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元スレ八幡「お前の21歳の誕生日、祝ってやるよ」雪乃「……ありがとう」
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八幡「ぼっち11年目、か……」
八幡「(俺のぼっちデビューは、小5の初冬ごろだしな)」
八幡「(8月で21歳になった俺、ぼっち歴が人生の半分を占めていることになる)」
八幡「(……何がどうして俺はこんな計算を解いてしまったんだ、余計虚しくなってきた)」
八幡「(恐らく、この寒さが思考回路に不具合を生じさせ
ピュゥゥゥー
八幡「うぅぅ……さぶっ」
八幡「(季節は秋から冬へ移る頃。落ち葉が街の道路を覆い尽くす)」
八幡「(喉を渇かせるカラッカラの外気と、冷たさで身体を縮こませるような北風がダブルで俺をいじめてきやがる……」
八幡「冬うぜぇ……」ボソリ
SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1399037593
八幡「(俺のぼっちデビューは、小5の初冬ごろだしな)」
八幡「(8月で21歳になった俺、ぼっち歴が人生の半分を占めていることになる)」
八幡「(……何がどうして俺はこんな計算を解いてしまったんだ、余計虚しくなってきた)」
八幡「(恐らく、この寒さが思考回路に不具合を生じさせ
ピュゥゥゥー
八幡「うぅぅ……さぶっ」
八幡「(季節は秋から冬へ移る頃。落ち葉が街の道路を覆い尽くす)」
八幡「(喉を渇かせるカラッカラの外気と、冷たさで身体を縮こませるような北風がダブルで俺をいじめてきやがる……」
八幡「冬うぜぇ……」ボソリ
SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1399037593
八幡「(こういう身も心も乾いた状態には、あったか~いMAXコーヒーが必要だ)」
八幡「(あまーい香りとテイストが心と喉を潤し、食道を伝って全身を温める)」
八幡「……買うか」
八幡「(そうと決まれば、コカ・コーラの自販機~っと……)」キョロキョロ
八幡「(!! あの赤い筐体、間違いない!)」スタコラサッサ
八幡「ん?」
「……………………」ボーッ
八幡「(なんだよ、先に買う奴いるのかよ……早くしてくれ」
「えっ……………」
「あ……すみません」チラリ
八幡「」
八幡「(声出しちまったあああああああああ悪いのはどの口だ!!)」
八幡「あ、だいじょぶ、すよ。ゆっくり選んでください……」
「ごめんなさい、すぐに買いますから」
八幡「はい……」
「…………………」ボーッ
八幡「…………………」
「…………………」キョロキョロ
八幡「っ………………」
「…………………」ボーッ
八幡「前言撤回」
「え?」チラリ
八幡「急いで買ってくれませんか! 俺も寒いもんで、早く温かいコーヒーが飲みたいんだよ!」
「あ、えっと、」クルッ
「本当にごめんなさい……」ペコリ
八幡「いや、謝罪とかいいんで。早く買って(去って)くれれば」
「わかりまし……」ジッ
「……あら?」
八幡「?」
「あなた………比企谷、くん?」
八幡「は? ……なんで俺の名前を……」
「あ、メガネ取って、髪下ろせば分かるかしら」スチャ スル
八幡「!?」
「……思い出してくれた、かしら?」
八幡「……雪ノ、下……?」
・・・・・・・・
ピッ ガコン
八幡「……ほれ」スッ
雪乃「ありがとう……」
八幡「自販機での買い方知らないとか、現代人失格だろ」
雪乃「あなた、それを大昔の天皇陛下に言ってみなさい。即死よ」
八幡「お前天皇陛下じゃねぇしな」
雪乃「っ………」
雪乃「でも、助かったわ。私も寒かったから温かいものを飲みたかったのよ」
八幡「あのままだと永遠に買えず、凍死してたろうな」
雪乃「そしたら、そうなる前に諦めてコンビニで買うわよ。本気でそんなこと考えてるの?」
八幡「お前さ、ジョークって知ってる?」
雪乃「んくっ………」ゴク
八幡「おいユキペディア、俺が反論した途端に飲んでスルーするの止めてくれ」
雪乃「ふふっ……少し噴き出しそうだったじゃない」
八幡「こんなこと言わせるからだろうが」
八幡「(うっわ懐かしいな、こんなやりとり)」
雪乃「あ、言い忘れてたけれど、お久しぶりね」
八幡「おう、今さらだな」
雪乃「高校卒業以来……よね?」
八幡「そうだな、2年半前か」
雪乃「もうそんなに経つのね……」
八幡「歳を取るごとに、時間の経過が早く感じていく一方だな」
雪乃「言うことがおじさんみたいよ。老けたのね」
八幡「うっせ、思ったこと呟いただけだろ」
雪乃「ふふ、でも性格や口調はあの頃から変わらず、ね」
雪乃「あと、その腐った目。あの頃より腐敗が進行したかしら?」
八幡「腐ってねぇし、約三年間じゃそんなに変わらないだろ……」
雪乃「……そうね」
八幡「(……さて、どうしたものか)」
八幡「あー、ところでさ」
雪乃「?」
八幡「せっかく、二十歳を超えて偶然再会したんだ」
八幡「……呑み、行かないか?」
雪乃「ナンパはお断り」
八幡「ナンパじゃねぇって……。プチ同窓会、って感じで」
雪乃「……しょうがないわね、いいわよ」フフッ
・・・・・・・・・
居酒屋
ワイワイ ガヤガヤ サケガノメルゾ
ハナキンバンザイ アサマデコース
八幡「んぐっ、ぷはぁぁぁぁぁーー、染みるなああぁぁぁぁ」
雪乃「ちょっと、うるさいわね」
八幡「ビールはな、年がら年中旨く飲める炭酸飲料なんだよ」
雪乃「そんなに美味しいかしら?」
八幡「飲んだことないのか?」
雪乃「一度、挑戦してみたけれど……ただの苦いスパークリング酒ね」
八幡「馬鹿だな、この苦味が良いんだよ。あとこののど越し」
雪乃「将来、酒に溺れなきゃいいけど。あ、もう既に溺れてるのかしら」
八幡「ビール一杯ごときでこの言われようか」
雪乃「ふふ……」クスッ
八幡「お前、普段は酒飲まないの?」
雪乃「極たまに……ね」
八幡「なら頼めばいいだろ。なに可愛こぶってカルピスなんか飲んでんだよ」
雪乃「どこが可愛こぶってるように見えるかしら?」
八幡「特にあれだ、ストロー使ってるあたりな! こんな細いグラス、直接飲めや」
雪乃「……何よ、ならどうしろというのよ」ムッ
八幡「すいませーん」
店員「はいはい!なにしやしょう!」
八幡「カルピスサワーひとつ」
店員「がってん承知!」
雪乃「ち、ちょっと」
八幡「……つまりな、お前も酒を飲めってことだ」
・・・・・・・・
店員「お待たせしましたぁ!カルピスサワーでっす!」ゴトッ
雪乃「っ………………」ジトー
八幡「そ、そう睨むなよ……」
八幡「(久々にこいつの鋭い視線浴びると、心折れちゃいそう)」
雪乃「はぁ……わかったわ、飲めばいいんでしょ?」
八幡「お? 高校時代に比べてノリ良くなったな」
雪乃「いいえ、単純に売られた喧嘩を買っただけ」ギロッ
八幡「すいませんでした」
雪乃「……ほら」スッ
八幡「ん?」
雪乃「だから……その、グラスとグラスを交わすでしょう?」
八幡「……あぁ、カンパイ」
雪乃「……乾杯」
カキン
八幡「んぐ…………」グービ グービ
雪乃「んっ………」ゴキュ
八幡「てゃーーーーー!!ええなぁ!」
雪乃「あなた、酒を飲むとまるでテンションが違うのね」
八幡「ああ、なんかビールを飲むときだけこんな感じなんだよ」
八幡「(絶対、親父の遺伝だよな)」
雪乃「……なんだかコレ、普通のカルピスと違うわね」カラン
八幡「そりゃな、酒を混ぜてるわけだし」
雪乃「意外と、」
八幡「ん?」
雪乃「……美味しいじゃない」ニコッ
八幡「…………」
八幡「あ、よっ、よかったな」
八幡「(あぶねぇ……いまの笑顔に見惚れてた……)」
八幡「と、ところで、どうだ大学は」
雪乃「どうって?」
八幡「いや、なんだ。楽しいとか、友達できたとか」
雪乃「また喧嘩売ってるの?」ニッコリ
八幡「ちげぇよ! 今のは例えとして挙げただけだろうが」
雪乃「クスッ……そうね、興味のある講義を選んで受講が出来るから、その点では楽しい、かしら?」
八幡「そか、良かったな」
雪乃「そうね……でも」
八幡「でも?」
雪乃「総合的に言えば、高校時代の方が……」
八幡「……実は俺も、」
雪乃「疲れやすかったわ」
八幡「楽しかっ……は!?」
雪乃「何かおかしなこと口走ったかしら?」
八幡「いやお前、脈絡的にそこは『高校時代が楽しかった』って繋がるだろ」
雪乃「決めつけはよくないわ。中学時代の失敗を教訓に、その癖直したんじゃないの?」
八幡「お前、思い出したくのない過去を……!」
雪乃「冗談よ」
八幡「あ?」
雪乃「……正直に言うと、楽しかったわ」
雪乃「特に……あなたが奉仕部に入ってきた辺りから」
八幡「っ………………」
雪乃「直後に由比ヶ浜さんも入部し、私たち三人で依頼を解決させるためにお互いが手助けしあった」
雪乃「私、それまで他人とまともに協力し合うなんてこと、した試しが無かったから……」
雪乃「奉仕部で過ごした日々は、今となっては貴重な経験ばかりね」
八幡「……俺も、そんな感じだな」
雪乃「そう。卒業してから気づくのよね」
八幡「確かに」グービ
雪乃「ふふ、久々に会ったら、珍しく考えが一致したわね」
八幡「そうだな。あの頃は『青春なんて欺瞞だ』なんてほざいてたけど」
八幡「……充分、青春とやらを謳歌してたんだよな」
八幡「俺も、お前も」
雪乃「……そうね」
八幡「……そういや、由比ヶ浜とは今でも会うのか?」グービ
雪乃「連絡は来るけれど、大学が忙しくて会えてないの」
八幡「そうなんか……」
八幡「(俺なんて、卒業式の日に由比ヶ浜から告白され、フッて以来会ってないな……)」
八幡「(……元気かな、あいつ)」
八幡「……会いたいか? 由比ヶ浜に」
雪乃「……ええ」
八幡「ふっ」
雪乃「なによ」
八幡「いや……お前、丸くなったなぁと思ってな」
雪乃「そ、そうかしら?」ペタペタ
八幡「顔じゃねぇよ、性格面の方」
雪乃「……そ」ホッ
八幡「ああ。あの頃のお前は、ここまで素直な気持ちを表に出さなかった」
雪乃「……実感は無いわね」
八幡「まあ自分の変化は主観的じゃそうそう気づかないからな」グービ
雪乃「……比企谷くんは、素直な女の子は好き、かしら?」
八幡「ぶふぉっ!」
雪乃「ひゃっ! ちょっと、汚いわよ……」
八幡「お前が突然そんなこと訊いたりするからだろ!」
雪乃「い、いいから答えてちょうだい」
八幡「……嫌いじゃねぇよ」
雪乃「そう……嫌いじゃない、のね」
雪乃「んくっ……」ゴキュッ
八幡「おかわりするか?」
雪乃「あなた視力低下したの? まだ半分くらい残ってるのだけれど」
八幡「俺がもう空っぽなんだよ」
雪乃「酒豪アピールかしら」
八幡「そんなんじゃない。注文はまとめてする方が効率的だろ? 客にとっても店側にとっても」
雪乃「あら、更生して良い消費客になったのね」
八幡「元が迷惑な客みたいな言い方じゃねぇか」
雪乃「そうだったでしょう? ほら奉仕部の活動で、確か……そう、あの時よ」
八幡「いつのことだよ」
1時間後
・・・・・・・・・・
雪乃「んくっ、んむっ……」グービ グービ
八幡「あらららららま」
雪乃「ぷはぁ、ヒック……」
八幡「おいおい、俺より飲みっぷり良いじゃねぇか」
雪乃「あらぁ、あなたが大したことないだけでしょう?」
八幡「くっ、こいつ……」
雪乃「ちょっと比企なんとかくん、あなたビール飲むわよね?」
八幡「は!? 俺まだ半分くらい残ってんですけど」
雪乃「まとめて頼んだ方が効率的だって、さっき言ってたじゃないのよぉ」
八幡「いや、お前のほっそいグラスと中ジョッキじゃ、あからさまに量ちがうだろうが!」
雪乃「問答無用。すみませーん」
八幡「お前、ちょっと酔っぱらってるだろ?」
雪乃「そんなわけないでしょう? たかがカルピスサワー2杯ごときでー」
八幡「いや、俺お前の酒の強さ知らんから、2杯がたかがなのか計り知れないんだが」
雪乃「うるさいわね、男のくせに。そっちから誘っておいて」
八幡「あのさぁ、俺はお前を心配して
店員「はい!なにしやしょう!」
雪乃「カルピスサワーと生中、あーとーはー枝豆!」
店員「がってん承知!」
八幡「(なんか今のこいつを見ると、平塚先生を思い出すんですがこれは……)」
八幡「(なんか波乱の予感……いや、悪寒が……)」ブルルッ
2時間後
・・・・・・・・
雪乃「で、くっさい香水を付けた先輩が言ってきたの」
雪乃「『あんた、モテてるからって調子のってんじゃないわよ』って」
雪乃「だから私は言い返してやったわ」
雪乃『そんな化粧ベタ塗りに悪臭ともいえる香水を多量にまとってたら、そりゃあ男も寄らないわよ』
雪乃『モテようと、おめかしの一つもしない私に負けるなんて、情けないわねあなた』
八幡「お、おう……」グビ
雪乃「そしたらその女、突然泣き出したかと思ったら逃げちゃって。もう心の中で嘲笑ってやったわ!」
雪乃「それでその先輩、翌日になったら化粧薄くして登校してきたの(笑) 真に受けてるこの女、と思ったわね(笑)」クスクス
八幡「(こいつ、酔っぱらうとこんな喋るのか……こえぇ……)」
3時間後
・・・・・・・・・
雪乃「ヒックー……ねぇ、ヒック谷くんっ」
八幡「なんかリズミカルな呼び方だな、なんだよ」
雪乃「あなた、今夜は何時までいられるのかひら?」
八幡「あ? まぁ、まだ21時廻ったとこだし、終電までいることはできるが」
雪乃「そう、そしたら他の店行きましょっ」
八幡「ファッ!? んな酔っぱらってんのに、はしごする気かよ!」
雪乃「だって……せっかく、久々に会えたのよ?」
八幡「あ、会えた……?」
雪乃「なに困惑してんのよ、気持ち悪い」
八幡「(だめだ、酔っぱらってるときのコイツ絡みづれええぇぇ!!)」
・・・・・・・・・・
カラオケボックス
雪乃『見つめるたび ドキドキしてる!
君にもっと近づきたいよ!
甘い予感 とけちゃう前に気づいてね
甘い予感~♪』
八幡「(コイツがカラオケ行こうだなんて言うとは思わなんだ……)」ガクッ
八幡「しかも唄うめぇし……」ボソッ
雪乃『なにか言ったかしら?』グワーン
八幡「ハウリングうっさ! マイクで訊いてくんなよ!」
雪乃「ふふっ。ほら、あなたも次の曲入れなさい!」
八幡「あーへいへい、入れとくから……」
八幡「(こんなノリノリな雪ノ下、見たことねぇや……違和感ハンパなっ)」
雪乃『読みかけのストーリー 続きは後にして~♪』
・・・・・・・・・
八幡『せーかいーにひーとーつだーけーのはーなー』
雪乃『ちょっと、本気出して唄ってほしいのだけれど』グワーン
八幡『だああ!ハウリングうっせぇんだって! しょうがないだろ、酒回ってんだから』
雪乃『それにしても、歌詞をスティックリーディングしすぎよ』
八幡『スティ……ああ、棒読みか。ルー語とか古すぎんよ』
雪乃『あなたの唄っているその歌こそもっと古いじゃないの。2003年よ?』
八幡『んなこた言ったって、知っている曲はこんな感じの有名なやつとアニソンくらいなんだよ』
雪乃『あ、ほら二番始まるわよっ』
八幡『あっ!? こ、こまったーよおーにわらーいながーらー』
2時間後
・・・・・・・・・
カラオケ店員「アランドロン オダイバキター」
八幡「もうくったくただわ……」
雪乃「ふふっ、楽しかったわ、ありがと」
八幡「お前、居酒屋であんだけ呑んだのに、よくカラオケでも更に呑めたな……」
雪乃「勢いづいちゃったのよ、しょうがないでしょ?」
八幡「やれやれ……お前の方がとんだ酒豪だわ」
雪乃「あ……なんだか、足がおぼついて……」ヨロヨロ
八幡「あーあ、お前やっぱり飲み過ぎなんだよ……」
雪乃「うう……」
八幡「……お前、家は高校時代のマンションのまんまか?」
雪乃「えぇ、そうよ……」
八幡「(こっからそう遠くないな……しょうがない)」
雪乃「比企谷くん、もう一軒!」ピシッ
八幡「いたっ、行くわけねぇだろうが」
雪乃「ええー……」
八幡「お前はもう帰って寝た方が良い。ただ、いまのお前は一人で帰れそうにないくらい泥酔している」
雪乃「そ、しょんなことないわよ」
八幡「呂律も回ってねぇじゃないのさ……」
八幡「(こんなに可愛かったっけ、コイツ?)」
八幡「(…………………よし、)」
八幡「ほら」スッ
雪乃「??」
八幡「……こっからそんな距離もないし、おぶってってやるから」
雪乃「……下心あるでしょう?」
八幡「なに急に酔い覚めたような口調になんだよ。ビックリした」
雪乃「気になったのよ」
八幡「ねぇって! ただおぶって送ったら真っ直ぐ帰るだけだ」
雪乃「本当にそうかしら。ま、いっか」
ギュッ
八幡「!!」ドキッ
雪乃「……家まで、お願いしゅるわ……」ムワッ
八幡「(あ、だめだ、一瞬ドキッとしたけど酒臭さに揉み消されたわ)」
八幡「じゃ、行くぞ?」
雪乃「ええ……」ギュッ
八幡「……………………」ノッシ ノッシ
雪乃「もしエッチなことしたら、大声あげるわよ?」
八幡「だから、するかっつーの! こんな寒空の下!」
雪乃「なによ、あなたが大声出さなくたっていいでしょう」
八幡「そんなこと訊いてくるからだろ……。あのな、絶対にスケベなことはしないから、絶対にだ!」
雪乃「……それだとまるで遠回しに、私は女としての魅力が無いみたいな言い方よね」シュン
八幡「じゃ、どうしたらいいんだよ!?」
八幡「……別に、お前に魅力を感じないとは言ってないだろ」
雪乃「っ……………」
八幡「その……だな、久々にお前と会ってみたら、少し色っぽくなったなぁと思った」
八幡「艶めきが上がったというか……更に女性っぽさが露になってたように見えたな」
雪乃「…………………」
八幡「ま、もともと校内で一番の美少女だったしな。容姿は」
八幡「……だから、なんつーか」
八幡「お前はあの頃よりも、魅力が増してる。」
雪乃「……すぅ……すぅ…………」
八幡「(そりゃねーぜーー!!【江頭風に】)」
・・・・・・・・
県内某高層ビル
八幡「(てか、雪ノ下の住むマンションだけど……)」
雪乃「すぅ……すぅ……」
八幡「おーい起きろー」ユスユス
雪乃「んんぅ……ほえ、な、何かしら……?」
八幡「ほえ?じゃねぇよ。正面玄関はどうやって開けるんだよ」
雪乃「あ、そこのテンキーに暗証番号を入力するのよ」
八幡「番号はよ」
雪乃「えっと……確か、4649……」
八幡「4649な?」ポチポチ…
ブブーー
雪乃「というのは冗談よっ」
八幡「そりゃそうだろうな!」
八幡「(あからさまに嘘っぱちな番号、夜露死苦!!)」
雪乃「ふふ、8782よ」
八幡「8782な?」ポチポチ…
八幡「お、開いたな」
雪乃「『ヤなやつ』って覚えるといいわよ」
八幡「欲してもいない豆知識、どうもありがとう」
八幡「(くそっ、完璧に覚えちまった。使い道ねぇよ……)」
八幡「(……本当に、無いんだよな?)」
雪乃「ほら、閉まっちゃうわよ」
八幡「あっ、おとと……」ノシノシ
ウィーーン
八幡「で、何階だっけ?」
雪乃「それくらい自分で思い出してちょうだい」
八幡「は!? 覚えてねぇよ!」
・・・・・・・・
ガチャ
八幡「はいはい、お邪魔しますよー」
雪乃「ただいま」
八幡「電気……おい、照明のスイッチどこだ」
雪乃「酔っぱらってる私が確実な答えを言うとでも?」
八幡「なに開き直ってんだこの野郎……! あーあったあった」パチッ
雪乃「うっ、まぶし……」
八幡「どうせすぐ暗い寝室に着くんだから、我慢しろ」
雪乃「んん……」
八幡「………………」ノッシ ノッシ
八幡「(今さらだけど俺、すごい偉業に取りかかってんのな)」
八幡「(自販機の前でばったり、高校卒業から2年半後に雪ノ下と再会して)」
八幡「(そのあと居酒屋で酒を酌み交わ……してはないが、でも、一緒に呑んで)」
八幡「(酔っぱらった雪ノ下を、こうして家までおぶって送ってきてしまった……)」
八幡「(なんだよ、この10年以上前の月9ドラマ的展開は)」
八幡「(まさかこいつを、寝室まで運ぶなんてな……)」
八幡「(……てことはやはり、このあと俺はコイツと……)」
ゴンッ
八幡「いだっ!!」
雪乃「馬鹿ね、なにドアも開けないでリビングに入ろうとしてるのよ……」クスッ
八幡「いつつ……てか、お前をおぶってるから開けらんねぇんだよ」
雪乃「わかった開けるわ、ほら」ガチャ
八幡「えーと、お前の寝室はどこだ」
雪乃「入ってすぐ左の引き戸のところよ」
八幡「ん?ああこれか。開けてくれ」
雪乃「……入るの?」
八幡「しょうがないだろ、ベッドまで運び終わったらそこで初めて任務が完了するんだ」
雪乃「…………そう」
雪乃「それならほら、入って」ガラッ
八幡「う……」ドキッ
八幡「(……やばい、雪ノ下の匂いでいっぱいだわこの部屋)」
八幡「(ついに、入っちゃうんだな……こいつの寝室に)」
ヨテヨテ……
八幡「どれだよベッドは……」
雪乃「右向け右」
八幡「あ? あ、あのデカいはんぺんみたいなやつか」
雪乃「その例えを用いた意味がわからないから、スルーするわ」
八幡「ありがとさん……ほれ、降りろ」
雪乃「ええ、ありがと……」スッ
八幡「(さて……どうするか……)」
八幡「(ここで俺が理性をぶち壊してコイツを押し倒し、一夜を過ごしたらどうなるだろう)」
八幡「(俺の気持ちはどうなのかって?」
八幡「(……そりゃ当然、一緒に寝たいさ)」
八幡「(俺が卒業式の日に由比ヶ浜からの告白を断った理由は、当時から雪ノ下のことが意中にあったからだ)」
八幡「(いまでもその気持ちは残っている。なんなら、あの頃から未だに薄れてすらいない)
八幡「(だから勇気を振り絞って、呑みに誘った。あのまま別れたくないと、素直にそう思ったから)」
八幡「(結果的にとんとん拍子のごとく、ここまで来たが……)」
八幡「(……ここで俺は、雪ノ下のことを抱いてしまってもい
ギュウゥ……
八幡「!!」
雪乃「………………」ギュウゥ
ドクンドクンドクンドクンドクン……
雪ノ下のことがあったから由比ヶ浜振られたのか
けど、八幡は由比ヶ浜のように雪ノ下のように告白してないんだよな
けど、八幡は由比ヶ浜のように雪ノ下のように告白してないんだよな
八幡「……おい、雪ノ下」
雪乃「……何、かしら……」ギュ…
八幡「どうしたんだ、急に」
雪乃「……私、酔っぱらっちゃってるのよ……」
八幡「ほう……酔っぱらってる、ねぇ……」
八幡「(俺がさっき、雪ノ下が泥酔していると知りながら押し倒さなかったのには、もちろん理由がある)」
雪乃「……比企谷くん……、帰らないで……」
八幡「どうして、そんなことを」
雪乃「……いまの私は、酔いでどうにかしちゃっ
八幡「お前、酔い覚めてるだろ?」
雪乃「!!」
一旦ここまで
続きは、いま書いてる猫カフェの話が完結してからのつもり
雪乃「比企谷くんと猫カフェへ行ってきたの」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1397408966/
ついでにこんなスレも立ててるので、よかったら
八幡「奉仕部がパワフル高校へ出張?」【俺ガイル×パワプロ】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1397937926/
続きは、いま書いてる猫カフェの話が完結してからのつもり
雪乃「比企谷くんと猫カフェへ行ってきたの」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1397408966/
ついでにこんなスレも立ててるので、よかったら
八幡「奉仕部がパワフル高校へ出張?」【俺ガイル×パワプロ】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1397937926/
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