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    元スレ食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」

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    901 :


    続きが気になって仕方ない……
    後、投下中に予想書き込むのはやめて欲しい

    902 :

    おい面白いぞ

    903 :

    乙ー!! 続きが気になるじゃねえかよぉおおおおおおおおおおおおお!!!

    しかしノータイムで殺りにくるとは……
    て考えてたら相手は「メロンパンさえあればいい」な考えの持ち主だしなぁ(布束さんとか)
    無事でいてくれ、みさきちと上条さん!!

    904 :

    乙です!

    ここ最近の禁書ssの中じゃ一番面白いです!
    更新がもう楽しみで!

    ところで次スレまで行きますかね?

    905 :

    だからあげんな
    >>1が来たのかと思う

    906 :

    別にsageは義務じゃねーんだよ
    お前みたいな俺ルールを押し付けるキチガイsage厨がウザいから推奨してるだけじゃ

    907 :

    しかも、ここの>>1はageない。
    ゆえにageってる時は確実に>>1の来たときじゃない。
    ソレぐらい読んでてわかんねーのかね?

    908 :

    上がったばっかりに嵐に目を付けられて大変なことのなっているスレもあるけどね

    909 :

    仲良く待とうや

    911 :

    >>904
    次スレ行きは確実です(次回が終わったら誘導ですかね)
    既にラスト二種以外の書き溜めが尽きてますので憶測になりますが、2レス目の半分までは消化するはずです

    あと、前作では戦闘が少なかったので見送ったんですが、戦闘シーンのみ地の文を入れようか迷い中
    今回魔術側の敵もいるので、台本形式だとどうしても説明台詞が多くなってしまうんですよね

    912 :

    面白いのにゴミ共の雑談が多すぎる

    913 :

    >>911
    無問題ですよー。
    てかラスト2種って何なんですかー!?
    ハッピーエンドと後日談?

    915 :

    >>911
    おお!
    楽しみに待ってます!!

    916 :

    今日が更新日だぁ!!!楽しみだ

    917 :

    気ままにまちんぬ

    918 :

    遅ればせながら帰宅しました、五分後に始めさせていただきます

    919 :

    お疲れ

    921 :

    おお!待ってたぜ~

    922 = 915 :

    楽しみなのよな!

    923 = 1 :

    上条「――つッ、うッ!」ガクン

    食蜂「……ッ」

    の子「――ジャマシナイデ」グリッ

    上条「――イ゛ッ、こ……んのッ!」バシッ

    の子「――ッ!」ドサッ


    ――カララン


    食蜂(……ナイ……フ……? ……う、嘘、刺されたの!?)

    食蜂「や、やだっ、上条さんッ!」ダッ

    上条「落ち着けッ!」

    食蜂「――ッ」ビクンッ

    上条「……大丈夫だ。脚だし……子供の力じゃそれほど、深くは……」ポタポタ

    食蜂「で、でも、血が……血――」オロオロ

    上条「後で止血すればいい! それより早く、その子の洗脳を――」チラ

    食蜂「え……、あっ」バッ

    の子「……、」ググ


    ――ピッ!


    の子「――――ッ」ビクン

    の子「……あ、あれ? お父さんとお母さんは――」キョロ

    924 = 1 :

    食蜂「……どうやら、通じたみたいね」ホッ

    上条「あぁ。その、いきなり怒鳴っちまって悪かった」

    食蜂「ううん、完全にテンパってたし、むしろああしてくれて助かったわ」フルフル

    上条(……頭から抜け落ちてた。まさか来園した子供を、平然と巻き込むなんて)

    上条(いや、それよりどういうことだ)

    上条(躊躇なく仕留めに来るなんて。食蜂を死なせたら目的は果たせないはずなのに)

    食蜂「……よかった、動脈は傷ついていないみたい」サワサワ

    上条「……って、ちょ、食蜂さん?」

    食蜂「そのままじっとしてて、動いちゃ駄目よぉ」シュルッ

    上条「お、おい。その長手袋、まさか」

    食蜂「包帯の代わりにするわぁ。今まで付けてたやつだからあまり清潔じゃないかもだけど」クルクル

    食蜂「背に腹は代えられないものね。後で感染症になったら謝るから」

    925 = 1 :

    食蜂「……ん、こんなところかしら」

    上条「確かに、太ももに巻くとなるとハンカチじゃ届きそうにないな」

    上条「……ごめん、これ、後で必ず」

    食蜂「~~~ッ、そんなことより自分の心配をしてってばぁっ!」

    上条「お、おぅ、そうだな」

    食蜂「……失態だったわ。まさかあんな古典的な手に引っかかっちゃうなんて」シュン

    上条「そんなに気に病むなって。このくらいの怪我には慣れてっから」

    食蜂(……このくらいって、どう見たって軽い怪我じゃないのに)

    食蜂(半日常的に、こんな騒ぎに巻き込まれてるってコト?)

    上条「……さしあたっては、あの子をどうするかだな」

    上条(ただでさえこんな状況なのに、護衛対象が増えたらさすがに)チラ

    上条「……って、あれ?」キョロ

    食蜂「あの女の子なら、とっくに走ってどっか言ったわよぉ?」

    上条「へっ? 一人でか?」

    食蜂「あの様子だと、あなたを刺したことも覚えてなさそうだったわねぇ」

    上条「そっか。そんなら良かった」

    食蜂「……ホント、お人好しなんだから」フゥ

    926 = 1 :

    食蜂「さ、上条さん。私の肩に掴まって」

    上条「いや、大丈夫だ。一人で歩ける――つぅッ」カクン

    食蜂「その足じゃ無理に決まってるでしょ! こんな時くらい私を頼ってくれたって――」

    上条「……違う、そういう理由じゃないんだ」

    食蜂「そういう理由じゃないって、どういうことよ!」

    上条「俺に触れている状態じゃ、いざって時にリモコンを使えない」フゥ

    食蜂「…………あ」

    食蜂(そ、そうか、上条さんに触れた状態で能力を使おうとしても、幻想殺しで……)

    上条「……ホント悪い。守るどころか、かえって足手まといになっちまった」

    食蜂「私を庇っての負傷じゃない! むしろ私が地面に頭を擦りつけなきゃいけないくらいよぉ!?」

    上条「す、すまん」

    食蜂「んもぅ、言ってる傍からッ!」プン

    上条「……あー、いや、わかった。とにかく、短い距離なら何とか――」


    ――ザッ!


    来園客たち「――――ニガサン」ダッ

    上条「くそっ、もう新手が来たのか!」

    食蜂「まったく、用意周到なことねぇッ!」バッ


    上条(……子供を平然と道具にする手法といい、説得が通じる相手とは思えない)チラ

    上条(せめて、食蜂の安全だけでも確保しないと)

    927 = 1 :

    ――アンタークティカエリア・オセアニアエリア中継点


    「……くっ!」

    渦巻く木の葉の中心から、風の弾丸が二射、三射と放たれる。
    横っ飛びしてそれらを回避したエツァリが、跳ね起きざまに手に握る黒曜石のナイフを天に向けた。
    金星の光を受けた黒い刃が一際強く煌めき、魔力で象られた不可視の槍が枯葉の中に飛び込む。
    だがしかし、術者の体に届いた様子はない。
    渦を巻く葉の数枚が葉脈だけを残してバラバラになり、風に吹き散らされる様子が目の端に映った。

    「無駄だ。一属性の加護だけでどうこうされるほど私は温くないぞ」

    「……どうやら、そのようですね」

    (派手に動いた手前、仕掛けられるのは想定の範囲でしたが)

    それにしても相性が悪すぎる。
    ナイフを下ろしざまエツァリが舌打ちする。
    これは自分の手落ち、失態だ。
    はなから魔術サイドの人間が関わっていると疑ってかかっていれば、ここまで手詰まりになることはなかった。

    928 = 1 :

    エツァリが得意とする魔術、トラウィスカルパンテクウトリの槍。
    金星から降る光をナイフに反射させ、標的にルーンを穿ってバラバラに分解する術式。

    一度命中すれば巨獣をも一瞬にして肉片に変える強力な魔術だが
    反して集合体に対しては効果が薄い。
    収束した光の範囲は尖った鉛筆の先ほど。
    百獣の王は倒せても、百匹の羽虫を倒すことはできない。

    役割を終えて朽ち落ちた枯葉。
    それが今は、敵魔術師の操る風に仮初の命を吹き込まれ、自分の術に対する堅牢な盾と化している。
    先ほどからどうにか反撃を試みているものの、枯葉の繭はまったく揺るがない。
    数千、あるいは数万とも思しき木の葉は、今も相手の姿を覆い隠している。
    続けざまに回避行動を余儀なくされては、いずれスタミナも尽きるだろう。

    (何より厄介なのは、自分の術式の性質を一目で見破り、それに対する最善手を拵えた魔術師の実力か)

    接近戦は早い段階で諦めていた。
    あの渦巻き状の風に突っ込んでどうなるかわからないほど馬鹿ではない。
    どころか、近づくだけでもどれだけ神経をすり減らす作業になるか。

    (いやはや、考えるのも億劫ですね)

    ともあれ、準備を怠ったのはあくまで自分の手落ちだ。
    このまま敗退してしまったら、危機感の薄い上条のことを罵ることもできない。

    929 = 1 :

    枯葉の繭の一部が大きく膨らむのを見止め、エツァリが再び地面を蹴り放つ。
    狩る者と狩られる者。
    戦闘の優劣は、この場に目撃者がいれば誰の目にも明らかなものだ。

    考える暇も与えないと言わんばかりに、風の球が逃げるエツァリの影を確実に打ち貫いていく。
    頭部に迫るそれを屈伸してやり過ごし、続いて膝下への軌道を見切り、そのまま全力で跳躍する。
    近場の木の枝に両手で掴まったかと思えば、すぐさまその枝を強くしならせ、鉄棒の要領で離れたベンチに飛び移る。
    その直後、付近一帯に耳障りな粉砕音が轟き、破砕された木の破片の一部が着地する寸前のエツァリの脇腹を掠めた。

    「くっ……」

    痛みに顔をしかめながらも、エツァリは先ほどと変わらぬ速度を維持し、必死に打開策を考える。
    考え続ける。

    「どうした? 科学に与する魔術師よ。逃げてばかりではジリ貧だぞ」

    (言われるまでもなくわかっていますよ、そんなことは)

    血が滲み始めた脇腹を庇いながら、エツァリは弾丸の盾になりそうな障害物から障害物へと移動を繰り返す。

    930 = 1 :

    防戦一方の戦いを続けながら、しかしエツァリはその場から逃走しようとしない。
    自分がこの場を離れて事態が好転するとは思えなかったからだ。

    人払いのルーンは護衛から防衛戦力を引き離すと同時に、第五位の心理掌握(メンタルアウト)を制限している。
    操る人間が少なければ、それだけ第五位が能力を発揮する機会は失われる。

    暗部に所属していない彼女の能力は、表の研究者によって事細かに解析されてきている。
    こうして事に及んでいる以上、彼女の能力に対して無策とは考えにくい。
    おそらくは何らかの対抗手段を備えているのではないか。
    これは土御門ら暗部の面々とも一致した意見だった。

    しかも不都合なことに、これほどの腕利きを贅沢にも足止めに使っているくらいには、敵陣営の戦力も整っている。
    第五位の能力が当てにできない状況でこれほどの猛者を相手にして、上条当麻が彼女を守りきるのは不可能に近い。

    これは、エツァリが上条の実力を侮っているわけでは決してない。
    真っ当な勝負であったなら、一対一の勝負ならば、きっと彼はこの魔術師を相手にも後れを取らなかっただろう。

    だがしかし、誰かを庇いながらの戦闘を強いられるのならば。
    情に厚いと言えば聞こえは良いが、卑劣な者たちにとっては付け入る隙が多いということでしかない。
    とどのつまり、一刻の猶予もないし、しかしこの男を放置するわけにもいかないということだ。

    931 :

    (上条当麻……か)

    御坂美琴を巡る諍いから彼と直接対決し、敗れた日が脳裏を掠める。
    ほろ苦い経験。そして一時の失恋。
    あの日以来、自分は不完全だった術式を完璧に使いこなすべく、鍛錬を重ねた。
    不可視の槍を標的に導けるよう、視力に頼らず、体の感覚に頼って精度を高める訓練をした。

    (このようなところで手間取っている暇はない――ならば)

    木の繭に注がれていたエツァリの視界が、周囲の景色に、戦いの舞台全体を俯瞰するように広がっていく。
    焦点を合わすことなく、周囲に存在する被造物の位置を詳細に把握していく。

    (手持ちのカードだけで敵を倒しきることはできない。認めざるを得ませんね)

    敵魔術師は知識も経験も、魔法使いとしての力量も、おそらく自分より上。
    慢心してくれるならまだ付け入る余地もあるが、残念ながらそういう気質でもないらしい。
    頑なに、ストイックに、理詰めに理詰めを重ねて相手を圧倒するタイプだ。

    ならば、今やるべきことは必然的に定まる。
    この場所にある全ての物を利用し、味方にし、自分に優位な状況を作り出すほかない。
    たとえ一瞬であっても構わない。

    わずかな隙も見逃すまいと眼光鋭くするエツァリに対し、男は攻撃の手を休めることなく、しかし無機質な声を以って応じる。

    「そういう諦めの悪い目は、嫌いじゃない」

    声が終わると同時。
    木の葉の繭が心臓のように大きく律動し始め――

    「君の危険性を肯定する。最後の最後まで、全力で潰させてもらう」

    瞬間、今までとは比較にならぬ数量の風の球が上空に吐き散らされた。

    932 = 1 :

    頭上から降り注ぐ数多の風切り音に、エツァリがその場から緊急退避。
    逃げ場は10歩ほど後方にある石像の影。そこしかない。

    そして、相手にもそれはわかりきっているはずだ。

    エツァリが石像の陰に滑り込むや否や、風の弾丸が雹のように降り注ぐ。
    周囲の敷石を数秒にしてズタズタにし、敷台に立っていた勤労青年の石像をあっさりと押し倒す。
    場に残された、厚さ1メートルはありそうな足場が、がりがりと音を立てて侵食されていく。
    風の飛礫が地面を打つ音はさながら機関銃の掃射音だ。

    鼓膜に響く重い震動に晒されながらも、エツァリは晴れた空にある金星の方位と、敵の位置を素早く確認する。
    重い響きは、盾の質量が少なくなるにつれて軽い響きに変調していく。
    石像が完全に破壊されるまで、もう幾許もない。

    冷や汗が首元を伝う。
    エツァリは自らの胸を、ナイフの柄を握った拳で強く叩く。
    退路は自ら絶った。
    もうやるしかない。


    (さぁ――――覚悟を決めましょうか!)

    933 = 1 :

    残り50センチ。40センチ。30センチ。
    今にも崩れ折れそうな、見るに堪えない虫食いのオブジェ。
    その裏にいるだろう少年に、三十半ばほどの姿勢のいい魔術師は心の中で称賛を送る。

    (いささか一方的になってしまったが、それでも若さを考えれば見上げたものだ)

    そして、だからこそ、手を抜くのは矜持に反する。
    戦場に立っている以上、彼も死の覚悟をしていないということはあるまい。

    現実的な問題を提起するならば、ここで彼を取り逃がせばいずれ強大な敵となって立ち塞がるだろう確信がある。
    一部とはいえ自らの術を披露することは、魔術師にとっては危険が付き纏う行為だ。

    イギリス精教の魔術師たちは『殺し名』などという文言を以って自らを律するという。
    己の手の内を晒した者に対して、絶対的に冷酷であるよう努めるのだ。
    その考え方は、自分も見習わない点がないではない。

    「――――むっ?」

    魔術師の視線が、束の間エツァリとはあさっての方角へと向けられる。
    眉間には微かな皺が寄っていた。

    934 = 1 :

    「……どうやら、あまりのんびりもしていられないようだ」

    魔術師の視線がエツァリの方に戻り、両手を合わせて祈祷の姿勢を取る。

    「五大の素の第四、星の始まりを告げる原初の風よ」

    重なる手のすぐ傍に風が滞留し、詠唱が進むにつれて繭の前面が大きく膨らんでいく。
    釘付けにされている獲物を狩る絶好の機を見逃すまいと。
    牽制のために使う飛礫と比するまでもない。破壊力を重視した、直径1mの大球を構築する。

    「これで終わりだ」

    自らの半身を覆い尽くさんばかりの風の塊を、壊れかけの敷台目がけて投げ放つ。
    そして――


    「……ようやく見えましたよ、あなたの顔が」


    およそ有り得ないエツァリの異様を認め、この戦いを通じて初めて、魔術師の目が大きく見開かれた。

    935 = 1 :

    (馬鹿な……ッ!)

    全く論理的でない行動。
    魔術師らしからぬ行動。
    身に迫る風の猛威を眼前に捉えながら、少年は防御姿勢も回避行動もしていない。

    男の体に震えが走る。
    長きにわたる戦いの日々が獲得した感覚。
    生と死の分水嶺に、今まさに自分がいることを実感する。

    少年はただ涼やかに男の姿を見定め、手に握る黒曜石のナイフを注意深く一点にかざしている。
    石像が砕ける一瞬の空白。
    攻撃の際に生じる強烈な風圧で、繭に穿たれた風のトンネルを狙って。
    乱舞する落ち葉は未だ勢いよく螺旋を描いている。

    風を光で遮れないのと同様、光を風で遮ることはできない。
    そして光を超える速度など、物理的には存在しない。
    それがわかっていても、少年の行動は常軌を逸していた。

    936 = 1 :

    「貴様ッ、命が惜しくないのか!」

    敵から投げかけられた問いに、エツァリはただ笑みを返す。

    少年を守り続けていた敷台が、風の巨大な球体に押し潰されていく。
    手元で黒い刃がひび割れ、砕け、体が大きく後方に押し出されるのが見えた。

    そこで、全てが途絶えた。

    鉄柵を飛び越え、後方の貯水池に背中から叩き込まれた少年の姿を、その水飛沫の凄まじさを。
    男は最後まで目で追うことができなかった。

    (……大した、少年だ)

    エツァリに風が直撃するのと同時に、針の穴を通すような正確さで。
    アステカの魔術師を象徴する不可視の槍が、男の胸を貫いていた。

    937 = 1 :

    一方「いよォ、海原クゥン。寒中水泳にはちっと早いンじゃねェか?」

    エツァリ「……格上が相手だったんですよ。労いなら、もう少しマシな言葉を選んでいただきたいですね」プカァ

    一方「それだけ言い返す元気があンなら、自力で上がれンだろうな」

    エツァリ「手を貸してくれてもいいんですよ?」

    一方「その言い方は、つまり手を貸すなって言ってるンだよなァ?」

    エツァリ「あの、いえ、体中痛んでますので、できれば助けてもらえるとありがたいです」

    一方「だったら始めからそう言え」スッ

    エツァリ「……すみません、ありがとうございます」ギュッ


    ――ザパァッ!


    一方「って、オイオイ。顔が半分剥がれちまってンぞ?」

    エツァリ「あぁ、これは失礼。まったく、我ながら無茶をやったものです」バッ

    一方「みたいだなァ。まるであの三下のようなスマートとは程遠い戦いぶりで」

    エツァリ「はは、面目もない――って、ちょっと待ってください!」

    一方「ハイ、なンですかァ?」

    エツァリ「あなた、まさか、あの場にいたんですか!?」

    一方「最後の撃ち合いだけな。格下同士のカードでも、真剣勝負ってのは実にいいもンだ」ヘラヘラ

    エツァリ「…………」イラッ

    938 = 1 :

    一方「しかし、弱っちぃやつは色々と大変だなァ。ひたすら逃げ回って相打ち狙いとか」

    エツァリ「あっ、あなたこそ、随分と合流が遅かったじゃないですか」イライラ

    一方「テメエに頼まれた仕事を優先した結果だ。文句を言われる筋合いはねェ」

    ???「……やはり、先ほどのは気のせいではなかったか」ザッザッ

    一方「……あン?」チラ

    エツァリ「……ッ!」バッ


    魔術師「……何の法具もなしに我が結界を蹂躙する人材がいようとは――貴様の危険性を肯定する」


    一方「結界だァ? ……コイツ、何いってやがンだァ?」

    エツァリ「……馬鹿な、確かに命中したはず……何故生きて」

    一方「オイ、コラ、海原」

    エツァリ「……あなたに破壊するよう指示した紙屑のことです。もう気にする必要はありません」

    一方「……フゥン?」

    魔術師「貴様は計画の妨げになりそうだ。ここで朽ちていけ」スッ

    一方「――ククッ。……イイねぇ、実にイイ、最高だねェ」

    魔術師「……何?」


    一方「意にそぐわねえ実験なんざやらされてるよりか、こっちの方がよっぽど有意義じゃねェか」ザッ

    939 = 1 :

    本日は以上になります
    地の文あると文字数多いはずなのに投下量が少なく感じる不思議!

    次回は金曜日か土曜日の22:00以降に、投下量50前後、一応鬱注意
    それまでに950過ぎてたら二スレ目用意します
    多くの乙ありがとうございました

    941 :

    乙でした!
    次楽しみにしてます

    942 = 1 :

    書き忘れていたので一応、ラスト2種とはエンディングを二つ用意しているということです
    『明らかなハッピーエンド』と『解釈次第ではバッド』、多分その場のノリで決めます

    943 :

    乙でした

    946 :

    乙ッス!!

    >>942
    期待ッス!!

    947 :

    乙!!!

    そろそろ次スレか…?

    948 :

    解釈次第ではバッドが気になるなぁ……
    メロンパンとかコメがあったから浅井漣のバッドエンドが思い浮かんだ……


    うん、明らかなハッピーエンドの方がいいよねッ♪

    949 :

    >>948
    食蜂の能力考えると森友子のBADの方が似合いそう。

    950 :

    >>949
    ···人は忘れるから生きていけるんでやんすよ


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