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    元スレ雪乃「LINE?」結衣「そう!みんなでやろうよ!」

    SS+覧 / PC版 /
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    みんなの評価 : ★★
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    101 = 1 :

    一つの話題が二つに、二つの話題が三つへと増えていく。その結果、どれか一つの会話を終わらせても他の会話が残っているせいで、会話そのものを終わらせることができなくなってしまう。

    最悪、残った会話がまた分裂し始めるしな。

    終わりの見えない会話は『ちょっと親に呼ばれたわー』とか『もう寝るー』とか適当な理由をつけて強制終了してしまうのが得策だ。

    しかしそれは逆に言えば、理由を見つけなければ終わらせられないということになる。

    俺の場合はメールを無視して返信しないという、リア充どもには真似できない方法で終わらしているわけだが。

    次の日由比ヶ浜が凄く不機嫌になるからあんまり乱用はできないけどな。

    雪乃【あなたに言いたいことなんて忘れてもまた出てきてしまうのよ】

    雪乃【そんなものを我慢していたら体に悪影響を及ぼしてしまうわ】

    雪乃【あなたのトラウマの数なんて知らないわ】

    ……この会話終わらせられるのか……?

    不安で目が覚めてしまった俺は、そのままもう少しだけ雪ノ下との会話を続けることにした。

    もう少し、あとちょっとだけ、キリのいいところまで。

    やめようと思えばいつでもやめられたと思う。だが俺は様々な理由を見つけて誤魔化し、気づけば時間を忘れてLINEに没頭してしまっていた。

    102 = 1 :

    八幡「ふああ……今何時だ……」

    誰に話しかけているわけでもないのに、つい思考がそのまま口から出てしまう。この癖そろそろどうにかしなければなるまい。

    俺は時間を確認するために雪ノ下からの返答に目を向ける。

    雪乃【そうね、あなたと同等に扱うなんてマントヒヒに失礼だったわ】3:56

    ……我ながらなんの話をしてるんだとは思う。だがそれ以上に気にしなければならないことを発見した。

    3時?いやあと少ししたら4時じゃねえか。通りで眠いわけだ。

    八幡【おい雪ノ下】

    八幡【時間見てみろ】

    今までポンポンとリズム良く来ていた返答が少しの間来なくなる。

    いつもより数テンポ遅れて来た返答はとてもシンプルでかつ分かりやすいものだった。

    雪乃【おやすみなさい】

    それを合図に雪ノ下とのLINE、別名未知との遭遇は終わりを告げた。

    計約五時間。お互いにその間一度も時間を見ずに没頭してしまっていた。

    すごいな、まるでラブラブのカップルみたいだ。

    八幡「……はっ」

    自分の考えをつい鼻で笑ってしまう。こんなことを考えてしまうあたり、よっぽど眠いんだろうな俺。

    寝るか。

    電気を消してベッドの上に横になる。途端にすさまじい眠気に襲われるが、その前に一つやるべきことを忘れていた。

    八幡【おやすみ】

    既読がつかないことを確認してから、俺は睡魔に従って深い眠りに落ちていった。

    103 = 97 :

    いぃねぇ

    104 :

    ガハマさんが拗ねるぞ

    105 = 1 :

    3このように雪ノ下雪乃は変わりつつある 終

    キリがいいのでここで終わりー

    お盆に免許取りに行かなきゃならないから、その勉強のために更新できなくなるかもしれないです。

    本編は更新一切できないかもしれないんで、頑張って短編は書くつもりです。

    108 :

    LINE病にかかったな

    109 :

    おつ
    かわいい

    110 :

    免許なんか1日問題集とにらめっこで受かるからはよ

    111 :

    楽しく読ませていただいてます。
    気長に待ってるんで頑張ってください!

    112 :

    >>111
    sageって知ってまちゅか? ぼくちゃん?

    113 :

    >>112
    おう更新待ってんのかよ荒らしくん

    114 :

    これだからスマホ厨は(白目)

    115 :

    これはいいものだ

    116 :

    やっはろー!1です

    みんなのおかげで免許取れましたー!
    ってことで記念のSS作ってるからこっちの更新はもうちょっと待ってください。

    そんなに時間はかからないから安心してね。

    117 :

    記念してんじゃねーよwwww

    118 :

    もうええから削除依頼だせやww
    お前のSS全部くっそおもろないのばっかりやしもう無理

    119 :

    記念にエロ書くなら許す

    120 :

    >>118
    ほんと、読者様(笑)って生きてて恥ずかしくないのかな?

    122 :

    夏だなぁ・・・いや読者様(笑)はいつもどおりか

    123 :

    素人の書く文章に何期待してんだ?
    ここで文句垂れる暇あったら小説読め小説

    124 :

    やっはろー!1です

    免許取得記念からだいぶ時間空いちゃいました。ごめんなさい。

    一応書き溜めが出来たんで投下します。それほど多いわけじゃないけどよろしくお願いします!

    127 = 1 :

    小町「あ、お兄ちゃんおはよー。昼食はテーブルに置いてあるよー」

    目が覚めたときにはすでに正午を過ぎていた。小町の用意してくれた昼食を少し急いで胃に入れていく。ゆっくり食べてると予備校に遅刻してしまいそうだ。

    受験生である小町に料理させて俺は昼まで寝てるとか、そろそろ救いようがない気もする。

    今日の夜ご飯は俺が作らないとな。

    八幡「ふああ……」

    小町「お兄ちゃん、冬休みだからって夜更かしするのは健康によくないよ。目も腐るし」

    八幡「それ長期休暇の度に言われるんだが……」

    今年の夏休みにも全く同じことを何度も言われた記憶がある。そして必ず目のことを言及される。

    だから睡眠不足と目の腐敗は関係ないんだよ。多分。

    小町「それだけお兄ちゃんの生活リズムがボロボロなの。そんな生活して体調壊してほしくないんだよ。あ、今の小町的にポイント高いっ!」

    八幡「はいはい」

    最後のだけなかったら本当に可愛いんだが……。まああっても可愛いがな!

    128 = 1 :

    小町「それで昨日はなにして夜更かししてたの?読書?ゲーム?本棚の後ろにある壁の中に上手く隠されたDVDの鑑賞?」

    八幡「……おい、ちょっと待て」

    小町「ん?」

    怖いよこの子!なんで当たり前みたいに俺のプライバシー知り尽くしてるの?ストーカーなの?

    八幡「な、なんでもない。それのどれでもねえよ。っていうかDVDとか知らねえし」

    小町「ふーん……まあいいけど。どれでもないなら……あ!LINEとか!」

    八幡「…………」

    いきなり図星を言い当てられて思わず黙ってしまう。その反応から何かを察したのか、小町の目がキュピーン!と光った。

    小町「ほうほう……お兄ちゃんがLINEで夜更かし……」

    八幡「何を勘ぐってんだか知らないが、相手は戸塚だからな」

    最もあり得る答えを提示してこの話題を終わらせようとしたのだが、なぜか小町の瞳に宿る光がさらに強くなったように見えた。

    小町「……本当に戸塚さん?」

    八幡「ああ、他に誰がいるんだよ」

    小町「ふーん、へえー、ほおー」

    八幡「うぜえ……」

    小町はニヤニヤとした表情をしながら、しかし何かを言うでもなくずっと俺のことを生暖かい目で見ている。

    だがそのことについて聞く時間は俺にはなさそうだ。時計を見れば意外と時間が過ぎている。急いで予備校に行く準備をしなければならない。

    皿に乗っていた食べ物を大急ぎで口の中にかきこみ、そのままコーヒーで押し流す。ごちそうさまと小町に言ってから部屋に戻り、俺は支度をものの一分程度で終わらせた。

    このまま自転車で飛ばせば間に合うな。

    ……寒い。家から出たくないな……はあ……。

    129 = 1 :

    八幡「じゃあ行ってくる……」

    部屋から玄関までの短い距離を、足を引きずりながら歩き靴を履く。

    ドアに手をかけようとしたその時、いつもはリビングから手を振るくらいしかしない小町がわざわざ玄関まで見送りに来てくれた。

    なんだ、デレ期か?

    不思議に思わなくもなかったが、別に悪い気はしないしむしろ嬉しい。

    少し上機嫌で扉を開ける俺に、さらに上機嫌な小町の声が届いた。

    小町「戸塚さんは部活がある日もない日も早寝するタイプだから、夜遅くまでLINEなんてしないんだよー。それじゃあ行ってらっしゃい!」

    俺の心臓が一際大きく脈打つのと、扉の閉まる音が聞こえたのはほぼ同時だった。

    八幡「お、俺の妹がこんなに怖いわけがない……」

    意識したわけでもなく口からそんな言葉がでてきてしまう。すれ違った主婦に気持ち悪そうに見られたが、もはやそんなことはどうでもいい。

    きっと今頃小町は俺のLINEの相手を楽しそうに探しているのだろう。あいつのことだし、相手が雪ノ下だなんてすぐに分かってしまうはずだ。

    そして帰ってから質問責めにあい、明日は奉仕部で雪ノ下に散々に言われる、と。

    こんな嫌な未来を正確に予知できる能力なんていらねえ……。どうせなら宝くじの当選番号予知してくれよ。

    そんな気持ちを振り切るために俺は自転車を漕ぎ始めた。

    130 = 1 :

    風に立ち向かいながら自転車を漕ぐこと十数分。なんとか時間までに予備校に着くことができた。

    こういう建物に入るとき、つい学校の癖で下駄箱探しちゃうんだよな……。

    周りを見渡せば俺と同じような行動を取っているような人間がもう一人いた。

    ポニーテールを揺らしながら周囲を見回し、何かに気づいたように動きを止める。

    まさに俺と同じ動きだ。案外あいつとは気が合うのかもな。いやないか。

    俺と気が合うということは、逆に言えば世界と合わないということだ。そんな奴は間違いなくぼっちである。

    ……そういえば、あの後ろ姿どっかで見たことあるな……。

    誰だっけ……か、川……川越……?

    八幡「あ、川崎か」

    川崎「ふぇっ!?」

    目の前で俺と同じ動きをしていた女子がこちらを勢いよく振り向いた。

    誰かと思ったら川崎本人じゃねえか。

    ……え?じゃあ今の『ふぇっ!?』ってこいつが言ったの?なにそれ可愛い。

    131 = 1 :

    川崎「な、なんであんたがここに……!」

    八幡「こんなとこに勉強以外でなんの用があるんだよ」

    俺の冷静な返しを受けて川崎もいつもの調子に戻る。若干の気まずさを残したままつかず離れずの微妙な距離感を保って、同じ部屋に向かって歩いていった。

    八幡「……そういや、生徒会選挙の時ありがとな」

    言いそびれていた礼を言っておいた。ただそれだけだというのに、川崎は頬を赤く染めて視線を逸らしてしまう。

    そういう反応やめてくれない?勘違いしそうになるだろ。

    川崎「別にあんたのためにやったわけじゃないし……」

    典型的なツンデレセリフもこいつが言うと、すんなりと本心だと思えてしまう。

    ならなんで手伝ってくれたのかとは思うが、そこまでぐいぐい聞くのは失礼だよな。

    だから失礼じゃない礼をしよう。

    八幡「それでも本当に助かった。この礼は今度何かで返す」

    川崎「何かって?」

    八幡「……決めてない」

    女子への礼をそんなにすぐ思いつけるほど俺の男子力は高くないんだよ。

    いや男子力ってなんだ。

    川崎「……その礼って、あたしが決めてもいいの?」

    八幡「ああ、むしろそっちの方が俺としてはありがたい……あ、痛みを伴うのはやめてくれよ?」

    川崎「あんたはあたしをどう見てるのさ……」

    132 = 1 :

    不良もどきですけど?とは口が裂けても言えない。その瞬間俺の体まで裂けてしまいそうだ。

    だとすると不良もどき以外でのこいつへの印象……。

    八幡「ブラコンだな」

    川崎「あ?」

    八幡「あ、いえなんでもないです」

    何今の声!どこから声出したらそうなるの!?

    ドスの利いた声を出した川崎だったが、なぜかその直後に視線を泳がせてしまう。

    その行動の意味が分からず首を傾げていると、川崎はいつもより小さめな声で言った。

    川崎「あたしへの礼はいいからさ……大志の勉強見てやって欲しいんだ」

    明後日の方向を向きながら言われた言葉は実にブラコンチックなお願いだった。

    ……そら目を逸らすわな。ブラコンって言われたすぐ後に弟のこと話し出すんだから。

    重症すぎるだろ、俺ですらそこまでじゃ……ないはず。

    八幡「そんくらいなら別に構わんが、それじゃあお前への礼は……」

    川崎「あたしはいいよ。スカラシップの時のでおあいこでしょ」

    八幡「ま、まあそうだが……」

    川崎「……あんたって意外と律儀だよね」

    やっと視線を戻した川崎は優しい笑顔を浮かべている。

    その表情は、俺の視線を釘付けにするには充分すぎるほど魅力的だった。

    133 = 1 :

    川崎「……なに?」

    八幡「……へ?あ、ああ、なんでもない。そうだぞ、俺はこう見えて律儀なんだ。借りはだいたい返すし貸しは絶対返してもらう」

    川崎「それ律儀って言わないから」

    その表情からはすでにさきほどの笑顔消えており、代わりに呆れた表情をされていた。

    まさかさっきの笑顔をもう一度見せてくれなどと言えるはずもなく、少し残念に思いながらも俺は会話を続ける。

    八幡「俺が教えるのはいいんだが……言っとくが国語以外は人に教えられるほどできないぞ?数学なんてむしろ教えてほしいレベル」

    川崎「そういうのは期待してないよ。ただほら、この前みたいにモチベーションを上げてほしいっていうか……」

    八幡「ああ……いやそれでも俺でいいのか?俺よりそういうのが得意なやつなんていくらでも……」

    そこまで言って気づく。そうだ、この子も俺と同じぼっちだった。

    俺に頼りたいのではなく、俺くらいしか頼れるやつがいない。

    俺を選んだのではなく、俺しか選択肢が与えられていないのだ。

    ぼっちは人間関係が狭い。むしろ人間関係なんてものが存在してないことすらある。だからこそ、選べる選択肢は限られている。

    俺のように。

    そう俺は予測し、こいつからの要望を飲もうとしたのだが、俺の考えは少し違っていたようだ。

    川崎「あたしは他のやつよりあんたがいいと思ったから頼んでるだけ。大志はあんたのこと凄く気に入ってるし、あたしも……あんたになら大志のこと任せられると思ってる。……少し不安だけど」

    八幡「任せられても困るんだが……まあその、そこまで言ってもらって断ることはできないな」

    川崎「じゃあ頼める?」

    八幡「ああ、引き受けた」

    134 = 1 :

    そこでちょうど俺たちの行くべき教室が見えてきた。一人で行くのに比べ随分と時間がかかったのは、それだけ会話に集中してしまっていたからだろう。

    川崎「あ、そうだ。これLINEのID」

    八幡「は?」

    そう言って彼女が差し出したのは、英数字の書かれたメモ紙だった。

    川崎「あんたも始めたんでしょ?ならこれの方が簡単に連絡できるし」

    八幡「え、お、おう……」

    女の子からLINEのIDもらった!八幡はリア充度が2上がった!

    おっと、いかん。あまりの驚きで脳内がポケットなモンスターのようになってしまった。

    ニヤニヤしそうになる顔を全力で引き締め、メモに手を伸ばす。だがその手はプルプルと震えていて我ながら無様だった。

    川崎「あっ……」

    受け取った時、俺と川崎の手が触れてしまった。俺が紙を掴んだと見るやいなや、ものすごい勢いで手を引いてしまう。

    女の子から気持ち悪がられた!八幡はリア充度が5下がった!

    八幡「わ、悪い」

    何が悪いのかよく分からないまま謝ってしまう。だって川崎の顔真っ赤なんだもの、すごく申し訳ないんだもの。

    川崎「いやっ、べ、別に……」

    川崎は裏返った声でそういうと、スタスタと教室の中に進んでしまった。

    残された俺は少しだけメモ帳を見つめてから、ゆっくりと教室の中へと入っていった。

    135 = 1 :

    今日はここまでですー。

    おやすみなさい!

    137 :

    八幡がLINEを始めたとなぜ知って……あ、また小町か?

    138 :

    リア充度なんてもともと存在しないだろ!いいかげんにしろ!

    139 :

    小町→大志経由だろうな

    140 :

    乙、リア充度は戸塚と接する事で100単位で上がりそう
    にしても小町さん情報ばら撒きすぎじゃないですかねぇ…

    141 :

    やっはろー!

    キリのいいとこまで書き終わったから投下していきます。

    この話の中じゃ、未成年のID検索できないとかそういう細かいことは気にしないでね。

    142 = 1 :

    やっはろー!

    キリのいいとこまで書き終わったから投下していきます。

    この話の中じゃ、未成年のID検索できないとかそういう細かいことは気にしないでね。

    144 = 1 :

    連投ごめん

    145 = 1 :

    八幡「たでーまー」

    小町「おっかえりー!」

    予備校から帰ってきた俺を、リビングから聞こえる小町の声と暖気が迎えてくれた。

    寒かった……こんな時期に家から進んで出ようとするとか理解できない……。

    小町「お兄ちゃーん、朝のことゆっくりお話しよー」

    八幡「うわあ……」

    家から進んで出ようとするやつの気持ち理解できちゃった。

    家に居場所がないのか……。

    八幡「はあ……」

    小町に聞こえるようわざと大きいため息を吐いてから、リビングへのドアを開ける。

    ソファーにぐてーとしながらも満面の笑みでこちらを見る小町の姿は、なんかこう……将来が不安だ。

    小町「ふっふっふ……お兄ちゃん、謎は全て解けたよ!」

    八幡「その謎解いたとこでどうすんだよ」

    小町「えー、そりゃ……ふふふ」

    俺の質問を怪しい笑い方で誤魔化す。その笑いにはどんな意味が含まれているのか聞きたいような聞きたくないような……。

    146 = 1 :

    小町「しかし雪乃さんと夜遅くまでLINEとはねえ……小町嬉しいよ」

    八幡「なんで嬉しいんだよ……つうかLINEしてたとは言うが、正確には二人ともがLINEに不慣れなせいで、やめ方が分からなかっただけだ。最後の方マントヒヒの話してたからな」

    小町「マントヒヒ……」

    さすがにそれには引いたようで、小町は額に手を当てる。

    小町「あと少しでお姉ちゃんが出来ると思うんだけどな……なにが足りないんだろ」

    八幡「俺のやる気だろ」

    小町「もう!お兄ちゃんは彼女欲しいとか思わないの?」

    彼女……ねえ。

    ぶっちゃければ欲しい。喉から手が出るほど欲しい。だが俺の性格から考えて一人の女性と長期間……あるいは一生を共にするというのは難しい。 

    一応専業主夫を目指している身としてはこんなとこで諦めるわけにはいかないが、それは大学で頑張るから。

    大学行ったら本気出すから。

    147 = 1 :

    八幡「今は欲しいとは思わねえな。それに俺には小町がいてくれるし」

    なんだかんだといって俺の世話を焼いてくれる可愛い妹がいてくれるだけでも、俺はかなり幸せだ。

    そう思い、なんとなく小町の頭によって手を乗せ優しく撫でる。

    小町「うぅ、これだからごみいちゃんは……ずるい」

    八幡「ずるいって……頭を撫でるって反則行為だったりすんの?俺退場でもさせられんの?」

    小町「ある意味超反則行為だね」

    八幡「そうだったのか……」

    小町の頭からパッと手を離す。俺の手を小町が名残惜しそうに見ていたのはきっと勘違いだろう。

    八幡「じゃあ俺部屋行くから」

    小町「んー」

    勉強頑張れよ、とでも言ってやりたいがそれが逆効果なのはよく知っている。

    ならせめて、こんな時くらいは兄らしく見守ってやろうじゃないか。

    148 :

    八幡「あ、そうだ」

    本当なら小町にLINEのことを尋問される前にとっとと立ち去って誤魔化したかったのだが、一つ聞き忘れたことがあった。

    八幡「なあ小町、俺がLINE始めたこと誰かに言ったか?」

    俺がLINE始めたこと。それを川崎が知っていた理由があるとすればこいつが誰かに言ったから以外には考えられない。

    一応小町は常識を備えている……と信じているが、念のために誰に言ったのか確認しておいても損ではないはずだ。

    小町「言ったよー。たった二人だけどね。お兄ちゃんの知り合いで小町の知ってる人そんなに多くないし、そもそもお兄ちゃんの知り合い多くないし」

    八幡「最後の一文いらないよね?改めて現実突きつけるのやめてくれない?」

    小町「はいはい。それで教えたのは大志君と……」

    大志……なるほど、川崎は大志経由で知ったのか。それなら納得……?

    え?なんであいつら姉弟間で俺の話してんの?怖いんだけど。

    川崎家の会話に俺の中で警鐘が鳴り始めている。だがそんなものは次の小町の発言で消し飛んでしまった。

    小町「あと陽乃さん」

    八幡「え?」

    149 :

    あかん

    150 = 1 :

    小町「だから陽乃さんだって。雪乃さんのお姉さんの」

    今なんかとんでもない魔王の名前が聞こえた気がするんですけど……嘘だよね?嘘だって言ってよ!

    小町「さっきコンビニに行ったら偶然会ったから言っちゃった。そういえば陽乃さんってなんでこっち居たんだろ?」

    言っちゃったじゃねえよ!この子常識全くなかった!あと陽乃さんと会ったの多分偶然じゃなくて必然だ!

    八幡「まじか……陽乃さんに言っちゃったか……」

    小町「うん!頑張ってね!」

    頑張っている人間に頑張れと言ってはいけない。

    それは受験生にも魔王に目を付けられた哀れな村人Aにも同じことが言える。

    陽乃さんのことを何も知らないのか知った上でなのかは分からないが、小町は妙な笑顔を浮かべている。

    それに見送られながら、村人Aは静かに自室へ引きこもりに行った。


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