元スレ上条「……GANTZ?」御坂「黒い球体の部屋?」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★
601 = 1 :
この闘いは、言わばGANTZに呼ばれた人間と、星人の生き残りを賭けた戦争である。
戦争の最中、相手を生かすか殺すか……そんな事に迷っていては、簡単に相手に殺されるのだ。
何故なら相手に迷いは、全く無いのだから。
御坂「そんな……そんな事わかってるけど……でも……」
偏光能力「……まぁ、好きにすればいいさ。自分の命、自分の生き方だ。
だけど、一つだけ言えるぜ?こんなイカれた世界で一番生き残れるのはな。
あの天井とか言う、情の欠片も無いようなイカレ野郎って事だ」
602 = 1 :
…………
不良A「ヒッ……ヒィッ……」ガタガタッ……
田中星人×3「「「」」」シュゥゥゥゥゥウウッ……
尻もちをついて、怯える不良Aの前には、Xガンによって爆散した、田中星人達の死骸が転がっていた。
天井「ふぅ……今のところは、まだスーツも無事なようだな……」チャキッ……
その側で、Xガンを片手に、天井が佇んでいる。
天井「さぁて……それでは次の標的を探すとしようか。引き続き、君には囮役をお願いしようかな」スッ……
天井がにこやかに、不良Aへと手を差し伸べる。
603 = 1 :
不良A「も、もう勘弁してくれ!!こんなヤツ等相手に囮なんて、今度こそ死んじまうよ!!」
不良Aは、天井に対して、取り乱しながら叫ぶ。
どうやら、この3体の田中星人を倒す為に、天井に囮として使われたようだ。
チャキッ……
そんな不良Aに、天井がXガンを突きつける。
天井「心配するな。人はいつか死ぬものさ。今、君に残された選択肢は三つ。
今、ここで私に撃たれて死ぬか。
田中星人の囮となって死ぬか。
そして、囮役をこなして生き延びるかだ。好きな道を選ぶがいい」ニィィッ……
もはや、不良Aの事など使い捨ての道具程度にしか認識していないのであろう。
不良Aに対し、天井に慈悲という感情は存在しない。
天井「まぁ、今回はアレも持ってきてるんだ。この程度ならば、何とかなると思うがね」
604 = 1 :
…………
偏光能力は、GANTZの部屋にて行われた虐殺を振り返る。
一切の迷いも無く、利用するものは全て利用し、ただただ自分に仇なす相手を殺す。
そんな天井こそ、最もこういうイカレた世界で生き残れる人種なのだ。
事実、天井は一年以上、この部屋で戦い続けている。
上条「……わかってんだよ、そんなこと……」
偏光能力「あ?」
上条「わかってんだよ!!『殺らなきゃ殺られる』ってことくらい!!前回でなぁ!!
だけど、そんな簡単に割り切れるもんじゃねぇだろ!?人間だろうが星人だろうが命は命だ!!簡単に奪えるもんじゃねぇんだよ!!」
偏光能力の問いに、上条は答える。
605 = 1 :
偏光能力「……まぁ、それで自分が死んだら世話ねぇがな。俺は決めたぜ?星人は全部殺す。殺される前に、殺してやる」チャキッ……
偏光能力は、Xガンを構える。
御坂「……貴女はどうするの?えっと……妹!!」
上条「お前……妹にそんまま妹って……どんな仲なんだよ……」
御坂「い、いいでしょ!?ほっときなさいよ!!で、どうするの?」
9900号「……ミサカには、皆さんの言う命の定義がわかりません……ミサカの元の命は消え、生きる目的と言うのも既に果たしてしまいましたし……。
と、ミサカはお姉様に答えます」
9900号はそう、単調に御坂へと答えた。
606 = 1 :
御坂「そう……」
9900号「ただ……」
御坂「?ただ?」
9900号「新しくミサカに与えられたこの命というのは……どのように使えばいいのか迷っています。
この命を使って何が出来るのかと。と、ミサカは今まで考えたら事もない考えが、次々とミサカから溢れてきていることに驚きます。
まるで、何かがミサカの中から生まれてくるような……」
上条「?」
偏光能力「ん?どういうことだ?」
上条と偏光能力は全く9900号の言葉を理解していないようだ。
607 = 1 :
御坂「…………」
しかし、御坂はその言葉から、何かを感じとっていた。
自分には妹は居ない。それは間違いない。
しかし、この自分にそっくりな子は、自分を姉と呼ぶ。
そして何故か、他人のような気はしないのだ。
少なくとも、何らかの能力で化けていたり、学園都市の技術による変装や整形などではない。
では、この子は一体何なのか。
それは今の御坂にはわからない。
わからないけれど、この子が姉と自分を慕うのなら、姉として言うべきことがある。
608 = 1 :
御坂「貴女は……貴女は貴女よ。今、ココにいるのが貴女。新しい命だとか、そんなの関係ないの。
今、ココにある命が貴女よ。他に貴女の代わりはいない」
9900号「ミサカの代わりはいない……ミサカだけの命……」
御坂「そう。だから、貴女はその命を使って、貴女の思うように生きなさい。
誰かの言うことなんて聞かなくてもいい。自分の思うように、進みたいように進むの。わかった?」
御坂は、9900号の目を真っ直ぐ見つめながら、語りかける。
9900号は、その言葉を受け、何か考えているようだ。
609 = 1 :
上条「……さ、辛気臭いのも何だし、そろそろ動こうぜ?
そういえば浜面やあの婆さんと女の子はどこにいるんだ?転送されたところで待ってんのか?」
上条が、この場に居ない人間について、御坂に問いかける。
御坂「え?……あっ!!そうだ!!浜面さんやあのお婆さん達を探さないと!!えっとレーダーはっと……」ピッ、ピッ!!
御坂がレーダーで、浜面達の居場所を探そうとする。
御坂「…………え?」
しかし、レーダーを見た瞬間、自分に置かれた状況を理解する。
610 = 1 :
上条「?御坂?どうしたんだ……」
上条が、御坂に問いかけた瞬間
ダンッ!!!
ダンッ!!!
ダンッ!!!
田中星人×3「「「…………」」」ウィィィンッ……
611 = 1 :
偏光能力「なっ!?まだいやがったのかコイツ!?しかも3匹も……」
偏光能力が辺りを見渡すと、自分達がいる橋の周辺に、3体の怒った顔つきの田中星人が、どこからか現れるのが見えた。
上条「クッ!!……だけど3体だ!!こっちは全員スーツ着てるし、銃もある!!御坂!!お前は妹と一緒に先に逃」
御坂「違う……3体じゃない……」ガタガタッ……
御坂は、青冷めた顔で答える。
612 = 1 :
ダンッ!!!
ダンッ!!!
ダンッ!!!
ダンッ!!!
ダンッ!!!
ダンッ!!!
ダンッ!!!!!
更に、どこからか、田中星人達が現れる。
上条「なっ!?何だコイツら……急にこんなに……」キョロッ、キョロッ!!
上条が辺りを見渡す。
御坂が、力無い声で、呟く。
御坂「私達の周りに表示された青い点……星人の反応は、全部で10体よ……」ガタガタッ……
その言葉を聞いた瞬間、上条からも明らかに血の気が引いていくのが、誰から見ても感じた。
613 = 588 :
今思ったけど星人にヴェントの「天罰術式」は効くのかな?
悪意うんぬんじゃなくて根本的に効くのか
とりあえず聖人はスーツ着なくても原作の中間より少し上の奴は互角くらいかな
614 = 1 :
投下終了です!!前回の次回予告が嘘になってしまいました……まぁ、近い内ってことで。
>>588
>>589
まぁ、介旅の爆発の時点で、命懸けで守ろうとしてますからね。
名前で呼んだっていいじゃない。女の子だもの。
それではおやすみなさい。
616 :
乙でした
617 :
1乙
618 :
乙です面白いな~
田中聖人10体に囲まれるって原作でもある展開?
619 :
乙っす
620 :
乙 これ四人でどうにかできるんだろうか
621 = 617 :
これ詰んでね?
622 :
守るものがあればどこまでも強くなれる上条さん、視界情報を誤認させ、しかも星人[ピーーー]気満々の偏光能力、銃の扱いに長けた軍用クローン、level5第3位…
ギリギリなんとかなるか?
(みこっちゃんはあまり役に立たなそうだが)
624 = 1 :
時は少し遡り、その頃浜面は……
浜面「ハァッ、ハァッ、クッ、どこ行ったんだあの子と婆さんは!!」ゼェッ、ゼェッ
浜面がガンツに転送された地点に戻ると、そこには誰もいなかった。
どうやら、途中までは皆に着いてきていたようだ。そして、何らかの理由ではぐれたのだろう。
浜面「参ったな……何処をどう探すか……そうだ!!御坂がスーツにナビみたいなのがついてるって言ってたな。
えっと……お、コレだな?婆さん達の反応はっと……」ポチットナ
浜面が、使い方のわからないレーダーのデバイスを適当に操作する。
625 = 1 :
バチバチバチバチバチッ…………
すると、何を押したのか浜面の身体が、カメレオンのように周囲に同化していった。
浜面「おわっ!?な、何だこれ!?……あっ!!まさか天井のヤツ、こうやって姿を消してたのか!?」ポチットナ
バチバチバチバチバチッ…………
再びデバイスを操作すると、同化が解け、浜面の姿が現れる。
626 = 1 :
浜面「あ、戻った。でも、これで少しは心強いな……今は1人だし、闘いにも慣れてないから、極力星人との闘いは避けたいし。
……って、肝心のナビはどうやって使うんだよ……あ、またコレか!!」バチバチバチバチバチッ……
意味も無く、再び同化を始めた浜面。どうやら、初めて触る機械には、少し弱いようだ。
しかし、天性の器用さなのか、少しずつデバイスの操作に慣れてくると、様々な機能を網羅しながら、ようやくナビの機能に辿り着いた。
627 = 1 :
浜面「えっと……今星人と、1人でぶつかってんのが上条だろ?
そんでこのちょっと離れたところで3体の星人とぶつかってるヤツは……どうせ天井だろうな。まぁ、コイツはほっといても死なないか。
問題はあの婆さんと女の子だ。一体何処にいったのかなっと……この近くに2人分の反応。コレだな!!」
浜面がレーダーで2人の場所を突き止める。
どうやらここから、そう離れては居ないようだ。
浜面「!?……これはヤベェな……早く向かわねぇと!!」ダッ!!
浜面がデバイスをしまい、お婆さんと女の子の元へと走る。
デバイスのレーダーには、2人の近くに、青い点が1つ点滅していた。
628 = 1 :
…………
浜面「……何とか2人を見つけたが……一体どういう状況なんだこれは?」
数分後。
浜面は、古いアパートの側にある駐車場で、お婆さんと女の子を見つけた。そして、浜面が見た光景とは……
田中星人A『かんたろ~~~、はい、一緒にー!!』( ´ ▽ ` )ノウィン、ウィン
女の子「かんたろ~~~!!」フリフリ
何故か、今回の標的である田中星人と、女の子が、一緒に遊んでいるように見えた。
629 = 1 :
浜面「……と、とにかく、今は無害でもいきなり襲ってくるかもしれねぇ……どうにかあの子や婆さんをヤツから離さなねぇと」
無邪気に田中星人と遊ぶ女の子の側では、お婆さんが不安そうな顔で女の子を見守っている。
どうやらお婆さんもどうしたらいいかわからないようだ。
浜面「……さり気なくあの中に入って、さり気なく2人と一緒にヤツから離れる……だいぶアバウトだが、これで行くしかねぇよな?」ソォッ……
浜面が意を決して、女の子達の側に向かおうとしたその時
630 = 1 :
トントンッ
背後から、誰かが浜面の肩を叩く。
浜面「んだよ?今ちょっと大事な場面……ってうおっ!!」ビクゥッ!!
田中星人×2『『雄三くん?』』ジーッ……
浜面が振り向くと、そこには別個体の田中星人が2体、爽やかな笑顔で立っていた。
631 :
実際泥臭い戦いがむいている浜面にとってはやりやすいだろうな
632 = 1 :
浜面「な……あ……(落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け俺!!
あの子と遊んでいるのを見る限り、こいつ等はすぐに襲ってくるわけじゃねぇ。
ここは、こっちに敵意が無いことをこいつ等に示すことが出来れば……。
ていうか雄三くんって何だ?雄三くんになりきればいいのか?)」ダラダラダラダラッ……
全身から、凄まじい勢いで冷や汗が流れ、浜面は今の状況を混乱しながらも考える。
浜面「は……はい。雄三です……」
そして、田中星人の問いに答えた。
633 :
浜面やっちまった…
634 = 1 :
浜面「(さぁ、これでどうなる?まさかいきなり襲ってくることはないよな?)」ダラダラダラダラッ……
田中星人BC『『…………』』
田中星人は、少しの間動きが止まる。そして、再び口を開いた。
田中星人B「すいかの名産地?」
浜面「へ?」
田中星人C「さわやかな……?」
浜面「えっ?」
田中星人B「友達ができた?」
浜面「えぇ!?」
田中星人C「ヘイヘイヘ~イ」
浜面は更に混乱した。
635 = 1 :
浜面「え……えっと……」
浜面はどう答えたらいいかわからず、言葉に詰まっている。
田中星人BC「…………」(`∧´)ウィッ、ウィィンッ
中々答えない浜面に痺れを切らしたのか、田中星人の顔が、少しずつ険しくなる。
浜面「(やべぇ……何か怒ってるよ……だってどうすりゃいいんだよこんなの!!)」
浜面が悪化する事態を打破しようと、考える中、更に事態は悪化していく。
636 = 1 :
『ギョェェェェェェエエエエエエッ!!!!!』
浜面「!?な、何だ今の叫び声みたいなのは!?」
浜面は知る由もないが、この時、少し離れた所で天井が田中星人×3と交戦しており、そのうちの一体の断末魔が、この辺りまで届いたのだ。
田中星人B「」コォォォォォォオオッ……
当然、それを聞いた田中星人達は、戦闘態勢に移る。
637 = 1 :
浜面「オイオイ……何かいかにもヤバそうじゃねぇか……。
クソッ!!四の五言ってる場合じゃねぇ!!今すぐあの子と婆さんをここから……」ダッ!!
浜面が、駐車場にいる女の子やお婆さん達の側へと走っていく。
側にいるのは田中星人1体のハズだ。
勢いをつけて、思いっきり蹴り飛ばせば、このスーツの力なら吹き飛ばせるハズ。
女の子「あ、さっきのお兄ちゃん!!大体こっちにゃあ」フリフリ
女の子が浜面に気づき、無邪気に手を振る。
638 = 1 :
側にいたお婆さんは、浜面の異様な様子に気づき、すかさず女の子を抱きかかえた。
浜面「うぉぉぉぉぉぉぉおおおおっ!!!」ダンッ!!
全力で走りながら、勢いよく飛んだ浜面は、そのまま女の子の側にいる田中星人Aに飛び蹴りを放つ。
田中星人Aはまだ、浜面の方を振り向いていない。
浜面「喰らっとけぇぇぇぇえええ!!!」ゴォォォオオオッ!!!
浜面が田中星人Aに飛び蹴りを喰らわせる瞬間
639 = 1 :
田中星人C『ギョェェェェェェエエエエエエッ!!!!」ゴォォォオオオッ!!!!
浜面「なっ!?グァッ!!」ガシィィィイッ!!!
ガッシャァァァァァアアアアアンッ!!!
横から弾丸のように、田中星人Cが浜面にタックルし、しがみついてきた。
そのまま浜面と田中星人Cは、駐車場に止めてあった古ぼけた車に、勢いよく激突し、そのまま車内に飛び込んだ。
640 = 1 :
浜面「ガァッ!!!クッ、嬢ちゃん!!婆さん!!早く逃げろぉぉおおっ!!」グググッ……
田中星人C「」グググッ……
大破した車の中で、浜面と田中星人Cが互いにせめぎ合う。
女の子「え?何で……このおじちゃん、大体優しくて、面白かったのに……」
田中星人A「」(`∧´)ウィィィンッ、ウィンッ
女の子が目の前の光景に驚いていると、背後に、いままで一緒に遊んでいた田中星人Aが立っていた。
怒った顔で。
641 = 1 :
お婆さん「フレメアちゃん!!」ガバァッ!!
田中星人A『!?』ドサァッ!!
すかさずお婆さんが、田中星人Aに体当たりし、動きを封じる。
スーツが機能している為、老人でも田中星人を抑える程の力が出せているのだ。
フレメア「お、お婆ちゃん?」
フレメアと呼ばれた女の子が、泣きそうな顔で、お婆さんを見つめる。
お婆さん「フレメアちゃん!!早く逃げなさい!!お婆ちゃんが悪い人皆、やっつけちゃうから!!」グググッ……
642 = 1 :
田中星人A「」コォォォォォォオオッ……
ダンッ!!!
田中星人B「」コォォォォォォオオッ……
田中星人Aを抑えつけるお婆さんの側に、田中星人Bが近づき、口内でエネルギーを溜め出す。
同時に、抑えつけられている田中星人Aも、エネルギーを溜め出している。
フレメア「そんな……何で……おじちゃん……」ブルブルッ……
フレメアは、豹変した田中星人に怯え、その場で震えている。
お婆さん「フレメアちゃん!!!逃げなさい!!!早く!!!」
643 = 1 :
フレメア「!?」ダッ!!!
そして、お婆さんの叫びと同時に、フレメアは全力でその場から逃げて行った。
田中星人A「」コォォォォォォオオッ!!!
田中星人B「」コォォォォォォオオッ!!!
二体の田中星人が、同時にお婆さんへと何かを発射しようとしている。
浜面「グッ……オイオイよせ……よせよ!!よしてくれ婆さん!!
早くそっから離れろよ!!嬢ちゃんと一緒に逃げてくれ!!」グググッ……
田中星人Cと取っ組み合いながら、浜面がお婆さんに叫ぶ。
お婆さん「……あの子を……フレメアちゃんを無事に、お姉さんの所に帰してあげてくださいね?お願いします」ニコッ……
浜面「なっ!?」グググッ……
お婆さんは、浜面に優しい笑顔でそう頼んだ。
その瞬間
644 = 1 :
田中星人A『ギョェェェェエエエエエッ!!!!』カッ!!
田中星人B『ギョェェェェエエエエエッ!!!!』カッ!!
ブシュゥゥゥゥゥゥゥウウウッ!!!!!
ドサァッ!!
浜面「あ……」
浜面の目の前で、2体の田中星人の側から、大量の血が噴き出し、お婆さんが息絶えていくのが見えた。
645 = 1 :
浜面「…………」グググッ……
田中星人C「」コォォォォォォオオッ……
大破した車の中では、未だに浜面と田中星人Cが取っ組み合っている。
そして痺れを切らしたのか、田中星人Cが口内にエネルギーを溜め出した。
お婆さんを殺した超音波による攻撃を、浜面にも行うようだ。
浜面「……けよ……」グググッ!!
田中星人C「!?」メキメキッ……
コォォォォォォオオッ!!!
田中星人Cの纏っているスーツの、浜面が掴んでいる腕の部分から、軋むような音が聞こえてくる。
それでも、田中星人Cは、エネルギーを溜める事をやめない。
そして、エネルギーが溜まり、攻撃へと移行する。
646 = 1 :
田中星人C「ギョ…」カッ!!
田中星人が、超音波を発射しようとしたその瞬間
浜面「どけぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええっ!!!!!」グググッ!!!
グシャアッ!!!!!
その瞬間、田中星人Cの両腕が、浜面にもぎ取られた。
647 = 1 :
田中星人C『ギッ……ギョェェェェェェエエエエエエッ!!!』カッ!!
田中星人Cは、スーツの腕を取られたことに驚き、一瞬戸惑うが、再度、浜面に超音波の攻撃を放とうとする。
ギョーンッ!!!
しかし、その前に、Xガンの銃声が車内に鳴り響く。
3
浜面「悪いな……先に撃っちまった……よっ!!!」グググッ!!
バキィィィィイイイイッ!!!
浜面が思いっきり、車内から田中星人Cを蹴り出す。
648 = 1 :
2
田中星人C「ギッ……ギッ……」グググッ……
田中星人が、ゆっくりと立ち上がる。
1
田中星人C「」コォォォォォォオオッ!!!
そして、再び口内にエネルギーを溜め込み、超音波の発射準備が整った。
0
田中星人C『ギョェェェェェェエ』カッ!!!
グシャァァァァアアアアッ!!!!
そして、Xガン発射からキッチリ3秒後。
田中星人Cは、爆散し、スーツとその中身の肉片が辺りに飛び散った。
649 = 1 :
田中星人AB『!?』ウィィンッ、ウィンッ
仲間が弾け飛び、残りの田中星人2体が、お婆さんの死体から離れ、浜面のいた大破した車の方を向く。
しかし、浜面の姿は既に車内にはない。
田中星人A『』キョロキョロ
田中星人B『』キョロキョロ
田中星人達は、辺りを見渡し、浜面を探す。
しかし、浜面が何処にもいないのだ。先ほどまでそこにいたハズなのに。
650 = 1 :
バチバチバチバチバチッ……
浜面「どこ見てんだよ……このクソ野郎ぉ!!」ブンッ!!
不意に、田中星人Bの側からバチバチと火花が走り、浜面の姿が現れる。
田中星人B『!?』
バキィィィィイイイイッ!!!!
田中星人B『ギョェェェエエエッ!!』ズザァァアアッ!!
そして、そのまま思いっきり田中星人Bを殴りつけた。
スーツにより強化されたパンチは強烈で、田中星人Bは起き上がれない。
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