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    元スレ勇者「ハーレム言うな」

    SS+覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★
    タグ : - ハーレム + - ハーレム言うな + - 勇者 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    701 :

    これは久し振りに一回書いてそれきり来なくなるパターン

    702 :

    >>701
    ちゃうねん

    月曜まで仕事が忙しくなってしまいました申し訳ない
    それを抜けたら投下出来るようになりますので何卒

    703 :

    >>702
    OK、ちゃんといい子で舞ってるからゆっくり書いてください。

    704 :

    じっくり待つさ

    705 :

    >>702
    よかったーお気に入りのSSだったので消えないでいてくれてよかった!

    べ、別に楽しみにしてなんかいないんだけどね!///

    706 :

    舞ってる

    708 :

    逵溘▲TEL

    709 :


    -エルフの隠れ里・入口付近-


    スタスタ…

    戦士「どうする?一回ノアニールに帰って勇者に西の洞窟に行くって言っておくか?」

    勇者「いや、やめておこう。ついてきかねない」

    遊び人「今は回復に専念させないとね」

    無道家「とにかく早くここを出ましょ?エルフの視線が気になってしょうがないわ」

    エルフ村民「……。………」ヒソヒソ

    エルフ村民「………。…」ヒソヒソ

    僧侶「はい……そうですね」

    魔法使い「…………あれ?」

    盗賊「……どうしたの?…」

    商人「忘れ物でもしたんですか」

    魔法使い「ううん、ほら。あれっ」

    勇者「どうしたん……あ」

    戦士「?どうしたんだ?」

    魔法使い「あそこにエルフじゃなくてにんげんがいるよっ」

    商人「あ、本当ですね。こんな所にどうしたんでしょうか」

    盗賊「……おじいさん一人で……」

    僧侶「……」

    僧侶「…………!おじいさん!!」

    710 = 1 :

    老人「ん……おぉ、お前さんか」

    武道家「知り合い?」

    僧侶「この間私を街に連れて行ってくださった方です!」

    遊び人「あぁ、この前言ってた……」

    商人(おばけじゃなかったんですね)ホッ

    僧侶「おじいさん、その節はありがとうございました!」

    老人「ワシはなんもしとりゃせんよ。そう気にしなさんな」

    僧侶「でも、街に着いてから姿のほうが見当たりませんでしたがどうされたんですか?」

    老人「…………」

    老人「……わからんのじゃ」

    僧侶「え?」

    老人「……途中から気がつくとここに座っておったよ」

    武道家「……それ、大丈夫なの?」

    老人「はっはっは……まだボケとりゃせんよ」

    勇者「……おじいさん、すみませんが質問してもよろしいでしょうか?」

    老人「ん?あぁ、なんでもどうぞ」

    勇者「おじいさんは……ノアニールに住んでらっしゃるんですよね?」

    老人「いかにも」

    勇者「それでは……何故、村の人々の様に眠ることなくここにいらっしゃるのですか?」

    711 = 1 :

    老人「…………」

    老人「…………わしが眠らずに済んだのは、エルフが怒って皆を眠らせた際にロマリアに用事で足を運ばせていての」

    老人「あの村におらんかったから眠らずに済んだのじゃ」

    勇者「なるほど……でも、どうして村ではなくここにいらっしゃるのですか?」

    老人「…………」

    老人「……わしの……息子のせいなんじゃ」

    勇者「え?」

    老人「わしの息子がエルフの姫さんなんかと駆け落ちしたばかりに……皆は眠らされてしまったんじゃ」

    一同「「「「!!!!」」」」

    武道家(この人……)

    遊び人(青年の父親なのね……)

    老人「だからこうしてエルフの女王さんに謝りに来ておるんだが……」

    老人「……全く話なんか聞いてもらえんよ……」

    老人「エルフの伝宝をわしの息子が盗んだということになっとるのだ……エルフは未だに怒っておる……」

    老人「………わしはもう、どうすればいいか……」

    712 = 1 :

    勇者「……おじいさん……」

    僧侶「……」

    僧侶「……まかせてください」

    老人「え?」

    僧侶「私たちに任せてください」

    僧侶「必ず、青年さんが伝宝を盗んだのでは無いと……」

    僧侶「二人の愛は本物だったのだと……証明してみせます」

    魔法使い「…………僧侶……」

    老人「…………どんな策があるかは分からんが……」

    老人「わしは老いぼれすぎた……お前さんたちに望みを託すとするよ」

    戦士「任しとけって!!必ず女王の鼻をあかしてやるからさ!!」

    魔法使い「大船にのったつもりでいてねっ!」

    僧侶「頑張ります!」

    老人「…………頼んだぞ……」

    …………
    ……

    .

    713 = 1 :

    -エルフの森-

    ザッザッザ…

    勇者「薬草は皆ちゃんと持ってる?」

    戦士「もってるぞー」

    遊び人「商人と盗賊が採ってきたのもあるからいっぱいあるよ」

    商人「フフン!ありがたく使うといいですっ」

    武道家「あんたねぇ……」

    盗賊「…………」

    魔法使い「? ……どうしたの?盗賊」

    勇者「しっ」

    魔法使い「?」

    武道家「そのまま……普通に何事も無いかの様に歩いて」ヒソヒソ

    魔法使い「…………」

    魔法使い「……きょ、きょうは良いおてんきだねぇ」

    商人「めっちゃ曇りですやん」

    武道家(駄目だわこの子)

    戦士「何やってんだお前ら?」

    遊び人(戦士は戦士で全く気付いて無いし……)

    戦士「あれ?盗賊は?」

    魔法使い「あ、ほんとだっ。いないよっ」

    勇者「…………君達はホントに……」

    戦士・魔法使い「え?」

    714 = 1 :

    ガサァッ!!

    「きゃぁああぁっ!!!!!!」

    戦士「!!??なんだなんだ!!?」

    魔法使い「ひめいだよっ!?うしろのほうから……」

    武道家「…………盗賊!どうだった!?」

    戦士「へ?盗賊?」

    魔法使い「どゆこと?」

    商人「本当に気付いて無いみたいですねこの二人」

    勇者「さっきから後ろをつけて来る気配がしていたんだ」

    僧侶「それで盗賊ちゃんが回りこんで捕まえてくれたんですよ」

    魔法使い「え?そうだったの?」

    戦士「盗賊すごいな!」

    武道家「あんたらが鈍すぎんのよ……」

    ザッ

    盗賊「……みんな……」

    勇者「あ、盗賊ちゃん……どうだっt…………」

    エルフ娘「ひっ……ひぃぃ!」ガクガクブルブル

    盗賊「……こんなん出ましたよ……」

    遊び人「エ、エルフ?」

    商人「なんでまたエルフが……」

    715 = 1 :

    僧侶「あ、貴女は!」

    魔法使い「あれ?おしりあい……って、僧侶をたすけてくれたエルフさん?」

    勇者「あ、本当だね……でもどうして」

    エルフ娘「こ、殺さないで!」ガクブル

    武道家「殺さない殺さない!」

    遊び人「そんなに怯えないでいいよ?」

    僧侶「何もしませんから、落ち着いて……ね?」

    エルフ娘「う……うん」

    戦士「…………」

    戦士「……がおー……」

    エルフ娘「!?」

    戦士「がおー!!」

    エルフ娘「や、やぁ――――!!!!」ガクブル

    ポカッ!

    戦士「あいたっ!」

    武道家「このバカ!あそぶな!!」

    戦士「あはは、ごめんごめんつい……」

    武道家「全く……」

    武道家「ごめんね、そんなに怯えなくても何もしないから……」

    魔法使い「がお――!!」

    エルフ娘「やぁぁ―――――!!!!!!」

    武道家「お前もか!!!!!」

    ……………………

    716 = 1 :

    エルフ娘「…………っ」ガクブル

    僧侶「あはは……大丈夫ですか?」

    遊び人「もう、二人が遊ぶからだよ!」

    戦士「はは、悪い悪い」

    魔法使い「めんぼくなひ……」

    勇者「はぁ……それで、エルフ娘さんはどうして私達を尾行してたのかな?」

    エルフ娘「…………」ブルブル

    武道家「駄目ね……すっかり怯えちゃってる」

    商人「んー、じゃあ僧侶ちゃんが聞いてみればどうですか?」

    商人「そうやって僧侶ちゃんに隠れてるって事は僧侶ちゃんなら大丈夫という事だと思いますし」

    僧侶「そうですかね…………エルフ娘さん?」

    エルフ娘「……な、何?」

    商人「やっぱりですね」

    僧侶「あの……どうして私達を尾行していたのですか?」

    エルフ娘「そ、それは……」

    戦士「……まさかあの女王に尾行しろとか言われたのか?」

    エルフ娘「ひぃ!」

    戦士「あ……悪い」

    僧侶「……女王様に何か言われたのですか?」

    エルフ娘「…………」

    エルフ娘「……ううん」

    エルフ娘「私が勝手に……尾行したの」

    エルフ娘「こんな所……女王様に見られたら処罰されちゃう」

    僧侶「ではどうして……」

    エルフ娘「……」

    エルフ娘「た、確かめたくて……」

    僧侶「え?」

    717 = 1 :

    エルフ娘「人間がどういうものなのか……確かめたくて……」

    僧侶「……?」

    エルフ娘「そ、それに女王様が貴女に悪い事しちゃったから、助けてあげたいと思って……」

    僧侶「……!」

    勇者「……ちょっとすまないけど」

    エルフ娘「!」ビクッ

    勇者「そう怯えないで……ちょっと質問だけど僧侶に対して、君は否定的ではないのかい?」

    エルフ娘「……う、うん」

    僧侶「そ、そうなんですか?でも、私ハーフエルフですし、貴女もさっき私を避け……」

    エルフ娘「……あれはあそこで貴女と仲良くしたら後で怒られるから……ああするしかなかったの」

    エルフ娘「それに……皆ハーフエルフを恨んでいるわけじゃないんだよ」

    僧侶「……それは……?」

    エルフ娘「ハーフエルフだって望んでそうなったわけじゃ無いから……」

    エルフ娘「……若いエルフは、皆そんなのどうだっていいと思ってる。……人間は怖いけどね」

    武道家「若いエルフ……?」

    エルフ娘「う、うん……ハーフエルフを毛嫌いする人って、戦争時代に生きてた人達が殆どなの」

    エルフ娘「その人達は、間近でエルフが人間に犯されるのを見ていたりするから……」

    商人「……そ、それはキツイですね……」

    エルフ娘「うん、それに…………」

    エルフ娘「…………皆、この里に女エルフしか居ないの気付いてた?」

    盗賊「……言われて見れば……」

    遊び人「…………男のエルフっていないね?」

    勇者「…………まさか」

    エルフ娘「……うん、その戦争の時に全員殺されちゃったらしいの」

    エルフ娘「……皆の、目の前で、妻達を犯されながら」

    718 = 1 :

    僧侶「…………」

    魔法使い「……っ」

    戦士「…………そりゃまた胸糞悪い……」

    エルフ娘「私はその時母の胎内にいたから覚えていないけどね」

    エルフ娘「この里にいる若いエルフは大抵が私と同じだよ」

    エルフ娘「…………でも、そういう事があったから、年上のエルフ達はハーフエルフが苦手みたい」

    勇者「んー……それはまた…………」

    エルフ娘「でも……私はおかしいと思うんだ」

    僧侶「え?」

    エルフ娘「……私は貴女が忌み嫌われるような存在だと思えないの」

    エルフ娘「こんな優しそうで、綺麗なのに」

    僧侶「え!?いえっ私はそんな滅相もないっ///」アタフタ

    エルフ娘「……女王様も……なんだか変だったし…………」

    僧侶「え?」

    勇者「変って……何が?」

    エルフ娘「…………ハーフエルフが里を訪れてくることは多々あったの」

    エルフ娘「その際に女王様が入里を拒否する旨を伝えるんだけど……」

    エルフ娘「あんなに露骨に邪険に扱う事は無かったわ」

    エルフ娘「貴女を追い出した時、なんだかまるで何かに怒ってる様だった」

    エルフ娘「いつもなら悲しい顔でやんわりと断るだけなのに……」

    僧侶「……」

    勇者「……なんでだろうね」

    エルフ娘「……わからない」

    エルフ娘「でも……それも確かめたかったから、付いてきちゃったの……ごめんなさい」

    719 = 1 :

    僧侶「いえ、何もお気になさらないで下さい。お気持ち本当にありがたいです」

    武道家「でも、あまりオススメはしないわよ?」

    戦士「今から危ない洞窟の中に行くんだぜ?」

    エルフ娘「うん、それは承知の上よ。さっき聴かせてもらったから」

    エルフ娘「弓の心得はあるんだ。エルフならではの特技もあるしね。薬草は軽いものしか作れないけど」

    遊び人「特技?」

    エルフ娘「うん、貴女も持ってるんでしょ?僧侶」

    僧侶「え?と、特技ですか?あのっ、お手玉とかなら……」

    商人「なんか勘違いしてますねこの子」

    エルフ娘「そうじゃなくて……あなたも聴こえるでしょ?植物達の声」

    僧侶「!!!?」

    勇者「ほ、本当かい?僧侶ちゃん」

    戦士「お前そんなビックリ素敵特技が!」

    僧侶「あ、あれは幻聴なんかじゃなかったんですか!?」

    エルフ娘「幻聴じゃないよ。私達の耳はあらゆる物の声を聞き取るためにこんなに長くなったんだよ」

    僧侶「そ、そうだったんですか……」

    僧侶「…………では猫さんの声なんかも頑張れば……」

    武道家「何を期待してんのよ……」

    エルフ娘「あー、ハーフエルフの場合は耳が少し短いから植物が限界らしいよ」

    僧侶「…………そうですか…………」シュン

    勇者「何を期待してるんだいってば……」

    魔法使い「きもちはわかるよぅ。すっごくわかるよぅ」

    720 = 1 :

    エルフ娘「…………そんな私でよければ、少しだけ手伝わせてくれないかな……?」

    勇者「そんなの大歓迎だよ!よろしくお願いするよ!」

    武道家「こちらこそお願いしますって感じよ」

    魔法使い「たすかるよー」

    商人「まぁ何人居ても困りはしませんからね」

    盗賊「……よろしくね……」

    遊び人「ありがとう!(勇者ちゃんが居ない間で良かった……こんなに綺麗な子勇者ちゃんが鼻の下を伸ばさない筈が無いよ)」

    戦士「少しの間だけどよろしく頼むぜ!」

    僧侶「…………ありがとうございます、エルフ娘さん」ニコッ

    エルフ娘「……うん!」

    …………
    ……


    721 = 1 :

    ――――――――――――

    -エルフの隠れ里-

    エルフ「…………」

    エルフ「…………」

    エルフ(…………なぜ……)

    エルフ「…………っ……」

    スタスタ…

    エルフ村民「……女王様、大丈夫ですか?」

    エルフ「……何がです」

    エルフ村民「体調があまりよろしく無い様なので……」

    エルフ「私は平気です。席を外しなさい」

    エルフ村民「……しかし……」

    エルフ「外しなさい」キッ

    エルフ村民「……失礼いたしました」

    エルフ村民(あんなに機嫌の悪い女王様なんて久々ね……)

    スタスタ……

    エルフ「…………」

    エルフ「…………」

    エルフ「…………女エルフ…………」ボソリ

    …………
    ……



    722 = 1 :

    -ノアニール-

    カチャッ

    村学者「……ところで、勇者君」

    勇者「はい?何でしょう」

    村学者「君は……腕に自信はあるかね?」

    勇者「腕……ですか?」

    村学者「うむ……少し頼みごとをしたいのだが……」

    村学者「いやしかし、こんな事を無関係の君に頼むのも……」

    勇者「……」

    勇者「腕には……」

    村学者「え?」

    勇者「腕には自信あるわけでは無いですがやる気はあります!!!!」

    村学者「ん――――もうそれでいいやっ!」

    勇者「やったー!」

    村学者「採用だ――――ッ!!よっ!!あんたが王様っ!」

    勇者「いや真面目にしましょう、どんな用件ですか」

    村学者「え?あ、うん、ごめんね。実は…………」

    …………
    ……


    723 = 1 :

    -ノアニール西の洞窟・内部-


    コツコツ……

    魔法使い「うわぁー……やっぱりくらいねぇ」

    盗賊「……皆、足元気をつけてね……」

    勇者「エルフ娘ちゃん、大丈夫かい?」

    エルフ娘「うん……ちょっと怖いけど、大丈夫だよ」

    僧侶「無理はしないでくださいね」

    エルフ娘「……うん」

    コツコツ……

    勇者「しかしお義兄ちゃんは大人しくしているだろうか」

    商人「……どうでしょうね」

    戦士「大人しくしてるんじゃないか?あれだけ言っておけば」

    遊び人「えぇ?でも勇者ちゃんの事だよ?」

    盗賊「……筋トレとかしてそう……」

    魔法使い「うーん、ありえるねっ」

    エルフ娘「…………」

    僧侶「あはは……」

    エルフ娘「……ねぇ、僧侶ちゃん?」

    僧侶「?はい、どうかしました?」

    エルフ娘「皆が今話している勇者って…………」

    僧侶「勇者くんですか?私達の大事な仲間なんです」

    僧侶「今回エルフを訪ねたのもその勇者くんの怪我を治したいからで……」

    724 = 1 :

    エルフ娘「…………大事……なの?」

    僧侶「え?」

    エルフ娘「その勇者って人の事…………大事なの?」

    僧侶「…………」

    僧侶「…………はい」

    僧侶「……とても、とても大事な人です」

    エルフ娘「…………耳貸して」

    僧侶「?はい、何か?」ヒョイッ

    コソッ

    エルフ娘「……好きなの?」ボソッ

    僧侶「へうっ!!?///」

    僧侶「なななっ、何言ってるんですか!!!!私はそんな……!」

    エルフ娘「……真面目に、答えて」

    僧侶「…………」

    僧侶「……」チラ

    勇者「全くお義兄ちゃんには手を焼くよ」

    武道家「昔からああだものね」

    商人「あんなおバカ滅多に居ませんよ」

    魔法使い「たしかにゆーしゃはおばかさんだねっ」アハハ

    盗賊「……そういう所も、可愛い……」

    遊び人「盗賊は勇者ちゃんに甘いんだからー」

    戦士「たまにはガツンと言ってやらないとさー」

    ワイワイ

    僧侶「…………」

    僧侶「……勇者くんは」

    エルフ娘「…………?」

    僧侶「……――――勇者くんは……」

    …………
    ……


    725 = 1 :





    ……―――――勇者くんは、私の―――――……





    726 = 1 :

    ――――――――――――

    -十数年前・イシス南西の修道院-

    スタスタ……

    シスター『僧侶?どこに行ったのですか?僧侶?』

    僧侶(小)『……』

    シスター『僧……あぁ、この部屋に居たのですか』

    僧侶『…………』

    シスター『…………?どうしたのですか?僧侶……またその本を読んでいるのですか』

    僧侶『……あ、しすたーさま』

    シスター『僧侶は本当にその本が大好きですね』フフ

    僧侶『あのね、おひめさまをね、わるいどらごんがつれてってね』

    シスター『はいはい』ウフフ

    僧侶『それでね、おうじさまがね、たすけてくれるの』

    シスター『それは素敵なお話ですね』

    僧侶『…………』

    シスター『僧侶?』

    僧侶『…………わたしにも、おうじさまはくるのですか?』

    シスター『王子様?』

    僧侶『……わたしが』

    パラ……

    僧侶『わたしが、こんな、おばけみたいなみみだから、おひめさまとはちがうから』

    僧侶『だから、こないのですか?』

    シスター『…………僧侶』

    僧侶『こんなみみだから、みんなわたしを、こわいこわいするのですか?』

    シスター『…………』

    僧侶『こんなみみだから、ぱぱとままは……』

    727 = 1 :

    ギュウ……

    シスター『僧侶、違いますよ』

    僧侶『しすたーさま』

    シスター『貴女のその耳はお化けみたいなんかじゃありません……たいへん可愛らしいものですよ』

    僧侶『…………』

    シスター『だから、いつか王子様がちゃーんと迎えに来てくれますよ』

    僧侶『…………ほんと?』

    シスター『ええ』ニコッ

    僧侶『……えへへ』

    シスター『それでは、ごはんにしましょう?』

    僧侶『はい!』

    シスター『今日はあなたの好きな豆のスープですよ』

    僧侶『わあ!』

    …………
    ……


    728 = 1 :



    ……
    …………


    シスター『…………身支度はできましたか?僧侶』

    僧侶『はい!』

    シスター『……では、僧侶をお願いします……』

    神父『はい。お任せ下さい』

    僧侶『……どなたですか?』

    シスター『…………今日から、貴女はこの方と遠くで暮らすのです』

    僧侶『…………えっ……』

    神父『よろしくお願いしますね。僧侶さん』

    シスター『……さぁ、お行きなさい』

    僧侶『しすたーさまは、しすたーさまはいっしょにいかないのですか?』

    シスター『…………』

    僧侶『そんなのやです!そんなの……』

    シスター『……神父様、お願いします』

    神父『……よいのですか?』

    シスター『……お願いします……早く……』

    僧侶『しすたーさま!やです!いいこにします!いいこにしますから!』

    729 = 1 :

    シスター『僧侶!!』

    僧侶『っ』ビクゥ

    シスター『いい子なら言う事を聞くのです!!お行きなさい!』

    僧侶『……しすたーさま……』

    シスター『……早く……行くのです……!』

    僧侶『…………』

    ダッ

    神父『あっ……』

    僧侶『……っ!』タッタッタッタ……

    神父『……本当に、良かったのですか』

    シスター『……ここはもう危険です……僧侶をよろしくお願いします……』

    神父『…………』

    シスター『…………早く……』フルフル

    ポロッ……

    シスター『あの子を……あの子をお願いします……!』ポロポロ…

    神父『…………はい。お元気で…………』

    スタスタ……

    シスター『…………』

    シスター『……あの子に』

    シスター『あの子に、ルビス様の幸がありますよう……!』ポロポロ…

    …………
    ……


    730 = 1 :

    -アリアハンへの商業船の上-

    ザザーン…  ザザーン…  


    僧侶『…………』

    ギシッ

    神父『……ここにいたのですか』

    僧侶『…………』

    神父『…………隣、失礼しますね』ヨッコラショ

    僧侶『…………』

    神父『……シスターを恨まないであげてください』

    僧侶『……す』

    神父『?』

    僧侶『…………たしが……から……です』

    神父『?……なんですか?』

    僧侶『……わたしが』

    僧侶『わたしが……おばけみたいだから……』

    僧侶『わたしが、おばけみたいだから、すてられたんです』

    神父『……!』

    神父『僧侶さん、顔をあげなさい』

    パッ

    神父『!』

    僧侶『……ヒック……グスッ……!!』ポロポロ…

    僧侶『わた……わたしが……わたしがおばけだから……!!!!』ポロポロ…

    731 = 1 :

    神父『…………』

    ギュッ……

    神父『それは、違いますよ。僧侶さん』

    僧侶『……グスッ……うぇっ……ヒック……!!』ポロポロ…

    神父『シスターは貴女が大事だからこそ、貴女を私に預けたのですよ』

    神父『最近あの辺りの魔物の力が増してきていたのです』

    神父『そんな中、子供を育てるのは、その子供にとって危険だと判断したシスターは、貴女を私に託したのです』

    僧侶『ヒック……本当……?』ポロポロ…

    神父『はい。……あのシスターが貴女を大事に思っていない筈がありませんよ』

    僧侶『……う、うわぁぁあぁぁん!!』ポロポロ…

    ギュウゥッ……

    神父『…………もう、泣かないで下さい』

    神父『(…………何故子供達がこのような思いをしなければならないのか……)』

    僧侶『うっ……うっ……!!しすたーさまぁぁ……!!!!』ポロポロ…

    神父『(……私は、この子をなんとしても幸せにしなければ……)』

    …………
    ……


    732 = 1 :

    -アリアハン・教会-

    僧侶『神父さまー』

    神父『…………』

    僧侶『神父さま……ここにいらっしゃったのですね』

    神父『ん……あぁ、僧侶ですか。どうかしましたか?』

    僧侶『おすがたがみえなかったので……』

    神父『すみません、書物に夢中になっていました……それでは、みんなでご飯にしましょうか』

    僧侶『…………あの、わたしは……あとでたべます……』

    神父『……まだ、孤児院の子供達とは馴染めませんか……』

    僧侶『ご、ごめんなさい……』

    神父『いえいえ、責めているわけではないのです。ゆっくり馴れていけばいいですよ』

    僧侶『……はい』

    神父『…………』


    ――――――――――――

    -教会・食堂-

    カチャカチャ……

    僧侶『……』モグモグ

    シーン……

    僧侶『……』モグモグ

    僧侶『(……さみしい)』

    ガタッ

    僧侶『!?』

    733 = 1 :

    神父『前の席、失礼しますね』

    僧侶『神父さま?……どうされたのですか?もうごはんはめしあがったのでは……』

    神父『ちょっと回復呪文の勉強で疲れてしまいましてね……小腹が空いてしまいまして』

    僧侶『…………』

    神父『……一緒に食べましょう?』

    僧侶『…………はいっ!』

    ……………………

    神父『それでその呪文がですね』モグモグ……

    僧侶『神父さま、たべながらおしゃべりはだめなのです』

    神父『……』モグモグ……

    ゴクン

    神父『はは……失礼しました。それでは片付けましょうか』

    僧侶『…………あ、あの……』

    神父『……?どうしましたか?』

    僧侶『……その……かいふくじゅもんのはなし……もっときかせてくれませんか……?』

    神父『……!』

    僧侶『…………』

    神父『…………』

    神父『……回復呪文、勉強してみますか?』

    僧侶『!!はいっ!』

    …………
    ……



    734 = 1 :

    ――――――――――――

    パラ……

    僧侶『…………このじゅもんは……』

    ガシャーン

    僧侶『!?』

    僧侶『(どうしたのかな……だいどころのほうから……)』

    テクテク……

    僧侶『!神父さま!』

    神父『あいたた……あ、僧侶……驚かせてすみませんね。お皿を割ってしまいまして』

    僧侶『神父さま、おててが!』タッタッタッタ……

    神父『あはは、お皿を拾う際に切ってしまいました』

    僧侶『……いたそう……』サスサス

    神父『大丈夫ですよこのくらい……』

    僧侶『…………』ブツブツ……

    神父『…………?僧侶……?』

    僧侶『……かごを……せよ……』

    僧侶『……ホイミ』

    ポワァッ

    神父『!!??』

    僧侶『……!しんぷさま!できました!いたくないですか!?』

    神父『……僧侶、貴女は……もう、ホイミを……!?』

    僧侶『はい!べんきょうしました!』

    神父『…………!!』

    735 = 1 :

    神父『(まだ僧侶にホイミを教えてから3日しか経っていないのに……!)』

    僧侶『だいじょうぶですか?いたくないですか?』

    神父『(…………この子は、凄い能力を秘めていますね……)』

    神父『……もう全然痛くないですよ……ありがとうございます』

    神父『……僧侶は凄いですね』ニコッ

    僧侶『!!…………えへへ///』

    神父『(なにこれかわいい)』

    神父『…………あれ、僧侶……そういえば、その帽子は……』

    僧侶『あ……すみません、神父さまのぼうしをかってに……』

    神父『いえ……それは良いのですが、最近いつもその帽子をしていますね?』

    僧侶『あの……その…………』

    神父『?』

    僧侶『…………これなら……みみをかくせるので……』

    神父『…………!』

    僧侶『……みんなに、みられないですむので……』

    神父『……そうですか……』

    僧侶『…………すみません』

    神父『いえいえ、いいのですよ。僧侶のお好きな様にして構いませんよ』

    僧侶『……ありがとうございます』ニコ

    神父『…………』

    神父『(ナデナデしたかった!!!!)』

    …………
    ……

    736 = 1 :

    ――――――――――――

    -教会・食堂-

    神父『それでは……頂きます』

    孤児・教徒一同『いただきまーす!』

    ワイワイ

    僧侶『…………』モグモグ……

    神父『……』モグモグ…

    神父『(僧侶も皆と一緒に食事ができる様になりましたね……会話はあまりしませんが)』

    僧侶『……』モグモグ…

    『ねぇ!』

    僧侶『はひ!?』ビクッ

    『……そうりょちゃん……だよねっ』

    僧侶『は、はい……』ビクビク……

    魔法使い『わたしは魔法使いっていうんだよっ!』

    僧侶『……ま、まほうつかい……ちゃん?』

    魔法使い『うんっ!おしゃべりしよう?』

    僧侶『お、おしゃべり……!?』

    神父『(魔法使い……最近なんだか明るくなった気がしますね……)』

    神父『(良き友にでも出会ったのでしょうか……)』

    魔法使い『……!……!』ペラペラ

    僧侶『…………』オドオド

    神父『…………』

    神父『(皆マジプリティ!!)』

    …………
    ……

    737 = 1 :

    ――――――――――――

    -アリアハン・街中-

    テクテク……

    僧侶『おかいものー♪おかいものー♪』

    『あら、僧侶ちゃん!』

    僧侶『ふぇっ!?』

    ルイーダ『この間は盗賊を助けてくれてありがとうね!』

    僧侶『あ……』

    ルイーダ『確かこの辺りに盗賊も居るはずなんだけど……』

    ルイーダ『あ、いた!おーい!盗賊!』

    盗賊『……!ルイーダさんだ…』

    戦士『あ!ルイーダさーん!!』

    武道家『…………となりにいるのはだれ?』

    魔法使い『…………あ!』

    タッタッタッ……

    魔法使い『僧侶ちゃん!』

    僧侶『あ……魔法使いちゃん……?』

    ルイーダ『あれ、魔法使いちゃんと知り合い?』

    魔法使い『うん!』

    盗賊『……どうかしたんですか?…』

    ルイーダ『盗賊!この前盗賊が倒れたときに助けてくれた僧侶ちゃんよ!』

    盗賊『……!…あなたが…』

    盗賊『……ありがとうございました…』

    738 = 1 :

    僧侶『え……あの……その……』

    ルイーダ『……僧侶ちゃん?どうしたの?』

    戦士『僧侶っていうのかー!あたしは戦士だ!よろしくなー!』

    武道家『わたしは武道家。よろしくね!』

    魔法使い『もうすぐ勇者もくるとおもうんだけど……』

    ルイーダ『あら、勇者くんもいるの?』

    タッタッタッ

    『おーい!』

    盗賊『……あ…勇者だ…』

    勇者『ごめんね!ちょっとおくれちゃった…………あれ?』

    僧侶『!』ビクゥ

    勇者『そのこはどなた?』

    僧侶『あの……わたし……その』

    ルイーダ『?』

    魔法使い『……僧侶ちゃん?』

    武道家『どうしたの?かおいろわるいよ?』

    戦士『おい、だいじょうぶかよー』

    サッ

    戦士『ねつでもあるんじゃ……』

    僧侶『!!?』

    僧侶『(てが……ぼうしに……)』

    僧侶『やめてぇっ!!!!!!』

    一同『『『!!!!??』』』ビクッ!!

    739 = 1 :

    僧侶『あ…………その……』

    僧侶『…………ごめんなさいっ!』

    ダッ

    ルイーダ『あ……僧侶ちゃん!?』

    盗賊『……びっくりした……』

    武道家『どうしたのかしら』

    戦士『なんだよ、ねつをはかろうとしただけなのに……』

    魔法使い『僧侶ちゃん、ぼうしにさわられるのがいやだったんじゃないかな?』

    戦士『ぼうし?』

    魔法使い『うん。あのね、僧侶ちゃんはいつもあのぼうしをしてるから、だいじなぼうしなんだよっ。きっと』

    戦士『だいじかー。だいじならしかたないなー』

    勇者『…………?』

    …………
    ……


    740 = 1 :

    -教会・僧侶の部屋-

    パラ……

    僧侶『…………』

    コンコン

    神父『僧侶?いますか?開けますよ?』

    ガチャ

    神父『……僧侶?食事の時間ですよ……?』

    僧侶『…………』

    神父『…………本を読んでいたのですか』

    僧侶『……えっ?あっ、神父さま!?すみません!わたしきづかなくて……』

    神父『いえいえ、いいんですよ……その本は?』

    僧侶『…………わたしが、しすたーさまにもらった、だいすきなえほんです……』

    神父『そうなのですか……可愛らしい本ですね』

    僧侶『……』

    神父『……僧侶?』

    僧侶『…………すみません……なんでもないんです』

    僧侶『ごはんのじかんですか?すぐにいきます!』

    神父『……』

    …………
    ……

    741 = 1 :

    ――――――――――――

    -教会-

    スタスタ……

    神父『僧侶ー?いないのですかー?』

    教徒『神父様、どうされたのですか?』

    神父『あぁ、いえ。僧侶をちょっと探していまして』

    教徒『僧侶ちゃんなら街の外れの方を歩いていましたよ』

    神父『街ですか?』

    教徒『はい』

    神父『そうですか……。ありがとうございます』

    神父『(だ、大丈夫かな……変な奴にからまれてたりしないかな)』

    神父『(あんなに可愛いからな……心配です)』ギギギ

    教徒『(神父様の顔めっちゃ怖い……)』


    ――――――――――――
    ――――――――――――


    -アリアハン・町外れ-

    僧侶『んしょ…………』

    トサッ

    僧侶『……ふぅ』

    僧侶『…………』

    僧侶『(ここなら、だれもこないかな)』

    スッ

    ファサッ

    僧侶『……』

    僧侶『(おそとでぼうしをとったの……ひさしぶり……)』

    742 = 1 :

    僧侶『…………』

    ゴソッ

    僧侶『……あった』

    パラ……

    僧侶『……』

    僧侶『“そして、おひめさまは、わるいドラゴンをたいじしたおうじさまと”』

    僧侶『…………“すえながくしあわせにくらしました”』

    僧侶『…………』

    僧侶『(……わたしには)』

    僧侶『(わたしは、こんなみみだから、おうじさまなんてこないのかな)』

    僧侶『…………』

    僧侶『(…………いつか……)』

    僧侶『(もしかしたら……いつか神父さまがたにも、すてられて…………)』

    ザッ

    僧侶『!?』

    743 = 1 :

    ザッザッザッ……

    僧侶『……!!』

    僧侶『(だ、だれかくる!)』

    僧侶『ぼ、ぼうしっ……!』

    ザッ

    僧侶『!』

    勇者『……あれ』

    僧侶『……!!』

    勇者『…………きみは』

    僧侶『やだぁっ!!!!』

    勇者『!?』ビクッ!!

    僧侶『み、みないで!!おねがいします!みないで!!』

    勇者『…………?』

    僧侶『このみみは、なんでもないんです!みないで!おねがい、みないで!!』

    僧侶『(みられちゃった……!みんなにしられちゃう……!)』

    僧侶『(もうありあはんに、いられなくなっちゃう……!)』

    勇者『…………』

    僧侶『……っ……!』フルフル…

    勇者『……』スタスタ……

    僧侶『…………!』ビクッ

    744 = 1 :

    勇者『…………みみ……かくしてるの?』

    僧侶『…………』ビクビク

    勇者『…………』

    勇者『こんなにきれいなのに』

    僧侶『……』

    僧侶『……え?』

    勇者『そんなにきれいなのに、かくすのはもったいないよ?』

    僧侶『……きれ……い?』

    勇者『まえがみもこんなにのばして……』

    ファサッ

    僧侶『あっ……!』ビクッ

    勇者『……わぁっ……めもまっかで、るびーみたい!きれい!』

    僧侶『う……うそです……』

    勇者『うそなんかじゃないよ?』

    僧侶『だって……わたし、おばけとか、まものみたいだし……』

    勇者『おばけ?まもの?』

    僧侶『……はい』

    勇者『ぜんぜんちがうよー!ようせいみたいだよ!』

    僧侶『…………ようせい?』

    勇者『うん!まえにえほんでよんだんだ!』

    勇者『ようせいはすごくきれいなんだって!』

    勇者『きみ、えほんでよんだようせいそっくりだよ!』

    僧侶『…………ほ、ホント?』

    745 = 1 :

    勇者『うん!ホントだよ!』

    勇者『そもそも、おばけとかまものはね』

    うにょーん

    勇者『ほーんなへんなかおなんらよー』

    僧侶『…………』キョトン

    僧侶『……ぷっ』

    僧侶『あははっ、あははははっ!』

    勇者『ほーらほらー』

    僧侶『そ、そのかおやめてください……あははははは!』

    …………
    ……


    746 = 1 :



    ……
    …………

    勇者『へぇ、とおいところからきたんだ』

    僧侶『はい。ここにはふねできました』

    勇者『いいなぁ。ぼくもふねのってみたい!』

    僧侶『…………そういえば……勇者くん……でしたっけ?』

    勇者『んー?』

    僧侶『……勇者くんは、こんなところでなにをしようとしてたのですか?』

    勇者『……んー、だれにもいっちゃだめだよ?』

    僧侶『はい』

    勇者『……ぼくね、みんなにかくれてとっくんしてるんだ』

    僧侶『とっくん?』

    747 = 1 :

    勇者『うん!ぼくのとうさんはゆうしゃだったんだ!』

    勇者『だから、ぼくもゆうしゃになりたいんだ!』

    僧侶『ゆうしゃ……ですか?』

    勇者『うん!』

    勇者『ゆうしゃになって、みんなをまもるんだ!』

    勇者『おかーさんも、女勇者も、戦士も、武道家も、魔法使いも、盗賊も、るいーださんも』

    勇者『このまちのひとたちも、せかいじゅうのひとたちみーんな!』

    僧侶『……すごい……』

    勇者『うん!……そして』

    ザッ

    勇者『もちろん、僧侶もまもるよ!』

    僧侶『……えっ』

    勇者『なにかあったらかけつけて、僧侶をなかせるわるいやつをやっつけてあげる!』

    僧侶『…………』

    勇者『……あれ、いやだった?ごめんね?』

    僧侶『……い、いえ……あの……』

    勇者『?』

    僧侶『わ……わたしも……いいんですか?』

    勇者『もちろんだよ!』

    748 = 1 :

    僧侶『で、でもでも、わたし……おともだちにもなってないし……』

    勇者『え!?』

    僧侶『えっ?』

    勇者『ぼくとともだちになるの、いや!?』

    僧侶『そ、そんな!わたしは、その!』

    勇者『じゃあ、なりたい?』

    僧侶『え!?あのっ、その』

    勇者『……』

    僧侶『……はい』

    ニコッ

    勇者『じゃあ、もうともだちだね!』

    ギュッ

    僧侶『あっ』

    僧侶『(おてて……にぎられてる……)』

    勇者『きょうから、僧侶のぴんちにはぜったいかけつけるよ!』

    勇者『よろしくね!』

    僧侶『…………』

    僧侶『……は……』

    ニコッ…

    僧侶『…………はい……』

    749 = 1 :

    勇者『えへへ!わらったらもっときれいだね!』

    僧侶『…………ホント?』

    勇者『うん!ぼくはそうおもうよ!』

    僧侶『……えへへ///』

    勇者『みんなとも、ともだちになろうよ!!』

    サッ…

    勇者『ホラ、いこ?』

    僧侶『……』

    ニコッ

    僧侶『うんっ!』

    勇者『みんないいやつなんだよ!きっとすぐなかよしになれるよ!』

    僧侶『…………』

    僧侶『(…………かけつけてくれる……)』

    僧侶『(……ふふ)』

    僧侶『(おうじさまみたい♪)』

    …………
    ……


    750 = 1 :

    ――――――――――――

    -教会-

    パラ……

    僧侶『~♪』

    ガチャ…

    神父『僧侶……おや、ご機嫌ですね?』

    僧侶『あ、神父さま!』

    神父『何かいい事でもあったのですか?』

    僧侶『はい!きょうはおともだちがふえました!』

    神父『おやおや!本当ですか!それはいい事ですね!』

    僧侶『はい!』

    神父『(良かった……少し明るくなったみたいですね……)』

    僧侶『……それに』

    神父『ん?どうしました?』

    僧侶『……』

    僧侶『わたしのおうじさまも、できちゃいました』エヘヘ

    神父『』

    神父『』

    神父『』

    神父『』

    僧侶『……神父さま?』

    神父『え?あ、はい?あ、すみません、取り乱しましたね』

    神父『(…………そそそそそ僧侶にまさか恋人!?いやそんな早すぎますしかし)』

    僧侶『~♪』

    神父『(どこの馬の骨ですかどうしてくれましょうこのキューティーエンジェル魁僧侶に手を出すとは良い度胸である)』

    僧侶『神父さま?』クビカシゲ

    神父『……』

    神父『(可愛いからいっか!!)』

    …………
    ……



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