元スレ紳士「お暇でしたら保健室の先生になってみませんか?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★
1 :
男「保健室の、先生……?」
紳士「はい、ご興味はありませんか」
男「興味はあるが……いやいや、お前は誰なんだ」
紳士「これは申し遅れました」
紳士「私、紳士です」
男「深夜の人の家に不法侵入する紳士があってたまるか」
男「出ていかないと警察に通報するぞ」
紳士「女学校なのですが」
男「やります」
2 :
保険医という職はないなどとか抜かす馬鹿がいるが
白衣きた若い巨乳美人養護教諭は保険医でいいんだよ
4 = 1 :
紳士「貴方も紳士のようですね、話が早くて助かります」
男「半分冗談だ。で、お前は誰なのか」
紳士「うーん、紳士だと言っているのに」
男「納得できるわけないだろう」
紳士「強いて言うのであれば、職業斡旋家でしょうか」
紳士「ちょっと特殊なやり方をしていますが」
男「なんで俺の部屋にいる」
紳士「まあまあ、そういきり立たずに」
紳士「せっかくやると決まったのですし、本日はご就寝なされてはいかがですか」
男「いや、そこははっきり――」
紳士「朝起きれば、分かりますよ」
ぷつりと、意識が途切れた
5 = 1 :
朝
何かがおかしかった
男「む……?」
もぞもぞと手を動かして
おかしなものの正体を突き止める
男「ない」
紳士「お目覚めですか、おはようございます」
男「俺の……あれがないぞ」
紳士「おや?」
男「息子がいない」
男「ふくらみがある」
男(女)「なんじゃぁああぁああこりゃぁああああああああああッ!!」
紳士「落ち着いてください」
紳士「さびしい一人暮らしとはいえ一戸建てではないのですから、朝はお静かに」
男(女)「なんで女になっているのか」
紳士「中々胸の方も大きいですね」
6 :
機体
7 :
なんだ百合か かまわん続けよう
8 = 1 :
紳士「ああ、もう始業の時間が迫っていますね」
紳士「着替えはこちら、持ち物はこちら。ささ、急いで」
男(女)「いやいやいやいや、いやいやいやいや」
紳士「いやいやしないでください。遅刻は嫌いでしょう貴方」
男(女)「ぐぬぬ、遅刻は確かにしたくないが……」
男(女)「だってこれ! おかしいだろ!」
紳士「説明は後でいたしますから」
紳士「今は夢だとでも思って、とにかく支度をしてください」
男(女)「くそ、後で絶対説明しろよ!」
10 = 1 :
紳士「似合っておりますよ」
男(女)「さ、様にはなってるな……」
紳士「はい。では、行き先はこの地図の通り」
男(女)「その学校ならバスで行けるな」
男(女)「だが、行ったらどうすればいいんだ?」
紳士「こちらをお読みください」
男(女)「ほ、保険の先生お仕事ノート?」
紳士「マニュアルのようなものです」
ぱらぱらと捲ってみる
男(女)「可愛い字、書くんだな」
紳士「……人は見かけによらないというものです」
11 :
炎の孕ませおっぱい身体測定は抜ける
12 = 1 :
近くのバス停から二十分
俺は目的の場所で降りる
男(女)「とりあえずギリギリ遅刻じゃないな」
男(女)「……まずはえっと、校長室でタイムカードを切ればいいのか」
男(女)「職員室じゃないんだな」
てくてくと歩いて、校門
男(女)「……女子高等学校、ね」
私立の学校とあって、公立と比べればどこか花のある校舎だった
男(女)「むむむ」
だがそれよりも、ちらほらと見える生徒の全てが女性だという点が、どうにも気になって仕方ない
男(女)「とりあえず校長室は……」
俺は「保険の先生お仕事ノート」に目を落としながら、校舎に入っていくのであった
13 = 7 :
このペースで完できるか?
14 :
支援なかったら落ちるぞこのペースじゃ
16 = 1 :
男(女)「おはようございます」
校長「おはようございます。ギリギリですよ」
男(女)「す、すいません」
校長室が分からず、少し手間取ってしまったのだ
男(女)(タイムカードは、あれかな)
ICカードを挿入する形式になっており、俺は持ち物のなかにあったそれを挿入する
男(女)「では、失礼します」
とくに校長の返事は無かった
男(女)「とりあえずこれでいいんかな」
男(女)「さて次は……、保健室に移動して白衣を着る、か」
男(女)「……」
男(女)「どこだよ保健室」
また手間取りそうだった
17 = 1 :
既にHRが始まる時間がせまっているからか、校舎には生徒が増えてきた
俺はいまだに保健室が見つからない
男(女)(聞くしかないかな……)
俺は手っ取り早く、近くにいた眼鏡の女の子に声を掛けた
男(女)「あの……、保健室ってどこだっけ」
女の子は驚いた顔をしていた
眼鏡娘「え……? あ、えっと、あっち……、すぐそこ、です」
男(女)「お、ありがとう」
眼鏡娘「は、はいっ、では……っ」
女の子はそそくさと立ち去ってしまった
男(女)「うーん、俺、怪しいのかな」
18 = 1 :
保健室は、校舎一階の端っこにあった
男(女)「角部屋か。窓が多くていい」
ちなみに俺の部屋、205号室も角部屋である
男(女)「白衣白衣っと……」
がさがさ
男(女)「これか、よし」
男(女)「白衣は初めてだが、気がひきしまるな」
男(女)「……」
ふと落ち着いて、思う
状況の違和感が、ものすごい
男(女)「……どうなってんだろうなあ、俺」
19 :
>>11
俺もそれを思い出した
20 = 1 :
とりあえず俺は、目先の仕事をこなす事とした
男(女)「まずは水質検査ね」
保健室の棚から、簡易水質検査キットとやらを取りだす
男(女)「こいつで毎日水道水の検査、か」
ノートには、簡易的な水質検査は毎日行うとかいてあった
他に月一のものと半年に業者と共に行うものがあるらしい
男(女)「保険室の先生って、仕事してるんだな」
正直、保健室で一日ダラダラとでもしているのかと思っていた
男(女)「それじゃあ行こうかね」
22 = 1 :
ついでに校内を見回ろうと思って、保健室をでた
HRの時間だからだろう、廊下に生徒はいない
軽く歩いてから、手近な水道で蛇口をひねる
男(女)「む?」
ビーカーに水を入れて色の確認をしている時だった
眼鏡娘「あ……」
男(女)「どうした、HRの時間だろ、今」
眼鏡娘「あ、えと……」
男(女)「……?」
眼鏡娘「……、た、体調不良、ですっ」
男(女)「あ、なるほど」
23 = 1 :
男(女)「とりあえず、……えーと、そうだ。熱をはかって」
保健室に彼女を連れてきてすぐ、俺はノートを見る
男(女)(どどどどどうすりゃいいんだ)
内心、焦りまくりであった
なにせ俺は保健室の先生の仕事などしたことがないずぶの素人である
男(女)(えーと、なんだ、まず、ああ、保健室利用カードに名前を書くのか!)
男(女)「こ、ここ、これに君の名前を書いて」
眼鏡娘「は、はい」
男(女)(つ、次は……えっと……)
24 = 1 :
男(女)「くそお……」
眼鏡娘「あ、あの、どうしました……?」
男(女)「え? あ、いや、なんでもないぞ……!」
ピピッ
男(女)「い、いくつだ?」
眼鏡娘「……36度2分です」
男(女)「平熱か……、えーと」
平熱の場合は、しっかり顔色を伺う
生理かどうかも確認
男(女)「なっ」
眼鏡娘「……?」
男(女)「い、いや……。えーと、今日は、あの日か?」
26 = 1 :
眼鏡娘「あの日……?」
眼鏡娘「あ、ああっ、違います」
男(女)「そそ、そうか……」
男(女)(なら、なんでだろう)
ノートを読み進める
男(女)「……ふーむ」
眼鏡娘「あの」
男(女)「ん?」
眼鏡娘「先生、男の人みたいな話し方、するんですね」
男(女)「えっ」
27 = 1 :
男(女)「よ、よく言われるんだよねそれー」
男(女)(ばれたらまずい、とは言われて無いけど……)
実は男です、とは言えるわけが無い
俺は隠すことにした
男(女)「もっと女らしくしなきゃ、いけないよね」
眼鏡娘「い、いえ、私は、好きです……よ?」
男(女)「あ、あはは……」
男(女)(す、好き!?)
初めてそんな事をいわれたので、俺は顔が赤くなる
隠すために、ノートに目をおとした
男(女)(え、えーと、えーと……)
29 = 28 :
ほ
30 = 1 :
ガラッ
黒髪「あ、やっぱりここにいたんだね」
眼鏡「ふえっ」
黒髪「ほら、これ」
眼鏡「あ……」
黒髪の、少し目の釣りあがった少女が、無愛想に差し出したのは
可愛らしい、髪留め
黒髪「取られてたんでしょ」
眼鏡「……貸してって、言われて」
黒髪「またそんな。貴方が自分のためにつけてきたんでしょ、これ」
黒髪「嫌なら、ちゃんと言わなきゃ」
眼鏡「う……」
31 = 28 :
ゆりいいいいい
32 = 1 :
男(女)(ああ……)
保健室の用途は、生徒の体調不良や怪我の手当てをすることだけではない
男(女)(そういうこと、だったか)
一時間目開始のチャイムが鳴った
黒髪「教室戻るよ」
眼鏡「……」
黒髪「せっかく久しぶりに学校へ来たのでしょう。保険室の先生にも迷惑かかるよ」
眼鏡「……うぅ」
男(女)「あー」
男(女)「そういうことなら、まだいてもいいぞ……こほん、いいよ」
33 :
続けて
34 = 28 :
保健室かあ
保健の先生ババアだったなあ
35 = 1 :
黒髪「先生、甘やかしちゃだめです」
男(女)「しかしこの子も色々あるようだし。ここは多目に」
黒髪「だって、今ままで学校にほとんど来て無いんですよこの子」
男(女)「だからこそじゃないか」
男(女)「久しぶりに来たなら、まずは学校に慣れるところから始めようよ」
眼鏡「あう……」
黒髪「しかし……」
男(女)「ね? ここは俺――こほん、私に免じて」
黒髪「……むう」
黒髪「……分かりました」
黒髪「あんまり長居しちゃ、ダメだからね」
眼鏡「……! あ、ありがとうっ」
36 :
クソみたいなスレタイやめろ
死ね
38 = 1 :
昼休みになった
男(女)「んー、案外仕事ってあるんだな」
朝の水質調査にはじまり、校内の見回り、全校生徒の出欠席の確認及びまとめ
そして怪我をした生徒への応急処置
とりあえずここまでは、素人でも見よう見まねでなんとかはなった
しかし教育委員会から送られてきている文書の事務処理や、掲示物の作成となると、難しい
俺はノートに向かいながら、午前中の大半をすごした
男(女)「読みながらいけば、なんとかなるかな」
黒髪「先生」
男(女)「うお」
黒髪「気づいていなかったんですか?」
男(女)「ああ、すまん――じゃなくて、ごめんなさいね」
黒髪「……。あの子は?」
男(女)「そこのベッドで寝てるよ」
39 = 1 :
黒髪「……ぐっすり寝てますね」
男(女)「そうだね」
黒髪「朝はちょっと、厳しくしちゃったかな……」
男(女)「ん?」
黒髪「学校に来るだけで、きっと精一杯だったんだなって」
黒髪「この寝顔みると、そう思って」
黒髪「……」
男(女)(うお!?)
彼女は、眠っている少女の頬にキスをした
黒髪「あっ……」
しまった、というように両手で口を覆う
ゆっくりと俺の方を見た
黒髪「い、今の、秘密ですよ……」
男(女)「わ、わかった……」
40 = 1 :
男(女)「ただいま」
紳士「おや、遅かったですね」
男(女)「仕事が良くわからなかったんだよ」
紳士「それはそれは」
紳士はふふっと笑う
男(女)「それもこれも、全部お前の所為だろ!」
紳士「おお、胸倉を掴まないでください」
男(女)「さあ洗いざらいはいてもらうぞ、これはどういうことだ」
紳士「まあまあ、おちついて」
紳士「せっかくの初勤務ですし、私不慣れながら、お祝いにと夕食を作っておきました」
男(女)「な……」
男(女)「女の子にも……食事を作ってもらった事無いのに……」
なんだかとても、力が抜けた
41 :
紳助に見えた
42 = 1 :
男(女)「何が悲しくておっさんの料理に出迎えられなきゃいかんのだ……」
紳士「でも食べているではありませんか」
男(女)「うるせー……」
紳士「ふふふ」
男(女)「ったく。ほら、ごちそうさまだ」
紳士「お粗末さまでした」
男(女)「お前が女だったら、と思わずにはいられない」
紳士「これはまた。貴方が女ではないですか、男女の食事ですよ」
男(女)「……」
紳士「おやおや怖い顔をしなさる」
男(女)「さあ教えろ、これはどういうことだ」
紳士「ふむ……」
43 = 1 :
紳士「貴方はどう思いますか?」
男(女)「聞いてるのは俺だ」
紳士「ううむ手厳しい」
紳士「分かりました、お教えしましょう」
紳士「実はコレ、魔法なんです」
男(女)「魔法?」
紳士「はい、魔法です。貴方の妄想をかなえる魔法です」
紳士「なりたいと思いませんでしたか? 女子校の保健室の先生」
男(女)「そりゃ、まあ……」
紳士「それを叶えただけなんですよ」
男(女)「……」
44 = 1 :
男(女)「嘘だろ」
紳士「おや」
自称紳士の男は、微笑む
男(女)「ほらな、その顔。やけにあっさりしすぎている」
男(女)「本当は違うんだろ」
紳士「なるほど。いえいえ、これは嘘ではありませんよ」
男(女)「……じゃあ、何か隠してる」
紳士「さて、どうでしょう」
どうやらこいつは、これ以上この問いに答えるつもりはなさそうだった
男(女)「……分かった。質問を変える」
紳士「懸命です」
男(女)「俺はこの姿から、戻れないのか」
45 = 1 :
紳士「はい? あ、ああ。戻れますよ」
男(女)「戻れないのか、やっぱりな――えっ」
紳士「戻りますか?」
男(女)「え、あ、はい」
しゅわん
男「あ、あれー……」
男「どうなってんだ?」
紳士「あまり嬉しくない事なので言っていませんでしたが」
紳士「やめるのも自由なんですよ」
男「な……」
紳士「言ったでしょう、あなたの妄想を叶える魔法だと」
紳士「やりたい時に、やればいい」
46 = 1 :
紳士「まあもちろんその姿では警備的な意味であの学校には入れませんし」
紳士「当然ですが、時間だって進みます」
紳士「つまり貴方が行かなければ、あの学校の養護教員はいなくなります」
紳士「それだけのことです」
男「……汚いぞ」
紳士「おやおや、何がでしょう」
遅刻は嫌いである
もちろん、仕事をふけることも、嫌いである
そして、なにより――
男「帰れ。お前が何者かしらないが、俺は降りる」
少女の顔が、浮かぶ
紳士「貴方がそうおっしゃるならば、はい」
紳士「ですが望めば――また、なれますよ」
そういって、紳士はふっと消えた
47 = 1 :
翌朝
男(女)「……」
なりたいと思っただけで、体はどちらにも変えることができるようだった
男(女)「汚い、あいつ本当に汚い」
男(女)「俺がやめられないの分かってて……」
昨日、全く説明もなく学校に向かわせたのは、きっとこのためだ
一度でも行って、学校と関わらせれば、簡単にはやめられないだろうと
……まんまと策略にはまってしまった
男(女)「あーくそ、むかつく」
男(女)「行ってくるからな! 帰ってきたらちゃんと飯くらいつくっておけよ!」
48 :
面白いが風邪と麻疹とか、打ち身と骨折の鑑別できるのか心配だな
49 = 1 :
保健室
男(女)「あー、もう。はめられたままじゃ悔しい」
男(女)「あいつの隠してる事、絶対暴いてやる」
そのためには、とにかく今はこの仕事を続けるしかなかった
男(女)「仕事を、覚えよう……。その場しのぎってわけにはいかないからな」
男(女)「えーと、ノートに書かれているのは……」
応急処置の方法や、保健室の備品の場所、時間の使い方
そのほか文書にどう答えるべきだとか、学校行事でやる事についてなどなど
仕事に関するデータが一通り、まるでメモのように書いてあった
が、生徒に関する部分――つまり、カウンセリングのことだけは抜けている
男(女)「これはもう自分で対処していくか……」
男(女)「とりあえず、それ以外の仕事で最低限乗り越えられるものは揃っているってことだな」
50 = 1 :
男(女)「……とはいえ、コレだけではだめか」
素人の俺には、基本的な知識が圧倒的に足りなかった
これでは特殊なケースや緊急の事態に対応できない
まずは、養護教諭としての知識を詰め込まなければ
幸い保健室だ、参考書は大量にある
男(女)「……む、結局当面の仕事はその場しのぎで、知識を蓄える事が優先か」
男(女)「仕方ないが、悔しいな」
やると決めた事にはこだわる性質である
男(女)「さてっと、考えるのもそこそこに、仕事をやっていこう」
みんなの評価 : ★★
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