのやろう絶対ぶち殺す!!」

    レ級「くそ、早く視力回復しやがれ。見失っちまうだろうが!!」

    レ級「ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

    925 = 1 :

    「(あの人は無事だろうか)」

    ???「お待たせ、しっかり撒いてきたわ」

    「……さっきはありがとう。助かったよ」

    ???「今はお礼を言わなくてもいいわ。それより、おぶっている提督を連れて着いてきてほしいのだけど、いいかしら?」

    「司令官を?」

    ???「会わせたい人がいるのよ。悪いようにはしないわ」

    「…………」

    「わかった、私たちを助けてくれたんだ。悪い人じゃないと信じてみよう」

    ???「話が早くて助かるわ。私の後をしっかりと着いてきてね」

    926 = 1 :

    提督「…………ぐ……ぅ」

    提督「う……ここは?」

    「あ、気がつきましたか?」

    提督「君……は?」

    401「伊400型潜水艦二番艦、伊401です」

    提督「401……潜水艦か?」

    401「はい、地球をぐるっと一周以上余裕で航行できる長大な航続力と、特殊攻撃機「晴嵐」を3機搭載する潜水空母なんです。そう、戦略的秘密兵器……秘密なんだから!」

    提督「わかったわかった、戦略的秘密兵器ですごいって事はよーくわかったから!その……どいてくれないか?」

    401「はーい。じゃあ私は隊長に貴方が目覚めた事を知らせてきます!」

    提督「あ、あぁ」

    提督「…………」

    提督「(あの娘が、助けてくれたのか?)」

    提督「(だけど響の姿がないぞ。一体どこに……?)」

    提督「ぐっ!」

    提督「(さすがに海面に身体を打ち付けすぎたようだ。あちこちが痛い)」

    ???「目が覚めたと聞いたけど、思ったより元気そうね」

    提督「ん?君は……ここの艦娘か?」

    ???「そうよ。詳しいことを隊長が話してくれるから、ついてきなさい」

    提督「あぁ、わかった……って痛ぇ!?」

    ???「…………少しだけ待つわ」

    提督「すまん、そうしてくれると助かる」

    927 = 1 :

    ???「隊長が言っていた人物を連れて参りました」

    「ご苦労」

    提督「(この人が隊長……随分小さいな。声からして女の子だろうか?)」

    「さて、はじめまして提督殿。いや、正しくは久しぶりか。着任時……いや、前回の終わり以来かな?」

    提督「前回の……終わり?」

    「そうだ。君は前回の終わりの時、4隻の艦娘を最期の出撃に送り出した」

    提督「!!」

    「その時の艦娘は響……もといヴェールヌイ、北上、長門、青葉だった。そして鎮守府には精神の崩壊した雪風と君だけがいた」

    「そして君は気が付けば着任当時にタイムトラベルしていて、そこから未来を変えようと頑張ってきた」

    「違うかい?」

    提督「何故それを知っている」

    「何故知っているか、それは簡単な事だよ」バッ

    エラー娘「なぜなら私が、貴方を過去へ送り込んだ張本人だからです」ニャーン




    提督「……は?」

    928 = 1 :

    一旦ここまで!
    第一部完結まであと少し……正確には次スレへの区切りですが

    930 :

    乙です
    レ級はビフォーアフターが放送しない週は無茶苦茶怒りそうだな

    931 = 1 :

    エラー娘「……なぜなら私が、貴方を過去へ送り込んだ張本人だからです」ニャーン

    提督「いや、2回言わなくていいから。気になっているのはそこじゃないから」

    エラー娘「そうですか。まぁいいでしょう」

    エラー娘「そうですね、詳しい事を話すと長くなるので、まずは貴方が気になっていた部分を先に行っておきます」

    エラー娘「私はエラー娘、時空を超えて存在するイレギュラーの塊です」

    エラー娘「時空を超えて、というのはそのままの意味です。私は様々な平行世界を観測出来る特殊な存在とだけ言っておきましょう」

    エラー娘「私という存在が生まれた時間以降なら、未来だろうが現代だろうが、好きな時間軸に飛ぶ事が出来ます」

    エラー娘「ですが、私が生まれる前の時間軸には、私という存在がいません」

    エラー娘「なので、観測する私という存在が生まれていない過去に飛ぶ事は出来ないのです」

    エラー娘「何故こんな突拍子もない事を話しだしたのかについてですが、私は人間ではありません」

    エラー娘「突然ですが提督、貴方に妖精という存在は見えますか?」

    提督「本当に突然だな。妖精って、艦娘の周囲や鎮守府にいる妖精か?」

    エラー娘「妖精は見えていると。問題はなさそうですね」

    エラー娘「ですが念のため、妖精から説明してみましょう」

    エラー娘「私が言う妖精とは、艦娘の手助けをする精霊のような存在です」

    エラー娘「艦載機を操縦しているのも妖精だし、艦娘の建造……適性を持った女性の調整を行っているのも妖精です」

    エラー娘「勿論艦装やら何やらと、色々な点で提督や艦娘達は妖精の力を借りているので、頭が上がらない存在でもあります」

    提督「確かにそうだが、それとさっきの話にどう関係が?」

    エラー娘「私の存在定義の延長上の話に過ぎないので気にしなくてもいいですよ。私はその妖精の上位に位置する存在という事です」

    提督「そ、そうか」

    エラー娘「次に、何故貴方達を招いたかを説明します」

    エラー娘「私が貴方を招いた理由……それは」





    エラー娘「私が最初に手を差し伸べた人物を、止めて欲しいからです」

    932 = 1 :

    提督「どういう、事だ?」

    エラー娘「実は、人を過去に飛ばす行為自体を私は何度も行っています」

    エラー娘「タイムトラベル……わかりやすくいえば、時空間の平行移動。いえ、これだと逆にわかりにくいですね」

    エラー娘「簡単にいえば、時間旅行。それに値する行為を私が行っていたのは、最初の内はただの気まぐれでした」

    エラー娘「私が観測した世界はどれもが深海棲艦と人類が争っていました。そのほとんどが艦娘と深海棲艦による戦闘で、海は地獄絵図でした」

    エラー娘「私が生まれた時間では既に深海棲艦と艦娘の戦いが始まっていたので何故戦いが起きたのかは私のもわかりません」

    エラー娘「ですが、そのほとんどがお互い悲惨な結末を迎えていたのは確かですね」

    エラー娘「言ってしまえば共倒れというやつです。お互いが滅びるまで戦争は続きましたから」

    エラー娘「かろうじて艦娘が勝利した世界もあれば、深海棲艦が勝利した世界もある」

    エラー娘「深海棲艦が勝利した先にあるのは、戦争によって変わり果てた海を手に入れた深海棲艦の残党と、ほとんど滅びた人類」

    エラー娘「まさに世紀末でしたよ。わずかな食料を皆で奪い合い、多くの人達が餓死していく世界に金なんて関係ありません」

    エラー娘「そこにあるのは絶望、人類は絶望しながらもがいて、深海棲艦も次々と餓死していく」

    エラー娘「そこに希望なんてなかった。それは人類が勝利した世界も同様でした」

    エラー娘「人類がかろうじて勝利し、深海棲艦がいなくなった世界。その先には何があると思いますか?」

    提督「……世界平和?」

    エラー娘「確かに、深海棲艦という人類から見た敵がいなくなった事で、一時的には平和になりました」

    エラー娘「ですが、残った艦娘はどうなると思いますか?」

    提督「そりゃあ、解体されて普通の女の子に戻るんじゃ?」

    エラー娘「普通ならそうなるはずだったでしょう。ですが、その先にあった未来は更なる戦争でした」

    933 = 1 :

    エラー娘「日本やドイツに留まらず、世界各国で艦娘技術が使われた。軍事用に作られた存在が目の前の脅威を倒せば次はどうなるか」

    エラー娘「答えは簡単、他の艦娘技術を持っている国同士での醜い戦争です。愚かな事に人類同士で滅ぼしあったのです」

    エラー娘「結果はもちろん世紀末。人類は最終的にほとんど滅びました」

    エラー娘「そんな未来を何度か見ている内に、私は思いついたのです」

    エラー娘「もし、過去をやり直したいと思う人間を過去に戻したらどうなるのか、と」

    エラー娘「そこで目をつけたのが悲しみと絶望に明け暮れていた一人の提督でした」







    ………







    深海提督「そうか、つまり取り逃がしたと」

    レ級「あぁそうだよ!くそっあのマント野郎絶対にぶち殺してやる」

    深海提督「……お前は少し頭を冷やしてこい。怒り狂っては出来る事も出来なくなる」

    レ級「……チッ」



    深海提督「…………」

    深海提督「……ヲ級」

    ヲ級「ここに」

    深海提督「鹵獲した奴らの様子はどうだ?」

    ヲ級「無い方はこちらを睨みつけていますが、瞳には恐怖がやどっています。ピンクの方は未だ目を覚ましていません」

    深海提督「そうか、わかった。下がっていいぞ」

    ヲ級「御意」スッ

    934 = 1 :

    大鳳「…………」

    ヲ級「食事、持ってきた」

    大鳳「…………」

    ヲ級「食べないと死んじゃうよ?」

    大鳳「……いらない」

    ヲ級「……なら、別にいい。でももうすぐ移動があるから体力ないとキツイ」

    大鳳「……敵が用意した、私の先輩達の仇が作った食事なんて、いらない」

    ヲ級「…………」



    ヲ級「……」

    ヲ級「……!」

    港湾棲姫「困ったわ……どうすれば」オロオロ

    ヲ級「どうかいたしましたか?」

    港湾棲姫「あぁ、貴方!ほっぽちゃんを見なかった?」

    ヲ級「……見かけませんでしたが」

    港湾棲姫「そう、ありがとう。一体どこに行ったのかしら」オロオロ

    ヲ級「(ほっぽちゃん……港湾棲姫様の妹君)」

    ヲ級「(彼女の破天荒ぶりには私も手を焼いたものです)」

    ヲ級「(今でこそたくさんの同胞が増えましたが、あの方が来るまでは地獄のような日々)」

    ヲ級「(数少ない生き残りとして、私達はあの方に拾い上げられた……量産型ではない純粋な深海棲艦)」

    ヲ級「(ですが私も、いずれは戦場に出なければならない。そう、私達も)」

    ヲ級「(クローンとして量産された同胞は言語能力に難あり。生き残りの中にも言語に難が出た方もいますが)」

    ヲ級「(あの方が私達をここまで引き上げた理由は……)」

    ヲ級「……あれは?」




    深海提督「…………」

    935 = 1 :

    深海提督「…………」グイッ

    ヲ級「飲んでいらっしゃるのですか?」

    深海提督「あぁ、そうだ」

    ヲ級「ご一緒いたしますか?」

    深海提督「そうだな、相手がいた方が酒も美味い。同席頼む」

    ヲ級「はい」スッ

    深海提督「…………」トクトクトクトク

    ヲ級「……」グイッ

    深海提督「……昔、お前達と会う前の話だ」

    ヲ級「?」

    936 = 1 :

    深海提督「お前にはまだ話していなかったと思ってな。まぁつまらない話だが聞いてくれ」

    ヲ級「分かりました」

    深海提督「昔俺が海軍で艦娘の指揮をしていた提督だった頃の話だ」

    深海提督「当時俺はそこそこの成績で士官学校を卒業した凡人の域を出ない提督だった」

    深海提督「その時いてくれた仲間だった存在は今でも覚えている。特に秘書官だった雷の事はな」




    -----



    エラー娘「その提督は、そこそこの成績で士官学校を卒業した凡人の域を出ない提督でした」

    エラー娘「それでも、彼の傍にいた仲間は皆彼の事を信頼していました。特に、秘書官だった雷はかけがえのない存在だと言えます」

    エラー娘「艦娘達は彼の指揮の元深海棲艦に立ち向かって行き、犠牲を払いながらも着々と戦果をあげていきました」

    エラー娘「そんなある日、その提督の元に一つの書類が届きました」

    エラー娘「その書類の内容は近代化改修計画……今となっては使われていない封印されし禁忌となった技術です」

    エラー娘「当時艦娘のいいとこどりをしてより強い艦娘を作りだす計画が進められていました。技術面をクリアし、残るは実験のみ」

    エラー娘「そこで選ばれたのが彼の艦娘でした。戦果を着実に上げた艦隊の旗艦である雷が最初の実験台として選ばれたのです」

    937 = 1 :

    -
    --
    ---


    提督(深)「雷、本当にいいのか?」

    「えぇ、私だって前線で司令官の役に立ちたいもの!」

    提督(深)「けど、この内容……実験台になりにいけって言っているようなものだぞ。無理に引き受けなくていいんだぞ」

    「大丈夫よ、司令官!私はちゃんと強くなって戻ってくるわ」

    「だから、私を信じて?司令官と一番付き合いが長い私が言うんだもの、きっと大丈夫よ!」



    そう言って、彼女は近代化改修の実験を受けに行った。

    強くなって、より司令官の役に立つ為に。



    だが……

    938 = 1 :

    「……ぁ……し…ん?」

    提督(深)「雷……お前、なんでこんな事に」

    「ご……さい。わ……し……みたい」

    彼女は変わり果てた姿で帰ってきた。

    身体も上手く動かず、精神が死にそうな状態。どう見ても実験に失敗したとか思えないような状態で帰ってきた。

    提督(深)「こんなの……お前、何で」

    「な……で、し………こ………だ…」

    艦娘「上層部によると、実験は失敗……雷さんは解体処分がくだされるみたいです」

    提督(深)「雷をこんな状態にして、挙げ句の果てに解体して捨てるのか?」

    艦娘「それが……上層部の下した判断かと」

    提督(深)「ふざけるな……ふざけるな!!」

    提督(深)「こんな……こんな事をしておいて、ぽいして終わりだと?」

    提督(深)「ふざけんじゃねぇぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」



    その日、一人の提督が上層部に駆け込んだ。

    しかし、たかが一人の提督が殴り込んだ所でどうにもならない。

    その事件は、1提督の反抗という事で処理され、反抗を起こした提督を追放処分にして闇に葬られた。








    そして……

    939 = 1 :

    一旦ここまで

    940 :

    乙乙

    941 = 930 :

    乙です
    近代改修の実験をやった雷って今は駆逐棲姫になって深海提督といっしょにいるのかな?

    942 :

    レ級じゃないかなぁ…。
    一時期レ級のコラで雷の顔になってるのあったし

    943 :

    前の世界で重要そうだった時雨などの
    扱いはどうするんだろうか
    出して欲しいと思う私がいた

    944 :

    バシャ

    提督(深)「…………ぁ……」ブクブク

    黒提督「……フン」スッ

    提督(深)「…………が……ば……」





    「…………を?」ゴポッ

    提督(深)「……」

    「…………」

    「…………」スッ

    「…………プハッ」ゴポッ

    提督(深)「(…………なん、だ?)」

    提督(深)「(誰かに……運ばれているような)」

    提督(深)「(運んで、いるのは……深海、棲艦?)」

    提督(深)「(いったい……どこ……に……)」ゴポッ

    945 = 1 :

    提督(深)「………ぅ……ぐ」

    「気が……ついた」

    提督(深)「ぐ……ここ、は?」

    ヲ級「ここ、私達の家。貴方、沈んでた」

    提督(深)「深海……棲艦!!」

    港湾棲姫「待って」

    提督(深)「新手か!?」

    港湾棲姫「私達に争う気はありません、話を聞いてくれませんか?」

    提督(深)「……信用すると思うか?」

    港湾棲姫「……信じてもらうしか、ありません。現に私達は武装していませんから」

    提督(深)「……話だけなら聞いてやる」

    港湾棲姫「ありがとう。……話というのは」

    946 = 1 :

    エラー娘「……そこで何が行われていたのかまではわかりません。ですが彼が深海側の肩を持つようになったきっかけである事は確かです」

    エラー娘「その時の私は、そうとは気付かず戦線に戻った彼の観察を続けていました」

    エラー娘「戦況はお互いに疲弊、彼は最後まで必死に停戦を呼びかけていましたが、その呼びかけに耳を傾ける者はいませんでした」

    エラー娘「その後、戦争を生き残った彼の前に私は姿を現し、彼を過去に飛ばしました」

    エラー娘「彼を選んだ理由は簡単です。その世界線の中で、最も未来を変える要素を持っていた、そう判断したからです」

    エラー娘「……2週目の彼は、秘書官を近代化改修の実験に出す事を拒んだ」

    エラー娘「その結果、他の艦娘が犠牲となって実験は進みました」

    エラー娘「彼等は実験を正面から止めようとしましたが、結局実験を止める事はできなかった」

    エラー娘「結局、その世界線の未来が大きく変わる事はありませんでした」

    エラー娘「ですが、彼を繰り返し過去に送り届けるように仕向けたら?繰り返す過去の中で未来を大きく変える程の波紋を生み出せるようになったなら?」

    エラー娘「……私が彼を過去に飛ばす際、彼が生存した状態で私が過去に飛んだ場合自動的に彼も過去に戻る」

    エラー娘「そのように契約した結果、彼は私が世界線を移動して過去に飛べば自動で過去に戻るようになりました」

    エラー娘「何度も同じ過去を繰り返すようになった結果、彼はある一つの結論にたどり着きました」

    エラー娘「彼は深海棲艦の側に付き、人類側を裏切ったのです」

    947 = 1 :

    エラー娘「自分の艦隊を連れて、彼は深海側について人類に立ちふさがった」

    エラー娘「ですが、たかが一艦隊の提督程度が裏切った所で技術もなにもない」

    エラー娘「彼等がただ寝返った程度では、大きく未来を変えるにはいたらなかった」

    エラー娘「結果、お互いに相討ち、世界はほぼ滅びたも同然」

    エラー娘「更に繰り返す事数度、次に彼が行ったのは……近代化改修の技術を盗む事でした」

    エラー娘「自らの秘書官を実験に送り出し、データを取った所で不正の証拠を元帥に送りつけて実験を止めさせた」

    エラー娘「そのとさぐさに紛れて彼等は失踪、深海側に寝返りました」

    エラー娘「そして彼等は盗んだ技術を利用し、深海側の軍勢強化を測った」

    エラー娘「……深海側に人類を滅する軍力をもたらした彼は深海の艦隊を指揮し、人類の軍属の内面を的確に突いていった」

    エラー娘「増大した深海の軍を相手にしなければならなかった時に、内部では上層部が次々と混乱」

    エラー娘「やがてまともに機能しなくなった軍は深海側に押され……人類は、敗北しました」

    948 = 1 :

    エラー娘「未来は変わりました……共倒れという未来から、深海側が人類を滅ぼす未来に」

    エラー娘「それを観測した私は、再び過去に戻った」

    エラー娘「ですが、私が過去に戻れば同時に彼も過去に戻る」

    エラー娘「何時しか彼は、私を狙うようになった」

    エラー娘「……当然、私も捕まる訳にはいきません」

    エラー娘「そして何より、彼のやり方で訪れた未来には……救いがないのです」

    エラー娘「確かに共倒れよりはマシでしょう。ですが、彼が作り出した結末にも、未来は存在しない」

    エラー娘「人類は滅び、汚染された海で深海棲艦が住む事は不可能」

    エラー娘「……私は、彼を止める事が出来る人材を探して過去に飛ばす事を繰り返しました」

    エラー娘「ですが、彼は私が過去に送った人達を一人残らず殺して、未来を変える可能性を摘み取ってきた」

    エラー娘「用意周到となった彼を止めるには、新しい人材を過去に飛ばすだけでは足りなくなったのです」

    エラー娘「また、私が協力しようにも私利私欲の為に過去に戻った事実を悪用する輩も少なくなかった」

    エラー娘「なので、私は様々な人物を過去に飛ばす事で試したのです。その人物が信用に足りうる人物であるかどうかを」

    エラー娘「今までの世界では、私の信用に足りうる人物は現れなかった……ですが貴方は違った」

    エラー娘「貴方は、過去に飛んでも未来の知識を悪用せずに深海側を止めようと戦った」

    エラー娘「更に、貴方なら未来を変えうるだけの素質を持っている……色々な人を見てきた私は、そう判断した」

    エラー娘「なので、私は貴方をここに連れてきました。貴方を過去に送った張本人として……私の間違いを正す為の協力を頼む為に」

    エラー娘「お願いします、どうかあの人を……復讐に囚われた彼を止めてもらえませんか?」

    提督「…………」

    提督「それが、真実だったのか」

    ???「えぇ、そうよ。私もその協力者の一人。貴方が協力してくれるのであれば私達もバックアップに回ると約束する」

    ???「悪い条件ではないと思うのだけれど、どうかしら?」

    提督「……少し考えさせてくれ。整理する時間が欲しい」

    エラー娘「わかりました。では初風、彼を寝室に」

    ???「わかりました」

    提督「初風……って、あの初風か!?」

    ???「そういえばまだ正体を隠したままだったわね」ファサッ

    初風「私は初風、元帥直属部隊の一人にして彼女の協力者でもある艦娘よ」

    949 = 1 :

    一旦ここまで!
    1週間近く空くかもしれませんがご承諾ください

    950 :

    乙&了解

    なんとか完結向けて頑張ってくれ


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