元スレ食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
1 :
・いつの間にやら二期が始まったので触発されて
・禁書1~3以外未読、新約もちろん未読、なので色々違う可能性があります
・地味に暴力描写有り、不快な人はごめんなさい
SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1368240371
2 :
百合なのか上条なのかそれ以外か
3 :
せめて、超電磁砲は解読していると言ってくれ……
4 :
上条食蜂かな
5 = 1 :
上条×食蜂です
前作は一応あり、トリで察しつく人はつくかも
この組み合わせからして外伝的な感じです
6 = 1 :
食蜂「……うぅー、どうも熱っぽいわねぇ」ボー
食蜂(起き抜け妙にだるかったし。やっぱ授業サボッとけばよかったかしらぁ)ハァ
食蜂「愚痴っててもしょうがないわね。薬局に寄って早めに寮へ――」
――ドンッ
食蜂「きゃんっ!?」ドサッ
不良1「っと、痛ってぇなぁ。どこ見て歩いてんだよ」ジロッ
食蜂「な、なにアナタぁ? そっちからぶつかって来たんじゃなぁい」
不良2「おっ、すげえ上玉じゃあん?」
不良3「……へへ、おい1。お前、あんなに強くぶつけられて、体大丈夫か?」ヘラヘラ
不良1「あ……、あーっ、やべえなこりゃ。肩外れちまってるかもしんねぇわ」
不良4「となりゃあ、この別嬪さんに責任とって」
不良5「1君の傷ついた体を癒してもらわなきゃなぁ」
食蜂「……はぁ、古典的にもホドがあるんだけどぉ」パンパン
食蜂(まったく、自分が住む街に君臨している七人の顔くらい知っときなさいよぉ)ハァ
7 = 1 :
不良2「ぶつぶつ言ってないで、ちょいと顔貸せや」
不良3「そうそう、綺麗な顔に傷つけられたくねぇだろ?」
食蜂「容姿を褒められるのは嫌いじゃないケド、お兄さんたちみたいなのは好みじゃないのよねぇ」
不良1「……あん?」
食蜂「釣り合いってモノを考えてぇ、出直してきて欲しいかなぁ」
不良4「……おーい、こいつ調子乗っちゃってね?」
不良5「ああ、こりゃいっぺんきつーいお仕置きが必要だな」
食蜂(んもぅ、体調悪いのに面倒ねぇ)チラ
通行人1「……」タッタッタッタ
通行人2「お、おい、警備員呼んだ方がいいんじゃないか?」ヒソヒソ
通行人3「ここじゃまずいよ、連絡してるとこ見られたらどんな因縁吹っかけられるか」ヒソヒソ
食蜂(――ま、5人もいるんじゃ当然の反応かしらねぇ)ポリ
8 = 1 :
不良5「何見てんだ! 見世物じゃねえぞコラァ!」
通行人2&3「う、うわっ、す、すみませぇん!」バタバタ
食蜂(そうねぇ、逃げ腰のヒトに戦ってもらうっていうのも乙かしらぁ)キョロ
食蜂(こんな可愛い女の子を見殺しにするなんてぇ、男の風上にもおけないものねぇ)ゴソッ
食蜂(それいけ、弱小戦隊、モブレンジャー☆)スッ
――ピッ
不良3「とりあえず、ちょっとこっち来いや」ガシッ
食蜂「…………」
食蜂(……あれ?)タラ
9 = 1 :
不良2「オラ、早く歩けよ!」グイッ
食蜂「痛っ、やだっ、引っ張らないでよ!」
食蜂(な、何で!? 洗脳したはずなのに!)
不良5「はいはーい、一名様ご案なーい」グイグイ
食蜂「ちょ、ちょっとっ!」
食蜂(路地はまずいっ! こ、こうなったら直接っ!)ピッ、ピッ
不良3「って、何だぁこりゃ? TVのリモコンかぁ?」グイッ
食蜂「え……あっ、こらぁっ! 返しなさぁい!」バッ
不良3「おっと、あっぶねぇ」
不良4「おっしーぃ、全力でジャンプすれば届くんじゃねぇ?」
不良5「もっとも、下着が見えちゃうかも知れねえけどな」ニタニタ
食蜂「……くっ」ジリ
食蜂(って、これ本気でヤバいっ。こんな狭い道幅じゃ逃げようが)サァァ
10 :
カバンの中身リモコンだらけのはず
11 = 1 :
不良2「おいおい、どうしたんだぁ? さっきの余裕のある口ぶりはよ」ヘラヘラ
不良4「大方、誰か助けに来てくれるとでも思ってたんじゃねえの?」
食蜂(もぅ! こういうときに能力が使えなくてどうするのよぉ!)
食蜂「お、お兄さんたち、こんなことしてただで済むと」チラッ
不良1「ただで済まねえのはお前だよ。おい、入口しっかり見張っとけよ」
不良4「へいへい、後でちゃんと俺にも参加させてくれよ?」
不良3「わかってるって。アンタもあんま抵抗しない方がいいぜ? 痛い目に遭いたくないだろ?」
食蜂(――今だっ!)ダッ
不良5「――おっとぉ」サッ
――ガッ
食蜂「きゃあっ!?」ズダン
不良5「ザンネーン、こっちは行き止まりだぜぇ?」
12 = 1 :
不良1「おら、とっとと立てよ!」グイッ
食蜂「い゛っ――たぁいっ、髪引っ張んないでっ!」ジタバタ
不良2「へっへ、あんまり暴れるとハゲになっちまうぜ」ヘラヘラ
不良1「そーそー、服だって乱れちまうしなぁ? こんな風に――よっ!」バッ
食蜂「や、やぁっ!///」カァ
不良4「へぇ、色っぽい下着履いてんじゃねえか」
食蜂「いっ、いい加減にしなさいっ! それ以上したら、絶対後悔させてやるんだからぁ!」キッ
不良1「耳元でキンキンうっせえんだよ。ちっと黙っとけや」スッ
食蜂「こっ、この状況で黙るわけが――」
――バチィッッ!!
食蜂「う゛あ゛っっ!!」ビクン
食蜂(か、体が……痺、れ……)カクン
――ガシッ
不良5「おっと、おねんねの時間はまだですよぉ?」ニタ
13 = 1 :
食蜂「あ゛ぐっ……ぅ」ピクピク
不良1「大人しくしとかねえと、この程度じゃ済まさねえぞ」バチバチ
食蜂(……ス、スタン……ガン)キッ
不良2「ホントすげえな、マジ効果覿面」
不良1「改造して電圧を切り替えられるようにしてあっからよ。今のでせいぜい40%だぜ」カチカチ
食蜂「くっ……はぁっ……」ググ
食蜂(……っ!)ドサッ
不良1「無駄無駄、しばらくは立ち上がることすら満足にできねえよ」
不良3「はーい、セーター脱ぎ脱ぎしましょうねぇ」ガバッ
食蜂「……や……だぁっ!」ググ
食蜂(……っ、声、出な……、手足も……言うこと……きかな)
不良3「ちょうどいいや、そのセーター、腕のとこで結んで縛っとけ」
食蜂(う、嘘、でしょ? が、学園都市五位の私が、こんな連中に)
14 = 1 :
食蜂「……くっ」ギシッ
不良1「へっへっへ、俺好みの格好になったじゃねえか」ジュル
食蜂「……こ、ここ、こんなことして、ただで、済むとでも」カチカチ
不良3「くくっ、歯の根が合ってねえぞ?」
食蜂「……っ」
食蜂(こ、声はもう出せそう……だけど、大声出してまたビリってやられたら……)
食蜂「こ、断っとくけど、今のうちに解放した方が身のためよぉ? 今なら、許してあげなくも」
不良1「……あー、ところでよぉ。前回スタンガンのメモリ、最大まで押し上げてやった時は見物だったよな」
食蜂「……っ」ゾク
不良5「ああ、澄まし顔の美人が白目剥いて小便まで垂れ流しやがってよ」
不良2「あの動画、ネットで流したら大うけだったよなぁ」ジロ
食蜂「……ぃ、ぃゃ」ガクガク
15 = 1 :
不良1「んで、てめえも白目剥いて泡吹きてえクチかぁ?」バチン
食蜂「……ひっ」ビク
不良5「おいおい、そんな脅かしちゃ可哀そうだろ? 今からとっても楽しいことすんだからよぉ」スッ
不良3「んだな、お待ちかね、御開帳タイムと行きますかぁ」ガシッ
食蜂「い、嫌っ……駄目っ!」ググ
不良1「お、結構頑張るじゃねえか」ググ
不良5「こ、こりゃ、すげえ力だ。全然開かねえ――なっ!」グイッ
――ガバッ
食蜂(――っ!!)ギュッ
不良5「へっ、バカが。男二人に敵うわけねえだろ」
不良1「いやぁ、太腿の白さが眩しいねぇ」ジュル
食蜂「は、放してっ! 何見てるのよぉ!」ブンブン
食蜂(こ、こんな奴らの前で、こんな格好っ!)ググ
16 = 1 :
不良2「あんまもたもたすんなよ、警備員が到着する前に終わらせねえと」
不良3「りょーかーい。っと、ブラウスが邪魔だな」
食蜂「……ひっ、……や、もういやぁッ!」ブンブン
食蜂(誰かっ! 助け――)
不良5「せーーのぉっ!」グイッ
――ビリビリビリィッ!
食蜂「きゃあああっっ!!」プルン
不良5「ひゅーっ! すっげ、この体で中学生かよ!」
不良3「肌すっべすべだわ。胸のさわり心地はどうかなぁ?」ギュ
食蜂「やぁっ、触らないでっ! んっ! やあぁっ! 放しなさいよぉ!」ジタバタ
不良1「はっ、それで抵抗してるつもりかぁ?」
不良2「んじゃ、先に一枚目いっとくか」カチカチ
――パシャッ
食蜂「んなっ!? 何勝手に撮って――くぅっ!?」パシャッ
17 :
なんで能力効かないんです?
18 = 1 :
不良2「人生諦めが肝心ってな。楽しむことに専念した方がお互い幸せってもんだ」パシャッ
不良1「そうそう、さっきよりきっつい電撃食らいたくねぇだろぉ?」ヘラヘラ
食蜂「……な、何で私が」
食蜂(私だけが、こんな目に遭うのぉ)ジワ
不良3「動画、この前みたく音声録り忘れるなよ」
不良2「うっせぇな、過ぎたこといつまでも覚えてんなよ」
不良5「ひひっ、ついてるぜ。今日は俺が一番手だったよなぁ」カチャカチャ
食蜂(……や、だ、こんな形で)ワナワナ
食蜂「――だっ、やだぁっ! 誰かあぁっ!」ポロポロ
不良3「この嫌がりよう、もしかして初めてかぁ?」
不良5「遊んでいるように見えて、かぁ? だったらいいねぇ、俺好みどストライクじゃねえか」グイ
食蜂「……助けてっ! お願い、誰かぁ!」
不良1「ったくっ、騒ぐなってんのに物分かり悪いな。んならもう一発――」
――ドガッ!
不良1「うがぁっ!?」
19 :
早くきてくれヒーロー!!
20 = 1 :
不良5「えっ、なッ!? ――ぐあっ!」ズンッ
食蜂「……あぅっ!」ズザッ
上条「……」クルッ
不良2「な、んだてめえ! 不意打ちとか舐めた真似――」ヒュッ
――バキッ!
不良2「がはっ!? ――うがっ!」ズダン
上条「こちとら身の程弁えてんだよ。数的不利なんだからハンデは当然だ――ろっ!」グン
――ガッ! ――ガシィッ!
不良2「グッ――ハァ……!」ガクン
不良3「く、くっそっ! いいところだったのに邪魔しやがって!」カチャカチャ
上条「おいっ、今のうちに早く――っ!」
食蜂「……うぅ……ひっく」ガクガク
食蜂(助け……て、誰でもいいから、助けてぇ……)ポロポロ
21 = 19 :
ビクビクおびえてるみさきち可愛い
22 = 1 :
上条「――っ、……んの」ミシィ
不良5「こ、こいつ、正義のヒーロー気取りか。……ふざけやがってぇ」スチャッ
上条「……アンタだけ浅かったか。ったく、ついてねえな」ボソ
不良3「おい、用心しろよ! こいつ喧嘩慣れて――」スチャ
不良5「うるせー! 仲間がやられてんのにのんきにズボン履いてんじゃねえっ!」
上条「こちとら何度も化け物みたいなのと渡り合ってんだよ。ちゃちなナイフで止められると思ってんなら」ジリ
不良5「う、うおらああぁぁっっ!」ダッ
不良3「ば、馬鹿っ! 迂闊に突っ込むやつが――!」
上条「大間違いだッッ!!」ダッ
食蜂(……だ、誰かいるの? 視界がぼやけて……何も)
不良4「おい、さっきから騒がし――って、なんだこの有様――」
上条「――でラストか。んじゃ、悪いけどとっとと――」
食蜂「……見え……な――」ガク
23 = 1 :
――ガチャン
インデックス「あっ、おかえりとうま! ……って」
食蜂「……はっ……はっ」
上条「悪い、インデックス。帰ってそうそうすまねえけどお湯沸かしてくれ」
インデックス「ど、どうしたの、その子? すごい苦しそうなんだよ」
上条「多分風邪だと思う。帰り道でたまたま会ってさ――よっと」
インデックス「わ、わかった。すぐに沸かすね」パタパタ
上条「さんきゅ。よし、とりあえずベッドに寝かせて、と」
――ドサッ
食蜂「……んぅ」ゴロ
上条「う、うわっ」ドキ
上条(や、破れたブラウスが生々しいっつーか、……常盤台って中学だよな?)ゴクッ
上条(い、いかんいかん。さっきの背中の感触思い出しちまった)ブンブン
24 = 1 :
インデックス「すごい汗だね。拭き取らないと悪化しちゃうかも」
上条(さすがに、インデックスの寝巻を着せるのは無理だよな)ウーン
インデックス「……今、とうまからものすごい不快な波長を感じた気がするんだよ」
上条「い、いや、気のせいじゃないですか?」
上条(しゃあねえ、突っ込まれる前に俺のを用意しとくか)ゴソゴソ
インデックス「……ところでとうま。まさか自分で着替えさせる気じゃないよね?」
上条「お願いだから怖い目でこっち見ないでください! てか、お前に任せんのはいいけど前後反対とかやらんでくれよ?」
インデックス「とうま、私のこと、そこはかとなく馬鹿にしてるね?」ムス
上条「い、いや、そんなことは、つうかそれくらいならインデックスにも」
インデックス「そこはかとなく馬鹿にしてるね?」ジロ
上条「じゃ、じゃあインデックスさん、着替えここに置いときますんで」ササ
25 = 1 :
食蜂「……ふぅ……ふぅ」
上条「呼吸はさっきより落ち着いたみたいだな、……と」ピピピ
上条(うげっ、39度5分!? やばいな、思ったよりずっと高い)
インデックス「とうまとうま、お隣から水差し借りてきたんだよ」パタパタ
上条「おっ、やっぱ持ってたか。さすがはメイド見習いの妹を持つ兄」
上条(シロップタイプだし冷蔵してたし、飲みにくくはないはずだけど)トクトク
上条「インデックス。枕の下に両手を入れてその子の頭を持ち上げてくれるか」
インデックス「了解なんだよ」スッ
上条「おっけー、そんなもんでいい。ほら、薬だ。飲めるか?」スッ
食蜂「……ん……むぅ」カプ
インデックス「……うん、少しずつだけど減ってるみたい」
26 = 19 :
ああ、風邪で演算できなかったから操れなかったのかな?
27 = 1 :
食蜂「……すぅ……すぅ」
上条「ふぅ、顔色もさっきよりは大分マシになったか」
インデックス「みたいだね。ところで今更なんだけど」
上条「うん? どうした?」
インデックス「なんでとうまはわざわざここまで背負ってきたの? その場で救急車を呼んだ方が早かったんじゃ」
上条「いや、まぁ、それも一度は考えたんだけど。この子、野郎どもに襲われててさ」
インデックス「……っ」
上条「状況的に絶対やられるわけにはいかなくてさ、ついつい力のセーブが」
インデックス「柄にもなくやり過ぎちゃったってこと? でもでもとうま、それって正当防衛じゃないの?」
上条「相手を地面に叩きつけたとき、ぶら下がった枝が折れるような嫌ーな音がしたんだよなぁ、メキメキィッて」
インデックス「う゛ぁ……、聞くだけで痛いんだよ」
上条(ま、他にも心配事は色々あったんだよな。警備員呼ばれたら事情聴取とか避けられなかっただろうし)
上条「てなわけで、万が一にも治療費請求とかって話になるとだ。この先うちの夕飯がモヤシと卵と納豆だけに」
インデックス「すごく、すっごーく、賢明な判断だったと思うんだよ」キラキラ
28 :
新刊のネタバレになるけど
本当に上条さんに助けられたことあるっぽいしなみさきち
29 = 1 :
上条「はい、そういうことなんで。ええ――度々すんません、お世話になります」ピッ
インデックス「小萌もう帰ってるって?」
上条「まだ仕事中だけど、姫神がいるから問題ないってさ」
インデックス「わかった。それじゃあとうま、行ってくるね」
上条「悪かったな、ベッド使えなくしちまって」
インデックス「ううん、病める者を救うのはシスターとして当然の行いなんだよ。――それより」
上条「うん?」
インデックス「とうま、あの子が寝てるからってえっちなことしちゃ駄目なんだよ」
上条「バーカ、病人襲う趣味なんざ上条さんにはありません」
インデックス「うん、だよね。……あともう一つ」
上条「……もう一つ?」
インデックス「多分その子、すごく傷ついてると思うんだよ」
30 = 1 :
上条「あ……」チラ
食蜂「……ん……んん」キュッ
上条(そうだった。この子、乱暴されかけてたんだっけ)
インデックス「だからとうま、目が覚めたらしっかりケアしてあげなきゃ駄目なんだよ」ジッ
上条「……あ、ああ、わかってる」
上条(って、待て待て。だったらインデックスにも残ってもらった方が)
上条(あぁでも、そうすっと説明がややこしくなるか。この子の口からインデックスのことが漏れないとも限らないし)
上条(とはいえ、目覚めたときに安心してもらうには女の子がいた方が――下手すっといきなり大声で叫ばれたりも)
上条(だったらいっそインデックスに全部任せちまう方が――って、ないな、ない。病状が一層悪化したらどうすんだ)
インデックス「……とうま、今なんかすっごく失礼なこと考えてない?」
31 :
確か黒子もそんなこと言ってたよな
32 = 1 :
…………――――
――ガラガラ
あら、教頭先生?
授業中にすまん。食蜂、食蜂操祈はいるか?
え、ええ。いったいどうなさったんですか?
すまないが急いで帰り支度を。表玄関にタクシーを呼んである。
……っ! わ、わかりました!
あ、あの、先生。いったい何が……
……詳しいことは移動中に話す、教科書はそのままでいい。
33 = 31 :
これに美琴が着いてきそうな展開だな
34 = 1 :
――交通事故?
ええ、大型トラックに後ろから。飲酒運転だったそうよ。
ひどいですね、罰則が厳しくなったのに何で未だ守らない人が。
本当、可哀そうにねぇ、まだ小さいのに。
トラックの運転手はどうしたんですか?
さっき現場検証に連れていかれたそうだ。あっちは額に打ち身程度で済んだらしい。
理不尽だな、こっちは二人とも殺されたっていうのに。
きっちり厳罰に処してもらわないとな。
ねぇ、ところでさ。
――あの子、誰が引き取るのかな。
35 = 1 :
「今日からここを自分の家と思って暮らしてね、操祈ちゃん」ニコ
「は、はい。――――っ!」
(まったく、何でうちなのよ。姉さんとはそれほど仲良かったわけでもないのに)
――また、聞こえる。
「なんで? なんで僕の部屋なのに半分しか使っちゃいけないの?」
「わがままいうな。操祈ちゃんは他に行くところないんだから」
(まあ仕方ない。こうなった以上、賠償金をたんまりせしめてやらんとな)
――嫌、こんな声聞きたくない。
36 = 1 :
「ちょっとアンタ、体育以外全部操祈ちゃんに負けてるじゃないの」
「ご、ごめんなさい。次は頑張るから――」
(今までこんなことはなかったのに、お前のせいで!)
――どうして? 私が悪いの?
(折角の夏休みなのに塾なんて、くそっ、全部操祈のせいだ!)
(またこんなにご飯残して、私の料理の腕が姉さんより下だっていいたいの?)
(いっそのこと、三人まとめて死んだほうが幸せだったんじゃ――)
――るさい、うるさい、うるさいッ!
37 = 1 :
食蜂「……学園都市?」
叔母「ええ、そうよ。あなた、すごい適性があるみたいなの」
叔母(まったく、いい話が舞い込んできたものだわ。この子全然私に懐かないし)
叔父「試しに行ってみるのもいいんじゃないか。もし合わなそうならすぐ帰ってくればいい」
叔父(この先なんやかんやで出費が嵩むからな。民事の支払いも決まったことだし、頃合いか)
従兄「いいないいな、操祈ばっかりずるいや!」
従兄(やった、これで元通り一人部屋だっ!)
食蜂「……わかりました、行きま――行きたいです」ニコ
食蜂(もう、どうでもいいわぁ)
――――…………
38 = 1 :
――上条宅
食蜂「…………あ、らぁ?」パチ
食蜂「……夢、かぁ」
食蜂(ここ、どこかしらぁ。見覚えがあるような、ないような)
食蜂「……ん、おでこに何か」パシ
食蜂(濡れタオル?)ホケー
上条「……う、ううん」ムニャ
食蜂(んー、この人、どこかでぇ……)ボー
食蜂「って、や、やだっ! 何で私、手なんか握って」バッ
上条「……んぁ?」
食蜂「……っ」ビクッ
上条「と、いっけね、少し寝ちまってたか」ゴシゴシ
39 :
いいぞ
40 = 1 :
食蜂「……っ!」ムクッ
上条「お、起きたのか。具合はどうだ? 喉乾いてたりは」
食蜂「――っ、か、上条さん!? な、何がどうなって」
上条「あれ? 確か初対面、だよな。何で俺の名前知って」
食蜂「……あ」
食蜂(……そう、そういう人だったわねぇ)
上条「てか、覚えてないのか?」
食蜂「……覚えてって」
食蜂(それはこっちの台詞――って、どういうこと?)
上条「あ、いや、むしろ忘れてもらった方がいいんだろうけど」
食蜂「……え、と」
『はっ、それで抵抗してるつもりかぁ?』
食蜂(……っ!)ゾク
41 = 1 :
上条「わっ、わりぃ! 怖い思いしたばっかりだってのに、思い出させちまって」バッ
食蜂「……わ、私」カタカタ
上条「その、もっと早く助けにいけりゃ良かったんだけど」
食蜂「……私は、何でここに?」カタカタ
上条「連中ぶちのめしてる間に意識を失っちまったんだ。救急車呼ぶか迷ったけど、寮に連れてきた」
食蜂「……そう、そうなんだ」カタカタ
上条「……とにかくすぐに夕飯の支度すっからさ。お前はもう一度体温計を」
食蜂「――バッグ」ピタ
上条「……え?」クル
食蜂「私のハンドバッグ、ここにあるのかしらぁ?」
43 = 19 :
リモコン依存症なみさきち。
44 :
リモコンを大量にバッグに入れてる女子中学生ってレアすぎだろ
45 = 1 :
上条「あ、ああ。路地裏に落ちてたやつなら。これ、お前のであってるか?」スッ
食蜂「……ええ。こんな可愛らしいバッグ、あんな連中が持つはずないじゃなぁい?」クス
上条「そ、そうだよなぁ」
食蜂「……」ゴソゴソ
上条「その、中身はまだ確認してねえんだ。割に重かったから空じゃないとは思うけど、財布やなんか取られてたら――」
食蜂「うん、大丈夫!」ニコ
上条「警察に――って」
食蜂「ちゃんと必要なモノは入ってましたから」
上条「そ、そっか。それなら良かった」
食蜂「だから、ごめんなさぁい」スッ
上条「……へ? 何だそれ、リモコン?」
食蜂(――私と会った時のこと、忘れてちょうだぁい)ピッ
46 = 1 :
上条「…………」
食蜂(悪いケド、あなたとの出会いがあんなひどい形だなんて許されないのぉ)
食蜂「……あとは、あの連中ねぇ。草の根分けても探し出してやらないと」ギリ
食蜂(よくも、よくもこの私に好き放題やってくれたものねぇ。絶対に生き地獄を見せて――)ギリッ
『んじゃ、先に一枚目いっとくか』
食蜂「……っ! しまったっ! 携帯!」ガバッ
上条「……あ」
食蜂(ま、まずい、まずいっ! あんな画像がネットにバラ撒かれちゃったら――)クルッ
食蜂(時間っ……も、もう二十二時!?)サァ
食蜂(絡まれた時はまだ明るかった――、今から向かっても回収できる見込みは……)ガリ
上条「あ、あのさ、連中のデータだったら心配ねえぞ?」
食蜂「…………え?」
48 = 2 :
>>47
ここは支援いらんぞ。一ヶ月に一回程しかな
49 = 1 :
上条「不意打ち仕掛けるときに一人携帯構えてるのが見えてさ、のした後でまとめて踏み潰しといた」
食蜂「……あ、……そ」パクパク
上条「ホントならデータ消去だけすりゃ良かったんだろうけど、そこまでしてやる義理もねえからな」
食蜂「そう、そうだったんですかぁ。気が回るんですねぇ」ニコ
上条「いや、すまん。先に言っておけば変に焦られちゃうこともなかったな」
食蜂「そんなことないです。その、ありがとうございます」ペコ
食蜂(しょ、正直いって助かったわねぇ……って)ホッ
上条「ま、今はあまり色々考えすぎずに、ゆっくり休んでくれな」
食蜂「え、えぇ。すみません、お世話になります」
食蜂(ど、どうしてぇ? 何で記憶が消えてないのぉっ?)
50 = 19 :
そっか、そげぶの事は知らないのか。
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