元スレ食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」
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401 = 394 :
>>396
コピペ化なるか!?
402 = 1 :
では、ゆるりと投下開始します
404 = 1 :
『あら? あそこにいるのってもしかして』
『まぁっ、常盤台の食蜂様だわ!』
『ど、どうしましょう! 近づいてご挨拶した方がいいのかしら?』
『ちょっと待って! 隣にいる黒服の方って、どう見ても男性よね?』
『そんな、学舎の園に殿方がいるなんて』
『どういうご関係なのかしら。まさか、こ、ここ、恋人……』
『SPってやつじゃないの? 某国のスパイから命を狙われてるとか』
『映画の見すぎ乙、って言いたいとこだけど、食蜂様ほどの能力者なら普通にありそうね』
『あっ、ねぇっ、今の見た!? 私に手を振って笑いかけてくださったわ!』
『何言ってるのよ。あなたじゃなくて私に、よ』
『嗚呼、お姉様。ただこうして歩いているだけでも絵になるなんてぇ』
上条「噂ってのは、こうやって尾鰭がついていくんだなぁ」トコトコ
食蜂「想像力が豊かすぎるのも考え物ですよねぇ」フリフリ
405 = 1 :
――学舎の園ゲート前
ゲート係員「では、入園許可証をお預かりします」スッ
上条「お願いします」
ゲート係員「いかがでしたか? 初めての学舎の園は」ピッピ
上条「そりゃもう、ばっちり目の保養になりまし――てっ」ポカッ
食蜂「上条さん、ご自分の目的履き違えてません?」ムスッ
上条「やだなぁ、お茶目なジョークじゃないですか」
食蜂「だいたい、目の保養がしたいっていうのなら私を見ればいいと思うんですけどぉ?」
上条「……何つうか、実力に裏付けされた自信ほど扱い難いものはねえよなぁ」
食蜂「それって、どういう意味かしらぁ?」
上条「実際『なるほど』と納得させられちまった後じゃ茶化しにくいだろ」
食蜂「……あ、そ、そう」
上条「どうした? 顔赤いぞ?」
食蜂「べ、別に、なんでもないです」
406 = 1 :
ゲート係員「――お待たせしました、どうぞお通りください」
上条「明日もまた、入園前にこちらに伺えばいいんですよね?」
ゲート係員「はい。明日は私お休みを頂いておりますので、他の者が対応致します」
上条「わかりました」
ゲート係員「ああ、そういえば、街の建物などはゆっくりとご覧になれました?」
上条「歩いてるだけでも退屈しません。噂には聞いてましたけど、ホント外国みたいな街ですよね」
ゲート係員「それでも、セキュリティは並大抵じゃありませんけれどね」
上条「ああ、そうみたいですね。監視カメラがあちこちに設置されてるし、女性の警備員(アンチスキル)と何度もすれ違いましたから」
食蜂「警備員はともかくカメラは明らかにやり過ぎよねぇ。屋内に入らないとおちおち鼻もかめないわぁ」
ゲート係員「そのように指摘されることもままありますが、それくらいでないと親御さんも大切なお嬢様を安心して送り出せませんので」
食蜂「……あぁ、うん。それは、そうかも知れないケド」
上条「…………」チラ
上条「さてさて、食蜂さん。遅くならないうちに行きますよー」ポン
食蜂「あっ、ちょっとぉ! 気安く頭に触らないでくださいよぅ!」
407 = 1 :
上条「さて、バスまでは少し時間があるな」
食蜂「上条さん、さっきのお話の続きなんですけど」
上条「……うん? さっきっつーと」テクテク
食蜂「外国のお話です。上条さんは海外旅行の経験がおありなんですか?」
上条「ああ、つい先ごろイタリア行ってきたぞ。観光って風合いじゃあなかったけど」
食蜂「イタリアの、どちらまで? ローマ? それともナポリ?」
上条「ヴェネチア。水の都っていうだけあって町中運河とアーチ橋だらけでさ、タクシーばりに渡し船が通ってた」
食蜂「うわぁ、羨ましいです。私もいつか行ってみたいと思ってる場所の一つなんですよぉ」
上条「長期休暇中なら行けないこともないだろ? 俺と違って裕福なんだし」
食蜂「それが、何度か外出申請してるんですけど、ちっとも許可が下りないんですよぉ」
上条「……そっか、お前ほどの能力者だと出かけるだけでも面倒な手続きがいるんだろうな」
408 = 1 :
食蜂「研究ありきの待遇だから少しは我慢しますケド、ちょっとくらい自由にさせてくれたって、ねぇ」
上条「……じゃあ、その代わり――にはならないかもしれない、つーか確実にならねぇけど」
食蜂「はい?」
上条「だからさ、この一件が片付いたら」
食蜂「片付いたら?」
上条「気晴らしに少し遠出でもどうかなって」
食蜂「えっ、本当ですかぁッ!? 上条さんが連れてってくれるの!?」ガバッ
上条「おい、落ち着け! 俺の懐具合じゃ行ける場所なんてたかが知れて――」
食蜂「そんなの全然問題ないですって! 温泉旅館でも民宿でも、なんなら旅費全部こっち持ちでも――」パタパタ
上条「しーっ、声がでかいって。どこで誰が聞き耳立ててるかもわからねえんだぞ」キョロ
食蜂「ふふ、いったいどこ連れて行ってくれるのかしらぁ。楽しみぃ☆」ウキウキ
上条「頼むから人の話を聞いてくれよ……」ガク
409 = 1 :
食蜂「そろそろバス停に並びます?」
上条「そうだな。もう学舎の園の外なんだし、そんなに人目気にする必要もないか」
食蜂「上条さんの服は注目の的ですけどね」
上条「こんな青空の下じゃ目立つのも仕方ねえよな。ただでさえ学生の街だってのに」
食蜂(んー、即席タクシーを使いたいところだけど、さすがにこの人の前でやったら怒られちゃいそうねぇ)
上条「…………」クル
食蜂(……??)
上条「――って、ああ、気にしないでくれ。不審なやつがいないか見てるだけだから」
食蜂「あ、そ、そうでしたね」
上条「第七学区は良くも悪くも雑多な区画だからな。巡回している警備員の目が届かない場所も少なくないし」
食蜂(…………)ポケー
上条「……どした?」
食蜂「あ、いいえ。何でもありません」ニコ
上条「そ、そっか。なら、いいけど」
食蜂(……うん。守られるのって、思ったより悪くないのかも)
410 = 1 :
――バス内
運転手『右に曲がりまぁす。お立ちの方はご注意くださぁい』
上条「さすがにこの時間は座れないかぁ」
食蜂「ぎゅう詰めじゃないだけマシですよ。学生寮まで十分もかかりませんし――きゃっ!?」グラ
上条「おっと」ドサッ
食蜂「ご、ごめんなさい!」
上条「いや、いいよ。それよか、こっち側の吊革のが掴まりやすいんじゃないか?」
食蜂「いえ、大丈夫です。伸びなくて済む分手すりの方が安定しますし――」
食蜂「――――」ドクン
食蜂(……今、ファミレスに入っていったのって)
上条「……あれ? 食蜂、どした?」
食蜂「…………」
411 = 1 :
上条「もしもーし、食蜂サン?」
食蜂「あ、ご、ごめんなさい。何かしらぁ?」
上条「いや、沿道の方に見入っていたみたいだからさ。てっきり誰か知り合いでも見つけたのかと」
食蜂「……あぁ、いえ、人違いだったみたいです」
上条「そうか。ならいいんだ」
食蜂(少し遠目だったけど、見間違いじゃない。額に包帯巻いてるのもいたし)
食蜂「……あの、上条さん」
上条「うん?」
食蜂「今日はまだ初日ですし、常盤台に到着したらそのままバスに乗って帰っちゃっていいですよ?」
上条「え? いや、だけど、一応寮の入り口までは付き添わないと」
食蜂「このバスが行ってしまったら次来るのは最終便ですよね? そこまで迷惑はかけたくないんです」ニコ
412 = 1 :
上条「んなこと気にするこたぁねえって。走って帰れば着く時間もバスと大差ねえし」
食蜂「でもほら、常盤台の生徒は私以外にも大勢いるみたいじゃない? ほとんどは門前のバス停で降りるはずですから」
上条「……確かにそうみたいだけど、……でもなぁ」
食蜂「いいからいいから、あんまり過保護にされるのは面白くないんだゾ☆」
上条「……まぁ、そこまで言われたら引き下がるしかねえけど」
食蜂「気にかけてくれるのはもちろん嬉しいですよ? でも、この状況で先手を取らせないくらいの自負は持っていますから」
上条「確かに、第五位の能力者だもんな。本来は俺が護衛なんてのもおこがましいくらいだし」
――プシューッ
『常盤台中学校学生寮前。常盤台中学校学生寮前でございます。車内でのお忘れ物などにご注意――』
413 = 1 :
食蜂「じゃあ、今日はここで――――上条さん?」
上条「……こっから見える範囲内では、不審車両は見当たらないか」
食蜂「あっきれた。まだ心配してたのぉ?」
上条「そういう性分なんだよ、悪かったな」
食蜂「ううん、ごめんなさい。ここまで気にかけてもらえるのって、とてもありがたいことよね」
上条「俺だけじゃねえぞ。寮の先生にしたって、小萌先生だって、お前のことを案じてる」
食蜂「小萌……って、月詠先生のこと?」
上条「あぁ、話してなかったっけ。今の俺の担任なんだよ。ここんとこずっと世話になりっぱなしで」
食蜂「はいはい、一生頭が上がらない、でしょ?」
上条「……え」
食蜂「んもう、覚えてないのぉ? 上条さん、ずっと前も似たようなこと――」
運転手「お客さん。常盤台の制服ですけど、降りなくて大丈夫ですか?」
食蜂「あ、す、すみませぇん。すぐ降りま~す」ペコ
上条「…………」
414 = 1 :
――ガラガラ
食蜂「それじゃまた明日、お願いしますね」フリフリ
上条「ああ、また明日。って、ほらほら、ちゃんとみんなに遅れずついてけよ」
食蜂「そっちこそ、窓からそんな身を乗り出したら危ないですよ。子供じゃないんですから」
上条「わかったよ。何か気になることがあったら遠慮なく携帯にかけてくれな」
食蜂「ええ、そうさせてもらいます」
――プップーッ ――ブロォォォォ
食蜂「…………行ったわね」ピタ
食蜂「……」クル
――ピッ ――キキィッ!
クリーニング屋「…………」ガチャ
食蜂「――常盤台中学方面へ、限界までブッ飛ばしなさい」バタン
クリーニング屋「リョウカイシマシタ、シートベルトヲオネガイシマス」
415 = 1 :
――上条宅
上条「ただいま――っと、こりゃ誰の靴だ?」
インデックス「おかえりなさい、とうま!」
姫神「お邪魔してます」ペコ
上条「おお、姫神。来てたのか」
インデックス「一緒にスフィンクスと遊んでたんだよ」
スフィンクス「ナァウ」
上条「あれあれ、ずいぶんとさっぱりしちまってまぁ」
姫神「久しぶりにお風呂に入れたから」
上条「あー、そりゃ助かるわ。相変わらず嫌がってたろ?」
姫神「二人掛かりなら、余裕」ブイ
インデックス「なんだよっ」エヘン
416 = 1 :
上条「うぬぬぬ……どれがババだ。これか、いや、わざとらしく先の突き出ている」
姫神「駆け引きはいらない。あなたの場合、どれを引いてもババ」ウフ
上条「なんつう言い草だ、ぐれんぞマジで」
――prrr
上条「っと、電話か。ちょっと待ってくれな」
上条「……あれ、御坂?」ピッ
上条「はい、もしもし?」
御坂「あ、出た。アンタ今どこにいんの?」
上条「どこって、たった今寮に戻ってきたところだけど」
御坂「もう家に帰ってるそうです。――あぁいえ、どうもそういう感じじゃ」ボソボソ
上条(……ん? 御坂以外に誰かいるのか?)
御坂「……ごめん、一つ訊きたいんだけどさ」
上条「なんだよ、改まって?」
御坂「……食蜂操祈、アンタと一緒にいないのね?」
417 = 1 :
インデックス「と、とうま!? いきなり血相変えて、何かあったの?」アワアワ
上条「すまん、ちょっと野暮用が入っちまった! 出かけてくる!」バッ
インデックス「出かけてくるって、私たちの夕飯――」
上条「あ、ああ。すまん、そうだったな」ゴソゴソ
上条「悪いが今日は外食で済ましてくれ。ご飯代、ここに置いとくからな!」バンッ
インデックス「ちょ、ちょっと、とうま!?」
――バタンッ!
インデックス「……行っちゃった。相変わらず、主に私への配慮が足りないんだよ」ブス
姫神「……でも、あの慌てようはただ事じゃなさそうな予感」
インデックス「……ッ! ま、まさか! そんな!」ガーン
姫神「ど、どうしたの?」
インデックス「あ、ありえないんだよッ! ケチなとうまがご飯代に三千円も置いていくなんてッ!」
姫神「……なるほど、新札でぴったりくっついてたっぽい」ピラ
インデックス(……それだけ慌ててたってこと? いったい何があったんだろう)
418 = 1 :
――タッタッタッタッ
上条「はぁっ……はぁっ、不幸だ! 初日からこれかよ!」
上条(携帯――、コール音が聞こえるってことは、まだ電源は生きてるのか)
御坂『――うん、まだ寮には戻ってないみたいなの。携帯も一向に通じないって』
御坂『さっき警備員に連絡してGPS探査してもらってるから、じきに見つかるとは思う』
御坂『ええ、それは大丈夫よ。コール音は聞こえてるし、電源は切られてないわ』
御坂『認めるのも癪だけど、アイツの力って半端じゃないから、その辺の連中にどうこうされるとは思えないけど』
御坂『別に私も、心配してるってわけじゃないんだけどね。寮監がいやに気にしててさ』
御坂『だからさ、その、あんま気にしないでね。気休めにしか聞こえないかも知れないけど』
御坂『アンタが彼女をちゃんと寮まで送り迎えしてたのは、バスに乗ってた子たちから聞いてるから』
上条(……いや、やっぱり無理やりにでもバスを降りて付き添うべきだった。くっそ、自分の馬鹿加減が恨めしい!)グッ
上条(って、後悔すんのはあとあと。今は一刻も早くアイツを見つけ出さねえと)ブンブン
上条(つったって、闇雲に探したところで見つかるはずもねぇ。人数の多い警備員が見つけ出す方が先に決まってる)
上条(……そういえば、さっきバスの中で沿道の方を気にして――――)
上条「乗車から二、三分の範囲ならかなり搾れるな。行くだけいってみるか」ダッ
419 = 1 :
申し訳ありません、微妙に体調不良なので続きは明日投下します
なお、ここからはやや暴力描写注意です
421 = 399 :
乙です。
無理せずにのんびり書いて下さい。
422 = 394 :
今回も大変素晴らしゅうございました!!!
御身体の具合に気をつけて下さいね!
具合が優れない中、お疲れ様でした!
423 :
乙です
明日も楽しみにしてます
無理はしないでくださいね
424 :
乙でした
425 :
体には気をつけて
426 :
乙ー
無理せず体調治して下さいな
427 :
これ時系列どのへんなのかな
428 :
>>420
ねぇよ死ね
429 :
>>420
それは超ない展開です
430 :
乙ー!!
>>427
考えるな、感じろ。
431 :
>>419
今日じゃねーか!
432 :
>>431
そりゃ昨日のレスだもの
433 :
なんか俺の書き込んだ文が地味に流行っててワロタ
434 :
>>433
× 流行っている
○ ネタにされている
435 :
>>434
しまったそうだったのか
そりゃ昨日のレスだもの
がネタにされてたか なんかワロス
436 :
>>435
俺は好き
437 :
乙ー!!
みさきちが目にしたのは序盤にでた不良たちかな?
……無事だと思いたいけど早く来てくれ上条ー!!!
438 :
昨日は中座すみませんでした、おかげ様で何とか熱も下がりました
残り投下いきます
439 = 1 :
――とあるファミレス
不良4「おう――おう、わかった、伝えとく。じゃな」パタン
不良1「5のやつどうだったって?」パクッ
不良4「全治一か月だと。やっぱあん時に折られてたみたいだな」
不良3「ウニ野郎がふざけやがっ……てて。くっそ、まだ顎が痛ぇ」ズキズキ
不良2「全部食べれそうにないんだったら何か引き受けるぜ? その魚のホイル焼きとか」
不良3「メインディッシュだぞ、ふざけろ」
不良2「魚といえば、逃がした魚はでかかったよなぁ。あんだけの美人、滅多にお目にかかれねえってのに」ズルズル
不良1「今はそれよかガキだ! 邪魔した挙句に携帯までぶっ壊しやがって!」
不良4「お前はまだマシだろ。こっちはまだ半年分も分割支払い残ってるってのに」
不良3「そんなに新しいなら保証してもらえんじゃねえのか?」
不良4「あれだけ派手に砕かれちまうと事故適用は無理だとさ」
不良1「事情が事情だし、うかつなことは言えねえかんな」
不良2「どのみち、このままただで終わらせるわけにはいかねえだろ?」
不良4「あたぼうよ。仲間内でやつの人相を広めてるから、ほどなく見つかるはずだ」
440 = 1 :
不良2「いくら強いっつったって現役軍人ってわけじゃねえ。人数集めてタコっちまえば問題ねえよな」
不良3「おうよ、草の根掻き分けてでも見つけ出して、フクロにして公衆便所に顔突っ込ませて――」
女性店員「あの、申し訳ありませんお客様」
不良3「あん?」
女性店員「周りのお客様のご迷惑になりますので、もう少しだけお声を下げて」
不良1「……なぁにいちゃもんつけてんだ?」
不良2「おいおい姉ちゃんよぉ。声かける相手はよく選んだ方がいいぜぇ?」
女性店員「で、ですが、あの――きゃっ」
不良3「こっちはちゃんと高い金払ってんだぞ? 少しくらい大目に見てくれや」
不良4「まぁ、あんたが色々サービスしてくれるってんなら、話は別だけどな」
女性店員「――――」ピクン
不良1「おいおい、そりゃ店が違うだろ――」ハハ
――バァンッ!
不良4「ぐあっ!?」
不良1&2&3「」
441 = 1 :
女性店員「…………」ボー
不良4「がぁ……いっ……てぇ」ググ
不良1「……ちょ、トレイでぶっ叩くとか」
不良2「こ、このクソアマッ! いきなり何しやが――ぁ?」
不良3「……あ、あれ?」ググ
不良1「……な、何だこりゃ? 手足が動かねえぞ!?」
――ドゴッ!
不良2「がっ!?」
男子学生「…………」ボー
不良1「2っ! このガキッ! どっから湧いて出て――」
――バキィッ!
不良1「ぐへッ!」ダンッ
不良3「…………」ボー
442 = 1 :
不良1「くっ、てめえ! 殴る相手が違うだろうが!」
不良3「…………」ググッ
不良1「……ちょ、おい、ま、待て。今度こそ冗談じゃ済まさ――ぐはぁっ!」ガッ
不良1(な、何がどうなって――ていうか、これだけの騒ぎになってるのに)
レジ店員「お会計2160円頂戴いたします」
男「おい、小銭持ってる?」
女「多分あったと思う。ちょっと待って」ゴソ
不良1(何で他の連中は、こっちの異変に気づいてねえんだよッ!)
不良2「……どう考えても尋常じゃねえ。これってもしかして、能力者の仕業か?」
???「ピンポ~ン☆」
不良1「……ッ!」クル
食蜂「先日はどうもぉ。色々お世話になっちゃったわねえ」ツカツカ
443 = 1 :
食蜂「まだお店にいてくれて良かったわぁ。また探し直すなんて面倒だものね」
不良2「お、お前……あの時の女!?」
不良4「……この状況は、てめえの仕業か」
食蜂「ええ、私の演出力の賜物よ。お店の中にいる人たちには、あなたたちの存在は一切認知されてないわ」
不良1「ば、馬鹿げてる。そんな広域で認識を誤らせることなんてできるわけが」
食蜂「そうそう、自己紹介が遅れたわねぇ。学園都市第五位、食蜂操祈でーす☆」
不良4「第五位……レベル5だと!?」
不良2「だ、だけど、今までそんな素振りはまったく――あの時だって」
食蜂「たまたま体調不良で能力が使えなかっただけよぉ? 本調子ならこんなことも」ピッ
――ゴッ!
不良4「ぐっ!?」グラ
不良2「あがっ!」ガクン
食蜂「朝飯前」ニタァ
不良1「な、殴り合わせた!?」
444 = 1 :
――ドサッ
不良2&4「」ピクピク
不良1「…………ぁ」カタカタ
食蜂「ええっと、こういうのって何ていうんだったかしら。ダブルノックダウン、であってる?」
不良1「な、何考えてやがる。先の件のお礼参りのつもりか」
食蜂「もちろんそれもあるけど、どっちかといえば本命は別」
食蜂「ほらぁ、あなたたちみたいなのって後々まで根に持つじゃない?」
不良1「……何?」
食蜂「わからない? 私を助けたことがきっかけであの人に迷惑をかけたくないの」
食蜂「せっかく距離が縮まったことだし、このさい邪魔者はきっちり排除しとかないと、ネ?」
不良1「……い、いい気になんなよ? こんだけ舐めた真似して、てめえただで済むと」
食蜂「あらやだ。あなたこそ、まさかこれだけで私の気が済んだとでも思ってるワケ?」
不良1「……あ、あぁ?」
食蜂「うーん、どうせ全部忘れちゃうんだから説明する意味もないんだけどぉ」
不良1「忘れるって、どういう意味だ」
食蜂「あなたたちの頭の中から今日の記憶を消しちゃえば、今何をしたところで問題ないでしょう?」ニタ
不良1「……なん、だと」ゾワ
445 = 1 :
食蜂「高位の精神系能力者だったら記憶の改竄くらいわけないのよ。ご存じなかった?」
食蜂「たとえば、ここにいるあなたのお仲間の頭をいじって、あなたを性欲の捌け口として見なさせることだって」
不良1(……ッ)ゾゾゾ
食蜂「咄嗟の思いつきにしては妙案かしらね。襲われた側の気持ちが少しは理解できるかもしれないし」
不良1(……こ、こいつ、まともじゃねえ)ブルッ
食蜂「前置きが長くなっちゃったけど――私を襲ったことについて許す気は全くない」
食蜂「それ以上に、あの日の私の記憶を、あなたがたが持っていることは絶対に許さない」
食蜂「言わずもがな、上条さんを害そうとしている連中を放っておく気もない」ジト
不良1「……つ、付き合ってられねえぜ」
食蜂「そうつれないこと言わないで? 今からたっぷりと地獄を見せてあげるから」
食蜂「ゆっくりと、時間をかけて、あなたたちの頭に心的外傷(トラウマ)を深く深ぁく刻んであげる」
食蜂「それが済み次第、私とあの人の記憶を消去する。残るのはいつ受けたかもわからない深刻な心の傷だけ。ご理解いただけたかしら?」
不良1「……しょ、正気かてめえ!」
食蜂「それはすぐにわかるわよ。さあ、早速始めましょうか」ニタ
446 = 1 :
調理担当「…………」スチャ
不良1(……なんだ? 手に持ってるのは……皮剥き器(ピーラー)か?)
食蜂「来たわね」スッ
――ピッ
不良3「――え、あれ、……俺、いったい?」
不良1「3! 正気に戻ったのか!?」
不良3「……1? え、これ何がどうなって、なんで一緒に飯食ってた2と4がノビて――」
食蜂「ほらほらぁ。時間が押してるんだから、あなたはさっさと手を出す」ピッ
不良3「……!?」サッ
調理担当「…………」ピタ
不良3「……ちょ、待て。……皮剥き器って……じょ、冗談だよ、な?」ブルッ
不良1「――お、おいッ!」クル
食蜂「Lets、早剥きチャレンジ☆」ピッ
――――シャッ!
不良3「い゛ッ――ぎぃやぁあああッッ!!」ガクガク
不良1「~~~~ッ」ゾゾゾ
447 :
こんなマジキチ女は捨ててみこっちゃんルートで行こう
448 = 1 :
――ゴクゴクゴク
不良1「ぷはぁっ! だ、誰か、助けっ、助けてくれッ!」ボロボロ
食蜂「まだ2本目でしょう? さぁ、遠慮せずにどんどんいっちゃって」ピッ
不良1「ストレートじゃ無理だ、頼む、勘弁してくれ! こんないっぺんに飲んだら急性アルコ――うぶっ」グビ
食蜂「最初は油とか醤油とか一気飲みさせる気満々だったんですケドぉ? ここは、私の慈悲力に感謝しなくちゃいけないところじゃない?」
不良1(……お、おかしい。これだけ時間が経ってるのに一向に助けが来ねえってことは、まさかこいつの能力は外にまで)
食蜂「はい正解、まだ少しは頭が回るみたいね。意外とお酒強い体質かしら?」
不良1「……かっ、考えていることまで、読めるのか」カタカタ
食蜂「そんなに怯えられるのは心外だわぁ。あなたたちが常日頃からやってることじゃない」
不良1「……俺たちが?」
食蜂「だってあなたたち――」
食蜂「助けてって言われて助けてあげたことなんてないでしょう?」
不良1「……ッ」
不良1(……そうか。頭の中を読めるってことは、以前の記憶まで)
449 = 1 :
食蜂「私も、さっきあなたたちを見つけた時は、ここまでやる気はなかったのよねぇ」
食蜂「だけど、今は無理。今年だけでこんなにやらかしてたなんて、心底吐き気をもよおすわ」
不良1(……や、やっぱり、こいつは、俺たちのやってきたことを全部)
食蜂「ご丁寧に写真や動画まで記録して、泣き寝入りしている被害者には同情せずにいられない」
食蜂「本当、どうしてやろうかしら。いっそ今すぐそこの車道に飛び込んでもらう?」
不良1「……ま、待ってくれ。お、俺たちが悪かったよ」
食蜂「それとも、セブンスミストの屋上からバンジージャンプする? 命綱はないけど」
不良1「た、頼むから、勘弁してくれよ、な? 何でもする、自首だってする、ほ、本当だ」
食蜂「ふぅん、この期に及んで言うことを聞いたフリして、なんてねぇ。その厚顔力には拍手を送りたいわぁ」
不良1「そ、そんなこと考えてなんか……!」ブンブン
食蜂「――あら、素敵。最寄りの緑地公園に巨大なスズメ蜂の巣があるそうよ?」
不良1「…………ぃ」
食蜂「説明するまでもないかしらね。このお店にいるお客さんの記憶を読み取っただけ」
食蜂「保健局に撤去されちゃう前に、それにしがみ付いてぶら下がってもらうっていうのも乙かしら」
食蜂「運が良ければ生き残れるかもね。どっちにしても、すっごく苦しいだろうけど――――ん?」
警備員A「こちらA、たった今保護対象を確認した」バタン
450 = 1 :
食蜂「あら、警備員の方々? 誰も通報してないはずなんだけど」
食蜂(ああ、私を探しにきたってこと? そういえば、携帯の電源入れっぱなしだったっけ)
警備員B「……お、おい、この有様は」
不良2&3&4「」グッタリ
不良1「た、助けてくれ……この女が、俺たちを」
警備員A「お、おい、この男子、テの皮が捲れて……」
警備員B「……き、君がやったのか?」
食蜂「だったらどうだっていうのぉ? 今日はお呼びじゃないんだけど」イラ
警備員A「――ッ、街中での能力の使用は禁じられているはずだ! 我々と一緒にご同行願おう」
食蜂「……肝心なときには助けに来てくれないくせに、どうしてそんなに偉そうなのかしらぁ」ボソ
警備員B「……なんだと? いったい何を言って」
――ピッ
警備員A&B「――――」ピクン
食蜂「いいわ。わざわざご登場いただいたんだから、あなたたちにも協力してもらうわね」チラ
不良1「…………ぁ」ボーゼン
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