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    元スレ八幡「俺ガイルのキャラをシャッフルする」

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    301 :

    由比ヶ浜「ついたよー!」

    八幡「ほら、起きろ」

    留美「んぅ……」

    沙希「……あ、着いた?」

    戸塚「おお……山だ!」

    葉山「や、やっと着いた……」

    八幡(今回俺たちが林間学校の手伝いとして来たところは千葉村)

    八幡(自然溢れるよいところだ)

    八幡「……で、先生。なんであいつらいるんですか。ボランティアは集まらなかったって……」

    由比ヶ浜「あー、なんかあの後急に希望してくれてさ。まぁいいじゃん?人数多い方が楽だし楽しいよ!」

    葉山「すまん八幡。……キャンプのことあいつらに話したらなんかみんなも行くみたいな雰囲気になっちゃって…」

    八幡「あー……はいはいなるほど」


    材木座「ふむぅ!幼子の集団発見!我らと同じくキャンプをしに来た仲間か!?」

    平塚「材木座、これがボランティア活動だってこと忘れてないか?」

    めぐり「えっ?なんのことそれ静ちゃん」

    雪ノ下「えっ、小学校の林間学校のお手伝いをするという話でしょう?」

    材木座「はぁぁぁ!?何それ我聞いてない!てっきりタダでキャンプが行ける神イベかと……」

    葉山「いや、説明したよね……」

    沙希「そんな都合のいい話あるわけないでしょ……」

    八幡(……先生から直接聞いたんじゃなけりゃ、こんな勘違いをする奴らが出てくるのも不思議じゃないからな)

    302 = 1 :

    由比ヶ浜「来たからには観念してしっかりと働いてもらうからね!」

    材木座「嫌だ!働きたくないでござる!絶対に働きたくないでござる!」

    平塚「駄々をこねるなその図体で…」

    戸塚「あ、あはは……それで由比ヶ浜先生、ぼくたちは何を?」

    由比ヶ浜「まずは先生たちに挨拶かな。やっはろー!」

    八幡「他校の先生にもそれで通すのか…」

    先生「あ、こんにちは。本日はわざわざすいませんね」

    由比ヶ浜「いえいえこれもこの子たちのためですから。じゃんじゃん働かせてください」

    八幡(おい)

    先生「はは、わかりました。ではみなさんは裏方で待機しててくださいね……おい、お前ら並べ!」

    小学生「」ワイワイガヤガヤ


    戸塚「小さいね……ぼくたちもちょっと前まではあんなんだったんだね」

    八幡「ホントにな、あの頃はあの頃で自分のことをだいぶ大人だと思ってた節もあったが……思い返してみると、やっぱり子供でしかない」

    葉山「本質的にはそう変わってないさ。ああやって整列一つにもぐだぐだになるのは今も同じだ」

    八幡「はは、そうかもな」

    戸塚「葉山くんだんだん八幡に似てきたね…」

    葉山「それは酷いな」

    八幡「どういう意味だ…」

    303 = 1 :

    先生「最後に、今日からみんなのお手伝いをしてくれるお兄さんお姉さんを紹介する。これから3日間お世話になる人たちだ。まずはちゃんと挨拶をするように。よろしくお願いします」

    小学生「よろしくおねがいしまーす!」

    八幡(説明は淡々と終わり、俺たちの紹介をする番がやってきた)

    先生「じゃ、挨拶よろしく」

    材木座「へっ!?はっ、わ、我ぇ!?」

    八幡(そう言って先生がマイクを渡したのは材木座。ま、妥当な人選だろう。グループのリーダー格とも言える存在だ。それを瞬時に見抜いたあの教師はただ者ではないが)

    材木座「……え、えーっと……」

    材木座「」スイッチon

    材木座「ふはははははは!!」

    小学生「!?」

    八幡(なんだ急に……)

    材木座「我らは"黒の騎士団"!!悪を滅ぼし、世界に光を灯す存在也!」

    材木座「歓迎するぞ!小さき同胞どもよ!これより3日間、我らの導きに従い、充実した林間学校ライフを送るのだ!!」

    小学生「」ザワ……ザワ……

    小学生「お、おぉぉぉぉぉ!!」

    八幡(この大勢の前で何言ってんだあいつ……!?いや確かにあのアニメは俺も大好きだが!!)

    戸塚「おぉぉぉぉぉ!!」

    八幡「」

    八幡(まぁ、盛り上がってるしこれはこれでいいか………)

    304 :

    材木座がついに葉山ポジを放棄したwww

    305 :

    いやカリスマという意味では間違ってないはず…

    306 = 1 :

    材木座「」シュウウウウ

    めぐり「頑張ったね」ヨシヨシ

    雪ノ下「はぁ……大衆の面前でよくあんなことが言えるものね……」


    八幡「なぁ、材木座ってどんなやつなんだ……?」

    葉山「中二病」

    八幡「アッハイ」

    葉山「いい奴ではあるぞ。だからこそこうやって材木座を中心としたグループが出来ているんだからな」

    八幡「あいつにそんなコミュニケーション能力があるようには思えないんだがな…」

    八幡(今まで見てきたあいつからは、どうにも俺と同じような匂いがするのだが)

    葉山「自然と人が集まるんだよ、あいつの周りには」

    八幡「へぇ……」

    葉山「俺だってそうさ、もとはあいつと俺が友だちになったところから始まった」

    葉山「中二病でヘタレでクズな奴だけど……面白いんだよな。だからあいつと付き合うようになって……気付いたら人が増えていた」

    八幡「玩具扱いかよ」

    葉山「そういう魅力があるってことさ」

    葉山「……もちろん、君にもね」

    八幡「」ゾクッ

    八幡「わかった、ありがとな。じゃあ由比ヶ浜先生に次の仕事を聞いてくるわ」

    八幡(本能が告げた。逃げろと)

    葉山「あぁ、八幡……」

    葉山「……このキャンプ中に、必ず」

    307 = 299 :

    これもう材木座の傍だけが安全圏だと思う

    308 = 304 :

    大変! 葉山君の目のハイライトが行方不明なの‼︎

    309 = 1 :

    先生「それではオリエンテーリング、はじめ」

    八幡(小学生たちは五、六人のグループを作り、わいわいきゃあきゃあはしゃぎ回っていた)

    八幡(そして材木座の周りには早くも人だかりが出来ていた。先ほどのシャウト効果なのか、はたまた葉山がいうような彼の魅力のなせる業なのか)



    小学生A「おにーちゃん、黒の騎士団ってなーに?」

    材木座「ほぽぅ!?な、なんだ藪からスティックに…そんなに知りたくば教えてやろう!後悔しても知らぬぞ?」

    小学生B「なにそのしゃべりかたー」

    小学生C「うけるー」



    雪ノ下「そんなところで突っ立ってどうしたの?」

    八幡「はっ!?お前は……」

    雪ノ下「お久しぶり。あなたと同じクラスの雪ノ下雪乃よ。テニスの件ではお世話になったわね」

    八幡「…比企谷八幡だ。どうした、俺に話しかけてきたりなんかして」

    雪ノ下「比企谷くん……ね、いえ、少し時間が空いたから軽く自己紹介でもしようかと。これから3日間は共同作業なのだから」

    八幡「それだけか?」

    雪ノ下「………………」

    八幡(楽しくなるはずのキャンプにこいつらが着いてきたことは予想外だが……これは幸運と言えるかもしれない)

    八幡(こいつは戸塚の幼なじみだ。優美子さんが教えてくれなかった、中学時代の戸塚との軋轢を教えてくれるかもしれない)

    八幡(そしてわざわざ俺なんかに話しかけてきたことから……こいつが戸塚のことを気にしているというのは明らかだ)

    八幡(戸塚へのアプローチはまだ時間を置くとしても、必要な情報は得ておくべきだろう)

    八幡(そのために、こいつから話を聞く必要がある)

    八幡(だが、あくまで直球は避けろ)

    八幡(ここは駆け引きだ)

    310 = 1 :

    雪ノ下「あなたが何かを知っているのだとしたら、深く追求しないことをおすすめするわ」

    八幡「んなこといわれて引き下がれると思うか?」

    雪ノ下「戸塚くんは奉仕部ではどうなの?」

    八幡「さぁな、お前が俺の質問に答えてくれるってんなら答えてやる」

    雪ノ下「……優美子さんね?もう、あの人は余計なことしか言わないから……」

    八幡「戸塚と何があった。言え」

    八幡(路線変更だ。ここまでさらけ出してくるなら直球で勝負する)

    雪ノ下「本人から聞きなさい」

    八幡「ッ………!」

    八幡(こいつも、それか……)

    平塚「おーい、雪ノ下何やってるんだ?」

    雪ノ下「ごめんなさい、今戻るわ」

    八幡「おい、お前!」

    雪ノ下「じゃあまた後で、比企谷くん」

    八幡「くっ………!」

    めぐり「あ、君が比企谷くん?初めまして〜、城巡めぐりです!よろしくね」

    八幡「お、おう。よろしく」

    雪ノ下「え、ちょっと城巡さん」

    平塚「ん?あぁ、確かに自己紹介がまだだったな。私は平塚静だ。絶賛彼氏募集中」

    八幡「ひ、比企谷八幡、です」

    めぐり「さっき2人で何話してたの?なんか険悪だったけど」

    平塚「ほほう……もしかして男女関係の軋轢か!?雪ノ下ぁ〜貴様にそんな話があったとはな……」

    雪ノ下「ちょ、ちょっと!何か勘違いしているようだけれど私はそんな男と何も」チラリ

    雪ノ下(助けなさい!)

    八幡(なーんていう視線なんだろうけど知るか。性悪は野次馬に絡まれてろ!)

    八幡「じゃ、俺行きますんで」

    めぐり「あぁ!逃げるんだね比企谷くん!」

    平塚「ますますあやしいな!雪ノ下、あいつと一体何があった!?」

    雪ノ下「くっ……!比企谷八幡……!覚えてなさい!」

    311 = 1 :

    八幡「ふぅ、疲れた……」

    戸塚「あ、八幡。雪ノ下さんと何を話してたの?」

    八幡「…………………………」

    戸塚「?」

    八幡「……自己紹介をな」

    戸塚「そっか、確かに八幡もあの人たちとはほとんど初対面なんだね。ぼくもさっに自己紹介をしたよ」

    留美「わたしも………した」

    沙希「あんたの妹だって言ったらすっごく驚かれたんだけど……」

    八幡「…そうか」

    沙希「?」

    八幡(俺が雪ノ下と話していた、というのを見ても戸塚は全く動揺の色すら見せない)

    八幡(だが雪ノ下に近付こうとは決してしない。なんだ、この気持ち悪さは)

    沙希「……どうしたの?顔色悪いけど」

    八幡「…そうか?雪ノ下たちとの会話で疲れたからかな……」

    戸塚「どんな会話したの八幡……」

    留美「……内容次第じゃ血を見ることになるよ、八幡」

    八幡「俺は女子と会話すらさせてもらえないのか……」

    312 = 1 :

    沙希「……ってかさ、さっきからずっと気になってるんだけど」

    八幡「どうした?」

    沙希「あの子………いいの?」

    八幡(そういって沙希の指した先には、1人の女の子がいた)

    八幡(そう―――その子は、1人だった)

    八幡(他の子供たちがグループを組んでいる中、その子だけが1人で佇まんでいた)

    留美「……………………」

    戸塚「……あの子、どうしたんだろう。友だちは?」

    八幡「聞いてやるな……そういうことだろう」

    八幡(あの子の容姿からして、孤立するタイプの人種ではなさそうだ)

    八幡(なら考えられるのは一つしかない)

    八幡(部外者である俺たちが、それに対抗することなんてできるわけもない)

    八幡「……ここは見て見ぬふりをすべきだ」

    戸塚「え!?そんな……そんなのおかしいよ」

    留美「…………」

    沙希「アタシもおかしいと思うけど……あのままじゃちょっと可愛そうじゃない?」

    八幡(ここで声をかけたらもっと可哀想なことになるだろ…)

    戸塚「ぼく、行ってくる」

    八幡「あ、待て戸塚!」

    313 = 1 :

    戸塚「君どうしたの?」

    相模「」ピクッ

    八幡(やっちまった……)

    相模「えっとその、ウチ……」アワアワ

    戸塚「ほら、みんな向こうにいるよ。ついてきて」

    相模「う、うん……」

    八幡(……戸塚に連れられるままにしてその子は小学生の輪の中に入っていったが)

    八幡(その瞬間、その小学生たちが見せたなんとも微妙な表情を俺は見逃さなかった)

    戸塚「……………」

    八幡(戸塚も気付いたか……)

    沙希「……そういうことね、悪かったよ八幡」

    留美「………………」

    八幡「いじめ問題っていうのはそう軽々と部外者が介入していいもんじゃねぇからな……」

    戸塚「うん……でも見過ごして正解だったとも思えないしなぁ……」

    八幡「戸塚の対応が吉と出る場合だってもちろんあるから、気負うことはないと思うぞ」

    戸塚「うん……ありがとう」

    314 :

    弱気な相模は可愛い(宇宙の真理)

    315 = 1 :

    昼休みーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    由比ヶ浜「みんなとカレーを作ろう!」

    八幡「葉山、味見係頼んだ」

    戸塚「ぼくたちでやるから安心して、ね」

    葉山「なんだこの複雑な感情……」

    沙希「葉山さんェ……」



    平塚「ふははっ!カップラーメンで鍛えられた私の料理スキルを見よ!」

    雪ノ下「平塚さん、あなたも味見係をお願いできるかしら」

    平塚「なぜだ!?」

    めぐり「確かに地雷な気がする……」

    材木座「むぅ……味見係は我がやりたいのだが……」

    雪ノ下「あなたは働きなさい」ニッコリ

    材木座「ヒィッ!は、はい……」



    沙希「…へぇ、すごいね戸塚さん。包丁さばきは私よりもうまい」

    戸塚「沙希ちゃんだって、中3でそのレベルはすごいと思うよ。家事とかしてるの?」

    八幡「基本的に親がいねぇからな。朝食はもちろん弁当夕飯まで沙希が作る場合もある」

    沙希「アタシが小学校のときまではこいつが作ってたんだけどね」

    戸塚「えっ、なんか意外……確かに妙に手馴れてる……」

    八幡「一応長男だからな……」



    材木座「ふふ……肉だ、牛肉だ……」

    めぐり「やっぱり雪乃ちゃんは手際がいいね〜、家でも料理とかするの?」

    雪ノ下「両親が多忙だから……毎日惣菜を食べるわけにもいかないし、自然に身についたのよ」

    材木座「ほむぅ……それは大変だな。我もスパゲティくらいなら作れるが…」

    めぐり「私はお菓子作りくらいかな〜?」



    葉山「」

    平塚「……わかるぞ、葉山」ポン

    316 = 1 :

    由比ヶ浜「うう………」

    葉山「先生、どうしたんですか?」

    由比ヶ浜「子供たちを手伝おうとしたら失敗ばっかりしちゃって……追い出された」

    平塚「ようこそこちら側の世界へ」

    葉山「一緒に味見役をしましょう」

    由比ヶ浜「急に生き生きとしだしたね…」



    雪ノ下「平塚さん、お仕事よ!」

    平塚「本当か!?」

    雪ノ下「あとは煮るだけだから鍋を見ておいてちょうだい」

    平塚「お前それでも人間か!?」



    葉山「そちらも終わったみたいだね。アク取りくらいはやるよ」

    八幡「…お、そうか?悪いな」

    留美「じゃあ任せる……行こ、八幡」

    戸塚「ありがとう。ぼくたちは少し休ませてもらうね」

    葉山「ああ」



    由比ヶ浜「お鍋見てあげようか?」

    幼女「やめて!触らないで!」

    幼女B「あっちの班に行ってください」

    由比ヶ浜「(´・ω・)」

    317 = 1 :

    八幡(鍋は葉山に任せ、俺と留美はキッチンから少し離れたところに移動する)

    八幡(戸塚は他の子どもたちの手伝いに行ったようだ。小学生で、しかも初めての野外炊飯。なかなか思い通りにならないグループも多いのだろう)

    留美「やっと2人きり……」

    八幡「くっつくな暑苦しい」

    八幡(戸塚に付き合うということも少しは考えたがまぁー無理だ。こうやって鶴見に絡まれてる方がまだましなくらいに)

    由比ヶ浜「ううう……」

    八幡「……どうしたんすか」

    由比ヶ浜「どこいっても邪魔者扱いで心が折れそうだよ……癒してヒッキーくん」

    八幡「一体どんな料理スキルの持ち主なんですかあなたは……」

    八幡(あの葉山ですらもたらい回しにされるほどではない)

    留美「………うー」

    由比ヶ浜「えっ……なんか威嚇されてる?」

    八幡「安心しろ鶴見。間違ってもこれがお前の警戒するようなことにらならない」

    留美「八幡がいうなら……信じるけど……」

    由比ヶ浜「なんだかものすっごい腑に落ちないんだけど!?」



    材木座「我のギアスは"瞬速"!見よ、この目にも止まらぬ速さの微塵切りっ!」

    小学生C「すげー」

    小学生D「そんなにはやくねー」


    雪ノ下「………」シャッシャッシャッ

    小学生E「じゃっ、ジャガイモがなんか変な仏像に!?」

    小学生F「か、完敗です……」

    めぐり「小学生相手に張り合うのやめよ雪乃ちゃん!?そのジャガイモもうカレーに使えないよ……」


    八幡(……なんやかんやで盛り上がってるな、楽しい林間学校にはなっているようだ)

    八幡(全員が、ってわけにはいかないが)


    相模「……」オロオロ


    八幡(……居場所を見失ったか)

    八幡(ああいう状況になってもオロオロするしかできないってことは、いじめもそう昔のことからじゃねぇな……ほんとに、つい最近からハブられ始めたやつの挙動だ、あれは)

    318 = 1 :

    材木座「………ふむぅ?そこの迷える子羊よ」

    相模「」ピクッ

    材木座「そんなところでどうしたのだ?自分の持ち場はどうした」

    八幡(アッチャー……)

    八幡(これは止められん。すまんな名前も知らない小学生)

    相模「えっと、それは……」

    小学生B「…………」

    小学生D「………………」

    相模「うう……ごめんなさいっ!」

    材木座「あ、ちょ、待つのだ」

    小学生C「なーなーさっきの続きはー?」

    小学生G「はよはよー」

    材木座「う、うむ……そうして埼玉を制圧した我ら"黒の騎士団"は――――」



    相模「………うぅ」

    八幡(それでなんでこっちに来るんでしょうかねぇ……)

    八幡(まぁ、あそこから離れたのは正解だが)

    319 = 1 :

    八幡(あそこで1人ぽつん、というのは想像以上に浮く)

    八幡(周りはもちろんそれが見えている。だが、彼女の置かれた環境がそれに見て見ぬふりをさせるのだ)

    八幡(あの場所にいる限り、彼女は決して向けられることのない視線を浴び続けることになるのだ)

    相模「…………あ」

    八幡(こちらに気づいたか)

    相模「こ、こんにちは」

    八幡「お、おう……こんにちは」

    留美「………………」

    八幡(……この場所なら誰の視線も入るべき余地がない。ならば、少しくらい話しかけても問題はないだろう)

    八幡「なぁ、お前の"それ"、いつからなんだ?」

    相模「う……それって、なんですか。なんのことかわかりません」

    八幡(存外プライドの高い性格らしい)

    八幡「答えたくねぇならそれでもいいけどな。ただ一つ言っとくのは……それが自然に収まると思ったら大間違いだぞ」

    相模「……はぁ?何それムカつく…」

    八幡「俺のいうとこを聞き流すならそれで構わねぇぞ。俺は俺の経験則からアドバイスを出してるだけだから」

    相模「なに、ウチをアンタたちと一緒にしないでもらえる?ウチは……」

    留美「同じ。あなたも、私たちも」

    八幡(鶴見……?)

    相模「っ!ち、違う!」

    留美「違わないよ。あなたがちょっと前まではどうだったかなんて関係ない。今のあなたは、社会から不要とされた、ごみ。私と一緒」

    八幡「つ、鶴見?どうしたお前」

    留美「ごみはごみらしく生きないと。まだあっちの世界に希望を持ってるの?そんなのはただのまやかし。私たちにとって世界に希望なんてないんだよあるのはすごく簡素でつまらないものみんなが楽しそうにしているのはみんながちゃんとした人間だからそうじゃない私たちは笑うことも怒ることも泣くことも楽しむことも許されないのわかる?それを理解した上で今の自分の境遇を考えて今後の身の振り方を」

    八幡「鶴見!!」

    鶴見「……………………」

    八幡(……な、なんだぁ、今の……尋常じゃなかったぞ、あいつ)

    八幡(なんだ、林間学校にトラウマでもあるのか……?急に豹変したということは)

    八幡「っと、おいお前大丈夫か……?」

    八幡(当の本人は目を丸くして微動だにしません)

    相模「ふぇ」

    相模「ふぇぇぇええん……」


    八幡「」

    留美「」

    320 = 314 :

    可愛い(可愛い)

    321 = 1 :

    留美「ご、ごめん……言いすぎた。謝るから泣き止んで……」アセアセ

    相模「ふぇぇ……ひっく、ひっく、違うもん、ウチはごみなんかじゃないもん……ひっく」

    八幡「マジ泣きするとは思わなかったな…」

    八幡(だいたい鶴見が悪いが、話しかけた俺の責任でもある。余計なことはするべきでないという教訓を知った)

    先生「ん……?どうした相模!」

    相模「ふぇええ……この人たちが、この人たちがぁ……」

    先生「……何をしたんですか?」

    八幡(やっべ!このままじゃ小学生の女の子泣かした現行犯になる!)

    相模「ひっく、ウチのことごみって……うう……ひどい、ひどいよ……」

    先生「……ちょっと話を伺いましょうか」

    八幡「なんで俺だけに言うんすか…」

    八幡(人を見た目で判断すな……)

    留美「……わかりました。ごめんね、相模さん……泣かせようと思ったわけじゃないの」

    相模「ひっく、ひっく、ふぇええん」



    葉山「何やってるんだあいつら……」

    322 :

    まったくだよ!

    323 = 1 :

    八幡(取調べはだいぶ本格的に行われた)

    由比ヶ浜「この度は本校の生徒が申し訳ありませんでした……さ、謝って!」

    鶴見「……ごめんなさい」

    八幡「………すいませんでした」

    先生「いえ、この件に関してはそちらも悪気があったわけではないようですし…ただ相手は小学生ですので、もう少し言葉には気をつけていただけると」

    相模「ひっく、ひっく…」

    留美「……わかりました。本当にごめんね?相模さん……」

    相模「う、うぅ……ふぇぇん」

    八幡(……しかしいつまで泣くんだこいつ)

    先生「では、野外炊飯に戻りましょう。みんなもう食べている頃だと思います」



    八幡(……取調べ室から帰ってきたこともあって、相模に対する周りの目は先ほど以上に厳しいものだった)

    相模「」モクモク

    小学生「」ヒソヒソ

    相模「ッ………!」

    八幡(………ホントに悪いことしたな。この俺が罪悪感に芽生えるくらいだから相当である)

    戸塚「で、八幡たちどうしたの?どこかいったと思ったら、小学生と一緒に帰ってくるなんて……」

    八幡「あー……なんだ、ちょっとな。小学生泣かせちまって」

    葉山「な、泣かせたぁ!?なんでまたそんなことを……」

    八幡「…俺はちょっと声かけるくらいのつもりだったんだが……」

    留美「…………………」

    八幡(結局、なぜ鶴見があそこまで豹変したのかは謎のままだ)

    八幡(何か気の狂うようなトラウマがあったのだろうが……それを直接聞くのは正直怖い。ホラー的な意味で)

    324 = 1 :

    戸塚「八幡が、…そして鶴見さんが話す気がないなら追求はしないであげるけど」

    戸塚「反省してね」

    八幡「はい」

    留美「」コクリ


    八幡(この件を反省した上で)

    八幡(相模南を取り巻く環境については、手を打たねばならないだろう)

    八幡(贖罪としてのものもあるし……)

    八幡(……戸塚だって、おそらくはどうにかしたいと思っているだろうから)



    第7章
    小学生になっても、相模南は舐めている

    325 = 1 :

    キャンプ前半戦終了
    そして本日は終わり

    326 = 314 :

    乙でした
    小学生相模にチンコ舐めさせたい(直球)

    327 :

    乙!
    ルミルミの闇は深そうだな…

    329 :

    そうか…そういえばるみるみの過去も引き継ぎか。そして相模の性格も引き継ぎか…

    330 :

    人の過去を他人に聞いて本人に聞けと言われたら性悪ってよほど八幡のほうが性悪だろ…
    雪乃と材木座は原作の数倍生き生きとしてるな

    331 :

    そういや平塚先生が学生やってるけど、原作での八幡との本物に関する会話見るに、先生も結構苦労してた節あるよな
    私がそうだった、とか言っちゃってるし

    ただここではまだ彼氏募集中としかwwwwww

    332 :

    まぁ材木座はもともとの性格もあり、こんな感じで原作でも関わっていればこうもなるだろう
    雪ノ下は「雪ノ下陽乃」っていう一つの重圧が外れたからね
    戸塚とは過去に一体何があったかはまだわからないけど、それでもそれが外れただけでも大分軽くなったってことだね

    333 :

    すいませーん、木下ですけどぉ〜
    ま〜だ、ホモネタ時間かかりそうですかねぇ〜

    334 :

    コテージーーーーーーーーーーーーーーーーー

    戸塚「みんなに集まってもらったのは他でもない、相模さんのことです」

    八幡(昼食が終わり手伝いも一段落ついたことで、俺たちは今後寝泊まりするコテージへ案内された)

    八幡(もちろん男女で分かれており留美はふてくされていた。……だが、今この男子用コテージには雪ノ下たちを含めた全員が揃っている)

    八幡(戸塚が召集をかけたのだ)

    葉山「相模さん?もしかしてあの孤立していた子のことかい?」

    戸塚「うん……せっかくの林間学校なのに、あのままじゃかわいそうだよ。なんとか相模さんと他の子たちの仲を良くする方法は無いのかな……」

    めぐり「……そんな子いたっけ?」

    平塚「うーん……まぁ、正直な話子どもに目をかけている余裕はなかったからな…」

    材木座「………あの子のことか」

    雪ノ下「心当たりがあるのかしら?」

    材木座「確かに1人だけどのグループにも属さずオロオロしていたな……声をかけたら逃げられてしまったが」

    雪ノ下「それはあなたが悪いのではないかしら?性犯罪木座くん」

    材木座「3次のロリになど興味はないわぁ!」

    八幡(怒るとこそこなの…?)

    戸塚「とにかく!その子を救うためにはどうすればいいのかな……?」

    戸塚「それを考えたくてみんなを集めたんだ」

    335 = 1 :

    雪ノ下「救う、ね……」

    留美「…………………」

    葉山「うぅ〜ん……」

    平塚「……そもそもその子が孤立している原因はわかっているのか?」

    戸塚「えっと、それは……」

    八幡(ま、声に出して言いたいことじゃないわな)

    八幡「十中八九いじめだろうな」

    戸塚「う……」

    葉山「確かに、それ以外は考えられないだろうね」

    材木座「………………」

    めぐり「重苦しい雰囲気になっちゃったね…」

    雪ノ下「仕方がないでしょう。そういう話題なのだから」

    八幡(相模南はいじめられている……これは疑いようのない事実だ)

    八幡(だがそのいじめがどの程度のものなのか、そこまでのことはまだわからない)

    八幡(おそらくああなってしまった以上相模からも聞き出せないだろう)

    八幡「相模のことを解決するためには、相模のクラスが……あるいは学年全体がどのような空気であるのか、ということを知る必要があるな」

    平塚「そんなものどうやって調べるんだ。小学生たちに聞きに回るのか?」

    戸塚「いや、小学生たちに聞かなくても、そういった生徒間の雰囲気を一番理解してそうな人なら他にいるよ」

    材木座「ふむぅ?誰だそれは」

    戸塚「先生」

    八幡「正解」

    336 = 1 :

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    戸塚「ローテーション?」

    先生「……あまり言いたくはなかったんですけどね、そういうことです」

    八幡(その教師から聞き出したことは、おおまかにいうとこんな感じ)

    ・クラス単位で特定の人物をハブったり無視をするいじめが存在する
    ・いじめの対象となる人物は短い期間で変わる
    ・一度対象となった人物は、いじめがなくなってもなかなか輪に戻れない
    ・だいたいが女子のグループで起こる

    八幡(……教師はこれを教えるのを最後まで渋っていたが、彼なりにも教師としての熱意があるのか、はたまた戸塚の熱意におされたのか、あますことなく俺たちに教えてくれた)

    八幡(そして、あの時相模の言っていた言葉の意味もだいたい理解出来ていた)

    八幡(『 アンタらと一緒にするな』)

    八幡(おそらく相模は林間学校が始まる本の数日前までは、普通にあるグループに所属し、普通に過ごしていたのだろう)

    八幡(そして恐らくは、"普通に"その時の標的だった子をいじめながら)

    八幡(だからアイツはまだ自分の状況を理解できていない)

    八幡(それどころか、鶴見の言う通り……希望を持ってしまっている。自分が今まで友だちと思ってきた奴らに)

    八幡(こんなの何かの間違いだ、ウチが見捨てられたなんて有り得ない…ってな)

    八幡(やはりプライドの高い性格だという俺の見立ては正しかったようだ)



    戸塚「…なるほど、わかりました。ありがとうございました」

    先生「いえ。…できることならあの子を助けてやってください。もう俺にはどうしようもないですから」

    戸塚「もちろんです。そのためにお話をお伺いに来たのですから」ペコリ

    八幡(あの顔。……おそらく戸塚も気付いているのかもしれないな)

    八幡(相模南がただ普通に救済されていい人間ではないことを)

    337 = 1 :

    戸塚「…で、どうしよっか」

    葉山「問題ははっきりしたね。誰か1人を排除しなければ気が済まない、この腐った風潮だ」

    平塚「だがそんなものをどうやって改革すればいい?小学生とはいえど人は人だ。そういった人の心の弱い部分をなくすのはいくらなんでも無理だろ?」

    めぐり「誰かをハブって楽しむ……わからなくもないのが辛いところだね」

    戸塚「やっぱり相模さんから動いてもらうしかないのかな………それか、今までに迫害を受けてきた子たちとか」

    留美「無理。そういう強い子は、そもそも対象にすらされない」

    八幡(だろうな。さすがはぼっち歴は俺と一二を争うボッチリストだ)

    八幡(無害そうな子、自分たちに反抗しなさそうな子……そういう人こそ、いじめの標的には成りやすい)

    八幡(そういうところで逆らえる子は、どちらかというといじめの加害者に多い。弱肉強食の摂理だ)


    雪ノ下「……そもそも、その話だともとは相模さんもいじめていた方だったのでしょう?」

    八幡(…それを今言うか)

    雪ノ下「巡り巡って自分に返ってきただけじゃない。なんでそんな子を救う必要があるの?」

    338 = 1 :

    戸塚「………だからって、泣いてる子を放っておけはできないでしょ」

    雪ノ下「逆になぜ構うのか甚だ疑問なのだけれど。あなたのしようとしていることは追い打ちをかけるようなものよ?」

    雪ノ下「あなたが相模さんを"救った"としましょう。相模さんは今まで通りみんなの輪の中に入りました、めでたしめでたし……で、終わると思う?」

    雪ノ下「いくら和解しても、一度迫害をしたされたという関係のわだかまりは絶対残るわ。そんなことをしても、相模さんがより一層惨めになるだけ」

    雪ノ下「そんなのがあなたの救済なの?」

    戸塚「ッ……!」

    八幡「…なら逆に聞くがこのまま放置することが救済になるとでも?」

    雪ノ下「さぁ?それは相模さん次第よ。彼女がこの状況を打破したいと思うのなら、彼女自身が努力をしてそれを打ち破るべき。元はといえば自分がしてきたことなのよ?それくらいはさせて当たり前じゃないかしら?」

    雪ノ下「彼女自身がこれまでの自分を省みて、状況を変えるためと努力しようと決意したとき……そのときに初めて救いの手を差しのべる。これが本来あるべき"救済"の仕方よ」

    雪ノ下「あなたがしようとしていることは飢えた人に焼き魚を与えることに等しいわ。その飢えた人は魚を釣る方法も焼く方法もわからずまた飢えるでしょうね」

    八幡(正論のオンパレードである)

    八幡(しかし、そこには正しさ故に偏りがある)

    339 = 1 :

    葉山「雪乃のいうことも正しいとは思うけど」

    戸塚「」ピクッ

    葉山「相手はまだ小学生だということを忘れてないか?これが高校生のいじめ問題だというなら、相模さんにそこまで求めるのもわからなくもないが」

    葉山「まだ知識も人生経験もかじりたての子どもだ。そんな子にいじめ問題から自力で立ち直れ、なんてことを要求するのはちょっと酷じゃないか」

    八幡(やるぅ、葉山)

    雪ノ下「……………………」

    戸塚「……そう、そうだよ。いくらお節介だったとしても、子どもの間違いは正してあげなくちゃいけない」

    戸塚「また何回も何回も間違えるかもしれないけど、その度に正していってあげよう」

    戸塚「そうやって、子どもたちは大人になっていくんだろうからさ」

    雪ノ下「……わかったわよ」

    雪ノ下「でも実際どうやってこの状況を正してあげるのかしら?」

    雪ノ下「下手に手を出しても、悪化する未来しか見えないのだけれど」

    八幡(さぁ、出番だぞ)

    八幡(悪辣非道、最低最悪な頭脳で考え出したこの答えを突きつける時がきた)

    八幡(ここから先は光を塗り潰す暗い闇)

    八幡(比企谷八幡の独り舞台だ)

    340 = 1 :

    短いですが、ここまで

    342 :

    アスラクライン思い出した

    344 :

    八幡のお家芸が始まるのか……なんかすごく引かれそう

    345 :


    雪乃が正論すぎてワロス
    相模だから同情できないのかな

    346 :

    でもお前らはいじめられてはぶられてるのが戸塚だったら全力で助けるだろ?

    347 :

    原作の正論を原作雪乃が持つ歪み無しに叩きつけるからホントに正しくなってる
    陽乃がいないだけでかわるもんだね

    348 :

    なんかこんがらがってるんだがこれ雪乃が口に出してるのは葉山の思考なんだよな?
    ついでに聞くと葉山の中身は由比ヶ浜なんだよな?

    349 :

    違うぞ本来の葉山はこんなことは思っても言わない
    ポジションが変わっただけで中身は変わってない
    葉山が料理下手やホモになってたりで元いた人の要素が一部残ってるけどね

    350 = 346 :

    元の葉山もホモな可能性が


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