元スレ武内P「アイドル達に慕われて困っている?」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ○
801 = 767 :
良い忘れそうなので、あらかじめ
今週の日曜は書けないと思います、申し訳ない
802 :
りょ~。いつも楽しく読ましてもらってます。お疲れ様です。
803 :
おつ
そして楓さんハピバ
武内Pは何をプレゼントするのだろう
804 :
おつした
クローネに回ることを考えたらかな子はまだマシだったのかな
805 :
乙
大切に保管ではなくちゃんと飯詰めて持ってこよう武内くん!
そうすればアイドルたちも安心する……するよね?自分が弁当作る機会なくなって悔しがったりしないよね?
806 :
楓さんの誕生日には流石のしぶりぶりんも何もしないはず
807 :
>>803
誕生日だからといってお祝いSSが来るとはかぎらんぞ?
花に嵐のたとえもあるし
808 :
全裸の武内Pにリボン巻いて楓さんの部屋に転がしておこう
809 :
武内Pの武内Pにリボンとか変態的過ぎませんかね?
810 :
>>809
いや、もうそれは日常ですよー(白目)
811 :
変装した常務が新人事務員として潜入して、Pの働き方にブチ切れさせたい
812 :
>>811
アンダーカバー・ボスかよ
813 :
カーチャン属性の常務ならやりかねない
814 :
>>806
書きます
815 = 814 :
「6月14日の予定、ですか?」
プロジェクトルームの、自分のデスクで仕事中のプロデューサーに、尋ねる。
PCを操作する手を止め、上着から手帳を取り出し、確認。
めくれていくページ、流れる視線。
その一挙手一投足を緊張しながら、見つめる。
「――渋谷さんは、ダンスレッスンの予定が入っていますね」
……ちょっと、聞き方を間違えたかな。
そうだよね、普通に予定を聞いただけじゃ、そう応えるのが自然な流れだよね。
なんでだろ、いつもはこういう失敗はしないのに。
少し、緊張してるのかな。
「ごめん、私の予定じゃなくて」
聞き直さないと、いけないよね。
……まあ、いけないことは無いんだけど、一応、聞いておきたい。
だって――
6月14日は、誕生日だから。
「プロデューサーの、その日の予定」
当然、私の誕生日でも無いし、プロジェクトのメンバーのでも無い。
智絵里の誕生日はつい先日だったけど、平日だったから、週末に誕生パーティーをする予定。
その時は、かな子がはりきってケーキを作るって……って、今はその話じゃなかった。
今は、プロデューサーが、その日にどうするかが、知りたい。
「私の予定、ですか?」
自分の予定を聞かれるとは思ってなかったのか、少し、呆けたような顔をしてる。
そうですね、と思案する姿を見ていると、
何故か、LIVEの直前のように緊張して、拳を握りしめているのがわかった。
何て答えて欲しいのか、自分でも、よくわからない。
わからないのに、凄く、緊張する。
「うん。特別な予定とか、あったりする?」
6月14日、プロデューサーは、どうするの。
あの人の誕生日だから、何か、してあげたりするのかな。
プロデューサーの事だから、実は、もう何か考えてたりして。
ねえ、どうなの?
「いえ……特に、ありません」
プロデューサーの、その言葉を聞いて、私の手からフッと力が抜けるのを感じた。
知らない間に、強く……想像以上に、強く手を握りしめていたらしい。
そっか、プロデューサー、特に予定は無いんだ。
「そうですね……渋谷さんのレッスンを見学させて頂いても、宜しいですか?」
不思議な安堵の後に、不可解な緊張を感じた。
816 = 814 :
・ ・ ・
「……」
事務所内の長い廊下を歩く。
その足取りは、私の名前の様に、凛としたものじゃない。
それは、きっと、本来私が感じる必要の無い、後ろめたさのせい、だと思う。
……なんでだろ、なんか……納得出来ない。
「……」
結局、私はプロデューサーの申し出を受け入れた。
だって、あの人は私のプロデューサーだから、断る理由は無い。
プロデューサーは、シンデレラプロジェクト二期の仕事も控えていて、
私は、シンデレラプロジェクトと、クローネの仕事もあり、レッスンを見て貰うのは久しぶり。
だから、気合が入るし、嬉しいとも思う。
「……」
なのに、素直に喜べない。
足を前に出すのが億劫だし、胸を張って、前を見て歩く事が出来ない。
下がった視線は、靴の少し先の、磨き上げられた廊下に固定されてる。
今の私を見て、アイドル、渋谷凛だと思う人が、どれだけ居るだろうか。
プロデューサーの言う、笑顔とは程遠い、今の私を――
「凛ちゃん」
――呼び止める、とても綺麗な声が聞こえた。
突然声をかけられたのに、その声があまりに優しすぎて、驚きはしなかった。
この声の主を私は知ってる。
先輩アイドルとして、私達、ニュージェネレーションズに、アイドルの在り方を教えてくれた人。
6月14日が、誕生日の人。
「楓さん」
視線を向けた先――談話スペースの長椅子に、楓さんは座ってた。
左手を私に向けて小さく振りながら、優しく微笑んで。
「おっ、おはようございます」
その姿に見惚れそうになったけど、慌てて挨拶する。
「はい、おはようございます」
その、挨拶する時の笑顔が、とても輝いて見えて。
私の足は、吸い寄せられるように楓さんに向かって歩を進めた。
817 :
きれいなしぶりん?
818 = 814 :
・ ・ ・
「6月14日の予定?」
休憩スペースの――楓さんの隣に座って、尋ねる。
空になったコーヒーの缶を弄ぶ手を止め、首を少し傾けて、思案。
流れる雲が、窓からの光を遮り、また流れ、陽の光を差し込ませる。
移り変わる太陽のスポットライトに照らされる楓さんを見つめる。
「――その日は、確かボイスレッスンの予定が入ってるわ」
……また、同じ失敗……それも、この短時間で。
そうだよね、この人も、形は違うけど、かなりの仕事人間だった。
職場で、先輩と後輩っていう立場だったら、そう答えるよね。
まあ、私がプライベートな質問をするって、思われなかっただけかも。
「すみません、仕事の予定じゃなくて」
だから、ちゃんと聞き直そう。
……多分、瑞樹さんや早苗さんと、飲みに行ったりするんだと思うけど。
だって――
一年に一回の、誕生日だから。
「仕事が終わった後の……えっと、プライベートの予定です」
そんな質問をされると思ってなかったのか、ちょっと驚いたみたい。
左手を頬にやって、少し困ってる。
だけど、その困り方が、私がプライベートの予定を聞いたからとは、違うように見える。
楓さんは、誕生日をどう過ごすか、聞いただけなのに。
「そうね、仕事が終わった後の、プライベートの予定は――」
楓さんの指先が、缶の縁をついと、なぞる。
さっきまで、明るかった表情は、日が陰ったせいか……一瞬、暗く見えた。
あの、どうしてそんな顔をするんですか?
「仕事が終わったら……ふふっ!」
楓さんは、笑った。
「バースデーだけど、真っ直ぐ、バスで帰りまーす♪……うふふっ!」
私は、笑えなかった。
楓さんの言ったダジャレが……えっと、ごめんなさい。
っと、それが理由じゃなくて、もっと、別の理由。
「あの……何も、しないんですか?」
誕生日なのに? という続く言葉は、言えなかった。
むしろ、楓さんのあんな笑顔を見て、何か言える人って、居ないと思う。
それが、無性に悔しくて、情けなくて、申し訳なくて。
私は、全力で踊ると、そう決めた。
819 = 814 :
・ ・ ・
「プロデューサー!」
楓さんと別れた後、私は、プロジェクトルームに戻ってきていた。
さっき此処を出た時とは、まるで、足の軽さが違っていた。
心にかかってたモヤモヤが晴れて、凄く、スッキリした感じ。
うん、やっぱり、こうでなくちゃ駄目だよね。
「し、渋谷さん? あの……どうか、されましたか?」
デスクに両手をついて、上半身を乗り出す形になった私を見て、
プロデューサーは少したじろいだみたい。
もしかしたら、私が、怒ったような顔をしてるからかも。
ふふっ、今でこそ笑い話だけど、前に怒った時も、こんな感じだったっけ。
「6月14日は、誰の誕生日か知ってる?」
知らないって答えたなら、プロデューサーは関係ないかな。
……でも、きっと、知ってるんだよね。
だって、アンタ――
「はい……高垣さんの、誕生日ですね」
――プロデューサーだから。
「なのにアンタ、何もしないの?」
楓さんの言葉が、頭に浮かぶ。
・ ・ ・
「そうね……今年は、ちょっと皆お仕事の都合で」
「でもね、年齢を重ねるごとに、皆でお祝いとは……いかなくなってくるの」
「ちょっぴり寂しいけれど、それが、大人になるって事」
「うふふっ、それとも……凛ちゃんが何かしてくれるのかしら?」
・ ・ ・
「いえ、しかし……私は、彼女の担当ではありませんし」
プロデューサーの言ってることは、正しい。
そして、楓さんの言ってることも、間違ってないんだと思う。
――だけど、私は納得出来ない。
「だから、何?」
二人に比べて、私は、まだ子供。
だけど、子供には子供の――15歳の、正しさが存在する。
820 = 814 :
「プロデューサーって、楓さんと……知り合いなんでしょ?」
知り合い、とは言ったけど、多分、もう少し深い関係だと思う。
そうでなかったら、すれ違う時に挨拶を交わしたり、
私達の参考になればって、楓さんのLIVEを見せようとは考えないだろうから。
「ですが……私は……」
プロデューサーと楓さんは、少し似てる所があると思う。
こういう頑固な所とか……とは、楓さんには言えないかな。
いつもの私だったら、ここまではしない。
余計なお世話かも知れないし、それに……ううん、今は良いかな。
「6月14日の、誕生花は――グラジオラス、って言う花なんだけどさ」
私は、誕生日は、楽しいものじゃないと駄目だと思う。
だって、一年に一回しかない、大事な日だから。
それなのに、大人だからって、寂しいけれど、しょうがないって諦めて。
――ふざけないでよ。
「花言葉は色々あるけど、私は『思い出』が一番好きかな」
アイドルは、夢を見せて、笑顔にするものでしょ。
プロデューサーは、それを支えるものでしょ。
――なのに、誕生日くらい笑顔で過ごせなくて、どうするの!
「良いの? 楓さんの誕生日、仕事から直で帰るって思い出にして!」
思わず、大きな声が出た。
それを聞いたプロデューサーは、明らかに狼狽えてる。
「ま、待ってください! 渋谷さん!」
何を言うつもり?
中途半端な答えじゃ、許さないから。
「高垣さんの誕生会は――先週末、行いました!」
……はっ?
「ちょ……ちょっと待って?」
誕生会は……先週末に、もうやってた?
「じゃ、じゃあ! 仕事の都合で、皆でお祝いとはいなくなるって……そう、言ってたのは!?」
何それ……ねえ、何それ!?
「は、はい……全員一度にとはいかないので、今週末と、二回に分けて行うと……」
何なの、それ!?
821 = 814 :
・ ・ ・
「……はぁ」
ダンスレッスンの休憩中、汗を拭きながらため息をつく。
先日の、早とちりから来るおせっかいという失敗は、苦々しい思い出。
一人で緊張して、心配して、踊る……正に、ピエロだ。
「……はぁ」
よく考えてみれば、とても、当り前の事だよね。
私達だって、皆の予定が合わなければ、
誕生日当日でなく、別の日に誕生会をずらすんだから。
でも、楓さんの、あの暗い顔の理由が――
・ ・ ・
「恐らく、次の週末もやるのだからと、酒量を制限されていたから……かと」
・ ・ ・
――なんて、そんなのだったなんて!
「……」
本当、お酒の何がそんなに良いのか、全然わからない。
二週連続で、飲みたくなるようなものなの?
……まあ、誕生会だから、はしゃぎたくなる気持ちは、わかるけど!
わかるけど、楓さん、ちょっと紛らわしすぎ!
「……」
だから私は、ちょっとした仕返しをする事にした。
ダンスレッスンを見に来たプロデューサーを楓さんに送りつけたのだ。
来るとは思ってなかっただろうから、きっと、驚くんじゃないかな。
私だったら……うん、驚くね、絶対。
「凛ちゃ~ん♪」
「……」
だから、レッスンルームの入り口で、こっちを見てる楓さんは、何かの間違い。
右手を首筋にやりながら、困った顔で視線をさまよわせるプロデューサーは、幻覚。
「……~~もうっ!」
レッスン終了後に聞いた話だと、プロデューサーが向かった時には、
楓さんのボイスレッスンは、終了間際だったらしい。
うん……レッスンが同じ時間に始まるとは、一言も言って無かったもんね。
結局、バスには三人で乗ることになり、私の家のグラジオラスが少し売れた。
予定になかった外食は……まあ、悪くなかったかな。
おわり
822 :
良い
823 :
きれいなぶりしん
824 :
蒼にも人の心が残っていたのか…
825 :
予想外の綺麗な展開と意外なかわいいオチ
良きかな
826 :
凛ちゃんは人の心の分かるいい子
827 :
>>826
書きます
武内P(皆さん、今日もとても輝いていますね)
828 = 827 :
武内P(口には出せませんが、はい、素晴らしいです)
武内P(私は、彼女達を担当出来て、とても幸せ者ですね)
武内P「――と、今日の皆さんの予定は、この様になります」
武内P「それでは、今日も一日、宜しくおねがいします」
凛「ちょっと待って」
武内P「はい?」
凛「……」
武内P「……?」
829 = 827 :
凛「ねえ、途中から……その、変なこと言ってなかった?」
武内P「変なこと、ですか?」
武内P(渋谷さんは、何を仰っているのだろう)
武内P(私は、皆さんのスケジュールの確認をしていただけにも関わらず……)
武内P(何か、その途中で、彼女の気に障るような事を言ってしまったのだろうか?)
武内P(……だとするなら、早急に、解決しなければ)
凛「気に障るようなこととかじゃなくて!」
武内P「えっ?」
武内P(まさか……本当に、そうなのだろうか?)
武内P(頭の中で想定していた事が、まさか、本当だったとは……)
凛「……」
凛「ごめん、なんでもない、気にしないで」
830 = 827 :
武内P「いえ、しかし……」
武内P(彼女を不愉快にさせるような誤解ならば、一刻も早くその誤解を解かなくては)
武内P(そうでなければ、渋谷さんの笑顔に、陰りが生まれてしまう可能性がある)
武内P(彼女の素晴らしい笑顔が見られないという事態は、あってはならない)
武内P(あの……良い、笑顔を――)
武内P「あの……問題があるようでしたら、ハッキリと仰ってください」
武内P(――見続けていくためにも!)
凛「えっ!?/// なっ、何!?///」テレテレ
凛「ふーん、笑顔ね、素晴らしい笑顔……う、うん///」テレテレ
凛「ちょっ、ちょっと待って!///」テレテレ
凛「一回!/// 一回、ちょっと落ち着かせて!///」テレテレ
武内P「えっ?」
武内P(渋谷さんが、顔を赤くして……まさか、体調不良!?)
凛「そっ、そういうんじゃないから!///」テレテレ
831 = 827 :
凛「とにかく、プロデューサーは黙ってて!///」テレテレ
武内P「っ……!?」
武内P(渋谷さんの身に、一体何が起こって……!?)
武内P「――本田さん、島村さん」
未央・卯月「は、はいっ!」ビクッ!
武内P「渋谷さんを医務室に、連れて行って頂けますか?」
武内P(まずは、少し冷静になっていただく必要がある)
武内P(本田さんと島村さんならば、同じユニットで、信頼も厚い)
武内P(この二人ならば……安心して、彼女を任せられる)
武内P(とても頼れる……素晴らしい、お二人ならば)
未央「……えっ……そ、そう?///」テレテレ
卯月「え、っと……が、頑張ります……///」テレテレ
武内P「っ!? お二人も、顔が赤くなっていますよ!?」
武内P(まさか、ニュージェネの三人とも、何かの病気に!?)
832 = 827 :
武内P「本田さん、どこか、体調が悪いのですか?」
武内P(顔が赤く、視線が定まっていない……!)
武内P(いつもの、明るく元気な、彼女とは違う)
武内P(溌剌とした、太陽のような笑顔を振りまく、本田さんとは……!)
未央「い、いやもう何ていうか、そのね!?///」テレテレ
未央「あ、あははは……ちょ、ちょっとタイム!///」テレテレ
武内P「島村さん、包み隠さず、仰ってください」
武内P(彼女も、下を向いてうつむいてしまっている……!)
武内P(いつもの、前を向き、輝くような笑顔をみせる彼女では無い)
武内P(あの笑顔のためならば、私も、出来うる限りの事をしなければ……!)
卯月「へうぅ……!?///」テレテレ
卯月「あ、あの、もっと包み隠して……が、頑張ります!/// 頑張ります!///」テレテレ
武内P「っ……!?」
武内P(一体――何が!?)
833 = 827 :
武内P「っ……新田さん!」
武内P(メンバー中、三人が体調不良……由々しき事態だ!)
武内P(しかし、新田さんならば……最も信頼する、彼女ならば!)
武内P(私の至らない部分もフォローし、解決へと向かうことが出来るだろう)
武内P(彼女とならば、どんな困難も、乗り越えられる……!)
美波「ふえっ!?/// そ、そんな……ええっ!?///」テレテレ
美波「きゅ、急にそんな事言われたら……だ、駄目っ!♡ イキますっ!♡」ビクーンッ!
武内P「っ!?」
武内P(呼んだだけなのに、何故!?)
武内P「っ――アナスタシアさん、新田さんをお願いできますか!?」
武内P(アナスタシアさんも、とても、頼りになる)
武内P(とても素直で、優しく、思いやりのある……素晴らしい方だ)
武内P(アナスタシアさんならば、この状況を解決の手助けをしてくれるに違いない!)
武内P(白い、雪の妖精の様な――あの、素晴らしい笑顔をする、彼女ならば!)
アーニャ「に、ニェート……/// プロデューサー、いけません……///」テレテレ
アーニャ「そんなに褒められると……照れて、しまいます///」テレテレ
武内P「あ、アナスタシアさんまで……!?」
武内P(彼女達に……一体、何が起こっていると言うのだ……!?)
834 :
サトラレか
835 = 827 :
武内P「かっ、神崎さん! お二人をお願いできますか!?」
武内P(神崎さんは、ラブライカのお二人との仲も深い!)
武内P(それに、彼女ならば、緊急時の行動力もあり、任せられるだろう!)
蘭子「わっ、我が友よ!」
蘭子「こっ、ここ、言の葉な感じで!」
武内P「は、はいっ!?」
武内P(言の葉な感じ……神崎さんの言葉のように言え、と言うことだろうか?)
武内P(……我が『瞳』が見出したる乙女――漆黒の薔薇姫、神崎さんよ!)
武内P(灼熱の業火に苦しむ同胞達を救うため、今こそ闇の魔力を解き放つのだ!)
武内P(……と、この様な感じ……い、いや!)
武内P「あ、あのっ! とにかく、今は――」
蘭子「はああああんっ!?///」テレテレ
蘭子「闇にっ!/// 闇に、病みつきになっちゃうよぉ!///」テレテレ
武内P「神崎さん!? あ、あのっ!?」
武内P(神崎さんまで!?)
836 = 826 :
武内Pが口の回る人でなくてよかった……(錯乱)
837 = 827 :
武内P「み、三村さん!」
武内P(いつも明るく、朗らかな笑顔で、皆に幸せを振りまく、三村さんならば!)
武内P(彼女は……よし、いつものように、顔色は良い)
武内P(体調に問題が起こらないよう、栄養バランスに気を遣った甲斐があった!)
武内P(甘い物を食べている時の幸せそうな笑顔……それを見続けるための、成果が!)
かな子「おっ……美味しいから、大丈夫です///」テレテレ
かな子「だけど……えへへ、もう少し、制限しても……良いかなぁ///」テレテレ
武内P「っ!? 三村さん!?」
武内P(彼女が、自ら制限を言い出す!? 救急車を呼ぶべきか!?)
武内P「おっ、緒方さん! 貴女は、三村さんを!」
武内P(最初の頃は、落ち着かない様子だった彼女も……今では、とても頼りになる!)
武内P(彼女ならば、きっと、私の信頼に応えてくれるだろう)
武内P(そう信じるに足りるだけの……天使のような笑顔を持った、緒方さんならば!)
武内P(諦めず、強く、見捨てる事なく……全てをすくい上げるために!)
智絵里「あっ、あ……/// その……///」テレテレ
智絵里「……!///……!///」テレテレ
武内P「緒方さんまで、顔が真っ赤に!?」
武内P(シンデレラプロジェクトに、どんな危険が降り掛かっているのだ!?)
838 = 827 :
武内P「ふ、双葉さん! 起きて、いらっしゃいますよね!?」
武内P(巨大なヌイグルミの上で寝ているが、彼女ならば、きっと!)
武内P(双葉さんは、プロジェクト内外問わず、とても頼れる方だ)
武内P(冷静で的確な判断をする彼女ならば、解決の糸口を見つけてくれるはず!)
武内P(他にも思う所はあるが……まずは、この状況を何とかしなくては!)
杏「……う~ん、むにゃむにゃ」
武内P「う~ん、むにゃむにゃ!?」
武内P(まさか、そんな寝言を実際に言うものなのか!?)
武内P(いや、しかし、小さな体の双葉さんに無理をさせすぎていたか……?)
武内P(これ以上、彼女に無理をさせる訳には……いかない)
武内P(いつもの、可愛らしい、安らかな寝顔の邪魔をするのは……)
杏「……は、働きたくな~い///」テレテレ
武内P「くっ……!?」
武内P(寝言でまで! だが、彼女も寝ながら顔を赤くしている!)
839 = 827 :
武内P「諸星さん! 双葉さんを見ていてください!」
武内P(諸星さんなら! 諸星さんならば、大丈夫だろう!)
武内P(彼女には、プロジェクト結成当初から、随分と助けられてきた……)
武内P(明るく、可愛らしい笑顔に、何度も励まされた)
武内P(本当に頼りになる……素晴らしい、彼女ならば!)
きらり「にょ、にょわっ!?///」テレテレ
きらり「う、うぇへへ……んも~!/// 照れちゃうゆ!///」テレテレ
武内P「えっ!?」
武内P(双葉さんを見る事の、どこに照れる要素が!?)
武内P「くっ……!?」
武内P(これはもう、すぐにでも救急車を呼ぶべきだ!)
武内P(ここまでの人数が同時に体調不良など、明らかにおかしい!)
莉嘉・みりあ・みく・李衣菜「はいはいはいはい! はいはいはいはい!」
武内P「み、皆さん!?」
840 :
飛ばされそうになって慌てとるな
841 = 827 :
武内P「あ、あのっ!? どうか、されましたか!?」
武内P(まさか、皆さんも体調が!?)
莉嘉「P君!? ちょっと、ねえ!? アタシ達を忘れてない!?」
みりあ「ねえねえ! みりあは!? みりあはー!?」
武内P「いっ、いえ! 忘れては、いません!」
武内P(確かに、城ヶ崎さんも、赤城さんも年齢以上の頼もしさがある)
武内P(しかし、この状況では、頼るわけにはいかない)
莉嘉・みりあ「……何で?」
武内P「なっ、何で……ですか!?」
武内P(……彼女達に無理をさせ、何かあっては……!)
武内P(いくら緊急事態とは言え、そんな危険な真似は、させられない!)
武内P(! まずい! 今すぐにでも、彼女達を部屋の外に出すべきだ!)
武内P(これ以上、何かの影響を受ける方を増やすわけには……!)
莉嘉「あ、アタシなら平気だよ……///」テレテレ
莉嘉「P君ならぁ……エーキョー、与えても許したげるっ!///」テレテレ
みりあ「うんうん……みりあも///」テレテレ
みりあ「えへへっ/// うわぁ~、顔が熱くなっちゃった!///」テレテレ
武内P「っ!?」
武内P(そんなっ!? 城ヶ崎さんと、赤城さんまで!?)
842 = 827 :
武内P「みっ、皆さん! しっかりしてください!」
武内P(全員、顔を赤くして……何が起こっているんだ!)
みく「んもーっ! Pチャン!? ねえ、Pチャン!?」
李衣菜「私達が顔を赤くしてる理由、皆とは違いますからね!?」
みく「李衣菜ちゃんの言う通りにゃ! みく、もうプンプンだよ!?」
李衣菜「プロデューサー! さすがに、その反応は頭にきますよ!」
武内P「えっ!?」
武内P(頭に!?)
みく・李衣菜「頭にくる!」
武内P「前川さん、多田さん! 頭の、どこが!?」
武内P(頭痛!? 彼女達は、そんなものまで感じているのか!?)
武内P「大丈夫ですか!? 痛みは、ひどいですか!?」
みく「にゃっ!?/// か、顔近……!?///」テレテレ
李衣菜「あ……はうっ!/// む、胸も痛く……!///」テレテレ
武内P「っ!?」
843 = 827 :
武内P「何て……事だ……!?」
武内P(プロジェクトメンバー全員が顔を赤くして……!)
アイドル達「……///」テレテレ
武内P「……!」
武内P(シンデレラプロジェクトのメンバーの皆さんが!)
武内P(顔を赤くし、唇を噛み締め、俯いてしまっている……!)
武内P(彼女達のために、今出来る事は何だ!?)
武内P(輝く笑顔の、素晴らしいアイドルの彼女達のために出来る事は!)
アイドル達「……!//////」テレテレテレテレ
武内P「待ってください! すぐ、助けを呼びます!」
武内P(もう、私一人の手に負える状況ではない!)
武内P(考えうる限り、全ての事をしよう!)
武内P(私が――本当に大切な、彼女達を守らなくては!)
アイドル達「……えへへぇ//////」ニヤニヤニヤニヤ
844 :
美波こんな状況でも・・・
悲しいなあ
845 = 827 :
・ ・ ・
ちひろ「皆が、未だに何を考えてるかわからない、って言うから……」
アイドル達「……」
ちひろ「ちょっと事務作業のついでに、設定を変更したのよ?」
ちひろ「なのに、あんなに大騒ぎになっちゃって……」
アイドル達「……すみません」
ちひろ「もう、()内は見えないよう、戻しておきましたからね!」
ちひろ「プロデューサーさんが何を考えてるか、十分わかったでしょ?」
アイドル達「……はい///」
846 = 827 :
ちひろ「とにかく、プロデューサーさんは真面目な人なんですから」
ちひろ「貴女達の事、いつも真剣に考えてるの」
ちひろ「そりゃあ、ちょっとわかりにくいかもしれないけど……」
アイドル達「……」
ちひろ「今回の事でわかっただろうし、もう、あんまり困らせちゃ駄目よ?」
ちひろ「でないと、また、こんな風に――」
ちひろ「えいっ!」
チャリーンッ♪
ちひろ「プロデューサーさんの、()内を見えるようにしちゃいますからね!」
ちひろ「――わかった?」
アイドル達「……は~い」
ちひろ「よろしい♪」
847 = 827 :
・ ・ ・
専務「――それで、今回の件で、何か申し開きはあるか?」
武内P「いえ……全ては、私の責任です」
専務「ほう? 言い訳をする気はない、と?」
武内P「はい。彼女達の体調不良の原因は、わかりませんが……」
専務「……」
武内P「それに気付かなかった、私に問題があります」
専務「そうか。それがわかっているなら、話は早い」
武内P「……」
専務「今後は気をつけなさい。話は以上だ」
武内P「えっ?」
848 = 827 :
専務「君は、優秀な人間だ。そして、彼女達とも近しい」
専務「その君ですら気付かないのならば、他の者でも対応しきれまい」
武内P「で、ですか……!」
専務「無論、そのままで良いとは言っていない」
専務「今後は、このような事の無い様にするのが、課題と言える」
武内P「……専務」
専務「しかし、私は以前言ったはずだが?」
専務「――ネクタイが曲がっている」
ぐいっ
武内P「も……申し訳ありません」
チャリーン♪
専務「身だしなみには気をつけろと――」
武内P(――やはり、良い匂いがします)
専務「――言った……はず、だが……」
専務「……」
専務「何?」
849 = 827 :
専務「……まさか、君がそういう事を言うタイプだとは、な」
武内P「えっ?」
専務「……」
武内P「……?」
武内P(専務は、何を仰っているのだろうか?)
武内P(特に、おかしな事を言った覚えはないが……)
武内P(……確認、すべきだろう)
チャリーン♪
武内P「専務。私の発言に、何か問題がありましたか?」
専務「……君は、独り言の癖があるようだな」
武内P「えっ? いえ、そのような事は、無いと思いますが……」
専務「いや、ある」
武内P「……はあ」
850 = 827 :
専務「恐らく、それが原因の一つかも知れない」
武内P「私の独り言が……ですか?」
専務「そうだ。そちらに関しては、十分に注意しなさい」
武内P「はい……わかり、ました」
専務「さがりなさい」
武内P「……はい、失礼します」
…ガチャッ…バタンッ
専務「……ふむ、なるほどな」
専務(彼とは意見が対立し、平行線だとは思っていたが……)
専務(……人間、何を考えているか、わからないものだな)
専務「……」
専務「……///」テレテレ
おわり
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