元スレ八幡「俺ガイルのキャラをシャッフルする」
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451 :
八幡(ミーティングが終われば、各自グループに分かれて作業が始まる)
八幡(つっても記録雑務の仕事は当日の撮影などがメインだからな……)
戸塚「……暇だね〜」
葉山「……そうだな」
八幡「……お前ら」
戸塚「別にいいでしょ、当日大変なんだし………」
八幡「そういう問題かぁ?まぁそうだけど……」
八幡(今の戸塚はいつもの戸塚だ)
八幡(あの表情なんてなかったかのように一緒に楽しくお仕事をしている)
葉山「暇だし、クラスの方でも見ていくか?八幡」
八幡「行かねぇよ、んなの……」
葉山「はは……まぁそうだよなぁ」
戸塚「八幡たち何やるの?」
八幡「メイド喫茶だそうだ」
戸塚「……おお、なんか青春っぽい…」
八幡(何その図式。青春=メイド?ならメイド喫茶は永遠の青春時代か……)
葉山「国際教養科は何をするんだい?」
八幡「そういやお前j組だったな」
戸塚「うーん……よくわかんないんだけど、図書館喫茶みたいな奴?」
八幡「は?」
戸塚「みんなで持ち寄った本をお客さんに自由に読ませる喫茶店……だってさ」
葉山「マン喫みたいなものかな?」
戸塚「個室はないけどね」クス
八幡(漫画喫茶のことをスタバで本を読むイメージで想像してた時期が俺にもありました)
八幡「いいんじゃねぇの、いい感じに手抜きできるだろ。本持ち寄って飲み物いくつか用意するだけでいいからな……」
戸塚「なんかそういうわけでもないらしいけどね。『布教のチャンス!』なんて目を輝かせてた子もいたし……」
葉山「布教?聖書でも持ってくるのか」
八幡「女子の世界は難しいな……」
452 :
葉山「あぁ………」
八幡「どうしたんだ?」
葉山「すまない、これからバイトなんだ」
戸塚「葉山くん、バイトしてたんだ…」
葉山「最近始めたんだよ。ちょっと欲しいものがあってね」
八幡「ま、仕事なんてないようなもんだし謝ることはないと思うぞ」
葉山「仕事もないのに下校時刻ギリギリまで拘束されるのもきついだろう」
戸塚「え?」
八幡「別に……」
葉山「」
葉山「ま、まぁ……というわけだから、俺は先に上がらさてもらうよ」
八幡「おう、またな葉山」
戸塚「じゃあね、葉山くん」
453 :
部長「こら」
八幡「てっ」
部長「仕事がないなら探せ。そんなんで社会に出て通用すると思うな」
戸塚「……仰る通りで」
八幡「社畜ルートまっしぐらじゃないすか…」ボソッ
部長「何か言ったか」ギロリ
八幡「いえ」
部長「……まぁ、今そんなことを言われてもピンと来ないだろうし仕方が無いからこちらで仕事を与えてやる」
部長「2-Fの出し物の詳細。比企谷、お前のクラスだけ出てないぞ。取ってこい」
八幡「………げぇ」
部長「げぇ、じゃないだろう……」
八幡(極力人とコミュニケーションを取らねばならない仕事は回避したいのだ。葉山がいれば押し付けられたが……間の悪いやつだ)
八幡「……わかりました。いってきますよ、本牧記録雑務担当部長」
本牧「嫌味のつもりか……同級生だぞ」
454 = 1 :
材木座「ふむぅ……やはりここはどばーーっとした方がいいのではないか?」
平塚「いやいや、そこはあえてだな…」
雪ノ下「何を言っているのかしら?そんなことをしたら………」
八幡(は、入りずれぇ………)
八幡(ここで『文実でーすクラスの出し物の詳細取りに来ましたー』なんていって入ったら絶対白い目で見られる……)
八幡(……でもまぁ仕事だから。俺は悪くない。俺に仕事をふった本牧が悪い)
ガラガラッ
雪ノ下「……あら?」
平塚「比企谷じゃないか。どうした、っていうかどこいってたんだお前」
八幡「え、あ、あー……訳あって文実手伝ってんだよ。でさ、出し物の申請書類取りに来たんだが……」
八幡(うおっ、驚いた……てっきり『誰?』みたいな扱いを受けるかと思ったが)
雪ノ下「はぁ……呆れた。まだ出していなかったの?」
材木座「あー……書くには書いたがそのまま忘れてしまっていたな……」
平塚「さっさと出してこい」
材木座「は、はいっ!」
八幡(元気よく返事をし、すぐさま自分のバッグを漁る。その中から彼がつまみ上げたものはぐちゃぐちゃの紙切れだった)
材木座「あった!」
八幡(あちゃーあれが申請書類だったかー……本牧怒りそうだなぁ、まぁいいか。俺が悪いわけじゃないし)
材木座「ふむ。では比企谷八幡よ!我と共に文実へ馳せ参じようではないか!」
八幡「いや、お前来なくていいんだが…」
材木座「我も我で有志団体の申し込み書類を取りに行く必要があるからな」
八幡「へぇ……何するんだ?」
八幡(ただ単純な興味)
八幡(純粋に、有志団体としてこいつが何をするのかが予想がつかなかったから聞いてみただけのこと)
八幡(だが当の材木座といえば、急に立ち止まり肩をぷるぷると震わせていた)
458 = 1 :
すまん寝落ちった
459 :
楽しみにしてますぞ
460 :
材木座「よくぞ聞いてくれたっ!!」ビシッ
八幡「うわびっくりした」
八幡(何急に怒鳴り出してるのん…?)
材木座「この度我の後輩達とともに『ゲーム同好会』なるものを作ろうと思っているのだ……。それも、ただ面白いゲームを紹介するだけ、といったような薄っぺらい展示ではない!!ゲームを一つの文化として見た時の歴史の推移や進化を重視した、全てのゲームマニアの心を打つような、そんな同好会だ!!」
八幡「お、おう……そうか………」
八幡(内容がよくわからん上に早口だから何言ってるかわかんねぇや)
八幡「ところで後輩達ってなんだ?」
八幡(だから話題を逸らす。このままよく分からない話をまくし立てられてもどんな顔して聞けばいいかわからないからな…)
材木座「む、むぅ……?後輩達は後輩達だが……遊戯部の相模と秦野だ」
八幡「材木座は遊戯部なのか」
八幡(遊戯部なんて部活あるのか……なんかすっげぇ超次元デュエルしてそう)
材木座「いや、我は遊戯部ではない」
八幡「どういうことだってばよ」
材木座「偶然とある格ゲーで知り合ってな。話してみたら話があったのでこうやって仲良くさせてもらってるというわけだ」
八幡「へぇ………お前格ゲーなんてするのか。ああいうのってゲーム以外やることがない連中がやるもんだと」
八幡(個人の意見です。考え方には個人差があるのでお気をつけください)
材木座「まぁ、我も中学時代まではぼっちだったからな」
八幡「へ?」
材木座「む?」
461 :
相模?
462 :
>>461
原作読め
463 :
原作からしてそういう名前、クラスメイトの方とは関係不明だけど誰も反応してないからどうでもいい事だろう
464 :
とうとう全ての男達のピースが揃ったな
仲良くなるしかないね
465 = 1 :
八幡「……お前、ぼっちだったの?」
材木座「な、何か問題でも……」
八幡「いや、ねぇけど……」
八幡(前にこいつから俺と同じ臭いを感じ取ったことはあったが、やはり今やクラスのリーダー格であるこいつがぼっちであったのはにわかには信じ難い)
材木座「毎日アニメみてゲームする日々を満喫していた。楽しかったぞう?」
八幡「まぁ、楽しいだろうけど……」
材木座「お?もしや比企谷氏、貴様も我と同類か?」
八幡「その言い方なんかすっごく嫌悪感覚えるわ………」
材木座「まぁそういうな、一つどうだ!好きなアニメでも語り合ってみては?」
八幡「……お前元ぼっちにしては積極的だな」
八幡(ぼっちがぼっちたる由縁というのは、決して自分から誰かに話しかけたりしないからだ)
八幡(口を開かなければ人は寄ってこない。わかりやすいだろう?)
八幡(そうやって人と関わることを回避してきたぼっちたちが、人とのコミュニケーションが難しくなるのは摂理である)
材木座「……昔の俺だったら、こんなこともしなかったんだと思うよ」
八幡(?口調が……)
材木座「高1の時に隼人君に話しかけられて、友だちになって……気付いたんだよ。友だちはいた方がいいって」
八幡「はぁ……まぁ、そりゃなぁ…」
材木座「で、考えたんだ。どうすれば友だちが増えるかなって……そうしてたどり着いた答えが、『隼人くんの真似』」
八幡「ほう」
八幡(確かに、あいつの他人との距離をつめる能力はかなり高い。折本には足蹴にされてたものの、彼の広い交友関係を見てもそれは明らかだろう)
八幡(それを真似れば、友だちができる。なるほど、すごく単純だが……だが、それはとても難しいことのはずだ)
八幡(でも、それでも)
材木座「いつか、隼人くんみたいな男になりたいなぁ、って思ってたらこうなった」
八幡(……やはり憧れの力は強い、か)
八幡(俺が思ってるよりもずっと、人間というのは強い存在なのかもしれない)
八幡「あのな、材木座」
材木座「ふっ、なんだ?我の行動理念に感服したか?」
八幡「正直今のお前葉山とは正反対の方向に進んでるぞ」
材木座「ごふぅ!?」
八幡(あ、気付いてなかった……?)
八幡「いや、葉山はそんな喋り方も指ぬきグローブもしねぇから……」
材木座「くうぅ……仕方がないだろう、こうでもして自分を殺さないと隼人くんの真似などできんのだから……」
八幡(こいつがたまに豹変するのはそういうことなのか)
八幡「そうまでするかね……」
材木座「笑いたいなら笑え!我は今の青春を楽しんでいるからな」
八幡「……適わねぇな」
八幡(これもまた別の強さだ)
八幡(戸塚とはまた違う純粋さ)
八幡(おそらくこいつは心底アホなのだろう)
八幡(だからこそ……ここまでひたむきになれる)
466 = 1 :
材木座「ふぅ……ガラにもなく熱くなってしまったな」
八幡(お前の中で自分はどういうイメージなんだ…?)
材木座「比企谷八幡……貴様とは気が合いそうだ」
八幡「えっ」
材木座「携帯を出せ。LINEのIDを教えてやる」
八幡「ちょ、あの……」
八幡(いらないです)
材木座「ふ、遠慮するでない。また日を改めて、じっくりとアニメについて語り合おうではないか」
八幡「俺がアニオタなのは確定事項なんだな…」
材木座「違うのか?」
八幡「………チガワネェケド」
材木座「ならいいだろう。ふっふっふ、貴様がどんなセンスをしてるのか確かめてやろうぞ」
八幡「キャベツの千切り術をギアスなんて言っちまうやつが何を……」
材木座「ほほう?八幡、貴様もコードギアス厨か!?」
八幡「厨やめろよ……コードギアスが嫌いなアニオタなんていねぇだろ」
八幡(ん?何か違和感があるような……まぁいいか)
材木座「ふはははは!よく分かっている!そうだ、二月公開のアキト最終章も見に行くか!?」
八幡「行くに決まってんだろ……」
材木座「ならばよい!よし、今夜はコードギアスシリーズを語り尽くそうではないか!」
八幡「望むところだ!」
八幡(そうして追加された4人目の友達)
八幡(ナチュラルに俺が『八幡』呼びをされていることに気づいたのはもっと後の事だった)
467 = 1 :
材木座誰これみたいな感じだけどいいよね
今更だけど※キャラ崩壊注意
468 :
大丈夫だ問題ない
470 = 464 :
ここまでみんな幸せで誰も不幸じゃない
乙
471 = 1 :
会議室ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
八幡(材木座は有志団体申請書類をひったくると『さらだばー!』と捨て台詞を残してさって言った)
八幡(さて、俺は俺で仕事に戻るとしますか…)
戸塚「あ、八幡!」パァァ
八幡「守りたい、この笑顔」
戸塚「え?」
八幡「いやなんでもない」
八幡(っべー…口に出てた。まじっべーわ)
海老名「……………」
八幡「おわっ!?」戸塚「!?」
八幡(い、いつのまに後ろに……)
戸塚「あ、あの……何か」
海老名「………………」
八幡「ど、どうしたんすか………」
海老名「………………」
八幡(海老名先輩は相変わらずの思案顔で俺たちの質問に答えようともしない)
八幡(気味が悪くなり、振り返り残っている作業を始めようとしたとき………)
海老名「はち×とつ………きたーーー!!」
八戸「「!?」」
海老名「ごめんもう我慢出来ない!ねぇねぇ君たちどっちが攻めでどっちが受け?パッと見で戸塚くんが受けだけど以外に戸塚くんが鬼畜攻めだったりして……腐腐、そういうのもそそるねぇ。でもやっぱり見た目通りに比企谷くんが言葉攻めなのかな?となると戸塚くんの属性が――――」
優美子「擬態しろし」ペシッ
海老名「あいたっ!?」
472 :
戸塚「え、姉さん!?」
優美子「よっ、久しぶり」
海老名「って、優美子!?うわー!来てくれたんだ!ありがと〜!」
八幡(海老名先輩についてはスルーなのか!?)
戸塚「どうしたの?急に来たりなんかして…」
優美子「一応あーしもここのOBだからね。学校も暇だしたまには遊びに来るよ」
八幡「へえ……OBだったんすか」
海老名「そうだよー、私の一つ上でね。文化祭実行委員長も務めてたんだよ」
八幡「え、マジっすか」
優美子「その話はやめろし……」
海老名「いーじゃーん、あのときの優美子すっごくかっこよかったし!」
優美子「大したことじゃないから…マジで」
八幡(この人何したんだろう……)
優美子「で、あんたらも文実なったんだ」
戸塚「いや、ぼくたちは部活動の一環として手伝ってるだけだよ」
優美子「……どんな部活してんの?」
八幡「なんかこういうとき説明しにくい部活だよな……俺たちのって」
戸塚「あはは、そうかも……」
優美子「そっか、なら……」
優美子「彩加は委員長にはなってないんだね」
八幡(安堵したように、優美子さんは呟く)
八幡(……なんだ?)
八幡(何を安堵する必要がある……?)
戸塚「………うん、なれなかったよ」
八幡(そしてそういう戸塚は)
八幡(これっぽっちも笑わずに、笑っていた)
八幡(どこまでも果のない、空虚な笑み)
八幡(背筋にぞくりとするものを感じる)
八幡(優美子さんはその笑顔を見て、どこか淋しげな表情を見せた)
473 = 1 :
由比ヶ浜「ん?優美子じゃーん!」
優美子「おっ、もしかして結衣?」
由比ヶ浜「こらっ!結衣先生でしょ!」
戸塚「名前呼びはいいんだ……」
八幡(一瞬の会話の空隙の後、由比ヶ浜先生が入ってきた。そのときの戸塚や優美子さんはもう普通の表情に戻っていた)
海老名「結衣はろはろ〜」
由比ヶ浜「ひ、姫菜まで……せ、先生としての威厳が………」
優美子「そんなの最初からないっしょ」ケラケラ
由比ヶ浜「むーっ!そんなことないもん!」
海老名「あはは、むくれてる可愛い」
八幡「……なんだこれ」
戸塚「さぁ……?」
優美子「年こそ違うけど、割とあーしが学校にいたときからこの3人でつるむことが多かったからね」
戸塚「一人教師混じってるよね!?」
海老名「細かいことはいーのいーの」
由比ヶ浜「良くも悪くも優等生だったからねー優美子は………」
海老名「私は文化祭関連で仲良くなったよ。優美子が2年で文実委員長のとき最高に盛り上がってさー…楽しかったなぁ」
由比ヶ浜「姫菜の作ったBLブースでの暴動事件は一生忘れないと思う……」
優美子「確かにあれは大変だったね…」
八幡「……あの突っ込み忘れてたんすけど、もしかして海老名さんって……」
海老名「腐女子ですっ!」
戸塚「ですよねー……」
由比ヶ浜「姫菜が生徒会長になったのも、BL本の流通をもっと潤滑にするためらしいからね…」
優美子「女生徒からの圧倒的な支持を得て生徒会長になった時はちょっと笑ったわ」
戸塚「は、ははは……」
八幡「この学校どうなってんだ……」
474 :
戸塚は自分で自分追いつめててあーしさんは心配してんのか、優しい世界
はるのんでてきた時の反動こえーけど
475 :
総武高校の闇は深い
476 :
クラスメイト男子のBL本とか流通してそう
477 = 1 :
優美子「……あー、もうこんな時間か。あーし帰るわ。でもしばらく暇だからまた来る。じゃね」
海老名「ありがとー、また来てねー」
由比ヶ浜「わっ!そうだ私も仕事残ってたんだっ……!」
八幡(時刻は5時を回っている)
八幡(文実委員もちらほらと帰り支度をするやつらが見え始め、そろそろ文実全体が帰宅ムードに包まれつつあるようだ)
八幡「じゃ、俺たちも帰るか」
戸塚「うん!いいですか部長さん?」
本牧「はぁ……まぁいいだろう。お疲れ様だ」
八幡「ひゃっほうお疲れ様でーす」
帰り道ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
八幡「葉山って何のバイトしてんだろうな」
戸塚「さぁ……コンビニとかかな?」
八幡「コンビニのバイトってしんどいらしいが……まぁ葉山だし大丈夫か」
戸塚「結構しっかりしてるもんね、葉山くん」
八幡「たまに何考えてるか分かんなくなるけどな」
戸塚「?そうかな……」
八幡「あれ?」
八幡(同意を得られると思ったんだがなぁ…)
478 = 1 :
八幡(それきり会話は途絶える)
八幡(沈黙が続く。だが不思議と不快ではない)
八幡(俺はこのときまだ迷っていた。ここで戸塚にあのことを聞くべきか、聞かないべきか)
八幡(だが、心の底ではわかっていた。そろそろ前に進めるべきだと)
八幡(だから俺は決意する)
八幡「実行委員長……やりたかったのか」
戸塚「!」
戸塚「………な、なんで」
八幡「…見てりゃわかるよ」
八幡(嘘だ。実行委員長を決めるときの戸塚の反応に首を傾げたのは事実だが、そのときはそこまでは悟れていなかった)
八幡(しかしその後俺は知った)
八幡(優美子さんは、実行委員長だった。しかもそれで文化祭を大成功に導いている)
八幡(この情報があれば嫌でもわかる。戸塚の行動原理は"姉への憧れ"だというのは春の段階から分かっていたことだしな)
戸塚「………失望した?」
八幡「しねぇよ、んなことで」
八幡(これも嘘だ)
八幡(最初に持っていた戸塚彩加のイメージにヒビが入ってきている)
八幡(そしてそれが許せない俺自身に腹を立てている)
八幡(戸塚にだって弱いところがある――――そんなことすらも許容できない自分の心の狭さに嫌気がさす)
八幡(だから、言い聞かせるのだ)
八幡(戸塚は並の人間よりは十分に強い男だと)
八幡「お前は十分強いよ。そこまで姉の幻影を追えるのは素直にすごいし賞賛されるべきことだ。並の人間なら折れている」
戸塚「…………」
八幡「ただ、さ」
八幡「お前は、お前だ」
八幡「優美子さんじゃない」
戸塚「…………!」
八幡「優美子さんには優美子さんの長所短所があって、お前にはお前の長所短所がある」
八幡「憧れに追いつこう、とする姿勢はいいものではあるし、お前が姉の後を追うのを悪しとはしない」
八幡「だけど、自分は見失わないでくれ。俺の憧れで、数少ない友人の一人であるのは……戸塚優美子じゃない。戸塚彩加なんだ」
八幡(そこまで一気に言う。なんとか噛まずに言えた。そして戸塚に向き直る)
戸塚「は、はちまん………」ポロポロ
八幡(えッ!?なんで泣いてるの!?)
八幡「と、戸塚……?ご、ごめん」
戸塚「ちがうっ……、ぼく、嬉しくて……おかしいな、なんでだろ……」ポロポロ
八幡「…………?」
戸塚「……そう、だよねっ……!ぼくは、ぼくだっ……ぼくらしく、ぼくの方法でっ……やってけば、いいんだ!」
八幡(そこで戸塚は顔を上げる)
八幡(会議室で見たのとは同じようで、全く違う。満面の笑み)
戸塚「八幡、ぼくを認めてくれて、ありがとう」
第9章
唐突に海老名姫菜は布教を開始する
479 = 1 :
さて、このままつつがなく文化祭は終わってしまうのか……
後半へ続く
今日は終わります
480 = 474 :
乙
ホントおもしろい上手く構成されてる
前の葉山になりたかった材木座とあーしさんになりたかった戸塚、で上手くできてるし
ゆきのんと違って戸塚は素直で安心して読んでられる
482 :
何事もなく終わっていいんだ
終わってください
483 :
戸塚が素直なのはそうなんやけど、雪ノ下が拗れにに拗れてるのも原因として大きいよな(本編の確執って)
484 :
至極どうでもいいけどOBじゃなくてOGでね?
あーし姉は弟同様男の娘だった可能性が微レ存……?
485 :
女装ホモビッチなあーしさん…
アリだと思います(真顔)
486 :
すいやせん、OGですね
あーしさん男の娘は俺には書けません
ごめんね
487 = 1 :
八幡(準備は恐ろしいほどに進んでいく)
八幡(文化祭まで残り2週間というところで、全体のほぼ8割が終わるという順調さ)
八幡(由比ヶ浜先生も『こんな年見たたことないや……』などと感想を漏らしている)
大志「……会議は以上です。この調子でそれぞれの作業を終わらせていきましょう!」
文実「「「おー!」」」
めぐり「」ニコニコ
八幡(実行委員、全てを一つにまとめる)
八幡(口に出すだけなら簡単なその無理難題をいとも容易くやってのけた)
八幡(もちろん城廻のサポートも一因としてはあるのだろうが、それでも『まとめる』という役回りは彼がきちんとこなしていた)
八幡(川崎大志……思ったよりも骨のあるやつだったんだな。これなら何の問題もなく文化祭はおわりそうだ………)
遥「あの、すいませーん」
488 = 1 :
八幡(?誰だ………)
大志「どうしたの?春山さん」
遥「えっと、この文実ってこれまでに類をみない順調さなんですよね?」
由比ヶ浜「うん……2週間前でここまで進んでるのは異例だよ。優美子のときもこうはいかなかった」
遥「えっと、なら……少しくらい文実休んでもいいんじゃないですか?」
海老名「……何をいいたいのかな?」
遥「あたしたちだって、クラスの出し物とか手伝いたいんですよ。なんか人で足りてないらしいし………」
八幡(…………やられた)
八幡(確かにこの文実は類をみない順調さ。だがそれは今まで文実全体が一丸となって取り組んできたからこそだ)
八幡(だがそこで1人がその和を乱し出すと……その再起には時間を要する)
八幡(進捗状況を現場に伝えたのは失敗だった。名目が『クラスの手伝い』……文化祭に関することなものだから、これを無碍に断ることも出来ない)
八幡(……何がクラスの手伝いだよ、どうせクラスの友だちと喋りたいだけだろ)
八幡(だがこの進捗状況を知らされた故の慢心というのも納得出来なくはない)
八幡(だから全く春山?を責めるというのもお門違いだ)
八幡(その上で、この状況をなんとかせねば…)
文実A「たしかに、なぁ……」
文実B「私たちロクにクラスの方には参加できてないし……」
文実C「こっち進んでんなら、進んでない方の手助けする方がいいしな……」
八幡(詰んだ気がする)
八幡(文実全体のムードががらっと変わってしまった。こうなるともう単なる拒否というのは使えない)
大志「……うーん、確かにな」
めぐり「……………」
八幡(委員長しっかりしろ。確かになじゃねぇんだよ。副委員長アンタなら分かってるだろ。委員長止めろ早く)
大志「分かりました、ではこれからクラスの方が忙しい際にはクラスの方を手伝うことを許可します」
489 = 1 :
八幡(ざわっと歓声が起こる)
八幡(雄叫びを上げるもの、拍手をするもの、委員長にヤジを飛ばすもの………そして、そいつらの影で密かにため息をつくもの)
八幡(戸塚も葉山も本牧も、皆総じて重苦しい顔をしている)
めぐり「ただし、条件があります」
八幡(城廻のその言葉で、歓声が一斉に止む)
めぐり「期間は1週間。文化祭1週間前には、文実の方を優先するようにしてください」
遥「は、はい……わかりました」
八幡(なんとか、首の皮1枚繋がったか…)
八幡(それでも、これで一つになったはずの文実はバラバラになった)
八幡(バラバラな状態で1週間……それで果たしてちゃんとしたものが出来上がるのか)
八幡(目下の不安は残しつつも、とりあえず俺に出来ることは目の前の仕事を消化することだ)
八幡(川崎の『では、そういうことでー』という合図とともに文実はばらけはじめる。大方クラスの方に行くのか……と見せかけて帰ってしまうのか)
八幡(その横で、黙々と作業を進めていく)
八幡(俺たちがこの1週間でできるだけ進めねば、きっと文化祭は崩壊する)
八幡(そんな理由のない直感が、俺の中にはあった)
490 = 1 :
戸塚「………大丈夫かなぁ」
葉山「残ってるのは俺らと、川崎にめぐり、そして生徒会だけか……」
八幡「なんで川崎はあんな余裕そうなんだ…」
本牧「記録雑務以外のメンツが消えたというのはかなりでかいな。まぁ生徒会がまかなってくれているが」
葉山「1週間したらみんな帰ってきてくれるだろうし……まぁそれまで頑張ろうか」
戸塚「うん…………」
492 :
乙
どうなる
493 = 1 :
八幡(当たり前のことだが)
八幡(作業効率は目に見えて落ちた)
生徒会A「ごめん、これもお願い」
戸塚「あ、うん……わかったよ」
八幡(川崎の提案から2日、さすがに俺ら以外はいないなんてことはなくなったが、それでもきちんと文実に出てる人の方が少ない)
葉山「……そっち手伝えることある?」
役員A「あっ……ありがとう葉山くん」トゥンク
葉山「気にしないで」
八幡(やるなー、あいつ。なんて言ってる場合じゃねぇや。事態は思っているより深刻だ。残っている仕事量が二割だからといって、ここで慢心すればその慢心は本番前日まで続く)
八幡(まだ行ける……まだ大丈夫……まだこれだけ時間があるじゃない……そのどれもが死亡フラグだ。本当に仕事する気のあるやつは、それをよくわかっている)
大志「………………」
めぐり「………大丈夫?大志くん」
大志「あっ……うん、ごめん、少しぼーっとしててさ……」
八幡(……あいつもようやく気付いたようだ)
八幡(だが遅い。狂い始めた歯車は徐々に加速していく。それを止めることはできない……自然に止まるのを待つしかない)
八幡(城廻の提示した条件でブレーキはかかるだろうが……おそらくは、あの条件程度じゃ自体の根本的解決には至らない)
八幡(だから俺達にできるのは……この1週間で、少なくとも全体の1割は終わらせる!)
八幡(最低限それさえすれば、とりあえず文化祭の失敗だけは避けられる!)
八幡(……なんだろな)
八幡(別に文化祭が好きってわけでもないのに)
八幡(なんで俺、こんな働いてんだろ)
494 :
八幡「川崎」
大志「……あ、何?」
八幡「これとこれ、やっといていいか」
大志「あ、待って。それするならこれを終わらせないと……」
八幡「わかった。それもやっとく」
大志「え、ちょっとそれは……」
八幡「大丈夫だ。時間はある」
八幡(時間があるうちに、やらないと)
八幡「……それよりもスローガンだ。あれ決めねぇとできねぇ事が多すぎる」
大志「それはめぐりさんの提示した日まで待たないと人が集まらないから……」
八幡「こんな土壇場で実行委員の仕事放棄したがるやつなんかにスローガンを決める資格なんざねぇよ」
八幡(つーかいつのまにこいつら名前呼び合う関係になってんだ……)
大志「ちょっと、その言い方は……」
八幡「間違ってはないだろ。いいからとっとと決めちまおうぜ……」
八幡(こいつはまだ事態の深刻さを正確に把握できてないのか。得体の知れないイライラが俺の心を蝕む)
八幡(顔に出てただろうか、目の前の川崎も少し怯えてるようだ)
めぐり「比企谷くん、やめて〜?」
八幡「………!」
八幡(ほんわかと、しかし冷たく)
八幡(城廻めぐりはそう吐き捨てた)
めぐり「君が焦る気持ちもわからないでもないんだけどね〜。でもさ、ただでさえよくないここの雰囲気をこれ以上悪くしないで欲しいんだ」
八幡「………………」
めぐり「せめて私たちだけは、一つになっていようじゃない。私たちまでもがバラバラになっちゃったら今度こそ崩壊するよ」
めぐり「文化祭をいいものにしたいという気持ちは君も私たちも同じなんだよね?ならさ、ここはみんなに合わせてくれないかな」
八幡「………わかりました。すいませんね」
めぐり「うんうん。あ、でもその仕事は君がお願いね。受けた仕事はちゃんとこなす!」
八幡「は、はは………」
八幡(城廻は終始ほんわかした笑顔で)
八幡(俺の心を的確にえぐっていった)
八幡「わかりました……ですがスローガンの案については個人の方でも考え始めた方がいいとは思います。以上です……」
スタスタ…
めぐり「……うーん」
めぐり「比企谷くん、か。面白いね、あの子」
495 = 1 :
キーンコーンカーンコーン……
戸塚「……ふぅ、こんなものかな」
葉山「帰るかー、行こうぜ八幡」
八幡「………悪い。俺まだ残る」
戸塚「へっ?でももう学校しまっちゃう…」
八幡「先生が帰るまでは残れるだろ」
葉山「いや、でももう結構遅いし…」
由比ヶ浜「ちょっとそれは先生として許せないよ〜?」ジャラジャラ
戸塚「あ、先生……」
由比ヶ浜「仕事がしたいなら帰ってやりなさい。学校はもう締めるから」
八幡「……チッ、わかりましたよ」ガサガサ
葉山「って、八幡……お前本当に家でやるつもりか?」
八幡「仕方ないだろ……もう時間が無いんだ」
八幡「文化祭、成功させないとな……」
戸塚「は、八幡……なんでそこまで?」
八幡「……さぁ、なんでだろ……」
由比ヶ浜「……………」
由比ヶ浜「まぁ、仕事したいなら好きなだけすればいいと思うけどね。働くことでヒッキーくんがいろんなこと学んでくれたら先生も嬉しいし」
八幡「なんですかそれ……なんか先生っぽいですね」
由比ヶ浜「ぽいっていうか本物の教師だし!」
戸塚「あ、あはは……ねぇ、八幡」
戸塚「無理は、しないでね……」
八幡「わかってるよ。……さっき城廻にも言われたからな」
葉山「……ならいいけどね」
496 :
めぐりはどこの世界戦でも糞
497 :
文実の城廻は屑三羽がらすだったからな(相模陽乃城廻)
巡り巡ってこいつらがいなければ文実捗ってたんだよなあ
498 = 1 :
沙希「………ねぇ」
八幡「……………………」カリカリカリカリ
沙希「ねぇって言ってんの」ポン
八幡「……あ?なんだよ」
沙希「何してんの、家帰ってからずっとカリカリカリカリ……不気味なんだけど」
八幡「部活動だよ。こんど文化祭あるからな。そうだ、沙希も来いよ」
沙希「あ、アタシはいいよ……なんか、恥ずかしいし……ってそうじゃなくて」
沙希「家帰ってまで文化祭の仕事?どんだけ余裕ないの?」
八幡「仕方ないだろ……人手も足りねぇんだからよ。……って、来ないの?お兄ちゃんこんなに頑張ってるのに?」
沙希「それにしたって働きすぎでしょ。そういうのってうまく分担して学校だけで回すようにするんじゃないの?」
八幡「スルー?スルーなの?ねぇ」
沙希「アタシの質問に答えな」
八幡「………………」
八幡「……ほんとに人手が足んねぇんだよ。みんなこれくらいの仕事量だ。まったく、ブラックは嫌になるぜ……」
沙希「嘘」
八幡「嘘じゃないって」
沙希「……はぁ」
沙希「見せてみな、アタシも手伝う」
八幡「え、ちょ……それはな……」
沙希「大丈夫だって。何するかだけ教えてもらえれば部外者でも出来ることはあるでしょ」
八幡「いやだってお前塾の宿題だってあるし……まったく無関係な高校の文化祭の準備だぞ?そんなのを手伝ってもらうわけにはいかないな」
沙希「あーもういいから寄越せ」
八幡「あっ…!」
沙希「はいはいなるほどね、こうすればいいの?……うわ、辛そう」
八幡「マジでいいから沙希。お前は自分のことを………」
沙希「兄さんが苦しんでるの見て、ほうっとけるわけないでしょ」
八幡「えっ……」
八幡(いま、兄さんって……)
沙希「すっごい辛そうだったよ。仕事してるときの兄さんの顔」
八幡「う……」
沙希「みっともなくてもカッコ悪くてもいいから頼りなよ、家族を。迷惑だなんて思わないからさ」
八幡「……ありがとう、助かるわ、沙希」
沙希「まったく、素直じゃないね……」
499 = 1 :
あさーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
八幡(少し、気は晴れたかな……)
八幡(いいペースではある。この調子で行けば俺らだけでも文化祭までには準備を終えられるだろう。もっとも憶測だが。正確な仕事量なぞ把握してはいない)
八幡(ただイレギュラーも考慮して少しペースを早めるか。沙希が手伝ってくれるというのも大きいしな)
戸塚「八幡、よっ!」
八幡「お、おう戸塚……よっ」
八幡(癒し)
戸塚「あれから仕事終わった?」
八幡「おう、沙希が手伝ってくれたからな」
戸塚「そっか……でも昨日も言ったけど、本当に無理だけはやめてね。今の量だって十分無理な量なのに……」
八幡「わかってるさ。俺は全く無理なんてしていないから安心しろ」
八幡(そう)
八幡(まだまだ俺の限界には程遠い)
八幡(俺はもっとやれる)
八幡「」ドサッ
戸塚「」
葉山「」
本牧「」
川崎「」
八幡「……………」カリカリカリカリ
めぐり「くすっ」
沙希「……なにこれ」
八幡「また仕事が増えたんだ……」
沙希「まぁ、手伝ってあげるけどさ…」
沙希「ほんとに、大丈夫?」
八幡「俺よりまず自分の心配しろ」
沙希「……うーん」
八幡(まだいける)
八幡(まだ大丈夫)
八幡(まだこれだけ力は残ってるじゃないか)
500 :
サキサキはどの世界線でも最高だな
みんなの評価 : ★
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