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    元スレP「大人を舐めるなッ!」

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    601 = 1 :

    【ひなまつり5、スーパー】

    千早「プロデューサー、これはどうですか?」

    「チョコあられ……?千早がこんなのを選ぶとは珍しいな」

    千早「いえ、亜美達にと思いまして」

    「そういう事か。確かに、普通のひなあられだと不評かもしれん」

    千早「じゃあ、これは多めに買って……他はどうします?」

    千早「一応、五色あられも買っておいた方がいいと思うんですが……」

    「ふむ……チョコだけだと色合いも悪いし、そうするか」

    千早「これは少しでいいですか?あ、でも四条さんが居ますね……どうしましょう」

    千早「多く買ったら余りそうだし……かと言って少なすぎるのも……うーん……」

    「楽しそうだな」

    千早「え?ええ、楽しいですよ」

    「以前では考えられないな、こんなに楽しそうな千早は」

    千早「……おかしい、ですか?私がこういう事に積極的だと」

    「いや、今の千早の方が好きだぞ。楽しむのはいい事だからな」

    千早「そうですか?ありがとうございます」

    602 = 1 :

    千早「そういえば……」

    「うん?」

    千早「さっき、今の私が好きだと言ってくれましたよね?」

    「言ったな」

    千早「では、昔の私は嫌いだったんでしょうか?」

    「いや、そんな事はないぞ!?」

    千早「本当に?」

    「無論だ」

    千早「でも『今の方が好き』という事は、つまりそういう事なのでは?」

    「違うぞ。俺が言いたいのは、アレだ……」

    千早「アレとは?」

    「……今の方が、前よりもっと魅力的だという事だ」

    千早「えっ?あ、ありがとうござい――」

    「だが!」

    千早「はい?」

    「意地の悪い千早は嫌いだ」

    千早「ふむ……プロデューサーにそう言われるとは、私も成長しましたね」

    「子供の特権を無駄な事に使うなよ……」

    千早「すみません。無駄は嫌いじゃなくなったので」

    「まったく……魅力的にはなったが、可愛げはなくなったな」

    千早「それは律子の所為ですね」

    「責任転嫁も覚えてしまったのか……俺は悲しいぞ」

    千早「でも、律子が意地悪になったのはプロデューサーの所為ですよ?」

    「結局そこに落ち着くの!?」

    603 = 1 :

    【ひなまつり6、事務所】

    「ただいま戻りました」

    真美「おかえり、千早お姉ちゃん!あと兄ちゃんも」

    「おい、ついでみたいな言い方をするな」

    亜美「ねぇねぇお菓子は?甘酒は?」

    千早「あるわよ。準備するから手伝ってくれる?」

    亜美真美「はーい!」

    たたたっ

    604 = 1 :

    「……ふむ」

    伊織「どうしたの?」

    「ん?」

    伊織「考え事かしら?」

    「まあな。大した事じゃないが、千早を見て思ったんだ」

    伊織「何を?」

    「亜美と真美って、千早の言う事は割と素直に聞くんだなーと」

    伊織「言われてみればそうね……どうしてかしら?」

    「うーむ……あ、そうか」

    伊織「分かったの?」

    「多分、怒らせたら無視するタイプだからじゃないか?」

    伊織「ああ、なるほど……確かにそうかも」

    「お前や律子は何だかんだ構うだろうが、千早はキレたら関わってきそうにないからな……その差だろう」

    伊織「つまり、アンタが千早に対して甘いのもそういう訳なのね」

    「構って欲しくて俺に突っかかってくるお前も大概だがな」

    伊織「何ですって!?」

    「やる気か!?手加減しないぞ!」

    伊織「望むところよ!」

    真美(どっちも子供だよね、これ……)

    605 = 1 :

    【ひなまつり7、事務所】

    やよい「あ、プロデューサー!帰ってたんですね」

    「ああ。ただいま、やよい」

    やよい「はいっ、お帰りなさい!」

    「そんな所に立ってないで、こっちに座ったらどうですか?」

    「そうさせて貰おう。ところで、ひなあられは食べたか?」

    「いえ、ボクもさっき帰ってきたばかりなので……頂いていいですか?」

    「どうぞ」

    「じゃあ遠慮なく……はむ」

    「俺も食べようかな。やよいも食べるといい」

    やよい「あ、はいっ。頂きますっ!」

    606 = 1 :

    「――美味しいですね、このチョコあられって」

    やよい「チョコあられ……?そんなのがあるんですか?」

    「あるぞ。まあ、あられをチョコでコーティングしただけだがな」

    「だからシンプルで美味しいんですよ。ほら、やよい。あーん」

    やよい「あ、あーん……はむっ」

    「どう?美味しい?」

    やよい「はい、美味しいです!」

    「美味そうに食べるな、やよいは。見ていると食欲が刺激されるぞ」

    「プロデューサーも食べます?はい、あーん」

    「……おい、ナチュラルに子供扱いするな」

    「あ、すみません。つい」

    「ついじゃない!まったく……」

    やよい「プロデューサー、食べないんですか?」

    「いや、食べるぞ。ただ、真が――」

    やよい「はい、あーん」

    「だからやめろぉ!」

    607 :

    誕生日のネタが尽きていたので、ひなまつりと合わせました
    祝えなくてごめんなさい、千早さん

    なんかいい話っぽいのは気のせいです。多分
    あと日を跨いで申し訳ありません

    609 :

    おつおつ!

    やよいにあーんしてもらいたい

    610 :

    おつおつ!

    611 :

    【いつもの平日20、事務所】

    「うーむ……」

    亜美「どしたの兄ちゃん?」

    「亜美か。いやなに、少し考え事をな」

    亜美「考え事?教えて教えて!」

    「……聞いても面白くないと思うぞ?」

    亜美「それは聞いてから決めるYO!」

    「まあ、話してもいいか……実は、牛乳の事なんだが」

    亜美「え?牛乳?」

    「どの銘柄がいいんだろうか?」

    亜美「味の話?」

    「いや、どれが身長を伸ばすのに効果的なのかという話だ」

    亜美「えーっと……もう伸びないとかそういうツッコミは?」

    「なしだ」

    亜美「うーん……亜美には分かんないや。千早お姉ちゃんに訊いたら?」

    「千早に?どうして?」

    亜美「まだまだ成長期だからね。きっと詳しいと思うよ?」

    「ふむ……成程な。ありがとう」

    亜美「いえいえ~♪」

    612 = 1 :

    「千早」

    千早「はい?」

    「いい牛乳について教えてくれ」

    千早「……どうして私に訊くんですか?」

    「成長期だし、そういうものにも気を遣っていると思ってな」

    千早「……セクハラですか?」

    「え?何が?」

    千早「いえ、分かっていないなら別にいいんです」

    「それで、教えてくれないのか?」

    千早「そういうのは実績のある人に訊くべきですよ。私に訊いても無駄かと」

    「そうなのか?では、その実績のある人を教えてくれ」

    千早「……あずささんです」

    「貴音じゃなくて?」

    千早「はい。一番大きいですから」

    「そうだったのか……後で修正しとかないとな。ありがとう、千早」

    千早「どういたしまして」

    613 = 1 :

    「あずささん」

    あずさ「はい~?」

    「どの牛乳を飲めばいいんですか?」

    あずさ「え?」

    「ですから、どの牛乳が一番効果がありますか?」

    あずさ「……どうしてそれを私に訊くんですか?」

    「大きいという実績がありますから」

    あずさ「プロデューサーさん」

    「はい?」

    あずさ「それ、セクハラですよ?」

    「え?でも、一番大きいって――」

    あずさ「だから!それがセクハラなんですっ!」

    「……ああ!胸の話か!」

    あずさ「何の話だと思ってたんですか!?」

    614 = 1 :

    【いつもの平日21、事務所前】

    「うわっ……凄いファンの子が……」

    「どうしよう……これじゃ入れないよ……」

    ???「まーことー」

    「え?もうバレた!?」

    ???「まーことー」

    ズリズリ……

    「どこから――って、何あれ!?」

    シャルル?「まーことー」

    「何でこっちに来るの!?」

    シャルル?「やっと気づいたか。おはよう」

    「誰ですか!?」

    「俺だ」

    「あ、プロデューサーですか。驚かさないでくださいよ」

    「それはすまない。しかし、凄い数のファンだったな。いつの間にか消えたが」

    「多分そのぬいぐるみの所為ですよ」

    「いや、普通なら『可愛い~』って寄ってくるだろ」

    「可愛ければの話ですね」

    「可愛くないみたいな言い方はやめろ」

    615 = 1 :

    「――にしても、事務所まで運ぶのは骨が折れるな」

    「だったら車に乗せてくればいいじゃないですか」

    「そう言うな。ほら、シャルル・ドナテルロ20世だぞ」

    シャルル・ドナテルロ20世「コンニチハ」

    「腹話術もできるんですか?」

    「大人だからな」

    「大人は関係ないと思いますけど……」

    テレビ『次のニュースです』

    テレビ『今日の午前7時ごろ、巨大なうさぎのぬいぐるみを背負った変質者が――』

    シャルル・ドナテルロ20世「……チガウヨ?」

    「責任転嫁!?」

    「大人だからな」

    「大人って汚い……」

    616 = 1 :

    【一時間後、事務所】

    伊織「おはよう」

    「おはよう伊織。待ってたぞ」

    伊織「え?何の話?」

    「シャルル・ドナテルロ20世の話だよ……」

    伊織「ああ、アレ作ってきたのね」

    「危うく変質者になりかけたがな」

    伊織「何をやったらそうなるの!?」

    「事務所まで背負ってきたんだよ……」

    伊織「アンタはまた……馬鹿じゃないの?」

    「会心の出来だったんだ。お披露目したいじゃないか」

    伊織「まったく……それでよく『大人だ』とか言えるわよね」

    「子供心を失わない。それが大人だ」

    「結局どっちなんですかそれ!?」

    617 = 1 :

    伊織「まあいいわ。私にくれるんでしょ?」

    「勿論だ。受け取れ」

    伊織「ありがと」

    「さてと……さあ、伊織!シャルル比20倍の前にひれ伏すがいい!」

    伊織「嫌よ」

    「なっ……!?約束が違うぞ!」

    伊織「ふんっ!アンタこそ、シャルル比30倍の前にひれ伏すといいわ!」

    「しまった!向こうの方が大きい!」

    「渡す前に気づきましょうよ!」

    618 :

    【いつもの平日22、事務所】

    伊織「そういえば」

    「うん?」

    伊織「アイツに何をするか決まったの?」

    「あー……どうしよう?」

    伊織「いや、私に訊かれても困るんだけど」

    「いいアイデアとかない?」

    伊織「アイデアねぇ……アレとかどうかしら?」

    「なになに?」

    伊織「ほら、肩叩き券的な?」

    「おお!それはナイスアイデアだぞ!」

    619 = 1 :

    伊織「で、券の内容だけど」

    「えっと……プロデューサーにできない事がいいよね?」

    伊織「そうね。まあ、別に肩叩きでも悪くないと思うわよ?自分じゃ上手くできないし」

    「いや、プロデューサーならやりかねないぞ」

    伊織「それを言ったら何も決められないじゃない」

    「うーん……じゃあ、これとかどう?」

    伊織「どれどれ……『何でも一つだけお願い券』?」

    「うん!これなら自分が悩まなくてもオッケーでしょ?」

    伊織「そうね。確かにアンタは悩まなくてもいいけど――」

    「けど?」

    伊織「プロデューサーがアンタにしか頼めない事って……あるのかしらね?」

    「……あるの?」

    伊織「知らないわよ……」

    620 = 1 :

    ガチャッ

    「ただいま戻りました」

    伊織「あ、いいところに帰ってきたわね」

    「どうした?」

    伊織「響が渡したい物があるんですって。ほら、響」

    「ちょっ……まだ決まった訳じゃないのに……」

    伊織「いいからさっさと渡しなさい。じゃないと何も始まらないわよ」

    「そっか、そうだな……あの、プロデューサー!」

    「何だ?」

    「えっと……これあげる!」

    「……何でも一つだけお願い券?」

    「うん。もしかしたら要らないかもしれないけど、その……好きな時に使って欲しいなー、なんて……」

    「ふむ……気持ちは嬉しいぞ。ありがとう」

    「あの、本当に何でもいいからね!自分完璧だから!」

    「分かった分かった。じゃあ、俺は仕事に戻るぞ」

    スタスタ……

    伊織(アイツ、いつになく大人の対応だったけど――)

    「これでお詫びになったかな?ねぇ伊織、どう思う?」

    伊織「……え?ああ、大丈夫じゃないかしら」

    「そっか……よかったぁ……」

    伊織(あれ、事実上の要らない宣言よね……)

    621 = 1 :

    【いつもの平日23、事務所】

    美希「あれ?今日は何も持ってきてないの?」

    「お菓子の話か?」

    美希「うん。ミキ、ちょっと楽しみだったのに」

    「約束は果たしたからな。もうお菓子は作らなくても――」

    美希「本当にそう思ってる?」

    「……どういう事だ?」

    美希「プロデューサー、春香に負けっぱなしなの」

    「それは……!」

    美希「悔しくないの?ミキなら、負けたままなのは嫌だって思うな」

    「しかし……」

    美希「プロデューサーはもっと頑張るべきなの。春香に勝つ為に」

    「だが、春香のお菓子は本当に――」

    美希「うん、春香のお菓子は美味しいよ。でも……」

    美希「ゼリーを褒められて……それで自分を誤魔化すの?それで満足できるの?」

    美希「プロデューサーは、クッキーとかドーナツを『美味しい』って言って欲しいんじゃなかったの?」

    「美希……」

    622 = 1 :

    「……そうだな。お前の言う通りだ」

    「俺も、このままでは終われないと思っていた……」

    美希「でしょ?だから……味見は任せて!」

    「本音が出てるぞ」

    美希「だって美味しいんだもん」

    「え?」

    美希「あ……」

    「そうか、お前は認めてくれるのか……ありがとう、美希」

    美希「う、ううん……どういたしましてなの……」

    美希(おかしいな……素直にお礼を言われると、なんか恥ずかしいかも……)

    美希(……とりあえず誤魔化しとこ)

    美希「まあ、0.8春香だけどね」

    「一言余計だ!」

    美希「照れ隠しなの」

    「そうなのか?」

    美希「嘘だよ?」

    「お前はもう!本当にもう!」

    美希「あはっ☆それじゃ、期待してるの!」

    「まったく……それが人にものを頼む態度か」

    美希「あれ?『お願いします』って言った方がいい?」

    「あ、鳥肌が……」

    美希「酷いの!」

    623 :

    ミキミキ可愛いな

    624 :

    何だ天使か

    625 :

    お願い券は私がもらおう

    626 :

    いやいや、ここは私が

    627 :

    あぁ天使だな

    628 :

    ミキミキが天使なんて何を今更

    629 :

    765勢は高木天使長を筆頭に全員天使だよ

    630 :

    【ある休日13、居酒屋】

    小鳥「プロデューサーさん、焼き鳥どうぞ」

    「ありがとうございます」

    小鳥「ふふ……」

    「どうしました?」

    小鳥「いえ、ちょっと面白くて……すみません」

    「俺の顔に何か?」

    小鳥「そういう訳じゃないんですが……その、ですね」

    「はい」

    小鳥「プロデューサーさんも、お酒を片手に焼き鳥を食べるんだなーと思いまして」

    「おかしいですか?」

    小鳥「そうじゃないんです。ただ、『プロデューサーさんも大人なんだな』と実感すると言いますか……」

    「む……俺はいつでも大人のつもりですが」

    小鳥「……そうですね?」

    「何故に疑問形!?」

    小鳥「いえその……何故か肯定するのが躊躇われたので……」

    631 = 1 :

    小鳥「でも、私はいいと思いますよ。子供っぽくても」

    「よくないです――ごくっ……はぁ……」

    小鳥「そうですか?子供心を持ってる人の方が、いい大人になれる気がしますけど……」

    「なれませんよ~……大人は大人らしく――あれ?」

    「なんかそんな事を以前に言ったような……どうだったかな……」

    小鳥「あの、プロデューサーさん?」

    「大人らしくなるには子供らしさが必要で、でも大人は子供じゃなくて……うん?」

    小鳥「……もしかして、相当酔ってます?」

    「酔ってないです……でも、子供って何なんだ……大人って――ああもう!」

    「音無さん!どうしたら子供でどうしたら大人なんですか!?」

    ガクガク

    小鳥「きゃっ!?お、落ち着いてくださっ……!あの、揺すらないで――うぷっ!」

    「大人って何なんですか!?答えて――」

    小鳥「もう駄目……おろろろろろ……!」

    632 = 1 :

    「――すみません」

    小鳥「いえ、いいんですよ……お酒の席の事ですし……」

    小鳥「それに、その……片付けて貰いましたから……」

    「あれは俺が悪いので気にしないでください」

    小鳥「……じゃあ、お互いさまという事で」

    「そうしましょうか。ところで、音無さん」

    小鳥「はい?」

    「大人って、何なんでしょうね?」

    小鳥「うーん……少なくとも、ですけど」

    「はい」

    小鳥「『子供』って言われても、ムキにならない人だと思いますよ?」

    「うぐっ……!」

    633 :

    あの鳥が吐くAAを連想した

    635 :

    このPと愛ちゃんが組むと暴走しそうだ

    636 :

    【ホワイトデー1、デパート】

    伊織「私は何をしてるのかしら……」

    あずさ「え?」

    伊織「こんな所でマシュマロを選んでるなんて……もう意味不明じゃない……」

    あずさ「あら、駄目よ伊織ちゃん」

    伊織「分かってるわよ。ただ、アイツが――」

    あずさ「『こんな所』なんて言ったらお店に失礼でしょう?めっ!」

    伊織「いや、そうじゃなくてね!?」

    637 = 1 :

    あずさ「じゃあ、どういう意味なの?」

    伊織「アイツがバレンタインデーにチョコを渡してこなければ、こんな事をする必要もなかったって意味よ」

    あずさ「でも、私を買い物に誘ったのは伊織ちゃんでしょう?」

    伊織「それは……その……」

    あずさ「うん」

    伊織「お返しをしないなんて、何だか負けた気分になるじゃない……」

    あずさ「…………」

    伊織「……ねぇ、反応してくれないと困るんだけど」

    あずさ「あ、ごめんなさい」

    伊織「まったく……何をボーっとしてるのよ」

    あずさ「いえ、伊織ちゃんとプロデューサーさんは本当に似てるなぁと思って」

    伊織「どこが!?」

    あずさ「こういう律義なところ……とか?」

    伊織「ぐっ……褒め言葉だけに否定しづらい……」

    638 :

    【ホワイトデー2、事務所】

    「やよい」

    やよい「プロデューサー?どうしました?」

    「いや、ホワイトデーだからお返しをと思ってな。はい、どうぞ」

    やよい「……あのっ!」

    「うん?マシュマロは嫌いだったか?」

    やよい「そうじゃなくて……私、何も用意できてないんです。だから――」

    「別に遠慮しなくていいぞ。バレンタインの分はもう返して貰ってるから」

    やよい「え……?」

    「これは日頃の感謝の気持ちだ。気にせず受け取ってくれ」

    やよい「でも、そんなのプロデューサーに悪いです……」

    「ふむ……では、こうしよう」

    やよい「何ですか?」

    「やよいには肩叩きをして貰う……という事でどうだ?」

    やよい「あ、それなら――」

    639 = 1 :

    やよい「――痛くないですか?」

    「ああ、大丈夫だ」

    やよい「えへへ、よかったです」

    ガチャッ

    亜美「ただいま――って、何でやよいっちが兄ちゃんの肩叩いてるの?」

    亜美「はっ……!これはもしや――事案!?」

    「何が!?」

    亜美「20代の男性が中学生に肩叩きを強要……完全に犯罪だYO!」

    やよい「違うよ亜美。これはお礼なの」

    亜美「へ?お礼?」

    やよい「うん。ホワイトデーのプレゼントを貰ったから」

    亜美「あー、そういえば今日だっけ?」

    「そうだぞ。まったく、騒がしい奴め」

    640 = 1 :

    亜美「……ところで兄ちゃん」

    「ん?」

    亜美「亜美にはくれないの?」

    「あげないけど?」

    亜美「えー!?何でさ!」

    「そんなの、中学生にお菓子をあげる事案が発生するからに決まってるだろ」

    亜美「もー!意地悪しないでよー!」

    「まあ、反省するならあげてもいいぞ」

    亜美「するする!あ、通報はしないから安心してね?」

    「当たり前だ!」

    641 :

    やよかわ

    642 = 1 :

    【ホワイトデー3、楽屋】

    「はぁ……」

    「どうした?」

    「ちょっと気乗りしないなぁ……と」

    「この仕事に不満でもあるのか?」

    「当たり前です。何が悲しくてホワイトデーにお菓子を配らなきゃならないんですか」

    「仕方ないだろ。そういう売り方なんだから」

    「そうですけど……ボクだって女の子みたいに扱われたい事もあるんですよ」

    「ふむ……その気持ち、少しは分かるぞ」

    「え!?女装癖でもあるんですか!?」

    「何故そうなる!」

    「いや、今の流れだとそうかなーって」

    「違う。周りから大人扱いされない事に不満があるという意味だ」

    「大人扱いされないのは自分の言動が原因なんじゃ……」

    「その理屈でいくと、女の子扱いされないのは真が悪いという事になるぞ」

    「うぐっ……そうでした……」

    643 = 1 :

    「……そろそろ時間だな」

    「そうですね……」

    「大丈夫か?」

    「ええ。仕事ですから、ちゃんとやりますよ」

    「うむ。不満はあるだろうが、気持ちを切り替えねばな」

    「はぁ……よし、行ってきます!」

    「あ、ちょっと待った」

    ガシッ

    「おわっ!?いきなり何するんですか!?」

    「はい。ささやかだが、ホワイトデーのプレゼントだ」

    「えっ?ボクにですか?」

    「他に誰か居るのか?」

    「居ませんけど……」

    「とりあえず、今はこれで我慢しろ。ほら、行ってこい」

    「……ありがとうございますっ!」

    644 = 641 :

    こりゃイケメンだわ

    645 = 1 :

    【ホワイトデー4、事務所】

    「そういえば」

    貴音「何ですか?」

    「いや、ホワイトデーって三倍返しだったような気がして……どうだったかな」

    貴音「ほほう、三倍ですか。それは楽しみです」

    「……楽しみにするのはいいけど、そういうの自分から言っちゃ駄目だぞ?」

    貴音「そうですね……危うく、はしたない真似をするところでした」

    ガチャッ

    「ただいま戻りました」

    「あ、おかえりプロデューサー!」

    貴音「おかえりなさいませ」

    「二人だけか?」

    貴音「ええ。丁度、ほわいとでぇの話をしておりました」

    「だから催促したら駄目だって!」

    貴音「あ……これは失礼しました」

    646 = 1 :

    「いや、別にあげるつもりだったからいいけど……ほら、マシュマロ」

    貴音「ありがとうございます」

    「ありがと」

    「ところで、ホワイトデーの話って何だったんだ?貰えるかどうかの話か?」

    「いや、ホワイトデーって三倍返しのイメージあるよね……みたいな?」

    「ああ、そういう」

    貴音「ご存知なのですか?」

    「まあな。ただ、それをすると相手にも気を遣わせるからな……」

    「だよね」

    貴音「しかし、三倍……これが三倍なら――じゅるっ」

    「本当、お前は欲望に忠実だよな……」

    貴音「申し訳ありません。ですが、話を聞くとどうしても……」

    「ふむ……それならいい方法があるぞ」

    貴音「真ですか!?して、それはどのようなものなのです?」

    「実はな――」

    647 = 1 :

    ピッ……ヴゥゥゥン……

    貴音「お、おお……!これは……!」

    「貴音。それはやめといた方が――」

    貴音「何を言うのです!こんな素晴らしい事をやめる道理はありません!」

    「はぁ……自分は知らないからね」

    チン!

    貴音「できました!いざ、三倍!」

    デロォ……

    貴音「…………」

    貴音「響!響ぃ!」

    「だから言ったのに……」

    貴音「ましゅまろが!ましゅまろがぁ!」

    「まったく……貴音は質量保存とか考えた方がいいぞ」

    貴音「ましゅまろ……」

    「……ごめん貴音。ほら、追加でマシュマロあげるから」

    貴音「よいのですか……?」

    「うん……なんか心が痛む……」

    「本当、プロデューサーって子供だよね」

    「すみません……」

    648 = 1 :

    ホワイトデーのエピソードをもうちょっと書ければよかったのですが
    どうもバレンタインデーと内容的に似通ってしまうので少なくなってしまいました

    あと、アイマスのプロデューサーなのにセクハラしないような性格になってますね
    自分からネタの範囲を狭めてしまったとは……

    649 :

    真面目にセクハラすればいい!

    650 :

    アイマスのプロデューサーなのにっておかしい…


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