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元スレ上条「答えろよ……GANTZ!!」御坂「私の前に立つのなら……アンタも潰すわよ?」

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みんなの評価 : ★★
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51 :

嘘だろッ!?浜面、お前はいくつの境地に起たされても生きてきたじゃねぇか!
例え転んでもただでは転ばず這い上がってきたじゃねぇか!
それなのになんで死んでるんだよ!帰って来いよ、ヒーロー!!

52 :

まさかあの総評が浜面の死亡フラグだったとは…

53 :

いや、まだだッ!!
100点貯めて誰かが生き返らせてくれる可能性もある……よね?

54 :

残ってた大鴉にでも襲われたにしても二人してかよ…

55 :

はまづらあああああああ…!
ミサカあああああ…

56 :


まさかねぎ採点の時のむぎのは>>4の伏線だったのか……

57 :

なるほど、>>21のセリフになんかひっかかると思ったが二人とも死んでたのか

58 :

主人公補正がないとか…浜面は禁書の三人の主人公の一人なのに…
てか主人公の一人を簡単に[ピーーー]なよ

59 :

>>58
GANTZ読んでこい

60 :

ガンツは主人公二人いて合計三回は死んだからな、あと二回くらい殺さんと

61 :

>>58
そんなもん今更じゃね?そもそも>>1だって最初からさんざん言ってた訳だし
だいたい原作じゃ上条さん以上の主人公補正の塊な浜面が死んだところで正直....ねぇ

62 :

初っ端に主人公全員死んでる作品に何を今更

63 :

なに、いずれ誰かに生き返らせてもらえるさ

64 :

こんばんわ、1です。


沢山のレスありがとうございます!!励みになります!!


今日もゆたりと投下していきたいと思います。



今回は、前スレで書けなかった田中星人編もう一つのラスト、浜面サイドです。

GANTZ原作を見たことある人ならわかるけど、見たことない人はわかりづらい箇所がありますが、>>1の実力不足ということでご了承ください。

65 = 1 :

…………




『00:09:40』




第19学区

旧商店街西エリア 古びた倉庫





フレメア「お兄ちゃん……」ガタガタッ……


浜面「大丈夫……大丈夫だから隠れてろ……」チャキッ……






ドォンッ!!!


ドォンッ!!!



「グルォォォォォアアアアアッ!!!!!」





御坂が上条の元へと救援に行った数分後。



施錠された倉庫の頑丈な扉をブチ破ろうと、外から何かが体当たりしていた。




浜面は、怯えるフレメアを物陰に隠し、残った左手で、Xガンを構えている。

66 = 1 :

ドォンッ!!!


ドォンッ!!!



浜面「シャレになんねぇな……田中以外にも、別の星人がいたのか?」



ドォンッ!!!


ドォンッ!!!



しばらく気を失っていた浜面は、人形のようなスーツを着た田中星人の他にも、大鴉タイプと鳥人タイプの田中星人がいることを知らない。




ドォンッ!!!


ドォンッ!!!




そして、出来の悪いパニック映画やホラー映画のように、倉庫内に立て篭もる浜面達を、外にいる化物が襲おうとしている。

67 = 1 :

浜面「来るな……頼むから入って来んなよ……こっちはもう限界なんだ……」



度重なる田中星人との戦いにより、浜面のスーツは壊れ、右腕は無くなっている。



御坂に強がったのはいいが、正直もう体力、気力共に限界を超えているのだ。






…………




ふいに、静寂が訪れる。





浜面「…………行ったか?ようやく諦め」









「グルォォォォォアアアアアッ!!!!!!」



ドォォォォォォォォオオオオッ!!!!!!



浜面が安堵した瞬間、けたたましい鳴き声と共に、頑丈な扉が破壊された。

68 = 1 :

大鴉「グルルルルルッ…………」




浜面「……る訳ねぇか……しかも何だよコイツ……モノホンの化物じゃねぇか……」チャキッ!!




ギョーンッ!!!

ギョーンッ!!!



浜面が、有無を言わさず、倉庫内に侵入してきた大鴉へとXガンを撃つ。



大鴉は、撃たれまいと素早く移動し、徐々に浜面との距離を詰めていく。




浜面「ウォォォォォォォオオオオオッ!!!」ギョーンッ!!ギョーンッ!!ギョーンッ!!ギョーンッ!!



大鴉「グルォォォォォォアアアアアッ!!!!




ドォンッ!!!

ドォンッ!!!

69 = 1 :

Xガンが発射され、3秒たった箇所から、順番に爆発していく。


素早い大鴉を浜面は中々捉えることが出来ない。


ましてや、片腕。しかも利き腕では無いほうだ。


それでも浜面は、必死で抵抗する。






大鴉「ギャゥッ!!!」グシャァッ!!!


浜面「当たった!?ヨシッ!!」ギョーンッ!!ギョーンッ!!



不意に、大鴉の右翼の先辺りが弾け飛び、大鴉が悲鳴をあげる。




大鴉の動きが鈍り、勝機を掴んだかと思ったその瞬間





大鴉「グルァァァアアアッ!!!!」ブンッ!!


浜面「!?やっ……」


ドゴォォォォォォォォォォォオオオッ!!!!



大鴉は浜面へと思いっきり体当たりし、浜面は倉庫の棚に衝突しながら、壁まで吹き飛ばされた。

70 = 1 :

浜面「グッ……ガハッ……」グググッ……



スーツの防御が無い浜面は、生身のまま攻撃を受けた事で、大きなダメージを負っている。


それでもなお、浜面は銃を大鴉へと向けようとする。






ゴキィッ!!!!



その瞬間、大鴉が浜面の左腕を蹴り飛ばし、浜面の左腕が折れた。





浜面「ッァァァァァァアアアア"ア"ア"ッ!!!!」



ズンッ!!!



浜面「ガッ!!ハァ"ッ……」



そして、そのまま大鴉の大きな脚が、浜面を踏み、地面へと縛り付ける。

71 = 1 :

フレメア「!?お兄」


浜面「出"る"な"ァ"ァ"ア"ア"ア"ッ!!!」




隠れて見ていたフレメアが、浜面へと駆け寄ろうとするが、浜面がそれを止める。




浜面「出"る"な"……出"て"く"る"な"よ"……頼"む"か"ら"……」ゴポォッ……



内臓にダメージがあったのだろう。浜面は吐血しながらも、必死でフレメアを制する。




大鴉「グルルルルルッ……」



大鴉が足元の浜面を見下ろす。


大鴉にとっては、多くの同胞を殺された仇なのだ。

容赦無く浜面を殺すだろう。

72 = 1 :


大鴉「グルルッ……」スッ……




大鴉は、浜面を踏み殺そうと、大きく脚を上げる。



浜面「グ……ゾ……ゴゴ……マ"デガ……」ゲホッ……



スーツを壊され、右腕を失い、左腕さえも折られた浜面に、この絶望的な状況を覆す術は無かった。




大鴉「グルァァァァアアッ!!!」グッ!!



大鴉の大きく上げた脚が、浜面へと襲いかかる。










バキィィィィィィイイイッ!!!!



大鴉「ガァァァァァアアッ!!!!」ドゴォォォォォォォォォォォオオオッ!!!!



浜面「ゲホッ!!ゲホッ!!な"っ……」



次の瞬間、大鴉が何かに蹴り飛ばされたように、壁に激突した。


大鴉から解放された浜面が、ろくに動かない身体で側を見る。

73 = 1 :

9900号「……やはりミサカが来て正解でしたね……と、ミサカはあの人では、この状況を覆すのは無理だろうと、偏光能力を鼻で笑います」ハッ




そこには、大鴉を思いっきり蹴飛ばした御坂の妹を名乗る少女。




9900号が立っていた。





『00:07:10』

74 = 1 :

浜面「お"前"……どう"じで……ゲホッ!!ゴホッ!!どうしてココに……」



9900号「喋らないで下さい。いい加減、いつ死んでもおかしくない傷なのですから。と、ミサカは貴方のしぶとさに感銘をうけます」ズルズルッ……




9900号は、浜面を倉庫の端へと引きずると、先ほど大鴉を蹴り飛ばした方を見る。



9900号「……居ませんね……いつの間に……と、ミサカは倉庫内を見回します」キョロキョロ



おおよそ20m四方程のそこそこの大きさの倉庫内を、9900号は見回す。



辺りは、棚や荷物に遮られ見えづらい為、慎重に辺りを警戒する。

75 = 1 :

ガタッ!!



9900号「!?」バッ!!



突如鳴り響いた物音に、9900号が警戒するが、どうやら何かが落ちた音らしい。





9900号「……気のせいですか。と、ミサカは銃を下ろします。……と見せかけて、ミサカはホラー映画にありがちな流れに警戒しつつ、更なる哨戒を行います」チャキッ!!




9900号に油断はない。




感情に乏しい彼女には、人間にとってプラスとなる喜びなどの感情も無きに等しいが、マイナスとなる油断や慢心という感情も無きに等しい。





したがって不意を突かれるという事も無く、常に冷静に行動出来るのだ。





しかしただ一つ、誤算があったとすれば

76 = 1 :

ガタガタッ……




星人というのは、人間の予想を遥かに超える身体能力や、とんでも無い力を有している事を、9900号はまだ、深く理解していなかった事だ。





ガバァァァアッ!!!



大鴉「グルァァァァアアッ!!!」ダンッ!!!



9900号「なっ!?速っ……」チャキッ!!


ギョーンッ!!
ギョーンッ!!



ドォォォォォォォォオオオオッ!!!!!!





先ほど9900号が異常無しと判断した、彼女の正面。



そこに気配を殺して潜んでいた大鴉は、彼女の警戒がそこからホンの少し周りへと移った瞬間、堂々と正面から襲いかかってきた。

77 = 1 :

通常ならば、9900号の迎撃により勝負は決まっていただろう。



しかし、予想を遥かに超えるスピードで突撃してきた大鴉により、迎撃の2発のXガンは外れ。

9900号は大鴉の嘴による刺突をモロに喰らい、そのまま共に壁へと激突した。








ガラガラッ……



9900号「グッ……そういえば、偏光能力も同じ方法でやられていましたね……と、ミサカはこのカラスのトップスピードが尋常では無かったことを思い出します……」グググッ……



生身ならば即死級の攻撃を受けるも、比較的耐久に余裕があるスーツの防御により、9900号にダメージは無かった。




そして、9900号が立ち上がろうとしたその時。

78 = 1 :

ガラガラッ……



大鴉「グルルッ……」ギョロッ!!



すぐ側で、大鴉が起き上がり、9900号の方をジッと睨んでいるのが見えた。




9900号「おや……貴方も一緒に壁に突っ込んでたのですか?と、ミサカは未だ過ぎ去らぬ自身の危機に、少し焦ります」チャキッ!!



大鴉「グルァァァァアアッ!!!」ガパァァアッ!!!



ドォォォォォォォォオオオオッ!!!!!!



図らずとも、大鴉との接近戦を強制された9900号が、銃をXガンに持ち替え、自身に喰らいつこうとする大鴉に、必死で抵抗する。

79 = 1 :

ドォォォオンッ!!!


ドォォォオンッ!!!




浜面「グッ……ゲホッ!!ゴホッ!!……クソッ、やっぱ折れてるか。左腕に力が入んねぇ……」ガシャンッ……



浜面は、激しく攻められている9900号への援護を行おうとするも、折られた左腕では銃を構えることが出来ないようだ。



ガシッ!!



浜面「うぉっ!?何だ?ってフレメア!?」


フレメア「んしょ!!んしょ!!」ズルズルッ!!ズルズルッ!!


大きすぎるダメージを負い、既に動くことすらままならない浜面を、隠れていたフレメアが引きずっていく。

80 = 1 :

浜面「フレメア!!出てくるなって言ってんだろ!!隠れて……ゴホッ!!ゴホッ!!!」



フレメア「嫌だ!!大体、お兄ちゃんが死ぬのなんて嫌だ!!」ズルズルッ!!ズルズルッ!!



フレメアは、半ベソかきながらも浜面を必死で引きずる。






大鴉「!?グルルルッ……」ボタボタッ……ボタボタッ……


9900号「うっ…………」ドロドロッ……ドロドロッ……


Xガンでの抵抗により、所々から出血しながらも、9900号へと激しく攻めていた大鴉が、フレメアの存在に気づく。


大鴉の側には、スーツが壊され、Xガンを遠くに弾き飛ばされ、血だらけになりグッタリとしている9900号の姿があった。

81 = 1 :

浜面「!?気づかれた……フレメア!!俺を置いて早くここから逃げろ!!逃げろって!!」


フレメア「嫌だ!!絶対嫌だ!!」ズルズルッ!!ズルズルッ!!



大鴉の視線に気付いた浜面が、フレメアに倉庫からの脱出を促すも、フレメアは断固として譲らない。



大鴉「グルルルッ……」スッ……



大鴉が、フレメアの方へと動き出そうとしたその時











バチバチッ……バチバチッ……


9900号「……ミサカを目の前に……よそ見してるんじゃないですよ……と、ミサカは……」


バチバチッ……バチバチッ……




バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチッ!!!!!







姉である御坂美琴と同じ系統の電撃系能力。


それによって生まれた青白い電撃の閃光が、大鴉を包み、襲いかかる。

83 = 1 :

大鴉「…………」スッ……



大鴉が、9900号の側へと近づき、獲物を狙う猛禽類のような目で見下ろす。




9900号「……な、何故でしょうか……ミサカの身体が勝手に震えて……」ガタガタッ……




9900号は、この夜、様々な感情をホンの少しだが学んだ。




人の優しさ。

守る者の強さ。

他人と関わる事の楽しさ。



今まで感情というモノが無かった彼女にとって、何よりも忘れ難い経験となったであろう。




そして、彼女が最後に学んだ感情。





それは、生前あの『男』を前にしても味わえなかった、未知なる力を持つ者に対する恐れ。






『恐怖』という感情である。

84 = 1 :

大鴉「グルァァァァアアッッ!!!!」ガパァァアッ!!!




ブシュゥゥゥゥゥゥウウウッ!!!!!





9900号「…………アッ…………」ブシュゥゥゥゥゥゥウウウッ!!!!



大鴉は、その鋭い嘴で9900号の左肩へと噛みつく。




スーツの無い生身の身体など、簡単に噛みちぎられたのだろう。
9900号から、凄まじい勢いで血が噴射し、9900号と大鴉の身を赤く染める。

85 = 1 :

9900号「お……お姉様……ミサカは……」バチバチッ……バチバチッ……



大鴉「!?」ブシュゥゥゥゥゥゥウウウッ!!!




急激に薄れゆく意識の中で、9900号は何かを呟きながら、バチバチと帯電していく。

それに大鴉が気付くが、時既に遅かった。










『ミサカは、1人の人間として、新しい命を生きる事が出来たでしょうか?』









バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチッ!!!!!





己の身をも焼き尽くさんとする高電圧の電撃が、9900号と大鴉を包み、再び倉庫内は青白い閃光に包まれた。








『00:04:50』

86 = 1 :

フレメア「お……お姉……ちゃ……」ガタガタッ……



9900号の壮絶な最期を目の当たりにしたフレメアは、その場で膝をつき、ガタガタと震えていた。



その足元には水たまりが出来ている。




今宵、立て続けに起きた凄惨な光景に、とうとう限界を超えてしまったのだろう。



むしろ、このような年端も無い少女が未だ生存してる時点で偉業なのだ。





9900号「……………」


大鴉「グルルッ…………」シュゥゥゥゥウッ……



フレメアの目の前には、電撃で焼けたのか、嘴の呼吸器に繋がるホースから気体が多少漏れつつも、特に電撃のダメージは負っていない大鴉。



そして、その命を燃やし尽くし、力尽きた9900号の横たわる姿があった。




大鴉は、フレメアをじっと見ている。

87 = 1 :

浜面「逃げろ……フレメア……頼むから……」グググッ……





フレメアと大鴉の間に、満身創痍の浜面が立ち塞がる。


もはや、立っているのもやっとで、右腕は無く左腕も折れて使い物にならない。



それでも浜面は、大鴉の前に立ち塞がる。




全てはフレメアを守り抜く為。

88 = 1 :

フレメア「どうして……どうしてお兄ちゃんは私を……」ガタガタッ……



浜面「……お前を守った婆さんに頼まれたんだ。お前を姉の元に帰してやってくれってな……それに……」



浜面は、大鴉をジッと見る。



大鴉「グルルッ……」シュゥゥゥゥウッ……


その視線の先には、9900号の電撃によって、呼吸器から気体が漏れているのがわかる。


あの呼吸器をどうにかすれば……




浜面「……それに俺は、この学園都市じゃ最底辺の負け犬だ。
能力が身につかなかったばかりか、そこから成り上がることからも逃げ出したスキルアウトだ」


「だけど……だけどそんな俺が……たった1人でも人の命を救う事が……守る事ができるかもしれないんだ……こんなクソみてぇな地獄から……」ザッ!!




フレメアは、目の前に立ち塞がる浜面の背中を見る。

89 = 1 :

その背中はあまりにもボロボロ過ぎて、誇れるモノなのかはわからない。

そして、背中の傷を無様な逃げ傷と笑うモノもいるかもしれない。



しかし、この傷は全て、フレメアを守り抜いた証なのだ。


例え敵に背中を見せようと、戦いから逃げようと。


フレメアを守る為だけに戦った男の証。




浜面は、フレメアを守る為、最後の戦いに望む。







浜面「かかってこいよデカカラス……負け犬の牙を見せてやるからよ……」クイッ、クイッ






上がらない左手の指で、浜面は大鴉へと挑発する。

90 = 1 :

大鴉「グルルッ……グルァァァァアアッ!!!!」ガパァァアッ!!!


ダンッ!!!!





大鴉が、凄まじい勢いで浜面へと向かっていく。


そして、一瞬で距離を詰めた後、その鋭い嘴で浜面の左肩へと喰らいつく。








ブシュゥゥゥゥゥゥウウウッ!!!!




浜面「ガッ……アッ……」ブシュゥゥゥゥゥゥウウウッ!!!




大鴉「グルルッ!!!」ガブゥゥウウッ!!!!




満身創痍の浜面は、なす術も無く大鴉に、左肩へと喰らいつかれ、抉られた。

91 = 1 :

ブシュゥゥゥゥゥゥウウウッ!!!!



浜面「……テ……テメェの……」グググッ……




浜面が、大鴉の嘴に装着されている呼吸器へと目の照準を合わせる。






呼吸器が無ければコイツは呼吸出来ない。


出なければ、わざわざこんなところにこんな装置を付けない。



9900号の最後の電撃により、呼吸器のホースは少しだけ焼き千切れている。



あれなら、思いっきり引っ張れば完全に千切れるハズ。

しかし、浜面には呼吸器のホースを引きちぎる為の腕が無い。






ならば、やる事は一つ。

92 = 1 :

浜面「テメェの………負けだ…………」ガパッ……




ガブッ!!!



ブチブチブチブチィッ!!!!





大鴉「!?グォッ!!グルォォォッ!!!?」ブシュゥゥゥゥゥゥウウウッ!!!!!!






やる事は一つ。




呼吸器のホースを、噛みちぎるだけである。




その為に、己の身を喰いちぎられようとも。







浜面「……言っただろ……負け犬の牙を……見せてやるって……」ブシュゥゥゥゥゥゥウウウッ!!!!



ドサァッ!!!




大鴉の呼吸器のホースを噛み締めたまま、浜面はその場に倒れる。






『00:03:20』

93 = 1 :

大鴉「グルォォォォオオオオッ!!!!!グルァァァアアアアッ!!!!!」ブシュゥゥゥゥゥゥウウウッ!!!!




嘴の呼吸器のホースが、完全に千切れた大鴉は、ホースから出る煙のような気体に包まれ、そこら中で暴れまわっている。




息が出来ないのだろう。浜面の目論見通りに。






フレメア「お兄ちゃん!!!」ダッ!!!



倒れ込んだ浜面に、フレメアが駆け寄る。


フレメア「お兄ちゃん!!血が!!血が止まらないよ!?」ググッ!!



フレメアは必死で浜面の左肩の出血を止めようと押さえるが、止血方法を知らない彼女では、止められない。

94 = 1 :

いや……例えブラックジャックがこの場にいようと、『冥土返し』と呼ばれる医者がいようと、もはや浜面を助ける事は不可能だろう。









浜面「………………」ブシュゥゥゥゥゥゥウウウッ!!!!









既に浜面仕上は死んでいるのだから。

95 = 1 :

フレメア「死んじゃダメ……死んじゃダメ!!」グググッ!!



浜面「………………」ブシュゥゥゥゥゥゥウウウッ!!!!




フレメアは必死で血を止めようとするが止まらない。





フレメア「大体、頼んでも無いのに勝手に私を守ってくれたのに!!勝手に死ぬなんて勝手過ぎる!!にゃあ!!」グググッ!!



浜面「…………………」ブシュゥゥゥゥゥゥウウウッ!!!!





フレメアは浜面へと必死で叫ぶが、浜面は全く反応しない。

96 = 1 :

大鴉「グルァァァアアアアア"ア"ア"ッ!!!!ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ッ!!!!!」ブシュゥゥゥゥゥゥウウウッ!!!!!!





フレメア「治るんだよね?あの変な黒いボールのある部屋に行けば、大体治るんだよね!?私が連れていくからまだ死んじゃダメだよ!?」ズルズルッ!!!




浜面「………………」ドクドクッ……ドクドクッ……




倉庫の端で、大鴉が苦しみ喘いでいる中。



フレメアは、血だらけの手で浜面を掴み、GANTZの部屋へ連れて行こうと引きずっていく。

97 = 1 :

フレメア「そうだ!!お兄ちゃんに私のお姉ちゃん紹介してあげるから!!お兄ちゃん大体エッチそうだもんね!?お姉ちゃん可愛いからお兄ちゃん喜ぶよ!?」ズルズルッ!!




浜面「………………」ドクドクッ……





フレメアは小さい身体で、必死に浜面を引きずるが、中々進まない。




フレメア「お姉ちゃんがダメだったら……しょうがないから私がお兄ちゃんのお嫁さんになってあげるから……起きて……死なないで……」ズルズルッ……




浜面「……………」





フレメアが呼びかけるも、浜面はもう、二度と目覚めない。

98 = 1 :

大鴉「ア"ア"ア"ア"……アッ……ァ……」ズルゥッ……



ドサァッ!!!



大鴉が、倉庫の端で倒れる。
もはや動き事も、叫ぶ事も出来ないのだろう。






フレメア「……………グスッ……………グスッ……」




9900号「…………」



浜面「…………」




大鴉「ァ………………」




とうとう、大鴉も全く動かなくなり、倉庫の中は、フレメアの泣き声のみが響き渡る。




99 = 1 :

『00:00:01』





ドォォォォォォォオオオッ…………




フレメア「…………」グスッ……


浜面「…………」




遠くで、何か巨大なモノが落ちたかのような地鳴りが響き渡る。



しかし、フレメアにはそんな事はどうでもいい事。




フレメアは、ずっと浜面の側で座り込んでいた。





ジジジジッ……



フレメア「!?」ジジジジッ……




ふと、フレメアは身体が少しずつ消えていくのが見えた。



戻れるのだ。



あの部屋に。

100 = 1 :

フレメア「帰れる……帰れるよ?お兄ちゃん……」ユサユサッ……



浜面「………………」




気のせいか、眠っている浜面の顔が、穏やかな表情になったような気がした。



浜面は守り抜いたのだ。



この小さな少女の命を。



己の命と引き換えに。




フレメア「あれ……おかしいな……大体、何でお兄ちゃんは私みたいにならないの?」ジジジジジジジジッ……!!



浜面「……………」





『生きている者のみ』が、元の部屋に戻れる。




フレメアと浜面の別れの時間が来たのだ。




フレメア「ヤダ……行きたくない……一緒に行こうよぉ……お兄ちゃん……」ジジジジッ!!!




ジジジジッ…………





浜面「………………」




そしてフレメアは、浜面を残したまま、GANTZの部屋へと完全に転送された。


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