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元スレ上条「そこのおねーさん! お茶しない?」 麦野「あん?」

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801 = 1 :

「なんば勘違いしとっと? さっき言うただろが。天草式十字凄教の魔術師と。まさか知らんわけじゃなかろ?」
「知らねぇよ!! 魔術師って… 魔法なんか存在するわけねぇだろ!!」
     ブキ
(クソッ、靴を履いていれば…)

駒場の脳内が強い焦燥感で満たされる。

都合3斬。
運よくかわす事ができたが、次も避けられる自信は無い。

「はぁ、なんば言いよっとか? そこの金髪は元ローマ正教の魔術師だろが!」
「「……ローマ?」」

突然まくし立てた姫戸のセリフに、フレンダと駒場が同時に声をあげた。

「あ、アタシ!?」
「お前、イタリア出身だったっけ…?」
「冗談! アタシはフランス系!!」

怒りを言葉に乗せてフレンダが叫ぶ。

その渾身の一言に、姫戸が首をかしげて「えぇ…?」と困惑する。

「ぎゃんこつは……」

大太刀を降ろして悩みはじめる姫戸に、「ちょっと、姫戸ッ!!」と新たな声が掛かった。

「『一閃』を感知してきたけど、アンタなにやってんの!?」
「ああ、対馬ねえさん。いや、ターゲットを見付けたから…」

登場したのは、ふわふわな金髪にスレンダーな体つきをした長身の女性だった。
対馬と呼ばれたその女性は、相対する駒場とフレンダを、じっ、と凝視すると、やおら腕を振り上げて、

ゴンッ!!

「あいたぁッ!!」

容赦なく姫戸の脳天に拳骨を打った。

「な、なんで!?」
「よーーーーっく見ろこん馬鹿ッ!! そして、もう一度ターゲットの特徴を言ってみなさいッ!!」
「えぇ… えーと、金髪碧眼の女… じゃなかと?」
「……『両手両脚が義肢』は?」
「………おー、お?」

姫戸が改めてフレンダをジロジロと見る。

「……お前、腕がびろーんと伸びたり、突然、変形したりとかせんか?」
「するわけないじゃん!!」
「あ、あら……?」

一瞬で、姫戸はバツが悪そうな表情を作って長身の対馬を仰ぎ見た。

「ど、どぎゃんしよ… 人違いだったごたぁ……」

ガンッ!!

言葉の終わりとともに、情け容赦ない対馬の拳骨が再び炸裂し、姫戸は「ぎゃぁ!」という悲鳴とともにしゃがみ込んだ。

802 = 1 :

「すいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいません……!!」

ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン……!

声の主は対馬、音の発生源は姫戸の額だ。

瞬時に状況を悟った対馬は、強引に姫戸を土下座させ、自身も土下座をして頭を下げると、ひっ掴んだ姫戸の頭を何度も何度も上下させた。

当然、姫戸の顔面は地面である岩場に激しく打ち付けられ、頭蓋骨を使った即興の打楽器と化していた。

「ほんッッッッッとぅぅぅぅにすいませんッ!! うちの馬鹿がとんだご迷惑をッ!! どうお詫びすればいいのか…ッ おらぁ、お前も謝らんかいッ!!」
「がっがっがっがっがっがっがっがっ……ッ」

そのあまりに異様で、かつ、ギャグにしか見えない行為に、駒場とフレンダはすっかり毒気を抜かれてしまった。

「……いや、そのぐらいでいーだろ? 俺も怪我をしたわけじゃないし…」

本当は警察に連絡するレベルの凶行なのだろうか、自分たちも基本お忍びである。
あまり大事になってもらいたくは無かった。

「つーか、あんたら何者なんだ? 魔術師とか魔法名とか、よくわからんが…」
「え、この娘、魔法名まで名乗ったんですか!?」

何気無しに駒場は呟いたが、それは対馬にとっては驚愕の情報だったらしく、今度はネックハンギングツリーで姫戸を持ち上げ始めた。

「お・ま・え・はぁ~~~!! なに一般人に魔法名晒してんだよッ!! 死ぬか!? 死ななきゃ治んないのッ!?」
「ご、ごべんなざぁぁぁいい!!」

姫戸は完全に泣きが入っている。
流石にこれ以上はマズイと感じた駒場が、対馬の肩を叩いて姫戸を降ろさせた。

「やめとけって」
「……すいません」

ぴくぴく痙攣する姫戸を降ろした対馬が、改めて駒場に向き直ると、腰を90°曲げて頭を下げた。

「この娘には、あとで厳罰を与えます。ですから、どうかこの場で起きたことは忘れてください」

声は切実で切迫したものであった。

「厚かましいとは重々承知の上です。しかし、そうしなければ、私たちは貴方がたを……」

対馬の雰囲気が、ゆらり、と僅かに変わる。
そこに危険な何かを感じた駒場は、フレンダが何か言う前に強く頷いた。

「ああ、わかった。口外はしないし、司法にも訴えない」

横でフレンダが何か言いたそうだが、頭に手をポンと乗せて堪えさせる。

「ありがとうございます……」

対馬はそう言い、グスグスと泣いている姫戸を無理やり立たせると、改めて2人そろって最敬礼をした。

「本当に申し訳ありませんでした。こっちの小道を真っ直ぐ進むと、海水浴場に出れます」

頭を上げずに脇の小道を指差し、そのまま微動だに動かない。
どうやら、駒場たちが立ち去るまで、ずっと頭を下げておくつもりのようだ。

「…もう、辻斬りなんてすんじゃねぇぞ」

全身の緊張をといて駒場が片手を上げて立ち去ろうとした、その刹那、

――――ピシ

首筋になにかチクリとした感触があった。

(……? 蚊、か…?)

駒場は軽くそう考えると、脇のフレンダを再び肩に乗せて、いまだ頭を上げない2人に「それじゃ…」と声をかけて小道に進んだ。

「……人が良いんだから、殺されかけたのに」
「勘違いだったんだから、いいだろ?」

ようやく疲労に襲われたのか、駒場がコキコキと首を動かして嘆息した。

「しかし、まぁ、魔術師か…… ただの妄想少女かもしれんが、『外』も物騒なんだな…」

そう呟くと、駒場を再びフレンダを肩に乗せて、示された小道を歩きはじめた。

803 = 1 :

「あぁ、ようやく帰ってきた。どこで油売ってたのよ」

駒場とフレンダが戻ると、既に麦野たちはパラソルを畳んで撤収準備を終えたところだった。

「夏の海で開放的な気分になるのはわかるけどさ。一発ヤル体力は夜に残しておきなさいよ」
「あのなぁ… 俺たちは……」

麦野のデリカシーのない言葉に思わず反論しそうになるが、慌てて堪える。

「いや、なんでもねぇ。荷物運ぶぞ」

大の大人でも運ぶのに苦労しそうなパラソルやクーラーボックスを、ひょいひょいと肩に何個もかける。
そんな駒場に、なぜか救われたような表情の浜面が声を掛けた。

「マジで何してたの?」
「いや、ちょいと変なのに絡まれてな…」

そこまで言って、駒場は女性陣(特に滝壺と絹旗)が白い眼で浜面を見ていることに気付いた。

「…お前、何かしたか?」
「い、いや… ハハ… 別に何も…」

笑って誤魔化す浜面だが、その笑みはどこか引き攣ったものだった。

駒場が不思議に思っていると、視界に「流せ、無視だ!」と全力でジェスチャーする上条が見えた。

(…女関係か)

ここ数日で、何となくそういう雰囲気には敏感になってしまった。

ここは関わらない方が良いと判断した駒場は、あっさり浜面を見捨てて麦野に尋ねた。
浜面「あ、おい…」と縋ろうとするが知ったことではない。

「で、どこに運ぶんだ。バスか?」
「ううん、あっちの波止場。クルーザーが迎えに来てるから」
「……は?」

麦野が1つ丘を越えた先を指差した。

「クルーザーって?」

駒場が同じようにクーラーボックスを担いだ上条に聞くと、上条は分からないと言う風に肩をすくめた。

「聞いても教えてくれないんだよ。ニヤニヤ笑うだけでさー」

上条の言葉に、麦野は「行けば分かるわよ」とだけ答えて、麦野は見事なヒップラインを揺らして歩き始めた。

804 = 1 :

「ガチでクルーザーかよ… しかも、でけぇ…」

波止場にて一行を待っていたのは、大きなキャビン付きのクルーズ船だった。
外観を見ただけでも、相当に金のかかったシロモノだと分かる。

「これもレンタルか…? 無茶するなぁ…」

空港でレンタルバスを借りたことを思い出して上条が呟く。
しかし、それを聞いた麦野は、悪戯っぽい表情をして否定した。

「ばーか、レンタルじゃねぇよ」
「え、じゃあ、何コレ、もしかして…」
「そ、私の船」

えっ? と周囲の男たちが絶句する中(女性陣は平然としている)、クルーザーから1人の男性が出てきた。

体格は駒場と比べても遜色のない長身の老年男性、異国人を思わせる彫りの深い顔立ちをしたモノクロームの紳士は、海だというのにきっちりとしたスーツ姿であった。

「お久しぶりでございます、お嬢様」
「ああ、久しぶり。世話になるわよ、山岡さん」

慇懃に頭を下げる男性――山岡に、麦野は慣れた口調で話しかけた。

「お嬢様……?」

なにか得体の知れない悪寒を感じて上条が呟くと、麦野が本当に楽しそうにケラケラと笑いながら答えた。

「キャハハ! とうまぁ、毎晩アンタの上で腰振ってる女が、まさか正真正銘のお嬢様だとは思わなかったでしょ?」
「え、えーと… えっ、沈利って、お嬢様だったの…?」

いつもなら喉で止まる言葉が、驚きのためかあっさりと口から飛び出す。

「沈利お嬢様は、麦野重工の令嬢でいらっしゃいます」

麦野重工は、上条でも名前を知っている超巨大重工業系複合企業だ。

「まぁ、本流じゃないけどね。それでも、小さい頃はずいぶん贅沢させてもらったわ」

今もそんなに贅沢ぶりは変わりませんけどねー、と絹旗あたりは思うが、もちろん口には出さない。

「紹介するわ。この人はウチの使用人で山岡さん。これからお世話になるから、みんな挨拶!」

「あ、ども」「お世話になります…」「おぉ、執事さんな訳? よろしくー」「超よろしくお願いします」「……よろしく」

一行がそれぞれ挨拶をして頭を下げる。

上条も頭を下げようとしたが、瞬間、山岡にジッと見つめられて思わず言いよどんだ。

山岡は皆の礼に軽い会釈で返したあと、静かに迫力のある声で上条に話しかけた。

「あ、えーと…」
「上条当麻様ですね?」
「あ、はい…」

コクンと頷くと、山岡が深々と頭を下げた。

「お嬢様からお話は伺っております。お嬢様の心身をお守り頂き、ありがとうございます」
「いや、俺は別に…」
「今後とも、よろしくお願いします」
「は、はい… よろしくお願いします…」

なにやら大きな糸に絡み取られた感触を感じつつも、上条は神妙な顔つきで頭を下げた。

805 = 1 :

「もう絶対に驚かねー… つーか、驚きすぎて上条さんの『驚き指数』がカンストですよ……」

上条当麻が呆然として呟く。

山岡の操縦するクルーザーで走ること数時間。
そろそろ陽が落ち始めたという午後4時、一行は綺麗に整備された『島』に辿り着いた。

上条が呆然とした理由は、その『島』が明らかに『個人所有物』の様相を呈していたためだった。
『島』といっても外周は箸っても1時間はかかりそうだし、洋上から見えるほど立派な別荘が建てられている。

「ほらほら、当麻。何か言うことあるでしょ?」
「……ま、まさかこの島ぜんたいがー…ッ?」

思わず棒読み口調になってしまうが、本気で驚いているのだから仕方が無い。

「ええ、そうよ。プライベートビーチにモータークルーズ、美味しい料理に広いお風呂。休養にはもってこいの場所よ」

麦野が一同をぐるりと見渡す。

「これは、この前の仕事で頑張ってくれた皆へのご褒美よ。ま、若干2名、ハメすぎて役に立ってなかったヤツもいるけど…」
「「ぐっ」」

駒場とフレンダが、同時にバツが悪そうに眼を泳がせる。

「ま、それはしばらく笑い話になることでチャラにしてあげるわ」

フレンダが目に見えてホッと溜め息を吐いた。

「島の設備は好きに使って良いわよ。精一杯楽しみなさい」

おぉーッ! と一行から歓声が上がった。

「いやぁ、結局、太っ腹なリーダー様々って訳よ!」
「これは超遊ぶしかないですね! ね、滝壺!」
「うん、そうだね……」

はしゃぐ一行を満足気に見ると、麦野は傍らに控える山岡にそっと耳打ちした。

「…ゲストは?」
「明日の朝ご到着の予定です」
「よし、丁重にね」
「かしこまりました」

言い終えた麦野は上条にチラリと視線を送ると、心の中で大きく大きく気合を入れた。

(…ここで決着つけてやる!)

上条当麻は、ビッチの企みを未だ何も知らない。

806 = 1 :

某所。同時刻

「まったく… アンタはどうしてそう考え無しなの…!?」
「ごめんなさい…」

何の変哲も無い民家の一室では、対馬による姫戸へのお説教が続いていた。

「一応、あの2人に式髪を打ち込んでいるけど、反応次第じゃ、最悪、殺さないといけないのよ?」
「…はい」
「そうなったら、アンタが始末しなきゃならないこと、理解してる?」
「……はい」

もう散々泣いた後なのだろう、姫戸の眼は真っ赤だ。

「はぁ… 初任務で張り切るのは分かるけどさ……」

盛大な溜め息を吐いて、対馬は正座して小さくなっている姫戸を見る。

(でも、戦力的にこの娘が本調子になってもらわないと厳しいのよねぇ…)

うーむ、と思い悩んだ対馬は、空気を変えるように、バチーン、と一度大きく手を叩いた。

「……ッ!!」
「はい、お説教はおしまい! 以後、げんじゅぅぅぅぅッッに、注意すること! あと、私の許可なく『一刀』を抜かないこと! 返事!」
「は、はいッ!!」

姫戸の声を張った返事に対馬が「よし」と大きく頷く。

「ターゲット… 『学園都市』から脱走した『破戒尼』は未だこの近辺に潜伏中よ。我々天草式はなんとしてでも探し出さないといけないわ」

姫戸が神妙な顔つきで頷いた。

「わかっています。『女教皇』さまの願いを叶うためにも、必ずターゲットをたたっ斬ります!!」

姫戸の力強い宣言に、対馬は「コイツ、本当にブレーキ効くのかしら…?」と頭を抱えざるをえなかった。

807 = 1 :

再び、麦野の『島』である。

上陸した一行は、山岡の先導のもと、豪華な別荘に案内されていた。
『島』の別荘は、豪奢・豪華で、かつ、細かいところまで気を使った機能的な作りをされていた。

地上4階地下2階建てのその建物は、1階が食堂や大浴場などの設備、2~4階が宿泊室、地下1,2階が娯楽及びジム・エステルームとなっている。

「吹き抜けホール… まさに、ザ・別荘って感じだな…」

玄関ホールに足を踏み入れた一行は、まるで高級ホテルのエントランスのような造形に感嘆の声を上げる。

「部屋は2~3人部屋を適当に割り振ったから後で確認して」

麦野がそう言って、各人に部屋の振り分け表を配る。
その内訳は、『上条-麦野』、『フレンダ-絹旗-滝壺』、『浜面-駒場』といった割り振りであった。

「麦野ずるーい、自分だけカレシと一緒な訳?」
「うっさい、アタシはオーナーだから良いのよ。それとも、今すぐ『学園都市』に帰るか、ん?」
「め、滅相も無い訳よ…」

フレンダの能天気な失言と麦野の苛烈な突っ込みは、アイテムの日常風景、いつものことだ。

「今からはどうすんですか? 夕食にはまだ超早いですよね?」

絹旗がホールのシャンデリアに見とれながら言う。

「今からはお風呂にしましょ。露天あるし、シャワーぐらいじゃ海水のべたつき取れないでしょ?」
「おお、露天かぁ… そりゃすげぇ……」

浜面が嬉しそうに言うが、麦野が意地悪そうな顔をしてそれに答える。

「悪いけど、露天は1個しかないから、男子は内風呂ね。まぁ、そこそこ広い大浴場だから安心なさい」
「あ、そうですか…」

肩透かしを食らった浜面が肩を落とす。

「ま、大浴場もすげぇじゃん。そっちに期待しようぜ」

(沈利のことだから、夜に露天で… とか考えていそうだな…)

そんな近未来視をぼんやりと感じて上条が言う。

「そうだな、大浴場だもんな!」

浜面も気を取り直して笑う。

すると、それまで影のように存在感を消していたモノクローム執事・松岡が動いた。

「…それでは、男性の方々はわたくしが浴場に案内させて頂きます… こちらへ…」

松岡の声は重々しく、まるで錆び付いた錠前を苦労した解錠したときの音のようなである。

男3人は互いに顔を見合わせ、視線で何事か確認を取ると、踵を揃え、3人同時に、

「「「よろしくおねがいします」」」

と、深々と頭を下げた。

808 = 1 :

「うっわ~~!! 超さいっこうのロケーションじゃないですか!!」

女性陣の先陣を切って露天風呂に飛び込んだ絹旗が、眼下に広がる風景を見て感動の声を上げる。

その露天風呂からは、海に沈む夕陽を大パノラマで鑑賞することが出来た。
海面に走る、沈みかけた夕陽から伸びるオレンジ色の道が、波と共にゆらゆらと揺れる。

「感動…」

遅れて入ってきた滝壺がうっとりとした声をあげる。
へたれ浜面のせいで、しばらく意気消沈していた彼女だが、ようやく気持ちが落ち着いてきたようだ。

「気に入った、滝壺」

2人に遅れて、麦野とフレンダがやって来る。
フレンダはすぐに絹旗の隣に駆け寄ると、「おぉ~~!!」と揃って同じ歓声を上げ始めた。

「うん、ありがとうね、むぎの」
「…何か悩んでいるみたいだけど、アドバイス要る?」

2人そろって、軽く打ち湯をしてから露天風呂に身を沈める。

麦野の豊乳と滝壺の隠れ巨乳が、ぷかー、とお湯に浮かぶ。
その状況を、絹旗とフレンダが羨望と嫉妬と諦観と希望と妥協と逃避が入り混じった表情で盗み見た。

「アドバイス… うん……」

やはり相当に悩んでいるのか、意を決して麦野に尋ねる。

「もう、こんなちゅうぶらりんな関係は嫌なの…」
「浜面、ね」
「うん……」

滝壺が力なく頷く。
麦野は「そう…」と呟くと、突然、こんなことを言い始めた。

「最初に言っておくけど、アタシ、浜面と寝たことあるから」

どばちゃーん、と音を立てて、聞き耳を立てていた絹旗とフレンダが露天風呂にダイブした。

809 = 1 :

「…お前らナニやってんの?」
「な、何じゃないですよッ!! なんで超超きわどいことをカミングアウトしてるんですかッ!?」
「け、結局、ただの精神ダメージって訳よッ!!」

ちびっ子2人がぎゃあぎゃあ騒ぐのを、煩そうに麦野が手を振って止める。

「あのねぇ、こういうのは変に隠すから拗れるんでしょうが。別に付き合っていたわけじゃないし、1回ノリでヤッただけよ」
「で、でも…!」
「……うん、なんとなく知っていた」

絹旗がなおも言い募ろうとしたとき、ゆっくりと、しかし、はっきりと滝壺が言った。

「去年の冬ぐらいだよね?」
「なんだ、気付いてたの。そ、そのあたり」
「だって、はまづらがすごく麦野に気を使ってたもん」

特に波乱もなく会話を続ける2人を見て、絹旗とフレンダは顔を見合わせた。

「…なんか、ウチら超ガキっぽいですね」
「…アタシも恋愛の機微とか結局わかんない訳だし」

そう確認すると、2人は大人しく洗い場に移動して、丹念に身体を洗い始めた。

「…で、滝壺は浜面とどうなりたいわけ?」
「上手く言えないけど、はまづらに私を守って欲しいの……」

そう言うと、滝壺は洗い場でシャンプーと格闘している絹旗をチラリと見た。

「この前、はまづらが命がけで絹旗を守ったとき、凄く嬉しかったけど、同じくらい、凄く胸がくるしかったの…」

訥々と語る絹旗の顔は真剣そのものだ。

「ああ、これが嫉妬なんだなぁ、って思った。はまづらは、私だけの王子様になって欲しいって気付いたの…」

滝壺が麦野を見る。

「わたし、独占良くが強い、嫌な女だよね……」

真剣そのものの瞳を見て、麦野の背筋に嫌な悪寒が走った。

(こりゃ、これ以上拗らせたら病むわね…)

滝壺の想いは、真摯で一途なものだ。
ゆえに、道を間違えると不幸な結果になってしまうだろう。

「まぁ、アンタが勇気を出してアプローチしているのは知ってるから、結局はヘタレな浜面が悪いんだけどさ…」
「はまづらは私のことが嫌いなのかな…?」
「それは本人から聞かないとね」

ふむん、と麦野が考え込む。

「…滝壺、アンタ処女?」
「……う、うん」
「そっかー、じゃ夜這いは無しだねー」

ブレ無い女である。

「よ、夜這いとか無理だよぉ…」
「ま、あのアプローチが精一杯なのは理解してるよ、ただ、その巨乳はもっと生かすべきだと思うけどね… ん、まてよ?」

そこまで考えて、麦野はふと1つの可能性に思い至った。

「……滝壺、もしかしたら、今晩で決まるかもしれないよ」
「え、なんで…?」
「アタシも解決しなきゃならない問題があって、そのための布石を色々打っているんだけどさ…」

ニヤッ、と楽しそうに笑う。

「アンタ達にも効果ありそうだわ、その布石」

麦野の言葉を半分も理解できず、しかし、我らがリーダーが力になってくれていることを敏感に察して、滝壺はようやく薄い笑顔を顔に浮かべた。

810 = 1 :

一方、こちらは内湯大浴場に案内された男性陣である。

「ひ、広いな…」
「あ、あぁ… しかも大理石だぜ、ハハ…」
「お、お湯を溜めるだけでも数時間かかりそうだなぁー…」

駒場、浜面、上条が広い浴槽の中でぎこちない会話を繰り広げる。

その原因はただ1つ、

「恐縮です」

風呂でもモノクロームを外さない麦野家執事、山岡がなぜか一緒にお風呂に入っているからだ。

『こ、この爺さん、なんで一緒に入っているんだよ』(ボソボソ)
『知らねぇよ…!』(ボソボソ)
『つーか、老人の筋肉じゃねぇぞ…』(ボソボソ)

手ぬぐいを頭に載せた駒場が、チラチラと山岡の老人とは思えない筋肉質な身体を盗み見る。

(…ダメだ。勝てねぇ!)

いくつもの修羅場を潜り抜けた戦士であり、熟練の格闘者でもある駒場でさえ、この老執事から勝てるイメージを引き出すことが出来ない。

それほどの存在感を山岡は放っていた。

「時に」

不意に山岡が口を開く。

「は、はぁ?」
「みなさま、良い身体をしていらっしゃいますな……」
「ど、ども…」

3人が脳内に、(え、この爺さんソッチ系の人?)と薄ら寒い想像をしかけた。
しかし、そんな杞憂はすぐに消し飛んだ。

「上条さまはボクシング、浜面さまはアマレス… 駒場さまは… そう、サバットですな…」

3人がそれぞれの格闘分野を見事に言い当てられ、思わず身体を緊張させる。

「…わかるんですか?」
「上下肢の使い方、また、筋肉の付き方ですな… 上条さまは前鋸筋が、浜面さまは脊柱起立筋、駒場さまは内転筋群が発達していらっしゃる」
「すげぇな…」

浜面が感嘆の声を上げる。

「山岡さんは、ボディガードをしていらっしゃったんですか?」

思わず敬語になって駒場が尋ねる。

「はい、といっても、引退して長く、今はただの老いぼれ使用人でございます」

絶対に嘘だ、と3人が同時に思っていると、山岡は不意に、ゆらり、と立ち上がった。

「さて、それでは上条さま」
「は、俺…?」

上条が自分を指差し視線を左右に振る。

本能的な危険を察知したのか、浜面と駒場が、スーッ、と上条から離れる。

「あ、てめぇらッ!」
「お背中を流ししましょう」
「……は?」

意味が理解できず問い返す。

「お背中を、流しましょう」

その言葉には、有無を言わさぬ迫力があった。

811 = 1 :

ごしごしごしごしごしごし……

(正直… 痛い……ッ!)

全裸の男2人(一応、腰にタオルは巻いている)が、洗い場にて縦一列になって黙々と身体を洗っている。

初老の老人が、若者の背中をタオルで擦る…
曇りのない目で見ればそこまでおかしくは無い光景だが、当事者は違和感バリバリである。

(つーか、なんで俺は恋人の執事に背中を洗われているんだ!?)

だらだらと嫌な汗が額から流れる。

ちなみに、浜面と駒場は、被害が及ばないように自分で清拭を行っている。

「時に上条さま」
「はいッ!」

遂に来たッ! と、何かよく分からないが覚悟を決める。

「お嬢様が大変なご迷惑をお掛けしているかと思います。使用人の身ではございますが、深くお詫び申し上げます」
「い、いえ… 俺は別に、そんな…」

好きだから… という言葉を、気恥ずかしさから呑み込む。

「お嬢様はあの通り、大変に寂しがりやでございます。また、非常に繊細で打たれ弱く、常に誰かがそばで支えている必要があります」
「………わかります」

((ええぇぇ~~~~~~~!!??))

会話を盗み聞いていた浜面と駒場が、同じ叫びを心の中で発する。

「沈利は… 柔らかい中身を守るために、無理やり固い殻を被っているだけです」
「それをご理解頂けているとなれば、この松岡、大変に安堵いたしました」

ふと、洗う手が止まったのを不思議に思った上条が振り返ると、松岡が坐位のまま深々と頭を下げていた。

「性に奔放なお嬢様ではありますが、それは強烈な自己を休ませる宿り木を守るためでございます。
 どうか、お嬢様を苛烈にお求め下さい。万一がありましても、それは上条さまの責任ではございません」
「沈利は… 良い女です」
「はい… だからこそ、高嶺の花になることをお嬢様は何より嫌がられます」

なるほど、と上条は納得した。
麦野が今まで大企業のお嬢様であることを自分に明かさなかったのは、そういう心配があったからだ。

(俺が沈利の身分にビビッて、手を出さなくなることが怖かったのか…)

馬鹿だなー、とも思う。
あんな極上の身体を前にしたら、思春期のオトコが身分差など考えるものか。

「えと… 今晩はちょっとはっちゃけるかもしれないです」

上条が照れくさそうにそう言うと、松岡は初めて表情を変え、ニヤリ、と笑った。

「お嬢様は露天風呂からの夜景がお好きでいらっしゃいます。はっちゃけるならばそこですな」

松岡の言葉に上条は思わず、たはっ、と苦笑いで返した。

812 = 1 :

「ふ~ん… あの麦野がそんな悩み抱えていたとはねぇ… ん、どうした浜面?」

先に湯船に浸かり直していた駒場は、同じく隣で浸かっている浜面が神妙な顔をしているのに気付いた。

「俺ってなさけねぇ…」
「思い当たるフシは多々あるし、気付くの遅すぎるが、まぁ聞いてやる」
「ぐ… 上条は麦野の弱いところを、真正面から受け止めてるってのに、俺は滝壺から逃げてばっかりだ…」
「…ま、フレンダから逃げ回っていた俺が言うのもおかしいが、確かにお前ヘタレすぎるよな」

ぐぐぐ… と浜面が水面に沈む。
しばらく、ぶくぶくと泡だけが水面に昇ってきていたが、不意に、ざぱぁ、と浜面は顔を上げて宣言した。

「き、決めたぞ俺は!」
「ほう、何をだ?」

ぐっ、と片手を握って決意を顕わにする。
「お、俺は今晩滝壺に夜這いをかけるッ! そ、その結果、拒絶されても文句はいわねぇ!」
「ふむ…」
「協力してくれるよな、駒場の旦那!」

正直、今すぐ部屋に連れ込んで押し倒しても問題ない、と思わないでもないが、駒場にとって浜面は戦友であり親友である。
せっかくのやる気に水を差すのはしたくなかった。

「わかった、フレンダに協力するように言っておく。邪魔するヤツは居ない気はするがな…」
「た、頼むぜ…!」

すでにキョドり始めている浜面を見て、駒場はやれやれと天井を仰いだ。

813 = 1 :

そして、あっという間に夜が来た。

お風呂のあとは、質・量ともに抜群のブッフェスタイルの夕食。

そして、夕食後は腹ごなしのカラオケ大会。
麦野が彼女ぴったりなハードロックを歌えば、フレンダにせがまれて駒場が渋い声で洋楽をみごとに歌い上げ喝采を浴びた。

また、夕食前まではギクシャクしていた滝壺と浜面も、浜面が積極的に滝壺にアプローチし、
昼間の謝罪を行ったり、甲斐甲斐しく食事の世話をしたため、かなり場の緊張も解けリラックスした雰囲気となった。

「よーし、次は80年代ジャ○ーズ系ソングとかいってみよ~」
「いや、わかんねぇって! 旦那ッ! 旦那ッ!!」
「俺だってわかんねぇよ…!」

今は、麦野が出す無茶振りリクエストを、男性陣が死に物狂いで達成する流れに移行している。

「それでは、僭越ながらわたくしめが…」
「マジか… 山岡さん、パネェ…」

しばらく経って、朗々としたバリトンでの甘ったるいアイドルソングが流れ始める。
麦野が、ぎゃはぎゃは、と手を叩いて下品に笑い、それにつられて滝壺も笑う。

「じょうずだねぇ…」
「そうだな…」

滝壺のそばで浜面が相槌を打つ。
すると、自然と滝壺がはにかんだ笑みを漏らした。

「…浜面へたれが超わりと頑張ってますね。なにか変なものでも食べたんでしょうか?」
「結局、好きな男に構ってもらうと嬉しい訳よねー。滝壺嬉しそー」
「ちょっといいか?」

歌い疲れて休憩中の絹旗とフレンダに、麦野の隙をついた駒場が近寄って声をかけた。

「ん、なに?」
「今日さ、お前らこっちの部屋で寝ろよ」

駒場のストレートな物言いに、フレンダと絹旗の表情が胡乱なものに変わる。

「駒場さん… もしやこの金髪ロリのせいで超少女趣味に目覚めたとか…?」
「馬鹿、んなわけあるかッ!」
「いやいや、流石に冗談なわけよ。つまり、浜面が覚悟決めた?」
「ああ、そうだ」

3人の視線が仲良く松岡に手拍子をうつ浜面と滝壺に向く。

「……もう普通に超カレカノな気がするんですけどねー」
「ま、結局、一線越えなきゃ紡がれない絆もあるって訳よ」

やけに物知り顔でフレンダが言う。

「浜面なんかに滝壺さんが手篭めにされるのは超業腹ですが、本人が望んでいるなら仕方ありませんね」

絹旗が肩をすくめて言った。

「超了解しました。ですが、私が寝ている横でおっぱじめないでくださいよ?」
「流石にそれはねぇよ。な?」

駒場は即座に絹旗の懸念に答えたが、フレンダは「あ、結局そうなる訳か…」と軽くショックを受けていた。

「…交ざったりしない?」
「超お断りです」

814 = 1 :

―――そして、夜が来た。

~駒場・浜面の部屋~

「い、行ってくる!」
「おぅ、骨は拾わんからな。必ず決めて来い」


~滝壺・絹旗・フレンダの部屋

「あれ、ふたりともどこ行くの?」
「ん、利徳と逢引きなわけよ」
「映写室の大プロジェクタで超B級ホラー映画鑑賞会です」
「そ、そうなんだ…」


~上条・麦野の部屋

「沈利、露天に行こうぜ」
「…ちゃんと誘えて偉い偉い♪」

それぞれの思惑が交錯する、淫蕩な夜がやって来た。

815 = 1 :

コッ、コンコン…

絹旗とフレンダが突然出て行ってから十数分後。

さて、自分はどうしようかと思案していた絹旗の耳に、躊躇いがちなノックの音が響いた。

「…だれ? きぬはた?」

麦野はおそらく彼氏と淫らな行為に耽っているだろう。
さっき出て行ったルームメイトはすぐに戻るとは思えない。

絹旗は、ほんのりと沸き起こる淡い期待を感じながらドアの前にたった。

「…あ、俺、浜面だけど」
「…ッ! えと、うん……!」

(はまづら来ちゃったッ!)

夕食からやけに積極的だと思っていたが、まさかいきなり部屋まで来るとは!

(あ、もしかして麦野たちは知ってて…?)

脳裏に麦野の「今晩決まるかも」というセリフが蘇る。

「ちょ、ちょっと待ってて!」

滝壺にしては珍しく焦った声で返事をする。

(ど、どうしよう… は、裸になっていた方がいいのかな…?)

「今晩決まる」というセリフと「浜面が来た」という事象が変な化学反応を起こし、滝壺の思考が混乱して色々な手順をすっとばす。

(あ、でも、告白されてから脱がなきゃだめなんだよね…?)

瞳をぐるぐる回しながら部屋中を「どうしよう… どうしよう…」とうろつきまわった挙句、再び思い出されるのは麦野の、
『その巨乳はもっと生かすべき』というセリフである。

(ブ、ブラを外すぐらいがちょうどいいのかなッ!?)

絹旗は、ありえない方向に暴走していった。

816 = 1 :

「お、おまたせ…」

部屋の前でさんざん待たされ、決意がかなり鈍り始めた頃、ドアがようやく開いて中から頬を紅く染めた絹旗が顔を出した。

「は、はいって…」
「お、おう…」

やや裏返った声で浜面が応じ、スルリと室内に入り込む。
キョロキョロと部屋を見回し、絹旗とフレンダが居ないことを確認すると、やや安心した様子でソファに腰を降ろす。

「…………………」
「…………………」

滝壺も、すとん、と対面のベッドに腰を降ろし、しばらく無言の時間が流れた。

「ど、どしたの、急に…?」

先に沈黙に耐え切れなくなったのは、意外にも滝壺の方だった。
眼を泳ぎ泳ぎ、指を弄り弄り滝壺が尋ねる。

「ああ、あのさ… 昼間、海で馬鹿なこと訊いちまったから…」

一応、己の失言は自覚していたのか、浜面がそう切り出す。

「ごめん、あの時はちょっと余裕無くて…」

今も十分に余裕が無いのだが、とにかく勇気を振り絞って話を続ける。

「ホントに言いたい事はああいうことじゃなくて」
「うん…!」

緊張が増したのか、滝壺の姿勢が前のめりになる。
浜面も声のトーンが高くなり、いよいよこれからが正念場だと気合を入れる。

「本当は、俺の気持ちを滝壺に伝えたいんだ。俺の、気持ちを…!」
「うん!」

滝壺が力いっぱい頷く。

これはもう決まった。
浜面がとうとう勇気を出してくれたのだ。

あとは好きだと言われて、最速でOKをして、キスをされ、甘い言葉をかけられ、そして……!

(イメージトレーニングはばっちり…!)

さらにぐぐっと身をかがめて、浜面の決定的な一言を待つ。

(大好きだよ、はまづらッ!)

その時、これまでの努力が報われると確信した滝壺の胸元から、桜色の何かがチラリと見えた。

「ん?」
「うん… あ…」

それを視認した浜面の動きが一瞬止まり、滝壺も不思議そうな表情になり、そしてその原因に気付く。

(はまづらに見えちゃってる!)
(あれ… 今俺が見てるのって、滝壺の……!)

桜色の乳首――――。

817 = 1 :

破断点という言葉がある。

主に金属に対して使われるそれは、物体に外力を加えたとき、それに抗する応力がもちこたえられなくなって、物体が破壊される極限点のことである。

浜面が滝壺に対して好意を抱いたのは、最近のことではない。
滝壺が浜面のことを憎からず思ったのも、最近のことではない。

互いの恋慕と、主に滝壺からの勇気あるアプローチは長らく続いており、それは確かに浜面の理性に影響を与えていた。

こつこつ、こつこつと加わり続けた恋心は、『告白』という形で昇華されるべきであり、まさしくその直前まで状況は進んでいた。

だがしかし、これまで何人もの男を狂わせてきた女性の身体部位は、恋心が昇華するよりも早く、僅差で浜面理性をぽっきりと折ってしまった。

818 = 1 :

「た、滝壺ぉッッッッ!!」
「ふぇ!?」

突如、目の前の愛しき人が暴走して獣となる。

滝壺に飛び掛った浜面は、そのままベッドに滝壺を押し倒し馬乗りになる。

(い、良いよなッ!? ノーブラで見せてるってことは、襲っても良いんだよなッ!!)

悲しい男の性か、目の前のごちそうを前に浜面の理性はあっさりと溶けてしまっていた。
とにかく今は、愛しいからこそ汚したい、目の前の肢体を堪能することしか頭にない。

浜面は己の衣類を引き千切るように脱ぎ捨てると、鼻息荒く滝壺に覆いかぶさった。

一方、滝壺は―――

(だ、だいじょうぶ、問題なし! 襲われるイメトレはずっとしてたもん!)

乳首が見えたのは計算外だったが、ブラジャーを外していたのは自分の意思だ。

こうなったら覚悟を決めなければならない。

(はまづらだったら怖くない… はまづらだったら怖くない… はまづらだったら怖くない……!)

呪文のように心に念じ、ぎゅっと瞑った眼を薄く開く。

しかし、そこには居るのは、獣欲にまみれた男だ。
普段の小器用になんでもこなし、頼りがいのあり、しかし、基本的に小心者な彼ではなかった。

「ひっ!」
「はぁはぁはぁはぁ!!」

浜面が鼻息荒く絹旗の上着を乱暴にたくし上げる。
ノーブラの巨乳が勢い良く弾むのを見て、さらに興奮が増す。

「でけぇ…!」

性欲と支配欲がない交ぜになり、滝壺の巨乳を鷲掴みし、飛び出た乳首に吸いつく。

「い、痛いッ!!」

とても愛撫とは呼べないその行為に、滝壺が悲鳴を上げる。

(が、我慢しなきゃ… 我慢、我慢…… でも…!)

心とは裏腹に、肉体が恐怖に対して過剰な反応を示す。

滝壺の眼尻に大量の涙がたまり、ぽろぽろと零れだす。
瘧のように全身がガタガタと震えだし、歯がカチカチと音を立て始める。

「……ああ」

滝壺の震えが、のしかかる浜面に伝播する。
瞬間、へたれ浜面の獣欲があっという間に霧散した。

「え、滝壺、震えて…? あ、俺…」

冷水をぶっ掛けられたかのように頭が冷静になる。

「俺、なんて事を…」

おっぱいを鷲掴みにしていた手を慌てて離す。
眼下には、小さく震える滝壺の姿。

浜面は一気に天国から地獄に落ちる気分を味わった。

819 = 1 :

「……どうしたの?」

突然動きを止めた浜面を不審に思って、滝壺が問いかける。

自分を拘束する男は泣きそうな顔をしていた。

「俺… ごめん… こんなつもりじゃ……」

浜面の肩が力なく落ちる。
これではレイプだ、強姦だ。

そっと滝壺の上からのくと、ベッドから降りようとする。

「俺、部屋にもど「ダメッ!!」

浜面の力ない呟きが、ひどく珍しい滝壺の大声に遮られた。

「ダメだよ… 逃げないではまづら…」
「だって俺…」
「嫌じゃない… 嫌じゃないよ、わたし…」

まだ震えの残る身体を頑張って動かして、背中から浜面に抱きつく。
隠れ巨乳が逞しい背筋に潰され、ぐにゃり、と形を変える。

「ごめんね、わたし、臆病だから震えちゃって… はまづらがしたいようにして良いんだよ…?」

その言葉が、まるで電流のように浜面の身体中を駆け巡った。

「な、何してもって…?」
「うん、いいよ… だってわたし… わたし…」

ここを逃せば、もうチャンスは無いかもしれない。

これまで2人は、ごく親しく近くに存在していたのに、ニアミスばかりを繰り返してきた。
滝壺だって、生殺しはもう嫌なのだ。

「わたし、わたし、はまづらのことが……!」
「滝壺、好きだッ!!」

『好き』と滝壺が言葉を作るより早く、浜面が猛然と振り向いて滝壺に宣言した。

「俺、お前のことが好きだッ! 守ってやりてーって、すっげぇ、心からそう思う! お前の仕草や、表情や、声や… 全部好きだッ!!」

力いっぱい、しかし、華奢な滝壺が壊れないように丁寧に抱きしめる。

突然の告白に、しかし、滝壺は口を尖らせて不満そうな表情をする。

「う~~~、わたしが言おうとしてたのに~~」
「わ、わりぃ…」
「うん… でも……」

滝壺がそっと眼を閉じる。

「うれしい……」

顔をそっと動かして、浜面の正面に移動する。
奇跡的に意を得た浜面は、緊張に固くなる身体をゆっくり動かし、

…ちゅ

小さな小さな滝壺の口唇に、己のソレを重ねた。

820 = 1 :

「じゃ、じゃあ、も1回…」
「うん……」

滝壺をお姫様だっこで抱えた浜面が、ゆっくりとベッドの上に滝壺をおろす。

「あ、あの… はまづら…?」
「ああ、なんだ?」
「好きにして良いって言ったけど…」

またも、いじいじ、と指を弄る。

「できたら、優しくして欲しい… かな?」

美少女が恥ずかしそうに微笑むその仕草が、逆に浜面に火をつけようとする。

(やば… その笑顔は破壊力がありすぎる…!)

めちゃくちゃにしたい気持ちを苦労して押さえ込んで、浜面は緊張を解くためにも滝壺に軽くキスをした。

「は、初めてだもんな、滝壺は…」
「うん… キスもさっきが初めて… あ、そっか…」 

妙に色っぽく滝壺が笑う。

「ファーストキス、奪われちゃった。えへへ…」

(我慢とか無理だろこれーーーッ!!)

どうしてこの少女は、こうも男を興奮させるのが上手いのだろうか。

既に浜面のペニスはギンギンに反り返るほど勃起している。

今すぐぶち込んで思うままに蹂躙したいが、もちろんそんなことは無理だ。

(とりあえず、ペッティングして落ち着こう…)

軽く滝壺と視線を交わして、半脱ぎになったシャツと、いつも履いている桃色のジャージをスルリと取り去る。

ショーツ一枚になった滝壺の肌はうっすらと桃色に上気している。
昼間、海の日光でしっかり焼いたため、ビギニラインだけ元のきめ細かい白い肌が残っている。

「……なんつーか、綺麗でエロい」
「へ、変じゃない? 焼きすぎちゃったかも…」
「変じゃねぇ、エロ可愛さ抜群だよ。世界中のどんな美少女より可愛い」

歯に浮くようなセリフも、こんな状況で好きな男に言われると嬉しくなってしまう。

浜面の両手が、さっきとは打って変わって、そっと丁寧に滝壺の双乳を包むように持ち上げた。

「舐めるよ、いいか?」
「うん…」

滝壺の乳首をそっと口に咥えて、乳首をコロコロと舌で転がす。

「はぅ… んぅ…」

敏感なのか、滝壺がかすかに甘い声で喘ぐ。
それに調子を良くした浜面は、とにかく先ずは滝壺を気持ちよくさせようと、知る限りの舌戯で乳首を責める。

ちゅ、ちゅぅ… れろ、れろぉ…

「あん… えっちだよぉ、はまづらぁ…」
「エッチしてるんだから、当然だろ…」

ひとしきり乳首を舐めほぐしたあと、ピンと勃起した乳首を人差し指と中指で挟んでクリクリと弄る。

はぁはぁ、と滝壺の吐息が次第に荒いものになっていく。
そこに確かに性感の昂ぶりを感じた浜面は、意を決して滝壺のショーツに手を伸ばした。

821 = 1 :

「取るぞ、いいか?」
「うん…… 笑わないでね……」

流石に恥ずかしさが先にたつのか、滝壺が両手で赤面した顔を覆う。

「笑わねぇよ…」

スルスルとショーツを足首まで下ろして、片足だけ抜く。
初めて見る滝壺の秘所は、童女のような佇まいをみせていた。

「あれ、滝壺って、まだ生えてなかった?」
「今日剃ったの! ばかぁ…!」
「わ、わりぃ…」

(そういえば、今日の水着はビギニだったっけ…)

清楚でいて、しかし大胆なビギニラインを思い出してさらに興奮が増す。

(いかん… 早めにやらんと暴発しちまう…)

滝壺を落ち着かせる意味も込めて、口と片手で巨乳を弄りつつ、空いた片手で股間をまさぐる。

「……ッ!」

それでもやっぱり怖いのか、ぎゅっ、と眼を瞑る滝壺に、「優しく触るから大丈夫」と静かにこえをかける。

……くちゅ、

(おっ、ちゃんと濡れてる……)

ピタッと閉じた割れ目をそっと開くと、秘裂の中から、じわっ、と愛液が滲み出てきた。

(うし、次はこれを使って…)

処女穴に間違って指を挿入しないよう注意しながら、浜面は指の腹でヴァギナの入り口を、ちゅくちゅくと刺激する。

「あぅぅ… 恥ずかしいよ…」
「大丈夫、大丈夫だよ…」

指に愛液がしっかり絡んだのを確認して、細心の注意を払い、秘裂の上にあるクリトリスに軽くタッチする。

「ひゃ!」
「力抜いて……」
「う、うん……」

驚いて滝壺が身を竦める。

浜面は怯える滝壺を安心させようと、滝壺の口を咥えるようにキスをし、舌を伸ばして滝壺の口唇を、とんとん、とノックした。

(わ… べぇろをお口に入れちゃうの…?)

滝壺がおずおずと口を開くと、間髪いれずに浜面の舌が咥内に侵入した。

「あ… あぅあぅ……」

浜面は舌を滝壺の咥内で暴れ始めると同時に、陰核もソフトタッチで、くりくり、と弄り始める。

「………ッ!!」

完全に未知の刺激を2つも同時に味わい、滝壺の背筋がビクンと跳ねる。

(あ、すごい… 頭がぼーっとなるよぉ…)

男に口を塞がれ、一番大事な部分を支配され、滝壺は身体を蹂躙される悦びに翻弄された。

822 = 1 :

浜面の指や舌が踊るたびに、どんどん自分の中の『快楽』が開発されているのが分かる。

(濡れ方が増えたか……?)

濡れやすい体質なのか、指に絡む愛液の量が明らかに増加してきた。

(これだけ濡れていたら、十分だな… よしッ!)

心の中で気合を入れた浜面は、いったん滝壺から身体を離し、滝壺を正面に見据えてやや興奮ぎみに語りかけた。

「滝壺… そろそろ入れるぞ?」
「…………うん。ねぇ、はまづら?」
「なんだ?」

滝壺がそっと微笑んで答える。

「わたしが痛がっても、やめないでね… はまづらに全部貰って欲しいんだから……」

思わず、感極まる。

「……ああ、わかった」

途端に、すーっ、と頭がクリアになった気がした。
しかし、不思議なことに肉体の興奮はそのままで、むしろ、浜面のペニスはこれまで経験がないほどに固くいきり立っている。

(たとえ麦野が乱入しても止まらねぇ自信があるぜ…)

滝壺の股座を力強く割り開き、両脚を肩に抱える。
陰毛の無い、わずかに花開いた秘裂にペニスの先端を食い込ませると、浜面はもう一度滝壺にキスをした。

「いくぞ」
「うん、きて…」

互いの意思が完全に疎通した瞬間、ずぶり、と浜面のペニスが滝壺のヴァギナにもぐりこんだ。

「ッ~~~~~!!」

十分な準備はされていたが、それでも異物感や痛みがあるのか、滝壺の目尻に涙が浮かぶ。

(痛かったか…? そりゃそうだよな……)

ここで「痛いか?」と訊くのは、覚悟を決めている滝壺に悪い。

ここは慎重に、かつ手早く挿入をすませよう、と浜面は考えた。

「力抜けよ……」

無駄だと思いながらも口から気休めの言葉が出る。

滝壺が、コクン、と頷いたのを確認して、浜面は、ずずっ、と腰を前に進めた。

「ッッああぁぁ!!」

初めて身体の『内側』を蹂躙される異物感に、とうとう滝壺が声を上げる。

「は、はまづら、あとどれくらい…?」

息も絶え絶えに滝壺が問う。

「……今、半分ぐらい」
「………そっか」

極力平坦な声で滝壺が答えるが、その声には明らかに落胆の色が混じっていた。
しかし、実際は1/3ほどしか挿入されていない。

(長々と苦しめるよりは…)

823 = 1 :

「滝壺、一気に行くから、これ咥えろ」

そういって差し出されたのは、逞しい浜面の右腕だった。

「で、でも…!」
「いいから早く!!」

強い語調に、恐る恐ると言った風で滝壺が浜面の腕をしっかりと咥える。

「いくよ、滝壺の処女、貰う」

短い宣言とともに、浜面は一気にペニスを前進させた。

ぷちっ。

短く、軽い、何かが千切れたような音がした。

「~~~~~~ッッッッッッ!!!!!!!」

ほぼ反射的に滝壺の全身が緊張し、浜面の腕に強く噛み付く。
右腕に激痛を感じながらも、浜面は動きを止めず、一気に根元までペニスを突き刺した。

「ぐぅ… 入ったよ、滝つぼ……ッ!」

結合部を眺めると、挿入部の隙間から、たらたら、と紅い鮮血が流れ落ちるのが見える。

ああ、俺はこの娘の処女を散らしたんだ… と、得も言われぬ感情が生まれた。

「はいったぁぁ?」
「ああ、全部入ったよ」

浜面の腕からようやく口を離して、滝壺が涙声で尋ねる。
腕には見事な歯型が残された。

「あ… ごめんね……」
「気にすんなって。それより、滝壺……」

ほんの僅かに腰を動かす。
途端に、滝壺が「あっ」と声をあげて身をよじった。

「1つになれたぜ…」
「うん、そうだね……」

滝壺が、己の下腹部に視線を落として、ヘソの下をゆっくりと撫ぜる。

「……ここに入ってるんだね、すごい……」
「ああ、すげぇな……」

どちらともなく視線を合わせると、2人は当然のように顔を寄せ、熱い熱いキスを交わした。

824 = 1 :

「そろそろ動いて良いか?」

滝壺が落ち着いたのを見計らって浜面がお伺いをたてる。

「…うん、もう大丈夫」

まだ不安そうではあるが、だいぶ落ち着いた滝壺が首肯する。

「じゃ、動くよ…」

声と共に、突き刺さったペニスをゆっくりゆっくりと引き抜いていく。

「ああぁぁ……」

まさしく杭を抜かれるようなその感触に、滝壺が苦痛とも悦楽とも取れない微妙な声を上げる。

(…………やば)

カリ首まで引き抜いたところで、浜面は戦慄とともにとある感想を得た。

(滝壺の腟内、超気持ち良い……)

他の女と具合を比べるのは失礼だとは分かっているが、それでも滝壺の腟内は破格の気持ちよさだった。

処女ということもあるのだろうが、ぬめる膣壁が、まさしく蚯蚓のようにペニスに絶妙の締め付けで絡みつき、
出て行こうとするペニスを離すまいと、適度な圧力で吸い付いてくる。

(名器だ… しかも極上の……)

抜け掛かったペニスを再びゆっくりと挿入する。

1度道が通ってこなれたのか、2回目の挿入は比較的スムーズに出来た。

しかし、余裕が出来ると、余計に膣の締め付けによる快感を感じやすくなってしまう。

(ぐぉぉぉ… 締まる……!)

浜面の背筋に、ゾクゾクとした快楽電流が走った。

825 = 1 :

「は、はまづらぁ…」
「…なんだ?」
「……気持ち良い?」

滝壺の素朴な問いに、浜面が、ごくり、と唾を飲み込んだ。

「めちゃくちゃ、すっげぇ気持ち良い… ぶっちゃけ、もう射精そう…」

コツン、と奥まで突いてから、また腰を引く。
その一連の動作中、何度も浜面は射精感覚に襲われていた。

「そう、よかったぁ……」

男が自分の性器で悦びを得たことが嬉しいのか、滝壺がはにかんだ笑みを見せた。

「……やべぇ、可愛い」

思わず声に出してしまい、照れ隠しにキスをする。

「…………………………」
「…………………………」

しばらく、2人は無言のまま見つめあい、目と目でなにかが通じ合った。

ずり、ずり、ずりゅ……!

浜面が抽挿のスピードを段々と上げる。

「はぁはぁはぁはぁはぁ……!」

まだ肉体的な快感は感じていないようだが、滝壺は愛しい彼と通じ合った精神的充足感で満たされていた。

ずっ、ずっ、ずずっ、と抽挿のスピードがさらに早くなり、そして、

「くっ… 出る、出すぞッ!!」
「うん! いいよッ、腟内に来てッ!!」

やにわに、滝壺の足が伸びて浜面の腰に巻きつき、大好きホールドを行う。

その行動に勇気を得た浜面が、奥の奥までペニスを打ち付けるように突き刺し、耐えに耐えていた緊張を解いた。

どぷッ! どぷどぷッッ!!

信じられないほど大量の精液が鈴口から迸り、まっすぐ滝壺の子宮口に叩き付けられる。

(あ… 暖かい? うぅん… 熱い……ッ!)

身体の奥の奥にある中心部を、暖かい掌で包まれたような感触。

ああ、これがオンナの悦びなんだ、と滝壺は本能で理解をした。

「はまづら……」
「滝壺……」

互いに名前を呼び合い、啄ばむように何度もキスを交わす。

「すき…!」

ようやく、ようやく2人は結ばれた。

826 = 1 :

はい終わり。

浜面がへたれすぎて強引にエロにもっていってしまった。反省。

あと、>>730さんが言う通り、姫戸は天草の姫戸。
大矢野でもいいかなぁ、と思ったけど、大矢野は原作に居た様な気がする。

姫戸の『ぎゃん』がわからんかったら、『ぎゃん=そう』と変換してください。

ぎゃん?=そうですか?
ぎゃん=そうですね。

こんな感じで。

それでは次回まで、じゃあの。

827 :


ちょいちょい山岡が松岡になったり滝壺が絹旗になったりして吹いた

828 = 1 :

>>827
マジか…
どっちも気を付けてたんだけど…
指摘サンクス。

829 :

ついにきたか!乙

830 :

乙。多少混乱したが問題ない

やっぱ描写うまいな

831 :

俺のマグナムがビッグマグナムになったわ

832 :

>>826
ぎゃん(正確にはこぎゃん=こがん)は「こんなに」って使い方します。

こんな感じ?→こぎゃん感じ?
こんなに有るの?→ぎゃん有っとね?

「そんなに」の場合は「そぎゃん=そがん」
作中の言い回しだと、そうだよ→そうね、ですね。

天草弁はどちらかと言うと島原弁と近いです。特に隠れキリシタン文化圏だと。

長くなりそうなのでこの辺でww

833 :

乙でした

834 :

久しぶりに来たんだが、[田島「チ○コ破裂するっ!」]用の3dsが遂にこのスレを読み込まなくなったww

835 :

滝壺ピュアやのう

837 :

絹旗ちゃんは共有財産

838 :

エロメインだったせいか、キリの良い所まで一気に書けた。

ので、投下します。

>>832
ばってん、ぎゃんこと言うても、俺は熊本城下生まれの城下町育ちだもん。
天草ン方言はよく分からんとよ。
訂正ありがとうね。

839 = 1 :





夜はさらに更けて月が頂点から降る頃、

「あっ、あっ、あッ! はまづらぁ、そこ、そこが気持ち良いぃ!!」
「ここか? うし、いっぱい擦ってやるぜ!」    ナカ
「あぅぅぅぅ… はまづらのおちんちんが、わたしの腟内をごりごり擦ってるよぉ…!」

ぎしぎし、ぎしぎし、と2人を乗せたベッドが軋む。

長年の想いを成就させた若い男女が、1回のセックスで終わるはずもなく、淫蕩な営みは都合3回戦目に突入していた。

(やべぇ… 全然萎える気がしねぇ…!)

浜面のペニスは滝壺に挿入されたままで、2回注がれた精液が、膣壁とペニスの隙間から、じゅぶじゅぶ、と泡を立てて滲み出ている。
滲み出た精液は滝壺の破瓜血と混ざり、なんとも淫靡なピンク色の淫液となって、日焼けした滝壺の肌を彩っている。

「はまづらぁ、はまづらぁ… わたし、イキそう… イクよぉ…!」
「マジか…!? よぅしッ!!」

さっきまで処女だった滝壺だが、浜面の全身全霊を込めた愛撫と性技で、その肉体はどんどんと開発されていた。

特に、大好きな男に愛して貰っているという精神的充足感が強いのだろう。
破瓜の痛みはほどなく吹っ飛び、今は浜面が触る場所、責める場所全てに淡く甘美な快楽が伴っていた。

こすこすこすこす… と浜面が浅く、しかし、火が出るような素早い動きで滝壺の膣壁を擦り上げる。

「あッ! すごいよぉ! はまづらのおちんちんすごいぃぃ!!」
「滝壺…ッ 滝壺ぉぉ!!」

互いに愛人の名前を呼び、激しく深いキスを交わす。

「あッ――― あぁぁぁぁッッ!!!!」

その瞬間、滝壺の視線が激しく泳ぎ、おとがいを反るようにして体を弓なりに弧を描いた。

「――――――――ッッ!!」

視界の奥の奥で火花が散り、これまで経験したことのない快楽の津波が全身を叩く。

(すご、い…… わたしのからだが、ふわっ、て浮いて……ッ!!)

大きな乳房のわりに小さな乳首が、これでもかと言うくらい固く勃起し、天を向いてふるふると震える。

「くぅ… こっちも出る…ッ!!」

絶頂による膣の過収縮で、浜面にも限界が訪れる。

どぷ… どぷ…

既に2度注いだ腟内に、3回目とは思えない量の精液が注がれる。

(ひょっとしたら、赤玉でるかも……)

精神的にマズイと感じながらも、肉体がまだまだ興奮して勃起を保っているのが地味に怖い。

初絶頂に震える滝壺の髪を撫ぜながら、浜面は呆然とそう考えた。

840 = 1 :

「い、いっかい抜くぞ…」
「ぁぅん……」

ずず、ずず… ぬぽん…

まるでワインボトルからコルク栓を抜くときのような音がして、浜面のペニスが久々に外気に当たる。

「あ…… 垂れちゃう……」

開口したばかりの秘裂から、たらたら、と破瓜血まじりの精液が溢れ出てきた。

(……エロすぎる)

自分の理性が解けないように、極力その光景は見ないようにして、ベッド脇にあったティッシュに手を伸ばす。

「ほら、滝壺、これで股間拭いて……」
「はぅ… だめぇ… ちから入らないから、はまづら、して…」
「……ごくり」

そうしてやりたいのは山々だが、股間に触った瞬間暴走する気がして、気軽に首を縦に振ることが出来ない。

「……あ~、そうだ、風呂入るか! 汗でべとでとだろ?」
「ぅうん? …うん、いいかも」

仰向けで大の字のまま滝壺が答える。

「それじゃ、服着て…」
「汗かいたまま着るのやだから、そこの浴衣使お?」

滝壺が指し示したクローゼットを開けると、男女兼用の浴衣が3着入っていた。

「おお、いいな。それじゃ、滝壺……」
「着せて」
「わ、わかった」

まだ身体がだるいのか、それとも恋人に甘えたいのか、滝壺が妙に甘えた声を出す。

浴衣なので、それほど苦労せずに滝壺に着せ、帯をぎゅっと締める。

それなりに帯をしっかりと締めたはずだが、やはり寝たまま着せたせいか浴衣が乱れている。

男女兼用のせいか、着せた浴衣は合わせが広く、滝壺のおおきいおっぱいが、乳首を含めて半分以上顔を出してしまってエロい。

また、昼間に肌を焼いたため、おっぱいの部分だけ白く、あとは健康的に焼けた肌のコントラストがやけにエロい。
黒と白のコントラストの中に、桜色の乳首が、ちょこん、と勃起しているのがさらにエロい。

さらに、今まで正常位でセックスをしていたせか、内腿が外に大きく開いているため、無毛の割れ目をはっきりと見ることができてもっとエロい。
しかも、そこから破瓜血と精液がミックスした淫液が、たらたら、とあふれ出てるがものすごくエロい。

(…………………ふぅ。Coolだ… Coolになるんだ浜面仕上…ッ!!)

むくむくと勃起した肉棒を隠すように浴衣を着て、浜面は一度大きく深呼吸した。

「た、滝壺、行こうぜ?」
「……だめ、腰にちからが入らない…」

本気でその様子で、苦労して身体を起こそうとするが中々思うように行かない。

「それじゃ、おんぶして行くか」
「だっこが良いなぁ…」

両手をぐーにして口に当て、上目遣いで滝壺が言う。

「…お安い御用だぜッ!!」

(絶対に風呂場でイッパツやろう……)

もう我慢することを放棄した浜面が、軽々と滝壺をお姫様抱っこで抱え上げた。





.

841 = 1 :

一方、滝壺の部屋から退去したフレンダと絹旗は、駒場と部屋で合流して、絹旗お勧めのC級ホラーDVDを鑑賞していた。

「でも、超良いんですか? 私を追い出してイチャイチャして良いんですよ?」
「いやぁ、流石にそれは仁義に欠ける訳よ。利徳もそういうの嫌がるタイプだし」
「ん… そうだな…」

薄型テレビの中で繰り広げられる、あくまでC級のホラーシーンを意外に熱心に観ながら駒場が相槌を打った。

「仲間はずれはよくねぇよ…」
「超真面目ですねぇ。人望があるのがよくわかります…」

感心するように呟いて、絹旗が画面に集中する。

「……絹旗はさぁ、気になる人とか居ないの?」

何となく疑問に思い、フレンダがやや慎重に問いかける。

「居ませんねぇ、というか、超別に焦る歳じゃありませんし」
「んでもさ、絹旗って年頃な訳じゃん?」
「世のローティーンの皆が皆、超恋に恋している訳じゃないですよ… お、ここ超特にC級ですッ」

お気に入りのシーンなのか、絹旗が身を乗り出す。

「……それに、あんまり良い初体験じゃありませんでしたから、滝壺さんみたいな恋心も抱けませんし」

なんでもないように言う。

「あ… だっけ…… ごめん、デリカシー無かった…」
「別に… フレンダの方が壮絶な体験しているんですから、謝らなくていいですよ」

駒場が絹旗に聞こえないように「馬鹿」と呟き、フレンダが「ぐぬぬ…」とうめき声をあげた。

「………で、おたくらは昼間、超ドコに行ってたんですか? つーか、超ナニしてたんですか?」

空気を変えようと、絹旗がやや強引に話題を振る。

「えっ、ああ、それが酷いんだよー、辻斬り女がさぁ…」
「おい、フレンダ!」
「えぇ…? あッ!?」

フレンダが両手で口を押さえるが、時すでに遅しである。

「辻斬りぃ? 何ですかそれ? 詳しく話してください」
「いや、そ、それがねぇ… 口止めされていた訳で……」

どんどんと墓穴を掘る。

「ああもう、コイツは… 絹旗さん、ゲロするか、この話は麦野さんには内緒にしておいてくれ。これ以上ややこしくしたくない」
「話の内容次第ですが…… まぁ、フレンダはともかく、駒場さんがそう言うなら心に留めておきましょう」

フレンダが「あぅ… 私って結局信用ないのね…」と地味にダメージを受けているのをとりあえず無視する。

「ああ、助かる… まぁ、辻斬りっつーか、アマクサなんてろのマジュツシって言ってたなぁ……」

駒場がそう呟いたその瞬間、

遠く遠くに置かれた一体の陶器人形が、ピシリと音を立てて割れ、傍に居た2人の女性の顔が一気に歪んだ。




.

842 = 1 :

「ねぇ、せっかくだから露天風呂に行こうよ」
「おう、そうだな」

すでに他の皆は寝てしまったのか、静かで薄暗い廊下を、滝壺をお姫様だっこしたまま、ひたひた、と歩く。

「はまづら、重くない?」
「ぜんぜん、へっちゃら! でも、しっかり捕まってろよ?」
「うん!」

言われた通り、滝壺がぎゅっと浜面に抱きつく。
すると、自然と2人の顔の距離が近づき、どちらともなく口唇を合わせる。

「ちゅ… んんぅ……」
「れろ… ぢゅ…」

完全に2人の世界に入ったまま、露天風呂の脱衣所に到着する。

「…ぷはぁ、 ……キスって、あまいんだね」
「ああ、不思議だよな…」

滝壺を脱衣所のベンチに座らせて、さっさと浴衣を脱ぐ。
肉棒は変わらず固く勃起しており痛いほどだ。

「それじゃ… はいっちゃおっか……」

浜面のペニスをチラチラと見て、明らかに期待した声で滝壺が言う。

「おう、立てるか?」
「うん、もう大丈夫。 ……うん?」

立ち上がろうとした滝壺が、不意に耳をそばだてて何か音を探る。

「どうした?」
「ねぇ、むぎのの声が聞こえない?」
「あん?」

浜面も同じように黙って耳を澄ますと、微かにだが、確かに聞きなれた高い声が聞こえる。

「…………これって?」
「うん… たぶん、向こうで……」

滝壺が露天風呂に繋がる引き戸を視線で差し、浜面がそーっと顔が覗くぐらいに引き戸を開ける。

途端に、

「ああッ!! とうまぁぁ!! 良いよっ、もっと突いてぇぇぇッ!!!!」

聞きなれた声の聞きなれた嬌声が耳に飛び込んできた。

843 = 1 :

星屑の夜空と常闇のビーチが見えるように、計算されつくした証明の下。
滑らかに磨かれた岩場の下にバスタオルを何枚も敷いて、麦野沈利と上条当麻は激しい交合の真っ最中だった。

「はぁはぁはぁ… どうしたの? すっごいがっつくじゃない…?」
「んー… 沈利の身体をメチャクチャにしたい気分なんだ」

そういって、麦野の豊乳にかぶりついてちゅーちゅーと吸う。

「こらぁ… キスマークついちゃうじゃん」
「沈利は俺のモノだし、いいだろ?」
「……もぅ」

不満そうな声と表情だが、上条が「俺のモノ」と言った瞬間、麦野の瞳が満足そうに潤む。

「あ~あ、明日はもっときわどい水着を着る予定だったのに…」
「着ろよ。見せ付けちまえ、よッ!」

がつん、と痛いくらいに腰を打ちつける。

「がッ… あはぁ……」

子宮口を突かれてイッたのか、麦野の身体がぐにゃりと脱力する。

「………………ふぅ」

同じく麦野の胎内で果てた上条が、ずるずると長大なペニスを腟内から引きずりだした。
ごぽごぽっ、と注がれた精液が零れ出る。

845 = 1 :

「「ごくり……」」

そんな恋人たちのハイレベルな睦み愛を目の当たりにして、浜面と滝壺は同時に喉を鳴らして唾を飲み込んだ。

「すごいね… セックスって、ああするんだ……」
「い、いや、あれはレベル高すぎだって。普通はあそこまでハードにしねぇよ…」

(俺のときはほぼマグロだったのになぁ… なんかちょっと羨ましい…)

過去に麦野と1回だけセックスをしたことがある浜面が、お口チャックでそう思う。

(滝壺は… フェラとか無理だよなぁ……)

ほんの少しだけ期待して、チラリ、と滝壺を見ると、滝壺はまだまだ固い浜面のペニスを、じーっ、と見ていた。

「…どした?」
「ねぇ、これを舐めるとはまづらも気持ち良いの?」

どっかーん、と内心ビックバン級の驚きをなんとか隠して、浜面が「お、おう」と首を縦に振る。

「そ、そりゃ、してくれると気持ち良いけど、無理はしなくて…」
「さっきは、はまづらが頑張ってくれたから、次はわたしの番……!」

妙に気合の入った顔つきで滝壺が言う。

(うおぉぉぉぉぉ!! 棚からぶた餅ッ!? 麦野、上条、ありがとう!!)

降って沸いた幸運に浜面が気色ばむ。

「頑張るね…!」

滝壺が恐る恐る、しかし、思いっきり口を大きく開ける。
両手で浜面のペニスの根元をしっかり掴んで、バナナを頬張るようにペニスを口に侵入させ、

「………ぅぐ…… がぷ…!」

思いっきりえずいて、ほぼ無意識の内に強く口を閉じてしまった。



.

846 = 1 :

『いでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!』

「うぇ!?」

突然、露天にまで響いた魂消る声に、上条が思わず動きを止める。

「―――――ッ!!」

すると、敏感に身の危険を感じた麦野が、ドンッ! と上条を露天風呂の中に突き飛ばし、強引にペニスを咥内から吐き出した。

「げほっ!! ……この声は」

ばっしゃーん、と盛大な水柱をあげる上条を文字通り尻目にして、麦野が全裸のまま脱衣所に向かう。

果たしてそこには、股間を押さえて蹲る浜面と、それを見てオロオロしている滝壺が居た。

「……なにしてんの?」
「あ、むぎの… その… わたし、噛んじゃって……」

その一言でおおよそ理解した麦野は、「ちょっと見せなさい」と悶える浜面を強引にひっくり返した。

「……なんだ、外傷無し。はーまづらぁ、大袈裟に痛がりすぎ」
「………だ、だってよぉ」
「おぼこの滝壺にフェラなんてやらせるんじゃないわよ。そりゃ、噛まれて当然よ」

やれやれ、と肩をすくめて麦野が容赦なく言う。
そして、心配そうな滝壺と、ようやく痛みが引いて身を起こした浜面を見やる。

「……でも、ようやく、勇気出したみたいね。おめでと」
「お、おぅ… つか、むちゃ恥ずかしいんですけど……」

浜面がそう言った瞬間、セックスで麻痺していた羞恥心が蘇ったのか、滝壺が慌てて胸と股間を両手で隠した。

「中坊のガキじゃねぇんだから、堂々としてろよ」
「いや、無理言うなって……」
「むぎのと比べられると恥ずかしいよ…」

そんな風に3人が会話していると、ツンツン頭から水を滴らせながら、上条が脱衣所に入ってきた。

「ちきしょー、滅多に無い喉フェラチャンスが…」
「情けない恨み言を言うんじゃねぇよ」
「あ、いや、俺たちとっとと退散するから…」

流石に他人のセックスシーンを邪魔するのは気が引ける。
そう思って浜面が滝壺を見ると、滝壺はなぜか裸の上条をジーッと凝視していた。

「えと… 滝壺…?」
「あ、うん…… ねぇ、むぎの?」
「ん、なに?」

滝壺にしては真剣な表情で麦野に話しかける。
そして、次の一言は3人にとって予想外の一言であった。

「おちんちんの舐め方を教えてほしいの」
「…………あぁ」

この一言で、浜面は期待と後悔が入り混じった表情をし、上条はバツが悪そうに頬を掻き、麦野は得心したように深く頷いた。

「そうね… 都合の良いことに教材も情況も揃ってるしねー。相手が浜面ってのが気に食わないけど、たまには教師すんのもいいかもね」
「え゛、沈利、本気…?」

ぎょっとしたのは上条だ。
いくら知り合いでも、いや、知り合いだからこそ、エッチの現場を見せるのには抵抗があった。

「本気に決まってるでしょ。なに、嫌なの? それじゃ、喉フェラは暫く無しね」

目を細めて不機嫌顔でそう言われると、上条は首を縦に振るしかない。

「ぐ… 仕方ない…」

苦い顔で渋々頷く上条に、浜面が「マジすまん…」と手を合わせた。




.

847 = 1 :

「それじゃ、まずはやっちゃダメなことからね」

脱衣所のベンチに上条と浜面を並んで座らせ、それぞれの股間に麦野と滝壺が顔を寄せて授業が始まった。

「まー、さっきやって実感してたとは思うけど、絶対に歯は立てないこと。ちんぽは血流豊富だから、ちょっと怪我するだけで流血すごいからね」
「うん…… ごめんね、はまづら」
「いや、良いって…」

全裸の巨乳美女が2人、ペニスの前で真剣な表情で居るのが、ひどくシュールである。

「それと、素人がフェラだけで射精させようとしてもまず無理だから」
「え、そうなの…?」
「喉に炎症おこす覚悟でディープスロートすれば、経験少なくてもイカせられるかもしれないけど、まぁ、現実的じゃないわね」

そう言って、なんだかんだで萎えてしまった上条のペニスをそっと持ち上げる。

「だから、最初のうちは、フェラをするときは必ず手コキも一緒にするの。こうやって…」

麦野は片手を筒握りにして手で輪っかを作ると、サオの部分をしごくように手を上下させた。

「握る力はちんぽと男の様子を見ながら調整よ。弱すぎたら刺激がないし、強すぎたら痛いだけだからね」

こすこすこす、と絶妙の力加減で手コキを行い、あっという間に上条のペニスがむくむくと大きくなった。

「はい、やってみる」
「う、うん……」

滝壺も緊張した面持ちで、見よう見まねで浜面のペニスをしごき始める。

「うっ…」
「はーまづらぁ。うっ、じゃないでしょ。ちゃんと『良い』とか『悪い』とか言わないと、滝壺がわかんないでしょ」
「あ、すまん… えと、もう少し強くても大丈夫かな…?」
「こ、こう?」

言われた通り、握る力を強くすると、次第に浜面のペニスも太く勃起し始めてきた。

「あっ、大きくなってきた…!」

嬉しそうに滝壺が言う。

「はい、ここまでが初歩の初歩ね。ぶっちゃけ、ここまでは誰でもできるから」
「うん、がんばる…!」

次に、麦野は半剥けの包被を根元に寄せて完全に亀頭を露出させた。

「ゆっくりね… 引っ張りすぎたら痛いから……」
「ゆっくり、ゆっくり……」

滝壺が恐る恐る浜面の包被を剥く。
あまりに真剣に熱中しているため顔が近く、口から吐く息が亀頭にあたりかなり気持ち良い。

(ぐぉ… これ、十分に気持ち良いぜ……)

だが、状況的に暴発が許されないことは流石の浜面にも分かる。
事前に3発抜いていたことを、浜面はしみじみと感謝した。


848 = 1 :

亀頭を露出させてからが、いよいよ本番だった。

「それじゃ、ちんぽの先っちょを咥えるわよ。くどいようだけど歯は立てちゃダメだからね… あむ…」

麦野が必要以上に大きく口を開けて亀頭を咥え込む。
そして、外見にも分かるほど頬をすぼめて吸引し、じゅじゅじゅ… と音を立てて亀頭を吸ってから、ちゅぱっ、と口を離す。

「ふぅ… とりあえず基本テク、『咥えて吸う』ね。この丸く盛りあがったところ… カリ首って言うんだけど、ここを口唇で挟むの、ほら、やってみて」
「うん… は、はまづら、いくよ?」
「お、おう…!」

互いに緊張しているのが丸分かりの表情で2人が頷きあう。
そして、滝壺が精一杯大きく口を開いて、亀頭を苦労して口の中に収める。

「………おぇ」

先ほどえずいた感触が蘇ったのか、滝壺が苦しそうに眉根を寄せる。
しかし、なんとか吐き気を堪えて、次はどうしよう? と麦野を見る。

「うん、よく堪えたわね。それじゃ、次は口唇でしっかりカリ首挟んで… そうそう、捕まえた? じゃ、ゆっくり吸って……」

必死な滝壺がコクコク頷いて、ちゅぅ… とたどたどしく亀頭を吸い上げる。

「うぐっ… 良いぜ… すげぇ気持ち良い…」
「ほんふぉ(ホント)?」

滝壺にとって意外なことに、浜面から歓喜の声が上がる。
それが嬉しくて、滝壺はさらに熱心に「ちゅぅ… ちゅぅ…」とペニスを吸い始めた。

しかし、途端に浜面の表情が歪んだ。

「あっ… え、えーと…」
「はーい、滝壺、ちょっとストップ。歯が当たってるわよ」
「ふぇ!? あ……」

滝壺が慌ててペニスから口を離す。

「だ、だいじょうぶ!?」
「大丈夫、大丈夫だって、ちょっとチクッとしただけだから」

心配そうな表情をする滝壺に、浜面が不安にさせまいと笑顔で答える。

「思いっきり吸おうとすると、どうしても口が閉じようとするから噛んじゃうのよ。だから、短く強く吸うの、こんな感じで」

言った通りに、麦野が上条のペニスを「ぢゅッ、ぢゅッ!」と力強く吸った。

「…あと、唾をいっぱい溜めて、口の中を乾かさないようにね。はい練習」
「うん、わかった…!」

849 = 1 :

ちゅぱ、ちゅぱ… ちゅぱ……

脱衣所では、滝壺による一所懸命な『御奉仕』が続いていた。

「ちゅぱ…… はぁ、ふぅ……」

始めはリズム良くフェラを行っていた滝壺だが、次第に吸う感覚が長くなってきた。

元々運動が不得意な滝壺である。
長時間のフェラに、気力はともかく体力が持たない様子だった。

「おい、休憩してもいいんだぜ?」
「だって… はまづら、まだ、しゃせいしてないんだもん…」

しょんぼりする滝壺に、思わず浜面は言葉に詰まる。

「ハイハイハイ… 滝壺、さっき私が言ったこと覚えてる?」
「え? えっと…」
「フェラだけで射精は無理って言ったでしょ? 無理無茶はしないの」
「う~~~……」

滝壺は不満そうな表情だ。
彼氏をイカせたいという欲求が強いのだろう。

「むくれる前に、もっとよく思い出して、手コキも一緒にって言ったでしょ?」
「あ、そっか…」

はっとした滝壺が、それまで遊んでいた手をゆっくりと上下させ始めた。

「……唾でぬるぬるしてる」
「そうそう、それが大事なのよ。唾液は常に補給、供給、絶やさないようにね」
「ふわぁ… あれ、なんかおちんちんの先っぽから何か出てきたよ?」

ゆるゆるとしごかれる浜面のペニスから、先走り液が滲み出てきた。

「カウパー液って言ってね、まぁ、射精前の準備だと思いなさい」
「かうぱー?」
「うん。それじゃ、唾液を垂らして、カウパーと混ぜ合わせて」
「こう?」

だらー、と滝壺が唾液を垂らし、滲み出たカウパー液と混ぜ合わせる。

「そんじゃ、ちょっとお手本見せるわよ…」

麦野も同じように、上条のペニスに唾液を垂らすと、掌を使って巧みに亀頭を刺激し始めた。

850 = 1 :

「…放置プレイかと思った」
「あはは、ゴメンね」

適度に唾液を補充しつつ、こねくり回すように亀頭を掌で撫ぜる。
さらに空いた片手でペニスの竿を軽くしごくと、次にその手をゆっくりと降ろして陰嚢を撫ぜ始めた。

「ここは特に慎重に扱ってね… ほら、滝壺もまねする」
「あ、う、うん!」

鮮やかな麦野の手つきに見とれていた滝壺が、慌てて見マネで浜面のペニスを刺激し始める。

「……こ、この中に色々入っているんだね…」

そして、初めて触る男性の陰嚢を、びくびくしながら撫ぜ始める。

「うわぁ… けっこう重いんだね…」
「たっくさん、大事なものが詰まってるからね。はい、ここにちゅ~~……」

不意に麦野が顔を寄せると、陰嚢に吸いつくようにキスをする。

「わっ、そこにもキスするんだ…」
「中にタマがあるのをしっかり意識するのよ。ほら、やってみて」
「うん! ちゅ~…」

浜面の陰嚢に吸いつくと、確かに中で玉状のナニカが移動したのがわかった。

「…ふしぎな感じ」
「次は舐め舐め、ここはベロベロ舐める」
「うん、ベロベロ…」

両手で亀頭と竿を刺激しながら、陰嚢を強めに舐める。
その感触はざらざらとしていて、分厚いゴムの膜を舐めているかのようだ。

「…はまづら?」

こんなのが本当に気持ち良いのかと、不安に思って浜面の顔色を伺うと、

「うあー……」

そこにはとろけきって、正直キモイ表情をした浜面の顔があった。

「……気持ちいいんだ。ぜんぜん疲れないし、フェラよりずっと楽なのに…」
「舌より手の方が当然器用だし、持久力もあるの。フェラが上手くなるまでは、手コキが主役ね」

そう言うと、麦野の手が縦横無尽に動き出す。
上条のペニスを、撫ぜ、擦り、しごき、摘み、揉み、様々な手技で刺激する。

「ぐぅ… 沈利ッ… 本気出されるとやばいって……ッ!!」

長らく射精感覚を耐えてきた上条が、当然のように白旗を上げる。

「もう無理? じゃぁ、最後は喉ね。滝壺、これはマネしちゃダメよ」

そう釘を刺すと、麦野は咽喉を大きく開いて、上条の長大なペニスを根元まで一気に飲み込んだ。

「うそぉ!?」

浜面のペニスを半分咥えただけでえずいた滝壺が、驚愕の表情で声を上げた。

「うっ… 出すよ、沈利…ッ!」

麦野の喉の、奥の奥で上条のペニスが射精する。
喉奥に当たった精液を、麦野が苦もなく、こくりこくり、と飲み干した。


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