元スレ八幡「なんだ、かわ……川越?」沙希「川崎なんだけど、ぶつよ?」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★
201 = 199 :
いろは「えー、一番肝心なとこじゃないですか」
八幡「何でだよ」
いろは「男子が女子のどこを見るかってのは重要なんですよ」
八幡「ぐ、確かに」
いろは「さ、ちゃっちゃと答えてください」
八幡「なら外見じゃなく中身で答えるぞ。外見の好みなんかそれこそ人それぞれなんだからな」
いろは「そうですね。むしろ変えやすい中身の方こそ聞きたいです」
八幡「要するに俺が川崎の気に入ってるところを言っていけばいいんだよな……えーっと、まず料理が美味い」
雪乃「!」グッ
結衣「!」ショボン
いろは「そういえばお弁当を作ってもらってるんでしたっけ?」
八幡「ああ。家族多くて家事を引き受けてるらしいからな、腕は確かだ。俺の中の『料理が上手い女子ベストスリー』にランクインしてる」
いろは「何ですかその頭の悪そうなランキング……ちなみに残り二人は?」
八幡「小町と雪ノ下だ」
雪乃「! あ、あなたに褒められても嬉しくはないけれど悪い気はしないわね」ソワソワ
結衣「あたしももっと練習しようかなあ……」
202 = 199 :
いろは「まあ男を落とすには胃袋からって言うくらいですもんね。他には何かあります?」
八幡「俺の空気が読める」
いろは「え、空気が読める、ですか?」
八幡「俺限定のな。あいつも人付き合いは得意じゃなくてな、ぼっち気質をよくわかってる。だから俺がどういう時にどうしたいかってのが結構理解できるんだ」
いろは「うーん……本当に先輩以外には使えないですねそれ」
八幡「いやいや、俺以外のぼっちを好きになった時に使えるぞ…………えーと、あとひとつあるんだが、これは本当に参考にならんから言わなくていいな」
いろは「そこまで言われたら気になるじゃないですか」
雪乃「そうね、さっさと白状しなさい」
結衣「ヒッキー早く!」
八幡「なんでお前らまで乗っかってきてんの?」
八幡(正直あんま言いたくないんだがな。馬鹿にされそうだし……あ、いつもされてるか。ならいいや)
203 = 199 :
八幡「結構しょうもないことなんだけど、意外とウエイトを占めていたことなんだが……」
いろは「溜めなくていいですから早く言ってください」
八幡「……俺の悪口を言わない」
雪乃・結衣・いろは「…………はあ?」
八幡「ああいや、別にお前らに対する当て付けとかじゃないから勘違いしないでくれ。普段から小町にすら言われてるからな、俺の中では悪口ありきがデフォルトなんだよ」
八幡(時々心が折れそうにはなるけどな)
八幡「だけど川崎は言わない、特にこの腐ってる目でもな。それが新鮮に感じた…………どうだ、参考にならんだろ?」
いろは「そう、ですね……」
雪乃「…………」
結衣「…………」
八幡(? なんだこの空気?)
204 = 199 :
八幡「昔から悪口と嘲笑の中で生きてきたからな、そんなふうに悪口を言わない川崎と中学時代に知り合っていたらこっちから惚れて告白してフられるとこだったぜ」
結衣「フられるとこまで決まってるんだ……」
雪乃「比企谷君!」
八幡「うお、何だよ急に大声出して」
いろは「そっかそっかー、そういうことだったんですかー」
八幡「なんだ突然ニヤニヤして」
いろは「ずばり言います、先輩は川崎先輩とは本気で付き合ってませんね!?」
八幡「な、何でそうなる?」
いろは「そうですね由比ヶ浜先輩!?」
結衣「え、えと、知らない知らない、あたしは何にも知らないよ?」
雪乃「由比ヶ浜さん、さすがに挙動が不審過ぎるわ……」ハァ
いろは「現状付き合ってる相手にあんなことは普通言いませんよ。まあ先輩ならあるかも、とは思いましたから態度に出やすい由比ヶ浜先輩に聞きましたけど……なるほど、お二人も知っていたから反応がいつも通りだったんですね。てことは奉仕部への依頼か何かで付き合うフリをしているってとこですか」
八幡(やだ……この子マジ名探偵)
205 = 199 :
いろは「まったく、フリだってのに先輩は見栄っ張りなんですから。あ、じゃあそろそろわたしはサッカー部の方に顔を出しますんでこれで失礼しますね。それでは」ガラガラピシャ
八幡「なんだあいつ、最後は突然上機嫌になりやがって」
結衣「ご、ごめんヒッキー……あたしのせいでバレちゃって」
雪乃「いえ、由比ヶ浜さんが気にする必要はないわ。元はと言えば比企谷君の失言が原因なのだから」
八幡「それは一理あるがそのフォローは普通俺が言うものだろ」
雪乃「あら、あなたにもフォローをしようという気遣いができたのね」
八幡「おいおい、俺ほど気遣いができるやつはそうそういないぞ。何しろ誰にも迷惑をかけないよう存在感まで消しているんだからな」
結衣「それ気遣いって言うのかな……あ、チャイム鳴った」
雪乃「なら今日はここまでにしましょうか」
206 = 199 :
とりあえずここまで
早く川崎サキサキさんとの映画デートシーン書きたい
208 :
おつ。ついで濃厚なシーン追加しちゃってもいいんやで
211 :
乙乙
212 = 199 :
八幡(結局一色にバレてしまったな)キコキコ
八幡(つってもアレが全部嘘ってわけでもないんだよな)キコキコ
八幡(でも……付き合ってるのは嘘だ)キコキコ
八幡(…………)
八幡(…………)
八幡(……いや、確かに川崎のことを考えていたさ)
八幡(川崎を自転車の後ろに乗せない日は久々だなとかも思ってたし)
八幡(だからってさ……)
八幡「なんで無意識に川崎んちの近くに来てんだよ俺は……」ハァ
八幡(来たって会えるわけでもねえのに……)
八幡(アホらしい……帰ろう)
沙希「あれ、比企谷?」
八幡「!? か、川崎、なんでここに?」
沙希「何でって、ちょっと醤油切らしたからひとっ走り……ていうか比企谷こそなんで? こっちに用なんかないでしょ?」
213 = 199 :
八幡「あ、いや、えっと……」
沙希「ああ、なるほど、あたしに会いたかったんだね」クス
八幡「えっ! なんでそれを……」
沙希「えっ?」
八幡「えっ?」
八幡(え……し、しまった! 川崎のは冗談だったのか!?)
沙希「あ……う……」
八幡(川崎の顔が真っ赤になるのがわかる。が、俺だって負けちゃいないだろう)
八幡(こういう時は……逃げの一手だ!)
八幡「じゃ、じゃあな川崎! また日曜に!」
沙希「あ、うん、また」
八幡(俺は全速力でその場から逃げ出した)
八幡(うおおおお! 恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!)
214 = 199 :
すまんやで
やっぱりサキサキを登場させんと眠れんかったんや……
じゃ、明日からの長期出張に備えて寝るノシ
215 :
乙!
長期出張…だと?
(書かないとは言ってないな)
216 :
乙
ふたりともかわいいな
217 :
乙乙
元々上司の目を盗んで書いてたくらいだし、出張くらいどうってことないな(催促)
218 :
おつ
大丈夫きっと書いてくれるさ……
219 :
主張先でやれる事なんてちんちん弄るかSS書くくらいしかない
220 :
>>219
何を主張しているんですかねぇ……
ちょっとだけ投下
221 = 220 :
八幡(街中を自転車で爆走し、ようやく落ち着いて俺は帰路に着く)
八幡(小町が作った夕飯を食べながら俺はさっきの行動の対処法を考えていた)
小町「お兄ちゃんどしたの? 悩み事?」
八幡「ああ、いや何でもない」
小町「ならいいけど……ところで沙希さんと何かあった?」
八幡「は? な、なんで川崎が出てくるんだよ」
小町「いやーさっき大志君からメール来てね、沙希さんの様子がおかしいって。もしかしたらお兄ちゃんが何かしたのかなって思ったんだけど……当たりみたいだね」
八幡「おい、その大志のメルアドを俺に教えてすぐに消去しろ。ガチホモ掲示板に貼りまくってやる」
小町「お兄ちゃんさすがにその行動はポイント低いよ……」
小町(大志君のことは特に何とも思ってないけど、客観的に沙希さんの様子を知るには必要なのです)
八幡「まあ……ちょっと明後日川崎と出掛けることになったから、何かあるっていったらそんくらいだ」
八幡(ある程度本当の事を言うのが話を誤魔化すコツだ)
小町「え、お兄ちゃんと沙希さんがデート!? キャー!!」
八幡「デートじゃねえから」
222 = 220 :
八幡(さて、川崎にメールを送ろう)
八幡(きっと川崎なら俺の言わんとしてることがわかるはずだ)
八幡(『今日も奉仕部は何もなく、いつもと変わらない1日だった。そっちは何かあったか?』送信っと)
八幡(しばらくして川崎から返信があった。『あたしも何もないかな。醤油が切れたから大志に買ってきてもらったくらい』だと)
八幡(よし、あの出来事を丸々なかったことにしようという意図は通じたみたいだな)
八幡(いや、本当になかったんだあれは。妄想妄想)
八幡(しばらく川崎とたわいもないメールのやり取りをし、俺は寝床に入る)
八幡(今週は色々あったからな、肉体的には疲労困憊だ。明日一日しっかり休もう)
八幡(…………明後日のためにも)
223 = 220 :
少ないけど一旦ここまで
今からちょっとデートシーン書きためる。今夜辺りに投下できたらいいな
224 :
出来る部下をもって>>1の上司は幸せだな(ヨイショ)
225 :
そうか、これからデートか・・・
226 :
なかなか居ないレベルで有能な>>1
227 :
乙
ゆっくりでいいから出張先でも投下してくれ(懇願)
228 = 220 :
飲み会に連れ去られる前に投下
229 = 220 :
八幡(さて、日曜の朝である)
八幡(九時半駅前で待ち合わせ、十時前後に始まる映画の中で一番面白そうなのを見て、昼食をどこかで取ってから川崎家へという予定だ)
八幡(少し早めに着いとこうと思って十五分前に駅前に来たわけだが)
髪を下ろして大人っぽく、逆に服装は可愛い系でそのいつもと違うギャップがたまらない沙希「…………」ソワソワ
八幡(……誰だあれは?)
八幡(つい見とれてしまい、五分くらいその場に立ちすくんでしまったわけだが)
八幡(その五分の間に三人くらいにナンパされていた)
八幡(特にしつこい相手もいなく川崎が断るとすぐに離れたが、どんなやつと待ち合わせてるのか確かめようとしてるらしく遠巻きに見ている)
八幡(ち……)
八幡(近寄りづれええぇぇぇ!)
八幡(何なの!? 何なのなの!? 川崎さん気合い入りすぎじゃね?)
八幡(男が川崎に見とれて女が不機嫌になってどつくカップルなんて漫画でしか見たことねえよ! それも何組も!)
八幡(それでも時間をかければそれだけ人は増えるだろう)
八幡(俺は意を決し、川崎の方に歩き出す)
230 = 220 :
八幡(すぐに川崎は俺に気付き、こっちに向かいながら手を振ってきた)
八幡(この瞬間、俺は五感を川崎に集中させる)
八幡(周りからの嫉妬や怨嗟をスルーするためだ。ちょっと受け止め切れそうにないからな)
沙希「おはよ比企谷」
八幡「お、おうおはよう川崎。待たせちゃったか?」
沙希「ううん、あたしも来たとこだしまだ時間前でしょ」
八幡(それが嘘だとは知っているが、触れない方がいいな)
八幡「あー川崎、ちょっと耳を塞いでくれるか?」
沙希「え?」
八幡「よし塞いだな、なら今から言う独り言も聞こえないはずだ」
沙希「え? え?」
八幡「髪、下ろしてるのも、そういう服も似合ってる。すげえ良い」
沙希「え、あ……あう…………あ、ありがと」
八幡「ん、どうした? もう耳は塞がなくていいぞ」
沙希「ふふ、でもあたしはちゃんと比企谷に聞いてもらうよ。比企谷、いつもより決まってるじゃない。かっこいいよ」
八幡「あー……実は小町に見てもらった。俺はセンスがないからな」
沙希(妹に相談してまで気合い入れてくれたんだ……嬉しいな)
231 = 220 :
八幡「んじゃ行こうぜ、映画館あっちだったな」
沙希「うん」
八幡(俺が歩き出すと川崎は俺のほぼ真横、半歩だけ後ろに付いてくる)
八幡(化粧はほとんどしてないみたいだが、香水は付けてるのだろうか? すごく良い匂いがする)
八幡(こんな女の子と並んで歩く日が来ようとは…………やべ、変な汗掻いてきた。おかげで脇腹がかゆい)スッ、ポリポリ
沙希(え? ひ、比企谷が肘を突き出してきた? こ、これって、そういうこと、だよね…………え、えいっ!)スッ、ギュッ
八幡「!」
八幡(ええええ!? 川崎が腕を組んできた! マジ柔らかい良い匂い!)
沙希(比企谷って結構積極的なんだね……)
八幡(川崎って結構積極的なんだな……)
232 = 220 :
八幡(二の腕に当たる胸の感触に意識を持っていかれそうになりながらも何とか映画館に辿り着く)
八幡(候補は三つあったが、せーので指を差したのは同じものだ。俺達は声を出さずに笑い合った)
八幡(その映画のチケットを購入し、館内に入る)
八幡「飲み物買ってくるけど何が良い? ポップコーンとかはいるか?」
沙希「あたしは飲み物だけでいいよ。オレンジをお願い」
八幡「あいよ、ちょっと待っててくれ」
八幡(二人分の飲み物を買い、川崎のところに戻る)
沙希「ありがと、いくらだった?」
八幡「いやいいよこんぐらい。チケット代が浮いてるしな」
沙希「そう、じゃあもらっとくね」
八幡(実際金銭的余裕はある。小町が両親に『今日お兄ちゃんが女の子とデートに行くよ!』とご注進したところ、むせび泣きながら小遣いをくれたのだ)
八幡(最初は疑われたが、俺の服装を見て嘘ではないと判断したらしい。自分じゃわからないけどそんなにいつもと違うのかこのコーディネート?)
沙希「じゃ、行こ」スッ
八幡「お、おう」
八幡(川崎は自然にまた俺と腕を組んできた。なんか腕だけでなく心まで絡め捕られるような気分だ……)
233 = 220 :
八幡(映画の内容は恋愛が少し絡んだアクションものだ)
八幡(展開自体は王道なものの、演出でそれを飽きさせず引き込まれる作りになっている)
八幡(主人公とヒロインの永遠かもしれない一時の別れのシーンで川崎は少し涙ぐんでいた)
八幡(『そういう時は手を握ってあげるんだよお兄ちゃん』とアドバイスされてはいたものの、俺にはハードルが高すぎた。ヘタレでごめんよ小町……)
八幡(最後に二人は再会し、グッドエンドを迎えてスタッフロールが流れ出す)
八幡(照明が点き、他の客が次々と立ち上がるが、川崎はまだ泣いていた)
八幡(俺はそっと川崎の頭に手を乗せ、軽く撫でてやる)
八幡(川崎ははっとしたように顔を上げて慌てて手元のハンカチで涙を拭い、立ち上がった)
沙希「ご、ごめん、出よっか」
234 = 220 :
八幡「いやー、結構面白かったな。川崎の珍しいとこも見れたし」
沙希「い、言わないで! …………でも、うん、当たりだったね今回の映画」
八幡「そうだな、どっかでメシ食いながら感想会といこうぜ。どこにする?」
沙希「この時間だともうどこも混んでるから…………」
八幡(川崎と相談しつつ歩き、少し空いてる洋食屋を見つけて入る)
八幡(どこが良かった、ここはこういう風なのが好みだった、などと映画の話をしながら昼食を取り終えた)
八幡(ここも俺が支払ったが、店を出たあと川崎は何としても自分の分は出すと言って聞かず、俺に金を渡そうとしてくる)
八幡(仕方ないので強硬手段に出ることにした)
八幡「川崎、俺に奢らせてくれないと、映画見て泣いたのを大志やけーちゃん達にバラすぞ」
沙希「んなっ!?」
八幡「それにここのメシより美味い弁当を作って貰ってるんだ。だから、な?」
沙希「う……わかった……で、でも今日だけだからね」
八幡「おう。んじゃそろそろお前んちに行くか。ちょうどいいくらいの時間だろ」
沙希「ん、そうだね」
八幡(俺達は川崎家に向かって歩き出した。さすがに家族に見られたりするのは嫌なのか腕は組んでこなかった)
八幡(……ちょっと残念に感じてる俺がいる)
235 = 220 :
とりあえずここまで
今日はもう書けないかもしれない
サキサキ可愛い
飲み会行ってくるノシ
236 = 227 :
ふぅ…
サキサキスレは良いものだ
237 :
このスレよりもおねーちゃんのいる店であんなコトやこんなコトをする方が大事な>>1にはガッカリだよww
238 :
おつおつ
無理のないペースで書いてくれよ
239 :
乙~
やっぱり照れさせてこそサキサキは輝ると思います
240 :
おかしい、俺はゆきのん派だったはずなのに心がサキサキに傾いてしまってる
241 :
乙です!
飲み会終わりに期待(無茶振り)
242 :
乙っちゃん!!
に、二次会には行かず帰ってくるはずだから…
サキサキはもうちょい素直に感情出せたらメインヒロイン待ったなしだよなぁ…それが難しいんだろうけど
243 = 220 :
寝る前にちょっとだけ投下
244 = 220 :
八幡(川崎家に着くと、大志がすでに弟妹二人と待っていた)
大志「どうもっすお兄さん、話は聞いてます。姉ちゃんとコイツ等をよろしくお願いしまっす」
八幡「おう。それと俺をお兄さんと呼ぶな。ついでに小町の連絡先を消せや」
大志「いきなり何っすか!?」
沙希「こら比企谷」
八幡「ケッ」
八幡(しばらくやり取りをした後、大志は出掛けて行った)
八幡(川崎が着替えの為に奥に引っ込んだのでその間は二人の相手を務める)
沙希「お待たせ」
八幡(ヒーローごっこの悪役を演じていると着替え終わった川崎が戻ってきた。いつもの髪型に動きやすさを優先した服装だ)
八幡「おう……やっぱりその方がいいな」
沙希「…………さっきまでのあれ、あたしには似合わなかった?」
八幡「いや、あれはちょっと綺麗過ぎて緊張しちゃうからな。何というか落ち着かなかった…………でも、たまにならまた見てみたいぞ」
沙希「あ、うん……じゃあ機会あったらまた、ね」
八幡(むず痒い会話をし、改めて四人で遊び出す)
八幡(ままごとだったりお絵描きだったり簡単なゲームだったり)
245 = 220 :
八幡(が、朝早かったのか二人ともうつらうつらし始めた)
沙希「ああ、眠くなっちゃったかな? じゃあ少しお昼寝しようか」
八幡(そう言ってテキパキと準備を始める川崎。まさに『お姉ちゃん』って感じだ)
八幡(二人はもっと俺と遊ぶと少しだけ駄々をこねたが、遊べるのは今日だけじゃないしまた来るからと言うと納得してくれた)
沙希「ごめんね二人が寝るまでほったらかしちゃって」
八幡「気にすんな。一人は慣れてるから」
八幡(二人を寝かしつけたあと、俺は居間で川崎にお茶を淹れてもらっていた)
沙希「大志は面倒は結構見てくれるんだけどあまりああいう遊びはしてくれなくてね」
八幡「ああ、あの年頃じゃ仕方ないだろ」
沙希「だからあんたが相手してくれるのがよっぽど嬉しいみたい。二人とも眠る直前まであんたの話をしてたよ」
八幡「それは光栄だな、俺で良けりゃまた相手になるぞ」
沙希「うん、二人も喜ぶしお願いするね……な、なんならあたし達があんたの家に行く、とか」
八幡「いや、それは駄目だ」
沙希「え……」
沙希(そ、即答!? なんで? そんなに嫌なのかな……)
246 = 220 :
八幡「ウチには猫がいるからな。川崎は猫アレルギーだろ?」
沙希「あ……」
八幡「俺の部屋にはほとんど入ってこないから俺の部屋だけならいいが、そういうわけにもいかんだろ。ここに来んのも大変じゃねえし俺から出向くよ」
沙希「うん……ありがとう」
沙希(気を遣っててくれたんだね……)
八幡「いや、こんくらい別に」
沙希「…………」
八幡「…………」
沙希「ねえ、比企谷」
八幡「ん?」
沙希「せっかくだし、一昨日言ってたやつ……やってもらってもいいかな?」
八幡「あ、何だっけ?」
沙希「その、あたしに膝枕してくれるってやつ」
八幡「なっ……」
八幡(何を、と思ったが恥ずかしがりながらもこっちを上目遣いで見る川崎に俺は断ることなど出来なかった)
八幡「お、おう、いいぞ。でも俺はあの女の子座りなんか出来ないからな、これで」
八幡(俺は胡座をかいていた脚を真っ直ぐに伸ばし、ズボンの皺を直す)
八幡(川崎はシュシュを取って髪の毛をほどき、俺の斜め前方に身体を横たえて頭をそっと俺の太ももに載せる)
八幡(顔は反対側を向いているから表情は読み取れないが、耳まで赤いのはよくわかった)
八幡(そしてあの時川崎が言っていたことも)
247 = 220 :
八幡「なあ川崎」
沙希「な、なに?」
八幡「その、お前の言ってたやつ、わかったわ」
沙希「?」
八幡「頭、撫でていいか?」
沙希「!! …………うん、撫でて」
八幡(なにそのしおらしい声。惚れちゃうじゃないか)
八幡「じゃあ、ちょっと失礼するぞ」
八幡(なんで緊張してんだ俺は。映画館でだって撫でただろ…………うわ、やっぱりこいつの髪の毛サラサラだな)ナデナデ
沙希(あ……映画館の時は一瞬でわからなかったけど…………比企谷に撫でられるの、気持ちいい)
八幡(うお、すげえ、髪が全然指に引っかからねえ)スー
沙希(ん……手櫛…………それ、いい)
八幡(やべえ、ずっと撫でていたい)ナデナデ
沙希(クセになっちゃいそう……明日からも、頼んだらしてくれるかな?)
八幡(…………)ナデナデ
沙希(…………)
八幡(なんか……)ナデナデ
沙希(いいな、こういうの)
248 = 220 :
八幡(あれからしばらくして目を覚ました二人を再び相手し、外が暗くなって帰宅時間が近付いてきた)
八幡「じゃあ俺そろそろ帰るわ」
沙希「うん、本当にありがとうね、色々と」
八幡「いや、こっちこそな。映画も面白かったし」
京華「はーちゃん、ぜったいまたあそびにきてね!」
八幡「ああ、また来るよ。じゃあな二人とも」ナデナデ
八幡(子供二人の頭を撫で、俺は玄関を出る。川崎だけ一緒に出てきた。少し先まで見送ってくれるようだ)
八幡(俺は以前のように周囲に人気がないかを確認する)
八幡「じゃあな沙希、また明日」
沙希「うん、また明日ね、八幡」
八幡(こうして俺と川崎の一緒に過ごした休日は終わりを告げた)
八幡(とりあえず小町から質問責めにあうのは確実だろう。適当な答えを用意しとかないとな)
八幡(……正直に言うには恥ずかしいことが多すぎる)
249 = 220 :
映画デート編終了
今日はここまで
ちょっと酔ってたからおかしいとこがあったら指摘してくれるとありがたい、すまん
また明日ノシ
250 = 237 :
乙!
ちょっとブラックコーヒー飲んでくる
でももっと甘々でもいいよww
みんなの評価 : ★★
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