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    元スレP「大人を舐めるなッ!」

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    1 :

    【ある日、事務所】

    亜美「兄ちゃ―ん、遊んで―!」

    「駄目」

    真美「えー?いいじゃん、暇でしょ?」

    「仕事中なんだが」

    亜美「でも亜美達は暇なんだよー」

    「知らん」

    真美「真美が暇なのは兄ちゃんの所為じゃない?」

    「……知らんな」

    真美「あー!目ぇ逸らした!」

    亜美「図星ですな?」

    「ええい!真美が暇なのは休めるようにスケジュールを組んでやったからだろうが!」

    「そして亜美が暇なのは律子に言え!俺は知らん!」

    亜美「亜美は今日オフだよ?」

    「だったら余計に俺の所為じゃないよな?」

    SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1385283881

    2 = 1 :

    真美「遊び相手が居ないんだよー。お願い」

    「その辺で遊んでくればいいだろう?何ならゲームでもしていればいい」

    亜美「飽きたもん」

    「お前の都合じゃないか」

    真美「でも飽きちゃったら楽しくないじゃん?」

    「そんな事を言われても困る。大体、俺に何をして欲しいんだ」

    亜美「幼稚園児が腕に掴まって持ち上げて貰うヤツあるでしょ?アレして?」

    「真美もか?」

    真美「仕方ないなぁ……させてあげるよ」

    「イラつくんだが」

    亜美「あれあれ?もしかして力なくてできないとか?」

    真美「デスクワークで鈍っちゃったんだね……可哀想に」

    3 = 1 :

    「ふん……誰が貧弱だって?」

    亜美真美「兄ちゃん」

    「そこまで言うならやってやろうじゃないか……来いッ!」

    亜美真美「やったー!」

    ズシッ……!

    「軽いなぁー!わたあめでも乗せてるようだな、ハハハハハ!」

    律子「…………」

    亜美「……ありがと兄ちゃん、亜美はレッスン行ってくるね!」

    真美「あ、真美も行くよー!」

    ダダッ!

    「あ、おい!まったく、何がしたかったんだ……?」

    律子「プロデューサーこそ、何を遊んでいるんですか?」

    「……居たの?」

    律子「居ました」

    「俺が悪い?」

    律子「責められるべきは年長者だと思うのですが、どうでしょう?」

    「……すみませんでした」

    律子「よろしい」

    4 = 1 :

    【ある休日1、ボウリング場】

    「プロデューサー、約束は憶えてますね?」

    「無論だ。真が勝ったら好きな仕事を回してやろう」

    「絶対ですよ!」

    「しつこい奴だな……心配せずとも破ったりしない」

    「それじゃあ始めますか。先攻と後攻、どっちがいいですか?」

    「どっちでも変わらないと思うんだが」

    「後攻だと、ボクの点数を見て怖気づくかもしれませんよ?」

    「なら先攻でやらせて貰おうか」

    「いいですよ。いざ――勝負!」

    「応ッ!」

    5 = 1 :

    「はぁ……久し振りだとキツイな」←180

    「言ってた割には弱いですね、プロデューサー」←230

    「いやー寝不足だからなー。うん、仕方ないなー」

    「みっともないですよ」

    「うぐ……」

    「これで可愛い仕事をくれるんですよね?」

    「……不本意だが、約束だからな」

    「へへっ、やーりぃ!」

    (手加減したのは黙っておこう……)

    6 = 1 :

    【ある休日2、カラオケボックス】

    「なあ、千早。本当にやるのか?」

    千早「勿論です。私が勝ったら、歌の仕事を入れて貰います」

    「割と入れてるじゃないか」

    千早「最近はファッション誌が多くなっている気がするんですが」

    (少しずつ増やしてたのに気づいてたのか……)

    「まあいいだろう。ただし、お前が勝てればだがな」

    千早「随分と余裕ですね?」

    「事実、余裕だからな」

    千早「くっ……!その余裕、崩して見せます!」

    「いいぞ、来いッ!」

    7 = 1 :

    「ふぅ……これが最高か……」←88

    千早「私の勝ち……ですね」←96

    「いやー、流石は千早。俺には勝てな――」

    千早「なんて、言うと思いましたか?」

    「うん?」

    千早「プロデューサー、手を抜きましたね?」

    「いや、そんな事は――」

    千早「真剣勝負の場で、まさかこんな屈辱を味わうとは思いませんでした」

    千早「まさか仕事でも手を抜いている訳じゃありませんよね?」

    「……そこまで言われたら、温厚な俺とて黙ってられんぞ?」

    千早「いいですよ。本気を出しても」

    「ふん……吠え面かくなよッ――!」

    千早「望むところ――!」

    8 = 1 :

    「こんなもんか」←99

    千早「くっ……まさかここまでなんて……」←98

    「ま、そういう訳だ。残念だったな」

    千早「――です」

    「さあ、千早。帰るぞ」

    千早「まだです!」

    「何がだ?もう勝敗は決したぞ」

    千早「今日は幸いにもオフです」

    「だから?」

    千早「100点が出るまで帰りません!」

    「……嘘だろ?」

    千早「この目が嘘を吐いてるように見えますか?」

    「……見えないな」

    9 = 1 :

    千早「あ、すみません。8時間延長で」

    「分かった!分かったから!千早の勝ちでいいから!」

    千早「譲られても嬉しくありません」

    「いやほら、アレだよアレ。カラオケって機械的な上手さを評価するものだから、な?」

    千早「納得できません」

    「歌の仕事も入れるから落ち着け!」

    千早「分かりました」

    「千早は現金だなぁ!」

    千早「でも、延長した分は勿体ないので付き合ってくださいね?」

    「はい……」

    (もう二度と張り合わないでおこう……)

    11 :

    二人で八時間歌えとな?

    13 :

    喉がイカレちまうwww

    14 :

    これはPと一緒にいたいちひゃーの罠

    15 = 11 :

    >>14
    策士やでぇ…

    16 = 1 :

    【別の日、事務所】

    律子「プロデューサー、お暇ですか?」

    「何だ?」

    律子「あずささんを迎えに行って欲しいんですよ」

    「お前の管轄じゃないか」

    律子「お願いします。忙しいんですよ」

    「嫌だ。律子には説教もされたしな」

    律子「まだ根に持ってたんですか……子供じゃあるまいし」

    「誰が子供だ!いいだろう、俺が行く!」

    ガチャ、バタン!

    律子「……扱いやすすぎて逆に心配だわ」

    17 = 1 :

    「勢いでああ言ったものの、あずささんはどこに……」

    「あ、見つけた」

    あずさ「あら?プロデューサーさんじゃないですか」

    「あずささん、探し――」

    あずさ「探しましたよ~。もう、駄目じゃないですか迷子になっちゃ」

    「……はい?」

    あずさ「はぐれないように手を繋ぎましょう。ね?」

    「……ワカリマシタ」

    (堪えろ……凄くイラつくが、ここでキレたら負けだ……)

    「じゃあ、帰りましょうか」

    あずさ「はい~」

    「いやいやいや!そっちじゃないですってば!」

    あずさ「あら?もう、間違えたら駄目ですよ?」

    「そうですねごめんなさい!」

    18 = 1 :

    【また別の日、事務所】

    亜美「冷蔵庫にプリン発見!」

    真美「殲滅する!」

    「殲滅するな!お前らの為だけに買ってるんじゃないんだぞ!」

    亜美「えー?でも足りないし」

    真美「最近、はるるんもクッキー作ってくれないし」

    亜美「つまり、糖分に飢えてるんだよ!」

    「身勝手な……」

    真美「そうだ!兄ちゃんがお菓子作ってくれたら、それでもいいよ?」

    「何で上から目線なんだ、イラつく奴め」

    亜美「ははぁん……もしかしてできないの?」

    「悪いがその手はもう食わんぞ」

    19 = 1 :

    真美「んー……でも、律っちゃんに怒られる訳じゃないから大丈夫じゃない?」

    亜美「そだねー。遊ぶんじゃなくて、作ってくるだけなんだし」

    真美「それとも、やっぱり自信ないの?」

    「律子に文句を言われないなら……まあいいか」

    亜美「やったー!」

    「ただし、俺の作ってきたクッキーが美味かったら……お前らのお菓子は一週間無しな」

    真美「横暴だよ!」

    「何とでも言え!精々今のうちにプリンを味わっておくがいい。ハハハハハ!」

    亜美「どうするの真美?あんな約束しちゃって」

    真美「まあ、どうにかなるっしょ。兄ちゃんだし」

    亜美「それもそうだね」

    20 = 1 :

    【翌日、事務所】

    「昨日は柄にもなく徹夜してしまった……」

    「しかし!このクッキーの出来栄えを見れば、生意気な二人も黙るだろう!」

    「という訳で、おはようございまーす!」

    亜美「おー、兄ちゃん。おはよう!」

    「来ていたのか、早いな」

    真美「今日は亜美が早かったから、一緒に来たんだ。偉い?」

    「偉いな。そうそう、例のお菓子なんだが――」

    ガサゴソ……

    春香「おはようございます」

    真美「はるるんおはよー!」

    春香「クッキー作ってきたよー」

    亜美「え、ホントに?」

    「うおおぉぉぉ!?」

    グシャァ!

    21 = 1 :

    春香「いきなりどうしました!?」

    「いや、何でもないぞ?うん」

    春香「さっきバッグに何か突っ込んだような……?」

    「書類だよ書類」

    春香「そうですか。あ、プロデューサーさんも食べます?」

    「あ、ああ……頂こうかな」

    春香「二人も好きに食べていいからね」

    亜美「ありがとはるるん!」

    真美「この為に生きてるよー!」

    「美味いな……うん、美味い……」

    春香「ちょっ!?何で泣くんですか!?」

    「何でもない……ちょっと外回り行ってくる……」

    春香「はぁ……行ってらっしゃい」

    22 = 1 :

    「……あむ」

    「むぐ……」

    「…………」

    律子「……階段に座って何やってるんですか?」

    「クッキー食べてるんだよ……見れば分かるだろ……」

    律子「粉々ですね」

    「……色々あったんだよ」

    律子「一つ貰ってもいいですか?」

    「ああ……」

    律子「あむ……」

    律子「……美味しいですね」

    「……慰めはやめてくれ」

    律子「春香のより少し落ちますけど」

    「ぐふっ……!」

    23 :

    人間たるもの負けず嫌いでありたいものである

    24 :

    流石春閣下さん。タイミングばっちりじゃないか

    25 = 1 :

    【ある休日3、ケーキ屋】

    美希「プロデューサー、何か買って?」

    「えぇー……」

    美希「ミキ頑張ってるでしょ?そのご褒美って事で」

    「自分から『頑張ってる』って言うのはどうなんだ」

    美希「事実でしょ?」

    「まあ……そうかもな。一個だけならいいぞ」

    美希「やったの!」

    (しかし、美希にだけ買っていくというのもアレだな……)

    美希「決めた!これにしよーっと!」

    「シュークリームか。ふむ……」

    美希「どうしたの?」

    26 = 1 :

    「いや、お前だけに買うのは不公平かと思ってな」

    美希「確かに、貴音も欲しがりそうなの」

    「じゃあ貴音の分も追加で」

    美希「そしたら響も欲しくなると思うの」

    「響の分と」

    美希「響が食べてたら、真クンも食べたい筈なの」

    「真の分……じゃあ雪歩もか」

    美希「うん。あと、でこちゃんも無かったら文句言いそうなの」

    「そうだな。伊織に……それと、あずささんもだな」

    美希「それから、春香にも買ってあげたいな。お菓子のお礼で」

    「春香ね……なら千早にも買わないと……」

    美希「やよいにも買っていかないと、千早さんとかでこちゃんは遠慮しちゃうかも」

    「道理だな。やよいの分……と」

    美希「それと、律子……さんと小鳥にも日頃のお礼で買っていくの。それと社長も」

    「分かった……三つ追加と」

    27 = 1 :

    美希「亜美と真美の分は?」

    「あいつらは我儘だから買ってやらん」

    美希「そうなの?」

    「ああ。仕事の邪魔ばかりするわ、人を馬鹿にするわ……どうしてそんな奴に買ってやらねばならんのだ」

    美希「でも、自分達の分だけ無かったら悲しいよ?」

    「それは……」

    美希「やよいとか、『私はいいから、半分こして食べなよ』って言うかもしれないよ?」

    「ぐっ……」

    美希「ミキも皆で食べたいって思うな……駄目?」

    「……シュークリーム、16個ください」

    店員「ありがとうございましたー」

    28 = 1 :

    【更に別の日、事務所】

    「ただいま戻りました……って、誰も居ないのか?不用心だな」

    ワニ子「…………」

    「うぉ!?ワニ子を留守番にしてるのか……大丈夫なのか、これ」

    ワニ子「…………」

    「しかし、こんな近くでワニを見る事なんて初めてかもしれんな……よし」

    「ほーれ、餌だぞー」

    ワニ子「……ガブッ!」

    「痛ッ!こいつ噛んでくるのか――いや待て!回るな!」

    ギュルルルルル!

    「うおぉぉぉ!?右回転ッ!」

    ガチャッ

    「ただいま――って何してるの!?」

    「おお響!ワニ子にストップかけてくれ!」

    「ワニ子、やめ!」

    ワニ子「…………」

    29 = 1 :

    「ふぅ……死ぬかと思った」

    「で、プロデューサーは何してたの?」

    「……ワニ子がじゃれついてきたんだよ」

    「ホントに?」

    「無論だ」

    「変な事をしない限り、ワニ子には噛まないように言ってあるんだけど?」

    「俺が手を出したとでも?」

    「違うの?」

    「そんな事する訳ないだろ。子供じゃあるまいし」

    「そっか……ならいいけど」

    「という訳で、病院行ってくる」

    バタン!

    (余計な事、したんだろうなぁ……)

    30 = 1 :

    【ある休日4、ボウリング場】

    「今日こそは負けませんよ!」

    「今日こそはって……前回はお前の勝ちだったじゃないか」

    「千早が言ってましたよ。手加減してたそうですね?」

    「千早の時はそうだが、真の時は全力だったぞ」

    「そうでしょうか?」

    「ああ。運動不足の社会人らしい点数だったと思うんだが」

    「それはないですよ。割と通ってる人の点数だった気がします」

    (……無駄なところで勘がいい奴め)

    「仮にそうだとして、どうするんだ?」

    「本気でお願いします」

    「本気でと言われても」

    「真剣にやってくれないと……泣きますよ?」

    「泣くなよ!」

    「嫌なら本気でお願いします」

    「……分かった。文句は言うなよ?」

    「勿論です!」

    「では、いざ尋常に――」

    「勝負!」

    31 = 1 :

    「終わりだな」←300

    「うぅ……あと一歩、届かなかった……」←270

    「さて、真にはタキシードやら何やら着る仕事が大量に入ってるからな」

    「これからはそれの消化に努めて貰う。いいな?」

    「ひぐっ……は、はい……頑張りまっ……す」

    「ま、負け――負けたんですから……文句は……すんっ……ありません……」

    (逃げ道なかった……何これ……)

    「……まあ、アレだ。月一で可愛い系のも入れてやるから……泣き止め」

    「ぐすっ……やーりぃ……」

    (やりづらい……)

    33 :

    高スペックPかわいい

    34 :

    ストレス溜まりそうだな

    35 :

    これはPaP化待った無し

    36 = 11 :

    Pすげー

    37 :

    真かわいいね

    38 = 14 :

    300ってお前……

    39 :

    300が異常なのはそうだがそれに迫る真も大概である

    40 = 1 :

    【後日、事務所】

    「ただいま戻りました」

    貴音「おや、プロデューサー。おかえりなさいませ」

    「貴音……またラーメン食ってるのかよ……」

    貴音「本日は豚骨醤油です」

    「誰も味なんて訊いてないんだが」

    貴音「……分けませんよ?」

    「欲しいとも言ってないよな!?」

    「というか、ラーメン食べすぎだな。週に3つにしておけ」

    貴音「嫌です」

    「またきっぱり断ったな……」

    貴音「月に30でどうでしょう?」

    「駄目だ。週に4つ」

    貴音「6つです」

    「お前……健康の事とかどうでもいいのか?」

    貴音「割と」

    41 = 1 :

    「どうやら譲る気はないと見える」

    貴音「当たり前です。何を今更」

    「塩分過多だと言ってもか?」

    貴音「プロデューサーは心配性ですね。むしろ、これで釣り合いが取れているのですよ?」

    「まさか、いつも運動して汗を流しているから……とか言わないよな?」

    貴音「そのまさかです。そして、この髪こそ塩分が外に出た証!」

    「そうなの!?」

    貴音「嘘です」

    「……いや、分かってたよ?そんな子供騙しに引っかかる俺じゃない」

    貴音「流石はプロデューサーです」

    「まあ、褒めたところで追求はやめないが」

    貴音「ちぃ……!」

    「舌打ちしたな?」

    貴音「いえ。ちぃきんらぁめんが食べたいと思いまして」

    「もっとマシな誤魔化し方あっただろ……」

    42 = 1 :

    貴音「もしもの話ですが」

    「何だ?」

    貴音「週に5つにする代わり、プロデューサーが昼食を作ってくださるというのなら交渉の余地があります」

    「ふむ。悪くない……か?」

    貴音「プロデューサーの食事が美味しかった場合、週に4つ、3つと減らしていく事も可能かと」

    「成程……いや、しかし――」

    貴音「それとも、プロデューサーは料理が苦手なのですか?」

    「ふん……俺に苦手なものがある筈もない。いいだろう、その条件を飲んでやる」

    貴音「では、わたくしも従うとしましょう」

    「いつかラーメンなど見る気すら失せさせてやる。覚悟していろ!ハハハハハ!」

    貴音(御しやすいお方……)

    43 = 1 :

    【また後日、事務所】

    「あれ?ボールペンどこにやったっけ?」

    「ここだっけ?いや違う……ここか?違うな……」

    「新しいの使うか。確かこの辺に――あった」

    やよい「どうしました、プロデューサー?」

    「おお、やよいか。いや、ボールペンが無くなったから新しいのを使おうと思ってな」

    やよい「インクが切れちゃったんですか?」

    「違うぞ」

    やよい「じゃあ無くしたんですか?」

    「ああ」

    やよい「新しいの開けるんですか?」

    「そのつもりだが」

    やよい「駄目です」

    44 = 1 :

    「ど、どうして駄目なんだ?」

    やよい「無くしただけならまだどこかにある筈です!なのに新しいのを使うなんて……」

    「とはいえ、見つからないし……どうせ俺の金だからいい――」

    やよい「駄目です!」

    「いやでも……大人なんだし、多少の出費は痛くないというか……」

    やよい「大人な事と、物を大切にしない事は一緒なんですか?」

    「違います……」

    やよい「じゃあ、新しく開けちゃ駄目ですよね?」

    「はい……」

    やよい「それと、掃除してる時に見つけた落し物はそこの引き出しに入ってますから」

    「引き出し……これか?」

    ガラッ

    「うおっ……こんなにあるのか」

    やよい「もし見つからなかったら、そこから使ってくださいね?」

    やよい「落し物は後で拾っておきますから」

    「うん……何かごめん……」

    やよい「いいんですよ」

    45 = 1 :

    【違う日、事務所】

    「雪歩ー、お茶を淹れて――って、居ないのか……」

    「仕方ない、自分で淹れるか」

    コポポポ……

    「たまには自分好みに淹れるのも乙なもんだよな……」

    雪歩「あの……」

    「雪歩!?いつからそこに!?」

    雪歩「『自分好み』辺りからです……」

    「いや、違うんだ……落ち着いて聞いてくれ。頼む」

    雪歩「やっぱり私なんてダメダメだったんですね……」

    「いやアレだよ?乙なものってだけで、甲は雪歩のお茶というか――」

    「俺のお茶なんてドブ水みたいなものというか……」

    雪歩「ドブ水と甲乙付けがたい私のお茶って……」

    「ドブ水は言い過ぎたな、うん!アレだ、玉露だな!それぐらいの自信はあるぞ!」

    雪歩「私、そこまでの自信はないです……」

    (どうしろと……)

    46 = 1 :

    「でもほら、皆は雪歩のお茶が好きだろ?だから大丈夫だって」

    雪歩「……本当ですか?」

    「ああ。もしも俺が淹れてみろ。即刻捨てるに決まってる」

    雪歩「いや、それはないと思いますけど!?」

    「亜美と真美なんて『コップに触りたくない』とか言うんだ。絶対そうだ」

    「そういえばいつもそうだな……人を馬鹿にしおって……いつか痛い目を――」

    雪歩「ふふっ……」

    「ん?どうした雪歩?」

    雪歩「いえ、何だか子供みたいだなぁ……と思って」

    「誰が?」

    雪歩「プロデューサーが」

    「俺が子供だと!?いい加減にしろ!」

    雪歩「ひっ!ご、ごめんなさっ……!」

    「ああ!いや、違う!怒ってないから!」

    雪歩「やっぱり私はダメダメなんですっ……人を不快にさせてばっかりで……!」

    ガチャッ!

    小鳥『ただいま戻りましたー』

    (何でこのタイミングで帰ってくるんですか!)

    47 = 1 :

    小鳥『誰も居ないんですかー?』

    雪歩「うぅ……ぐすっ……」

    (何とか雪歩を泣き止ませないと……)

    雪歩「えぅ……すんっ……」

    小鳥『もしかして給湯室かしら?』

    (来る……来てしまう……あらぬ誤解をさせてしまう……!)

    (考えろ……こんな時、大人ならどうする?)

    (そうだ!これが――最適解ッ!)

    「雪歩……これで泣き止んでくれないか?」『10000円』

    雪歩「……え?」

    小鳥「――プロデューサーさん、何をしてるんですか?」

    「え?」

    小鳥「雪歩ちゃんを買おうとしてるなんて……見損ないましたよ。二度と近付かないでください」

    スタスタ

    「いやっ!違うんです!聞いてください音無さああぁぁぁん!」

    48 = 1 :

    【翌日、事務所】

    「……おはようございます」

    小鳥「話しかけないで貰えますか?」

    「うぐっ……」

    小鳥「……なんて、冗談ですよ。話は雪歩ちゃんから聞きました」

    「そ、そうですか……よかった……」

    小鳥「でも、お金でどうにかしようとしたのは頂けませんね」

    「反省しております……」

    小鳥「口だけですか?」

    「え?」

    小鳥「それなりの誠意ってものがあるんじゃないですか?大人には」

    「えっと、その――」

    小鳥「大人、なんですよね?」

    「それは……どうすればいいんですか?」

    49 :

    なぜか知らんがバネPで脳内再生

    50 = 1 :

    小鳥「プロデューサーさんが一番よく分かってるんじゃないですか?」

    「つまり……物で示せと?」

    小鳥「はい♪」

    「ぐ……これが大人なのか……!」

    小鳥「そうです。それが汚い大人です」

    「いくらですか?」

    小鳥「プロデューサーさんの気持ちでいいですよ?」

    「じゃあ、一万円で……」

    小鳥「はい、確かに受け取りました」

    「……もういいですか?」

    小鳥「あ、最後に一つだけ」

    「何ですか?」

    小鳥「これから3回分の飲み会代は私が奢りますね」

    「――はっ?」


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