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    元スレ勇者「ハーレム言うなよ!絶対言うなよ!」武道家「4よっ!」

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    351 :

    連日投下ありがとう!

    352 :

    最近投下が続いて嬉しい

    353 :

    おつです

    354 :

    乙でございます

    355 :

    …………


    賢者『……――遥か昔。この大地が作られた際に、ルビス様は四人の人間に、この大地の監視者として……力を与えました』

    賢者『ガルナ・アープ・シャンパーニ・ナジミ……この四人です』

    賢者『四人の聖者は監視者の塔を建て、この世界を見守ってきました。しかし彼らも人間。いずれ体は朽ち果てていく』

    賢者『そこで彼らは子を成し、同じ血が通うその子供に、死ぬ間際……力を移しました』

    賢者『そうやって四人の聖者は役割を巡らせてきたのです』


    サイモン『……今回、ガルナ様もそうして……?』

    賢者『はい。随分前から、体が不治の病で蝕まれている事を知っていた祖父は、早い段階でこの計画を組まれておりました』

    賢者『祖父が亡くなると同時にその力を、そして聖マリナンの命名官様にガルナの名を……私は授かりました』

    賢者『以来、私はここで監視者の任を背負っています……しかし、それも時間の問題となってきました』

    オルテガ『……魔族の力が増してきている』

    賢者『はい。そしてルビス様の加護も薄れてきています』

    賢者『監視者の塔が魔族に脅かされるのも時間の問題です……なので、祖父はあなた方に』

    オルテガ『君らの保護を頼んだってわけか』

    サイモン『ちょ、ちょっとオルテガ!口のききかたが』

    賢者『構いません。ご自由にお願いします』

    賢者『……そうです。いくら賢者の力を授かったと言えど、私と妹はまだ十にも満たない子供』

    賢者『後顧の憂いを断つために、聖地でもあり安全なアリアハンへ移住できれば、と』

    サイモン『ですが……監視者の御役目はよろしいのですか?』

    賢者『はい。ここに居ずとも、世界の異変は分かります』

    賢者『もし何事も無く力を付ける事ができたのなら、ここへ戻って来たいと考えております』

    賢者『……お願いします』

    ペコリ

    賢者『……――私達二人を、アリアハンで住まわせてください』

    サイモン『……!』

    オルテガ『……ああ、まかせてくれ』

    オルテガ『王には俺達が話を通してくる。待っていてくれ』

    賢者『……恩に、着ます』

    356 = 1 :

    -一年後・ガルナの塔-


    サァァァァ……


    遊び人『……』


    スタスタ

    賢者『遊び人』

    遊び人『!』

    賢者『支度は終わったの?終わってないのなら早くなさい』

    遊び人『……いまいく』

    スタスタ

    遊び人『……アリアハンってとこにいくの?』

    賢者『そうよ。そこで暮らすの』

    遊び人『……オルテガさんは?』

    賢者『……』

    遊び人『たまにきてたあのおじさん……オルテガさんは?』

    遊び人『オルテガさんがつれてってくれるんじゃないの?』

    賢者『…………いえ』

    スッ

    賢者『オルテガ様はこれを渡してくれたわ。これを使うの』

    遊び人『なにそれ?』

    賢者『アリアハンの魔力場を記憶したキメラの翼よ』

    賢者『キメラは、毎回同じ巣に帰るために塒の巣の魔力をその翼に記憶させる習性があるの』

    賢者『その習性と、キメラが持つバシルーラ……強制移動魔法の力を組み合わせれば、一晩以上過ごし、魔力を記憶させた場所へ――……』

    遊び人『そんなんきいてない。うんちくはいいから』

    賢者『……』

    賢者『とにかく、オルテガ様がキメラの翼にアリアハンの魔力場を特殊な力で閉じ込めてくれた物があるの』

    賢者『すぐに発つわ。だから必要な物があったら纏めなさい』

    遊び人『……うん』

    賢者『……あと数刻経ったら、屋上に上るわ』

    スタスタ

    遊び人『……』

    357 = 1 :

    ――ガルナの塔入り口・屋上――


    ビュォォォォォ……


    賢者『……』

    賢者『(……この景色とも、しばらくお別れね)』

    スタスタ

    遊び人『……おまたせ』

    賢者『……遅いわよ』

    遊び人『……』

    賢者『早くなさいと言ったはずよ。何をしていたの』

    遊び人『……っ』

    賢者『これから初めてこの塔を出て暮らすのよ』

    賢者『そんな調子じゃ――……』


    ズイッ


    賢者『……――え?』

    遊び人『……これ』

    賢者『……え?これ?』

    遊び人『これっ……あげる』

    358 = 1 :

    賢者『……』

    ス…

    賢者『……星屑花』

    遊び人『それ、このへんにしかさかないんでしょ……』

    遊び人『……おねーちゃん』

    遊び人『おねーちゃん、さびしそうなかお、してたから』

    賢者『……!』

    遊び人『おねーちゃんのこと、だいきらいだけどっ』

    遊び人『でも……さびしいのは、わかるから』

    遊び人『……――それ、あげる』

    賢者『…………』

    賢者『……』

    賢者『……こんなもの、採りに行っていたの』

    賢者『……』

    クルッ スタスタ

    賢者『…………本当に、バカね』

    遊び人『なっ!!!?』

    賢者『さあ、こんな事してる暇があったら早速飛ぶわよ』

    遊び人『そんなこというならかえせー!ばかおねーちゃん!ばかばかぶぁーか!』

    賢者『あまり喋ると、飛ぶ時に舌を噛むわ』

    遊び人『んむっ……!むぅぅ~……!!』

    賢者『……』

    賢者『(本当に、バカなんだから)』


    …………
    ……


    359 = 1 :


    …………


    ――アリアハン――



    ガヤガヤ…



    遊び人『わぁぁぁぁぁ…………!!!!』キラキラ



    スタスタ

    遊び人『すごい……ひとがいっぱいだぁ……』

    遊び人『あのでっかいのおしろ……!?ほんものだぁ……』

    遊び人『わわわ、おみせがならんでる……!』

    賢者『ちゃんと前を見て歩きなさい。見回さない』

    遊び人『でもっ』

    賢者『黙りなさい』

    遊び人『……』

    賢者『とにかく、城まで歩くわ』

    賢者『付いて来なさい。余計な事をすれば承知しないわよ』

    遊び人『……はい』



    …………


    ――アリアハン城・謁見の間――


    『はぁ……』

    大臣『どうしたんですか。溜息など』

    『いや、オルテガを失ってしまったのが……未だにな』

    大臣『まあ確かに、ショックですな』

    『ああ……一体何に縋ればいいのか』

    大臣『何かに縋ろうとしてる時点でもうダメダメですよ。そんなんだからヒゲ野郎なんだアンタは』

    『お、上等だこの野郎』

    大臣『おう、その喧嘩買ってやりましょう』

    『えっ、ちょっと待って明らかに売ってきたの君の方だったよね』


    タッタッタ


    城門兵『失礼します!王様!』

    『むっ?どうしたのだ』

    城門兵『実は――……』

    360 = 1 :

    …………



    賢者『……お初にお目にかかります』

    賢者『賢者ガルナです……お見知り置きを』

    『……オルテガから話は伺っております』

    『ようこそいらっしゃいました。大賢者ガルナ様』


    側近『……あんな小さい女の子が、大賢者?』

    大臣『オルテガ殿から話は聞いていたが……目の当たりにすると、なんとも不思議なものだな』


    『ええと、そちらが――……』

    賢者『はい。この子は妹の遊び人……挨拶をなさい』

    遊び人『は、はのっ、あ、遊び人ですっ……』

    『妹君ですか……でしたらそちらも、賢者の』

    遊び人『え、えへへ』



    賢者『いえ、この子には賢者の力などありません』



    遊び人『……え』

    『そ、そうなのですか?』

    賢者『はい。この子は普通の子供となんら変わりありません』

    賢者『確かに、賢者ガルナの孫ではありますが……血が繋がっているだけです』

    賢者『この子は……』

    賢者『……この子は、賢者とは何の関わりもないのです』

    遊び人『なっ……そ、そんなことないもんっ!!』

    『うぉう?』ビクッ

    賢者『……』

    遊び人『わ、わたしだって、おじーちゃんのまごだもん!けんじゃのまごだもん!』

    遊び人『わたしも、わたしだって!!!!』

    361 = 1 :



    賢者『遊び人』


    遊び人『 っ』ゾクッ


    賢者『黙りなさい……口を慎みなさい』

    遊び人『え……で、も、その』

    賢者『……王様』

    『む、何でしょう』

    賢者『初めての都で、妹が疲れてしまったらしく……』

    賢者『大変不躾で申し訳ありませんが』

    『ああ!これは気が利かず申し訳ありません!』

    『御二人には、城内の客間をそれぞれご用意しました。これよりは、そこを御自分の部屋だと思っていただければ』

    賢者『手厚い歓迎、身に余る光栄です』

    『いえいえ、これくらいしかできませんで……おい、側近』

    側近『はい!』

    『ご案内してさしあげろ』

    側近『は!』


    遊び人『……』

    賢者『……遊び人』

    遊び人『!』

    賢者『あなたは、大人しくしていなさい』

    賢者『私の言う事を聞いていなさい……聞かなかった時は』


    側近『こちらでございます!』


    賢者『……行くわよ』

    遊び人『…………おねーちゃんなんか』

    賢者『大嫌い?』

    遊び人『……』

    賢者『…………――知っているわ』

    賢者『……さあ、行くわよ』


    …………
    ……

    362 = 1 :

    …………


    ――アリアハン城・廊下――


    スタスタ

    メイド『……いないわねえ』

    メイド2『あら、どうしたの?』

    メイド『ええ、ガルナ様の妹を探してるのよ』

    メイド2『あー、あの子すぐに居なくなるわよね』

    メイド『このお城に来て一ヶ月経つけど……誰にも懐かないし、悪さばかりするし』

    メイド2『ちょっと大変よねぇ……』

    メイド『お姉さんのガルナ様は大忙しだっていうのに……』


    <ソウヨネ- デサー


    コソッ…

    遊び人『…………』

    スタスタ…

    遊び人『……ふん』



    ――城内・会議室――


    賢者『……――という理由で、この術式だと。この変換が対応するという事になります』

    学者『質問です』

    賢者『はい、何か?』


    <……!


    遊び人『……』



    賢者『それはこの魔術に類似しているだけで、実際は――……』



    遊び人『……』

    363 = 1 :

    ――遊び人の部屋――


    ガチャッ……

    バタン


    スタスタ

    ぼふっ


    遊び人『……』

    遊び人『(……みんなみんな)』

    遊び人『(みーんなみーんな、おねーちゃんのことばっかり)』

    遊び人『(だれかがきたとおもったら、けんじゃさま、がるなさま……そればっかり)』

    遊び人『(なにをいっても、おねーちゃんはわたしをばかにするだけ)』

    遊び人『(……わたしなんでここにいるのかな)』

    遊び人『……』

    遊び人『……おじーちゃん』

    遊び人『(……おじーちゃん……わたし)』

    遊び人『(わたし……いらないこ、なのかな)』

    遊び人『……』

    遊び人『……っ』

    ガシッ

    遊び人『……みんなのぶぁーか!!』

    ブンッ!!

    ドカッ!


    ガチャッ


    メイド『……あ、あの』


    遊び人『!』

    メイド『ど、どうかしましたか……?枕なんて投げられて……』

    遊び人『……なんでもないっ』

    メイド『そうですか……あの』

    遊び人『なにっ!でてってよっ!』

    メイド『あ、いえ……王様がお呼びです』

    メイド『王の間にお呼びするよう言われまして……』

    364 = 1 :

    ――王の間――


    『いやあ、すみませんな。呼び出してしまって』

    賢者『いえ、魔術の研究講義も終えた所でしたので。何か御用でしたか?』

    スタスタ

    『ああ、妹君もいらっしゃったようです』

    賢者『!』

    ザッ

    遊び人『……』

    賢者『……』

    『さて、揃いましたな。それでは早速本題に』

    『今回お呼びしたのは……1つ提案がありましてな』

    賢者『提案?』

    『はい。実は――』



    タッタッタ


    『す、すみませんっ!!おくれましたぁっ!』


    『ああ、来た来た』


    ズザッ

    『はぁっ、はぁっ……すみません、でしたっ……!』


    賢者『……?』

    遊び人『……』

    遊び人『(……だれ、こいつ』


    『えー、提案というのが、この少年を、あなた方の側近として今日から配属したいと考えておるのです』


    賢者『はい?』

    遊び人『え?』


    『ほら、ちゃんと自己紹介をしないか』

    『はっ、はい!!』

    ザッ

    『今日から、お二人の側近として配属されました!』

    ペコッ!




    勇者『……――勇者と申します!よろしくおねがいしますっ!』

    365 = 1 :

    今日はおしまいです

    366 :

    おつです

    367 :

    おつです!
    王様と大臣みたいなノリが久しぶりに見れて面白かったww

    368 :

    次回いつー

    373 :

    楽しみにしてるぞ

    374 :

    らりほー

    375 :

    らりほー

    376 :

    春休みです

    377 :

    ラリーホーリーラ

    379 :

    ペース的にそろそろかな?

    380 :

    ……

    スタスタ


    賢者『……』スタスタ

    遊び人『……』スタスタ


    勇者『……』スタスタ


    スタスタ……

    勇者『あっ、あの!』

    遊び人『……』

    賢者『……何でしょう』

    勇者『えっと!お、お二人の側近、世話役としてっ、が、頑張ります!勇者です!』

    賢者『先程聞きました』

    勇者『う、えと、その』

    賢者『……』

    ピタッ クルッ

    賢者『……失礼ですが』

    勇者『はいっ!!?』ビシッ

    賢者『私に世話役は不要です』

    勇者『え……あ』

    賢者『私の事は自分でやれます。貴方の助けは必要ありません』

    勇者『でも、その』

    賢者『貴方には貴方の仕事があり、それを任ぜられた以上投げ出せない……それは分かります』

    賢者『ですが、あまり必要以上に干渉しないで下さい』

    勇者『……』

    381 = 1 :


    ――賢者の部屋の前――

    賢者『……私は少し休みます』

    ガチャッ

    賢者『世話ならその子をよろしくお願いします』

    遊び人『……』

    勇者『え、あのっ!』

    賢者『それでは』


    バタン!


    勇者『……』

    遊び人『……わたしももどる』

    勇者『あ、だったら僕に何かできる事は――……』

    遊び人『ない!』

    勇者『え、でも』

    遊び人『ないったらないの!』

    タッタッタ

    ガチャッ

    遊び人『わたしはひとりでだいじょうぶなのっ!あんたなんかいらない!』

    遊び人『とにかく!ほっといてよ!』

    バタン!!


    勇者『……』ポツン

    勇者『(……前途多難だなあ)』

    勇者『(でも……負けないぞ!)』

    382 = 1 :



    …………


    ――城・厨房――

    ガシャガシャ

    ジュウウゥ・・・・・・


    料理長『それそっちに持って行ってくれるかしら!そう、その薬味摩り!』

    メイド『料理長!柑橘類のソースできました!』

    メイド2『こっちも!鳥のワタ、抜き終わりました!オーブン開けて貰えます!?』


    <……!……!


    ヒョコッ

    遊び人『……』

    遊び人『(くふふ、ぬすみぐいしてやるう)』

    遊び人『(なにがいいかな……デザートかな、くだものも……)』

    ザッ

    ガシッ

    遊び人『ふぁ?』


    勇者『遊び人さんっ!』


    遊び人『うげっ!』


    料理長『あら?勇者じゃない……それに遊び人様も』

    メイド『あっ、遊び人様!またつまみ喰いですかー?』

    遊び人『ぐむっ……!』

    勇者『だめだよ遊び人さん!みんなの邪魔しちゃ!』

    勇者『お腹が空いたらちゃんと言いましょう!ね?』

    遊び人『う……』

    ダッ

    遊び人『うるさいうるさいっ!』

    勇者『あっ、遊び人さん!』

    タッタッタ…

    勇者『……』

    料理長『……アンタも大変だね』

    勇者『……いえ、がんばりますっ!』

    メイド『健気ね』

    383 = 1 :


    ――魔術研究室――


    学者『……――の詠唱がこの結晶に反応すれば……』

    学者2『エーテルが反応し合って決壊する筈だね、魔法使い』

    魔法使い『うんっ!やってみるねー!ちょっとてーぶるあけて』

    <……!……!


    コソッ


    遊び人『……』

    遊び人『(じゃあここでじゃまをしてやる……!)』

    遊び人『(くふふ、あのテーブルのうえのいしをどこかにかくしてやろー)』


    魔法使い『あれ?さっきのほんは?』

    学者『ああ確か学者2が』

    学者2『さっきこっちの棚に……』


    遊び人『(いまだ!)』

    コソコソ スッ

    遊び人『(さーてどこに)』

    ガシッ

    遊び人『ふぇ?』


    勇者『……二度目だね』ニコ


    遊び人『くひゃあ!』

    魔法使い『あれ、ゆーしゃ』

    遊び人『んもー!なんなのあんた!』

    勇者『だから邪魔しちゃ駄目って言ってるでしょ!』

    ダッ

    遊び人『しらないよぶぁーか!』タッタッタ

    勇者『あっ!……ごめん魔法使い!お邪魔しました!』

    勇者『待ってー!』タッタッタ

    魔法使い『じゃねー』フリフリ

    魔法使い『(ふふ、ゆーしゃもたいへんそうだねぇ)』

    学者『さて、続きを……あれ』

    学者2『……なんだ、これ』


    サラサラ…


    学者2『石が……詠唱も無しに……』

    384 = 1 :


    ――中庭・訓練場――


    兵士長『やぁぁっ!!』

    戦士『りゃあっ!!』

    ダンッ!! ガキィン!!

    兵士長『はぁ、はぁ……勝負あった、もうよろしい。次の者!』

    戦士『いてて……ありがとうございましたー』

    スタスタ

    剣士見習い『戦士ちゃんすごーい!兵士長とあそこまで渡り合えるなんて!』

    戦士『すごくねーよー。負けちゃったし、兵士長も手加減してたって』

    兵士長『(危なかった……負けそうだった)』ドキドキ

    タッタッタ

    戦士『ん?』


    遊び人『おいかけてくるなぁー!』タッタッタ

    勇者『だから悪さをしちゃだめだってー!』タッタッタ


    戦士『あ、勇者だ。それと……お城のお客さん?』

    剣士見習い『勇者くん、あの子達の世話役になったらしいからね。頑張ってるぅ』

    戦士『そのせいか最近遊んでくれないんだよなー』

    戦士『……ん?』


    賢者『……』


    戦士『(お城のお客さんの……大きいほう?)』

    戦士『(勇者とあの子をじっと見てる……)』

    賢者『……』

    クルッ

    賢者『……』スタスタ

    戦士『……』

    剣士見習い『戦士ちゃん?どしたの?』

    戦士『え?あー、なんでもねーよ』

    戦士『……』

    戦士『(なんだろ、変な顔してたな)』

    …………
    ……

    386 :

    乙でございます

    392 :

    まだかなー

    393 :


    ――アリアハン城・廊下――


    タッタッタ

    遊び人『はぁっ!はぁっ!……うぇっ!?』

    ズザッ

    遊び人『はぁ、はぁ!』

    遊び人『(うそぉ、ここいきどまりになってるんだ……!)』

    タッタッタ

    勇者『はぁっ、はぁっ……!やっとつかまえた!』

    遊び人『ぐむむ……!』

    ザッ

    勇者『さ、遊び人さん!ご飯の時間まで僕と一緒にいてもらうよ!』

    遊び人『やっだよーだ!べー!』

    勇者『なんでそんなワガママ言うんですかぁ!』

    遊び人『わたしはだれのいうこともきかないんでぇーす!ましてやあんたのいうことなんか!』

    勇者『僕のいうことは聞かなくてもいいからとりあえずあちこち逃げ回るのやめてもらえるかな』

    遊び人『それってあんたのいうこときいてるってことになるじゃん』

    勇者『よし!それじゃ決め事をしよう!』

    遊び人『え?』


    スッ


    勇者『……』

    遊び人『……なにそのひとさしゆび』


    勇者『いーうこときーくひーと こーのゆーびとーまれ!』


    遊び人『…………』

    勇者『……』

    遊び人『……え、なにいまの』

    勇者『僕がこう言ったら、とりあえず何をしててもこの指に止まる事。いいね?』

    遊び人『ばかじゃないの』

    勇者『いいね?』

    遊び人『ばかじゃないの』

    394 = 1 :



    ……


    ――アリアハン城・賢者の客室――


    ペラッ…

    賢者『……』

    ペラッ

    賢者『……ふぅ』

    タッタッタ

    賢者『?』

    ガチャッ!バタン!!

    遊び人『はぁっ、はぁっ』

    賢者『……遊び人』

    遊び人『しーっ!かくまって!』

    賢者『ふざけないで。あなたのかくれんぼに付き合っている暇は』

    遊び人『ちがうの!あいつ!またきょうもあのもやしがうるさいの!』

    賢者『もやし……勇者の事?』

    遊び人『そう!』


    <遊び人さーん!どこにいったのー!?


    遊び人『うええ、まださがしてるし』

    賢者『……とにかく、騒がしくしないで』

    遊び人『……あいつがいったら、すぐでてくってば。こんなとこ』

    賢者『そう』

    遊び人『まったく!あいつ、わたしにずっとつきまとっていみわかんない!』

    賢者『……』

    遊び人『そもそもなんでそっきんがあいつなの!?わたしたちはおんななんだから、ふつーおんなのひととかじゃないの!?』

    賢者『……彼はオルテガ様の息子なのよ』

    遊び人『えっ!?そうなの!?』

    賢者『彼自身も騎士団、及び勇者を志望しているらしいのだけれど、如何せん武力・魔力共に皆無らしいわ』

    遊び人『……それって』

    賢者『……』

    遊び人『…………あいつ、いろんなけいかくから、おはらいばこにされたってこと?』

    395 = 1 :

    遊び人『くびにしようにも、オルテガさんのむすこだからできなくて』

    遊び人『だったらつよさのかんけいない、おきらくなしごとに……』

    賢者『……』

    遊び人『……そんなめんどうごとなんであたしたちにおしつけるの!?あのバカおうさま!!』

    賢者『口を慎みなさい』

    遊び人『でも!』

    賢者『そしてうるさい』

    遊び人『む……』

    賢者『言ったでしょう。騒がしくしないでと』

    遊び人『……』

    コンコン

    遊び人『!』

    <すみません、ガルナ様。よろしいでしょうかー?

    賢者『……彼ね』

    遊び人『あわわわ、みつかったらまためんどくさいことに』

    賢者『諦めて出て行きなさい。そして』

    スタスタ

    賢者『!』

    遊び人『おねーちゃん!ものおきのなかにかくれさせて!』


    ―――――――


    勇者『……』

    勇者『(あれ?ガルナ様留守かな?)』


    ガタッ ガタァン!!


    パァン!!


    勇者『!?』

    ガチャッ!

    勇者『失礼します!今の音――……』



    遊び人『……』

    賢者『……』


    勇者『は……』

    遊び人『……な』

    遊び人『なん、で、たたくの』

    賢者『……』

    遊び人『かくれようと、した、だけじゃん』

    遊び人『なんで、なんでたたくの』

    賢者『……』

    クルッ

    賢者『……読書に戻るわ』

    賢者『出て行きなさい、遊び人』

    396 = 1 :

    遊び人『っ……!』

    ダッ!!

    勇者『あっ!遊び人さ――』

    タッタッタ

    勇者『ん……』

    賢者『……』

    勇者『……あの、一体』

    賢者『…………何でもありません』

    ガタ

    賢者『それよりも、用が無いのなら出て行って下さい』

    賢者『読書中なので』

    勇者『……』

    賢者『……何か?』

    勇者『……失礼しました』

    バタン

    タッタッタ

    <遊び人さーん!

    賢者『……』



    ――――――――



    ――アリアハン城・中庭・木の陰――



    遊び人『……』

    遊び人『……』

    遊び人『……おねえちゃんの』

    ―――

    賢者『出て行きなさい、遊び人』

    ―――

    遊び人『……ばかっ……!』

    ガサッ

    遊び人『!』

    勇者『あ、やっぱりここにいた』

    遊び人『あ、あんたっ、なんでここがっ!』

    勇者『だって、この前もここにかくれてたよね』

    ガサガサ

    勇者『たしかにちょうど木と木の間の空洞で秘密基地みたくなってるから隠れたくなる気持ち、わかるよ』

    397 = 1 :

    遊び人『はいってくるなぁっ!!』

    勇者『うぉっ!?』

    遊び人『あんたのせいでおねーちゃんにたたかれたの!!』

    遊び人『あんたが……あんたがおいかけてこなかったら……!!』

    勇者『……!』

    遊び人『なんでわたしをそんなにおいかけてくんのよ……!』

    ギュッ

    遊び人『わたしなんかほっといて……!!いままで、みんなそうだったじゃん……!』

    勇者『……』

    遊び人『……はやくどっかいってよ!』

    勇者『……ごめん』

    遊び人『!』

    勇者『なんというか、力任せに追いかけて……ごめんね』

    遊び人『……』

    勇者『……隣、座るね』

    遊び人『やだ』

    勇者『あはは、まあまあ……よいしょ』

    スッ

    勇者『……僕もね、ちょっとはりきりすぎちゃってた』

    遊び人『……』

    勇者『実はね。僕、仕事をまともに与えられたのはじめてだったんだ』

    遊び人『しってる』

    勇者『え、しってるの?』


    遊び人『あんたが、なんのさいのうもなくて、きしだんをじじつじょうクビになったのもしってる』


    勇者『……!』

    遊び人『……まちがってないでしょ』

    勇者『はは……よく知ってるね』

    遊び人『だから……はじめてのしごとだったからばかみたいにはりきったんでしょ』

    遊び人『“しごと”だから』

    ―――――――――


    勇者『遊び人さーん!』


    ―――――――――

    遊び人『(“しごと”だから……あんなにわたしにかまって)』

    398 = 1 :



    勇者『うーん、ちょっと違うかな』


    遊び人『……え?』

    勇者『ほんとはね、嫌だったんだ。偉い人の側近なんて』

    勇者『僕は父さんみたいな勇者に憧れてるから。魔物と戦う訓練がしたかった』

    遊び人『じゃ、じゃあなんであんなにばかみたいにはりきってたのよ』

    勇者『……誰にも言わない?』

    遊び人『そういうのいいから』

    勇者『うぐ……えっとね』


    勇者『……遊び人さんが、義妹にちょっと似てたんだ』


    遊び人『……いもうと?』

    勇者『うん。義妹』

    勇者『一つ年下で、ちょうど遊び人さんと同い年でさ』

    勇者『……いつも、どこか背伸びしてて。大人ぶろうとしてるんだ』

    遊び人『わっ、わたしはおとなだもんっ!!』

    勇者『ははっ、ほらそういうところとか』

    遊び人『ぐむむ』

    勇者『そういうの見てたらさ……なんというか、変に構いたくなっちゃってさ』

    遊び人『あんた、しゅふかなにかなの?』

    勇者『まあ、とにかくさ』

    スクッ

    勇者『これからもどんどん構っていくから!そのつもりでいてね!』

    遊び人『……』

    勇者『……』

    遊び人『……う"えぇ"~……?』

    勇者『(すっごい嫌そうな顔してるぅ……)』

    ダッ

    勇者『あっ!?』

    遊び人『あんたなんかにかまってもらわなくてもへーきよ!ばーか!』タッタッタ

    勇者『こらっ!ちょっ、まって!』ダッ

    遊び人『またないよーだ!』タッタッタ

    勇者『こらぁ!いーうこときーくひーとこーのゆーびとーまれ!いーうこときーくひーとこーのゆーびとーまれ!』タッタッタ

    遊び人『だからそればかみたいだからほんとやめて!!』


    ――いもうとにちょっとにてたんだ――


    遊び人『……』タッタッタ

    遊び人『(……なんでだろ)』

    遊び人『(なんか、ちょっとうれしい)』


    …………
    ……

    399 = 1 :


    ――アリアハン城・厨房――


    ガチャガチャ ジュワァァ

    メイド『料理長!こっちのスープもうすぐできます!』

    料理長『ありがと!じゃあ皿準備しといて!』

    メイド2『オーブンの薪って裏の倉庫にまだあったわよね!?ちょっととってきます!』

    料理長『次に焼くのは魚だから、香りが強い白木を持って来てちょうだい!』

    バタバタ

    料理長『ふう……ひと段落かね』

    遊び人『いそがしいんだね、なんかあるの?』モグモグ

    料理長『もうすぐルビス祭だからね。お偉いさんが頻繁に下見に来るのさ』

    遊び人『ふぅん?ルビスさい?きいたことはある』モグモグ

    料理長『ルビス様を祭る行事さ。この大地をルビス様が創った時の、最初の地がアリアハンと言われてるんだよ』

    遊び人『ふーん……』モグモグ

    料理長『さて、そろそろかね』

    遊び人『なにが?』モグモグ


    タッタッタ

    勇者『遊び人さん!』


    料理長『ほれきた』

    遊び人『ぐぇぇ、きました』

    勇者『全く!少し目を離した隙に!』

    料理長『はやく連れてっとくれよ、勇者。何をつまみ食いされるかたまったもんじゃない』

    勇者『ごめんなさい料理長……って遊び人さん何食べてんの』

    遊び人『りんご』

    料理長『何か与えとかないとすぐ料理に手を出すからね』

    料理長『まあとにかくだ。遊び人様。ここに遊びで入ってくるんじゃない。邪魔だわ』

    遊び人『……ふんだ』

    勇者『本当にすみません……ほら!遊び人さん!行くよ!』

    遊び人『はいはーい、いきますよーだ』

    スタスタ……

    料理長『ふぅ……やっと行ったわね』

    メイド『勇者君も大変ですね』

    メイド2『なかなか懐かないみたいですし』

    料理長『そうかい?』

    メイド『え?』

    料理長『なんだかんだ、あの子達なりに懐いてるように見えたけどね』

    400 = 1 :


    ――アリアハン城・蔵書室――



    遊び人『……ねえ勇者ちゃん』


    勇者『………………なに』

    遊び人『この、せかいちずの、えっと……あ、ここ。ここなんだよね?アリアハンって』

    勇者『そうだよ』

    遊び人『ふーん……』

    遊び人『(……まえに、わたしがすんでたのはどこなんだろ)』

    勇者『とりあえず、世界地図はしまって算法の勉強を……するまえに遊び人さん』

    遊び人『なに?』

    勇者『……さっきの何さ』

    遊び人『ん?』

    勇者『いや、僕の事なんて言ったの』

    遊び人『え?……ああ、勇者ちゃん?』

    勇者『なんだよその呼び方!』

    遊び人『えーぴったりじゃない?』

    勇者『どこがぴったりなんだよ!』

    遊び人『だってー、ひょろひょろでひよわだし?なんかめめしいかおしてるし?ゆうじゅうふだんだし?』

    勇者『ぐむ、ぐむむむ』

    遊び人『ほーらぴったりじゃん。あんたなんかちゃんづけよ。ゆ・う・しゃ・ちゃん』

    勇者『やめてよ!ほんとうにやめてよ!』

    遊び人『あ、なんだかいつもとたちばがぎゃくだ!ゆうしゃちゃーん♪』

    勇者『やめてってば!』


    ガチャッ


    勇者『ん?』

    遊び人『!』



    賢者『……』


    勇者『……ガルナ様』

    スタスタ

    勇者『えっと、ガルナ様は何か調べ物ですか?』

    賢者『次の術研の資料の本を取りに来ただけです』

    勇者『そ、そうなんですか』

    遊び人『……』


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