元スレ八幡「俺ガイルのキャラをシャッフルする」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
501 = 1 :
八幡(…………………………)
八幡(あ、れ…………………)
八幡(おれ、いつのまに、寝たんだっけ…)
八幡「……く、んだ、頭痛が……」
八幡「朝か……学校、行かねぇと…」
沙希「行かせないよ」
八幡「!……さ、沙希……」
八幡(起き上がった拍子に、額から何かがずり落ちる感覚がする)
八幡(……濡れタオル?)
沙希「……今日は学校休みな。その熱じゃ無理だ」
八幡「は、はぁ……?」
八幡(ね、熱って……)
八幡「っ!」
八幡(頭が……ガンガンする。寒気も酷い。……嘘だろ、まさか)
八幡(こんなときに……!)
沙希「……昨日一緒に作業してるときさ、アンタ急に顔赤くなったと思ったらぶっ倒れたんだ。後で熱はかったら38℃」
沙希「これが何を意味してるかは分かるよね」
八幡「………………」
八幡(沙希は怒っていた)
八幡(口にこそ出さないものの、その表情は明らかに俺を非難していた)
沙希「……今日は1日寝て、頭冷やしな」
八幡「ま、待て……こんな大事なときに、休むわけにはっ……!」
沙希「あ?」
八幡「……………」
沙希「……寝とけよ。いいね」
八幡「……はい」
502 :
サキサキおこモード突入
503 :
サキサキこわいお
504 = 1 :
『これが何を意味してるかは分かるよね』
八幡(頭の中でその言葉がぐるぐると回る)
八幡(客観的判断を下すのは簡単だ)
八幡(だがそれを認めてしまえば……)
八幡(俺は………)
八幡(なぜ俺があそこまで無茶をしたのか)
八幡(今ならはっきりと言える)
『頑張ってる人に、失礼だよ』
八幡(……戸塚という人間に、初めて感動したとき)
八幡(そのときのその言葉は、今でも俺の心深くに残っていた)
八幡(俺という人間は、戸塚と関わることでずいぶんと変わった)
八幡(戸塚という人間性に憧れたから)
八幡(だからこそ、俺は許せなかったんだろう。頑張ってる人に全てを投げ、自分たちだけで楽しもうとする奴らを)
八幡(そいつらに文化祭が壊されることが、何よりもたまらなかったんだ)
八幡(………だから)
八幡(俺は無茶をした)
505 = 1 :
今日中にもっと更新するはずだったが無理でした。また明日投下します
これも全部SIROBAKOが悪い
506 :
乙
SHIROBAKOいいよね
間違いなくここ数年で五指に入る作品だよ
508 :
ヒッキーがゆきのんになったか
おもしろい
509 :
高校の文化祭の実行委員って実際のところどんなことやっているのかね
510 :
大ホール等の会場設営
各クラスの椅子、机を回収管理、小道具や座敷の貸し出し
クラスの大道具や外装の強度、安全性チェック
入場門作成
通行止めバリケード設置
パンフレット作成
各予算管理と収支見合せ
看板の作成、張りだし
ホールや体育館のタイムキーパー
開会式、閉会式、後夜祭の司会進行タイムキープ、音響、ライト管理
食品系衛生管理指示
当日の案内、巡回
体育館、ホール使用団体、後夜祭出場者の選抜
後夜祭準備
片付け
どこの学校もこんなもんだろ
もっとあったような気もするけどこれ以上は覚えてないや
511 :
めぐり[ピーーー]
512 :
>>510
うちの高校バカばっかだったからこんな仕事こなしてたとは思えんな…
どこもこのくらいが普通なの?
513 :
>>512
そういうとこは教師か事務員が充実しててやってる
生徒の自主性()とかやってる学校はイベント自体がなかったり
おれのとこは文化祭、体育祭、修学旅行を3年に1回とかやってた
タイミング次第でリサーチ不足で修学旅行がショボくなったり文化祭や体育祭で下っ端やることになる
514 = 510 :
教師バンドが割り込ませろと教師権限振りかざしてきて大変なくらいには教師も自由にやってたわ
515 :
>>510
俺の学校生徒会執行部(という部活)がそういう系の事やってたな
516 :
あんまり事務作業ない感じなのね
517 :
八幡(…………………)
八幡(どれくらい眠っていただろうか)
八幡(頭痛もすっかりおさまり、寒気もしない。熱は下がったのだろう)
八幡(なのに俺の心はいっこうに晴れなかった)
八幡「……今は、5時か」
八幡(本当に丸一日眠ってしまっていたらしい)
八幡(……昼飯も食ってねぇ。頭が冴えてきたせいか、空腹感が俺を襲う)
八幡「………つっても、なんか食うような気分にもなれないわな」
八幡(今日風邪が治って)
八幡(明日、どんな顔であいつらに会えばいいのだろう)
八幡(でも俺が学校にいかないと、かなりヤバイ状況ではある)
八幡(ロスっちまった分を、取り戻さないと…)
518 = 1 :
ピンポーン
八幡(…………沙希か?)
八幡(鍵忘れたのかな……)
八幡「……よっせ」
八幡(ベッドから出る。寝起きなため少しふらふらはするが、体調は悪くなかった)
八幡(下まで降りて、インターホンを確認する)
八幡(ぽちっとな)ピッ
留美『…八幡、いるー?』
八幡(…………………!!)
八幡(な、なんで………鶴見が……)
留美『………反応ないね』
戸塚『インターホンが繋がる音はしたから、中には絶対いるはずなんだけどなぁ』
葉山『うーん、親御さんとか?でも無視するのは不自然だよな………』
八幡「」ピッ
八幡「…………き、切っちまった」
八幡(……でも、仕方ないだろ)
八幡(みんなの忠告無視して自己満足のためだけに働いて体壊して)
八幡(……どんな顔してあいつらに会えばいいんだよ、本当に)
519 = 1 :
八幡(わざわざお見舞いに来てくれたのに申し訳ないが、あいつらには今日は帰ってもらうしかない……)
ピンポーン
八幡(……スルーだ。スルーしろ)
ピンポーン ピンポーン
八幡(丁度いい。腹ごなしにラーメンでも作るか)
ピンポーン ピンポーン ピンポーン
八幡(なかなかしつこいな)
ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン
ピンポーン
八幡「猟奇的な何かを感じる!」
520 = 1 :
ピンポーン ピンポーン ピンポーン
八幡「お前らには常識がないのか…」
八幡(ドアノブに手をかける)
八幡(が、それを回そうとしたとき、はたと思い立った)
八幡(……一度居留守を使ってしまったのだ。ここで俺が出てきてしまえばそれこそ俺の立つ瀬がなくなる……)
八幡(ドアノブから手を離す)
八幡(鳴り響くチャイムの音を尻目に、俺はリビングへ戻る)
ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン
八幡(……音がなり止む気配はない)
八幡(だが、我慢だ。心頭滅却すれば火もまた涼し。騒音もまたBGMだ)
八幡(お湯を火にかける)
八幡(今の俺はラーメンマン……)
521 = 1 :
ピンポーン ピンポーン ………
八幡(……ん?)ズルズルー
八幡「音が……止んだ」
八幡「諦めて帰ったか……」
八幡「………」ズルズルー
八幡(ちょっと申し訳ないことをしたが)
八幡(これも仕方ないことなんだ、許してくれ)
八幡(シーフードうめぇ)ズルズルー
??『ちょっと………さん!さすがにそれは』
??『だめ…………ないで。たぶんこうでもしないと、………は……』
??『ははは………でも、………じゃないかな?』
八幡(……途切れ途切れだがなんか聞こえる)
八幡(庭の、方からか……?)
八幡(俺の家はリビングから庭に出ることが出来る。庭とリビングは、ガラスの扉で遮られている)
八幡(カーテンのせいであいつらが何をしているのかは見えないが、まぁあいつらが庭で何をしようが問題はない……)
留美『……よし、いくよ』
戸塚『だからダメだって!バールでガラス割って侵入するだなんて!』
八幡「ちょっと待てそれはまずい!!」
八幡(モラルがないのかこいつには!)
522 = 1 :
シャーーーーーーッ(カーテンを開ける音)
ガラガラガラッ(扉を開ける音)
八幡「お前らいい加減にしろ!インターホン連打したり不法侵入しようとしたり……って……」
留美「やっと、顔見せてくれたね」
八幡(戸塚、鶴見、葉山)
八幡(3人とも神妙な面持ちで、俺を見てくる)
八幡(ちなみにバールなんざ持ってない)
八幡「……ハメやがったな」
戸塚「無視する方が悪いんだよ」
八幡「っ……!」
八幡(やめてくれ、その目……)
葉山「……上がらせてもらっていいかな?」
八幡「………好きにしろよ」
戸塚「うん……」
留美「………」
523 = 1 :
一旦切ります
524 :
乙
いいね、
525 = 524 :
すみません
526 :
お疲れ様!
529 = 1 :
八幡(……そうして上げたはいいものの)
戸塚「………」
葉山「………」
留美「………」ソワソワ
八幡「………」ズルズルー
八幡(何この雰囲気……)
八幡(お見舞いに来てくれたんですよね?)
八幡(いや居留守使ったのは悪いと思うけど、無理矢理押しかけたなら押しかけたなりのアレをですね………)
戸塚「体……もう大丈夫なの?」
八幡「えっ?……あぁ、おう」
戸塚「そっか、明日からは来れるの?」
八幡「あぁ……」
戸塚「よかった………」
八幡「…………」
八幡(俺がカップヌードルを食べている間、終始気まずい空気が流れていた)
八幡(……恐らくは、隙を伺っているのか)
八幡(鶴見はやたらと辺りをキョロキョロしていたが)
八幡「……ごちそうさま」
葉山「……昼ごはん食べてなかったのかい?」
八幡「あぁ……さっき起きたところだったからな」
葉山「そうか……」
八幡「………」
530 = 1 :
留美「で、なんで居留守なんて使ったの」
八幡「ブフッ」
八幡(このタイミングかよ!?)
八幡「あ、いやそれはだな……」
八幡(言葉を取り繕おうと、戸塚たちの顔色を伺ってみる)
八幡(言葉が詰まった)
八幡(……戸塚が、今にも泣き出しそうな顔をしていたから)
八幡(その顔を見て……俺がしたことがどれだけ愚かなことだったかを思い知らされる)
八幡「……それ、は」
葉山「正直に言ってくれ」
八幡「…………」
八幡(こいつらのこんな顔、今まで見たことがなかった)
八幡(はっきりと、気圧されてる自分がいる)
八幡(俺は………)
531 = 1 :
八幡「……勘違いしないで欲しいのは、俺がお前らを拒絶したのは、別にお前らが鬱陶しかったからとか、そういう話じゃない」
戸塚「なら、どうして」
八幡「怖かったんだよ」
戸塚「………!」
葉山「君は……」
八幡「大口叩いて無理して仕事して、で体調崩して迷惑かけて……そんな情けない俺を見られるのが怖かったんだ」
八幡(腹を割る)
八幡(これ以上こいつらに対して不誠実な行動はできない)
戸塚「……ぼくたちが、八幡を責めると思うの?」
八幡「口では言わなくてもさ」
八幡「心のどこかで、俺のことを軽蔑するだろ」
葉山「そんなことはない!」
八幡「あるんだよ……意識的にしろ無意識的にしろ、人間の中にそういう感情が芽生えてしまうのは仕方ないことだ」
八幡「そしてそれは行動にも出る」
戸塚「…………」
葉山「違う………!」
532 = 1 :
戸塚「…八幡は情けなくなんかないよ」
戸塚「八幡はただひたすらに文化祭を成功させよう、そういう一心だけで他の人の分の仕事までして頑張ったんでしょ?」
戸塚「なんでそんな人を責めなきゃいけないのさ!」
八幡「………っ!」
八幡(違う、俺はただの自己満足で…)
葉山「…八幡、そんなに俺達は信用ないか?」
葉山「今回の件、誰が悪くて誰が一番苦労してたかなんて理解してるに決まってるだろ」
葉山「俺たちは一番近くで君を見てきたんだ」
葉山「俺も……委員長も、副委員長も、部長も!君に感謝こそすれ、軽蔑なんてするはずがないだろ」
八幡「……………」
八幡(……俺だったら)
八幡(戸塚が働きすぎて倒れたら……)
八幡(どう思うか……?)
戸塚「もっとぼくたちを信じてよ」
戸塚「ぼくは君を傷つけない」
戸塚「ぼくは君を拒絶しない」
戸塚「周りがなんと言おうと、ぼくだけは君を認めてあげる。君が、ぼくにしてくれたみたいに」
八幡「戸塚……」
葉山「八幡」
葉山「俺も戸塚くんに同じだ」
葉山「何があっても、俺たちは八幡の味方であり続ける。それが友達だろ」
八幡「葉山……」
八幡(……はは、情けないな俺)
八幡(勝手に深読みして、わざわざ見舞いに来てくれたこいつらを拒絶して)
八幡(挙句の果てにこんな言葉で慰められて)
八幡(……本当に、俺は)
八幡(でも、そんな俺でもこいつらは受け入れてくれるという)
八幡(その時に気付いた。生まれてからずっと俺が渇望してきたもの)
八幡(それがなかったから、俺は世界を憎んだ)
八幡(世界を妬んだ)
八幡(自分に絶望した)
八幡(何があっても壊れない)
八幡(『本物』の、関係)
八幡(俺はそれをとっくに手に入れていた)
八幡(だから、昔と今とじゃ、世界の見え方が違うわけだ……)
533 = 1 :
戸塚「八幡」
八幡(戸塚が立ち上がり、俺に手を差しのべる)
葉山「八幡、行こう」
八幡(俺はその手を掴む)
八幡(戸塚の手は、小さくて、柔らかくて)
八幡(だけどとても、力強い)
八幡(……人との関係は麻薬だ)
八幡(一度ハマると、抜け出せなくなる)
八幡(それを知っているから、今まで自分を人に深く踏み込ませようとしなかった)
八幡(だけど、これが絶対に壊れない、『本物』の関係になりうるのなら)
八幡(少しくらいこいつらに甘えても……)
八幡(いいだろう)
留美「違うよ」
留美「そんなの、おかしいでしょ」
534 :
このままエンディングかと思ったらるみるみ
535 = 1 :
るみるみのターン
本日は終わり
SIROBAKOとシュタゲとゆるゆりのせいで更新が大幅に遅くなって申し訳ない
536 = 534 :
乙です
気になる引きだ
537 :
乙
ゆるゆり増えてて草
539 :
おつ
シュタゲも増えてんじゃねえか!
540 :
シュタゲ増えててワロタ
普通にいい話やん乙
541 :
まだですか?
待ってるよ
542 :
シュタゲは面白いからしょうがないな
543 :
八幡「………鶴見?」
八幡(こいつのこんな表情は、見たことがない)
八幡(千葉村で豹変したときでさえ、無表情を貫いていたというのに……)
八幡(今の鶴見は……今にも泣き出しそうな、そんな顔をしている)
留美「……私は、文実じゃない。八幡たちの仕事がどういうものか知らないし、今回の八幡の行動でどれだけの人が助かったかなんて、知らない」
留美「だから、客観的に言わせてもらうけど」
留美「八幡は間違ってる」
八幡「………………」
留美「文化祭の成功のために一生懸命頑張るのは立派な事だと思う」
留美「でもさ、それを1人で全部背負い込もうとして……結局体崩して……」
八幡「……わかってるよ、体調管理もせず、後先も考えず、結局みんなに迷惑かけることになっちまった。俺が正しいなんて思ってな――――――」
留美「………やっぱりわかってない」
八幡(………!!)
八幡(なんで……こいつ、泣いてるんだ…)
留美「八幡が倒れたって聞いて……私がどれだけ心配したか………!!」
545 = 1 :
戸塚「…………」
葉山「ぁ…………」
八幡(………この後に及んでもまだ)
八幡(俺の罪悪感は、『俺が休んだことによる仕事の遅れ』に支配されていた)
八幡(鶴見の叫びは、そんな俺の心を貫くように)
八幡(重く、響いた)
留美「……認めちゃダメなんだよ」
留美「このままじゃ八幡は、また同じことをするよ……体調管理をして倒れることはないまでも、きっと八幡は自分が苦しむ道を選択する」
戸塚「………うぅ」
留美「だから、叱ってあげなくちゃダメなんだ。なんで私たちを頼ってくれないんだって、なんで私たちの気持ちを考えてくれないんだって」
葉山「そ、それは………」
八幡(鶴見たちの、気持ち………)
留美「八幡がここまで頑張らなきゃいけなくなったのは、八幡のせいじゃないってことくらい、わかってる」
留美「でもだからってここで八幡を甘やかすなんて……そんなのおかしい」
留美「それは……ただの"共依存"」
戸塚「――――――ッ!」
八幡(は、はは………)
八幡(依存、か)
八幡(鶴見からそんな言葉が出てくるなんてな………)
546 = 1 :
留美「私は、今の八幡を認めない」
八幡「………っ」
留美「私は、八幡が大好きだから。だからこそ、今の八幡を認めるわけにはいかない」
葉山「………なっ…」
留美「私の八幡は、もっとかっこいい。もっと優しくて、もっとかしこくて、たくさんの人を笑顔にできる」
戸塚「……」
八幡「……買い被りすぎだよ」
留美「そんなことない。だって私が好きになった人だもん」
八幡「……………えっ」
留美「……今更すぎるよね、その反応」
八幡「ま、まぁ……」
八幡(改まって言われるとな……)
留美「だからさ」
留美「もっと周りを見てよ……」
八幡「…………」
留美「八幡が辛いなら、その辛さを共有したい。八幡が悲しいなら、その悲しさを共有したい……そういう風に思ってる人が、少なくとも一人は、いるんだからさ」
八幡「鶴見……」
葉山「………俺だって、そうだ」
八幡「葉山……」
戸塚「……僕もだよ」
八幡「戸塚……」
葉山「…確かに、俺たちの言葉は甘やかしだったのかもしれないな」
葉山「心のどこかでは、感じていたんだ。八幡との、壁のようなものを……」
戸塚「八幡は、僕たちのことが本当に見えてるのかな?……そう思うと、すごく不安になった」
戸塚「……依存、か。そうだね……一番八幡に依存していたのは、僕なのかもしれない」
八幡「………すまん」
戸塚「いや、別に……」
留美「……戸塚」
戸塚「う………」
八幡「俺は自分のことしか見えてなかった」
547 = 1 :
八幡(思えば)
八幡(俺を見てくれる存在なんて……沙希を除けばこれまで一人だっていなかった)
八幡(……あの人だって、結局俺のことなんざ見ちゃいなかったんだからな)
八幡(だからこそ、だろう)
八幡(いつしか、自分が世界の外にいる気分になっていた)
八幡(俺の世界には、俺しかいない)
八幡(そんな奇妙な錯覚に陥っていた)
八幡(俺の行動で誰かが心を動かすなど、考えもしなかったのだ)
留美「……ねぇ、戸塚、葉山、八幡」
戸塚「な、なに……?」
留美「仕事……手伝うから」
葉山「え………?」
留美「私も、みんなを手伝う。厳しいんでしょ?」
戸塚「そ、そんな!鶴見さんは奉仕部員でもないのに……」
留美「厳しいんでしょ?」
戸塚「う………」
留美「じゃあ、決まり。いいよね、八幡」
留美「……しっかりと、見張ってあげるから」
八幡(………だが、今はどうだ)
八幡(俺を見てくれる人がいる)
八幡(俺のために泣いてくれる人がいる)
八幡(それなのに……まだ俺は俺だけの世界にいる気でいるのか)
八幡「……あぁ、よろしく頼むよ、"留美"」
留美「……………!?」
戸塚「は、八幡……!?」
八幡「どうした、"彩加"」
戸塚「っ!!~~~~~///」
葉山「八幡………!」
八幡「勘違いするなよ"隼人"。みんな俺のことを下で呼ぶのに、俺だけ未だに名字呼びなのはおかしいと思っただけだ……」
八幡(これは、第一歩)
八幡(俺の世界をこじ開けるための、な)
八幡(こちとら十数年ぼっち生活してんだ、それは容易じゃないだろうが……)
八幡(それでも少しずつ、始めていこう)
八幡(その先に、本当の"本物"が待っている)
第十章
そうして、彼の世界はまた一つ色づいていく
548 :
ええやん
549 :
ハッピーエンドやん
550 = 1 :
海老名「お前ら、文化してるかー!?」
「「うおおおおおおおお!!」」
海老名「千葉の名物、踊りと―――!?」
「「祭りいいいいいいいいい!!」」
海老名「同じ阿呆なら、踊らにゃ―――!?」
「「シンガッソーーーーーー!!」」
八幡「……なんっだこれ」
戸塚「あ、あはは……ノリはいいし、盛り上がってるからいいんじゃないかな」
葉山「俺は結構好きだな、こういうの」
八幡(あのあと)
八幡(週明け、風邪を治した俺が学校へ来てみると、驚いたことに文実委員はほぼ全員が集まっていた)
八幡(話を聞くところによると、俺が倒れたことで川崎と城廻がブチ切れたらしい)
八幡(それはすごい剣幕で、クラス運営に現を抜かす文実を連れ戻したそうな)
八幡(サボった引け目から、やはり活気は落ちてしまうかと思ったりもしたが)
八幡(その後のスローガン決めは大白熱を見せた。意見に次ぐ意見、反対に次ぐ反対。その中で決まったのが、川崎の考案したさっきの頭の悪そうなスローガンだ)
八幡(……とまぁ、そんなこんなで当初俺が危惧していたようなことにはならず)
八幡(前日にはもう最終調整のみという異例の速さで文化祭準備は終わった)
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