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    元スレ食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」

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    251 = 1 :

    寮監「では、常盤台中学の正門から学生寮まで、下校時のみの護衛ということでいいかな」

    上条「了解です。明日から下校時刻に常盤台中学前まで行けばいいんですね」

    食蜂「それじゃあ、別室である程度段取りを決めましょうか、上条さん」

    上条「……いや、でも、いいのか?」

    寮監「外来受付の向かいの会議室が空いてる。そこを使ってくれて構わん」

    食蜂「わかりにくいですから案内します。さ、行きましょう」ギュッ

    上条「わ、わかった。それでは先生、失礼します」

    寮監「ああ、彼女をよろしく頼む」


    ――バタン


    上条「……ふぅ、さすがに緊張したぜぇ」

    食蜂「…………」

    上条「……何つうか、お前も災難続きだよなぁ。ま、この件に関しては俺も出来る限り協力を――」

    食蜂「ぷ…くっ……くく」カタカタ

    上条「」

    食蜂「そ…その格好、すっごく、お、お似合いよぉ?」フルフル

    上条「ぬぐッ、くっそッ! どうせんなこったろうと思ったんですよッ!」ウガァ

    252 = 1 :

    食蜂「ハー、ハァ……ぁー、苦しかったぁ」

    上条「やっと収まったか……ったく」

    食蜂「耐えてた分の反動がきつかったわぁ。あんなに笑ったのいつ振りかしら」

    上条「あーそうですかそうですか。笑いを提供できたようで何よりですよ」フンッ

    食蜂「こーらぁ、男の子ならそれくらいでイジけちゃダメなんだゾ☆」

    上条「年下が何言ってんだか。つうか別に怒ってねぇし」ムス

    食蜂「んもう、上条さんだってぇ、昨日家を出る時に私をからかったじゃない?」

    上条「あれは単にお前のことが――」

    食蜂「……?」キョトン

    上条「……あー、もういい。何言ったってからかわれるネタを提供するだけだかんな」プイ

    食蜂「ちょ、ちょっとぉ。そこまで怒ることないじゃない?」オズ

    上条「今更上目遣い何かされたって、ちっとも心に響きません」

    食蜂「あぁ、ひっどーい! 何よぉ、嬉しかったって言ったのは本心なのに――」


    御坂「――あ、あんた、こんなところで何やってんの?」


    上条「……うん? げっ、み、御坂!?」

    253 = 1 :

    御坂「っていうか、アンタと食蜂が一緒ってどういう取り合わ――ぶっ」

    上条「」

    御坂「……あはっ、あはははッ、な、何なのよその格好! 新手のギャグに目覚めたとか!?」

    御坂「衣裳にっ、衣裳に着られちゃってる! あはッ、あのアンタがタキシードとか、あは、有り得なあはははッ!」ケラケラ

    上条「……ぬぐっ、てめえもか」

    御坂「ま、まさかアンタ、以前私の部屋に忍び込んだときも、はっ、そ、その格好で来たわけ?」プクク

    食蜂「」ピク

    上条「んなわけあるかッ! 一応白井には許可取ったぞ!」

    御坂「あはっ、……痛っ、ふ、腹筋つっちゃった、じゃない! あはっ、いったぁ、ど、どうしてくれんのよ」ビクビク

    上条「知るかっ! てめぇいくら何でもウケすぎだろッ!」

    食蜂「そうよ、いくらなんでも失礼だわ。彼の格好、そんなにおかしい?」

    御坂「あははは…………はひぇっ?」

    上条「そ、そうだそうだ! もっと言ってや……てっ」

    食蜂「上条さんには、『私のために』わざわざこうしてご足労いただいてるの」

    食蜂「その彼にこれ以上不躾を働く気ならぁ、こっちにだって考えがあるわよぉ?」

    上条「オイオイ、誰かさんもついさっきまで盛大に笑ってませんでしたか」

    254 :

    悪いけどageさしてもらう

    255 = 1 :

    御坂「は……はぁ? 誰が誰のためにですって?」

    食蜂「野性力旺盛な御坂さんには一生縁のない悩みでしょうけど、私はこの通りか弱い乙女なんで傍で守ってくれる人が必要なの」

    御坂「うわっ、か弱いとかどの口が言っちゃってんの? あんたのゲスい能力があれば、敵なんてないに等しいじゃない」

    食蜂「ゲ……っ、こっちは繊細で戦略的な能力なんですぅッ! とりあえず雷撃ぶっ放しとけばいいか的な暴力女とは勝手が違うんですぅッ!」

    御坂「だ、誰が暴力女だゴラァッ! ていうか、周囲に被害をもたらさないよう高電圧を完全制御するのがどんだけ難しいと思ってんのッ!?」

    上条「お、おい、二人ともこんなところで喧嘩は――」

    食蜂&御坂「あなた(アンタ)は口を挟まないでッ!」

    上条「……はい」


    ――ざわ……ざわ……


    見物客A『ほら、見て見て? 御坂様と食蜂様よ?』

    見物客B『まぁ、お二人と同時にお会いできるなんて!』

    見物客C『ねぇ、ところであの礼服を着ているのって――』

    見物客D『ええっ、何でここに殿方が!? ちゃ、ちゃんと入寮許可を得てるのかしら』


    上条(って、ま、まずい。いつの間に野次馬が)

    上条「……あぁ、す、すんません。はい……はーい、ちょっと通してくださいー」コソコソ

    256 = 1 :

    御坂「大体なんでアイツがアンタみたいな性悪と親しげにしてるワケ!?」

    食蜂「誰が性悪ですってぇ!? そっちこそ部屋に入れたとか入れないとかどういう関係よぉ!?」

    御坂「わ、私は別にッ! その、アイツとは何も……」ゴニョゴニョ

    食蜂「あらそぉ、特に親しい仲ではないってわけね? だったら口出しされる謂れもないはずよねぇ?」

    御坂「そっ、それとこれとは話が別でしょッ!」

    食蜂「って、なぁにぃ? 御坂さんってば、もしかして上条さんみたいな人が好みのタイプぅ?」

    御坂「ば、ばばば馬鹿言ってんじゃないわよッ! 誰がそんなこと!///」

    食蜂「やだぁ、顔が耳まで真っ赤よぉ? ほんっと、あなたってわかりやすいわねぇ」

    御坂「んだっ、だから違うって言ってんでしょうがぁっ!///」

    257 = 1 :

    食蜂「一点誤解しないでほしいんだけどぉ、これって理事会から降りてきた指示なのよねぇ」

    御坂「な、何ですって?」

    食蜂「だからあなた一人がどう騒ごうと決定は覆らないの! それがわかったら――」


    寮監「――現在進行形で」


    食蜂&御坂「」ビクッ

    寮監「十に近い寮則に抵触している君らに訊こう」ギラ

    食蜂&御坂「」クルッ


    ――ゴゴゴゴゴ……


    寮監「――反省文5枚提出と仲直りヘッドバット5回、どちらがお好みだ?」ギラ

    食蜂&御坂『はっ、はは、反省文で』ガクブル

    258 :

    ――廊下


    寮監「まったく、先ほどの醜態ときたらなんだ。お前たち、それでも栄えある常盤台の生徒か?」

    御坂「す、すみません。ついカッとなって」

    食蜂「は、反省してますぅ」

    食蜂(……はぁ、私としたことが。今日中にみんなの記憶を書き換えとかないと)

    御坂「そういえば、アイツはどこに」

    寮監「……上条君ならとっくに帰宅したぞ? 取り込んでいるようなので明日からよろしく、と言伝を頼まれた」

    食蜂「ええっ、もう帰っちゃったんですか?」

    寮監「放置された上にあのような光景まで見せつけられれば、誰だって帰りたくなるだろうさ」

    食蜂「……ど、どーしてくれるのよぉ! 愛想尽かされちゃってたら御坂さんのせいよぉ?」

    御坂「はぁ!? 元はといえばアンタが変ないちゃもんつけてきたんじゃない!」

    寮監「……これっぽっちでは罰が全然足りないという意思表示か。勇敢なことだな」

    食蜂&御坂『と、とんでもありません』

    御坂「って、何で真似すんのよ」ボソッ

    食蜂「こっちの台詞ですぅ」ボソッ

    259 = 1 :

    ――バタン


    御坂「うわぁ、もう22:00かぁ。お風呂入って寝るくらいしかないじゃない。とんだとばっちりだわ」

    食蜂「お互い様でしょ。恨み節なら心の中で呟いてくれない?」

    御坂「……とことん、可愛い気のない女ねぇ」

    食蜂「あなたに可愛いなんて思われたらそれこそさぶいぼが立つわぁ」

    御坂「あーそーですか。――んで、どういうコトかしら?」

    食蜂「それは、私に護衛がつく件について? 上条さんが関わってきたことについて?」

    御坂「この際、アイツのことは後回しよ。何でアンタが狙われてるの? 誰かから恨みでも買ったわけ?」

    食蜂「同じレベル5なんだから百も承知でしょうけど、私たちは学園都市のありとあらゆる感情の的よ。今回に限った話じゃないわ」

    御坂「――なるほど、ね。それで、あんたは今後どうするの?」

    食蜂「どうもこうも、食いつくのを待つだけよぉ? くだらない騒ぎに巻き込んでくれた礼をたっぷりとしてあげなきゃねぇ」

    御坂「……、」

    食蜂「……何?」

    御坂「……いや、それって何か、らしくなくない?」

    260 = 1 :

    食蜂「らしくない? らしさなんてものを理解してもらえるほど親しくなった覚えはないわよぉ?」

    御坂「…………」

    食蜂「ま、あなたの方は幾分救われたみたいねぇ。祝福してあげないでもないわ」

    御坂「……救われたって、一体何の」

    食蜂「そうねぇ、たとえば――――量産型能力者(レディオノイズ)」


    御坂「――――」


    食蜂「ほーんと、樹形図の設計者(ツリーダイヤグラム)とはよく言ったものよねぇ? 切っても切っても埒が明かない」

    食蜂「あらゆる計画(プラン)が枝分かれして際限なく成長していき、絡まり合い、知らぬ間に元の鞘に納まってる。いい加減、疲れるのよねぇ」ファサ

    御坂「――あ、あんた、どこまで知ってっ」

    食蜂「なぁに? 引き金引かされたのが自分一人だけだとでも思ってた? だから、あなたはおめでたいっていうのよ」ガチャ

    食蜂「まぁでも、重荷が減ったことは喜んでいいんじゃない? またいつどこで誰に背負わされるかはわからないケドねぇ」

    御坂「……」

    食蜂「それじゃ、私はここだから。おやすみなさぁい、御坂さぁん」ニコ


    ――バタン


    御坂「…………冗、談」

    御坂(あれが――あれだけの悲劇が)

    御坂(枝葉の一つに過ぎなかったっていうの?)グ

    261 = 1 :

    本日分は以上になります
    次回は学び舎の園&プチデート編、少し長くなるかも知れません

    262 :



    いいね、面白い

    264 :


    素晴らしかった

    265 :



    みさきちが生き生きしてて面白い
    次も楽しみにしてる

    267 :


    乙でした!!!

    素晴らしいとしか言い様がない!次回も今から楽しみです!

    268 :

    おつ

    269 :


    美琴とみさきちって確か違う寮だったはずだけど物語上そっちのが都合がいいから改変したのか?まあ改変だろうと勘違いだろうと面白いからこっちで勝手に脳内補完するけど

    270 :

    乙です。
    面白いなら長さは気にならない、むしろ長く楽しめて嬉しい位だな、……自分も上黒早く続き書かなきゃなぁ。

    271 :

    いつも思うが原作の設定云々うるさいやつがSS読むのっておかしいよな

    272 :

    物によるんじゃね

    273 :

    設定が違う! 叩く! ってんでもない限り気にならんけどな
    純粋にアドバイスとか、何かの伏線だと思って話題に出す奴もいるだろうしね

    274 :

    学舎の園での上条さんへの好奇な視線とかはみさきちが能力使えば解決するけど当の上条さん自身が乱用を認めないよな、きっと。

    275 :

    乙ー!!
    さあこれからどうなっていくやら

    276 :

    上条さんとみさきちの距離感近づいて美琴がぐぬぬ……うん、いいね(満面の笑み)

    277 :

    多くの乙&ご指摘感謝です、寮は原作の知識不足による盲点でした(意訳:二つあった……だと?)
    この先については、設定と伏線に致命的な差異がないこと
    寮までが学舎の園にあるとすると二人の接点が原作同様少なくなってしまうこと
    そもそも食蜂の寮についての情報が少なすぎることを考慮し
    if設定のままでいきます、ご了承ください

    278 :

    いいのいいの

    279 :

    次の投下は何日後ですか?

    280 = 1 :

    5/23、22:00の予定ですが一日前後するかも知りません
    よろしくお願いします

    281 :

    >>280
    前後するということは前倒しもあり得るんですよね!!
    まぁお前さんのペースで書くのが一番だけど、読者の一人としては一刻でも早く続きが読みたいと思ってるって事を伝えとくぜ

    282 :

    いや、作者のペースにおれらが合わせろよwww

    283 :

    大人しく待とうやないの。

    284 :

    >>280
    待ってる!

    285 :

    >>1が早く来る可能性も示唆したから、早く続きが読みたいという気持ちを伝えただけなのにホントここの住民は過保護過ぎ

    286 :

    みさきちかわいいよみさきち

    287 :

    みんな上条×食蜂だなー。自分もだよ!!

    288 :

    >>287
    新約7巻の影響は大きいね~
    原作とかで接触すると二次創作SSの方でも絡ませ易くなるし!
    それにしても、みさきちは過去に上条さんと何があったんだろうか?

    289 :

    過去にみさきちのクローンがなんたらかんたら…という事が

    290 :

    >>289
    美琴よりも(胸に)夢の詰まってそうな計画だな

    291 :

    死んだ椎茸の目をしたクローンたち……、ありだな

    292 :

    >>241 訂正
    食蜂(いけない、午前中から始まっていたのわねぇ。でも、白井さんがいるなら特には――)ガチャ

    いたのわねぇ→いたのねぇ


    予告通り、本日22:00より投下します。よろしくお願いします

    293 :

    全裸待機

    294 :

    楽しみ!!

    295 :

    おk
    明日が楽しみだ(仕事の都合で10時に見れない事を嘆きながら)

    296 = 1 :

    お待たせしました、投下開始します

    297 = 1 :


    ――学習障害?


    『頭の病気の一つでね。文字の読み書きが出来なかったり、計算の段取りが理解できなかったりと様々な症状がある』


    ――なんだか大変そう。


    『そうだね。多くは先天的なものだが、交通事故などによってなってしまう場合もある。今も大勢の患者や、そのご家族が苦しんでいる』


    ――それが、治せるようになるの? 私がおじさんたちに協力すれば?


    『君の稀有な能力を開発し、その仕組みをきちんと解明することができれば、より大勢の人を救える医療機器が作れるはずだ』


    ――医療、機器。


    『学習装置とでも呼ぶべき代物だ。それが実用化された暁には、我々の未来はとても明るいものになるだろう』


    ――おじさんたちは、その、ガクシューソーチってやつを作ろうと頑張ってるの?


    『その通り。ただ、残念ながら我々だけでは力不足でね、どうしても君の力が必要なんだ』


    ――私が、必要。

    298 = 1 :

    『動物実験だけでは最早限界なんだ。試行錯誤を重ね、みんなに安全な技術を届けるために力を貸してほしい』


    ――本当に、私なんかに、そんなことができるのかな?


    『出来るさ。学力や記憶力の向上はもちろん、現代病と呼ばれる躁鬱や重度のPTSDすら克服できるようになるかも知れない』


    ――もしそうなったら、みんな私のことを受け入れてくれるのかな?


    『もちろん、すごく感謝してくれるさ。そのために、学園都市もバックアップを惜しまないことを約束する』


    ――う、うん。


    『それに、亡くなった君のご両親だって大いに喜んでくれるだろう』


    ――ッ!


    『頼む、我々の研究に協力してくれないか?』


    ――わかった、私、頑張ってみる。

    299 = 1 :

    ――――…………



    ――さん、食蜂さん!


    食蜂(う……うぅ…………やめ……て……)


    ――っかりして、食蜂さんッ!


    食蜂(……違う、違うの、……私、そんなつもりじゃ……――――)


    ???「――食蜂さんッ!」

    食蜂「――はッ!」バッ

    ルームメイト「いきなり起きちゃだめ。ゆっくり息を吸って、吐いて」

    食蜂「は……はぁッ…………はぁ」ツー

    ルームメイト「……悪い夢でも見てたの? あなた、さっきからずっとうなされてて」

    食蜂(……ッ、完璧、見られちゃったわねぇ)ゴシゴシゴシ

    300 = 1 :

    ルームメイト「……今かかりつけ医を呼んでくるから、少し待ってて」

    食蜂「……いえ、大丈夫です」

    ルームメイト「誰が見たって大丈夫じゃないわよ。すごい汗かいてるし、つい先日も熱出したばかりでしょう?」

    食蜂「本当に大丈夫ですから。すみません、ご心配をおかけして」スッ

    ルームメイト「……少し疲れが溜まってるんじゃないの? 今日は無理せず安静にしてた方が」


    ――ピッ!


    ルームメイト「」ピクン

    食蜂「――朝っぱらから使う羽目になるなんて、幸先悪いわねぇ」スタスタ

    食蜂「ふぁ……ぁ。……さてっ、早く顔洗わなくっちゃ」ガチャ


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