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    元スレ勇者「ハーレム言うな」

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    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★
    タグ : - ハーレム + - ハーレム言うな + - 勇者 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    201 = 1 :

    勇者「皆を守るって決めたんだ」

    勇者「誰になんといわれようと!

    勇者「どんなに弱くて、魔法が使えなくても!」

    勇者「オルテガの本当の息子じゃなくても!」

    勇者「僕は、僕に出来ることをやりたいんだ!!」

    魔法使い「……一一一一一一一一一一一一っ!!!!!」


    お爺さん「……」

    勇者「……」

    勇者「…………すみません、取り乱しちゃって」

    お爺さん「…十分じゃ」

    勇者「えっ?」

    お爺さん「お前さんなら、この玉を手にするのに十分じゃ」

    スッ…

    お爺さん「宜しく、頼みもうしたぞ。勇者殿」

    勇者「………」

    勇者「……一一はい」

    勇者は魔法の玉を手に入れた!!

    魔法使い「……」


    …………
    ……

    202 = 1 :

    一一一一一一一一一一一

    翌日


    -老夫婦の家・玄関- 早朝


    ガチャ

    お婆さん「…水汲みも年々辛くなってきたのぉ…」

    「あ、あのっ…!」

    お婆さん「ん…?…あぁ、なんじゃまたお前さんか」

    魔法使い「あのっ、すみません。おじーさんはいますかっ」

    お婆さん「すまないねぇ、まだ眠っておるんじゃ」

    魔法使い「じゃ、じゃあおばーさんでもいーんですっ」

    お婆さん「?わたしで良いなら聴くがどうしたんじゃ?」

    魔法使い「あ…あのっ、魔法をつかえないひとでも…魔法をつかえるようになるどーぐのこと…なにかごぞんじないですかっ」

    お婆さん「その事か…」

    魔法使い「ちょっとしたことでもいーんですっ。うわさとか、きいたはなしとかっ…なにかごぞんじないですかっ」

    お婆さん「……」

    魔法使い「……っ」

    お婆さん「すまないねぇ。昨日と同じような答えですまないが、じいさんもわたしもそのような道具の話を聴いた事はないよ」

    魔法使い「……っ」

    魔法使い「……」

    魔法使い「……そうですか…」

    203 = 1 :

    お婆さん「すまないね…。わたしは池で水汲みしなきゃならん。あんたも来てその悲しそうな顔を水で洗い流しなさい」

    魔法使い「……はい…」

    テクテク…

    魔法使い「………」

    お婆さん「………あの坊やのためかい?」

    魔法使い「………」

    お婆さん「……ラブなのかい」

    魔法使い「………らぶ」

    魔法使い「………うぅん、ちょっと…ちがうかな」

    お婆さん「そうかの?」

    魔法使い「ゆーしゃは……なんていうか、…あやういっていうか…もどかしいっていうか…」

    魔法使い「……わたしが、ずるいっていうか」

    204 = 1 :

    お婆さん「……ずるい?」

    魔法使い「…ん…、…よくわかんないや」

    お婆さん「…ほぉ」


    -街中・池-

    チャプ…

    お婆さん「冷たくて気持ちがいいね」

    ピチャ…

    魔法使い「……ほんとだ」

    お婆さん「……あの子と何かあったのかね」

    魔法使い「…」

    お婆さん「……まぁ無理に話さなくてもいいがのう」フフ

    チャプ…

    魔法使い「…わたしが」

    お婆さん「ん?」

    魔法使い「…わたしが見てるせかいを、ゆーしゃに見せてあげたい」

    お婆さん「ほぉ」

    魔法使い「…ゆーしゃといっしょのせかいに居たい、いっしょにわらいたい…」フルフル

    お婆さん「……」

    魔法使い「…『ゆーしゃがかわいそう』なんて…おもっちゃうじふんを消したい…っ!!」ポロポロ

    お婆さん「……」

    205 = 1 :

    魔法使い「……っ」ポロポロ

    お婆さん「……」

    お婆さん「ホラ、顔でも洗いなさい」

    魔法使い「……」グスッ

    お婆さん「この池で顔を洗うとね、とびきり美人になってしまうんじゃよ」

    魔法使い「……」

    魔法使い「……うん」

    バシャバシャ

    魔法使い「……ぷぁっ……」

    お婆さん「ホレ、この手拭いで顔を拭くんじゃ」ホイ

    魔法使い「……ありがとうございます…」

    フキフキ

    魔法使い「……ふぅ…」

    お婆さん「……すっきりしたかね?」

    魔法使い「……うん」

    お婆さん「じゃあ水面で自分の顔をみてごらん」

    魔法使い「えっ…うん」

    お婆さん「…ホラ」

    魔法使い「………」

    お婆さん「泣き顔よりとびきり美人な顔が映ったろう」フフ

    206 = 1 :

    魔法使い「……ぷっ…」

    お婆さん「ふふっ」

    魔法使い「あははっ!……ほんとだねっ」

    お婆さん「当たり前じゃよ。六十年、毎朝わたしが顔を洗っておる池じゃ」フフン

    魔法使い「あはははっ!なにそれーっ」

    お婆さん「ふふ…」

    魔法使い「あはは…」

    お婆さん「実は、これも魔法なんじゃよ」

    魔法使い「えっ…?」

    207 = 1 :

    お婆さん「うちのじいさんみたいな夢見がちな魔術研究者に六十年も付き添っていればね、分かる事もたくさんあるのさ」

    お婆さん「毎朝何気なく交わす挨拶、何気ない一言、毎日通う池」

    魔法使い「……」

    お婆さん「気付けば、魔法なんてどこにでも溢れておったよ」

    魔法使い「……」

    お婆さん「魔法は、色んな魔法があるからね」

    お婆さん「何があったかはわたしには分からんが……」

    お婆さん「みんな、同じ世界を見る事はできるのさ」

    お婆さん「あの子も、あんたもね」

    208 = 1 :

    魔法使い「………うんっ」

    魔法使い「ありがとう、おばーちゃんっ」

    お婆さん「ふふふ…こちらこそ老人の小言につき合ってくれてありがとうねえ」

    魔法使い「うぅん!たのしかった!……わたし、いくね!がんばってみるよっ」

    お婆さん「うむ、いってらっしゃい」

    魔法使い「じゃあまたねっ」

    タタッ

    お婆さん「最後に一つだけ」

    魔法使い「んぇ?」ピタッ

    お婆さん「ラブには色んな形がある」

    お婆さん「お前さんのそれも、ラブじゃろうよ」

    魔法使い「……」

    お婆さん「……そして覚えておくといい」

    お婆さん「『ラブ』は一番強い魔法なんじゃよ」パチッ☆

    魔法使い「……ふへへ」

    お婆さん「……ふふふ」

    ダッ

    魔法使い「ありがとうおばーちゃん!でもうぃんくはやめたほうがいいよっ!むりがある!」タッタッタッ

    お婆さん「ひどっ」

    209 = 1 :

    タッタッタッ…

    お婆さん「……ふふ、わたしの若い頃を思い出すのう」

    「あんなに美人だったら良かったんじゃがな」

    お婆さん「おや?いつからいたんだい、じいさん」

    ザッ…

    お爺さん「割と前からじゃ…よくもあんなこっぱずかしいセリフを連ねる事ができるのう…年考えろ」

    お婆さん「ふふっ、女はいつまで経っても心は女の子なんじゃよ」

    お爺さん「あぁそうかい…」

    ………………
    …………
    ……

    210 = 1 :

    -いざないの洞窟-

    勇者「やぁっ!」

    ズバッ

    戦士「やぁ一一っ…」

    ずばーん

    魔物「ギャアッ」

    魔物の群れを倒した!

    武道家「ちょっと戦士ー、やる気出しなさいよー」

    商人「どうしたんですか戦士ちゃん、いきなりそんなヘロヘロになっちゃって」

    戦士「……だってよ」

    戦士「魔法の玉っていうからどういうもんか気になるじゃん?」

    戦士「で、やっとの事で手に入れて使ってみて…するとどうだ」

    戦士「爆薬だよ!壁爆破させるための爆薬だよ!爆薬かよっ!!」キィーッ!

    僧侶「そ…それは」アハハ…

    盗賊「……言わない約束…」

    魔法使い「そんなこともないよっ?」

    戦士「えっ?」

    211 = 1 :

    魔法使い「あのかべはとくしゅな魔法でつくられてたからねっ。あの魔法の玉の内部魔原子と、あるいっていのすぴーどでゆうごうさせないとえーてるはかいねんしょうがおきないこうぞうになってたんだよっ!」

    戦士「ようするに魔法って事か」

    魔法使い「そーだよっ」

    武道家「…魔法使い、調子取り戻したみたいね」コソッ

    勇者「そうだね。良かったよ」コソッ

    僧侶「……」

    タッタッタッ…

    僧侶「……魔法使いちゃん?」

    魔法使い「ぇ?なに?そーりょ」

    僧侶「……ゆっくり」

    魔法使い「……」

    僧侶「ゆっくり、みんなで、支えていきましょう」ニコッ

    魔法使い「……うん」

    魔法使い「…しんぱいかけてごめんね、そーりょ」

    僧侶「ふふっ」ニコッ

    魔法使い「だいすきだよーっ!うりゃーっ!」ガバァッ

    ダキッ

    僧侶「こらっ…んもう」フフフ

    魔法使い「えへへ」ギュゥゥ

    盗賊「……よかったよかった……」ナデナデ

    魔法使い「うおぉ、なでなでだっ。もっとしてー」ニャー

    勇者「………ははっ」

    勇者(元気出たみたいで……本当に良かった)

    …………
    ……

    212 = 1 :

    一一一一一一一一一一一

    勇者「……やっと着いたね」

    遊び人「……ここが」



    -旅の扉-

    勇者「…一一旅の扉か」

    武道家「すごいわね…泉みたいなのが渦巻いてる…」

    商人「ここから別の大陸に行けるんですね…どういう構造なんでしょうか」

    戦士「ようするに魔法って事だ」

    商人「この脳筋…」

    僧侶「…少し怖いですね…」

    盗賊「……きっと、大丈夫…」

    213 = 1 :

    勇者「…一一みんな」

    一同「「?」」

    勇者「ここから先は、違う大陸へと続いてる」

    勇者「もう簡単に、旅からは戻れないと思う」

    一同「「………」」

    勇者「…一一みんなが、引き返すなら、今しか一一…」


    戦士「勇者、おっさきーっ!!」

    勇者「えっ」

    バッ

    スゥゥ…

    勇者「ちょっ、戦士っ一一…」

    商人「御託はいらないんですよ!勇くんのあほっ!」

    バッ

    スゥゥ…

    勇者「商人!?」

    武道家「私たちが引き返すとでも思ってんの!」

    バッ

    スゥゥ…

    僧侶「もう私たち、覚悟はできているんですからねっ!」

    バッ

    スゥゥ…

    盗賊「……無駄だよ……」

    バッ

    スゥゥ…


    勇者「……みんな…!」

    214 = 1 :

    遊び人「……私達は、死なないよ」

    勇者「……っ!」

    遊び人「皆もいるし……なにより、勇者ちゃんがいるんだからっ」

    バッ

    スゥゥ…

    勇者「…………」

    勇者「……ふふ…やれやれって感じだね」

    勇者「……腹を括りなよ、お義兄ちゃん」

    勇者「私達はもう立ち止まれないんだ。それなら、皆で足並みを揃えて歩いてこうじゃないか」

    タッタッタッ…

    勇者「女勇者っ…」

    ピタッ…

    勇者「……しかし」

    勇者「?」

    勇者「皆、お義兄ちゃんの事を理解してるんだね」

    勇者「なんだかんだで…お義兄ちゃん1人では、引き返さないんだ」クスッ

    バッ

    スゥゥ…

    215 = 1 :

    勇者「……」

    勇者「……みんな」

    ザッ…

    魔法使い「…ゆーしゃ」

    勇者「……魔法使い」

    魔法使い「……わたしたち…わがままかもしれないけど……」

    魔法使い「……それでも」

    魔法使い「ゆーしゃと、ゆーしゃといっしょのせかいをみていたいの…」

    魔法使い「みんなで…みんなであるいていきたいのっ!」

    勇者「………」

    魔法使い「…だめっ…?」

    勇者「………」

    魔法使い「………」

    勇者「ごめん、魔法使い」

    魔法使い「………っ」

    スッ…

    勇者「くよくよしていて……ごめん」

    勇者「……行こう」

    勇者「行こう、一緒に」

    216 = 1 :

    魔法使い「ゆーしゃ…!」

    勇者「ホラ、手を…」

    魔法使い「……うん」

    ドクン

    …一一一一あれっ

    一一一一一一一一一一一

    勇者『これからよろしくねっ!魔法使いっ!』

    一一一一一一一一一一一

    勇者「魔法使い?」

    魔法使い「う、うん」

    魔法使い(……)

    魔法使い(ゆーしゃの手…こんなにおーきかったっけ…)

    ギュ

    ドクン

    魔法使い(…そーいえば)

    一一一一一一一一一一一

    勇者『………っ!』ギュゥゥ

    一一一一一一一一一一一

    ドクン

    魔法使い(なじみの塔のとき…わたしをだきしめてまもってくれたときのゆーしゃのむね……)

    魔法使い(むかしより…ひろくなってた……)

    ドクン

    …一一一あ

    魔法使い(そうか)

    一一一一一一一一一一一

    魔法使い『ゆーしゃといっしょのせかいをみていたいっ…』ポロポロ…

    一一一一一一一一一一一

    魔法使い(ばかだ…わたし)

    一一一一一一一一一一一

    お婆さん『気付けば、魔法なんてどこにでも溢れておったよ』

    一一一一一一一一一一一

    …一一一一とっくに

    217 = 1 :


    魔法使い(…おばーちゃん)

    一一一一一一一一一一一

    お婆さん『お前さんのそれも一一一一…』

    一一一一一一一一一一一

    魔法使い(ほんとだね)

    ギュ…

    勇者「行こう!魔法使い」

    魔法使い「……」

    …一一一一一一わたし

    魔法使い「……うんっ!」

    …一一一一一一わたし、もうとっくに…

    一一一一一一一一一一一

    …一一『ラブ』は一番強い魔法なんじゃよ一一…

    一一一一一一一一一一一






    魔法使い(わたし、もうとっくに、こてんぱんにされてたみたい)





    …一一一一その日、勇者一行がアリアハンの大陸から旅立った一一一一…

    つづく

    218 = 1 :

    第一章 -完-

    219 = 1 :

    今日はおしまひ

    やっとアリアハンの大陸から出ることができたよ遅すぎワロンロン

    引き続き頑張りますので見ていただけてる方がいらっしゃれば、どうかよろしくです。

    220 :

    めちゃくちゃイイ!!
    感動の嵐だぉ!!

    ぜひ続きを!
    ずっと貼りつかせてもらいます!

    221 :

    大変乙です
    魔法使いちゃんが可愛過ぎて生きるのが辛い
    この勇者をどう成長させて真の勇者にするのか
    別の形にもってくのか楽しみにしてます

    222 :

    おつ
    みてるよー

    223 :

    いい速度だ

    225 :

    一一一一一一一一一一一


    『……ぱぱ……ぱぱ……!』

    『……なんで…なんでわたしをおいてったの……』

    『……やだよぉ……』

    『……おいてかないで……!』

    ガチャ…

    『……』

    『……』

    『……だれ……?』

    『……』

    ギュ…

    『……』

    『……わたしを……こわがらないの…?』

    『……わたしといっしょに…ないてくれるの…?』

    『……』

    『……いいこだね…』

    『……』

    『……あなた……おなまえは……?』


    一一一一一一一一一一一

    226 = 1 :

    一一一一一一一一……


    チュンチュン…


    盗賊「……………ん」モゾッ…

    盗賊「…………」

    盗賊「…………夢」

    盗賊(……懐かしい夢だったな……疲れてたからかな…)

    ガヤガヤ…

    盗賊「………」

    盗賊「……賑やか…」

    盗賊(……そっか…)

    ムクッ…

    スタスタ…

    盗賊(……そうだったね…)

    ピタッ…

    盗賊(……もうアリアハンの大陸じゃないんだ…)

    窓< ガチャッ…

    盗賊(……たどり着いたんだ…)

    パアァッ……



    盗賊「……ロマリア、に……」



    -娯楽大国・ロマリア-

    227 = 1 :

    ガヤガヤ…

    盗賊「……」

    盗賊(……凄く、活気のある所だなぁ…)

    盗賊(……こうして、窓から見下ろすだけでも、人が多いのがわかる……)

    盗賊(……皆、楽しそう…)

    盗賊「…………」

    盗賊「……良い、街……」

    コンコン…

    盗賊「……はい…」

    ガチャッ

    勇者「や、おはよう盗賊」

    盗賊「………」

    勇者「皆疲れたのかまだ起きなくて困ってるんだよー。今日は王様に謁見しなきゃなのに」タハハ…

    盗賊「………」

    勇者「?盗賊?どうし…」

    228 = 1 :

    ギュッ

    盗賊「……おはよ、勇者…」

    勇者「…~!!…わぷっ!?と、盗賊!いい加減いきなり抱き付く癖は治してってばっ!!」

    盗賊「……勇者が、可愛いのが、いけないんだよ…」

    勇者「男に可愛いはやめてよ……全然褒め言葉じゃないんだから」

    盗賊「……うりうり…」ナデナデ

    勇者「ちょっと…もうやめてって…」

    ペシッ

    勇者「いたっ」

    盗賊「……?…」

    勇者「ま…魔法使いもやめてよ」

    魔法使い「んもー、とーぞくおこして食堂ではなしあいをするんでしょっ?でれでれしないのっ!」

    盗賊「……魔法使いも、おはよう…」

    魔法使い「とーぞくっ!おはよっ」ニヘヘッ

    229 = 1 :

    魔法使い「かおをあらったら食堂にきてねっ。それじゃゆーしゃ、いこっ」

    勇者「うん、そうだね。じゃあ盗賊、また後で」

    魔法使い「といっても、おきてるの三人だけだけどねぇ」

    勇者「あはは、でも魔法使いが早く起きるのは珍しいよね」

    魔法使い「えー、そんなことないよぅ?」

    アハハ…

    盗賊「……」

    盗賊(……なんだか魔法使い、少し変わったかな…)

    盗賊(……少しだけ…しっかりした気が…)

    盗賊「……」

    盗賊「……よきかな、よきかな…」

    パタン

    230 = 1 :

    -食堂- 朝

    テクテク…

    戦士「おはうぇー…」

    勇者「おはよう戦士」

    魔法使い「おはよっ」

    商人「おはようございます。やっぱり最後は戦士ちゃんでしたか」

    武道家「戦士、あんたいい加減朝弱いのなおしなさいよ」

    戦士「やりたくてやってるわけじゃねー…ふぁ…」

    勇者「だめだねこりゃ…」

    コトッ

    遊び人「はい、ハニートースト頼んどいたよ」

    戦士「食べます!」シャキン

    僧侶「ザメハより効果ありますねコレ」

    231 = 1 :

    戦士「ゆーひゃ、ひょうはろーゆーよれいらの?」モグモグ

    遊び人「コラ!飲み込んでから喋りなさい」ペチン

    戦士「まうっ」

    ゴクン

    戦士「んはっ、勇者。今日はどうゆう予定なの?」

    勇者「うん、今日はまず王様に謁見しようと思ってさ」

    戦士「あー、そっか。各国滞在する時はその国の王様に挨拶しなきゃならないんだっけ」

    勇者「魔物から受けた被害状況も知りたいしね。いろんな情報も欲しいところさ」

    商人「………で、謁見した後は?」ウズウズ

    遊び人「?なにそわそわしてるの?」

    商人「いえ、そのう」モジモジ

    勇者「ははは、大丈夫だよ商人。その後は各自自由行動にするから市場とか道具屋には自由に行っていいよ」

    商人「マジですか!うおー、マジですか!」キラキラピョンピョン

    232 = 1 :

    魔法使い(…じ、じゆーこーどー……っ……!!)

    僧侶「たしかにここはアリアハンよりお店が賑やかですから商人ちゃんは気になってしょうがないですよね」ウフフ

    商人「ですです!」フンスフンス

    遊び人「私もちょっと食材とか見て回りたいかな」

    勇者「まぁはしゃぐのは謁見してからだよ。まずはこの国の状況を聞いてからだ」フフ

    武道家「そうね。…でもやっぱり久々のショッピングも楽しみだわ」テヘヘ

    盗賊「……」ボー

    勇者「…盗賊?どうかした?」

    盗賊「……ううん…なんでもない…」

    233 = 1 :

    遊び人「あ、勇者ちゃん」

    勇者「ん?なに?」

    遊び人「あの、自由行動の時なんだけどさ」

    魔法使い「っ!」

    勇者「うん、あ、お金?」

    遊び人「違う違うっ!……自由行動の時…さ、もし良かったら…あのぅ」

    勇者「?」

    遊び人「一緒n」

    魔法使い「ゆーしゃっ!」ガタッ!!!

    勇・遊「「!!!!!?」」ビクゥッ!

    勇者「ど、どうしたの?魔法使い?」

    魔法使い「あ、あのねっ。きょうはそのっ、おさんぽ日和だとおもうんだよ、わたしはっ」アセアセ

    勇者「?うん、そうだねぇ」

    魔法使い「だ、だからねっあのっ」

    遊び人「ゆ、勇者ちゃんなんか食べたいものある!?」アセアセ

    魔法使い「!?」

    勇者「へっ?いや、特には…」

    234 = 1 :

    魔法使い「ゆーしゃっ、そういえばロマリアは娯楽もすごくさかんらしいよっ!」アセアセ

    遊び人「!!?」ムムッ

    勇者「あぁ、宿の主人もそういってたね」

    魔法使い「だからs」

    遊び人「遊びたいな!私すごく遊びたいな!」アセアセ

    魔法使い「っ!わ、わたしも!」ムムム!

    遊び人「だから勇者ちゃん!」

    魔法使い「ゆーしゃっ!」

    遊・魔「「できればわたしと一一…!!!」」

    勇者「ははは、そんなに楽しみなの?じゃあ2人で行っておいでよ」

    遊・魔「「 」」

    勇者「僕も行きたいけど用事あるんだよなー。後でどんな街だったか聴かせてよ!」

    遊び人「あ…いやその……はい」ショボボン

    魔法使い「…ぜんしょいたしますよぅ……」ショボリンコ

    商人(……魔法使いちゃん…なんだか変わりましたね…にしても勇くんがアホで良かったです)ズズ…

    盗賊「………」

    戦士「うめー!」ペカー


    …………
    ……



    一一一一一一一一一一一

    235 :

    勇者ぐう畜

    236 :

    勇者ぐうの音も出ないほどに鬼畜
    略称するのは勇者の鬼畜度に失礼

    237 :

    なぜぐう畜で分かるんだ
    そんな有名な言い回しなのか

    238 :

    なんJネタだろwwwwww
    教えてやる俺はぐう聖

    239 :

    やべー なんだこれ



    面白すぎる

    240 = 1 :

    一一一一一一一一一一一

    -ロマリア・宿屋外-

    商人「ん、あっちに見えるのがロマリア城ですね」

    僧侶「わぁ…改めて見るとロマリア城も大きいんですねぇ…」

    勇者「僕たち、ほぼアリアハンかレーベしか行ったことなかったからかな、他の城ってなんだか新鮮だね」

    勇者「でも心なしかちょっとロマリア城の方が華やかな気がするよ」

    戦士「早いとこすましちゃおーぜ!」

    勇者「そだね、行こうか」

    町人「ん?おいあんたら」

    勇者「はい?」

    241 = 1 :

    町人「あんたら、よその国の人達なのか?城にでも行くのかい?」

    勇者「あ、はい。アリアハンから来ました。今から王様に挨拶しに行こうと思いまして」

    町人「アリアハンからか!!そりゃまたとんだ長旅じゃねぇか!」

    武道家「いやはは…(旅の扉で来たって話はしない方が良いのかしら…)」

    町人「じゃあ良いことを教えてやるよ」

    勇者「良いこと?」

    町人「この国の王様はお調子者だ。気をつけな」

    一同「「?」」

    一一一一一一一一一一一

    242 = 1 :

    -ロマリア城前-

    遊び人「さっきの人の話どういう事だろうね?」

    戦士「なぁ?お調子者ってそんなに気をつける事か?」

    勇者「まぁ何はともあれ行ってみようよ」

    テクテク…

    城門兵「おい」

    ジャキッ

    城門兵「そこの集団止まれ。通行証や書状は何かあるか?」

    勇者「すみません。アリアハンから参りました、勇者一行です。書状はこちらです。是非ロマリア王に謁見させて頂きたく一一一一…」

    城門兵「あ、失礼致しました!勇者殿であられましたか!」ジャキッ

    勇者「いえいえ、そんな…」

    城門兵「先ほどの無礼をお許しください!勇者殿とはつゆ知らず…いや良く見れば精悍で屈強そうなお方だ!」

    勇者「え…」

    城門兵「何卒、何卒ご勘弁を!わたくし汚い豚畜生めなので…デヘデヘ」サスサス

    戦士「おいなんかもうすでにおかしいぞ大丈夫かこれ」

    243 = 1 :

    一一一一一一一一一一一


    城兵「勇者様のお通りだー!」

    城兵「開門!!かいもーん!!!」

    城兵「王様の元にお通ししろーっ!!」

    城兵「出迎えだー!!」

    城兵「歌だ!!歌を歌え!!」

    城兵「寝そべってカーペット代わりになるんだ!!」

    城兵「花だ!!花を撒くんだ!!」

    城兵「キャーッ!!勇者様がたステキーッ!!」

    戦士「うっるせーよ!!お前ら普通にしてろよ!!見ろよ!勇者のシャイモードが発動しちゃったよ俯いちゃったよバカ!!」

    勇者「/////」カァァァァ…!!

    244 = 1 :

    一一一一一一一一一一一


    -ロマリア城・王の間-

    ロマリア城「よくぞきた!アリアハンの勇者よ!」

    勇者「お初にお目にかかります。勇者オルテガの息子、勇者であります」

    勇者「その妹、勇者オルテガの娘、女勇者であります。彼女たちは同じアリアハンから立ち上がった同士達でございます」

    ロマリア城「よい、そんなに堅くなるでない。勇者オルテガの噂は我らも聞き及んでおるぞよ」

    ロマリア王「…一一ん?そなた、オルテガの娘と言ったか?」

    勇者「はい。何か?」

    ロマリア王「うむ、いや書状には勇者はオルテガの息子とだけしか書かれとらんが…」

    勇者「はい。うちのアリアハンの王の書き忘れです」

    ロマリア王「えっ」

    勇者「書き忘れです」

    ロマリア王「あ…うんごめんなんだか怖いねキミ」

    245 = 1 :

    ロマリア王「……。…。………。」ペラペラ

    勇者「……。…………。」ペラペラ



    武道家(なんだか普通の王様ね)ヒソヒソ

    魔法使い(そうだねっ。べつにおちょーしものってわけでもなさそうだね)ヒソヒソ

    僧侶(噂は当てになりませんからね)ヒソヒソ



    勇者「それでは…現在進行している明確な魔物からの被害は無い、と」

    ロマリア王「うむ」

    勇者「そうですか…お話ありがとうございます。2、3日ほどロマリアに滞在させていただきます」

    ロマリア王「あいわかった」

    勇者「それでは、僕達は失礼致します」

    勇者「お話ありがとうございました」

    ロマリア王「…」

    スタスタ…

    ロマリア王「……」

    スタスタ…

    ロマリア王「……」

    スタスタ…


    ガタッ!!!!

    ロマリア王「ちょ一一っとスト一一一一ップ!!!!!!!!!」

    勇者「へっ!!?」ビクゥッ

    246 = 1 :

    ロマリア王「……」

    勇者「……どうかされましたか?」

    ロマリア王「…まだ、旅を続けるつもりか?」

    勇者「え?あ、はい。それはもう」

    ロマリア王「……………………………ならば頼みがある」

    勇者「頼み?」

    ロマリア王「………じつは、ワシの金の冠が盗賊団に奪われたのだ」

    勇者「………はぁ」

    ロマリア王「……」

    ロマリア王「……取り返してきて」

    勇者「えっ」

    勇者「えっ」

    ロマリア王「…取り返してきてくれぬか!?頼む!!」

    ロマリア王「由緒ある冠なんじゃ!あれを盗られたと知れたらワシの面目がたたんのじゃ!!」

    商人「……え」

    遊び人「えぇー…」

    戦士「なんか話がおかしくなってきたぞ」

    247 = 1 :

    勇者「お、お言葉ですがロマリア王、それは城内騎士団や巡回隊、自警団などに命ずればよいかと……」

    ロマリア王「……」

    勇者「……」

    ロマリア王「………もん」

    勇者「えっ?」

    ロマリア王「………らんもん」

    ロマリア王「別にワシ、お主らを勇者だと認めておらんもん」

    ……………。

    勇者一行(((え)))

    王妃(え)

    大臣(え)

    ((え))


    ((((えぇーっ…))))ガビーン

    248 = 1 :

    ロマリア王「でも?別に?金の冠もってきてもらえれば?考え変わるかも?みたいな?」

    商人(訂正しましょう)ヒソヒソ

    魔法使い(だね)ヒソヒソ

    僧侶(噂は良く当たりますね)ヒソヒソ

    戦士(…このオヤジ)

    遊び人(……とんだ)

    勇者・女勇者((……とんだお調子者だ……))

    ロマリア王「で!とにかくだよ!やるのかやらんのかどっちなんじゃ!」

    勇者「いや、あの…」

    勇者「もし行く先で盗賊団に遭遇する事があれば、取り戻しておきますね!」ニッコー

    勇者(うおぉ…女勇者の営業スマイルだ…)

    勇者「では失礼します」

    スタスタ…

    ロマリア王「ちょっ…まっ、まちなさいよーまちなさいよーきみたちったらー!」

    スタスタ…

    勇者(…女勇者)ヒソヒソ

    勇者(ここは一先ず帰ろうお義兄ちゃん。盗賊退治するかはまた皆できめよう。ここで返事しちゃうと後々面倒くさいよ)ヒソヒソ

    ロマリア王「待ってくれ!お願いじゃよ!」

    盗賊(………)

    249 = 1 :

    スタスタ…

    ロマリア王「むぅ…っ!」

    大臣「お抑え下さい…無理な懇願をしているのは王の方ですぞ」

    ロマリア王「わかっておる!……じゃが…!」

    バッ

    ロマリア王「なんとか、なんとか取り戻してはくれぬか!?」

    ロマリア王「お願いじゃ…!お主たちなら勝てるんじゃ!」

    ロマリア王「あの」

    ロマリア王「…一一あの盗賊王カンダタに!!!」

    スタスタ…

    ピタッ…

    勇者「?」

    勇者「……?どうしたんだい?」

    戦士「いきなり立ち止まって」

    僧侶「…どうしたんですか?盗賊ちゃん」

    盗賊「……」

    盗賊「……」

    盗賊「……」

    盗賊「……」

    盗賊「……パパ?…」

    250 = 1 :

    今日はおしまいです


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