元スレ紳士「お暇でしたら保健室の先生になってみませんか?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★
801 = 772 :
眼鏡「あ、あの、もしかしてこの前も、居ました……?」
紳士「ええ。貴方とは二回目ですね」
眼鏡「もしかして、毛布、かけなおしてくれました……?」
紳士「……さて、どうでしょう」
眼鏡「夢……だったのかな」
紳士は、にやりと笑う
それ、絶対こいつだ
眼鏡「あ、ご、ごめんなさい、本題のほうに」
男「そ、そうだな……」
黒髪「とりあえず、二つの世界があるってことでいいんですよね?」
紳士「然様」
黒髪「なら面倒くさいから、一旦二つに名前付けた方がいいかも」
黒髪「先生が女で、私達がいる世界を、“世界A”。もう片方の世界を“世界B”でいい?」
金髪「問題ありません」
男「わかった」
802 :
お前ら書きすぎだろ、埋める気か
803 :
ゆとり速報だからしょうがない
808 = 772 :
黒髪「世界Aと世界Bの違いは……」
男「分かっているのは、俺が死んでるか生きてるか、だな。世界Aでは死に、世界Bでは生きている」
黒髪「そうですね。ここでは先生の言い方を借りて“俺”にしておきます」
黒髪「……ん。“私”は生きているのですか?」
男「世界Bに関しては、分からない」
男「でも少なくとも世界Aで“私”の姿で外に出られるっていう事は、生きているってことじゃないか」
紳士「中身が違うものを、生きているというのであれば」
黒髪「あ……」
黒髪「そっか……、だから、“本来の私”はどこへ行った、なんだ……」
金髪「でも死んでいるわけではありません。中身は違えど、生きているから、生活を続けられる」
金髪「中身の違いはおいておき、ここでは便宜的に生きている、とした方がいいかと」
黒髪「そうね……」
金髪「他に、世界AとBでは、この205号室の主も違いますわね」
黒髪「うん。世界Bでは“俺”の方が。世界Aでは“私”の方が、それぞれ住んでいる」
810 = 773 :
ほ
811 = 785 :
もし1000行きそうでも無理やり終わらせるのはやめてくれな
VIPなりSS速報で続き書いてくれれば、見たい奴は見に行くから
VIPで次スレ書くなら、続きって書かないほうがいいぞ。キチガイに荒らされるから
812 = 772 :
栗毛「先生が生きていると、205号室は先生のものになる、ということ……かな」
眼鏡「ダブルブッキングしていたから……ですか」
黒髪「……いや、その時の“俺”が断るか断らないか、が分岐点かもしれないね」
金髪「いえ、それもおそらく違う……、“本来の私”の方が、断るか断らないか、ではないでしょうか」
黒髪「え……?」
金髪「……連絡は、少なくとも世界Bで生きた貴方には、あまりこなかったのですわね?」
男「ああ。ダブルブッキングはしていたが、いつのまにか解決していた」
金髪「となるとやはり、先に“本来の私”の方が折れた、と考えるが妥当かと」
金髪「もし“本来の私”が断らなかった場合、業者としてはとりあえず“俺”の方に話を持っていくはず」
金髪「そして“俺”は契約解消を望む連絡が来た場合に断る、と本人が確定している」
金髪「“俺”に選択が迫られた場合は必ず折れる、とするならば」
金髪「その分岐点は、相手にあったと考えるのが妥当です」
男「……なるほど」
男「先に向こうに話が持ちかけられ、彼女が断るか断らないかで俺に連絡が来るか来ないかが決まる」
男「『彼女が断る事』がイコールで『俺がこの部屋に住む』となるのだから、確かに分岐点は彼女にあった、となるわけだ」
816 :
知り合いのニコ厨100人くらいこのスレによんでいい?
817 = 772 :
紳士「ほう、これはまた……、良い生徒にめぐり合いましたね」
紳士「その通り。業者はまず、彼女へと話を持ちかけました」
男「なるほど、これで世界Aの“俺”が死んだのが三月の終りであった事にも説明がつくようになった」
男「自殺のきっかけは些細な事。……つまり、そういうことだな」
紳士「はい」
紳士「彼女の選択次第で、貴方が自殺するかしないかが決まる、ということです」
眼鏡「ち、ちょっとまってくださいっ。せ、先生はなんで、自殺をしたいと思っていたんですか……?」
男「ん……」
男「……今はもう馬鹿らしいと思う理由だよ」
男「今思えば、死にたいと思うなんて馬鹿げている」
男「でもきっと、俺と同じように思っている人は世界中にも少なくないはずなんだ。とくに、最近のこの国なら」
眼鏡「……何故、ですか?」
男「理由をコレだと決め付けるのは、難しい問題だ」
男「でもとにかく今は皆に会ったから、俺は死にたいなんて、思ってないよ」
818 :
>>816
帰れ
819 = 778 :
触るなよ…
820 = 777 :
保守以外いちいち書き込むな
821 :
素直に楽しい 面白い
いつも帰宅してからだと落ちてるから、保守の皆さん >>1に感謝
822 = 816 :
>>820
あげんなドアホ
823 = 772 :
黒髪「優しいけど、馬鹿なんですね、貴方」
黒髪「世界Aにきて保健室の先生やるまでは、自殺する気満々だったってことですよね」
男「む……、よ、よくわかったな」
黒髪「私達と会ったから変わった、って自分でいってるじゃないですか」
黒髪「さあ。話を進めましょう」
この子達を呼んでよかったと、俺は心底おもった
一人で悩み続けるよりも、思考のスピードが何倍も速くなる
ツインテ「あのー、私あんまり話についていけてないんですけど、ちょっと質問です!」
黒髪「ん?」
ツインテ「結局、何が問題なんですか?」
黒髪「ん……、確かにそうね。一旦それを抽出したほうがいい」
黒髪「最終目標は?」
男「こいつが隠してる事を全部暴くこと、だな」
紳士「別に隠してませんよ。私は答えを持っているだけです」
紳士「前にも言いましたが、必要なことは、私の答えがなくても見つける事ができるようになっていますから」
824 :
紳士が何者かが一番気になるところ
825 :
俺だよ保守
827 = 772 :
男「そうだったな。じゃあその必要な事、を見つけることか」
金髪「では今の時点で分からないものを考えればいいのでしょう」
ツインテ「この紳士が誰か!」
栗毛「神様?」
黒髪「悪魔っぽいけど」
金髪「何かの幽霊とかでしょうか」
眼鏡「ま、魔法使いだったり……?」
紳士「あー、そういう意味では解かなくていいですよ。あえて言うなら、人でない何かというだけで十分です」
男「人じゃなかった……だと……!」
紳士「いやそれは最初からわかっていたでしょう」
男「はい」
男「……となると問題は“本来の私”は誰、かな?」
金髪「そうですわね。……話を聞く限り、貴方と接点がありそうですけど」
男「あるけど……、思い当たらないんだな……」
828 :
一瞬紳助に見えた…
829 = 772 :
黒髪「“本来の私”の情報は、聞いた中にはほとんどなかったわよね」
眼鏡「そ、そうですよね……、外見は分かるんですけど」
男「あとはこのノートくらいか」
金髪「先生あのねを目指すために、とは可愛いらしい先生ですわね」
栗毛「どんな人なんだろうねえ……」
男「……あ。お前ら、学校で見かけたことなかったのか? 四月からいたんだろ?」
金髪「ううん、前に言いましたように、保健室には近寄りがたかったので……」
男「あ、そうか」
眼鏡「わ、わたしも何度か登校したことがあるんですけど」
眼鏡「保健室は確かに、私みたいな人は入れなさそうでした……」
黒髪「私もそうね、全然係わりなかったし」
栗毛「同じく、です」
男「うーんむ」
金髪「これは、難しい……。手がかりになるようなものが、古い友達というくらいしか……」
830 :
ふむ
833 = 772 :
男「うーん……、実家に俺を訪ねてくるような人、なんだよな」
男「俺も一応、知り合いがゼロってわけではなかったが……」
男「ここ数年――世界Aで俺が死ぬ前の数年――で付き合いがあった人は、俺自身の連絡先を知っているはずだし」
男「今の実家を知っているような古い友達となると、少なくとも中学生から高校生までの知り合いになる」
男「遠くはない距離だったが、中学にあがる時に一度、引っ越しているからな。それと、大学からは一人暮らしだったからだ」
男「とにかく中学にあがる時に、学区は変わったから、」
男「小学生時代の内に縁のなくなった友達は、今の実家をしらないはずだ」
男「となると必然的に、中学生以上高校生以下の時代に付き合っていて、同時に実家を知っている人間にしぼられるが」
男「その数少ない中で、今の時期になって実家を訪ねるような人間を、俺は知らない」
男「というか、そもそも女性でそんな知り合い自体いない」
ツインテ「モテなかったんですか」
男「残念ながら」
男「んー、こじ付けで無理やりに縁のありそうな人間を思い出してみても、やっぱり男しかありえないな」
ツインテ「安心してください、私も異性の友達いません!」
男「フォローになってんのかそれ」
834 :
私怨
835 :
まだやってんのかよ
836 = 830 :
ツインテかわいい
837 = 772 :
黒髪「つまりまとめると……、友達が少ない、と」
男「はい……」
黒髪「その中で思い当たる人がいない……。って、それ手詰まりじゃないですか」
金髪「ですわね……、幼馴染という線も、引越しの件でつぶされていますし……」
金髪「何か忘れているとか、ありませんか」
男「うーむ……」
眼鏡「難しい、ですね……。どこからはじめていいのか」
手がかりがあまりに少なかった
ツインテ「あのー」
男「ん?」
ツインテ「“本来の私”は誰って話ですよね?」
男「ああ、そうだな」
ツインテ「……」
彼女はしばり、うーんと悩んでから、言った
ツインテ「……ならなんで、この部屋を調べないんですか?」
838 = 772 :
男「……は」
黒髪「…………え」
金髪「…………ああ……」
ツインテ「あ、あれ、私なんかおかしいこと言いました!?」
それはなんと――
紳士「くっくくく……」
男「なんてこった……」
金髪「灯台下暗し、ですわね」
“本来の私”を調べるために、何が一番適切かって
……本人の部屋に、決まってるじゃないか
男「理屈で考えようとしすぎて……、全然思いつかなかった」
黒髪「そうか、そうよね、まさにここに、彼女の事があるんじゃない……」
黒髪「よくやったわ! あとでぎゅうしてあげる」
ツインテ「お、おおお……、やったー!!」
840 :
支援。
推理ものは娼館以来だから面白い。
841 :
むう
842 = 772 :
そうして、捜索がはじまった
眼鏡「趣味は料理、ですかね……?」
金髪「料理の本がいっぱいありますものね」
ツインテ「んー、服装は割りと地味」
黒髪「可愛い小物が好きそうね」
男「あー、えーと」
今思えばまったく他人の部屋なのだ、しかも女性の部屋に手をつけるとなると、消極的にならざるをえない
栗毛「あ、これ……日記帳……?」
金髪「おお! これは大収穫ですわ」
黒髪「よしさっそく見よう」
男「なっ」
眼鏡「ひ、人の日記をみるのは……っ」
男「そ、そうだよな、いかんぞ」
黒髪「そんな事いってる場合じゃないでしょーが」
男「はい……」
843 :
にっきはここでおわってる
846 = 772 :
黒髪「三月の二三日から書かれているわね……、引越しした日がこの日みたい」
金髪「ふむ。とりあえず、最近の動向を見てみましょう」
黒髪「十月くらいでいいかな」
10/1
十月にはいっても、あの生徒達は保健室にいりびたる
……私が弱気だからいけないのだろうか
どうにもなめきられているようだ
私は保健室の先生にむいていないのかもしれない
金髪「……例の、不良かたがたでしょうか」
10/3
校長先生に相談をした
しかし、保健室の利用に支障はでていないと判断された
この程度は自分で解決してみろといわれた
あの子達は私の前以外では猫をかぶるから、大したことと思われていないようだ
もうとても長い期間、悩まされているのに
10/4
今日はあの生徒達はあまりこなかった
うれしい
男「……」
848 = 772 :
10/5
おきにいりの東側の窓の外を、ずっと眺めていた
あの子達に消えてほしい
10/7
月曜日は憂鬱だ
学校にいくのが、つらい
今日は生徒に頭を叩かれた
先生をなんだとおもっているのか
10/8
生徒が問題行動をおこしていたのが発覚した
全員が謹慎処分をうけた
消えてほしいと書いたからだろうか。全員、保健室に入り浸っていた生徒だった
私が、指導で きなかったから だろうか
私の せ い だろう か
10/9
謹慎処分者がまた増えたらしい。保健室で見たことのある名前だ
私のせい だろうか
入院した子もいるらしい、
私のせい?
どうやらいじめから発覚したようだ
誰か教えてください
10/11
問題が浮き彫りに 死 なるたびに、死にたくなる
私はなん 死にたい のために保健室の先生になったのか
先生あのねをわすれたのか
死んで、もう 全 部 投げ出してしまいたい
みんなの評価 : ★★
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