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    元スレ女勇者「さあ魔王、人間を滅ぼそうよ」魔王「何を言っているんだ貴様は」

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    201 = 197 :

    勇者「…勝手に死なないでよ、もう」

    勇者「あなたをこの手で殺すことで私の過去を清算できると思ったのに」

    勇者「まあいいか。僕は僕だ」


    勇者「…もう細胞の一片も残っていないし再生魔法も使えないよね。あーあ」


    勇者「まおー…早く帰ろ」


    城から出て一目振り替えり
    跡形もなく砂塵にした

    202 :

    跡形もなく砂糖にした、に見えた。

    203 :

    >>202
    くっそW

    204 :

    >>202
    角砂糖で出来たお城の廃墟とか普通に見たいんですが

    205 = 204 :

    ageちまった
    すまん

    206 :

    砂糖が骨材で蟻が被覆材なんだろうな…

    207 :

    女勇者がなんでイっちゃってるのか今んとこ分かんないなあ
    それとも勇者はみんなおかしいのか

    おまえら、ブラックな展開で砂糖談義は自重しなさい

    208 :

    勇者「うふふ…いーいこと考えちゃったあ。七転び八起きだものね」

    勇者「…さて、あっちはどうするかなあ…まだ会わせるわけには…」
    ―――――
    ―――

    魔王合流

    勇者「まおー!」ダダダッ

    魔王「おお、女勇者」

    勇者「まおー…」ギュゥ


    魔王に飛び掛り、飛びつき抱きつき顔をうずめる


    魔王「いきなりどうした?何か、嫌なことでもあったか?」

    209 :

    お、ラブイチャか?

    210 :

    >>207

    じゃあガムシロで

    211 :

    勇者「魔王っ魔王」クンクン

    魔王「ああ、そっちか…」

    勇者「魔王大好きー、この爬虫類特有の生臭さと雄臭さが入り混じった感じがたまらないよ///」ハァハァ、クンカクンカ

    魔王「心にグサリと来ること言うのやめてくれないか?今すぐ体洗いたくなってくる」

    勇者「じゃあ先帰ってシャワーでも浴びていたら?僕はちょっとすることがあるからさ」

    魔王「そうか…?まあいいが」

    勇者「じゃあまた後でね」チュ


    魔王はワープ魔法で帰っていった


    勇者「さて」

    212 = 211 :

    勇者「やっぱり炎はきれいだよね」


    フィエリア王国全体を高温の炎が包み込む

    これで隠れていた者は全て死に絶えるだろうな、地下にいたとしても高熱で蒸し焼きになるだろう


    勇者「ふふ、隠れて難を逃れたと思ったら死ぬ。きっとじわじわと焼かれて」
    勇者「熱いだろうなー、苦しいだろうなー、絶望するかなー」

    勇者「あちちち、喉渇いた」

    勇者「かーえろ」

    213 :

    国から少し離れたところで、二人の少年少女がすれ違った

    すれ違う際に目は合わせず、互いに先を見つめたまま

    背を向けて一瞬足を止め


    勇者「真っ赤だね、何もかも、君すらも」

    勇者「そういう君は真っ白だね、真っ白で、真っ黒だ」



    背を向けたまま腰の剣に手を添え…

    214 :

    勇者と女勇者も好きだけど
    魔王と女勇者の二人がやっぱり一番かな

    215 :

    お、ここで邂逅か

    216 :

    互いに疑問の余地も無く相手を"勇者"と理解する
    まるで最初からわかっていたように、そしてそれはそのとおりだったのだろう

    失った自分の半身を見つけたような、そんな感覚すらあった


    勇者「君は、強いの?」

    勇者「君と比べると、どうだろうね」


    腰の剣を抜きながら振り返る

    カキン!と強い金属音がして互いの剣を弾いた

    217 :

    おお

    218 :

    勇者「どうする?ここで決着でもつける?」

    勇者「…よく、わからない」

    勇者「けど」


    勇者「手を抜くつもりは、無い」

    勇者「いいよ、全力でやろうか」


    二人とも手を抜いたいたわけではない。全力で殺そうとしているわけでもない

    それはまるでスポーツ。本気で切りかかる刃をはじき、避ける
    端から一般人が見れば高度な斬り合い、ギリギリの殺し合いに見えるだろう

    しかし実際はルールを決めた全力の遊びにしか過ぎない

    219 :

    やっぱり強いのか

    220 :

    女勇者が何よりも優先するものは魔王に他ならない

    しかし女勇者の心は何よりも安らいでいる。ずっと失っていた半身に出会えたような、安心感
    ずっと求めていた最大最高の好敵手と剣を交えている高揚感

    そしてそれは勇者もあった
    戦士の前では決して見せることの無い、戦闘への興奮と狂気を湛えた笑み


    勇者「一つ、聞ききたいことがある」カキン

    勇者「何かな?」キン


    勇者「君は何で"勇者"をしていたの?何のために"勇者"をしていたの?」

    勇者「っ」


    その言葉に放心した。それは瞬きの半分ほども無いほんの一瞬の戦意喪失
    しかし卓越した戦士においては致命的の一瞬でもある

    221 = 220 :

    隙を見逃さず取りに来る勇者
    首を捻って寸でのところで避ける


    勇者「危ない危ない、狙ったね?」

    自然と笑みが零れた。本能が危機を感じたのは久々だ

    勇者「教えて、ほしい」


    勇者「何のために…そんなものは無かった。守りたいものも、守るべきものも、何も無かったから」

    勇者「でも、『何で』それだけははっきりしていた。"勇者"だから。それだけだったよ」

    勇者「それ…だけ」


    今度は勇者が放心した。しかし呆けた目はどこを見ているかわからないのに体が機敏に動いて女勇者の攻撃をガードする


    勇者「次は君に聞こう。何で?何のために?答えなよ。現役勇者」

    222 = 220 :

    勇者「ボク…は…わからない…何で勇者なのか」

    勇者「何も考える必要は無いよ。ただ"勇者に選ばれた"それでいいじゃない?」

    勇者「違う…欲しい…理由が…欲しいよ」

    勇者「じゃあ、何のために"勇者"をしているの?」
    勇者「理由なんてどこかに必ずあるものだよ。気づいていないだけで」


    勇者「…何の、ために…」


    先ほどから勇者は防戦一方だ。いくら動きが良くても女勇者なら本気で行けばそのまま決着をつけにいけるだろう
    しかし今は倒すことが女勇者の目的ではない

    目的は引きずり出すことだ…


    勇者「何の…誰の、ために…」


    勇者「………戦士」

    223 = 220 :

    勇者「それが答えだよっ!」


    ガキィイン


    大きな金属音とともに勇者が跳ばされた


    勇者「…戦士」


    血に濡れていない緑の原の上に寝転がされたまま晴れた空を見て呟く


    勇者「羨ましいなぁ。僕が"勇者"だったころ…誰かのために戦ったことなんて一度も無かった」
    勇者「どこまでも似ている私たちの唯一の相違点」

    勇者「絶対見失わないでね。"それ"を」

    224 = 220 :

    ―――――
    ―――

    戦士「勇者!探したぞ!こんなところでなにやっているんだよぉ!」


    勇者を見つけたら安堵か目じりに汗が浮かんできやがったが無視して駆け寄る
    良かった、誰かを殺した様子も怪我してる様子もない


    勇者「空が…青いよ…戦士…どこまでも、晴れているんだ。どこまでも、果てまでも」

    戦士「ん?いや…向こうに黒い雲が…ってあれ煙じゃねえか!フィエリア王国か!勇者!寝てないで行くぞ!」

    勇者「…青い」

    戦士「いや黒いって!もしかしたら赤いかも!炎かも!早くいかねえと!起きろよ!」

    225 = 220 :

    魔王城


    勇者「ただいまー」

    魔王「待て、いいから待て、なんでタックルの構えなんだ」

    勇者「受け止めて!」

    魔王「違う!体勢が違う!それはどう見ても攻撃の構えだ!」

    勇者「構うもんかー」

    魔王「うあああああ!」


    側近(微笑ましいですねえ)

    226 :

    女勇者の落差にワラタ

    227 :

    なるほど……彼氏がいたか、いなかったかの違いか(真顔)

    228 :

    つまり女勇者にとって魔王征伐は婚活だったと

    229 :

    (微笑ましいですねぇ)

    230 :

    魔王「うああああぁぉおおおお!」

    突進してきた勇者に足払いをかけ体重と力で無理やり女勇者の体勢を変えて抱きかかえる


    魔王「はぁ…はぁ…まったく…強引な…お姫様だ…はぁ」

    勇者「~っ」キュゥゥン

    勇者「そ、そんな嬉しいこと言われたら僕…♡///」


    魔王(しまった、自分で言ってすごい恥ずかしい)

    側近(うわぁ…うわぁ…)

    勇者「魔王…♡///」


    恍惚としている女勇者と青ざめた約二名の異様な空間である

    231 = 230 :

    数日後

    勇者「砂糖でできた町が見たい!」

    魔王「…は?」

    側近「ああ、紅茶にお砂糖必要ですか?今持ってきますね」

    勇者「そうじゃないよ!僕砂糖でできた町を見てみたい。あ、あと水飴とかも使って」

    勇者「きっと綺麗だろうなあ」ホワァン

    魔王「…そうか?」

    勇者「魔王、僕を疑うの?」

    魔王「疑っている信じているというか…想像できん」

    側近「できませんね」

    232 :

    また一つの町が跡形もなく砂糖にされるのか……

    233 :

    魔法で生き物や建造物を砂糖に変えたりするのかな

    234 = 230 :

    魔王「大体お前、人間に絶望を味わわせたいんじゃなかったのか?」

    勇者「一つぐらいいいじゃん。町なんて掃いて捨てるほどあるよ?」

    側近「もはやそこまでいくとかわいそうになってきます」

    魔王「魔物ですら奪う命一つ一つに意識を向けているぞ」


    勇者「今は芸術の秋!廃墟を芸術に仕立てて何が悪い!」

    魔王「廃墟を狙うのか?町一つの廃墟なぞ…」

    勇者「作るんだよ。廃墟を」ニッコリ

    側近「あ(察し)」

    魔王「…ふう」

    235 = 230 :

    魔王「どうせなら石化のほうが魔物がやりました感があるじゃないか」

    勇者「そうかなあ、僕はあれぬるいと思うんだよねえ」

    側近「石化がぬるい?」


    勇者「そう!クトゥルフ神話の邪神ガタノソア様だって石化させる」

    勇者「でもあの石化は一つだけ生身のまま残すの」

    勇者「脳、を」


    勇者「脳以外全部石化したらどうなるか。硬くなる体、空腹感や喉の渇きを感じても何もできない」
    勇者「雨風に体を削られ鋭い痛みを覚えても動けない!でも脳だけは生きているから何も対策できないまま苦しみを味わうの」

    勇者「なんという気が狂ったほうがマシなほどの恐怖、不死身の呪いで永遠にそうしていなければならない絶望感」

    勇者「考えだけは動く。思考もできるし痛みも苦しみも生理も全て感じたまま立ち尽くして動けない。痒みすら我慢」

    勇者「永遠に!それが永遠に!」


    勇者「どうせ石化させるならそこまでやらなきゃ!いや砂糖化でもそうしよう!」

    勇者「でも人は水飴のほうがいいかなあ。水飴の中に浮かぶ生きた脳みそ。きっといい光景なの」

    勇者「ねえ魔王!そう思うよね!」

    魔王「え?お、おう?…」

    魔王(し、しまった、言ってしまった)

    236 :

    もうこいつが魔王でいいんじゃね?

    237 :

    勇者「ということで魔道士たちにそういう呪文を開発させておいてね」

    側近「またポカーンとした顔が見られそうですね」

    魔王「ははは、我は女勇者が来てからというものの驚きっぱなしだよ」

    勇者「どういう意味かな?」

    魔王「もちろんこんなに可愛い子が妃になってくれたことから始まり魔王の妃として申し分ない凶悪さを見せ付けたりなんなり」

    勇者「」ニコニコ

    魔王「女勇者がこんなに器量良しだとは思わなかったな、うん」

    側近(む、無理がありますよ魔王様)

    勇者「魔王、もっと言って!」

    魔王「え」

    238 :

    この女勇者好き

    239 :

    スゲー勇者もいたもんだなwwwwwwwwwwwwwwwwww

    240 :

    ある日


    側近「魔王様!」

    魔王「な、何だ」

    側近「何やっているんですか?」

    魔王「うむ…女勇者を喜ばせようと思って恋言でも言おうと思ったのだがうまく思いつかなくてな」

    側近「…だからと言って少女マンガ読んでも臭いセリフしか出てきませんよ」

    魔王「いや、それで問題無い」

    勇者「僕臭いセリフ好きだよ。言ってっ、言ってっ」

    魔王「ほらな?」

    側近「…そうですね。はい」

    魔王「世界一愛しているよ。全てを敵に回そうと」

    勇者「きゅぅぅん~っ♡」ゾクゾク

    側近「私の前でやらないでください!こっちが恥ずかしくなります!///」

    勇者「…邪魔するの?」ジィ

    側近「ごめんなさい!その暗い瞳を向けるのやめてください!怖いです」

    241 :

    女勇者の目すげー死んでそうね

    242 = 240 :

    魔王「で、どうした?」ナデナデ

    勇者「ん~♪」スリスリ

    側近「…挑戦者といいますか…まあ乗り込んできました」

    魔王「ほう、今時魔王の座に挑戦しようとする魔物がいるとは…」

    側近「いえ、人間です」

    魔王「っ」

    勇者「…へぇ」

    243 = 240 :

    魔王(あの国にいたとき強大な気を"2つ"感じた。そのどちらかかと考えるのが自然か)

    勇者「もしかして、勇者くん…」

    側近「いえ、女性です」


    魔王&女勇者「…えっ?」


    側近(最近反応が似通ってきましたね)

    244 = 240 :

    側近「どうします?」

    勇者「総動員で返り討ち!」

    魔王「いやいや、きちんと会って魔王として対峙してやらねば」

    勇者「僕より大事?」

    魔王「お前のほうが大事だ。しかし、悪いがそれが礼儀だ」

    勇者「…むぅ」

    魔王「まあ少し我慢してくれ」ナデナデ

    245 = 240 :

    魔王「そういうわけだ。王座を模した決闘場へ誘導しろ。我は玉座に座して待とう」

    勇者「そこ…僕と魔王が戦った場所…」

    魔王「使ってなかった大広間があったな!そこへ変更だ!」

    側近「…はいはい、分かりましたよ」

    魔王「女勇者、悪いが我一人でやる。待っていてくれ」

    勇者「何で?」

    魔王「それが礼儀だ」

    勇者「よくわからないなあ」

    246 :

    ヤンデレに振り回される魔王

    247 = 240 :

    大広間

    魔王「ほら、さっさとセッティングしろ。魔王っぽく飾り付けろ」

    「魔王っぽくってなんすか魔王っぽくって!」

    魔王「とにかく邪悪っぽくにだ」ドヤ

    「ふわふわしすぎっすよ!」

    勇者「じゃあ壁を血で塗りたくって人間の臓物と骨で飾り付ければいいんじゃないかな!かな!」

    魔王「怖いわ!」

    勇者「…魔王なのにそんなのが怖いの?」

    魔王「…ち、違う。趣味が悪い。怖いんじゃない、趣味が悪いんだ。魔王というかサイコ野郎の部屋じゃないか。絶対嫌だぞ」

    勇者「…そうかなあ」

    248 = 240 :

    側近「魔王様、挑戦者が四天王の二人を破りました」

    魔王「そうか。ではこんなものでいいか。貴様ら、解散だ」

    勇者「じゃあ四天王を破った後の最後の砦として僕が!」

    魔王「ダメだ、お前は手加減もせず殺してしまうだろう」

    勇者「え、四天王って手加減しているの?」

    魔王「挑戦者を返り討ちにするための四天王ではなく我に挑戦する資格があるかどうかを見極めるための四天王だ」

    勇者「僕g」

    魔王「ダーメ、ぜったい瞬殺してしまうだろうが」

    勇者「」ショボーン

    249 = 240 :

    ―――――
    ―――

    騎士「魔王!我が剣に背負いし業と我が背負いし人々の悲しみが貴様を断ち切るだろう!」


    勇者(別室から盗撮盗聴)「あの女僕の魔王に好き勝手言いやがって!!!」
    側近「どうどう、どうせ魔王様が倒しますよ」


    騎士「悪は断ち切られねばならぬ!この女騎士が断ち切ってくれる!」

    魔王(人間体)「ふむ、人間が威勢の良いことだ」

    魔王「我が魔道に刃向かいし人間、精々喚くが良い。今に呻くことすらできなくなるからな」

    魔王「さあ、来るがいい。矮小な人の身でどこまでやれるか見てやろう」


    勇者「ああ、あれ僕に言ってもらった言葉なのに、にぃぃぃい」ギリギリギリ
    側近(代々受け継がれる常套文句だと言ったら殺されそうです…)

    250 :

    まおう・ザ・エンターテナー


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