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元スレ武内P「便秘、ですか」
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>>150
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私は、実はお酒が好きだ。
愛しているとまでは言わないが、かなり。
お酒もそれに応えてくれているらしく、私はお酒が人よりは強い。
しかし、そのおかげで、今のこの状況があるならば下戸でいたかった。
「それで、キミはどう思うね?」
何が悪かったのだろう。
言わずもがな、目の前の部長が原因だ。
お酒が美味しく、お料理が美味しく、話も弾んでいた。
そう、悪くは無かったのだ。
「ほらほら、早く吐かないと逮捕しちゃうわよ!」
「困るわ。このタイミングで、吐くとか言わないでよ」
「ナナも気になりますねー」
「うふふっ! 観念しないと、駄目だかんねん♪」
意外にも楽しいお酒だった。
昔話に花を咲かせ、今の自分達の努力を褒め合う。
そして、会話が途切れて私がお酒を口に含んだ時、部長が言い出したのだ。
「……皆さんの10年後、ですか」
私は、笑顔が好きだ。
しかし今は、向けられた笑顔が、突きつけられた銃口に見える。
愛しているとまでは言わないが、かなり。
お酒もそれに応えてくれているらしく、私はお酒が人よりは強い。
しかし、そのおかげで、今のこの状況があるならば下戸でいたかった。
「それで、キミはどう思うね?」
何が悪かったのだろう。
言わずもがな、目の前の部長が原因だ。
お酒が美味しく、お料理が美味しく、話も弾んでいた。
そう、悪くは無かったのだ。
「ほらほら、早く吐かないと逮捕しちゃうわよ!」
「困るわ。このタイミングで、吐くとか言わないでよ」
「ナナも気になりますねー」
「うふふっ! 観念しないと、駄目だかんねん♪」
意外にも楽しいお酒だった。
昔話に花を咲かせ、今の自分達の努力を褒め合う。
そして、会話が途切れて私がお酒を口に含んだ時、部長が言い出したのだ。
「……皆さんの10年後、ですか」
私は、笑顔が好きだ。
しかし今は、向けられた笑顔が、突きつけられた銃口に見える。
事の発端は、部長が同僚と飲みに行くから付き合え、と言ったからだ。
思えば、誰が来るのかを確認せず了承した私が迂闊だった。
その迂闊さが巡り巡ってこの状況を作り出しているとしたら、
私は「お供します」と言った時の自分を殴り飛ばしてやりたい。
「10年後かー。うー、考えたくないわねぇ!」
「わかるわ。でも、他の人の意見を聞くのは大事よね」
「な、ナナは10年後でも17歳ですよ! きゃはっ!」
「まあ、それなら私もピッチピチの25歳でーす」
冗談交じりで盛り上がる彼女達は、とても楽しげだ。
そして、部長も私がなんと答えるのかを眺めている。
「10年後……うーん、どうなっているんだろうねぇ!」
「……」
一方で、私は酔いが一気に覚め、背中で大量の汗を流していた。
自然と右手が首筋にいきそうになるが、それは耐える。
迂闊な答えは死を招き、動揺を悟られるのもまた同様。
……一緒に飲んでいると、駄洒落が移るというのは本当ですね。
思えば、誰が来るのかを確認せず了承した私が迂闊だった。
その迂闊さが巡り巡ってこの状況を作り出しているとしたら、
私は「お供します」と言った時の自分を殴り飛ばしてやりたい。
「10年後かー。うー、考えたくないわねぇ!」
「わかるわ。でも、他の人の意見を聞くのは大事よね」
「な、ナナは10年後でも17歳ですよ! きゃはっ!」
「まあ、それなら私もピッチピチの25歳でーす」
冗談交じりで盛り上がる彼女達は、とても楽しげだ。
そして、部長も私がなんと答えるのかを眺めている。
「10年後……うーん、どうなっているんだろうねぇ!」
「……」
一方で、私は酔いが一気に覚め、背中で大量の汗を流していた。
自然と右手が首筋にいきそうになるが、それは耐える。
迂闊な答えは死を招き、動揺を悟られるのもまた同様。
……一緒に飲んでいると、駄洒落が移るというのは本当ですね。
「――それじゃあ、あたしはどうなってると思う?」
年齢順で聞いて――と、この考え方はまずい!
今は年齢の話をしているのではく、10年後の話をしているのだ。
藪をつついて蛇を出す必要はない。
「そうですね……」
最適解は、何だ。
いや、最適でないにせよ、明日へ命を繋ぐ選択肢は、何だ。
「10年後でも、とても魅力的で……アイドルを続けて――」
死。
「――いる、かは、わかりませんが……!」
何だ……何だと言うのだ、今の悪寒は!?
「……へぇ、あたしは引退してるかもしれないんだ?」
穏やかに見える笑顔が、今は只々恐ろしい。
この笑顔のまま、猛スピードで走るトラックの前へ放り投げられても不思議ではない。
「そう、ですね……はい」
「ふーん?」
アイドルを続けている、という答えでは不正解だったようだ。
何とか、ギリギリで命を繋いだ。
「それで?」
しかし、危機は未だ目の前にある。
生と死のデッド・ヒートは未だ続いている。
「10年後ともなれば、今よりも落ち着きが出て……」
「……それで?」
命がけのチキン・ラン。
待つのは爆発炎上か、
「――子供の友達が羨む、素敵なお母さんになっていると思います」
明日のための緊急停止か。
「……なるほどね」
私は、この賭けに――
「す、素敵なお母さんかー! あたしって、そんな風になりそう?」
――勝利した。
「ふーん?」
アイドルを続けている、という答えでは不正解だったようだ。
何とか、ギリギリで命を繋いだ。
「それで?」
しかし、危機は未だ目の前にある。
生と死のデッド・ヒートは未だ続いている。
「10年後ともなれば、今よりも落ち着きが出て……」
「……それで?」
命がけのチキン・ラン。
待つのは爆発炎上か、
「――子供の友達が羨む、素敵なお母さんになっていると思います」
明日のための緊急停止か。
「……なるほどね」
私は、この賭けに――
「す、素敵なお母さんかー! あたしって、そんな風になりそう?」
――勝利した。
「面倒見が良く、締める所は締める。理想的な母親像だと、私は思います」
「そ、そう? いやー、なんか照れちゃうわねー!」
まあまあ飲みなさいよ、と手元のタッチパネルを操作してビールを注文している。
非常に機嫌が良さそうで、とても良い笑顔だ。
私は、追加注文されたビールが来る前に、手元にある残りを一気に飲み干した。
何故かいつもよりも苦味を感じ、飲み下すのにも苦労したが。
「――ねぇ、私はどうなってると思う?」
タン、とジョッキをテーブルに置いたと同時に、新手。
今の勝利は、所詮は四連戦の内の初戦。
……駄洒落ている場合ではないのだ。
「そうですね……」
こういう時は、まずは相手を褒めるのが言いと聞いた事がある。
まずは褒めて、少し気分を良くして貰おう。
「今は、とても綺麗――」
死。
「――と、いうか……か、可愛らしいので……!」
お酒によって軽くなるのは、気分や足取り、財布だけではない。
命もそうなのだと、私は今日知った。
「そ、そう? いやー、なんか照れちゃうわねー!」
まあまあ飲みなさいよ、と手元のタッチパネルを操作してビールを注文している。
非常に機嫌が良さそうで、とても良い笑顔だ。
私は、追加注文されたビールが来る前に、手元にある残りを一気に飲み干した。
何故かいつもよりも苦味を感じ、飲み下すのにも苦労したが。
「――ねぇ、私はどうなってると思う?」
タン、とジョッキをテーブルに置いたと同時に、新手。
今の勝利は、所詮は四連戦の内の初戦。
……駄洒落ている場合ではないのだ。
「そうですね……」
こういう時は、まずは相手を褒めるのが言いと聞いた事がある。
まずは褒めて、少し気分を良くして貰おう。
「今は、とても綺麗――」
死。
「――と、いうか……か、可愛らしいので……!」
お酒によって軽くなるのは、気分や足取り、財布だけではない。
命もそうなのだと、私は今日知った。
誤)>こういう時は、まずは相手を褒めるのが言いと聞いた事がある。
正)>こういう時は、まずは相手を褒めるのが良いと聞いた事がある。
正)>こういう時は、まずは相手を褒めるのが良いと聞いた事がある。
「可愛らしいだなんて……いやだわ、もう!」
「いえ……私は、そう思います」
お酒が入ってほんのりと赤く染まっていた頬が、僅かだが赤味を増した。
軌道修正は上手く行ったようだが、胸をなでおろす暇はない。
「それで?」
嗚呼、何故私の前には読み上げる原稿が無いのだろう。
今の私は、海図も無しに航海に出る船旅人。
「10年後ですと、さすがに見た目に年齢を感じるようになるでしょうが……」
「……それで?」
しかし、漕ぎ出さなければ始まらない。
待つのは嵐か、
「――新たな可愛らしい一面が見つかり、より一層魅力的な女性になっていると思います」
快晴の末の、財宝か。
「……なるほどね」
彼女の天気は――
「そ、そんなに可愛らしいって言われたら困るわ! ち、ちなみにどんな所が可愛い?」
――晴れマーク。
「いえ……私は、そう思います」
お酒が入ってほんのりと赤く染まっていた頬が、僅かだが赤味を増した。
軌道修正は上手く行ったようだが、胸をなでおろす暇はない。
「それで?」
嗚呼、何故私の前には読み上げる原稿が無いのだろう。
今の私は、海図も無しに航海に出る船旅人。
「10年後ですと、さすがに見た目に年齢を感じるようになるでしょうが……」
「……それで?」
しかし、漕ぎ出さなければ始まらない。
待つのは嵐か、
「――新たな可愛らしい一面が見つかり、より一層魅力的な女性になっていると思います」
快晴の末の、財宝か。
「……なるほどね」
彼女の天気は――
「そ、そんなに可愛らしいって言われたら困るわ! ち、ちなみにどんな所が可愛い?」
――晴れマーク。
「ふとした瞬間に見せる無邪気な表情が、とても可愛らしいと、私は思います」
「わ、私そんな表情してる時がある? キミって、よく見てるのね……」
まあまあ食べなさい、と手元のタッチパネルを操作しておつまみを注文している。
非常に機嫌が良さそうで、とても良い笑顔だ。
私は、いつの間にか来ていたビールを半分程飲み干した。
心なしか、先程のものよりも美味しく感じられるのが不思議だ。
「――それで、ナナはどうなってると思います?」
タンッ、とジョッキをテーブルに置いたと同時に、新手。
前半戦は過ぎ、残すは後半戦。
もうひと踏ん張り、あと少しだ。
「そうですね……」
残すは後……一人。
彼女? 彼女は、言うなれば、そう――
「むしろ……10年後、ウサミン星はどうなっていますか?」
ボーナスステージだ。
「は、はいっ!? 10年後のウサミン星ですか!?」
聞き返されるとは思ってもいなかったのか、とても焦っている様だ。
今はとても有り難いが、容易すぎて彼女の10年後が逆に不安になる。
「わ、私そんな表情してる時がある? キミって、よく見てるのね……」
まあまあ食べなさい、と手元のタッチパネルを操作しておつまみを注文している。
非常に機嫌が良さそうで、とても良い笑顔だ。
私は、いつの間にか来ていたビールを半分程飲み干した。
心なしか、先程のものよりも美味しく感じられるのが不思議だ。
「――それで、ナナはどうなってると思います?」
タンッ、とジョッキをテーブルに置いたと同時に、新手。
前半戦は過ぎ、残すは後半戦。
もうひと踏ん張り、あと少しだ。
「そうですね……」
残すは後……一人。
彼女? 彼女は、言うなれば、そう――
「むしろ……10年後、ウサミン星はどうなっていますか?」
ボーナスステージだ。
「は、はいっ!? 10年後のウサミン星ですか!?」
聞き返されるとは思ってもいなかったのか、とても焦っている様だ。
今はとても有り難いが、容易すぎて彼女の10年後が逆に不安になる。
「じゅ、10年後のウサミン星は関係ないと思います!」
「いえ……とても、大事な事です」
彼女もかなり酔っているのか、思考が上手くまとまらないようだ。
酒に溺れ、目が泳ぎ、思考の海に沈んでいくウサミン星人。
「じゅ、10年後のウサミン星は……」
電波の受信が上手くいかないらしい。
しかし、残念ながら私も酔っているので助ける事は出来ない。
「み、皆とっても笑顔で、楽しく暮らしてて……」
「……それで?」
皆が笑顔……とても、素晴らしい場所だ。
そんな、素晴らしい場所は、
「……――う、ウサミン星は、永久に不滅です!」
何故か、巨人軍の住処のようになっているようだ。
いや、マスコットキャラクターは、ウサギをモチーフにしたものだったか?
「……なるほど」
後日――
「ウサミン星は、とても、素晴らしい所ですね」
――姫川さんに聞いてみよう。
「いえ……とても、大事な事です」
彼女もかなり酔っているのか、思考が上手くまとまらないようだ。
酒に溺れ、目が泳ぎ、思考の海に沈んでいくウサミン星人。
「じゅ、10年後のウサミン星は……」
電波の受信が上手くいかないらしい。
しかし、残念ながら私も酔っているので助ける事は出来ない。
「み、皆とっても笑顔で、楽しく暮らしてて……」
「……それで?」
皆が笑顔……とても、素晴らしい場所だ。
そんな、素晴らしい場所は、
「……――う、ウサミン星は、永久に不滅です!」
何故か、巨人軍の住処のようになっているようだ。
いや、マスコットキャラクターは、ウサギをモチーフにしたものだったか?
「……なるほど」
後日――
「ウサミン星は、とても、素晴らしい所ですね」
――姫川さんに聞いてみよう。
「10年後も不滅な素晴らしい場所が故郷、それはとても誇れる事だと、私は思います」
「そ、そうなんです! 私はウサミン星人である事を誇りに思いますよ! キャハッ!」
なんだかおかしい気がする、とキュウリの浅漬けをポリポリと齧っている。
首を傾げて不思議そうにしているが、話をぶり返す気はないようだ。
私は、いつの間にか来ていた唐揚げを頬張ると、ジューシーな肉の油が口の中で弾けた。
熱々の肉汁はほんのりと甘く、付けられた下味と絶妙に絡みあって至高のハーモニーを織りなす。
それをサッと冷えたビールの苦味と喉越しで流すのは、最高の贅沢だ。
「――はーい♪ 最後は私でーす♪」
しかし、贅沢ばかりもしてはいられない。
戦いの前の贅沢は済んだ。
この先私が口にするのは、勝利の美酒か、最後の晩餐か。
「そうですね……」
最後の一人。
ここを乗り切れば、笑顔で終われる。
「そう、ですね……」
……だというのに、何も浮かばない!
「10年後の私は、どうなってると思いますか?」
催促するように言われているが、何が正解なのかわからない。
わからないので、一先ずジョッキの残りを飲み干した。
「そ、そうなんです! 私はウサミン星人である事を誇りに思いますよ! キャハッ!」
なんだかおかしい気がする、とキュウリの浅漬けをポリポリと齧っている。
首を傾げて不思議そうにしているが、話をぶり返す気はないようだ。
私は、いつの間にか来ていた唐揚げを頬張ると、ジューシーな肉の油が口の中で弾けた。
熱々の肉汁はほんのりと甘く、付けられた下味と絶妙に絡みあって至高のハーモニーを織りなす。
それをサッと冷えたビールの苦味と喉越しで流すのは、最高の贅沢だ。
「――はーい♪ 最後は私でーす♪」
しかし、贅沢ばかりもしてはいられない。
戦いの前の贅沢は済んだ。
この先私が口にするのは、勝利の美酒か、最後の晩餐か。
「そうですね……」
最後の一人。
ここを乗り切れば、笑顔で終われる。
「そう、ですね……」
……だというのに、何も浮かばない!
「10年後の私は、どうなってると思いますか?」
催促するように言われているが、何が正解なのかわからない。
わからないので、一先ずジョッキの残りを飲み干した。
「まあ! もしかして、皆には言ったのに私だけ仲間外れですか?」
「いえ……貴女は、とても素晴らしいアイドルです。それも、目が離せない程の」
手元のタッチパネルを操作して追加注文しようとするが、うまくいかない。
……なるほど、水滴がついて誤反応を起こしていたのか。
「それで?」
と、問われても思い浮かばないのだから答えようがない。
すみませんが、ナプキンで水滴を拭いているので待ってください。
「10年後……そうですね、10年後ですか……」
「……」
よし、これで注文が出来る。
我ながら、
「――貴女を見続けていたら、何年経っているか忘れてしまいそうですね」
完璧だ。
「……なるほど」
しかし、追加の注文は――
「詳しく聞きたいので、賢明なら、二軒目行きましょう♪」
――出来そうにない。
「いえ……貴女は、とても素晴らしいアイドルです。それも、目が離せない程の」
手元のタッチパネルを操作して追加注文しようとするが、うまくいかない。
……なるほど、水滴がついて誤反応を起こしていたのか。
「それで?」
と、問われても思い浮かばないのだから答えようがない。
すみませんが、ナプキンで水滴を拭いているので待ってください。
「10年後……そうですね、10年後ですか……」
「……」
よし、これで注文が出来る。
我ながら、
「――貴女を見続けていたら、何年経っているか忘れてしまいそうですね」
完璧だ。
「……なるほど」
しかし、追加の注文は――
「詳しく聞きたいので、賢明なら、二軒目行きましょう♪」
――出来そうにない。
・ ・ ・
「それじゃあ、年寄りはここで失礼させて貰うよ」
会計が済んだ後、店の前で突然部長はそう言った。
面白いものを見せて貰ったと、先程の店は部長の奢りだ。
「部長、二軒目は私が出しますので」
「いやいや! あまり無理をさせないでくれ!」
そう言うと、笑いながら部長はこちらに背を向け、駅に向けて歩き出した。
「……それでは、私もここで――」
私もそれに倣おうとしたが、
「なんて言い分が通ると思ってるの!? 強制連行よ!」
「今帰るなんてあり得ないわ。まだまだ、夜はこれからよ」
「あれ!? ナナの10年後の話、してませんよね!?」
「お酒は避けられず、飲みに行くのみ♪」
……と、言う事らしい。
おわり
「それじゃあ、年寄りはここで失礼させて貰うよ」
会計が済んだ後、店の前で突然部長はそう言った。
面白いものを見せて貰ったと、先程の店は部長の奢りだ。
「部長、二軒目は私が出しますので」
「いやいや! あまり無理をさせないでくれ!」
そう言うと、笑いながら部長はこちらに背を向け、駅に向けて歩き出した。
「……それでは、私もここで――」
私もそれに倣おうとしたが、
「なんて言い分が通ると思ってるの!? 強制連行よ!」
「今帰るなんてあり得ないわ。まだまだ、夜はこれからよ」
「あれ!? ナナの10年後の話、してませんよね!?」
「お酒は避けられず、飲みに行くのみ♪」
……と、言う事らしい。
おわり
乙、武内Pは不憫が似合うと思います
可能ならCP vs 25歳児の正妻戦争が見たいです
可能ならCP vs 25歳児の正妻戦争が見たいです
楓「はい。皆に、お話を聞かせて貰ってたんですよ」
武内P「しかし……キュンキュン、とは一体?」
未央「そりゃ勿論、プロデューサーとの思い出話だよ!」
武内P「!? しかし……私と、そういった事が……?」
卯月「本人がそう思って無くても、他の人が聞いたら……って事もありますから♪」
武内P「……」
武内P「しかし……キュンキュン、とは一体?」
未央「そりゃ勿論、プロデューサーとの思い出話だよ!」
武内P「!? しかし……私と、そういった事が……?」
卯月「本人がそう思って無くても、他の人が聞いたら……って事もありますから♪」
武内P「……」
未央「それじゃあ、まずは私からだね!」
武内P「……」
楓「うふふ、楽しみね」
未央「それは、私達ニュージェネの初ライブの後の出来事!」
アイドル達「あー」
楓「何かあったの?」
未央「やー……思ってたのと違ってて、終わった後辞めるって言って飛び出したんです」
楓「まあ!」
武内P「……」
武内P「……」
楓「うふふ、楽しみね」
未央「それは、私達ニュージェネの初ライブの後の出来事!」
アイドル達「あー」
楓「何かあったの?」
未央「やー……思ってたのと違ってて、終わった後辞めるって言って飛び出したんです」
楓「まあ!」
武内P「……」
未央「でも、プロデューサーがね! 直接迎えに来てくれたんです!」
楓「そうなんですか?」
武内P「……近隣住民の方に通報され、危うく捕まる所でしたが」
未央「だって雨の中佇んでるんだもん! しょうがないって!」
武内P「……」
楓「……うふふっ! ごめんなさい、笑っちゃいけないとわかってるんですけど」
武内P「……いえ、いつもの事ですので」
楓「そうなんですか?」
武内P「……近隣住民の方に通報され、危うく捕まる所でしたが」
未央「だって雨の中佇んでるんだもん! しょうがないって!」
武内P「……」
楓「……うふふっ! ごめんなさい、笑っちゃいけないとわかってるんですけど」
武内P「……いえ、いつもの事ですので」
未央「ずぶ濡れになってまで、迎えに来てくれた!」
未央「そして、私に笑顔の大切さを教えてくれた!」
凛「芝居がかってきてるよ」
未央「嗚呼! 止まない雨は無い様に、私の心にも日が差し込んだわ!」
楓「うふふっ、私の心は晴れてるから、日傘仕込んだ方がいいかしら」
未央「……さ、さあ! キュンキュンする!?」
CPアイドル達「ナイスキュンキュンー!」
未央「ありがとー! 皆、どうもありがとー!」
武内P「……」
未央「そして、私に笑顔の大切さを教えてくれた!」
凛「芝居がかってきてるよ」
未央「嗚呼! 止まない雨は無い様に、私の心にも日が差し込んだわ!」
楓「うふふっ、私の心は晴れてるから、日傘仕込んだ方がいいかしら」
未央「……さ、さあ! キュンキュンする!?」
CPアイドル達「ナイスキュンキュンー!」
未央「ありがとー! 皆、どうもありがとー!」
武内P「……」
未央「……とまぁ、こんな感じで話してたの!」
武内P「あの時は……はい、必死でした」
未央「えーっと、あの時はごめんなさい! そして、ありがとうございました!」
武内P「……良い、笑顔です」
楓「ええ、とっても」
武内P「今では笑い話に出来るというのは、本田さんが成長したからだと思います」
未央「えへへ! 未央ちゃんは、日々成長してますから!」
武内P「あの時は……はい、必死でした」
未央「えーっと、あの時はごめんなさい! そして、ありがとうございました!」
武内P「……良い、笑顔です」
楓「ええ、とっても」
武内P「今では笑い話に出来るというのは、本田さんが成長したからだと思います」
未央「えへへ! 未央ちゃんは、日々成長してますから!」
楓「それじゃあ、もし、私が辞めるって言い出したらどうします?」
武内P「高垣さんが……ですか?」
楓「はい。私が、です」
武内P「そう、ですね……何もしないと思います」
楓「まあ!」
CPアイドル達「えー、冷たーい」
武内P「……」
武内P「高垣さんが……ですか?」
楓「はい。私が、です」
武内P「そう、ですね……何もしないと思います」
楓「まあ!」
CPアイドル達「えー、冷たーい」
武内P「……」
武内P「……高垣さんならば、必ず帰ってきますから」
楓「私を信じて待つ、と?」
武内P「はい。いつまでも、待っていると思います」
楓「帰ってこられないのだとしたら?」
武内P「迎えが必要ですか?」
楓「うふふっ……いいえ、必要ありません」
武内P「はい……貴女ならば、そう仰ると思っていました」
未央「もうやめて! めっちゃ負けた気になるからやめて!」
CPアイドル達「ベリーナイスキュンキュンー!」
未央「追い打ちしないでよ皆!」
楓「私を信じて待つ、と?」
武内P「はい。いつまでも、待っていると思います」
楓「帰ってこられないのだとしたら?」
武内P「迎えが必要ですか?」
楓「うふふっ……いいえ、必要ありません」
武内P「はい……貴女ならば、そう仰ると思っていました」
未央「もうやめて! めっちゃ負けた気になるからやめて!」
CPアイドル達「ベリーナイスキュンキュンー!」
未央「追い打ちしないでよ皆!」
未央「しまむー! 私の仇を取っておくれ!」
卯月「わ、私ですか!?」
CPアイドル達「あー」
卯月「ま、待ってくださいよー!?」
武内P「あの……仇、とは?」
楓「なんだかわからないけれど、受けて立ちます」
武内P「た、高垣さん!?」
卯月「わ、私ですか!?」
CPアイドル達「あー」
卯月「ま、待ってくださいよー!?」
武内P「あの……仇、とは?」
楓「なんだかわからないけれど、受けて立ちます」
武内P「た、高垣さん!?」
卯月「私のエピソード……えーと、えーっと」
武内P「……」
楓「楽しみね♪」
卯月「それじゃあ……恥ずかしいけど、私が戻ってきた時の事を///」
CPアイドル達「あー」
楓「何があったのかしら?」
卯月「その……LIVEに向かう前、プロデューサーさんと寄り道をしたんです」
楓「ふむふむ」
武内P「……」
武内P「……」
楓「楽しみね♪」
卯月「それじゃあ……恥ずかしいけど、私が戻ってきた時の事を///」
CPアイドル達「あー」
楓「何があったのかしら?」
卯月「その……LIVEに向かう前、プロデューサーさんと寄り道をしたんです」
楓「ふむふむ」
武内P「……」
卯月「それで、思ってたけど言えなかった事を全部聞いてもらって……」
楓「そうなんですか?」
武内P「……もう少し早く島村さんの気持ちに気付けたら、と思いました」
卯月「いっ、いえ! だって、他にも迷惑かけてましたし!」
武内P「そんな事はありません。私は、貴女のプロデューサーですから」
卯月「プロデューサーさん……」
CPアイドル達「ナイスキュンキュンー!」
卯月「み、皆、からかわないでくださいー!///」
楓「そうなんですか?」
武内P「……もう少し早く島村さんの気持ちに気付けたら、と思いました」
卯月「いっ、いえ! だって、他にも迷惑かけてましたし!」
武内P「そんな事はありません。私は、貴女のプロデューサーですから」
卯月「プロデューサーさん……」
CPアイドル達「ナイスキュンキュンー!」
卯月「み、皆、からかわないでくださいー!///」
卯月「えっと、それで、笑顔の話になって……」
卯月「プロデューサーさんが、指でクイッとほっぺをあげて……」
凛「ふーん。撫でたりとかじゃなかったんだね」
卯月「それで、私もほっぺを指であげて……も、もうやめましょう!?///」
楓「……うふふっ、とっても素敵なお話ね」
卯月「うぅ……///」
CPアイドル達「グレートキュンキュン―!」
卯月「……お家帰りたいです///」
武内P「……」
卯月「プロデューサーさんが、指でクイッとほっぺをあげて……」
凛「ふーん。撫でたりとかじゃなかったんだね」
卯月「それで、私もほっぺを指であげて……も、もうやめましょう!?///」
楓「……うふふっ、とっても素敵なお話ね」
卯月「うぅ……///」
CPアイドル達「グレートキュンキュン―!」
卯月「……お家帰りたいです///」
武内P「……」
楓「指でほっぺをクイッと上げてって、どんな感じでですか?」
武内P「それは……こう、ですね」クイッ
楓「こう?」クイッ
武内P「あの……何故、高垣さんもやる必要が?」クイッ
楓「あら、だって勝負なんでしょう?」クイッ
武内P「……一体、何のでしょうか」クイッ
楓「えーっと……にらめっこ?」クイッ
武内P「……あの、それだとどちらも負けになっています」クイッ
楓「あっ、それもそうですね。うふふっ、折角なので、どっちも勝ちにしましょう♪」クイッ
CPアイドル達「……」
武内P「それは……こう、ですね」クイッ
楓「こう?」クイッ
武内P「あの……何故、高垣さんもやる必要が?」クイッ
楓「あら、だって勝負なんでしょう?」クイッ
武内P「……一体、何のでしょうか」クイッ
楓「えーっと……にらめっこ?」クイッ
武内P「……あの、それだとどちらも負けになっています」クイッ
楓「あっ、それもそうですね。うふふっ、折角なので、どっちも勝ちにしましょう♪」クイッ
CPアイドル達「……」
卯月「……」
未央「しまむー、ナイスファイト!」
卯月「あの……ちょっと今、そういうのは」
未央「……ごめん」
卯月「……いえ、こちらこそ」
未央・卯月「……」
楓「あら? なんだか急に静かになった気が……」
武内P「? 皆さん、どうかされましたか?」
CPアイドル達「……」
未央「しまむー、ナイスファイト!」
卯月「あの……ちょっと今、そういうのは」
未央「……ごめん」
卯月「……いえ、こちらこそ」
未央・卯月「……」
楓「あら? なんだか急に静かになった気が……」
武内P「? 皆さん、どうかされましたか?」
CPアイドル達「……」
美波「……こうなったら、リーダーの私が――」
セックス「――なんとかするしかない!」
アーニャ「ニェット! いけません、美波!」
セックス「でも、他に方法が!」
アーニャ「私、知ってます! キュンキュンと、ジュンジュンは違うもの、です!」
セックス「……そうね」
美波「ごめんなさい……また、一人で突っ走っちゃう所だったわ」
セックス「――なんとかするしかない!」
アーニャ「ニェット! いけません、美波!」
セックス「でも、他に方法が!」
アーニャ「私、知ってます! キュンキュンと、ジュンジュンは違うもの、です!」
セックス「……そうね」
美波「ごめんなさい……また、一人で突っ走っちゃう所だったわ」
セックスは禁止ワードじゃないのか
申し訳ない、調査不足でした
申し訳ない、調査不足でした
みく「みくのストライキ話も弱いし……」
李衣菜「私も……なつきちとの方が喋ってる」
蘭子「私と我が友は、魂の共鳴を果たした!」ムフー!
智絵里「うぅ……二人以上の話が思いつかない」
かな子「クッキー美味しい~♪」
きらり「きらりもぉ、クレープ食べてくれなかったにぃ」
莉嘉「アタシ達も、仲が良いけど……」
みりあ「キュンキュンとは違うよねー」
杏「期待出来るのは、色々あったニュージェネだよねー」
CP達「……」ジッ
凛「……」
凛「えっ?」
李衣菜「私も……なつきちとの方が喋ってる」
蘭子「私と我が友は、魂の共鳴を果たした!」ムフー!
智絵里「うぅ……二人以上の話が思いつかない」
かな子「クッキー美味しい~♪」
きらり「きらりもぉ、クレープ食べてくれなかったにぃ」
莉嘉「アタシ達も、仲が良いけど……」
みりあ「キュンキュンとは違うよねー」
杏「期待出来るのは、色々あったニュージェネだよねー」
CP達「……」ジッ
凛「……」
凛「えっ?」
未央「――しぶりん! 最後の望みをしぶりんに託すよ!」
凛「待って」
卯月「凛ちゃん、頑張ってください!」
凛「待ってったら!」
CPアイドル達「レッツゴー、キュンキュン!」
凛「ちょっ、ちょっと!?」
楓「うふふっ、最後は貴女?」
武内P「あの……完全に悪役のようになっていますが、良いのですか?」
楓「一度やってみたかったんです♪」
武内P「……」
凛「待って」
卯月「凛ちゃん、頑張ってください!」
凛「待ってったら!」
CPアイドル達「レッツゴー、キュンキュン!」
凛「ちょっ、ちょっと!?」
楓「うふふっ、最後は貴女?」
武内P「あの……完全に悪役のようになっていますが、良いのですか?」
楓「一度やってみたかったんです♪」
武内P「……」
凛「えっと……その……」
一同「……」
凛「な、何度もスカウトに来てくれたり?」
一同「……」
凛「アイドルをやる楽しさを知るきっかけを作ってくれて……その」
一同「……」
凛「感謝してるし、それに、ずっと見ててくれるって……」
一同「……」
凛「何か言ってよ! この状況は何なの!?」
一同「……」
凛「な、何度もスカウトに来てくれたり?」
一同「……」
凛「アイドルをやる楽しさを知るきっかけを作ってくれて……その」
一同「……」
凛「感謝してるし、それに、ずっと見ててくれるって……」
一同「……」
凛「何か言ってよ! この状況は何なの!?」
凛「その……何ていうか……」
一同「……」
凛「えっと……何で誰も何も言わないの!?」
一同「……」
凛「だから……もう、何で……!?」
一同「……」
凛「……ありがとうございます……!///」
CPアイドル達「パーフェクトキュンキューン!」
凛「怒るよ!?」
一同「……」
凛「えっと……何で誰も何も言わないの!?」
一同「……」
凛「だから……もう、何で……!?」
一同「……」
凛「……ありがとうございます……!///」
CPアイドル達「パーフェクトキュンキューン!」
凛「怒るよ!?」
楓「……とても、良い輝きだったわ凛ちゃん」
パチパチ!
凛「楓さん、あの……拍手はやめてください」
未央「ブラーヴォ! ブラーヴォしぶりん!」
パチパチ!
凛「なんで未央まで拍手するの!? あと、発音がイラッとするから!」
卯月「うぅ……凛ちゃ~ん……ぐすっ!」
パチパチ!
凛「卯月まで拍手……って、なんで泣いてるの!?」
一同「……!」
パチパチパチパチ!
凛「やめて! 拍手しないで! やめてったら!」
パチパチ!
凛「楓さん、あの……拍手はやめてください」
未央「ブラーヴォ! ブラーヴォしぶりん!」
パチパチ!
凛「なんで未央まで拍手するの!? あと、発音がイラッとするから!」
卯月「うぅ……凛ちゃ~ん……ぐすっ!」
パチパチ!
凛「卯月まで拍手……って、なんで泣いてるの!?」
一同「……!」
パチパチパチパチ!
凛「やめて! 拍手しないで! やめてったら!」
CPアイドル達「……!」
パチパチパチパチ!
凛「いい加減にして! もう、本気で怒ったから!」
楓「……今日は、とても良いお話が聞けたし、見られました」
武内P「そう……ですか」
楓「こういうの、なんて言うんだったかしら……?」
武内P「このようなやり取りに、名前があるのですか?」
楓「確か、何とか戦争だったような?」
武内P「それはまた……物騒ですね」
凛「私は一人でもやる!」
凛「制裁を皆に……制裁戦争だよ!」
おわり
パチパチパチパチ!
凛「いい加減にして! もう、本気で怒ったから!」
楓「……今日は、とても良いお話が聞けたし、見られました」
武内P「そう……ですか」
楓「こういうの、なんて言うんだったかしら……?」
武内P「このようなやり取りに、名前があるのですか?」
楓「確か、何とか戦争だったような?」
武内P「それはまた……物騒ですね」
凛「私は一人でもやる!」
凛「制裁を皆に……制裁戦争だよ!」
おわり
「おはようございます」
「……おはようございます」
薄く目を開けた彼が、私の挨拶に力なく応えた。
低い声は、今ではもっと低くなり、かなりしゃがれてしまっている。
私達、何度こうやって挨拶したんでしょうね。
今ではもう……私もあまり思い出せないわ。
「高垣さん……何故、私の寝室に?」
「うふふっ、さあ? どうしてでしょう」
それは、貴方が今ではそこから起き上がれないからですよ。
だったら、私が来るしか無いでしょう?
そうしないと、さっきみたいに挨拶する事も、こうやってお話も出来ませんから。
「いけません。私はプロデューサーで、貴女はアイドルです」
「……まあ!」
貴方ったら、本当に懐かしい事を言うのね。
貴方がプロデューサーで、私がアイドルだったのはもう遠い昔の事なのに。
「貴方には、今の私がアイドルに見えるんですか?」
貴方が変わったように、私も大分変わってしまったわ。
細かった手足はより一層細くなり、昔のようにステップなんか踏めやしない。
あっ、元々そんなにダンスは得意じゃなかったっけ。
「ええ、勿論です」
だと言うのに、この人は私をアイドルだと言う。
迷いも躊躇いもなく、ハッキリと。
それが照れくさくって、頬にかかった髪を軽くかき上げて誤魔化す。
「高垣楓さん。貴女は、いつでも最高のアイドルです」
彼の表情は変わらない。
そして、言う事も昔から変わらない。
「ですから、ここに居ては――……!」
いけません、という言葉は咳き込みによって中断された。
彼の体が無理をした事によって悲鳴をあげているのか。
はたまた、彼の体が無理をしてでもその言葉を中断させたのか。
「良いんですよ。私は、此処に居ても」
彼の背中をさすりながら、染み込ませるように言った。
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