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    元スレ紳士「お暇でしたら保健室の先生になってみませんか?」

    SS覧 / PC版 /
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    みんなの評価 : ★★
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    51 = 1 :

    (女)「ん」

    水質検査を終えて、保健室に戻ってくると、扉の前に少女がいた

    眼鏡「えと……」

    (女)「君か」

    眼鏡「は、はい、えと」

    (女)「はいろうか」

    眼鏡「め、迷惑じゃありませんか……?」

    (女)「そのなんだ、あんまり気にするな」

    (女)「私も、保健室登校やったことあるし、な」

    眼鏡「……あ、ありがとうございます」

    52 = 1 :

    (女)「さてっと……」

    俺はまず、出欠席の確認に取り掛かる

    (女)(秋から冬にかけてはインフルエンザに注意、か)

    欠席率が二割を超えたら、教委に連絡しなければならない

    (女)(今日はとりあえず、問題なさそうだな)

    教師の取った出席確認を、手書きでまとめる

    (女)(これ、エクセルでやった方が早いんじゃねーかな)

    (女)(あとで作っておこう)

    (女)「あ。君、一年生なんだ」

    眼鏡「え? はい、そうですけど……」

    (女)「あ、いや。ここにほら、名前かいてあったから」

    眼鏡「あ、これ出席簿……。保険室の先生が、まとめてるんですね」

    (女)「そういうことです」

    54 = 1 :

    眼鏡「あはは、休んでるの、ばれちゃいますね」

    (女)「そうだなあ……」

    彼女の名前を見ると、ずらりと×印が並んでいる

    (女)「まあそういう人もいる。今は来てるんだからいいよ」

    眼鏡「うう、先生甘いです」

    (女)「君が甘えているんだろう」

    眼鏡「あう」

    (女)「ところで……、君のクラスのこの子」

    (女)「ちょうど一週間くらい前から休んでいるようだけど、どうしたんだ?」

    55 = 1 :

    眼鏡「その子はえっと確か……、謹慎させられているらしいです」

    (女)「謹慎? なにかやったのか」

    眼鏡「たぶん。でも私は学校に来ていなかったので、詳細は……」

    (女)「そうか……」

    (女)「まあそれならそれでいいか」

    (女)「今日も、寝る?」

    眼鏡「い、いえ。今日は勉強をしようと、思います」

    眼鏡「皆より、遅れているので……」

    (女)「……そっか」

    順調に彼女は、復帰への道を進んでいるようだ
    嬉しくなった

    (女)「私も勉強しなきゃいけない事があるからな、一緒にがんばろう」

    眼鏡「はいっ」

    56 = 1 :

    二時間目が終わった休み時間

    黒髪「あ、やっぱりここにいた」

    (女)「やあ。君は元気そうだな」

    黒髪「体調管理には気をくばってますから」

    黒髪「それで。貴方も、元気そうね」

    眼鏡「あ、あう……」

    黒髪「……怒らないから。おびえないでよ」

    眼鏡「……」

    黒髪「勉強、してるの?」

    眼鏡「は、はい」

    黒髪「教えてあげようか」

    眼鏡「え……?」

    57 = 1 :

    黒髪「ちょっと見せて」

    眼鏡「はい……」

    黒髪「ふむ……」

    黒髪「……貴方、要領わるいって言われない?」

    眼鏡「え、あ、はい……」

    黒髪「あ、ご、ごめん。そ、そんな気を落とさないでいいから」

    黒髪「その、ちゃんと追いつけるように教えてあげるから……」

    黒髪「どう、かな?」

    眼鏡「でも……、悪いです……」

    黒髪「気にしなくていい。私は大丈夫」

    眼鏡「う、えと……」

    58 = 1 :

    (女)「教えてもらったらどうだ?」

    (女)「一人でやるより、知ってる人に教えてもらった方が捗るよ」

    黒髪「うん。だから、ね?」

    眼鏡「え。と……」

    眼鏡の少女はうつむいて、もじもじとしたあとに

    眼鏡「お願い、します……」

    そう言ったのだった

    黒髪「お願いされます」

    無愛想な顔をしていた少女もまた、にこりと笑う

    それを見て、俺は思った

    (女)(女の子って、いいなあ)

    がぜんやる気がでたのだった

    60 = 1 :

    (女)「帰ったぞー」

    紳士「お帰りなさいませ」

    紳士「お食事になさいますか、お風呂になさいますか、それとも……」

    (女)「皆まで言うな」

    紳士「おや、そちらの気はお持ちではないですか」

    (女)「あるかそんなもん」

    紳士「いやはや、しかし私が女でも、それはそれで百合百合ですよ」

    (女)「薔薇より百合のがいいよ。俺は」

    紳士「ううむ、どちらもすばらしいのですが……」

    (女)「やめろ」

    紳士「仕方ありません。では、とりあえず食事の用意をいたしましょう」

    61 = 1 :

    「ふう……」

    風呂に入る時は、さすがに男の姿に戻った
    女のままでは、どうにも気恥ずかしい

    紳士「お背中お流ししましょうか」

    風呂の曇りガラス越しに、紳士のシルエットが浮かぶ

    「嫌です」

    紳士「裸の付き合いは仲を深めると言うのに……」

    「お前と仲を深める気はない」

    「っていうかだな、なんでお前は俺の部屋に住み着いてるんだよ」

    紳士「貴方が仕事をやり遂げるか、確認しなければいけませんので」

    「……お前、何者なんだよ」

    紳士「紳士ですってば」

    「言うと思った」

    62 :

    紳士が紳士すぎて神士

    63 = 28 :

    ほおお

    64 :

    しえんた

    65 = 1 :

    翌日の事であった

    (女)「お?」

    眼鏡「あれ?」

    黒髪「ち、ちょっと放しなさい」

    ツインテ「今日は放しませんっ」

    黒髪「ここ、保健室だから。静かにしなさい」

    ツインテ「じゃあ静かに放しませんっ」

    黒髪「ああもう……」

    (女)「どうしたんだ?」

    ツインテ「貴様か! お姉様をいつもいつも保健室によぶのは!」

    (女)「え? いや……」

    黒髪「だーもう! 私が自分できてるって言ったでしょう!」

    67 = 1 :

    ツインテ「ぐううう」

    (女)「お、おい、この子は……?」

    黒髪「うちのクラスの子で同級生」

    (女)「はあ。なのにお姉様なのか」

    ツインテ「だってお姉様の方が一個上だもの」

    黒髪「ああもう余計な事を……」

    眼鏡「そ、そうなんですか……?」

    黒髪「そうよ。貴方と一緒、一年遅れて高校に入ってるの」

    眼鏡「知ってたんですか!?」

    黒髪「知ってたわよ」

    黒髪「……だから、気になってたんじゃない……」

    眼鏡「え……?」

    黒髪「なんでもないわ」

    68 = 28 :

    ほしゅれよてめえら

    70 = 1 :

    闖入者は、ツインテールを揺らしていた

    ツインテ「おいそこの眼鏡」

    眼鏡「は、はひ」

    ツインテ「貴様だなあ、お姉様を保健室に――ぐう」

    両頬が、ぐいと掴まれる

    黒髪「だから、私が勝手に来てるの。いいでしょ」

    ツインテ「ふうー」

    黒髪「ち、ちょっと! 息を吹きかけないでよ!」

    ツインテ「ぷはっ! ……ここに来て何してるんですかっ」

    黒髪「……はあ。勉強よ勉強。貴方の嫌いなね」

    ツインテ「なななな……」

    黒髪「とりあえず、保健室にいたいなら声のトーンを下げなさい」

    ツインテ「ううう」

    73 = 1 :

    ツインテ「全く、私に全然構ってくれないかと思ったらこんな事してたんですね」

    黒髪「それは謝るわ。でも休み時間しかできないから……」

    眼鏡「あ、あの、無理はしなくても……」

    黒髪「いいの。無理して無いから」

    ツインテ「私が無理してます!」

    黒髪「ああ、それはごめんねってば……」

    ツインテ「先生はどう思いますか!」

    (女)「え? んー……」

    (女)「そうだな、君がもう少し静かになって、で、ここに一緒にいればいいと思う」

    ツインテ「むう、声大きいですか私」

    (女)「声は小さくなったけど、保健室らしくない騒がしさ」

    ツインテ「直球で言われるとキますね……っ」

    74 :

    スレタイで紳助に見えてしまった

    75 :

    素敵やん?

    76 = 1 :

    ツインテ「分かりました静かにしています」

    黒髪「そうして。じゃあ、勉強始めようか」

    眼鏡「は、はい」

    開かれていた教科書に、二人は目を落とす
    一人は目を落とさない

    ツインテ「じーーー」

    黒髪「えーと……、ここはね」

    眼鏡「はい」

    ツインテ「じーーーー」

    黒髪「こんな、かんじ」

    眼鏡「あ、なるほど……」

    ツインテ「じいいいいい」

    黒髪「声にでてるうるさい」

    ツインテ「きゃんっ」

    79 = 1 :

    黒髪「ごめんね、今日は早めに切り上げるわ」

    眼鏡「い、いえ、私のことはいいので……」

    黒髪「後は先生、任せます」

    (女)「はいよ」

    黒髪「ほら、いくよ」

    ツインテ「わあお姉様優しい!」

    黒髪「貴方がうるさいからでしょうが」

    ツインテ「うー手厳しいお姉さまも素敵」

    黒髪「今日は構ってあげるから。でも次もし保健室で騒いだら」

    黒髪「……分かってるわね」

    ツインテ「わ、わあ……、マジギレの顔もす、素敵、だあ」

    黒髪「分かった?」

    ツインテ「はい……」

    80 :

    じじいは紳士か

    82 :

    わかってないと思うよ?
    ぬるぽとか言っちゃう痛い子だし

    85 = 28 :

    すまん好きな設定だったから興奮しちまった

    夜までROMります

    86 = 1 :

    (女)「すごい子がいるもんだ」

    眼鏡「あはは……、元気でしたね」

    (女)「うむ。まあ、ああいうのも女子高生らしいのかな」

    眼鏡「そうですね」

    (女)「それじゃあ、作業に戻るよ」

    眼鏡「あ、先生……、あの」

    (女)「ん?」

    眼鏡「ここ、さっき教えてもらいそびれちゃったんですけど……」

    (女)「ん、見せてみろ」

    87 = 1 :

    放課後

    (女)「うーんむ……」

    まさかこんなことになるとは

    眼鏡「すう……すう……」

    (女)「一応、女同士だが……」

    少女は、俺の膝の上で、安らかな寝息を立てていた
    まるで警戒心の無い寝顔である

    (女)「う、うーむ……」

    隣で勉強を教えていたら、突然ことりと倒れてきたのである

    (女)「う、うーむむむ」

    この姿でいると自分が男だというのをふと忘れてしまいそうになるが
    こうなると男である自覚がむくむくと……

    (女)「実際に起き上がるモノがなくてよかった……」

    88 = 1 :

    黒髪「……ッ!」

    なんとなく予想はしていた

    (女)「し、静かに……」

    黒髪「ち、ちょちょちょっと! なにしてるんですか!」

    声のボリュームは非常にしぼってあるのだが、その荒さは猛々しい

    (女)「いや実はだな……」

    黒髪「な、なんて役得……! ああ今日私が教えていれば……!」

    黒髪「交代してください」

    (女)「ど、どうやって」

    黒髪「交代してほしいです!!」

    (女)「お、起こしてもいいなら……」

    黒髪「だめです」

    (女)「じゃあどうするんだよ……」

    89 = 1 :

    眼鏡「ふ、ふえ……?」

    黒髪「起きちゃったじゃないですかっ!」

    (女)「私のせい!?」

    眼鏡「あ、おはようございます……」

    黒髪「おはよう。もう放課後よ」

    あ、いつものクールな彼女に戻った

    眼鏡「わ、す、すいませんっ」

    (女)「いやいいけど……、俺は、ね」

    黒髪「……。ほら、帰るわよ」

    眼鏡「あ、は、はい」

    わたわたと、帰り支度をする

    眼鏡「そ、それじゃあ先生、さようならっ」

    (女)「はい、さようなら」

    90 = 3 :

    黒髪萌え

    91 = 1 :

    そんなこんなで、数日はあっというまに過ぎていった
    少女達の姿に、時たま目的を忘れそうになりながらも
    俺は一日の仕事をさっさと終わらせては、勉強を続けたのだった

    そしてそれは金曜日の放課後のことである

    眼鏡「あの、先生」

    (女)「んー?」

    眼鏡「私、来週から教室に行こうと思います」

    (女)「お!? 本当か!」

    眼鏡「はいっ」

    眼鏡「勉強はまだおいついていませんけど、教室で彼女に教えてもらえれば、少しは負担も……」

    (女)「あー、ツインテの元気な子がいるからな。教室でなら騒げるし」

    眼鏡「はい。それに……ここにずっといて甘えていてもいけないなって、思って」

    少女は初めてあったときとは違う、明るい笑顔を見せた

    (女)「……そう、だな」

    俺は保険室の先生になって初めて、嬉しい、と思ったのだった

    92 = 1 :



    (女)「なあ、やっぱ何にも教えてくれないのか」

    紳士「大体答えるとおもいますが」

    (女)「いつもごまかしてるだろ」

    紳士「ははは、気のせいでは」

    (女)「ったく……」

    男二人――正確には、俺は女の姿をしているから違うのだが――小さなテーブルを囲んで夕食をとる

    紳士「どうです、保健室の先生というのは」

    (女)「まあ素直に認めるのもアレだが……」

    (女)「面白い、かな」

    紳士「それはよかった。あ、おかわりしますか」

    (女)「お願いします」

    93 = 1 :

    (女)「だがいつまで続くんだ?」

    紳士「貴方が望むなら、いつまででも」

    (女)「妄想だからか」

    紳士「はい」

    (女)「うーむ……、男に戻ったら、終了じゃないのか?」

    紳士「貴方にとっては、終了でしょうな」

    (女)「学校を無視すれば、ってことか」

    紳士「はい」

    (女)「汚いなあ」

    紳士「その言葉は心外ですよ。……ああ、お風呂わきましたね」

    紳士「どうぞ」

    (女)「先入っていいよ。いつも俺だし」

    紳士「……では、間を取って一緒に」

    (女)「先入ってくる」

    紳士「ああ……悲しみ」

    94 :

    >>71
    ガッ

    96 :

    しえんた

    97 = 1 :

    火曜日、昼休み

    (女)「今日も教室にいけたか」

    眼鏡「はい、なんとかっ」

    黒髪「来ちゃえば何とかなるものよ」

    ツインテ「私とお姉様が構ってあげてるからね!」

    眼鏡「あはは、ありがとうございます」

    どうやら三人は仲良くやっているようで、俺は安心した

    (女)「ん」

    生徒が一人、扉のあたりに立っていた

    (女)「どうぞ、いらっしゃい」

    98 = 1 :

    しかし入りづらそうな様子である
    俺はそれを察するとすぐに、そちらへと向かった

    (女)「どうしたのかな」

    金髪「……」

    その少女は金髪――というかブロンドの髪をしていた
    目は力強く、俺を見返す

    まるで見定められているようだった

    金髪「保健室では……」

    (女)「うん」

    金髪「相談をさせていただいても、良いのでしたわね……?」

    (女)「構わないよ。秘密は守る」

    金髪「……分かりました。放課後に、時間を取っていただけますでしょうか」

    (女)「うん、分かった」

    99 :

    がんばれ

    100 = 1 :

    黒髪「あまり、保健室に堪らない方が良いかもしれないわね」

    眼鏡「そうですね……、入りづらくなってしまいます」

    (女)「まあ、ほどほどにしてくれればいいよ」

    (女)「君達が全然来なくなると、それはそれでさびしい」

    ツインテ「ふっふっふ、私達の偉大さが分かったようですね!」

    黒髪「貴方が一番うるさくて保健室に入りづらくしてるんだっての」

    ツインテ「はうああ、直球は効きますわああ……」

    眼鏡「あはは……、で、でも私も一緒だよ」

    黒髪「そんなことないよ、一番静かだもの」

    ツインテ「眼鏡ばっかりかばって! 私も眼鏡かけてきてやる!」

    (女)「と、とりあえず、そろそろ昼休みも終わりそうだよ」

    黒髪「ん、本当。それじゃあ、そろそろ私達も戻ります」

    (女)「はい、またね」


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