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    元スレ食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」

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    651 :

    揖.保の糸がアップを始めたようです

    652 :

    乙ー!!!
    ギョロ目さん………

    653 :


    損保の糸ってモモノキか?ww
    電磁波兵器というとHAARPみたいなのが浮かんだ

    654 :

    雑談は程々にしようず

    655 :

    >>1
    何このかわいい食蜂さんw

    細かいけど、確かエツァリの一人称って「自分」じゃなかったっけ?

    656 :

    やっと今日更新か
    たった4日がとてつもなく長く感じた・・・

    657 :

    今日か!楽しみ!

    658 :

    sageてよ
    来たと思ったじゃん

    659 :

    今日の夜10時か……胸が熱くなるな

    660 :

    追いついた
    コスコスみさきちきゃわわ

    661 :

    もうすぐや
    楽しみ

    662 :

    食蜂が布束がメロンパンになった事を知ったらどう思うだろうか…

    663 :

    メロンパンでパワポケ思い出した
    布束さん...

    664 :

    >>655
    確認してみたらそうでした、ありがとうございます

    五分後より投下します
    思ったより書き溜め量が少なくになりましたがご了承ください

    665 = 664 :

    ――調理場


    ――ガラガラ


    食蜂「おはよう、土御門さん」

    舞夏「おっす食蜂、ぴったり開始時間十分前か」

    食蜂「そりゃあ、私が頼んだ側だしぃ」

    舞夏「殊勝な心がけだな。エプロンと三角巾は持参したか?」

    食蜂「ええ、料理部の子から借りてきたわよぉ」

    舞夏「うーい、ならちゃっちゃと着用してくれー」

    食蜂「はーい」ファサ

    食蜂(ええっと、腰でリボン結びすればいいんだっけぇ? 小学校以来で全然思い出せないわねぇ)

    食蜂「……こ、こんな感じで大丈夫ぅ?」クルリンッ

    舞夏「んー、少し結び目が緩んでるなー。ちょっとそのままでいろー」スッ

    食蜂「え、ええ、わかったわ」

    666 = 1 :

    舞夏「ん、こんなところか」

    食蜂「あ、もうできたの? 動いても平気かしら?」

    舞夏「問題ないぞ。ひとまず、もう一度さっきのように回ってくれるかー」

    食蜂「え? ……ええ、構わないけど」クルンッ


    ――パシャッ!


    食蜂「」

    舞夏「おっけー。いい土産ができたー」

    食蜂「ちょ、ちょっとぉ! こんなのが私のキャラだと思われても困るんですけどぉ?」

    舞夏「お前のファンに見せるだけだから案ずるなー。メイドの守秘義務は議員秘書よりずっと強固だぞー」

    食蜂「その程度じゃ安心できないじゃなぁい。そもそも、あなたの学校に私のファンなんているのぉ?」

    舞夏「遠くから眺めてる分にはお嬢様然としてるからな。騙されてるやつはかなり多いぞ」

    食蜂「……何気にひどいこと言われてる気がするのだけど」

    舞夏(しかし、エプロンドレスな食蜂か。よくよく考えてみるとこれって相当なレア物だなー)

    舞夏(失血死されても困るし、用法用量を守るよう言い含めておかないとー)

    667 = 662 :

    いいねぇエプロンドレスなみさきち。

    668 = 1 :

    食蜂「あら? 調理器具一式出しておいてくれたのぉ?」

    舞夏「それは、どちらかといえば私の都合。慣れた配置の方が教えやすいからなー」

    食蜂「料理で位置取りなんていちいち考えてるの?」

    舞夏「まな板がどの位置にあるかで手際は大分変わってくる。大量の料理を作る場合、おざなりに出来ない要素なのだー」

    食蜂「そっかぁ。考えてみたら、土御門さんたちはいつも何十人分って料理を作ってるんだものねぇ」

    舞夏「10秒のロスも積み重なれば数百秒だからな。それだけあればおかずが一品増える」

    食蜂「なるほどねえ」

    舞夏「ただ、お前の場合はこれといって時間に押されてるわけでもないからな」

    食蜂「まずは丁寧に、レシピ通りに作ることを心がける、でしょ?」

    舞夏「簡単そうに言うけど、レシピを忠実に再現するのってなかなか手間だからなー」

    食蜂「確かに、量や火にかける時間なんかをいちいち揃えるのは大変ねぇ」

    669 = 1 :

    舞夏「それにしても……」チラ

    食蜂「な、何よぉ?」

    舞夏「正直驚いてる。お前がお弁当の作り方を教えてほしいなどと言う日が来るとは、予想もしなかったからなー」

    食蜂「まぁ、そうでしょうねぇ」

    食蜂(自分自身、こんな心境になるとは思わなかったしぃ)

    舞夏「今更確認するのもあれだが、上条に食わせるつもりなんだよなー?」

    食蜂「……まぁ、そうなんだけど」

    舞夏「それで、ただ腹を満たすだけでいいとか思ってないよな?」

    食蜂「当然よぉ。美味しいって言ってもらえるかが重要じゃない?」

    舞夏「わかった。短い間とはいえ、教える以上はきちきちっとやらせてもらうぞー」

    食蜂「ええ、土御門先生。ご指南のほどよろしくお願いしまぁす」ペコリン

    舞夏「お願いされたー」ビシッ

    670 = 1 :

    舞夏「昔からの格言として、男子を落とすにはまず胃袋からというものがあるが」

    舞夏「上条もその例に漏れず、育ち盛りの男子高校生。生来の不幸も相まって、何かと腹を空かしていることが多い」

    舞夏「なので、あいつに好感を持たせるに当たり、手製の弁当での餌付けというのはかなり有効な方策だと思われる、が」

    食蜂「」ウンウン

    舞夏「ここでひとつネックになるのが、あいつは人並みに料理ができるということ」

    舞夏「コック顔負けというほどではないにせよ、来訪者を料理でもてなすに不足しないくらいの腕はある」

    食蜂「え、と、そうなのぉ?」

    舞夏「少なくとも、未経験者がにわか仕込みで上条以上の味を出すのは、難しいと言わざるを得ないな」

    食蜂「うぅ、あなたの口から直接聞くと、結構厳しそうねぇ」

    舞夏「とはいえ、悲観するほどのレベルじゃない。他人の作った料理というものは、不思議とそれだけでおいしくなるものだしな」

    舞夏「きっちり標準の味を維持すれば十分にダメージを与えられるはずだぞー」

    食蜂「私これからいったい何と戦わさせられるのかしらぁ」

    671 = 662 :

    空腹の原因は不幸以外にもインなんとかさんが主だよなぁ…

    672 = 1 :

    舞夏「ぶっちゃけると、あいつの料理が素人料理の域を一向に出ないのは貧乏してるせいだな」

    食蜂(……私ですら言葉を濁したことを平然と)ヒク

    舞夏「少し言葉が過ぎたか。オブラートに包んでいうなら、使う食材が貧相でしかも変わり映えしないからだ」

    食蜂(どうやらそのオブラートには穴があいているようねぇ)

    舞夏「それだったら、あいつが普段あまり口にしない物を食べさせればいい、という結論に落ち着くわけだが」

    舞夏「高級食材を使うというのは如何にもオリジナリティに欠けるので却下」

    舞夏「身近にある割に、意外と男が自分で作らない食べ物。それを絡めたお弁当を作るのだー」

    食蜂「話はわかったけどぉ、料理初心者ほやほやの私にどこまでできるのかしらぁ」

    舞夏「できなくともやらせるからそこは安心しろー」

    食蜂(……解釈の仕方次第ではとても怖い物言いね)ンー

    食蜂(確かに、不慣れな料理なんてやめて誰かに代理で作らせちゃうという手もなくはないけど)

    食蜂(今回だけは、うん、気持ちの問題ね。罪滅ぼしと、恩返しを兼ねてるんだし)

    673 :

    順調に乙女してるみさきちかわいい

    674 = 1 :

    舞夏「あぁ、ところで、出しておいた宿題はやってきたか?」

    食蜂「もちろんよ。お借りした料理の教習本読んで、自分なりに献立考えてきたわぁ」

    食蜂「オーソドックスに炊き込みご飯と唐揚げ、それからポテトサラダを添えようかと」

    舞夏「確かに定番だが、少し面白味には欠けるなー」

    食蜂「べ、別に面白くする必要はないと思うケド」

    舞夏「そうか? 三食そぼろでハートを作ったりLOVEって書いたりとか、考えなかったか」

    食蜂「やらないわよぉ。そういうキャラじゃないし、普通でいいの。ううん、普通がいいの」

    舞夏「んー、蓋を空けたときの上条の顔が色々想像できて楽しそうだと思うんだが」

    食蜂「楽しい以前にこっちが恥ずかしいじゃないのよぉ」

    舞夏「そんな食蜂の顔を想像する楽しみも出来て二度おいしいじゃないか」

    食蜂「それって土御門さんの楽しみでしょう!?」

    675 :

    まあ中身はドス黒いマジキチ犯罪者だけどな

    676 = 1 :

    舞夏「さておき、外で食べるならおにぎりの方が都合がいいな」

    食蜂「つまり、炊き込みご飯でおにぎりを作るってこと?」

    舞夏「コンビニではしゃけ梅ツナに並んで鶏五目は定番だ。自前で作ると味も格別だぞ」

    食蜂「へぇ、そうなんだぁ」

    舞夏「炊き込みの具材は検討したか? 鶏肉、アサリシジミ、鮭や鯵、キノコや山菜などベースは多々あるがー」

    食蜂「そのことなんだけど、上条さんって嫌いな食べ物はないのかしら」

    舞夏「口に入れるものを選べるほど優雅な暮らしはしてないはずだから安心しろー」

    食蜂(……そうよねぇ、ケチャップの使い方に突っ込みいれるくらいだもの)ハァ

    食蜂「なら質問を替えるわぁ。上条さんの好きな食べ物ってなぁに?」

    舞夏「悪食という意味合いではなく、出した料理に対しては常に食いっぷりがいい印象だが?」

    食蜂「ふぅん、好き嫌いがないのねぇ」

    舞夏「『何が食べたいか』と聞けば『何でもいいぞ』と返す困ったちゃんでもあるー」

    食蜂「あー、ふふっ、確かにあの人ならやりそうねぇ」

    677 = 1 :

    食蜂「それじゃあ、鶏肉、椎茸、油揚げ、人参、ゴボウ。この五点でいい?」

    舞夏「あまり入れすぎても形を保ちづらくなるからな。重要なのは素材の旨味をご飯に染み込ませることだ」

    食蜂「あ、ねぇ、どうして炊き込みご飯っていうと鶏肉なのかしら。牛でも豚でもよさそうなものだけど」

    舞夏「あぁ、それについては明確な理由があるぞ」

    食蜂「たとえばどんな?」

    舞夏「肉に含まれる脂肪の融点だ。牛の脂肪は50度以上にならないと溶け出さない」

    食蜂「えー、そんなに高いのぉ?」

    舞夏「人の口腔内の温度はせいぜい40度止まり。口に入れても脂が溶けないから炊き込みご飯以前に弁当には向かない」

    舞夏「それから牛ほどではないにしろ、豚の脂肪も33~46度と融点は高めだ」

    舞夏「だから、調理した豚肉や牛肉が冷えると白い油脂が表面に付着することがあるだろ?」

    食蜂「あるあるー。あぁ、だから食感がよろしくないというワケなのねぇ」

    678 = 662 :

    勉強になるなー

    679 = 1 :

    舞夏「たとえばコンビニ弁当なんかは、レンジで温かくして食べられるから品目としてもありなんだが」

    食蜂「冷えたままだと本来の味を損ねちゃうのね」

    舞夏「口腔内の温度は体温とあまり差がない。だから、特に牛料理は温めて食べないと肉特有の脂の甘さを感じられない」

    舞夏「そういう理由から、牛や豚の脂は人の中に溜まりやすい。なかなか溶けださないから当たり前だな」

    食蜂「納得ぅ。ちなみに、鶏肉の融点は何度くらい?」

    舞夏「30~32度。だからお弁当には、口に入れたときに味が変質しにくい鶏肉が定番というわけだ」

    食蜂「なるほど、盲点だったわぁ。油の溶けだす温度かぁ」

    食蜂(言われてみれば、ハンバーグや牛丼なんかは冷めると他の肉料理と比較して美味しさの損耗力が半端ないわねぇ)

    舞夏「温かいがご馳走とは、至言だと思う。昔の人は構造を理解できないまでも、本質で物事を捉えてたんだと感心するな」

    食蜂(っていうか、メイドって凄いわねぇ。こんな知識をいちいち拾ってるんだものぉ)

    680 = 658 :

    なるほど
    じゃあ今度から弁当には鶏肉を入れよう

    681 :

    上条がしいたけさんのしいたけをおいしくいただくと聞いて

    682 = 660 :

    あれ、これなんのスレだっけ…

    683 = 1 :

    食蜂「それじゃあ、次は唐揚げね」

    舞夏「一応聞いとくけど、作ったことは?」

    食蜂「ないんダゾ☆」エヘン

    舞夏「胸を張られても私は男じゃないのであまり喜べないー」

    食蜂「普通に威張るなって突っ込みが入るかと思ってたのにぃ」

    舞夏「ときに食蜂。お前、年齢を疑われたりしたことないか?」

    食蜂「……まぁ、一度くらいはあるかもだけど」

    舞夏「だろうなー。私にそれくらいの大きさがあれば、色々できるだろうなー」

    食蜂「と、唐突に何を言い出すのよ?」

    舞夏「重要なのは何を、誰に、といったところだな。さ、レシピの解説を始めるぞー」

    食蜂(……覗きたいような、覗きたくないような)

    684 = 662 :

    >>680
    温めない弁当にトンカツとかよりも唐翌揚げが多い理由を理解した。

    685 :

    ためになるなー

    686 = 1 :

    舞夏「よし、レシピの確認は終了だ」

    食蜂「わかったわ。ところで、もうそろそろ十分経つけどぉ」チラ

    舞夏「そうしたら炊飯器の蓋を開けて、上に乗っている具材をざっと混ぜ合わせる」

    舞夏「一応、蒸気口で火傷しないように注意しろよ」

    食蜂「了解よぉ。……う~ん、いい匂い☆」

    舞夏「常盤台の炊飯器は優秀だから、具と調味料だけ調整すれば問題ない」

    舞夏「握る分だけ皿に取り分けとこう。冷めるのが若干早くなるし」

    食蜂「って、これを握っちゃうの? すっごく熱そうなんですけどぉ?」ホカホカ

    舞夏「実際熱いぞー。まあ慣れないうちは無理せずに、少し冷ましてからやればいい」

    食蜂「ただおにぎりを握るのがこんなに大変だなんて」

    舞夏「コンビニのおにぎり製造機は革命的な発明だと思うぞ」

    687 = 1 :

    舞夏「そうそう、炊き上がったご飯は米粒をつぶさぬようしゃもじで丁寧に混ぜ合わせる」

    食蜂「えっと、腐敗防止のために寿司酢を少々……少々ってどれくらい?」

    舞夏「酢飯を作るわけじゃないから大さじ二杯で充分だな。後は両手を冷えた塩水に浸して、ご飯をこうやって」ヒョイ

    食蜂「こ、こう? って、熱っつぅ!」バッ

    舞夏「こらこら、お前はまだやるな。もう少し冷めてからと言っただろ」

    食蜂「何なのこれぇ、触れないじゃなぁいッ! レシピ間違ってるんじゃないのぉッ!?」

    食蜂(っていうか、何で土御門さんはこんなの握れるのよぉ!)

    舞夏「だから、最初は誰でもそうなるって」パッパッ

    舞夏「手早く、皮膚に熱が伝道しない内に、反対の手に放り込む、その繰り返し」ギュッギュ

    食蜂「て、手早くったって、ううっ、熱っ! あっつうぃっ!」ポロポロ

    舞夏「ご飯零してる零してる」

    689 = 1 :

    舞夏「軽いやけどだな。ちゃんと冷やしとけー」

    食蜂「うぅ、ヒリヒリするぅ。絶対これ、後で手の皮が剥けちゃうわぁ」ジンジン

    舞夏「辛うじて形になったのは一個かー。ま、ローマは一日にしてならずだなー」

    食蜂「……予定通り唐揚げの習得に進めなかった。どうしよ、このままじゃサラダが」

    舞夏「そうだな、ポテトサラダは断念しよう」

    食蜂「って、ええーーッ??」

    舞夏「サラダは出来合い品との違いを出すのが難しいから、そこに労力をかけるのはもったいない」

    舞夏「彩りと栄養が気になるならミニトマトとオレンジでもあしらっておけばいいだろ」

    食蜂「……なんか、失格の烙印を押された気分」ドヨーン

    舞夏「押してない押してない」

    食蜂「……本当に、三日後までに間に合うのぉ?」グス

    舞夏「案外心配性だなー。いいから大船に乗ったつもりでまかしとけー」

    690 :

    手抜きでいいなら
    お椀を重ねて振るとかラップで包んで丸めるとか
    手はあるんだがなー

    691 = 1 :

    食蜂「……うぅ、汗びっしょりぃ」

    舞夏「慣れないうちはそんなもんだ。あまり気を落とすなー」

    食蜂「……土御門さんって、実は相当凄い人だったのね」

    舞夏「私だって最初は苦労したぞ。今は楽しむことを念頭に、食べてもらいたい人をイメージして何とかやってる」

    食蜂「イメージ……」

    舞夏「誰かに美味しい物を作るには、相手が実際に食べてる場面を想像するんだ」

    食蜂「……ええっと」

    食蜂(私の場合は、上条さんが食べてるところを、ってことよね。理屈はわかるけど)ウーン

    舞夏「普段から料理をしてないんだし、いきなりは難しいかな」

    舞夏「百聞は一見にしかずだ。私が今考えていることを覗いてみればいい」

    食蜂「……どれどれ?」

    692 = 1 :

    ――ドドーンッ!


    上条『……すげ、これ全部、お前が作ってくれたのか?』

    食蜂『そうよぉ、ありがたく頂戴しなさぁい』シレッ

    上条『じゃあ早速――うわっ、このおかず滅茶苦茶うまいな!』パクパク

    食蜂『ふぅん、そう? なら、作った甲斐も少しはあったかしらね』

    上条『ホントありがとうな、食蜂』

    食蜂『まったく、こんなので喜ぶだなんて、悲しいまでに安い人ねぇ』

    上条『そうかな。毎日お前の料理が食べられたら、どんなに幸せかと思うけど』

    食蜂『上条さんったら、そんなこと言ってると、いずれ誰かに勘違いされちゃうわよぉ?』

    上条『俺が勘違いして欲しいのは、いつだってお前だけだぜ』

    食蜂『えっ――か、上条さん///』


    食蜂「ストップ! ストーップよぉ!///」ジタバタ

    舞夏「なんだー、ここからが盛り上がるところなのにー」

    694 = 1 :

    食蜂「そんな展開有り得ないしぃ! っていうか私そんなに艶っぽい声出さないわよぉ!」

    食蜂「それにそれに、私あの人にはそこまで見下した言い方しないし――」

    舞夏「どぅどぅ、かかりすぎだぞ。ショクホーミサキ」

    食蜂「きょ、競走馬みたいな言い方しないでくれないかしらぁ?」

    舞夏「ちっちっち、あながち無関係でもないんだな、これが」

    食蜂「……ハ、ハァ? どういうことよぉ?」

    舞夏「想像しろー。天候は曇り、馬場はやや重、お前の前にはライバルの先行馬がわんさかいるー」

    食蜂「……え? ええと?」

    舞夏「出遅れたお前は明らかに不利。最後の直線400メートルで末脚を発揮するには力を溜める必要がある」

    舞夏「生半可な根性じゃ上条記念は勝ち残れないぞー。最近は手強い外国産駒も多いからなー」

    食蜂「……要するに、上条さんって競争倍率高いってことぉ?」

    舞夏「お前が思っているよりはなー。もちろん、お前にそういう気が毛筋ほどもないというなら、余計なお節介だが」

    食蜂「…………」ムゥ

    695 = 662 :

    ほんとうなら、みさきちが一番最初に(ヒロインの中では)ツバつけていたんだがなぁ……記憶喪失ぇ……

    696 :

    >>695
    いやいやわからんぞ?かまちーのことだから、さらに前にだな…

    697 = 1 :

    食蜂「なんか、うまくはぐらかされた気がする」

    舞夏「うまくはぐらかせた気がしないでもない」

    食蜂「……まあいいわ。今肝心なのは料理の出来なんだし」

    舞夏「今度の日曜日までには間に合わせたいところだな」

    舞夏「素材の厳選は、いきなりは難しいと思うが」

    食蜂「それこそ、健全な能力の活用法じゃない?」

    舞夏「なるほど。さっきのたとえ話も、発奮材料くらいにはなったみたいだな」

    食蜂「気があるかはさておいて、戦う前から逃亡なんて私の性に合わないし、それに――」


    食蜂(私は決して、出遅れてなんていないはずだもの)


    舞夏「ま、そのやる気が三日続けば問題ないな。私も出来る限りフォローしてやる」

    食蜂「ええ、頼りにしてるわぁ」ニコ

    698 :

    御坂さん家ご近所だし
    過去になにかあっても不思議ではない

    699 = 1 :

    ――最終日


    舞夏『本当にすまん。まさかこんなことになるとは』

    食蜂「ううん、散々無理を聞いてもらっていたんだし。お兄さんも、好き好んで入院したわけじゃないでしょう?」

    舞夏『そう言ってもらえれば少しは救われるが、弁当の方は一人で平気か?』

    食蜂「一応、おにぎりも見栄えが悪いなりに握れたし」

    食蜂「唐揚げも温度の管理力と引き揚げのタイミングさえ誤らなければ大丈夫」

    食蜂「……だと思う」

    舞夏『自信持てー。この三日間、本気で頑張ってたんだから』

    舞夏『お前は常盤台中学で、土御門舞夏直伝のおにぎりを作れる唯一の女生徒なんだぞー』

    食蜂「わかってる。何とか足掻いてみせるわぁ」

    舞夏『くれぐれも、包丁と皮むき器使うときは気をつけてなー。どっちかといえばそっちが心配だー』

    食蜂「ありがとう。お兄さんの怪我、早く良くなるといいわね」

    700 = 1 :

    ――パタン


    土御門「いいのか? 約束破るのはあまり感心しないぜい?」

    舞夏「怪我で入院したことを大切な妹に黙っている兄貴よりマシだろ」ジト

    土御門「お、怒ってんのか?」

    舞夏「この声と、この顔を見ればわかると思うが」プクー

    土御門「いやぁ、そんなに大した怪我じゃねえから心配させるのも悪いかと」

    舞夏「兄貴はいっつもそれだな。いくら再生能力が早いからって苦痛は普通に感じるはずじゃないか」

    土御門「……わ、悪かったよ」

    土御門(……ったく、恨むぜぇカミやん。余計な気ぃ回しすぎだっつうの)

    舞夏「……この分じゃ、また一緒に暮らした方が――」

    土御門「んなの駄目に決まってるだろ! せっかく繚乱に入れたんじゃないか」

    舞夏「ならもう少しご自愛しろ。バカ兄」ギロ

    土御門「わ、わかった。そう睨まないでくれって、まじ凹むだろ」


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