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    元スレ女勇者「さあ魔王、人間を滅ぼそうよ」魔王「何を言っているんだ貴様は」

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    1 :

    勇者「何ももなにも言ったとおりだよ、さあ人間を滅ぼそう」

    魔王「側近、女勇者が錯乱しているのだが」

    側近「見たところ錯乱魔法の類の痕跡は見られませんが」

    勇者「何言ってるの?僕は正気で健全な勇者だよ?」

    魔王「正気で健全な勇者はそんなこと言わないと思うぞ」

    側近「女勇者さん、人間に何かされたんですか?」

    勇者「…実は僕は貧しい村の出で、勇者に選ばれる前は酷い虐待と餓えに苦しめられて…」

    魔王「…そうだったのか」

    側近「…それは、同情しますが…全ての人間が悪いわk」

    勇者「なんてことは一切ないんだけどね」アハハ


    魔王「…」

    側近「…」 

    SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1438598471

    2 = 1 :

    側近「では何故?」

    勇者「理由?必要あるかな」

    魔王「無いのか」

    勇者「それよりほら!早く魔物たち集合させてよ。ああ、楽しみだな」ワクワク

    魔王「何故我が貴様の言うことに従う必要がある」

    勇者「だって魔王僕に負けたよね?」

    魔王「ぐ…」

    勇者「側近、魔王に勝った人が次の魔王になるんだよね?」

    側近「ええ、その魔王様も前魔王様のご子息とはいえ親殺しによって魔王の座を得ました」

    魔王「親殺し言うな、きちんと蘇らせたわ」

    勇者「なら僕が次期魔王になっても道理は通るよね?」ニヤリ

    魔王「通るわけあるか!」

    側近「一理ありますね」

    魔王「え」

    勇者「」ニコニコ

    3 = 1 :

    魔王「いや通らない!貴様は人間であって魔物ではないだろ」

    勇者「それもそうか…なら魔王の妃になればいいよね」

    魔王「駄目だと言っているに。そもそも我は人型の魔物ですらないではないか」

    勇者「後ろ足で立って前足は物を掴める手になってて頭は上についている。人型じゃん」

    魔王「人の定義が広すぎるわ」

    勇者「むしろ人間に似てないのがいい!魔王のその爬虫類の鱗もとげの生えた尻尾も角の生えたワニのような顔も普段はたたんでいる竜の羽も巨大な鉤爪と牙も魔王の見た目がすごい好き!!」

    魔王「側近…この勇者怖い」

    側近「まあ魔物と人間の交わりぐらいよくあることですよ。フェティズムってやつです」

    勇者「さあ魔王、僕を妃として迎え入れてよ」

    側近「そういえば前魔王を性奴隷にした魔王も存在しましたよ。もちろん血縁関係はありませんが」

    魔王「何故それを今言う!?」

    4 :

    人外の方が常識的って良いよね好きです

    5 = 1 :

    勇者「じゃあまずは触手プレイでも。腕触手化魔法で…」

    魔王「待て待て待て!人間を滅ぼすとかいう話はどうした!」

    勇者「あ、そうだった」

    側近(話し逸らしたましたね…残念です)

    勇者「じゃあまずは…」

    魔王「説明」

    勇者「何の?理由なんて無いよ」

    魔王「だったら何故最初からそう言わず勇者として我を倒した」

    勇者「どっちが力が上か示しておきたくて」ニンマリ

    魔王「…」

    勇者「そして王様に魔王を殺したことを報告して」

    魔王「平和協定だと言っていたのは嘘だったのか」

    勇者「嘘だよ、平和協定のせいで魔物たち鬱憤が溜まっているでしょ。人間のほうも魔王が殺されてから数年、そろそろ緊張が解けて平和ボケしているし」

    勇者「油断している人間に力が有り余っている魔物、きっと楽しいだろうなあ、きっと」

    6 = 1 :

    勇者「興奮しない!?10年以上、ずっと信頼していた勇者がいきなり掌返して襲ってくる。しかも死んだはずの魔王が生きていたなんて!」

    勇者「一体どれほど失望と絶望をしてくれるんだろう。ああ、たまらないよ、たまらない。魔王、僕は今日のこの日をずっっっっと十何年も待ち望んでいた!」

    勇者「さあ、人間を滅ぼそうよ!!」



    魔王(やばい、マジだこいつ)

    側近「…魔王様、どうするんですか?」

    7 = 1 :

    側近「…魔王様、どうするんですか?」

    魔王「…ふう。側近、我々は何だ?」

    側近「魔物、そしてあなたはその凶皇です」

    魔王「そうだな、我々は魔物だ」


    魔王「人間の敵だ」


    勇者「ふふ、やっぱりあなたは僕の魔王だ」

    8 = 1 :

    魔王「そうと決まれば側近、魔王城を人間界に浮上させるぞ。魔導師を集めろ」

    勇者「違う」

    魔王「何がだ?」

    勇者「いつもと同じ場所じゃダメだよ、あそこ目立たないもん」

    魔王「…そういう問題か?」

    勇者「そういう問題だよ」

    側近「ではどこが適切なんですか?」

    勇者「世界樹、知っているでしょ?」

    魔王「知っているがあそこには人間の村があるぞ」

    勇者「惨殺で。小さな村だし簡単でしょ」

    側近「無駄な殺害ですね」

    勇者「魔物がそんなの気にするとは思わなかったよ」

    魔王「まさかの認識の違いだ」

    勇者「まあほら惨殺しちゃえ!」

    勇者「そして世界樹を中心に魔王の牙城を築き上げ!魔界のオーラで包み込んで世界の中心を暗黒に染めちゃおう」

    勇者「あ、人間の骨を尖らせて装飾に使えば"牙"城っぽくなるかな?文字通り」

    魔王「面白くない」

    側近「むしろ怖いですが、魔物としては満点な発想です」

    魔王「こいつ人間だぞ」

    側近「さきほどからそれが疑問に思えてきました」

    9 = 1 :

    勇者「さて世界樹下の村を滅ぼしに行こう」

    魔王「魔物たちにやらせるのではなかったのか?」

    側近「士気を高めるにはまず城を建てるべきですから」

    魔王「なるほど、それまでは我々だけでやるほうが良いのか」

    勇者「そういうこと、じゃあ行ってくるね」

    魔王「おい待て、一人で行く気か?」

    勇者「え?うん。充分でしょ」

    魔王「いや、我も行く。ここから人間界に行くと世界樹までは距離があるだろう」

    側近「では私も!」

    魔王「側近は魔導師を集めて説明しておいてくれ」

    側近「何故ですか!二人きりがいいんですか!デートですか!」

    勇者「デートだよ!邪魔しないで!」

    魔王「デートではない、そういう気も無い」

    側近「えー」

    勇者「えー」

    魔王「いいから魔王の言うことを聞け貴様ら」

    10 = 1 :

    人間界:狂気の草原

    人間界でほぼ唯一、魔界と繋がるゲートのある場所
    ここら一帯は魔界の瘴気に触れ、穢れた地として知られている
    普通の人間ですら耐性が無ければ狂気に溺れてしまい、知性の低い動物は魔物へと変化する呪われた地ともなっている


    勇者「なるほどね、ここからじゃ世界樹までは遠いや」

    魔王「さて、飛ぶぞ」

    バサァア


    巨大な皮膜の羽が空へと大きく開く


    勇者「ま、魔王。何でお姫様抱っこ?///」

    魔王「仮初にも我は王だ。どうすれば喜ぶかどうかぐらい分かる」

    勇者「…よく女たらしとか言われない?///」

    魔王「したのはお前が初めてだよ」

    勇者「っ…///」

    勇者「…何か負けた気分///」

    魔王「しっかり捕まっていろ」

    勇者「うん///」ギュ

    11 = 1 :

    世界樹麓、リアテの村(特産物:世界樹の葉・雫・根)


    勇者「ああ、至福の飛行時間だった…///」

    魔王「それは良かった。では始めようか」

    勇者「さっきの飛行をもっと味わいたい。のでちゃちゃっと終わらせちゃおう」

    魔王「え」

    勇者「フィガリア・フレク・アクリアビリオ・エクレオリアンク…超級光魔法グレスビアディアンガ!」


    星々、そして空に浮かぶ狂気的な形をした月が閃光を放つ。それは全ての家屋、村内の小動物へと無慈悲に降り注いだ


    勇者「いや、詠唱無しのほうが早くて良かったかな?まあいいか。ねえ魔王、終わったよ?」

    魔王「…生存者は」

    勇者「いるとしたら卓越した冒険者か防御魔法に長けた人だろうね。この不意打ちじゃ無理だろうけど」

    魔王「これは酷い」

    12 = 1 :

    勇者「ねえ魔王、御褒美頂戴。キスがいい」

    魔王「王はむやみにキスなどしない。妃もな」

    勇者「ぐ…上手くかわされた」

    魔王「それより生存者がいないかを見よう」

    勇者「いないとおもうけどな」
    ―――――
    ―――

    赤ん坊「おぎゃあ、おぎゃあ」

    魔王「…母は強いな。死して尚、自らの身と魂を触媒として防御魔法を託すなど…」

    勇者「そうだね、あわれだよ」

    魔王「女勇者、この赤ん坊は近くの国n」


    グシャ


    魔王「おま…何をして」


    勇者「ん?殺しちゃいけなかった?人間は育てても奴隷として意味を成さないって側近から聞いけど…」

    魔王「…何とも思わないのか?」

    勇者「何が?」


    人間の赤ん坊を踏み殺し、返り血を浴びた女勇者は
    星に照らされて美しく、狂気的な月の下に、いたって普通の表情を湛えていた

    13 = 1 :

    その後、世界樹は魔界の瘴気に侵された
    世界中に溢れていた新鮮で神聖な空気は絶たれ、魔界の瘴気が薄く混じった汚れた空気が流れることになる

    世界樹近くの村や町は全滅、全て死人か魔物に成り果てている

    すぐに禁域に指定され、多くの人間、そして小動物までもが本能的に恐れるようになった


    そこで何が起こっているのか、世界樹に何が起こったのか。各地の王達は懸念し、やがて調査の手を広げる

    15 = 1 :

    フィエリア王国王城、玉座の間


    「騎士団長、危険な旅路であるのは分かっている。しかしどの国も恐れて尻込みしておる。誰かがやらねばいかんのだ」

    団長「誰かがやらなければならないというのなら私が示しましょう。一人が行けば後に続く者も現れます」

    王様「これは命令だ。決して無理はせず生きて帰って来い。大事なのは情報を持ち帰ることだ」

    団長「承知いたしました。わが隊は一人も欠けることなく帰還することを誓います」

    王様「頼んだぞ。情報を持ち帰るのみと言えど世界の命運を握った行動だ」

    団長「肝に銘じます。偉大な王よ」

    王様「武運を祈るぞ、わが自慢の騎士よ」

    16 = 1 :

    魔王(世界樹在住)


    魔王「諸君、平和というくだらない安寧の中よく耐え切ってくれた」

    魔王「辛かったろう、戦いの快楽を自ら押さえ込み、無理やり平和に馴染もうとしたのだろう」

    魔王「しかしもうよい、もう枷を解き放とう」

    魔王「退屈と鬱憤を、押し込めた怒りを、再びだ!我々の時代が再び来よう!」

    魔王「戦いの歓喜に身を震わせる日々よ!殺戮の快楽、心地良き悲鳴の反響、全てを思い出し、欲せ!欲望のままに食らい尽くそう!」

    魔王「我が同胞たちよ、歓喜の日々来たれりだ!」


    それは人類における歴史上、最悪にして最凶の戦争。殺戮の日々の始まりとなった


    勇者「…ふふ」

    17 :

    フィエリア王国名誉騎士団

    「団長、もうすぐですね」

    団長「ああ、気を引き締めろよ。時期に"穢れた地"だ」

    「元々は世界樹の恩恵を受けた聖地だったのに…どうしてこんなことに」

    団長「分からない。魔物どもにそんな知恵があったかどうかは知らないが、聖地が冒されたことによる人の気の滅入りはここまでだったとは」

    「団長、せめて我々は狂気に飲まれないようにしないと」

    団長「ああ。我々が希望の光となるのだからな。この暗黒の地においても、我々が歩いた道が光となる」

    「団長、光という言葉好きですね」

    団長「俺の唯一の道標だ。覚えておけ、いつ何時たりとも、光は我らを照らす」

    18 = 17 :

    フィエリア王国、玉座の間

    王様「大臣よ。私は不安で不安で仕方ない」

    大臣「そうですね、騎士団の皆が無事で帰還すると良いのですが」

    王様「そうではない!何故…」

    大臣「何がでしょうか?」

    王様「何故…この非常事態に勇者はいない?」

    大臣「…それは、既に事態の収集に動いているからでは?」

    王様「違う、どの国に伝令を送っても返事はどれも同じ『我々も探している。見つけたら一報お願いする』だ」

    王様「彼女は、どこだ」

    19 = 17 :

    今日はここまで
    狂気的な少女少年と厨二成分と人外成分悪落ち等々入り混じったニッチな需要のSSではありますがどうもよろしく

    21 :


    続きを楽しみにしてる

    22 :

    先が気になるね

    23 = 17 :

    オマケ

    側近「魔王様、何故告白を最初は断ったのにすぐ「お姫様抱っこ」などという形で『OK』を返したんですか?」

    魔王「最初は驚いたからな。冷静になって考えてみた。あそこまで言ってくれるのだ、悪い気はしなかった」

    側近「もう少し悩んでも良かったのでは?」

    魔王「王たるものああいう大事なことは先延ばしも保留もダメだ。出来るだけ早く決めて最期まで突き通すべきだよ」

    側近「それならば口で言えば良いのでは。わざわざあんな臭いやりかたでもって…」

    魔王「臭いとは何だ臭いとは」

    24 = 17 :

    本編


    魔王「…来たか」

    勇者「来た?人間達?」

    魔王「ああ、大人数のようだ」

    勇者「分かるの?」

    魔王「我らの領地(魔界の瘴気に侵された大地)に人間が入り込むと少し歪が生じる」

    勇者「大人数となると…ようやく国が騎士団を派遣してきたかな。魔王、見に行こうよ」

    魔王「ああ」

    25 = 17 :

    暗黒世界樹、頂上

    勇者「…高すぎて見えない」

    魔王「すまない、人間の目には遠かったか」

    勇者「いや見える見える!充分見えるよ」

    魔王「無理するな、見誤った我が悪い」

    勇者「…うう」

    魔王「飛ぶぞ、再び掴まれ」

    26 = 17 :

    王国名誉騎士団


    団長「穢れた地…これほどまでか」


    足を踏み入れただけで気が重くなる。足の一歩一歩が妙に遅く、時間が泥のようにボタボタと流れる


    「団長!あれを!」

    団長「…何だ、あの光景は…」


    ズオオオ、ズォオオオ


    形容しがたい音と共に肉の津波が迫り来る。やがてその正体を知るその時、彼らが駆られた感情は…


    団長「魔物の群れだ!」

    「あんな数見たことありません…」

    団長「撤退だ、撤退しろ。めいr―

    27 = 17 :

    勇者「わーお、圧倒的」

    魔王「初めて見るだろう?物量が物量を押し潰していく様は」

    勇者「うん、希望も絶望も感じないで何が起こったのかわからないまま死んでいく」
    勇者「それもまた素敵な殺戮かなあ」

    魔王「そろそろ魔王城に戻ろうか」

    勇者「いや、僕だけ少し近くに下ろして」

    魔王「ん?どうかしたか」

    勇者「近くで見たい。一人で」

    28 = 17 :

    何も見えない、見えるのは迫りくる濁流のような腐りきった肉体の数々
    斬る、斬る、斬る
    いつまで続くとも知れない"死"の中で叫び続けた


    団長「マルク!リアード!エイジア!誰でもいい!応えてくれ」


    途切れることなく押し寄せるアンデット系魔物の群れに、ついに息が途切れかかる


    団長「…光、よ」


    一筋の光は信じるものに、常に近くにあるはず。そう信じ、ここまできた


    団長「光よおおおお!」


    最期の力を振り絞って放った剣の衝撃波が闇を引き裂いた
    魔物の濁流を切り開き、ようやく光が入り込む


    「団長!」


    そして聞こえてきたのは、懐かしき"少女"の声

    29 = 17 :

    団長「…君は」

    勇者「久しぶり団長。ぼ…私のこと、覚えている?」

    団長「女勇者ちゃん、君も…事態の収拾に」

    勇者「そう見える?」


    団長「…」

    正直なところ、見えなかった。彼女の吸い込まれそうな暗い瞳は何も映さず、ただ妄信的な何かを見据えていた


    勇者「皆、戻って。魔王妃からの命令」

    アンデットたちがゾロゾロとどこかへ去ってゆく、新たな仲間を増やして


    団長「君は…何者になってしまったんだ。何があった」

    勇者「さすが、察しがいいね。でも間違っている」
    勇者「何も変わっちゃいないよ。僕は僕、思想も何も最初から全て」

    団長「帰ってくるんだ、光の中へ」

    再び剣を構える団長。迷いはなかった。洗脳であればいい、そうでなかった場合は…覚悟できている


    勇者「ここが光だよ。僕にとってどこよりも輝いている」

    そう言い、闇を仰ぐ女勇者

    31 :

    魔王さんかわいそう

    32 = 17 :

    勇者「初めて会ったとき、あなたに命を救われたね。あの時以来、ずっとあなたは私の憧れだった」

    勇者「僕は、そんな団長に敬意を表して、剣で戦おう。正々堂々」

    その辺に落ちていた騎士の剣を拾う


    団長「私は手加減しないぞ」チャキ

    勇者「ふふ、ふふふふふ」


    心底楽しそうに笑う女勇者

    33 :

    これはひどい風評被害ですね

    34 = 17 :

    拾ったボロボロの剣といえど勇者だ、踏み込みは深く、正確に致命箇所を狙ってくる


    団長「魔王の妃に何の価値がある!君は誇り高い人間だろ」

    勇者「ふふふっ、人間、人間ね。だからこそ価値がある!そしてそれもいずれ消える!」
    勇者「人間という言葉ごと!」

    勇者「ねえ、聞かせてよ!勇者が本気で殺しにかかってくる恐怖を!死んでいたと思った魔王が生きていた絶望を!」

    団長「絶望も恐怖もない、私にあるものは、いつだって光のみだ!」


    団長の剣が光る


    団長「私の魔力を吸い尽くせ!輝きの剣よ!」


    ゴオオオォォォォオオオ

    35 = 17 :

    「女勇者」

    勇者「あ、魔王」

    団長「」ゾワッ


    魔王がその場に現れた瞬間、団長の心は言い知れぬ不安に押しつぶされ、光を絶望が包み込んだ


    魔王「遅いと思ったが、そいつは生き残っていたのか。てっきりすぐにでも殺していると思ったが」

    勇者「ごめん、ちょっと遊び過ぎちゃった。今終わらせるよ」
    勇者「団長、ごめんね。正々堂々ってのはもう終わりで」


    団長「…お前はもう勇者などではない」


    勇者「そうかもね。詠唱省略、さよなら」


    その瞬間団長の体は文字通り"弾けとんだ"


    団長「…地獄へ…おち…ろ」


    勇者「光を信じたものの最後の言葉がこれか、なんか残念だよ」
    勇者「そっちへ行ったとき、その言葉を道標に進むよ」

    36 = 17 :

    勇者「ねえ魔王、心配してくれたの?」

    魔王「一応な」ナデナデ

    勇者「えへへ、嬉しい///」

    魔王「しかし、良かったのか?けっこう仲良さそうだったが」

    勇者「んー、命の恩人にして僕の心の師匠かな」

    魔王「…」

    勇者「でもあれと話すより魔王との時間のほうが僕にとっては大事だもん」

    魔王「そうだな、側近に妃としての振る舞いをお前に教えさせよう。その時間に使うほうが有意義か」

    勇者「ごめん僕用事を思い出した」

    魔王「逃がすか」ガシッ

    勇者「いやー、勉強嫌いいいい」

    37 :

    ・・・何故自分は生きている

    手を確かめる。ある

    足も体もきちんと思ったとおりの人間の形だ

    私は、生きている

    何でもいい、義務を…果たさなければ


    団長「王様…報告に…向かい…ます」

    38 = 37 :

    今日はここまで
    萌えといちゃいちゃが足りない

    39 :

    おお、予想外な……

    充分いちゃいちゃしておるわー

    40 :

    謂れもない悪評が魔王を襲う

    41 = 37 :

    オマケ

    側近「実は魔王とはただのシステムであり今の魔王様も元は雑魚魔物と同等だったんですよ。前魔王のご子息とはいえただのリザードマンです」

    勇者「へー」

    側近「前魔王を殺すことによって魔王に相応しい力、相応しい姿、相応しい知恵が得られるのです」

    側近「そしてそれは極端なことを言ってしまえば、人間やただの小動物でも魔王になるチャンスがあるということです。魔物以外の前例はありませんがただのスライムがなったことはあります」

    勇者「スライムが魔王を殺せたことのほうが謎だね」

    側近「魔王を殺しても魔王となるのを拒むことも出来ます。その場合は魔王が自然に誕生するまで人間界に魔物は長居できません。魔界の瘴気も人間界を侵すことはできなくなります」

    勇者「それが『勇者が魔王を倒して後の平和』っていうことだね」

    側近「ええ、そして自然に魔王が誕生するのは何百年、長いと何千年かかるそうです」

    側近「人間界に侵略しようとする魔王は稀です。今の魔王様は自然に生まれた魔王から数えて7代目の魔王です」

    勇者「以上、本編には出ないであろう設定でした」


    オマケここまで

    42 = 37 :

    側近「魔王様、『王たるもの保留はしない』なんてかっこつけてましたが本当は保留したらヤンデレになるかと思ってのことじゃないんですか?」

    魔王「そ、そんなわけないだろう。我がヤンデレごとき恐れるとでも思うか!?」

    側近「…ホントですか?」

    魔王「無論だ」

    側近「そうですか。ところで女勇者さんですが、ただいま魔王様の自室を掃除なされているようですよ?」

    魔王「何で!?鍵はまだ渡していないはずだぞ!」

    側近「『掃除してあげたい』とおっしゃられていたので。鍵渡しました」ニッコリ


    魔王「・・・やばい」


    側近「どうしました?顔面蒼白ですよ」

    魔王「側近、わざとだな?」

    側近「なんのことでしょう。お相手ができたのだから卑猥な本は処分するよう助言しましたよ?」

    魔王「女勇者違う!王にだって性欲はあるんだああああ!」ダッシュ


    自室に向かって走る魔王


    側近「…さて、早くご子息ができてほしいものですね」

    43 = 37 :

    魔王の自室


    勇者「『美しいラインを見よ!ラミア娘の腰つき100選』、『翼の美しさ、尾羽とお尻のエロさ。ハーピー娘の魅力』………魔王」

    魔王「やめろ!そんな憐れな目つきをするな!まだ怒られたほうがマシだった!」

    勇者「さて、これどうしてほしい?」

    魔王「…………ステテイイデス」

    勇者「とっておいてほしい?」

    魔王「…王たるもの不純はダメだ、お前がいることだしもう必要ない」

    勇者「その言葉が嬉しいからこれの処分はしないでおくよ。ただしこっちの巨乳特集は処分ね」

    魔王(あ、やはり気にしていたのか)

    44 = 37 :

    フィエリア王国、王城


    王様「王国名誉騎士団団長、よくぞ無事に戻ってくれた」

    団長「…大きな犠牲を払いました。皆…死に絶えました」

    王様「そうだな、後で弔おう。名誉のある戦死として家族に伝える」

    王様「しかし、今必要なのは情報だ。団長、何を見た。全て話せ」


    団長「…絶望」

    45 = 37 :

    王様「…魔王が生きており勇者が寝返った…か。確かに絶望的な状況だ」

    団長「しかし王様、どんな絶望の中でも」

    王様「光はあると?彼女は歴史上最強の勇者だった。それが魔王と手を組んだ今どういう状況にあるか分からないわけではないであろう」

    団長「あります!常に光は我らの元に」

    団長「王よ!いつの世も魔王がいれば勇者が現れる。すぐに勇者を、新しい勇者を探すのです」

    団長「何が史上最強の勇者だ。それを越える強さを持った勇者が現れないとは限りません!」

    46 = 37 :

    王様「良くぞ言った。騎士団長、そなたの言葉はいつも照らしてくれるものとなる」

    団長「では…これで私の…義務は…あなたへの恩は返しました」

    団長「さよならです」

    王様「おい、何をしている!」


    団長は剣を大きく振り上げた。逆手に持ち、自分の腹に向けて

    47 = 37 :

    しかし剣は腹に突き刺さることはなかった

    団長を闇の魔力が包み込み、瞬く間にアンデッド系の魔物へと変貌する


    近衛兵「王様を守れ!」


    近衛兵達が王と団長であった魔物との合間に入る


    王様「…邪悪な魔法によってアンデッド系の魔物へと変化させられたか」

    王様「近衛兵たち、手を出さないでくれ。わたしがやる」

    49 = 37 :

    今日はここまで
    少ない上になんか内容が微妙だ。すまん

    50 :

    大丈夫だ、そんなことはないから


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