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元スレ久「あんたが三年生で良かった」京太郎「……お別れだな」
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乙です。
ヒッサのとこが離婚せずに上埜のままなら金銭的に問題なくて、照も姉妹仲良くで、
みんなで風越ってのは割とあるんだけど、超燃えるよね。
最近この設定のおもしろいSSないから残念
ヒッサのとこが離婚せずに上埜のままなら金銭的に問題なくて、照も姉妹仲良くで、
みんなで風越ってのは割とあるんだけど、超燃えるよね。
最近この設定のおもしろいSSないから残念
・どこかの未来、愛妻料理(夜の下拵え)
爽「もしもーし」
京太郎「なんだお前か」
爽「なんだとはなんだよ」
京太郎「いや、今日はどんな騒動の種を持ち込んできたかと思うと」
爽「風評被害だね」
京太郎「思い出せ、二月の終わりになにがあったかを」
爽「……ユキとキスしたとか?」
京太郎「パラシュートなしのフリーダイビングをさせたことを忘れたってか!?」グリグリ
爽「いたたたたっ、記憶にございました記憶にございましたからっ!」
京太郎「ったく、お前もたいがいフリーダムだな」
爽「浪人して勉強漬けの姿を見てもそう思う?」
京太郎「おっとそうだった。チカさんに通報しないとな」
爽「後生だから勘弁してっ」
爽「ところで成香は?」
京太郎「買い物だよ。今晩は頑張りますってさ」
爽「なるほど、精がつくものをってことだね」
京太郎「頑張るってのは料理のことな」
爽「なるほど、私も召し上がれってやつだね」
京太郎「アイアンクローとグリグリとどっちがいい?」
爽「須賀くんって、私には容赦ないよね」
京太郎「まぁな」
爽「うぅ……これはもう成香に泣きつくしかないかぁ。おたくの彼氏がイジメてくるってさ」
京太郎「どうだろうな。部長になってあいつもしっかりしてきたからな」
『そんなことよりも、受験勉強は良いんですか?』
爽「ぐふっ、なんて言われるかすごい想像できる」
京太郎「まぁ、そんな落ち込むなよ」
爽「落ち込ませた張本人がなにを言うか」
京太郎「うちの花子たちの餌やりがてらで良ければ、愚痴でもなんでも聞いてやるから」
爽「すっかりここに馴染んだね」
京太郎「住み込みで働いてりゃな」
爽「巨乳の女に猛アプローチされてるらしいね」
京太郎「乳牛に懐かれてると言えよ」
爽「搾りたてミルクをご馳走してくれてもいいよ? あ、須賀くんのじゃないからね?」
京太郎「余計な注釈を入れんなっ」ギリギリ
爽「ギブギブギブ、頭割れるー!」
成香「どうしましょうか……」
揺杏「いつまで悩んでんのさ」
成香「今日は決戦なんです。妥協できませんっ」
揺杏「須賀のにーさんならなんでも喜んでくれるっしょ」
成香「お料理が上手な揺杏ちゃんに言われても……」
揺杏「じゃあ、デザートは私ってのは? 体にリボンでも巻いて」
成香「そそそそそんなっ、エッチすぎます!」メモメモ
揺杏(あ、そこはメモるのね)
成香「と、とにかくっ、おいしいって言ってもらって撫でてもらうために妥協はできないんですっ」
揺杏「あーあー、本音がだだ漏れだ」
成香「え、あ……」カァァ
揺杏「そんじゃま、これとこれとこれと……」ヒョイヒョイ
成香「ちょっ、勝手に放り込んじゃダメですよ!」
揺杏「牡蠣にレバーにニンニクに時期外れのウナギ! それに怪しげなドリンクを添えて……精力がつきそうなシリーズはどう?」
成香「せ、精力って……」
揺杏「まぁ、鍋にしとけば大体なんとかなるっしょ」
成香「そうなんですか?」
揺杏「カレーは誰が作ってもおいしいじゃん? あれも鍋の一種とみなせなくもないし?」
成香「たしかに……?」
揺杏「だから当たって砕ける精神でゴー!」
成香「は、はい!」
京太郎「よーしよし、それじゃあまたな、花子」
揺杏「あ、動物しか話し相手がいない寂しい男だ」
京太郎「なんだ、お前もか」
揺杏「お前もってなにさ」
京太郎「ちょっと前まで獅子原も来てたんだよ」
揺杏「入れ違い?」
京太郎「泣く泣く勉強しに帰ったよ。檜森から電話あってさ」
揺杏「あらら、お気の毒に」
京太郎「本当にな」
揺杏「にーさんはもう暇人?」
京太郎「片付け終わったらな。今日はもう休んでいいって」
揺杏「いいね~、じゃあ今夜はゆっくりできるってわけじゃん」
京太郎「そういや成香は一緒じゃなかったのか?」
揺杏「今頃台所で奮闘中だね」
京太郎「もう準備にかかってるのか」
揺杏「ありゃ相当張り切ってるねぇ。にーさんも嬉しいっしょ」
京太郎「まあ、怪我の心配はあるけどな」
揺杏「愛妻弁当ならぬ、愛妻料理ってやつだもんね」ニヤニヤ
京太郎「ったく、ニヤついてんじゃねーよ」
揺杏「んじゃ、私もちょっと覗いてくから、味については安心してよ」
京太郎「ああ、頼んだぞ」
揺杏「かしこまり」
京太郎「……」ギンギン
京太郎(晩飯を食べてから体の調子がおかしい)
京太郎(具体的に言うと、ずっと勃ちっぱなしだ)
京太郎(原因として思い当たるのは……ないわけでもない)
京太郎(食材の組み合わせがおかしい鍋……それに、なんだか怪しいドリンク)
京太郎(岩舘め、変なこと吹き込んだんじゃないだろうな?)
成香「お、起きてますか?」
京太郎「起きてる。てか、全然眠気がない」
成香「それじゃあ……お、お邪魔しますね」
成香「……」モジモジ
京太郎「成香?」
成香「ひゃ、ひゃいっ」
京太郎「座らないのか?」
成香「す、座りましゅっ」ストッ
京太郎(なんで床に正座?)
京太郎(それよりも、こいつ見てたら……)ムラムラ
京太郎「……なぁ――」
成香「あのっ」
京太郎「えっと、どうした?」
成香「きょ、京太郎くんからどうぞ」
京太郎「じゃあほら、せめて座布団使え。こっちが気になるだろ」
成香「あ、そうですね」
京太郎「で、そっちの用件は?」
成香「その、食後のデザートを――」
京太郎「いただきます」グイッ
成香「え、あ……ちょ、ちょっと待ってくださいっ」
京太郎「待たない。もう限界」
成香「違うんですっ、買ってきたケーキを一緒に食べようと思って」
京太郎「じゃあ、終わったら後で一緒に食おうぜ」ペロッ
成香「ひゃっ――な、舐めちゃダメですっ」
京太郎「なに言ってんだよ。期待してたくせに」
成香「そ、それは……」
『じゃあ、デザートは私ってのは?』
成香「~~っ」カァァ
京太郎「よし、否定しないってことはOKってことだな」
成香「はうぅ……優しくお願いします」
続きません
というわけで成香さんとくっついたら牧場で働くことになります
リュージはまったくのオリジナルです
あれだけ出てくるのに名無しはやりにくかったという理由です
んじゃ、失礼します
リュージはまったくのオリジナルです
あれだけ出てくるのに名無しはやりにくかったという理由です
んじゃ、失礼します
乙です
一瞬牧場の牛にユキが混じってないか想像してしまい懺悔
一瞬牧場の牛にユキが混じってないか想像してしまい懺悔
・どこかの未来、そんな彼女たちとの日々
京太郎「就活しようと思う」
霞「却下」
京太郎「なんでだよっ」
霞「する必要なんかないでしょ?」
京太郎「あるよ、ありありだよ」
霞「経済的には問題ないでしょ?」
京太郎「そういう問題じゃなくてさ、もっとこう……外との触れ合い的なさ」
霞「ふんふむ……一緒に買い物にでも行く?」
京太郎「新しい人間関係の構築とかさ!」
霞「やっぱり却下」
京太郎「だからなんでだよっ」
霞「だって、どこの女に手を出すかわからないでしょ?」
京太郎「俺をなんだと思ってる」
霞「聞きたいの?」
京太郎「あ、結構です」
霞「それに、そんなことする暇があると思うの?」
京太郎「……」
小蒔「京太郎様ー!」
霞「ほら」
京太郎「見つかっちゃったか」
小蒔「二人で内緒話ですか?」
霞「ええ、今日のご飯はどうしようかって」
小蒔「うーん……霞ちゃんが作るなら、なんでもおいしいですし」
霞「ふふ、ありがとう」
京太郎「……」ソロー
霞「ところで、旦那様に何か用なの?」
京太郎「うっ」ギクッ
小蒔「あ、そうでした」
小蒔「さ、京太郎様」ギュッ
京太郎「こ、これから学校だよな?」
小蒔「はい……ですからその前に一度、愛していただけたらと……」ポッ
京太郎「あれー? 昨日の夜もいたしたような?」
霞「小蒔ちゃん」
小蒔「なんですか?」
京太郎(お、物言いか? 信じてたぜ!)
霞「あまり時間がないから、三十分ぐらいでね」
小蒔「はい、頑張りますっ」
京太郎「……マジかー」ズルズル
霞「さて、お洗濯の準備をしなきゃね」
京太郎「ふぅ……」
初美「なにいい汗かいたー、みたいな顔してるですか」
京太郎「小蒔に付き合ってちょっとな」
初美「お盛んにも程があるのですよ」
京太郎「汗流したいな……風呂入れるか?」
初美「それなら少し時間を貰えれば……あ、そうだ!」
京太郎「あん?」
初美「お背中流すのですよ、旦那様♪」
京太郎「なるほど、それにかこつけて仕事をサボる算段と見た」
初美「うっ……な、なんのことですかねー?」
京太郎「まぁ、ほどほどにな。具体的には霞に怒られないように」
初美「だ、旦那様のお世話も私たちの仕事だから、サボりではないのですよ!」
京太郎「え、まさか本当に背中流す気かよ」
初美「姫様としたのですから、今更一回や二回は同じなのですよ」
京太郎「まぁいいや。お前相手だったら落ち着いてられそうだし」
初美「どういう意味ですかっ!」
京太郎「気にすんな。ほら行くぞ」
初美「うぅ~、絶対やる気にさせてやるのですよ!」
京太郎「ふぅ……」
巴「お疲れ様です」
京太郎「なんで風呂入って疲れて出てくるんだろうな」
巴「少し休みますか?」
京太郎「毎日が日曜日みたいなもんだけどな」
巴「はっちゃんだったら大喜びですね」
京太郎「巴は?」
巴「私は……ちょっと困っちゃいますね。暇がありすぎるとなにをすればいいかわかりませんし」
京太郎「同感」
巴「ふふ、お茶用意しますね」
巴「あ、あの……旦那様?」
京太郎「ん?」
巴「これは……ちょっと」カァァ
京太郎「俺の膝の上、居心地悪いか?」
巴「そ、そういうことじゃなくて」
京太郎「じゃあ問題ないな」
巴「もう……お茶、飲みにくくないですか?」
京太郎「恥ずかしがる巴が可愛いから全然」サワッ
巴「んんっ……だ、旦那様」
京太郎「悪い、ちょっと我慢できなくなってきた」
京太郎「ふぅ……」
霞「ねぇ、今暇かしら?」
京太郎「わかってて聞いてるだろ」
霞「そうね」クスクス
京太郎「なにか買い物とかないか? 散歩がてら行ってくるけど」
霞「じゃあ明星と湧のこと、迎えに行ってもらえる?」
京太郎「こんな時間に?」
霞「一年生は午前授業なの」
京太郎「そうか。なら行ってくる」
霞「ええ、お願いね」
明星「お兄様、重くないですか?」
京太郎「全然。この倍はいける」
湧「ち、力持ちなんですね」
京太郎「ま、人並みにはな」
明星「……距離、近くなったね」
湧「え、そうかな?」
京太郎「逃げられてたことを考えたらしみじみするな」
湧「や、やめてください……その、思い出すと恥ずかしくなってくるし」
京太郎「ははっ、まだ買い物あんのか?」
湧「えっと、たしかこれだけです」
京太郎「なら後は帰るだけか」
明星「……」ムギュッ
京太郎「どうした、欲しいもんでもあるのか?」
明星「はい……だから、ちょっと寄り道しませんか?」
京太郎「ふぅ……」
春「遅かったね」
京太郎「ちょっと明星と湧に付き合って寄り道してた」
春「こんな夕方まで?」
京太郎「まぁ、時間を忘れてたのは認めるよ」
春「霞さんが怒ってた、というより呆れてた」
京太郎「あ、これ後で説教のパターンだ」
春「それで、なにしてたの?」
京太郎「なにって、ただの寄り道だよ」
春「ふーん」ポリポリ
京太郎「なに疑ってるんだよ」
春「疑ってない。確信してるから」
京太郎「決め付けにかかってないか?」
春「旦那様はウソが下手みたいだし」
京太郎「ったく、なにが目的だ?」
春「黒糖、食べたくない?」
京太郎「そうだな、小腹空いてるし」
春「じゃあ……んっ」
京太郎「口移しかよ……んっ」
春「んんっ……えっち」
京太郎「期待しといて何言ってんだよ」
春「……もう一個、いる?」
京太郎「ふぅ……」
霞「ちょっと話があるんだけど、いいかしら」
京太郎「こんな遅くに説教か」
霞「あら、それがいいならそうするけど」
京太郎「勘弁してくれ。ご用向きは?」
霞「慰労ね。今日も一日お疲れ様」
京太郎「大したことはしてないぞ」
霞「そうね」
霞「朝は小蒔ちゃんと、その後お風呂で初美ちゃんと、お昼前に巴ちゃんと」
霞「買い物帰りに明星と湧と、それで晩御飯前に春ちゃんと」
霞「こんなところかしら?」
京太郎「なんで全部把握してるんだよ……」
霞「さあ、どうしてかしら」
京太郎「まぁ、ちょっとハメを外しすぎた……いや、割といつも通りだな」
霞「ふふ、あなたがいるだけでみんな幸せそうなの、わかる?」
京太郎「お前もか?」
霞「私は……」
京太郎「まったく……ほら」グイッ
霞「あっ……」
京太郎「なんでも言えよ。サービス期間中だ」
霞「……少し、甘えてもいいかしら」ギュッ
京太郎「肩でも揉もうか?」
霞「もう、そうじゃなくて……んっ」チュッ
霞「私のことも、愛してくれる……?」
京太郎「もちろん」
続きません
というわけで巫女さんハーレムエンドのその後です
巴さんのエンディング条件さえ満たしていれば……
んじゃ、おやすみなさい
巴さんのエンディング条件さえ満たしていれば……
んじゃ、おやすみなさい
・どこかの未来、うたえりレイディオ
咏「さーて今日も始まったねぃ」
えり「今日は打ち合わせ通りに頼みますよ」
咏「このやりとり打ち合わせにあった?」
えり「放送前の注意事項みたいなものです」
咏「んじゃ、えりちゃん進行頼むぜぃ」
えり「三尋木プロもしっかりお願いします」
咏「えー?」
えり「ではなく、早速投稿メールからいきますよ」
咏「ふくすこコンビに対抗するためにラジオやらされてるとは言え、えりちゃんも大変だねぃ」
えり「だからあなたもやるんですよっ」
『三尋木プロといえば着物ですが、洋服を着ることはないんでしょうか?』
咏「まーた今更な質問だねぃ」
えり「着てますよね」
咏「オフの時とか、たまーにだけど」
えり「今度撮影の時どうですか?」
咏「イメージ崩れるんじゃね? 知らんけど」
『エイミーとはどれぐらいの付き合いなんでしょうか?』
えり「エイミー……というと、時々身につけているあのぬいぐるみのことですね」
咏「えりちゃん正解。ま、元々はゲン担ぎでつけてたものなんだよねっ」
えり「ゲン担ぎですか。なら、麻雀を始めてからとか?」
咏「そんな感じ。小学生ぐらいじゃね? 知らんけど」
えり「そこは知っててください」
咏「ちなみにセアミーって仲間もいるからよろしくっ」
えり「なんの宣伝ですか」
咏「というかさっ、こっちの質問ばっかだけど、えりちゃん宛ってないの?」
えり「あるにはありますけど……」
咏「じゃあ次はそれってことで」
『好きな人に中々気持ちが伝わらなくて困ってます! 針生さん何かアドバイスください!』
咏「恋愛相談……えりちゃんに?」
えり「なにか言いたいことでも?」
咏「さぁねぃ」ニヤニヤ
えり「ニヤニヤしないでください」
咏「ところで恋愛経験は?」
えり「私のことはいいですから、答えてあげてくださいよ」
咏「や、えりちゃん名指しじゃね?」
えり「恋の話題なら三尋木プロ向きかと。最近どうなんですか?」
咏「いやいや、あいつはまだまだだし? 師匠としては、そういうことは一回ぐらい大会で優勝してからでも――」
えり「ええ、そうですね。私はあなたの弟子の話をしたわけではありませんが」
咏「あ……えりちゃん、ちょっと意地悪すぎね? 知らんけどさっ」
えり「私から言えるのは、相手にストレートに気持ちを伝えましょう、ということですね」
咏「ま、それができたらって話だけどねぃ」
えり「では三尋木プロからもどうぞ」
咏「うーん……外堀を埋めるとか? 相手が逃げられない状況を作ればってことで」
えり「未成年になんてアドバイスを……」
咏「わっかんねー、全てがわっかんねー」ケラケラ
えり「まったく……次行きますよ、次」
『三尋木プロのお弟子さんについて詳しく!』
咏「あー……これ、どこまで言っていいのかね?」
えり「彼も雑誌のインタビューを受けていましたし、そこで掲載された範囲でなら」
咏「じゃあ……須賀京太郎、男、18歳、長野出身、背は高い」
えり「昨年度のインターハイで優勝した清澄高校麻雀部に所属していた、ですね」
咏「またなんとも面白みにかけるねぃ」
えり「と言うと思って、彼の知り合いに取材をしてきました」
咏「さっすがえりちゃん、事前の準備はバッチリだねっ」
えり「ええ、そういったものを素知らぬ顔で台無しにする人もいるんですけどね!」
咏「いや、知らんし」
えり「それではまずこちらから!」
『え? 三尋木プロの弟子になったことについて?』
『どうなんでしょうね。お世辞にも麻雀が強いわけでもなかったし』
『ああ、別に心配してるとかじゃないんですけど。長い付き合いだから、そこは信頼してます』
『あいつなら、そのうちきっとすごいことをやらかし――じゃなくて、やってみせるんじゃないですか?』
えり「元同級生の長野県在住、H.T.さんからでした」
咏「ま、猫船に乗ったつもりで任せとけばいいんじゃね? 知らんけど」
えり「なんですか猫船って。大丈夫なのか大丈夫じゃないのか、全くわかりませんよ」
咏「うふっは! たしかに!」ケラケラ
えり「……」イラッ
『弟子? 当然粛清ですね』
『ええ、夜道に気をつけろとは言ってありますから』
『でも、うたたんがそれを望まないなら……ううっ』
『僕は、僕はっ……!』
えり「……」
咏「いやぁ、人気者は辛いねぃ」
えり「み、三尋木プロのファンみたいですね……」
咏「辛いわー、熱狂的なファンがいて辛いわー」
えり「……同じく元同級生の長野県在住、I.N.さんからでした」
『ええっと、なんと言えばいいかよくわからないんですけど……少し、感慨深いですね』
『はい。私が教えたときはその、ほとんどなにも知らなかったので』
『私が最初の師匠? そんな……』
『でも、あの時間が彼の道を決めるきっかけになったなら……はい、誇らしいです』
えり「こちらも長野県在住、M.H.さんからでした」
咏「最初の師匠?」
えり「いわば、三尋木プロの先輩といったことでしょうか」
咏「ま、どっちが上かはすぐわかるんじゃね? 知らんけど」
えり「あら? もしかして――」
咏「いや、知らんし。知らんから次、次!」
『わぁ、プロのお弟子さんなんてちょーすごいよー! サインもらえるかなぁ?』
『京太郎様がプロに……! か、霞ちゃん! てれび、てれび見れるようにしましょう!』
『プロ……? ポストはやりんなら共演できるでしょうか?』
『ふぅん、キョウタロウがね……微妙だよね。もしダメそうだったら養ってあげてもいいけど』
『ええっ、京太郎くんが!? お、お祝い送った方がいいのかな!? ちょっとお姉ちゃんと相談してきますっ』
『うーん、そがん上手くなかて思うんですけどね。あ、応援はしますよ? 私ばフッた人ですけど!』
『そかー、須賀くんもいつまでも下手っぴやないっちゅーことやな』
『あわっ、キョータローが? むぅ、私もプロになって完勝しちゃうんだから! そしたら、また……』
えり「などなど全国津々浦々、コメントを頂いてきました」
咏「いやいや、力入れすぎじゃね?」
えり「交友関係が広いので、地元だけじゃ物足りないと――」
咏「お上の意見があったわけだ。辛いねぃ」
えり「ともかく、これで多少はリスナーの皆さんにも、彼の人となりが伝わったのではないでしょうか?」
咏「ポイントは男女比の偏りだぜぃ?」
えり「それだけ多くの人に慕われているということですね!」
咏「物は言い様ってね!」
えり「それでは、次のコーナーですが……え? 時間が押している?」
咏「えりちゃんさぁ、時間の管理はしっかりね」
えり「ええ、主に三尋木プロの脱線で時間を食ったような気がしますけども!」
咏「ところでさ、この番組ってなんて名前だっけ?」
えり「三尋木咏の適当レイディオです」
咏「人を指して適当とか酷くね? ここはもう、はりえりレイディオでいいっしょ」
えり「どうして私がメインみたいな番組名になってるんですか」
咏「そこはかとなく音楽家っぽさも加えつつ」
えり「はぁ……せめて私要素は半分でお願いします」
咏「なら、はりうたレイディオとか? はりうた、はりゅうた……うんうん」
えり「さりげに人の名字を全部使わないでくださいよ。他にもえりうたとかあるじゃないですか」
咏「自分の名前の方が先とか、えりちゃん案外目立ちたがり?」
えり「じゃあうたえりでいいですね!」
咏「や、こっちの方が目立っちゃうし」
えり「あぁもうっ!」
続かないよ
というわけで弟子になった時の周りの反応ということで
弟子になったことというより、プロを目指していることに反応してる感じの人もいますが
んじゃ、風呂入って寝ます
弟子になったことというより、プロを目指していることに反応してる感じの人もいますが
んじゃ、風呂入って寝ます
・どこかの未来、面影に重ねる思いは
「ふむふむ、なるほどですねー」マジマジ
「あ、あの……」
「ああ、これはとんだ失礼を」
「は、離れてくれるとありがたいんですけど……」
「おや? もしかして女性は苦手なのですか?」
「苦手っていうより、慣れてないというか」
「そうですか……じゃあ、まずは私をお姉さんと呼ぶといいのですよ!」
「ええっ」
「……」ジー
「えっと……なんかついてます?」
「目と鼻と口?」タユン
「ふ、普通ついてますよね?(胸でかっ!)」
「……気になる?」
「そんなまさか胸なんて全然見てないですからっ……あれ?」
「ふふ、黒糖食べる?」
「え、あ……い、いただきます」
「え……うそっ――あ、明星!」
「なあに? そんなに慌てて……あら?」
「どうも、お邪魔して――」
「――お兄様っ」ギュッ
「むぐっ」
「いつお戻りになったんですか? ずっとずっとお会いしたかったです、お兄様……!」ギュウウ
「わ、私もずっと……」ウルウル
「む、むぐぐ……」
「明星っ、苦しそうにしてる」
「なに言ってるの? お兄様だったらこのまま抱え上げて……あら? なんだか縮みました?」
「それに、よくみたら若返ってるような……」
「……もしかして」
「……別人?」
「た、多分そうだと思います……」
「お茶のおかわり、いかがですか?」
「ありがとうございます……」
「お疲れですね」
「ちょっと長旅でしたから」
「それと、年上の女性に詰め寄られて、とか」
「あはは……僕の顔って珍しいのかな」
「というより、懐かしいんだと思いますよ。みんなも、私も」
「懐かしい……」
「それじゃあ、またなにかあったら呼んでくださいね」
「あ、はい」
「……」
(思い返してみれば、みんな見覚えのある人たちだった)
(永水女子、母さんのチームメイトだった人たち)
(僕が見た写真よりは成長していたけれど、20年も経ったことを考えれば若すぎるくらいだ)
『ご飯できましたよ~』
(……あのぽややんとした母さんみたいに)
(だけど、一人足りない)
(巫女服を着た母さんのチームメイトは、もう一人いたはずだ)
(あえて言うなら、あの人が似てる気が……)
「すみません、お待たせしてしまって」
「あ、いや、そんな」
「私がお招きしたのに、お姉様方に任せっきりにしてしまいました」
「お姉様方?」
「はい。普段はいらっしゃらないんですけど、今日は特別なんです」
「あー……僕、ちょっと間が悪かったですね」
「いいえ、私のお客さんですから。こう見えて私、姫なんです」
「姫……」
(普通の女の子がそう言うのと違って、違和感はなかった)
(きっと本気で言っている)
(現実離れして綺麗なこの人が、この浮世離れした場所の姫)
(異論を挟む気も起きなかった)
(それは決して得意気に張られた胸に視線が行ってるからじゃなくて……いや、本当に)
「……あれ?」
(ふと、その背後にゆらめく何かを見たような気がして)
(目をこすって、こらしてみてもそこには何もない)
(……見間違いだったんだろうか)
「どうかなさいましたか?」
「えっと……ここ、広いですけど、普段は一人で住んでるのかなって」
「そんなことはないですよ。今日はちょっと不在ですけど、六女仙がいますから」
「あの、ご両親は?」
「今日はお母様もいらしてるんです。ご紹介しますね」
「え、ええっ、紹介!?」
(いやいやいや、ちょっと展開早すぎない!?)
(出会ってその日に両親に挨拶とか!)
「折角の新しいお友達ですもの」
「あ……お友達」
(急に現実に引き戻された気分だった)
(こうして家まで招いてくれたんだから、少なくとも嫌われてはいないとは思ったけど)
(それにしても……友達かぁ)
「あの、少し馴れ馴れしかったでしょうか? 私たち、初対面なのに」
「いやいやそんな!」
「良かった……実は、何故だかあなたのことは他人と思えなくて」
「え、それって……」
「なんだか、弟みたいだなって」
「……そうですか」
(そりゃまあ、どっちも自毛で色が同じだし、僕の方が年下だし?)
(客観的にそう見えなくはないのかもしれないけど)
(だからって弟って……)
「……」ズーン
「あら? もしかして体調が優れませんか?」
「いえ……いたって健康体です」
『入っても構わないかしら?』
「あ、お母様。どうぞ」
「えっ」
(まさかの心の準備ができないままボス戦突入)
(いやボスってなんだ落ち着け僕)
「初めまして、私は――」
(なぜか言葉が途切れた)
(いや、このパターンには覚えがある)
(ここで出会った大人たちは、みんな少なからず同じ反応を見せたのだから)
(この人も、きっと僕にだれかの面影を重ねているのだろう)
(ふと、見上げれば)
「ああ、ああっ……」ポロポロ
「お、お母様?」
(どこか母さんに似た、ものすごい美人の涙)
(明らかに、僕を見て泣いていた)
(こうなると経験の少ない僕はもう、うろたえるしかない)
(だから、二回目だというのに反応が遅れた)
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