元スレ勇者「ハーレム言うなよ!絶対言うなよ!」武道家「4よっ!」
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401 = 1 :
ペラッ… スッ
賢者『……』
勇者『あの、手伝いましょうか?』
賢者『お構いなく』
バサッ
賢者『……それでは』
スタスタ
遊び人『……』
勇者『……あ、あのっ!』
ピタッ クルッ
賢者『何でしょう』・
勇者『よ、よければガルナ様もここで遊び人と僕と一緒に本を読みませんかっ?』
遊び人『はああ?』
賢者『……』
勇者『その、そっちの方が楽しいかなって……』
賢者『必要ありません』
勇者『えっ?』
クルッ
スタスタ
賢者『……』スタスタ
ガチャッ
賢者『……貴方のその過剰な気遣い、他人迷惑な独り善がりの張り切り』
ギィィ…
賢者『全て必要ありません……――迷惑です』
バタァン
勇者『……あ、う』
遊び人『……あんた、ほんとうにおせっかいでばかね』
勇者『えっと……ご、ごめんなさい』
遊び人『あやまるくらいならさいしょっからしないでよ!ほんとへたれね!』
勇者『ふぐぅ……』
遊び人『ねえ?勇者ちゃん……このよびかたにいろんはある?』
勇者『………………………………ありません……』
遊び人『だよね。勇者ちゃん……ふふっ♪』
402 = 1 :
…………
――アリアハン城・遊び人の客室――
遊び人『なにそれー!あははは!』
勇者『本当なんだよ!?しんじてよー!』
コンコン
勇者『あ、はい!』
ガチャッ
メイド『失礼します遊び人様。勇者君?そろそろ……』
勇者『え?あっ、本当だ!日がもう沈みそうだ』
メイド『帰り、気をつけてね』
勇者『はい!』
ゴソゴソ
遊び人『……かえるの?』
勇者『はい。それじゃ遊び人さん、また明日来ますね』
遊び人『ふーんだ!あんたなんかもうこなくていいですよーだ!ぶぇー!』
勇者『あはは、それじゃあね』
スタスタ
遊び人『……』
メイド『それでは……遊び人様?お風呂とお食事どちらを先になさいますか?』
遊び人『……いらない』
メイド『いらないのです?もしかして体調が優れないのでは』
遊び人『んーん。ちがう』
メイド『……そうですか』
ギィ…
メイド『それではもし気が変わりましたらお呼びください』
遊び人『ん……』
メイド『それでは』
バタン
シーン…
遊び人『……』
ボフッ
遊び人『……はーあ』
遊び人『(なんでだろ……あいつがかえったらなんだかすごいつまんない……)』
遊び人『(またあしたまでひとりかぁ……)』
遊び人『……』
遊び人『!』
ガバッ
遊び人『……そうだ』ニヤァ
403 = 1 :
――アリアハン・街中――
ガヤガヤ
スタスタ
遊び人『くふふ……♪』
遊び人『(だっしゅつせいこう!けっこうかんたんだったね)』
遊び人『(ようし!それじゃさっそく……)』
ピタ…
遊び人『…………』
遊び人『(さっそく……あいつのところに)』
遊び人『(あれ)』
遊び人『(あいつってどこにすんでるんだろう……)』
…………
スタスタ
盗賊『……僧侶もお遣い?……』
僧侶『はいっ!明日の朝のミルクを買いに!』
盗賊『……そっか。偉いね……でも暗くなってきたから、遅くなっちゃだめだよ?……』
僧侶『大丈夫です!……というか』チラッ
盗賊『……?……』チラッ
町人『神父様?ファイヤーバード?コソコソと何をなさってるんです?』
神父『しっ!僧侶が無事にお遣いできるよう見守っているのです!』
馬『ブルォォ、ボディガードンヌ……』
僧侶『この前の誘拐のじけんから神父様があんなかんじなので……』
盗賊『……お遣いの意味、無いね……』
僧侶『あはは……あら?』
盗賊『……ん?……』
遊び人『うぅ……』ウロウロ
遊び人『(どうしよ……ひとがおおい)』
遊び人『(だれかにきこうかな……でも、わるいひとだったらこわいし)』
ポン
遊び人『わひゃぁっ!?』ビクーン!!
僧侶『ふわぁっ!?』ビクッ
遊び人『ななななっ、なにっ!?だれっ!?』
僧侶『お、驚かせてごめんなさい』
盗賊『……あなた、どうしたの?見かけない顔だけど……』
僧侶『なんだか迷ってるように見えたので……もしかして旅の方のお子さんだったりしますか?』
遊び人『わっ!わたしは!』
遊び人『……わたし、は、その……あの』
僧侶・盗賊『『?』』
遊び人『……ひとを、さがしてて』
盗賊『……だれか、探してるの?手伝おっか?……』
遊び人『!ほんと!?』
僧侶『おやすいごようです♪』
404 = 1 :
遊び人『あ、ありがと……お、おれいはいわないからねっ!』
盗賊『……言ってる……』
僧侶『その探してる方の特徴とか名前って言えますか?』
遊び人『えっと……』
…………
――勇者の家――
コトコト…
勇者母『勇者、そろそろ夕飯ができるわ。女勇者とおじいちゃん呼んできてくれるかしら?』
勇者『…………』
勇者母『勇者?勇者ったら』
勇者『えっ?あ、ごめん母さん。何?』
勇者母『んもう。魔法の勉強を頑張ってるのはいいけど、程ほどにね?』
勇者『あはは……はい』
勇者母『そろそろ夕飯ができるから二階のお二人さんを呼んできてちょうだいな』
勇者『うん!わかった』ガタッ
コンコン
勇者・勇者母『『?』』
勇者母『お客さん?誰かしら』
勇者『もう日も沈んだのに……はーい』
スタスタ
ガチャッ
勇者『どなた――……あれ』
盗賊『……やあやあ……』
僧侶『こんばんは!』
勇者『お姉ちゃん、僧侶』
勇者母『あらほんと。こんばんは二人共』
盗賊『……こんばんは、お母さん……』
僧侶『こんばんはおばさま!』
勇者『どうしたの?もうすぐ夜になっちゃうよ?』
盗賊『……えっとね……』
僧侶『ホラ、用事があったんじゃないんですか?隠れてちゃだめですよ』
勇者『?』
ヒョコッ
勇者『!?』
遊び人『……』
勇者『遊び人さん!?』
盗賊『……やっぱり、知り合いなんだ……』
僧侶『なんだか勇者くんを探してたみたいだったので、連れてきたんですが……』
405 = 1 :
勇者『な、なんでここにいるのさ!!?お城は!?』
遊び人『ふ……ふーんだ!!ぬけだしてきたの!』
勇者母『あらあら、可愛いお客さんね?』
盗賊『……というか、お城?……』
僧侶『ぬけだして来たって……?』
勇者『ああ、えっとね……』
――――――――
勇者母『へえー、賢者様の妹さんねえ』
盗賊『……どうりで、見た事無いと思った……』
勇者『お姉さんが厳しくてさ。ずっとお城から出して貰えなかったんだよ』
遊び人『だからぬけだしてきてやったの!だしぬいてやったのよ!』
僧侶『だめですよー?心配かけちゃ』
遊び人『……しんぱいなんて、だれも』
僧侶『え?』
遊び人『…………なんでもない』
勇者『とりあえず!送っていくから帰ろう遊び人さん!』
遊び人『やだもーん!いえでならぬ、しろでしてやるんだから!』
勇者『はぁぁぁ……この子はもう……』
遊び人『どうせかえったって、わたしは』
スタスタ
勇者母『遊び人ちゃん、だったかしら』
遊び人『えっ?は、あ、うん』
遊び人『……このひと、だれ?勇者ちゃん』
勇者『ぼくの母さんだよ』
遊び人『そ、そうなんだ』
勇者母『……』
遊び人『……う……』
遊び人『(どうしよ……おこられるのかな……)』
ニコッ
勇者母『夕飯はもう食べた?』
遊び人『えっ?』
勇者母『夕ご飯よ。まだ食べてない?』
遊び人『あ、う、うん。まだ……』
勇者母『そ。じゃあ食べておいきなさいな』
遊び人『えっ!?』
勇者『母さん!?』
勇者母『盗賊ちゃんと僧侶ちゃんはどうする?食べてく?』
僧侶『あ、私達はお遣いの途中なので』
盗賊『……またご馳走になりますね……』
勇者母『あらそう、それじゃ仕方ないわね』
僧侶『それじゃ、勇者くん……この子の事頼んで大丈夫ですか?』
勇者『あ、う、うん。ありがとね二人共』
盗賊『……ううん。それじゃね……』
406 = 1 :
バタン
勇者母『よし、それじゃお皿を多く用意しなきゃ』
勇者『いやいや母さん!?』
…………
コトン
勇者母『ん。これで全部ね』
遊び人『……』
遊び人『(おしろのごはんより、ごうかじゃないけど……なんだか、あんしんする)』
勇者『それじゃ』
『『『『いただきまーす』』』』
遊び人『……いただきます』
ヒョイ
遊び人『……』
パクッ
遊び人『……!』
バクバクッ!
遊び人『むぐっ!むう』モグモグ
勇者母『ふふ、そんなにかき込むと詰まらせるわ』
遊び人『むうっ!?』
勇者『ああもう、ほら。水だよ』
遊び人『んっ……はあ』
遊び人『もっ、もふっ』モグモグ
勇者祖父『はは、言ったそばからこの子は』
勇者『僕の言う事本当に聞いてくれないんだよね……』
……
カラン
遊び人『はふぅ……』
勇者母『あら、もう食べ終わったの?』
勇者『どう?うちの母さんの料理は。すごく美味しかったでしょ』
遊び人『ぐむ……!』
勇者『前まではお城で料理長をやっててさ。もしかしたらこの街で一番料理が』
遊び人『ふ、ふーんだ!べつにっ!べつにだもん!』
勇者『なっ!』カチン!
勇者母『あらごめんなさい、嫌いな物があったかしら?』
遊び人『え?あ!!その、えっと……ふ、ふーん!こ、こんなのぜんぜんおいしくないんだからっ』
『いってくれるねこのちんちくりん』
遊び人『!?』
勇者『こら、女勇者!』
女勇者『お義兄ちゃんはちょっとだまっててくれるかな。わたしはこのちんちくりんにようがあるんだ』
遊び人『ち、ちんちくりんってなによー!』
女勇者『さっきからだまってればしつれいきわまりないこむすめだね。あいてどるよわたしは』
遊び人『ゆ、勇者ちゃん!なによこいつ!』
407 = 1 :
勇者『ほら、まえに言ってた義妹だよ』
遊び人『はぁぁ!?わたしとこいつがにてるっていったの!?』
女勇者『なんだいそれはお義兄ちゃん?どういうことかなくわしくきかせてくれる?』
勇者『うおぉ怖ぇこいつら』
――勇者の部屋――
コトン
遊び人『ふっふーん!またわたしのかちー!』
女勇者『ぐぬぬ……もういっかい』
遊び人『いいよー?どうせまたわたしがかつけどね!』
勇者『まさか女勇者に勝つなんて……僕、一回も勝った事ないよ』
女勇者『いやそれはお義兄ちゃんが弱すぎるんだよ』
遊び人『うん。勇者ちゃんかんがえてることかおにですぎ』
勇者『怖ぇなあ、怖ぇよ』
ガチャッ
勇者母『勇者?遊び人ちゃん?そろそろお城に行かないと皆心配するんじゃないかしら?』
勇者・遊び人『『あっ』』
勇者母『遊び人ちゃんやお城の人達が良ければ泊まっていっても――……』
遊び人『えっ!』
勇者『だめだよ母さん。ちゃんとお城に帰さなきゃ』
遊び人『あ……う』
勇者母『そう?……それじゃ支度して降りてらっしゃい?』
勇者『うん、わかった』
バタン
遊び人『……』
勇者『遊び人さん?じゃあ先に一階に降りててもらえるかな。準備してくから』
遊び人『……うん』
スタスタ バタン
勇者『よしそれじゃ――……うん?』
女勇者『……』ジーッ
勇者『女勇者?どしたのさ』
女勇者『お義兄ちゃんてほんとうにどんかんだよね』
勇者『なんでさ!?』
――――――
遊び人『……』
勇者母『ちょっと待っててね。勇者が支度を終えたら送っていくわね』チクチク
遊び人『うん』
勇者母『……』チクチク
遊び人『……ねえ』
勇者母『んー?なあに』チクチク
遊び人『それ、なにしてるの?』
勇者母『これ?これはね、勇者の服を縫ってるのよ』チクチク
遊び人『ふくを?』
勇者母『そう。もうそろそろルビス祭があるし、寒くなってきたからね』
408 = 1 :
遊び人『……』
勇者母『……』チクチク
遊び人『なんでおばさんがぬうの?』
勇者母『え?』
遊び人『だって、さっきのごはんつくったのおばさんなんでしょ?』
遊び人『ごはんだけじゃなくてふくもつくるの?おかしいよ』
勇者母『……ふふっ!』
遊び人『ふぇ?』
勇者母『あははっ、あははは』
遊び人『え!?なんでわらうの!?』
勇者母『ふふっ、ごめんなさいね。でも初めて聞く意見だったから』
勇者母『……なんで服もご飯も作るのか、だったかしら』
遊び人『うん』
勇者母『うんとね……それは、家族だからよ』
遊び人『かぞくだから?』
勇者母『そ』
カタン
勇者母『私はね。勇者も女勇者もお義父さんも……――そして、夫のオルテガも愛してるわ』
遊び人『オルテガのおじさんも?』
勇者母『ああ、そういえば知り合いだったわね。……そう。家族みんな愛してる』
勇者母『だから、私は私ができる事を皆にしてあげたい。だからご飯も、服も作るし。掃除やお洗濯もする』
遊び人『……じゃあ、あいつら……勇者ちゃんたちはなにをするの?なにかしごとをしてるの?』
勇者母『……』
遊び人『……?』
勇者母『……“私の子供でいてくれてる”』
遊び人『?』
勇者母『“私の元で育ってくれてる”……“私をかあさんって呼んでくれてる”』
勇者母『……それだけで、もう私はいっぱい、幸せで。なんだってできるの』
遊び人『…………』
勇者母『……ふふ、わかったかしら?』
遊び人『……よく……わかんない』
勇者母『あはは、いずれわかる時があなたにもくるわ』
スタスタ
勇者『遊び人さんお待たせー。行こうか』
勇者母『あ、来たわね』ガタッ
勇者『母さんはいいよ。僕一人で行くから』
勇者母『何を言ってるの。駄目よ危ないわ』
遊び人『……』
409 = 1 :
…………
――アリアハン城・城門――
スタスタ
勇者『あ、よかったまだ門をあげてないや』
勇者母『あら本当ね』
遊び人『…………』
勇者母『ほら、遊び人ちゃん。きっと皆心配してるわ』
遊び人『……うん』
勇者『じゃあちょっと遊び人を中まで送ってくるから母さんはここで少し待ってて』
勇者母『ん。遊び人ちゃん、それじゃあね』
遊び人『……』
勇者『?遊び人さん?行くよ』
スタスタ
遊び人『……お、おばさん!』
勇者母『?』
勇者『?』ピタ
遊び人『……あ……』
遊び人『……』
遊び人『……なんでも、ない』
スタスタ…
勇者母『……?』
…………
――アリアハン城・入り口――
門番『お?なんだ勇者じゃないか』
門番2『どうした、もう夜だぞ?』
勇者『いえ、多分お騒がせしたと思うんですけど』
門番『お騒がせ?』
門番2『なにがだ?』
勇者『いえ、ですから……』スッ
遊び人『……』
勇者『遊び人様がお城を抜け出されてたみたいで』
門番2『え?』
勇者『ですから、あの』
門番『“居なくなってたのか?”』
勇者『……――は?』
遊び人『…………』
410 = 1 :
門番『あ、いやすまない。こちらはそんな話届いてなくて』
門番2『遊び人様!申し訳御座いません、ご無事だったようで……さあ、入られて下さい』
勇者『……』
遊び人『……』
スタスタ
勇者『あ、遊び人さん』
遊び人『……』スタスタ
ピタ
遊び人『勇者ちゃん』
勇者『?』
遊び人『……また、あしたね』
勇者『……うん』
勇者『うん!また明日来るからね!』
スタスタ
遊び人『……』
門番2『全く、勝手に抜け出されては困ります!』
遊び人『……ごめんなさい……』
遊び人『(……ほら)』
遊び人『(だれも、わたしのしんぱいなんかしてなかった)』
…………
――アリアハン城・中庭――
スタスタ
勇者『遊び人さーん!遊び人さーん!?』
シーン
勇者『……はぁ、よし』
ピタ
勇者『っ』すぅぅ
勇者『いーうこときーくひーとこーのゆーびとーまれ!いーうこときーくひーとこーのゆーびとーまれ!』
ガサッ
遊び人『だからそればかみたいだからやめてくれる!!?ほんとにさ!!!』
勇者『あ、遊び人さんいた』
スタスタ
勇者『よっと、あれ?本読んでたの?』
遊び人『うん』
勇者『何の本?』
遊び人『んもー!なんでもいいでしょ!』
遊び人『それよりも、なにかようじあったんでしょ?おひるにわたしをさがしてるってことは』
勇者『ああ、そうなんだよ。今から一週間後にルビス祭があるのは聞いたでしょ?』
遊び人『うん。みんなじゅんびでばたばたしてるしね。それがどうしたの?』
勇者『そう、その準備に僕も参加しなくちゃいけなくて……しばらく来れないんだ』
遊び人『……え』
411 = 1 :
勇者『だから悪いんだけど、側近の仕事はメイドさんたちにいろいろお願いしてるんだ。それを伝えたくて』
遊び人『……そう、なんだ』
勇者『うん。ごめんなさい遊び人さん』
遊び人『……』
遊び人『……!?』ハッ
遊び人『なっ、なにいってんの!?こっちにしたらあんたがいなくなってばんばんざいでーす!』
勇者『なっ、なんだとう』
遊び人『ふふふ!うるさいひっつきむしがいなくなってせいせいするもん!』
勇者『ぐむむ……!』
遊び人『あははは!』
遊び人『(……そっか、勇者ちゃん……しばらくこないんだ)』
……………………
――アリアハン城・城壁の展望席――
ビュォォォ……
遊び人『…………』
<トントン カンカン
<キャハハハ
遊び人『……』
遊び人『(まちのみんなも、たのしそうにじゅんびしてる)』
遊び人『(……うらやましいな)』
……………………
…………
……
…
・
ドオン!ドオン!!
――アリアハン・ルビス祭――
『ルビス祭のはじまりだ!!』
『今日は皆飲め!歌え!!ルビス様を讃えろ!!』
『ねえはやくいこうパパ!!ママ!!』
ガヤガヤ
――勇者の家――
勇者母『さ、始まったわね。勇者もお城のお手伝いがあるんでしょ?』
勇者『うん!早く行かなきゃ』
勇者母『終わるのはどのくらいになるの?』
勇者『たぶん、夕方にはおわるから……あ、でもその後に』
勇者母『ふふ、まあいいわ。私は中央広場の料理場に居るから、何かあればいらっしゃいな』
勇者『うん!行ってきます!』
――――――――
412 = 1 :
遊び人『わぁぁぁぁ……!!』
――アリアハン城・遊び人の客室のバルコニー――
<ガヤガヤ
遊び人『なにこれ、すごいひと……!どれくらいいるんだろ……!』
遊び人『おまつりってすごい……!すごいすごい!!』
――賢者の客室――
タッタッタ
バタン!!
遊び人『おねえちゃん!あの、ね……?』
メイド『あら、遊び人様』
メイド2『どうかされましたか?』
賢者『……何か用かしら』
遊び人『……』
遊び人『(すごくきれーなどれす……)』
メイド『それではガルナ様、着付けは終わりましたので』
メイド2『時間になりましたらまた呼びに伺います。その前に王が式の打ち合わせをしたいとの事でしたが……』
賢者『はい。では今から王のもとへ参ります。ご苦労様です』
バタン
遊び人『……』
賢者『……だから、遊び人。何か用かしら』
遊び人『……なに、そのふく』
賢者『聖法衣よ。夕方に祝詞を皆の前であげないとならないの』
遊び人『え!?なにそれ!』
賢者『あなたの許可が必要だったかしら』
遊び人『う、ううん……でも!その』
賢者『何』
413 = 1 :
遊び人『けんじゃであるおねえちゃんが、そういうしごとをしなきゃならないなら』
賢者『!』
遊び人『わたしも、なにかけんじゃのいちぞくとして――……』
賢者『あなたは今日一日、部屋で大人しくしていなさい』
遊び人『……――え?』
賢者『今日は各国から色んな首脳や高僧が集まる……迷惑はかけられないの』
遊び人『や、やだ!!やだやだやだ!!!』
賢者『言う事を聞きなさい』
遊び人『そんなのぜったいやだよ!!こんなおまつりなんだよ!?うるさくしない!なにもめいわくは』
賢者『遊び人』
遊び人『っ』ゾクッ
賢者『私の言う事が分からないのかしら?あなたはそれ程に愚かなの?』
賢者『あなたが外を動き回れば、それだけで私は迷惑なの』
賢者『私にもうこれ以上言わせないで頂戴』
遊び人『……』
賢者『……』
スッ
スタスタ
賢者『……式の打ち合わせに行ってくるわ』
賢者『あなたは今日一日、部屋に居る事。いいわね』
遊び人『……』
賢者『……返事は?』
遊び人『…………だいっきらい』
賢者『……』
遊び人『おねえちゃんなんか……!!あんたなんかだいっきらい……!!!!』
賢者『知ってるわ……いい返事ね』
バタン
遊び人『……』
…………
414 = 1 :
――遊び人の客室・夕方――
<ワー!! ガヤガヤ
遊び人『………………』
ギュ…
遊び人『…………』
……………………
賢者『あなたが外を動き回れば、それだけで私は迷惑なの』
賢者『私にもうこれ以上言わせないで頂戴』
……………………
遊び人『……』
遊び人『(なんで、わたし)』
……………………
料理長『ここに遊びで入ってくるんじゃない。邪魔だわ』
……………………
遊び人『(ここにいるんだろ)』
……………………
メイド『誰にも懐かないし、悪さばかりするし』
メイド2『ちょっと大変よねぇ……』
メイド『お姉さんのガルナ様は大忙しだっていうのに……』
……………………
遊び人『(おねえちゃんのおまけみたいに)』
遊び人『(ひっつきむしみたいに)』
……………………
門番『“居なくなってたのか?”』
門番『あ、いやすまない。こちらはそんな話届いてなくて』
……………………
遊び人『(じゃまものなら)』
……………………
ガルナ『賢者……話がある』
賢者『遊び人……部屋からでなさい』
ガルナ『……お姉ちゃんの言う事は聞かなきゃだめだよ』
……………………
―――お姉ちゃんの言う事は聞かなきゃだめだよ―――
遊び人『(わたしなんか、いなくたって)』
――遊び人さん!―――
遊び人『……!!』
415 = 1 :
ガバッ!!
タッタッタ
ガチャッ!
遊び人『っ……!』
タッタッタ
遊び人『はっ、はっ……!』
遊び人『(勇者ちゃん……!)』
遊び人『(勇者ちゃんなら、わたしを)』
遊び人『(あいつなら……!)』
タッタッタ……
…………
――アリアハン・中央広場――
ガヤガヤ!!
タッタッタ…
遊び人『はっ!はぁ!』タッタッタ
『さっきのって本当かよ?ガルナ様があんな小さな……』
『でもすごく綺麗な祝詞だったな』
遊び人『はぁっ!はぁっ!』タッタッタ
『確かに凄い風格だったぞ。賢者様ってのは凄いな』
『ええ、見入っちゃったわ』
遊び人『はぁっ!!はぁっ!!』タッタッタ
『賢者様万歳!!!』
『賢者様!!もう一度祝詞を!!!!』
『賢者様!!』
『賢者様!!!』
『賢者様!!!!!』
遊び人『はぁっ!!!はぁっ!!!』タッタッタ
遊び人『(勇者ちゃん……!勇者ちゃん!)』
遊び人『(おまつりをあんないしてよ……!いつもみたいにさがしてよ)』
遊び人『(わたしといっしょに……!)』
416 = 1 :
…………
――アリアハン・街の裏道――
ガヤガヤ
タッタッタ
ズザッ
遊び人『はぁ、はぁ』キョロキョロ
遊び人『(こっちには……いない)』
スタスタ
遊び人『(もしかして、おしろでしごとしてるのかな……)』スタスタ
遊び人『(しごとでいそがしくて……もしかしたら)』スタスタ
遊び人『(それがおわったら、わたしのところにも)』スタスタ
『勇者ー!こっちこっち!』
遊び人『(きて……)』
ピタ
遊び人『……』
勇者『ごめん皆!仕事がちょっと色々あって』
戦士『遅いっての!待ちくたびれたぞー』
武道家『悪いわね、急がせちゃって』
魔法使い『これでみんなそろったねぇ』
僧侶『はい!どこにいきましょうか?』
盗賊『……ルイーダさんが屋台出してるから、そこにまず行ってみない?……』
遊び人『…………』
417 = 1 :
勇者『あれ?おねえちゃんはルイーダさんの屋台を手伝わなくても大丈夫なの?』
盗賊『……うん、さっきまで手伝ってたし。他にも雇ってるから……』
戦士『とにかくもう腹減ったよー!早く行こう!』
武道家『アンタは本当に食い気しかないわね』
僧侶『じゃあ向かいましょうか』
魔法使い『うん!れっつらごーだよ!』
<……!…!
遊び人『……』
遊び人『(あ、そうか)』
遊び人『(ばかだ、わたし)』
遊び人『(わたしはひとりでも)』
遊び人『(勇者ちゃんにはいっぱいいるんだ)』
遊び人『(わたしとはなしてくれるのは、やっぱり、しごとだからで)』
遊び人『……』
遊び人『…………』
スタスタ…
遊び人『…………』
遊び人『(かえろう)』
…………
……
…
・
418 = 1 :
――アリアハン城・エントランス――
スタスタ…
遊び人『……』
遊び人『(おしろ、ぜんぜんひとがいない)』
遊び人『(あしおとがいつもよりひびく)』
遊び人『(みんなまちのほうにいってるんだ)』
遊び人『……』
ザッ
賢者『……遊び人』
遊び人『……』
賢者『……どこに行っていたのかしら』
遊び人『……おわったんだ?けんじゃのおしごと』
賢者『どこに行っていたのと聞いているの。質問も返せないの?』
遊び人『もう、せいほういはぬいだんだ?』
賢者『……っ』
スタスタ
ガシッ!
賢者『あなた、いい加減になさい』
賢者『自分の立場を理解しなさい。それくらいも――……』
遊び人『わかんないよ』
賢者『……え』
遊び人『わかんないよ……』
遊び人『わたしってなに?おねえちゃんの、けんじゃのいもうと、それだけ?』
遊び人『なんでわたしここにいるの?なんでわたしは』
ポロポロ
賢者『……――っ』
遊び人『わたし、いらないんじゃん』ポロポロ
遊び人『けんじゃとなんのかんけいもっ、あんたとなんのかんけいもないなら!!!!』
遊び人『わたし、いらないんじゃんかぁっ!!!!!』
バッ!!
賢者『!!あ、遊び人!!!』
タッタッタ
遊び人『……っ!!』タッタッタ
賢者『待ちなさい!!遊び人!!』ダッ
タッタッタ
…………
419 = 1 :
今日はおしまいです
421 :
おつ
422 :
乙でございます
423 :
――アリアハン城・入り口――
スタスタ
メイド『はぁ、もう本当に忙しいわね』
メイド2『勇者母さんが手伝ってくれても間に合わないなんてね……料理長も目を回してたわ』
メイド3『ほら二人とも!食材庫の中の鶏肉と根菜をはやくもって行かないと』
タッタッタ
ドン!!
メイド『きゃっ!?』
遊び人『っ!』
タッタッタ…
メイド『あたた……今のって』
メイド2『遊び人さまだったわね?どうしたのかしら』
タッタッタ
賢者『遊び人!』
メイド3『あら……?あっ!ガルナ様!』
メイド2『どうかされたんですか!?』
賢者『いえ、遊び人はどちらへ行きましたか?』
メイド『今、城の門を出て行かれましたけど……』
賢者『……っ、あの子……!』
メイド2『何か御手伝いいたしましょうか?』
賢者『……』
ダッ
賢者『あまり大事にしたくありませんので……だれか手の空いた大人二、三人に遊び人を探すよう伝えて下さい!』
メイド2『は、はい!かしこまりました!』
タッタッタ
賢者『……』
――――――――
遊び人『わたし、いらないんじゃん』ポロポロ
遊び人『けんじゃとなんのかんけいもっ、あんたとなんのかんけいもないなら!!!!』
遊び人『わたし、いらないんじゃんかぁっ!!!!!』
――――――――
賢者『(……ばかっ……!)』
424 = 1 :
―――アリアハンの外れ・森の深く―――
チリリリリ…
ギャッ ギャッ
タッタッタ
遊び人『はぁっ!はぁっ!』
遊び人『(こんなところ、でてってやる!)』
遊び人『(わたしのこと、いらないんなら!こんなところでてってやる!)』
<遊び人!!遊び人!!
遊び人『!』
遊び人『(こんなとこまでおいかけてきて……!!)』
遊び人『だれが』
ギリッ
遊び人『だれがあんたのところにもどるもんか……っ!!』タッタッタ
――――――――
タッタッタ
賢者『はぁっ!はぁっ!』
賢者『(足跡がこっちに続いてる……!こっちにいるのね)』
賢者『(季節や霧の湿気のお陰で土が軟らかくなっているから足跡がつきやすくなってる)』
賢者『(これを辿っていけば)』
タッタッタ
ズ
賢者『……?』
ズズ
賢者『(何……?この感触は)』
ズ…
……――ゴオッ!!!!
賢者『っ……!!!!』
賢者『(地崩れっ!!?土が軟らかくなりすぎて……!?)』
賢者『(しまっ……!逃げられ)』
―――――――――
ズズゥン!!!
遊び人『!!?』バッ
シーン…
遊び人『……?』
遊び人『(……なに、いまのおと)』
425 = 1 :
シーン…
遊び人『……』
遊び人『……おねえちゃん……?』
遊び人『(さっきまできこえてた、おねえちゃんのこえがきこえない)』
遊び人『……』
ダッ!
遊び人『……っ、まさか』
―――――――
タッタッタ!
遊び人『……――!!』
パラパラ…
遊び人『(じめんがくずれてる……!)』
遊び人『(ふようどがもりあがっててきづかなかったけど、ほんとうはこんなきゅうしゃめんだったんだ……)』
遊び人『……おねえちゃん……?』
シーン…
遊び人『おねえちゃん……』
遊び人『……おねえちゃん!おねえちゃん!?』
『……う……』
遊び人『!!』
賢者『……』
遊び人『おねえちゃん!!』
ダッ
遊び人『おねえちゃん!!だいじょーぶ!?しっかりして!!』
賢者『……』
遊び人『……!』
遊び人『(きぜつしてる……!たすけにいかなきゃ!!)』
スタ…
パラパラ…
遊び人『(あんなにしたのほうにおちちゃってる……!!)』
遊び人『(きをつけないと、わたしまでいっしょにおちちゃう!)』
遊び人『(すこしずつ……!すこしずつ……!)』
……
スタッ!
遊び人『おねえちゃん!』
賢者『う……』
遊び人『……!あたまからちがでてる……!』
遊び人『……っ』チラッ
ビュオォォ…
遊び人『(……ひとりで……おねえちゃんをはこぶには、たかすぎる……)』
426 = 1 :
ズ…
パラパラ…
遊び人『!』
遊び人『(でも、だれかをよびにいってるじかんはない……!ここもまたすぐくずれちゃうかも……)』
遊び人『……』
賢者『……う……』
遊び人『……――!』
ガシッ!!
遊び人『(わたし、ひとりでも……!はこばなきゃ……!!)』
…………
――――――――
――アリアハン城・エントランス――
ガヤガヤ
王『しかし、大事にしたくないと言われたのなら……』
メイド『でももう日が沈んでしばらく経つんですよ?ちゃんと大人数で』
門番『とにかく、来賓の方々に情報が漏れないように捜索隊を……』
スタスタ
勇者『こんばんはー』
王『ん?ああ、勇者か!どこにおったんだ、探したぞ』
勇者『えっと、仕事が終わってからはお祭りを見て回っていました。なので屋台で買ったこれを――……』
王『時にガルナ様を見ていないか?』
勇者『賢者様ですか?いえ……どうかしたんですか?』
メイド『それがね……』
勇者『?』
427 = 1 :
…………
―――――――――
ズッ……ズッ…!!
遊び人『ふぐっ……!ふくっ……!!』
賢者『…………』
遊び人『(はやく、はやくうえにのぼらなきゃ……)』
遊び人『(またくずれてくるかも、しれないし……!きりもでてくるかもしれない)』
ズ…ズ
ズゥン!!
遊び人『ひっ!?』
パラ…
遊び人『……』
遊び人『(よかった、べつのばしょのじくずれみたい……!でもあんしんしてられない……!)』チラッ
賢者『……』
遊び人『……』
ズッ…!
パラパラ……
ズッ!ズッ!
遊び人『(おねえちゃんのことは、きらい……だいきらいだけど)』
遊び人『(だいきらいだけど……!わたしのおねえちゃんなんだっ)』
428 = 1 :
……
ズッ…!ズッ!!
遊び人『はぁっ!はぁっ!』
遊び人『(もうすこし……もうすこしでうえにつく!)』
賢者『……う……』
遊び人『おねえちゃん!しっかりして!』
ズッ…!ズッ…!!
遊び人『……っ……!!やっ』
ドサッ!!
遊び人『……った……!』
遊び人『(なんとか、うえまでこれ)』
ズッ
遊び人『……!!!』
遊び人『(くずれる)』
遊び人『っ……!おねえちゃんっ!!』
ドンッ
賢者『っ……!』ドサァッ!
ズズゥン!!!!
…………
……
…
・
・
…
……
…………
ホー ホー
遊び人『……』
遊び人『(あれ……?わたし)』
遊び人『(……あ、そっか……じくずれにまきこまれたんだ)』
遊び人『(おねえちゃんは……なんとか、まきこまれなかったみたい)』
遊び人『(……)』
ビュゥゥゥ……
遊び人『(……さっきより、ふかく、おちてる)』
遊び人『(もう、ほとんど……うえがみえないや……)』
遊び人『(くちのなか、ちのあじがする)』
遊び人『(からだがはんぶん、ふようどにうまってるから……ふしぎとさむくないや)』
遊び人『(からだじゅうが……いたい)』
遊び人『(てあしが、うごかない)』
遊び人『(……こえが、でない)』
429 = 1 :
遊び人『(このままたすけがこなかったら、どうなっちゃうのかな……)』
遊び人『(わたし、しんじゃうのかな)』
遊び人『(……やだな)』
遊び人『(……いらないこでも、なんにもできなくても)』
遊び人『(しにたくない……しにたくない)』
遊び人『(だれか、たすけて)』
遊び人『(だれか……だれか)』
遊び人『(…………おじい、ちゃん……)』
チリリリリ…
ホー ホー
……
イ……
オーイ……
オーイ!オーイ!
遊び人『……!』
<賢者様ー!賢者様ー!
遊び人『(おとなたちの、こえだ……)』
遊び人『(さがしにきてくれたんだ……!たすかるんだ)』
<賢者様ー!いらっしゃいますかー!?
<お前そっち探せ!
遊び人『(ちかづいてきた……!しらせ、ないと)』
遊び人『っ……あ』
ズキィッ!!
遊び人『ふぁ、くぅっ……!!?』
遊び人『(こえが、だせない……からだに、ちからがはいらない)』
遊び人『(きづいて……きづいてよ……!!)』
430 = 1 :
『おい、あれ』
『ん?……賢者様!!!!』
遊び人『!』
遊び人『(きづいてくれた……!)』
『賢者様!!お気を確かに!!』
『頭から血を流してる……!おい早く連れてくぞ!!魔物に襲われたんだ!』
遊び人『……!?』
遊び人『(くらいから……じくずれに、きづいてない?)』
『運ぶぞ!!ゆっくりだ!』
『あまり揺らすな!!』
遊び人『(まって)』
遊び人『(まって、まってよ)』
遊び人『(わたしも、わたしもいるよ)』
遊び人『(わたしもいる、たすけて)』
遊び人『た、す……だ、れか』
遊び人『(こえが、でない)』
<おい!見つかったぞ!
<王に報告してくれ!
<……
遊び人『……』
遊び人『(……だれか)』
…………
……
…
・
431 = 1 :
ホー ホー
チリリリリ
ビュオォォ…
遊び人『…………』
遊び人『(あれから、どれくらいたったんだろ)』
遊び人『(だれもこない)』
遊び人『(よるのもりって……すごくさむくなるんだ)』
遊び人『(だんだん……きりもかかってきた……からだじゅうがつめたくなってきた)』
遊び人『(……だれも、こない)』
遊び人『……』
遊び人『(わたし、ばかだ)』
遊び人『(わたしが、にげだしたから)』
遊び人『(おねえちゃんをあんなめにあわせて、みんなにめいわくかけて)』
遊び人『(わたし、ほんとうにいらないこだ)』
ジャリ…
グルルル
ギャッ ギャッ
遊び人『……』
遊び人『(だんだん、まもののけはいがふえてきた)』
遊び人『(たべられちゃうかな……このまま、しんじゃうのかな)』
遊び人『(だれもたすけにこないまま)』
遊び人『(……やだな)』
遊び人『(やだ、やだよ)』
遊び人『(たすけて)』
遊び人『(おねがい……いいこにします)』
遊び人『(もう、わがままいいません)』
遊び人『(だれかたすけて)』
遊び人『(たすけて)』
遊び人『…………―――――勇者、ちゃん』
・
イ
遊び人『……?』
オーイ!オーイ!!
遊び人『……!』
<おい!おーい!!!!
<遊び人さん!!!! 遊び人さん!!!!
遊び人『(……勇者ちゃん……!!)』
勇者『返事してくれ!!!!!遊び人さん!!!!』
432 = 1 :
遊び人『(勇者ちゃん……!勇者ちゃん!)』
タッタッタ
門番『勇者!!』
門番2『そっちはどうだ?』
勇者『いえ……!そっちは!?』
門番『全然だ……なんの返答もないし、足跡を追って行ったんだが、土がグズグズで途中で分からなくなっちまってる』
門番2『おおかた獣や魔物の足跡に掻き消されてるんだ』
勇者『とにかくこの辺りにいるのは間違いないと思うんです!!早く探さないと』
遊び人『(勇者ちゃん、わたしは……ここだよ……!)』
遊び人『あ、くっ……』
遊び人『(こえ、ださなきゃ……!うえにとどくように、おおきい、こえ、で)』
勇者『遊び人さーん!!!遊び人さん!!!!』
門番2『……霧が濃くなってきたぞ』
勇者『……っ、くそっ!遊び人さーん!!!!』
門番『……おい、勇者』
勇者『なんですか!!?』
門番『一旦、捜索を止めよう』
遊び人『……』
遊び人『(え……?)』
433 = 1 :
勇者『……え?』
門番2『もう随分探してこれだ。このままじゃ朝になるぞ』
門番『魔物は増えるし霧は深くなる。お前は子供だし、俺たちもこのままじゃ危ない』
門番2『松明の火も心許無くなってきた。捜索は日が明けたら再開しろって兵士団長も言っているんだ』
勇者『なっ、なにを』
門番『第一』
門番2『“賢者様は見つかったんだ。まずは一安心だろう”』
勇者『………………』
遊び人『……』
遊び人『……』
遊び人『(ああ)』
遊び人『(……そっか)』
遊び人『(そうだよ、ね)』
遊び人『(わたしは)』
遊び人『(わたしは、なんでもないんだ)』
遊び人『(わたしは)』
勇者『……――だったら、帰れよ』
遊び人『(……え?)』
434 = 1 :
門番『は?』
勇者『安心なら、帰れよ。あんたたちだけで』
勇者『僕は一人で探す。帰れよ』
門番2『何を言って――……』
勇者『あんたちこそ何言ってんだよ!!!!』
門番・門番2『『!?』』
勇者『魔物が増えるから危ない!?霧が深くなるから危ない!?』
勇者『子供だから危ない!!?』
勇者『全部全部遊び人さんにだって言える事じゃんか!!!!』
門番『……!』
勇者『賢者様だったら探すのか!!賢者様が無事なら安心なのかよ!!!』
勇者『遊び人さんが危ないんだよ!!!』
勇者『賢者様とか、そんなんで探してるんじゃないんだよ!!!』
勇者『あの子は!!!遊び人さんはまだ7歳で!!!!僕の友達なんだよ!!!!!』
遊び人『……』
勇者『見つけられるまで帰れるもんか!!!あんたたちだけで帰れよ!!!!』
門番『……』
門番2『……』
勇者『……っ……遊び人さん!!遊び人さーん!!!!』
門番『……門番2』
門番2『……ああ』
ダッ
門番2『追加で応援を呼んでくる!!松明も新しいのを持ってくるよ!!』
勇者『!』
門番『……勇者。悪かった』
勇者『門番さん……』
門番『探そう。土が崩れやすくなってる。足元に気をつけろ』
勇者『……うん!!ありがとう!!』
435 = 1 :
<遊び人さーん!!遊び人さーん!!
<遊び人様ー!!遊び人様ー!!
遊び人『……』
遊び人『……』
遊び人『……っ』
ポロ
遊び人『……~~っ……!』ポロポロ
遊び人『ふ、くっ……!……ーっ!!』ポロポロ
遊び人『(勇者、ちゃん)』
ギリッ
遊び人『…………ぅ、しゃ、ちゃぁん』
遊び人『ゆ、しゃ、ちゃぁん!……――ゆうしゃ、ちゃあんっ!!!』
勇者『!!!』
門番『どうした勇者?』
勇者『今、下から……!』
勇者『!!ここ!わかりにくいけど地崩れが起きてる!』
門番『!!!下か!!よし降りるぞ!!』
勇者『待ってて!!遊び人さん!』
…………
……
…
・
436 = 1 :
・
…
……
…………
―――翌日・アリアハン城・遊び人の客室―――
ガチャッ
勇者『失礼します』
メイド『あら、勇者くん』
遊び人『……!』
勇者『……あの、どうですか?』
メイド『ええ。大丈夫。神父様と僧侶ちゃんのおかげで外傷もないわ』
勇者『そうですか!……よかった』
遊び人『……勇者ちゃん』
勇者『…………遊び人さん』
遊び人『あの……その』
勇者『……』
遊び人『…………ご、ごめんなさい』
勇者・メイド『『!』』
遊び人『めいわく、かけて……ごめんなさい』
遊び人『ごめんなさい……!ごめんなさい……!』
勇者・メイド『『……』』
メイド『(あの遊び人様が謝ってるなんて……)』
勇者『……』
ナデナデ
遊び人『!』
勇者『……言いたい事も、文句も色々あるけど』
勇者『まあ……とにかく無事でよかったよ』
遊び人『……』
遊び人『……~っ!』
ダキッ!
勇者『うおっ!?』
遊び人『っ……!!ごべんなさい……!!』ポロポロ
遊び人『ごべんだざいっ……!!うぁぁっ……!!!』ギュゥゥ
勇者『…………うん、うん』ナデナデ
メイド『……ふふ』
ガチャッ
勇者・メイド『『!』』
遊び人『!』
賢者『……』
勇者『……賢者様』
437 = 1 :
ゾロゾロ
兵士『失礼する』
メイド『あのっ、そんな大勢入ってこられたら』
兵士2『少し黙っていろ。賢者様が遊び人様に話があるとの事だ。終わればすぐに出て行く』
メイド『……はい』
メイド『(……あの心配性の王様の事だから、賢者様のガードを固くするつもりなんだろうなぁ……これから)』
スタスタ
賢者『……遊び人』
遊び人『……はい』
賢者『私は言ったわ。大人しくしておけと』
遊び人『…………はい』
賢者『理解できなかったのかしら?私の言葉が』
遊び人『……』
賢者『……』
賢者『……どこまで貴女は愚かなのかしら』
遊び人『……ごめん、なさい』
賢者『…………』
クルッ
スタスタ
賢者『……戻ります。メイドさん、勇者。その子の世話をお願いします』
メイド『えっ?』
兵士『もうよろしいのですか?』
賢者『ええ。まだ仕事も残っていますので』チラッ
遊び人『……』
賢者『……――――バカに構っている暇はありません』
遊び人『っ……』
賢者『……』
スタスタ
賢者『さあ、いきまs――……』
勇者『バカはお前のほうだろ』
賢者『……え?』ピタ
438 = 1 :
一同『『『!!!!?』』』
メイド『ちょっ!!!?勇者くっ……!?』
兵士『なっ……!!?』
遊び人『……』
ピタ…
賢者『……何、を』
勇者『バカはお前だって言ったんだ』
スタスタ!!
ガシッ!
賢者『!?』ビクッ
勇者『お前この子のお姉ちゃんだろ……!』
勇者『前から黙ってれば、そんな言葉しかこの子に言えないのかよ……!』
賢者『……っ』
遊び人『……!』
勇者『今回のことも、なんでこの子が逃げ出したか!考えないのか!!』
勇者『いっつも突き放して……!ろくに喋りもせず分からせようとして』
勇者『遊び人さんはお前の人形じゃないんだ!!!!それくらいもわかんないのかお前!!!』
シュッ!!!
バキィッ!!!
勇者『がっ……!!』
メイド『!』
遊び人『勇者ちゃん!!』
ドサッ!!ギリッ!!
兵士『勇者、貴様ぁ!!気でも狂ったか!!!』ギリィッ!
兵士2『自分が今誰に物を言っているのか理解してるのか!!!?』
勇者『ぐっ……わかるよ……っ!そのくらいっ』
勇者『バカに言ってやってるんだ!!!そこの!!賢者っていうバカに!!!!』
兵士3『お、前っ……!!』
勇者『今年九歳になる僕にだって分かる事を、そいつはわかってないんだ!!!』
勇者『遊び人さんがどんな思いしてるか、ろくにわかってないんだ!!!』
遊び人『……!』
賢者『…………』
勇者『お前が誰だって!僕は言ってやるぞ!!』
勇者『バカはお前だ!!!』
439 = 1 :
兵士『こいつ!!!』ヒュッ!!
勇者『っ!』ギュッ
賢者『手を上げないで下さい!!!!』
兵士『っ!!?』
兵士2『賢者様!?』
遊び人『おねえちゃん……?』
賢者『…………』
勇者『……?』
賢者『……』
賢者『……兵士の方々。もう参りましょう』
兵士3『し、しかし』
賢者『それ以上、勇者に手をあげる事は許可しません』
兵士『!』
兵士2『は、はい!』
兵士『……勇者、この事は王に報告させてもらうぞ』ボソッ
兵士2『後で覚えておけよ……お前が一番のバカだって事思い知らせてやる』ボソッ
バッ
スタスタ
ガチャッ
賢者『……』
クルッ
賢者『…………勇者』
勇者『……なんですか』
賢者『……』
賢者『…………ありがとう』
勇者『……!』
賢者『……失礼します』
440 = 1 :
バタン
シーン…
勇者『……』
遊び人『……』
メイド『……ゆ』
ヘナヘナ
メイド『……勇者くん……あなた、本当に何考えてるのよ……こっちが疲れたわ』
勇者『はは……ごめんなさい、なんかカッとなっちゃって』
メイド『あの様子じゃこってり絞られるわよ?』
勇者『うぐ……ま、まま、まあ、だ、だいじょう、ぶだとおもいます……た、たぶん、ですけどもほほぉ』ガクガク
メイド『……ヘタレなのかそうじゃないのか分からないわね、本当に』
遊び人『……』
ダッ
ギュッ!!
勇者『うおっ!?』
メイド『あらま』
遊び人『……』ギュゥゥゥ
勇者『遊び人さん?えっと、ごめんね。ひとりでかってに怒っちゃって……』アセアセ
遊び人『……っ』スンッ
勇者『って泣いてる!?あのっえっと、ごめんっ?』
メイド『ふふ、またさっきみたいになっちゃってるわね』
勇者『あ!そうだそうだ!これを渡しに来たんだよ忘れてた!』
遊び人『……?』
勇者『ほら!これ!』
キラ…
メイド『それは……髪飾り?』
勇者『はい、昨日友達とルビス祭の店を回ってたら見つけて……遊び人さんにおみやげにって』
勇者『だから……あげるよ、遊び人さん!』
遊び人『……』
勇者『……あれ、なんかだめなやつだった?』
遊び人『……っ』スンッ
遊び人『んーん……』
ギュッ
遊び人『ありがとうっ……勇者ちゃん!』
…………
……
…
・
441 = 1 :
・
…
……
…………
―――アリアハン城・厨房――
料理長『……――で』
遊び人『……』
料理長『なんで厨房に入った瞬間にこの子は正座してるんだい』
メイド『それが、料理長にお願いがあるって……』
料理長『お願い?何さ?』
遊び人『りょうりちょうさん!』
料理長『うおぉっ!?なんだいなんだい!?』
遊び人『わたしをここではたらかせてくださいっ!』
料理長『……はい?』
遊び人『おねがいします!』
料理長『はぁ……アンタねぇ。私達は遊びでやってるんじゃ』
遊び人『しってます!』
料理長『……』
遊び人『おねがいします!』
料理長『……どういう風の吹き回しかしら』
遊び人『……』
遊び人『……です』
料理長『?』
遊び人『わたしは、いま、なにもできないです。ごくつぶしです』
料理長『ごくつぶして』
遊び人『はたらかざるもの、くうべからず!!はたらかせてください!!』
料理長『……』
遊び人『……!』
料理長『……メシを作って食わせたい奴でもできたかい?』
遊び人『!?』ドキッ
料理長『……ぷ、ははっ!!』
料理長『今までアンタがつまみ食いしてきた物はしばらくのお給金の前借だと思いな!』
遊び人『!』
料理長『それと!厨房ではアンタの身分なんて知らないからね!ビシバシいくから覚悟しときなよ!』
メイド2『ちょっと料理長!?』
メイド3『いいんですか勝手に決めて!!賢者様の一族ですよ!?』
料理長『知った事じゃあないわよ。ここじゃあ、私が法よ』
ザッ
料理長『それじゃあ手始めに皿洗いから叩き込んであげるわ!用意しな!!』
遊び人『……!!』
ビシッ!!
遊び人『はいっ!よろしくおねがいします!』
442 = 1 :
…………
―――勇者の家―――
コンコン
女勇者『!おきゃくさんだ』
勇者母『ほんと?はいはーい』
スタスタ
ガチャ
勇者母『どなた――……あら?』
遊び人『……こ、こんにちはっ』
勇者母『遊び人ちゃんじゃない』
…………
コトッ
勇者母『はい、ミルク』
遊び人『あ……ありがとう』
勇者母『またお城を抜け出してきたの?』
遊び人『ううんっ、おひるのあいだだけって、ゆるしてもらったの……すぐかえらなきゃ』
女勇者『すぐかえるの?』
遊び人『うん』
勇者母『それで?お話って?』
遊び人『……あ、あの』
勇者母『?』
遊び人『このまえの……ごはん、ごちそうさまでした』
遊び人『すごく、おいしかったです……』
勇者母『!』
女勇者『え、それをいいにきたのかい』
遊び人『ん……』
女勇者『そこまでさせるおかあさんのりょうりがおそろしい……おそれいったかいこむすめ』ハン
遊び人『あんたほんとうにむかつく』
勇者母『えへへ、でもありがとう。嬉しいわ』
443 = 1 :
遊び人『……――そ、それでね』
勇者母『ん?』
…………
勇者母『あらあら、厨房で働くことになったの!』
遊び人『うん……!まだおさらとか、やさいをあらったりするだけなんだけど』
勇者母『そっか……ふふ!良い事よ!応援するわ』
遊び人『そ、それでね?あの……』
勇者母『?』
遊び人『……勇者ちゃんのおかあさんにも、おしえてもらいたいなって……』
勇者母『私にも?』
遊び人『うん、えっと、りょうりだけじゃなくて……ふくとか、そうじとかも!』
女勇者『よくばりだね、よくばりすぎるよ。どれだけごうよくなの?』
遊び人『あんたはちょっとしずかにしててよ!!』
勇者母『……』
遊び人『……だめ、かな』
勇者母『…………悪いけど、今夕飯の下拵え中なの』
遊び人『……!』
遊び人『……ご、ごめんなさ』
勇者母『だから』
スクッ
勇者母『昼の間、ちょっと手伝ってもらえるかしら?遊び人ちゃんっ』ニコッ
遊び人『!』
遊び人『うんっ!ありがとうっ!おば』
勇者母『ん?』ゴォッ…!
遊び人『お、おばけがじょうぶつするくらいがんばります!』
女勇者『それはいったいどんな』
…………
……
…
・
444 = 1 :
・
…
……
―――アリアハン城・中庭―――
スタスタ
勇者『遊び人さーん!遊び人さーん?』
勇者『(あれぇ?……どこに行ったんだろ。最近は突然居なくなるなんてなかったのに……)』
勇者『……』
ザッ スッ!
勇者『いーうこときーくひーとこーのゆーびとーまれ!いーうこときーくひーとこーのゆーびとーまれ!』
勇者『(……なーんて、来るわけないか)』
ギュッ
勇者『!?』
遊び人『……』
勇者『あ、遊び人さん』
遊び人『ほら、とまったよ。まんぞく?』
勇者『え?あ、うん。まんざらではないです』
遊び人『……こっちきて』
勇者『へ?』
―――木々の間―――
勇者『ああ、ずっとここに居たんだ?……ってあれ?』
勇者『なに?このバスケットは……遊び人さん?』
遊び人『すわって』
勇者『え?うん』ストッ
遊び人『……』
勇者『?遊び人さん?』
445 = 1 :
パカッ
勇者『……!』
遊び人『……つくってきたの』
勇者『(これ、母さんが良く作る……僕の好きなやつだ)』
遊び人『えっと……このまえのるびすさいのときは……ごめんね』
遊び人『おわびと、おれいです』
遊び人『……――たべて、くれる?』
勇者『いいのっ!?』
遊び人『……うん。食べて』
勇者『ありがとう!いただきますっ!』
ガツガツ ムシャムシャ!
勇者『うおっ!おいしいっ!これおいしいよ!』
遊び人『えへへ……そっかな』
勇者『うんっ!ありがとう遊び人さん!』
遊び人『……さん』
勇者『うん?え?』
遊び人『さんはいらない!遊び人ってよんで!』
勇者『え、でも』
遊び人『いいからっ!』
勇者『……』
遊び人『……~っ!』
勇者『……わかった』
勇者『ありがとね、遊び人!』
遊び人『……うんっ!えへへへっ!』
勇者『あ、だったら僕の事もちゃん付けはさ……』
遊び人『それはだめー♪勇者ちゃんは勇者ちゃんだもーん』
勇者『くそう』
…………
……
…
・
446 = 1 :
今日はおしまいです
448 :
おつんつん!
450 :
おぉ…乙でございます
みんなの評価 : ☆
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