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    元スレ勇者「ハーレム言うな」

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    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★
    タグ : - ハーレム + - ハーレム言うな + - 勇者 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    451 = 1 :







    ドカァ―――――ン!!!!!!!!!



    カンダタ・子分ズ「「「!!!!!!!!?????」」」


    武道家・戦士「「だらっしゃあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」


    カンダタ・子分ズ「「「「きゃああああああああああああああああああ!!!!!なんか床から出てきたぁああああああああああ!!!!!!」」」」

    452 = 1 :

    武道家「だから言ったじゃない!!屋上行くなら階段探すより天井突き破ったほうが早いのよ!!!!」

    戦士「最初さんざん迷ってたのお前じゃん!!!!」

    カンダタ「お、お前ら……あんなに深い落とし穴に落としたのにピンピンしてやがるのか……!!!!」

    カンダタ子分B「ってか何あの力!!」

    カンダタ子分E「あばれざるかよ!!!」

    武道家「」ぷっつーん

    勇・戦「「あ」」

    武道家「だれが猿畜生不細工女じゃあああああああああああああああああ!!!!!!!」

    ズゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!

    カンダタ子分「い、言ってなおごごごごごごごごごごべべべべべべべべあぁああああああああ!!!!!!」

    ドシャァッ!!!!

    カンダタ子分Eを倒した!!

    カンダタ子分B「子分EEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!」

    453 = 1 :

    ダッ

    戦士「おっと、あんたは私だよ!」

    カンダタ子分B「お、俺は何もッ!!」

    戦士「……は?」ギロッ

    カンダタ子分B「ひっ!!!!」ビクゥッ

    戦士「……あんたらが」

    チャキッ

    戦士「あんたらが、盗賊を悲しませたんじゃねぇーかぁッ!!!!!!!」

    ズゴシャァアッ!!!!!!

    カンダタ子分B「ひぎぃああああっ!!!!!!」

    カンダタ子分Bを倒した!!!!

    盗賊「…………戦士…………!……」

    454 = 1 :

    タッタッタッタ…!!

    カンダタ子分D「ま、また来た!!!!」

    カンダタ子分C「ひいぃっ!!!!」

    勇者「戦士ちゃん!武道家ちゃん!!なんて滅茶苦茶な進み方するんだい!!」

    魔法使い「みてるぶんにはおもしろかったよっ」

    商人「やっと着きましたね……せっかく時間かけた塔を一階からやり直しってどんな罰ゲームですか」



    ワイワイ

    カンダタ「ぜ、全員集まりやがった……」

    カンダタ(さっきまではどうせ集まってもただのメスガキだと思ってたかをくくってたが…………)

    ゴクリ

    カンダタ(ぜ、全員さっきの二人みてえな滅茶苦茶な強さだったら……)

    455 = 1 :

    遊び人「それよりも勇者ちゃんと盗賊だよ!!!!」

    戦士「それもそうだ!あ、いた!おーい!勇者、盗賊!!」

    商人「勇くん!盗賊ちゃん!何やってたんですか!?」

    武道家「二人だけいつまでたっても落ちてこないから心配したのよ!!」

    タッタッタッタ

    勇者「…………お義兄ちゃん、見た感じボロボロじゃないかい…………?」

    僧侶「ゆ、勇者くん!!怪我はないですか!!??大丈夫ですか!!??」

    盗賊「……僧侶!!!!早く来てっ!!……」

    遊び人「……!?ど、どうかしたの?…………勇者……ちゃ……」


    ブラ…

    勇者「あはは……ごめん…………このザマだよ……」

    456 = 1 :

    僧侶「……………………」

    商人「…………ゆ、勇くん…………う…………」

    戦士「……………お前………腕が…………」

    魔法使い「…………え…………」

    遊び人「……………………き…………」

    勇者「……………………」

    遊び人「きゃああああああああああああああああああ!!!!!」




    カンダタ「あれ…………これヤバイ雰囲気だよね」

    カンダタ子分A「親分の糞野郎!やりすぎだよ馬鹿!!!!」

    457 = 1 :

    カンダタ「と、とりあえず逃げるぞッ!!!!!」ダッ

    カンダタ子分A「は、はいっ!!!!」ダッ

    魔法使い「べぎらまぁっ!!!!!!!!!!」

    ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!

    カンダタ子分A「ぎやああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」

    カンダタ子分C「うわああああああああ!!!!カンダタ子分Aが!!!」

    魔法使い「ゆーしゃに……ゆーしゃにあやまってっ…………!!!!」

    カンダタ子分C「ひっ!!!」

    ゴシャアッ!!!!

    カンダタ子分C「ゴエェッ!!」

    カンダタ子分D「グギャァ!!」

    商人「…………っ!!ゆるしませんっ…………!!!!」

    遊び人「…………あんたたち……!!!!……よくも…………!!!!」

    458 = 1 :

    盗賊「……僧侶!!…勇者は大丈夫!?ちゃんと治る!!??…」

    僧侶「…………っ!!安心して下さい…………」

    僧侶「……切り傷などの簡単な傷以外で…“この”ホイミを使うのは初めてですが…」

    僧侶「……絶対…絶対に治してみせます…!!!!」

    勇者「……ごめん……」ゼェゼェ

    僧侶「勇者くん……喋らないで!!」

    勇者「……血が…いっぱい出たし…安心しちゃったから……少し、クラクラするんだ……」

    勇者「……ごめんね、僧侶…」

    僧侶「私のことは良いんです!!!!しゃべっちゃ…」

    勇者「……『それ』使うの…辛いだろ……?」

    僧侶「……!!!!……」

    勇者「……ごめんね……」

    僧侶「…………ばかっ……!!」

    459 = 1 :

    カンダタ「ひ、ひいぃっ!!!!」

    勇者「待ちなよ」

    カンダタ「な、なんだお前ら!!!!滅茶苦茶だ!!!!」

    ヒュンッ

    ゴシャァッ!!!!

    カンダタ「…ッッ!!!!!!」

    ドサッ!

    カンダタ(攻撃が見えなかった…………!!!!化け物だ!!!!)

    勇者「…………許さないよ?」

    勇者「盗賊ちゃんのお父さんを殺して、お義兄ちゃんの腕を奪って」

    勇者「それで逃げようなんて」



    ジャキイッ!!!!

    勇者「…………絶対許さないんだからッ!!!!」

    カンダタ「ひ……!!!!!!」

    460 = 1 :

    カンダタ「ま、待て!!!!何だ!!!!腕くらい!!!!」

    カンダタ「見たところお前のところにも僧侶がいるじゃないか!!!!」

    カンダタ「腕くらい回復呪文で元通りになるだろう!!??」

    勇者「…………うるさい!!」

    ゴシャァッ!!!!

    カンダタ「ぐあァッ!!!」

    勇者「お義兄ちゃんは…………!!!!お義兄ちゃんには…………!!!!」

    ゴッ!ゴッ!

    カンダタ「…………?」

    ピタッ……

    カンダタ「………?何…………」

    461 = 1 :

    勇者「…………」

    勇者「…………効かないんだ…………」

    勇者「…………お義兄ちゃんには、回復魔法は……魔法は効かないんだ…………!!!!」

    カンダタ「…………え?…………」

    勇者「…………」

    勇者「…………お義兄ちゃんには……」



    ギリッ……

    勇者「…………ルビス様の……御加護が無いんだよっ…………」

    462 = 1 :

    今日はおすまい

    次の投下には第二章終わらせたいなぁ

    463 :


    しかし、なんとまぁ…

    464 :


    勇者TUEEEEEEEE!!!

    465 :

    トンデモ展開ですな
    いい意味でツッコミたいところも山ほどありますがwwwwww

    1乙です。続きが楽しみです!

    466 :

    過去の回想で子供たちが
    新しい扉開いちゃってるの
    突っ込みたいのに

    勇者の執念と新たな伏線で胸熱じゃねーか!

    激乙

    467 :

    レスありがとうございます


    あの、なんか現時点で突っ込みたい事があったら仰っていただけませんでしょうか。質問でも突っ込みでも疑問点でも答えられる範囲のものは答えていきたいと思いますので…何卒

    468 :

    過去最長の更新だったような、大変乙です

    やっぱり勇者ボコられてしまったか…
    腕一本捨てるとかいい根性してるわ
    そういえば今までもやられる描写はあっても回復はなかったなと
    引き続き楽しみにしてます

    469 :

    >>467
    >>1 楽しく読ませていただいてます
    「乙」

    魔法使いちゃんにはいろいろ突っ込みたい物理的に

    470 :

    乙したああああ


    戦士の絵ワクテカして待ってる

    471 :

    >>467
    ツッコミたいところと言っても悪い意味ではなく
    子供C「ありのまま起こったことを話すぜ・・・・・」とか
    神父「めっちゃプリティハァハァ・・・・・」とか

    そういう部分です。爆笑しながら読ませてもらってます
    変な書き方してすみません

    472 = 1 :

    レスありがとうございます


    >>468

    あ、一応一番最初に僧侶が出てきた際にホイミを勇者に使っているんですが、この説明はまた次章にて色々させていただきます

    >>469

    魔法使い「のーせんきゅーだよっ」

    >>470

    頑張ってみます!

    >>471

    あ、いえ、こちらこそ誤解を招く書き方をして申し訳ありません。
    ただ単純に台本形式+文章力の無さで描写などが伝わっていないのではないかと思いまして。
    ちょっと質問や突っ込みドコロを伺った方が良いかなと思った上での発言でした。
    すみません。

    473 :

    もうね・・・なんかね・・・泣けてくる・・・

    474 :

    展開が面白すぎる
    次回も楽しみに待ってるよ

    475 :

    >>1 応援してる、頑張れ

    476 :

    台本形式は好きですよ

    書籍化されたらマジで買いたい!

    477 :

    一一一一一一一一一一一一


    -カザーブ・宿屋-

    ガチャ…

    勇者「!!!」

    商人「僧侶ちゃん!」

    戦士「勇者は!?」

    僧侶「……」

    僧侶「……腕をくっつける事は出来ましたが、神経までは不可能でした……すみません……」

    遊び人「……そっか……僧侶が謝る事無いよ」

    魔法使い「……うん、そーりょ、ありがと…」

    武道家「……勇者はどうしてる…?」

    僧侶「少し、血を失いすぎたみたいで、今はぐっすり寝ています……」

    戦士「そっか……」

    僧侶「……今は、盗賊ちゃんが傍についてあげてます……」

    僧侶「……だいぶ責任を感じちゃってるみたいです……」

    武道家「……盗賊は悪くないのに」

    戦士「あぁ、悪いのはあのカンダタだ」

    478 = 1 :

    勇者「……みんな、まぁそう悲観するのはよそう。まだ希望はあるんだ」

    勇者「……もし」

    勇者「カンダタが逃げる際に言った情報が本当なら……」

    魔法使い「……うんっ」

    戦士「勇者は完治するかもしれない……!」


    一一一一一一一一一一一一

    -シャンパーニの塔-

    カンダタ『……回復呪文が効かねえ……?』

    勇者『……』

    カンダタ『……そんな事が……あるのか……?この世界で生まれた人間に……』

    チャキッ

    勇者『……あるんだよ……!そしてその人間であるお義兄ちゃんを……お前は……!』

    カンダタ『……』

    カンダタ『(あいつ……それを知っても尚、俺に立ち向かって来やがったのか……あの小娘のために……!)』


    盗賊『……勇者っ…!!……勇者ぁっ……!!…』ポロポロ…

    勇者『…………』ゼェゼェ

    カンダタ『……』

    カンダタ『(……とんでもねぇ野郎だ…!!)』

    479 = 1 :

    ジャキッ!!

    勇者『覚悟はできてるだろうねっ!!』

    スタスタ…

    カンダタ『……ちょっと待ってくれ!』

    ピタ…

    勇者『……今更“待て”かい……ふざけないでくれるかな…っ』

    カンダタ『……アンタらに有益な情報を幾つかやる』

    カンダタ『……それでこの場は見逃してほしい』

    ギリッ

    戦士『お前ふざけるのも大概にっ…!!』スタスタ…

    勇者『戦士ちゃん、待って』

    戦士『……っ!!』ピタ

    勇者『…………その情報によるよ』

    勇者『その情報で……お義兄ちゃんは救われるのかい?』

    勇者『お宝がどうこうのなんて……下らない事じゃないだろうね』

    カンダタ『……それは、話した後でアンタらが判断してくれ……』

    480 = 1 :

    勇者『……』

    チャキ…

    勇者『いいよ、話してみてくれるかな』

    戦士『女勇者!!』

    勇者『落ち着いて、戦士ちゃん。例え嘘臭くても何か縋れる物があった方がいいじゃないか』

    戦士『……』

    勇者『……尤も、下らない事であれば…斬ればいい』

    勇者『さぁ、話してみてくれ』

    カンダタ『……』

    カンダタ『……まず一つ目だ』

    カンダタ『カンダタさんの娘さん、だったな』

    盗賊『……何……っ……!!!…』

    カンダタ『……俺がカンダタさんを殺したっていうのは、ありゃ嘘だ』

    盗賊『……え?……』

    カンダタ『カンダタさんは盗賊団を解散させて旅に出ちまっただけだ』

    カンダタ『まだ新入りだった俺は、俺達を置いていったカンダタさんを恨んだ』

    カンダタ『元から偽善的な行為も嫌いだった俺は、カンダタさんへの復讐の意味も兼ねて名前だけ継いで本当の盗賊団を結成したんだ』

    カンダタ『今あの人が何をやっているかわかんねぇが、あの人の事だ。どっかで元気にやってるだろうよ』

    481 = 1 :

    盗賊『……………!!…』

    カンダタ『……二つ目』

    カンダタ『……ここから北のノアニールって村……』

    カンダタ『……その村の西にエルフの隠れ里があるって噂だ』

    勇者『……エルフ?』

    カンダタ『……エルフの連中は、薬草類の扱いのエキスパートって話を聴いたことがある』

    カンダタ『万病を治し、どんな怪我でも元通り……例え腕が千切れていようとな』

    勇者『……!!』

    カンダタ『……もし上手くいけば、ルビスの加護が無いそいつも……元通りになるんじゃねぇか』

    勇者『…………』

    戦士『……根拠は』

    カンダタ『それは、アンタらの判断に任せる』

    482 = 1 :

    カンダタ『三つ目』

    カラン…

    カンダタ『今言った情報が本当だという誠意として……まぁそんなもん元凶の俺が言うのもなんだが』

    カンダタ『……これはアンタらにやる』

    武道家『あ……』

    商人『……ロマリア王の金の冠…』

    カンダタ『これをロマリア王にやりでもすりゃ礼を貰えるだろうよ』

    勇者『……』

    カンダタ『……そして四つ目』

    カンダタ『この世界には、“監視者の塔”ってのが四つある』

    魔法使い『……かんししゃの、とう……?』

    カンダタ『……随分前に四賢者が、この世を監視するために、世界の各地に建てたっていう塔だ』

    カンダタ『アープ、ガルナ、シャンパーニ……そして今唯一の生存者、ナジミ』

    一同『『『!!!!』』』

    武道家『……なるほどね…』

    戦士『そんなすげーもんだったんだな……』

    483 = 1 :

    カンダタ『そして、監視者の塔にはある秘密がある』

    勇者『……秘密?』

    カンダタ『……四賢者みたいなルビスに近い所にいる奴どもが住んでやがった塔だ』

    カンダタ『どうやら塔自体もルビスの力をはらんじまってるみたいでなぁ』

    カンダタ『……これらの塔はなぁ』

    カンダタ『人間がたけぇ所から落ちても、ルビスの力で、死なねぇように……傷一つ付かねぇようになってんのよ』



    ダッ


    カンダタ『こんな風になッ!!!!!!』

    勇者『あっ!!』

    484 = 1 :

    カンダタ『お前らっ!!逃げるぞ!!!』

    カンダタ子分ズ『っ!!』ダッ

    遊び人『あ、こいつらっ!!』

    戦士『待てっ!!』

    カンダタ『へへん!捕まるかもしんねぇってのに誰が待つか!!』タッタッタッ

    ピタッ

    カンダタ『だけどさっき言った事は嘘じゃねぇぜ』

    勇者『!』

    カンダタ『俺がやっといておかしい話だが、そいつを助けてやってくれや』チラッ…

    勇者『…………』ゼェゼェ

    勇者『……?』

    カンダタ『……』

    ニヤリ

    カンダタ『……そいつはなんとしても子分にしてやりてぇからな』

    バッ!!

    カンダタ『あばよ!!』

    遊び人『あっ…まっ……!』

    ヒュウゥ…

    戦士『くそっ!!』

    武道家『……逃げられた!』

    …………
    ……



    一一一一一一一一一一一一

    485 = 1 :

    一一一一一一一一一一一一

    勇者「……今はあの情報を頼りにするしかない」

    武道家「……うん」

    商人「……目下、次の行き先は……」

    戦士「あぁ」

    僧侶「……エルフの隠れ里、ですね」

    魔法使い「りょーかいだよっ」

    勇者「うん……みんな」

    勇者「なんとしても、お義兄ちゃんの怪我を治そう」

    一同「「「おうっ!!」」」

    …………
    ……

    486 = 1 :

    今日は少ないけどおしまいまい

    488 :

    乙!!

    いずれ明かされる勇者の正体が今から楽しみで仕方ない

    489 :

    そうかカンダタって本当は女じゃないのか?

    490 :

    うん、やっぱりこっちの方が面白いわぁ

    1乙

    491 :

    >>1
    おもしろいよ。最高だよ。
    最後までずっと応援してます

    492 :

    乙です

    余程複雑な動きでない限り
    読む側が想像できるのが台本形式の醍醐味ですから
    今の感じで十分読みやすいと思います。

    いい感じにIII+αの世界観が構築されてるようなので
    どう展開してくのか楽しみにしてます。

    494 :

    一一一一一一一一一一一一

    -宿・勇者の部屋- 深夜


    勇者「……」

    勇者「……んっ……」

    勇者「……?……いつつ……」

    勇者「……気を失ってたのか……」モゾ…

    「……大丈夫…?…」

    勇者「!」

    盗賊「……まだ痛む?…」

    勇者「盗賊……いたんだ」

    勇者「……僕は大丈夫だよ……僧侶のおかげで、今は少し痛むくらいだ……」

    勇者「でも手は動かないや……あはは、なんだか変な感じだよ」

    盗賊「……」

    盗賊「……ごめんなさい……」

    勇者「え?」

    盗賊「……ごめんなさい、勇者……」

    盗賊「……私のせいで、腕が……」

    勇者「ううん、盗賊のせいじゃ無いよ」

    盗賊「……そんな事っ…!!!……」

    勇者「僕が弱かったからだ」

    盗賊「……!…」

    勇者「僕が弱かったから、変な意地を張って力量違いの敵に挑んだから、腕を失った。……それだけだよ」

    495 = 1 :

    ガタッ

    盗賊「……どうしてっ!!…」

    勇者「!」

    盗賊「……どうして、勇者は……!……全部、自分のせいにするの……!……」

    盗賊「……勇者は、悪くないじゃない……!」ポロ…

    勇者「……」

    勇者「……でも…本当の事なんだよ」

    勇者「僕が強かったら……みんなにこんな迷惑をかけずに済んだんだ」

    盗賊「……っ……」ポロポロ…

    盗賊「……勇者……」ポロポロ…

    盗賊「……お願い…」ポロポロ…

    盗賊「……もう……」ポロポロ…

    勇者「……無理だよ、盗賊」

    勇者「……僕は、例えどんなに弱くても旅をやめる事はないんだ……」

    勇者「……何があっても、やめる事はできないんだ」

    盗賊「……っ……」グスッ…

    496 = 1 :

    勇者「……ホラ、泣き止んでよ……!」

    勇者「盗賊のお父さんは……死んでなかったし……」

    勇者「まだ希望は残ってるんだから……エルフの隠れ里って希望が…」

    勇者「……寄り道だから、皆に迷惑かけるのは……申し訳ないけどさ」

    盗賊「……っ……!」グスッ…

    勇者「……」

    盗賊「……!……」ヒック…

    勇者「……盗賊」

    盗賊「……?……」グスッ

    勇者「……僕は、もう“弟”じゃない」

    盗賊「……え……」

    ギュッ……

    盗賊「……?…勇者、手が……」

    勇者「僕は、もう“男”だよ」

    盗賊「……」

    ドクン…

    盗賊「……えっ……」

    497 = 1 :

    勇者「僕はもう、守られてばかりは嫌なんだ」

    ギュッ

    …一一一一ドクン

    盗賊「……ゆ、勇者、手、がっ……」

    盗賊(……やだ、やだよ)

    勇者「誰かが泣いて、それを安全な立場から傍観するなんてまっぴら御免だ……!」

    ギュゥゥ

    …一一一一ドクンッ

    盗賊「……ゆ、勇者っ…」

    盗賊(……やだ、なんだか、変だよっ…)

    勇者「僕は、守られるだけじゃなく、皆を僕にできる範囲で守っていきたいんだ」

    ギュゥゥ!

    …一一ドクン!

    盗賊「……!…」

    盗賊(……勇者の声が、手が、眼差しが…なんか、だめっ…)

    盗賊(……違う人みたいで……でも、やっぱり勇者で……だめっ!)

    498 = 1 :

    盗賊「……ゆ、勇者、あの……」

    ギュゥゥ

    盗賊「……あっ……」

    勇者「……こんな事…」

    勇者「こんな事言うのは情けないかもしれないけどさ……」

    盗賊「……」

    勇者「皆、それぞれに助けられて、皆、それぞれを助けていきたいんだ」

    勇者「……だから」

    ギュッ

    一一ドクン!!

    勇者「あと少し、僕の成長を待って」

    勇者「皆、僕1人で守ることができるくらい、強くなるよ」

    盗賊「……」

    盗賊(…………あぁ…)

    ドクン ドクン

    盗賊(……そっか…)

    ドクン ドクン

    盗賊(……勇者は、もうあの頃の勇者のままじゃないんだ……)

    ドクン ドクン

    盗賊(……あの頃の勇者に依存していたのは私の方で……)

    ドクン ドクン

    盗賊(……今、それを気付けたのは……私が……)

    ギュッ

    499 = 1 :

    勇者「だから、泣かないで。……盗賊」ニコ

    盗賊(……私が、今の勇者を一一一一…)

    盗賊(……成長した、勇者の事一一一一…)

    ドクン   ドクン

    …………
    ……

    500 = 1 :

    ……………………



    勇者「…すー……すー…」zzz

    盗賊「……」

    盗賊「……寝ちゃった…」

    ギュッ…

    盗賊「……手、握ったまま……」

    勇者「すー……すー……」zzz

    盗賊「……」

    盗賊(……寝顔も、もう、あの頃とは違うんだね……)

    パッ…

    スクッ

    盗賊「……」

    盗賊「……おやすみ…勇者……」

    勇者「すー…すー…」zzz

    盗賊「……」

    盗賊「……」

    盗賊「……」

    ソッ…



    チュッ……


    盗賊「……」

    勇者「ん……すー…」zzz

    盗賊「……」

    盗賊「……ほっぺくらいなら、狡くても、奪わせて……」

    盗賊「……」

    盗賊「……」

    盗賊「……そこから先は、正々堂々、奪うから……」

    スタスタ……

    ガチャ…

    盗賊「……」

    勇者「すー…すー…」zzz


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