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元スレ八幡「お前の21歳の誕生日、祝ってやるよ」雪乃「……ありがとう」
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「じゃあ適当なところに座っててもらえるかしら。おでんを皿に移してくるわ」
「おう、頼んだ」
片手に持っていたおでんの入った袋を渡す。
しかし、それを受け取っても台所へ移動しない。
「……なんだよ、こっち見て」
俺の目を見つめたまま、頑なに動こうとしない雪ノ下。
なんだどうしたよ、俺なにかいま減点対象の行動しましたかね?
こんな時間からさっそく「スケベしようや」って目で見てるわけでもなし、特に思い当たる点は……
「……脱いで」
「…………は?」
おいおいおいちょっと待てよ?
彼女は今なんておっしゃいまs
「だから、早く脱いでちょうだい」
脱げ……だとっ……!?
まじすか雪ノ下さん……。
こんなムードのかけらも無い雰囲気で、おっ始めようってか?
「……ぬ、脱ぐん……ですか? もう?」
ついつい、もう?って訊いちまったよ。俺ももともとヤル気満々でした宣言しちまったよ……。
カチンコチンの状態で返答を待っていると、表情をいっさい変えずに俺を見つめたまま口を開く。
「当たり前でしょう? ねえ、はやく…………」
……ううむ、こういう時は演技でもいいから、頬を朱に染めて俯きながら言って欲しかった……
こんな真っ直ぐ睨めつけながら催促されても、なんかちょっと、ねぇ……?
とか思いつつも、無変形状態にあった残りひと部分も気付けばカチンコチンコになってたので俺は日々変態を極めてきているなと痛く実感しました。本当にありがとうございました。
「……分かったよ、ったく。……脱ぐぞ?」
なんだこのシチュエーション。
恥ずかしさ満載だが……アリ、かも……//
堂々と告知してからベルトに手をかける。
手が焦って、外すのに一苦労していると、向かいから「ちょっ」の一声。
空耳か?
はたまた、その言葉は雪ノ下が漏らしたのか?
瞬く間に考えを廻らせ、顔だけ正面を向いてみる。
数秒前まで視界に映っていた彼女の顔つきが一転、我が儘を言うとしたら今すぐ死んでほしい。といった表情に早変わりしていた。
チャックを下ろしながら、絶句してしまう俺。
空気の読めない九幡は、社会の窓からひょっこりひょうたん島していた。
おい、客観的に見たら酷いぞこの画。
「…………フケ谷くん、誰が下半身を露出しろと?」
黒々しいオーラを纏いながら、冷静に訊いてきた。
「いや、早く脱げって指示されたから、まずは肝心なアンダーな方…………ん?」
いまの俺の格好って、寒さが漂う外から戻ってきたばかりだから、脱衣を一切していない状態だよな……?
…………そういや、ダッフルコート着たままだった。
「……あなた、一応有名私立大学に通ってるのよね?」
九幡がそそくさとアジトへ戻ってゆくのを感じながら、耳を傾ける。
「……馬鹿野郎なの?」
「………………うぁ」
いっそ罵詈雑言を吐いて俺を貶し殺してくれええぇぇぇ!!
ここで死んだら無念と苦悩にまみれたままあの世行きだけどな……。
「はぁ……固まってないで、いいから早くコートを脱いで渡してちょうだい」
「は、はい、サーセン……」
手腕が思うように機能せず、ボタンを外すのに苦戦してしまう。
雪ノ下はこの瞬間も、さっきまでと同じような表情でいるのだろうか。
そして俺はいま、どの方向へ視線を向けているのだろうか。
捻くれ者としてではなく、絶望の淵に立たされた人間が浮かべるような、そんな腐った目をしていることだろう。
半分死んでるわこれ。
「…………遅い」
雪ノ下は突如として、俺の前へ歩み寄ってきた。
「エッ?」
気を取り直して、血が巡ってなかった瞳に力を入れ焦点を合わす。
彼女の顔を覗くとやはり未だに、ゴキブリを見ているかのような目を俺に向けていた。
「……そんなに沈滞していたら、いつまて経っても回収できないじゃない」
その刹那、差し伸べられる白く美しい両手。
指先の向かった行先は、俺がいま着ているコート。
すると引っ掛けられたボタンを一つ、また一つ……と手際よく外していく。
ボタンをじっくり確認しているのか、それともただの恥ずかしさ故か、雪ノ下の顔は俯きがちになっていた。
突然の出来事と、彼女の意外な行動に俺も照れてしまい、つい仰向いてしまう。
なんだよ、この新婚気分は……
…………良いな。
値落ちに定評のある>>1
おい、どこがドロドロシリアスなんだよ!
イチャイチャラブコメは求めてないわけではないんだよ!!
イチャイチャラブコメは求めてないわけではないんだよ!!
>>1のペースでいいからちょくちょく更新してくださればそれで良い
「ほら、袖」
「んぁ? あ、あんがと」
留め具が外れたコートの袖から腕を抜き、身体から剥がして二つ折る。
「そうね……。悪いけれど、私の部屋のポールハンガーに自分で掛けておいてもらっていいかしら」
「お、おう」
ポールハンガーなんぞものがあるのか。シャレオツだな。
そして雪ノ下はようやく台所へ向かう。
俺のせいでおでん冷ましちゃったよな……。自分の棒つくねが勝手に熱くなったおかげで。
にしても、自分で掛けといてって言われて彼女の自室へ案内されるとは。
それだけ俺に心を開いてくれたってことなのだろうか?
……だとすれば、嬉しい。
ふと、台所の方を見やる。
彼女はおでんを鍋に移していた。火にかけて温め直すのだろう。
しかしよく見てみると、さっきまで着ていた服装とどこか違う。
あれは……なんだ、黒いエプロン……?
………………あっ。
もしかして、一緒にららぽーとへ出かけたときに買ったものか?
由比ヶ浜の誕生日プレゼントを選ぶってことになり、二人でエプロンを物色したときだ。
猫の絵柄がプリントされた黒のかわいいそれを雪ノ下が見つけて、自分が気に入ったために試着してたな。
「に、似合うかしら?」なんて気恥ずかしげに訊いてきてな。可愛かったなぁ。
……あれ、俺ってあの時なんて言ったっけ?
高2のときは変に尖ってたからな……俺とアイツ。
そんな頃であっても、俺は素直な感想を伝えたんだっけ?
いまこの瞬間に映る光景。
てきぱきとおでんを調理する姿。
食器棚から2つの皿を取り出す姿。
俺を気に掛けてくれたのか、七味唐辛子を探している姿。
それを見つけてちょっぴり微笑む姿。
そんな、思い出のエプロンを身に纏った姿の彼女。
あぁ^~、とてつもなくムラムラしてきたんじゃ~
言わずもがな、エプロンを着ていることでこうなんだ、魅力が十二分に引き立ってまあその……
ああもう、めちゃくちゃ可愛いんだよ!!
どうしてこんなにも似合うのかね。
もしこれが裸エプロンの状態であったならば、今夜は寝かせない自信しかない。
今度ベロベロに酔わせたあとに頼んでみるか、服を脱いでエプロン着ろくださいって。
「ちょっと?」
「うぉ、なんだよ」
ったく、人が裸エプロンの雪ノ下にスケベなイタズラ繰り広げているのを想像していたってのに。
「……そんなところで鼻の下を伸ばしながら棒立ちしてたら気味が悪いし、声をかけるに決まっているでしょう」
「え、伸びてた? 鼻の下」
「ええ、チンパンジー以上にね」
中学生か、俺は……
「ほら、早くそのコートを掛けてきてちょうだい。そろそろお皿によそるから」
「へい……」
いい加減そろそろ俺がドスケベだってことに感付かれそうなので、任務を遂行すべく雪ノ下さんのお部屋へ。
「スイッチどこだスイッチ……これか?」
パチッと照明を点けて、辺りを見回す。
綺麗に片付いているため、ポールハンガーはすぐに見つかった。
適当に上段に引っ掛け、ふと部屋中を眺める。
最初に目が付いたのは、すぐそばに置かれた白いシーツのダブルベッド。
十数時間前に、彼女と初めて繋がった場所。
……色っぽかったなぁ。
結わえていた紐をほどいて、髪の毛をくしゃくしゃにさせてもうこれ以上はホントに我慢できなくなるから考えるのはよすんだ八幡!
ベッドから目を離すと、その上にある窓のカーテンが開いた状態なことに気がつく。
普段から開けっぱなしなのか?
んなわけないよな、カーテン取り付けてるんなら。
てなわけで俺の独断と優しさで、閉めてあげることにした。
そして近づくと、窓台になにか置かれているのを発見。
「……写真立てか?」
しかし、中には一枚も写真が入ってない。
ただのインテリアなのだろうか。意味のない装飾ですこと。
あまり気に留めず、俺はシャッとカーテンを引いた。
「比企谷くん、できたわよ」
リビングから聞こえる馴染みの声。
腹も減ったし、突っつくとしますか。
・・・・・・・・・・
「いただきます」
「どうぞ」
あ、いまどうぞって言ったの俺やで。買ってきたの俺だし。
さあ雪ノ下さんよぉ……あんたはどれから食うんだい?
2つ入った巾着から食べ始めたとしたら、なんだか今日イケそうな気がする。あると思います。
まぁ俺の予想はそうだな、シンプルに大根あたりじゃないかと予想。
よくフゥーフゥーしてから食べてくれると、八幡的にポイントくっそ高い。
そんなこと考えていたら、いつの間に箸が伸びていた。
彼女が捕らえたもの……それは……
「玉子……だとっ……!?」
「え?」
半分にほぐされ、つゆの染みた玉子を挟んでいた。
「ふぅー、ふぅー……はむ」
お、おぉぉぉ!?
い、いまの見た!?
2回ふーふーしてから口に入れたの見た!?
俺は一部始終を余すことなく見てやったぞ……羨ましいだろ。
「くぅ~~~wwww」
「ねぇ?」
「あっはい」
「色々とうるさいわよ」
「さーせん……」
『色々と』ってのは、声とか目とか顔のことを言ってるんだろうな。やかましいわ。
「せっかく温めたんだから、比企谷くんも食べて?」
「……そうだな、いただきます」
「どうぞ」
逆転したよね、いま。
俺は大根や玉子などの主力メンバーは後にまわすタイプだ。
ぼっちは同胞に対して親近感を覚えてしまうもんだ。
そのため、おでん界におけるぼっちと云える具材を優先して食べるという、そんな粋な行いをたまにする。
まぁそうだな、5回に1回くらいか?
そりゃあだって、大根から食いたいときだってあるしさ。
今回は、がんもどきから頂くことにする。
こいつ、子どもからの人気は低いよな。俺とちがって。
まぁ名前も可愛くないし、見た目もキャンタマ袋みたいだから致し方ないよな。
ただ、がんもどきは汁をよく吸ってくれるから好きだ。
悲しいかな、逆に言えばこいつの利点ってそれしか無いよね。
がんもどきを箸で捕らえ、冷ましもせずにすぐさま口の中へ。
あっつっっっ!!
だが、これがいいのよ……。
ひと口噛み締めるごとに、昆布ベースの汁が溢れ出す。たまらんのぅ。
「……ふふ、美味しそうに食べるわね」
「えっ、ほうは?(そうか?)」
「ええ。見ていて、楽しいわ」
それ、滑稽に思われてるってわけじゃないよね?
良い意味として捉えていいんですよね、これ?
てか、どうして俺はおでんを食うだけで、こんなにも思考を働かせなきゃならないんだ。
もう、おでん界のぼっちだとかそんなのめんどくさいから、やっぱり普通に大根食うわ。うまうま。
大根に舌鼓を打っている俺の隣で、残り半分の玉子をふーふーする雪ノ下。
たった24時間前に、自販機で再会した俺たち。
まさかこうして、彼女の家で別々のおでんを突っつく時が来るとは……。
人生、なにがあるか分からんね。
「……不思議よね」
「ん?」
玉子を一旦置き、唐突に話しかけてきた。
「……卒業してからずっと会っていなかったのに、まさかあんな所で偶然……」
「!」
これもまた偶然なのか、俺と全く同じことを考えていたようだ。
「……そのあと、ここで一夜を共にして、いまに至る」
一夜って言うのやめてくれ……思い出してムラッとしちゃうから。
「フィクション物語のような展開なのに、現実で実際に起こるなんてね」
「……そうだな」
手遊び感覚で、つい大根をほぐしつづけてしまう。
楕円形だったのが、少しずつ小さな一口サイズにカットされていく。
「……嬉しかったの」
彼女がそう口にすると、俺の手がピタッと止まる。
「あの時に思った、率直な感想」
「………………」
横目で彼女を覗くと、部屋の照明がオレンジがかっているせいか、頬が朱に染まっているように見えた。
……いや、違う。
「そして……」
見えた、じゃない。
「……その気持ちは、こうして過ごすいまも、変わらない……」
事実、映っていた。
1から読み直すとゆきのんの色々開発された挙げ句捨てられた女臭が半端ない
大学生カップルの八幡と雪乃って
もうなんか一週間ぐらい学校サボってずっと家からでないで食う寝るセックスの退廃的な生活送ってても違和感ない
もうなんか一週間ぐらい学校サボってずっと家からでないで食う寝るセックスの退廃的な生活送ってても違和感ない
どうでもいいことだが、出汁が昆布ベースなのは関西なんやっ!
千葉(関東)なら出汁は鰹ベースなんやで。
千葉(関東)なら出汁は鰹ベースなんやで。
あぁ、もしかしてあれかな。
あっつあつおでんを食ったことによって、顔が上気しちゃったのかな?
ったく、もっと冷ましてから食えばいいものを―――
21歳になった現在。
そのように逃避することが許されないのは解っていた。
雪ノ下雪乃は、俺のたいせつな存在だ。
そんなの改めて考えるまでもない。
きっと、彼女も俺に対して同じような感情を抱いてくれていることだろう。
彼女の想いは、ちゃんと俺に届いているから。
誰が恋心を持っているか。
そんなこと、高校時代から判別ができたのに。
かつて、気づかぬフリを続けたせいで、一人の女子を傷つけてしまった。
こんなにも最低な二の舞を演じたいと、思えるわけがない。
……もう、鈍感な人間を演じることは、止めたのだから。
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