元スレ鳴上「月光館学園か」有里「八十稲羽?」
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301 = 263 :
【16F】
?「どわぁっ!」
鳴上「この声……?お、っと!」
美鶴「どうした、鳴上!……その男が戦っていた……」
鳴上「やっぱりあんたか、有里」
有里「……鳴上君。それと……」
美鶴「お前は……本当に、そうなのか?」
有里「久しぶりだね、美鶴」
陽介「いっててててて……って、この声は……」
鳴上「陽介」
陽介「うぉお!?あ相棒!マジで来てたのか!ひっさしぶりだなぁ!」
鳴上「挨拶は後だ。今はあいつを倒すぞ」
陽介「おうよ!行くぜ相棒!」
有里「美鶴。訳は後で話す。手伝ってくれないか?」
美鶴「……君との約束は信用出来ない。だが、今優先すべき事はわかる」
有里「美鶴らしいね。行こうか」
風花『この反応……嘘でしょ、まさか……』
鳴上「山岸さん、理由は後でだそうです。サポートお願いします」
風花『……はい!わかりました!全力でサポートします!』
りせ『この反応、先輩やっぱり来てたんだ!よーし、いっちょやったりましょー!』
302 = 263 :
鳴上「有里。こいつの弱点はわかるか」
有里「仮面を見て。赤の時は火炎が効かなかった。緑の時は疾風が効かなかった」
鳴上「入れ替わるのか。俺達向きだな」
有里「そうみたいだね」
鳴上「桐条さん、バックアップに回ってもらえますか」
美鶴「それは良いが……どうするつもりだ?」
鳴上「俺と有里で、なんとかしてみます」
美鶴「……なら、任せるぞ」
鳴上「行くぞ、有里」
有里「いつでもどうぞ」
>シャドウが仮面を付け替える。
有里「青」
鳴上「任せた」
有里「うん。オルフェウス!」
風花『あ、弱点です!』
鳴上「畳み掛けるぞ!」
有里「了解」
>総攻撃を仕掛けた!
有里「まぁ、この程度で倒せるとは思ってないけどね」
>シャドウはまた仮面を入れ替えている。
鳴上「緑か」
有里「どうぞ」
鳴上「イザナギ!」
りせ『すごい、また弱点にヒットだよ!』
有里「そろそろトドメかな」
鳴上「一気に終わらせる」
有里・鳴上「チェンジ」
303 = 263 :
有里「ノルン!」
鳴上「マハカーラ!」
有里「万物流転!」
鳴上「刹那五月雨撃!」
>シャドウが断末魔の咆哮を上げながら消滅していく……。
風花『すごい……』
陽介「俺らに手出させずに……」
美鶴「あのシャドウを仕留めた……」
りせ『二人とも、すごいコンビネーション……』
有里「お疲れ」
鳴上「そっちもな。さて、これで帰れるんだろうか」
【鳴上】
陽介「相棒!」
鳴上「陽介、久しぶり」
陽介「マジで来てたんだなー!くそ、ちょっと下に里中と完二もいんのによー」
鳴上「今日は会えそうにないな」
陽介「ま、もうちょいでGWだしな!ちゃんとした再会はそん時だ!へっへー、羨ましがるだろうなーあいつら」
鳴上「元気そうで良かったよ。そういえば、お前が言ってたすごいヤツって有里の事だったんだな」
陽介「ああ、あいつさ、この前八十稲羽でぶっ倒れてたんだよ。それを俺が助けてさ」
鳴上「そうか。どんなヤツだ?」
陽介「んー、掴み所は無ぇけど悪いヤツじゃねえよ。面白いしな」
鳴上「……そうか。有里の事は任せていいか?」
陽介「ま、お前も頻繁にこっち来れるわけじゃないだろ。任せとけよ、しっかり構ってやっから」
鳴上「ああ。今日のところは引き上げる……引き上げられたら、だけど。また今度な」
陽介「おう!……そういや、あのお姉様なにモンだよ。どこで捕まえたんだ?」
鳴上「あの人か?桐条美鶴って言って、桐条グループの令嬢なんだそうだ。今一緒に寮で暮らしてる」
陽介「なに!?一つ屋根の下か!ほんっと、お前は……今度紹介してくれよ!」
鳴上「それは別に構わないが……ああいう事になってるが、いいのか」
陽介「あん?……あいつらって、そういう仲なの?」
鳴上「詳しくは知らん。けど、そうなんじゃないかな」
陽介「勝ち目薄そーだな……」
鳴上「全くだ」
陽介「……どうする?」
鳴上「あまり見るもんでもないだろう」
>……そっとしておこう。
304 = 263 :
【有里】
美鶴「湊!」
有里「や」
美鶴「君が何故ここにいる。私の記憶では、間違いなく……」
有里「運が良かったのか、それとも悪かったのか。何でかこうして復活しちゃいました」
美鶴「理由は?」
有里「わかりません」
美鶴「……私と、ツーリングするという約束は」
有里「……」
美鶴「この……!」
>美鶴が右手を振り上げた!
有里「……っ」
美鶴「……何故、何も言わなかった……」
>美鶴はその手を振らず、その手を背中に回した。
>応えるように、こちらからも抱き締めた。
美鶴「こうして……話す事が出来る……触れる事が出来る……抱き締める事も出来るのに」
美鶴「何故、私に何も言ってくれなかった……!どんなに……どんなに私が……!」
有里「……ごめん」
美鶴「う……ぐ、す……あ……」
有里「ごめん。だけど、泣かないで……」
美鶴「どうして、ぐすっ。私の前に、以前と……ひぐっ、変わらずに……現れてしまうんだ……」
有里「……」
美鶴「忘れようと、忘れられなくてっ……何度も……」
有里「……ごめんね、美鶴」
美鶴「うあ……あぁぁ……」
>泣き続ける美鶴を抱き締め続けた……。
有里「……いつの間にか、僕の方が小さくなっちゃったね」
美鶴「ん……?あぁ、少し、背が伸びたんだ。これでもヒールを脱げばまだ君の方が高い」
有里「そっか。僕がいない間もちゃんと成長してたんだもんね」
美鶴「君は本当に昔のままだな。……恥ずかしい所を見せた」
有里「僕は美鶴の恥ずかしい所はいっぱい見てるから。それより、後ろの二人が問題じゃないかな」
305 = 263 :
美鶴「なっ……!」
陽介「あのー……」
鳴上「もう、落ち着きましたか?」
美鶴「あ、ああ。すまなかった。旧友に出会って懐かしさの余り取り乱してしまったようだ」
陽介「そっすか。旧友、ね。ただの友達なんすかねー」
鳴上「陽介」
陽介「ジョーダンだって。えーと、桐条美鶴さん?でしたっけ?」
美鶴「ああ。鳴上に聞いたんだな」
陽介「はい。俺、花村陽介って言います!こいつ、鳴上悠の親友で有里の命の恩人っす!」
美鶴「命の?それはどういう意味だ?」
有里「僕が帰ってきて、倒れてた所を助けてもらったんだ」
美鶴「そうなのか。みな……有里の恩人か。いつかきっちりとお礼をしなければならないな」
陽介「いやいやいやお礼なんてそんな!困ってる人を助けるのは当然ですから!」
美鶴「すばらしい心掛けだ。ブリリアントだな」
陽介「ブリ……なんすか?」
有里「さて、美鶴に少し言っておく事があるんだ」
美鶴「何だ?」
有里「ここで僕に会った事、内緒にしておいて欲しい」
美鶴「何故だ?皆、君が生きていると知れば喜ぶと思うが」
有里「でも、僕は一度消えたんだ。知ってるよね」
美鶴「……」
有里「だから、なるべく皆を引っ掻き回したくない。僕無しで上手くやってるなら特にね」
美鶴「そう、か……残念だ」
有里「すまない。けど、美鶴なら大丈夫だよね?」
>きゅっと手を握ってお願いした。
美鶴「っ、ああ。任せて欲しい」
陽介「さて、そんじゃ帰りますわ。美鶴さん、また会いましょうね!絶対ですよ!」
美鶴「ああ。またいずれ会おう。では」
有里「ていうか、帰れるのかな」
陽介「とりあえず、階段降りてみようぜ」
>美鶴と鳴上と別れた……。
306 = 263 :
陽介「よー」
有里「ん?」
陽介「美鶴さん、お前の事好きだったんじゃないのかよ」
有里「そうかもね」
陽介「……いいのかよ」
有里「良くないよ」
陽介「じゃあさ、もっとこう……あるんじゃねえの?」
有里「今の僕には、美鶴の想いに応える資格はないんだ」
陽介「……わっかんねーなー」
有里「僕だって、美鶴は好きだよ」
陽介「……ま、そんならいーや。いつか、な」
有里「うん。いつか、ね」
>階段を塞いでいた壁はきれいになくなっている。
陽介「よっしゃー!さくっと降りちまおうぜー!」
千枝「あ、有里君!と、花村。無事でよかった……」
完二「今の言い方は流石にひでーっスよ先輩……」
>タルタロスを降りた……。
りせ「二人ともずるーい!」
陽介「おわっ、なんだよいきなり」
りせ「なんで二人だけ先輩に会えるのよー!」
千枝「先輩?りせちゃん、それどういうこと?」
りせ「さっき、二人が上でボスと戦ってた時に、鳴上先輩と知らない女の人が来てて……」
千枝「うそっ、鳴上君来てたの!?」
陽介「もう帰っちまったけどな!元気そうだったぜ」
307 = 263 :
完二「マジかよ、俺も会いたかったぜ……」
千枝「そりゃズルイね……まぁ、元気だったならいいか!」
りせ「むー、GWには先輩と一杯遊ぶんだから!」
有里「皆、今日はお疲れ。帰って休んで、また何かあったら集まろう」
陽介「ひっさびさに戦ったから体イテーわ……」
千枝「鍛錬が足りないのよ、鍛錬が」
りせ「有里さーん、あの女の人誰?」
有里「昔の仲間だよ」
りせ「ええー?昔の仲間ってだけで会った途端に抱き合ったりするぅ?」
千枝「抱き合った?え、ちょ、ちょっと詳しく教えてくれない?」
陽介「あれ、なんだろう。さっきまで一緒に戦ってたのに急に凄い疎外感が」
完二「先輩……わかるっス……」
【ジュネス内フードコート】
陽介「っしゃー疲れたー!おし寝るぞ!」
直斗「お疲れ様です、で、どうでしたか?」
りせ「鳴上先輩も来てたよ!」
雪子「会ったの!?」
完二「花村先輩と有里サンだけな」
陽介「へへん、どうよ。羨ましいだろ?」
千枝「もう、どうせすぐ会えるんだからいいじゃん。鬱陶しいぞ花村!」
有里「さ、それじゃ皆帰ろう。お疲れ様。またね」
>今日はもう解散する事になった……。
308 = 263 :
【鳴上】
>二人は階段を降りていった……。
美鶴「……言わないでいてくれるか」
鳴上「何をですか?」
美鶴「先ほどの光景は忘れてくれと言っている」
鳴上「……好きなんですね」
美鶴「なっ……!」
鳴上「内緒にしておきましょうか。泣いてしまった事は」
美鶴「くっ、そ、そうしてくれ……」
鳴上「俺達も帰りますか」
美鶴「……ああ。通れるのだろうか」
>階段を降りてみると、シャッターはきれいに無くなっている。
鳴上「よし、じゃあ降りましょう」
美鶴「なんとか助かったな」
>タルタロスを降りた……。
天田「お帰りなさい!大丈夫でしたか?」
岳羽「ちょっと、桐条先輩どうしたんですかその顔!」
美鶴「顔?顔にダメージは受けていないが……」
岳羽「目真っ赤ですよ。何してたんですかもー」
風花「二人とも、お帰りなさい。それじゃ、テレビから出ましょうか」
天田「流石にくたびれましたしね」
岳羽「同文。疲れちゃった」
美鶴「山岸、頼む」
風花「はい。じゃあ、いきますね」
>……?
>風花が袖を引っ張っている。
風花「後で、事情聞かせてね」
>小声で言われたので、黙ってうなずいておいた。
309 = 263 :
【巌戸台分寮 ラウンジ】
天田「何とか無事戻ってこれましたね」
順平「おっ、お疲れさん!どうだったよ?」
岳羽「どうもこうもって感じ?」
真田「強敵はいたか?」
鳴上「ええ、デカイのが」
美鶴「……私は先に休ませてもらう。では、また明日だ」
アイギス「おやすみなさい。皆さん怪我はありませんか?」
天田「目立った負傷は無いですね」
風花「……鳴上君、ちょっと」
鳴上「あ、はい」
岳羽「……あれ?風花は?」
天田「鳴上さんもですね。もう部屋に戻ったんでしょうか」
順平「……あー、あれだろ。あの二人は」
真田「ふっ、元気なもんだな。若さか」
岳羽「あによ、それ……」
【自室】
鳴上「有里の事、ですね」
風花「うん。どうして彼があそこにいたの?」
鳴上「詳しくは俺もわかりません。けど、あいつはいなくなった後、俺が前に住んでた街に帰って来たみたいなんです。それで、俺の仲間と一緒に今回の件を調査してるみたいで」
風花「そう、なんだ……それで、タルタロスを登ってたんだね」
鳴上「はい。今まで連絡しなかった理由はわかりませんが……」
風花「それは何となくわかるの。私や、他の皆に気を遣ったんだと思う」
鳴上「気を遣うなら連絡するんじゃないんですか?」
風花「あの人はそういう人。いつも自分の身を投げ出して、他人の事ばっかり考えてた。無愛想で、無表情で……でも、すごくやさしい人」
鳴上「……山岸さんも、有里の事が」
風花「それは内緒。そっか、でもいいや。元気でいてくれるなら、それで」
鳴上「あ、それと、あそこで有里に会った事は」
風花「それも内緒だね。よし、じゃあ帰るね。鳴上君、おやすみ。お疲れ様でした!」
鳴上「あ、はい。おやすみなさい。お疲れ様でした」
>風花は出て行った。
鳴上「あ、そういえばこの前から、普通にベッドに並んで座るようになったな」
>……慣れてきたのだろうか?
>今日はもう、寝よう。
310 = 263 :
ちょっとずつ近付く人たち。
合流にはいたらず。
そろそろ、ゴールデンウィークです。
これで本日分は終わり。
では、また後日。
313 :
ついにカリスマとヒーローの共演が果たされたか!
>>1
ブリリアント。
314 :
美鶴が可愛すぎて生きるのが辛い
315 :
おつです
317 :
やっぱり燃えるなぁ!!>>1はブリリアントだな
318 :
GW突入編。
では本日分。
319 = 318 :
【2012/4/26(木) 曇り 堂島宅】
>どうやら夕べ、特捜隊の皆からメールが来ていたようだ……。
>それぞれに労いの言葉を送ってくれた。
『差出人:陽介
件名:お疲れ!
本文:お疲れ!変な話だけど楽しかったぜ!
なんつーか、やっぱすげえなお前。皆で相談したんだけどさ、リーダー任せていいか?
皆もお前だったら大丈夫だって言ってるしよ。頼んだぜ!』
>知らない間に随分と信用されたものだ。
有里「リーダーね。また久しぶりの役職だ」
>陽介に返信しよう……。
『差出人:me
件名:了解
本文:僕でよければ。なるべく皆に負担がかからないように頑張るよ』
>……返信が早い。
『差出人:陽介
件名:おう!
本文:俺らもお前に負担がかかんねーように頑張るからさ!
これからもよろしくな!』
>夕べの探索で、特捜隊のメンバーから信頼を得たようだ。
>『No.20 審判 自称特別捜査隊』のランクが3になった。
有里「こっちは、なんとか上手くいきそうだな……基本的にみんな良い奴だし」
有里「問題は、今週末にやってくる誰かの事か……」
有里「こうなると、むしろ美鶴に来てもらいたいな……知られる人数は少ないに越した事はない」
有里「……鳴上君に念でも送っておこう。自由にしろって言っちゃったし」
320 = 318 :
【2012/4/26(木) 曇り 巌戸台分寮】
>何か背筋がぞくりとして目が覚めた。
鳴上「なんだ、今の……誰か強烈に俺の事考えてたとかか?」
>とりあえず、着替えてラウンジに行こう。
美鶴「……ああ、おはよう」
鳴上「おはようございます。……ちゃんと眠れましたか?目、真っ赤ですよ」
美鶴「あまり、眠れなくてな……何、大丈夫だ」
鳴上「そうですか……そうだ、そろそろ教えてくださいよ。桐条さんが選んだ人」
美鶴「ん?ああ、そうだったな。そろそろ言っておかなければ、メンバーにも予定があるだろうから……」
美鶴「まあ、言ってしまえば簡単な話だ。もし君がテレビに入るような事になった時、絶対に必要なのは誰だ?」
鳴上「……皆さん頼もしいけど、絶対に必要となると、出る為の力ですね」
美鶴「そう、脱出する為の能力が必ず必要になる。そして寮内にそれを行えるのは一人しかいない」
鳴上「山岸さんですか。なるほど、良く考えればそうなりますね」
美鶴「ああ。君はもう選んだか?」
鳴上「……いえ、それはまだです。これから、皆さんにGWの予定を聞いて決めようと思います」
>……風花は、選ぶまでも無かったようだ。
美鶴「そうか。では、遅刻しないように。私は少し……眠ることにするよ」
鳴上「あ、はい。お大事に……」
>とりあえず、学校に行こう。
321 = 318 :
【夕方 巌戸台分寮】
鳴上「さて、じゃあ誰にしようかな……」
>ラウンジには順平とゆかりがいる。
順平「おう、おかえり!……なんだ?何か用か?」
鳴上「俺、GWに旅行行くんですけど知ってました?」
順平「ああ、寮空けるんだろ。聞いてる聞いてる」
岳羽「いいね、旅行。楽しんできなよ」
鳴上「その旅行に寮内の誰かを連れて行くって条件で了解を得てまして」
順平「は?何でよ」
鳴上「その、俺が一人で先走らないようにだそうです」
岳羽「あー……ま、ほんとは言いたく無いんだと思うよ。美鶴先輩でしょ、それ言ったの」
順平「おカタいねぇ、相変わらず。そんで、それで俺らに白羽の矢が立ったと」
鳴上「全員に予定聞いておこうと思いまして」
順平「そっか。ま、悪いけど俺ぁパスだ。予定あんだよ、GW」
岳羽「まぁたそうやって見栄張って……」
順平「ちげぇって!ほんと!マジであんの用事が!人に会うんだよ!」
岳羽「あ、そうなの?ごめん、なんか悔しくて言ってるのかと思った」
順平「ゆかりッチ、俺の事なんだと思ってんだよ……そういうわけだから、俺無理!」
鳴上「そうですか……岳羽さんは?」
岳羽「私?あー、予定は、別に無いんだけど……」
順平「何?ゆかりッチ予定無いの?俺にもあんのに?」
岳羽「うっさい。私、旅行ってあんまり好きじゃないんだよね。だから、出来たら他の人に頼んでくれないかな」
順平「あれ?屋久島ん時も京都ん時も言ってなかったじゃん」
岳羽「……嗜好が変わったのよ」
鳴上「そうですか。……残念です。じゃ、他の人達当たってみますね」
順平「悪いな」
岳羽「ごめんね?」
鳴上「いえ。それじゃ」
>次は誰にしようか……。
順平「なー」
岳羽「なによ」
順平「ゆかりッチ、鳴上の事嫌いか?」
岳羽「そうじゃなくて。……まだ、そういうの許せる程彼の事知らないってだけ」
順平「あっそ。面倒だねぇオンナノコは」
岳羽「……」
322 = 318 :
【二階】
>天田にも話を聞こう。
鳴上「天田、いるか?」
天田「はーい、何でしょう?」
鳴上「GW、予定あるか?」
天田「GWですか?……部活がありますね」
鳴上「あ、そうなのか。何部だ?」
天田「弓道と剣道とサッカーと……」
鳴上「お、多くないか?」
天田「あはは、助っ人で参戦してたらこんな感じに……」
鳴上「でも、そうか。忙しいんだな」
天田「どうかしたんですか?」
鳴上「いや、GWに旅行に行くんだが、一緒に行ってくれる人を探しててな」
天田「うわ、いいなぁ。僕も行きたいんですけどね」
鳴上「忙しいんだろ?なら仕方ないさ」
天田「そういえば、予定なさそうな人がいますけど」
鳴上「ん?……ああ」
天田「武者修行とか出かけそうではありますけどね」
鳴上「うーん……まぁ、後で聞いてみようか」
天田「すみません、同行できなくて」
鳴上「いいんだ。じゃ」
>……?
>どこからか視線を感じる。
鳴上「あ」
>階段から、アイギスがこちらを伺っている。
鳴上「アイギスさん。えーと、今の聞いてました?」
アイギス「何の事かわかりませんが、私はGWの予定ありませんよ」
鳴上「……ひょっとして、旅行行きたいですか?」
アイギス「……鳴上さんと、お友達の楽しい休日を、無理に割って入って邪魔するわけには」
鳴上「いや、そんな風に言わなくても。行きたいなら一緒にどうですか?」
>アイギスの顔が輝いた!
鳴上「……あ」
アイギス「鳴上さんがよろしいのなら、是非一緒に……」
鳴上「すみません。一人絶対に聞いておかなきゃいけない人を忘れてました。また後で!」
アイギス「あっ、鳴上さ……」
323 = 318 :
【三階】
鳴上「鳴上です。起きてますか?」
美鶴「……ああ。どうかしたか?」
鳴上「ええと、GWの旅行……桐条さんを連れて行くっていうのもアリですか?」
美鶴「私を?どうして?」
鳴上「……あいつが、いますし」
>……美鶴はしばらく無言だった。
鳴上「あの」
美鶴「確かに、彼には会いたい。しかし……自信が無いんだ」
鳴上「自信?何のですか?」
美鶴「彼にもう一度会って、その後普段通りに振舞えるのか。すんなり別れる事が出来るのか」
鳴上「……」
美鶴「昨夜のように、後ろ髪を引かれる思いをするのなら、私は……」
鳴上「桐条さん……」
美鶴「だから、気持ちはありがたいが他のメンバーにしてくれ。頼む」
鳴上「……わかりました。それじゃ、山岸さんとアイギスさんと行って来ようと思います」
美鶴「ああ。思う存分楽しんでくるといい」
鳴上「はい。許可してくださってありがとうございます」
美鶴「……用件はそれだけか?」
鳴上「はい。失礼します」
>結局、美鶴は顔を出さなかった。
>アイギスは不安そうに階段を見上げていた。
鳴上「桐条さん、都合が悪いようなので、一緒に行きましょうか」
アイギス「……!よ、よろしくお願いします!」
鳴上「出発は……そうですね、二日の夜に出れば三日の早朝には着くはずだから、フルに遊べると思うんですが。それでいいですか?」
アイギス「はい!了解であります!」
鳴上「……あります?」
アイギス「では、その日を楽しみにしておきますね!」
>アイギスと旅行に行く約束をした。
324 = 318 :
真田「俺には無しか」
鳴上「うわぁ!いつからいたんですか」
真田「天田に聞かれてな。GWに予定は無いのかと」
鳴上「ああ、でも今アイギスさんと……」
真田「そうか。だが俺も予定がある。どちらにせよ行けなかったから丁度いいさ」
鳴上「ちなみに、何を……」
真田「……ちょっと、山にでも登ろうかと」
鳴上「登山ですか?」
真田「山篭りだ」
鳴上「……ああ、はい」
>寮の皆に話を聞いて回った。
>心なしか、皆の態度が変わってきている気がする。
>『No.00 愚者 特別課外活動部』のランクが3になった。
美鶴「……いかんな。鳴上に心配をかけるわけには……」
美鶴「湊……」
>『No.03 女帝 桐条美鶴』のランクが4になった。
>そうだ、風花が向かう事を有里に連絡しなくては……まぁ、後でいいか。
【2012/4/28(土) 堂島宅】
>メールだ。
『差出人:鳴上
件名:明日
本文:山岸さんがそっちに向かって出立する。
明日の昼過ぎにはそちらに到着するはずだ』
有里「来た……風花か。まぁ風花なら……」
>とりあえず、誰かに相談しよう。
【同日 昼 堂島宅】
菜々子「湊お兄ちゃん、お客さんだよー」
有里「来たね」
雪子「こんにちは……有里君が相談って、何かあったの?」
有里「うん、ちょっとね。まぁ、上がって」
雪子「あ、はい。お邪魔しまーす」
>リビングに上がってもらった。
有里「……実は、明日、僕の昔の仲間が来るんだ」
雪子「本当?良かったじゃない」
有里「うん、まぁ……」
雪子「あんまり乗り気じゃない、の?」
325 = 318 :
有里「というか……実際、どんな顔して会えばいいのかわからない」
雪子「うーん……」
有里「天城さんの家に泊まるはずなんだけど、山岸風花って人。予約とか入ってない?」
雪子「あ、入ってた!確かお二人様って聞いてるけど」
有里「うん。もう一人来るんだ。鳴上君と一緒にね」
雪子「先に山岸さんが来て、その後鳴上君ともう一人が来るのね」
有里「うん。風花はGWが終わるまで……一週間滞在予定みたい」
雪子「で、その間有里君は会わないつもりなの?」
有里「……いや、会う。つもりなんだけど。どうしようか」
雪子「えっ、何を?」
有里「……」
雪子「……」
有里「うーん……」
雪子「せっかくだからさ、皆で出迎えようよ」
有里「皆で?」
雪子「明日だったら皆お休みでしょ?だから、皆で駅まで行って、それから家に案内するの。どう?」
有里「何で、皆で?」
雪子「え。えっと、有里君の友達だったら、私達の友達も同然……かなって、思ったんだけど」
有里「……」
雪子「変、かな?」
有里「いや。じゃあみんなに連絡しようか」
雪子「うん。私も準備するね。明日のいつごろなのかな」
有里「昼頃らしいよ……天城さん、ありがとう」
雪子「へ?何が?」
有里「今更になって尻込みしてた。情けないね」
雪子「うーん、良く知らないんだけど、いろいろあったんでしょ?仕方ないと思うよ……そういうのって、わかる」
有里「結局開き直るしかないって事かな」
雪子「あはは、そうかも。前向きに行かなくちゃ。ね?」
>雪子のおかげで決心が固まった。
>鳴上にはまた迷惑をかけるかもしれない……が、やはり仲間達と再会する必要はありそうだ。
>『No.18 月 天城雪子』のランクが3になった。
326 = 318 :
【2012/4/29(日) 晴れ 巌戸台分寮】
風花「それじゃ、行ってきます」
美鶴「道中気をつけてな」
順平「お土産よろしくぅー!」
岳羽「一週間だっけ?長いねー」
風花「先に行って待ってるね、鳴上君」
鳴上「はい。良い所ですよ、八十稲羽」
風花「ふふ、楽しみにしてる」
美鶴「山岸不在の間、全員テレビに入る事は禁止とする。雨が降ってもだ」
真田「まぁ、出て来れないんじゃ仕方ないな」
天田「しばらく雨は無いって言ってましたし、多分大丈夫でしょう」
美鶴「さて、鳴上はあと二日間、きっちり学校に出てもらうぞ」
鳴上「はい。その後、アイギスさんと一緒に出ようと思います」
美鶴「わかった……アイギスは、なにやら張り切っているようだぞ」
鳴上「ええ、凄く楽しみみたいで……」
美鶴「しっかりエスコートするようにな」
>風花が八十稲羽に向かった……。
鳴上「さてと。俺はもう少しこっちか。今日は何をしようか……」
コロマル「ワンッ!」
>コロマルがこっちを見ている……。
鳴上「散歩でも行くか?」
コロマル「ワン、ワンッ」
>喜んでいるようだ……。
鳴上「よし、行こう」
327 = 318 :
【長鳴神社】
鳴上「神社……?神社に来たかったのか」
コロマル「ワン!」
>コロマルは境内を走り回っている。
鳴上「お気に入りみたいだな」
真田「誰かと思えば鳴上か。どうかしたのか」
鳴上「あ、真田さん。真田さんこそどうしてここに?」
真田「じっとしていては体が鈍るからな。ロードワークと、軽いシャドーでもと思って最近は良く来ているんだ」
鳴上「そうですか……やっぱり凄い体ですね」
真田「鍛えてるからな。触るか?」
鳴上「あ、じゃあちょっとだけ」
真田「こら、変な所触るな……」
鳴上「……硬い」
真田「そうだろ?」
>真田の筋肉を触らせてもらった。
真田「そうだ、鳴上。少し組み手でもしないか」
鳴上「組み手ですか?いいですけど……」
真田「心配するな。寸止めだ。スパーじゃなくて組み手だからな」
鳴上「わかりました。やりましょうか」
真田「お、乗り気だな。結構好きなのか?」
鳴上「以前一度負けてますから。負けっぱなしは好きじゃない」
真田「ふん、いい性格だ。よし、それじゃあ……来い」
鳴上「その前に確認いいですか?真田さん、ボクシングやってるんだと思いますけど、こっちは素人なんで……足もアリでいいですか?」
真田「ほう、蹴りに自信ありか?」
鳴上「まぁ、見様見真似ですが」
真田「武器以外なら何でも良い。それでも負けるつもりは無いがな。それじゃ、改めて」
328 = 318 :
鳴上「行きます……!」
>真田は頭を下げ、拳を上げた。
>正面から行っても勝ち目は薄い。それは前回わかっている。
>なら、狙うべきは……
真田「なるほど、そう来たかっ!」
>身を低くして横薙ぎに足を払う!
>真田は一歩下がって回避した。
鳴上「ボクシングでは下半身への攻撃はありませんでしたよね?」
真田「はっ、そういう台詞はな。不意を突かれて当たった相手にだけ……言えっ!」
>右の打ち下ろし。
>上体を捻って避ける。
真田「やるじゃないか。ギアを上げるぞ!」
>左、左、左、左。
>連打が止まらない。
鳴上「く、ぐ……!」
真田「どうした。最初の一発以降何も出てこないな!」
鳴上「好きで、固まってるわけじゃ……!」
>反撃に転じる隙が無い。
真田「折角許してやったんだ、足も使えばいいじゃないか」
鳴上「好き勝手言って……っ今!」
>連打に織り込んで来た少し大振りの右。
>一瞬出来た間隙を縫って大きく左へ体を回りこませる。
真田「なっ」
鳴上「使わせてもらいますよ、足」
>千枝との組み手で何度も見た蹴り。
>一撃で勝負を決める破壊力の、後ろ回し蹴り……。
>無防備な背中側からの攻撃。
>決まる……!
329 = 318 :
真田「おいおい、寸止めだと言っただろう」
鳴上「いっ……痛っ」
>足首に真田の左拳がめり込んでいる。
>上半身を捻り、アッパー気味のショートスイングブロー。
>攻撃に来た部位を拳で叩き落とす、パリングという技術。
真田「惜しかったな。だがとどめの一発、振りが大きすぎた。もう少しコンパクトに蹴っていれば決まってたかもな」
鳴上「蹴りをパリング出来るような人がいると思うわけ無いじゃないですか……」
>……痛かった。
真田「やらなければ、止まる勢いじゃなかった。……だが、やはり強いな。どこで覚えた」
鳴上「ああ、以前組み手してた相手から教わった……というか、見て覚えた技です」
真田「是非その師匠とも戦ってみたいもんだな」
鳴上「なんか、気が合うかもしれませんよ」
真田「そうか。まぁ今日のところは分けとしておこう」
鳴上「……一瞬、手抜きませんでした?」
真田「何の事だ?ま、まだまだ素手で負けるわけにはいかないな」
コロマル「ワンッ!」
真田「なんだ、見てたのか」
鳴上「コロマルはどっちの勝ちだと思う?」
>コロマルは尻尾を振って真田の方へ走り寄った。
真田「レフェリーは俺のようだな」
鳴上「……仕方ないですね、今回は負けでいいです。その内勝ってみせますよ」
真田「楽しみにしているぞ」
>コロマルの散歩をして、真田と組み手をした……。
>『No.04 皇帝 真田明彦』のランクが3になった。
>『No.08 正義 コロマル』のランクが3になった。
330 = 318 :
【2012/4/29(日) 昼 八十稲羽駅前】
陽介「はぁ……」
千枝「ちょっと、何でそんなに凹んでんのよ」
雪子「私が今日来る有里君の友達の話したら……」
完二「あー、アレっスね。また女かよぉ!って叫んでたんで」
りせ「……また、女の人なのぉ?」
直斗「女性の知り合いが多いんですかね」
有里「偶然だよ」
陽介「俺だってそういうスタイリッシュな青春謳歌してーよ……カミサマ……」
千枝「ほら、顔上げなさいよ」
陽介「うっせぇ!里中にゃわかんねーよ!この、なんつーの?置いてけぼり感っつーの!?」
千枝「はいはい。あ、電車来たよ」
有里「……時間的に、多分これだね」
りせ「どれ、どの人がそうなの!?」
直斗「一週間も滞在するなら、かなり大きい荷物を持ってるでしょうね。例えば、あんな風に」
風花「えっと……鳴上君の話だと、この駅で降りて……」
有里「風花」
風花「あ、はいっ……え?」
有里「久しぶり」
風花「あ……ありさ……」
陽介「……割と好みだ!お疲れさまでーす!ようこそ八十稲羽へ!」
千枝「ちょっと、陽介」
風花「……やっと、会えたね」
331 = 318 :
有里「うん。やっぱり、この前見てたんだね」
風花「うん、テレビの中で……でも、何となく半信半疑だった。これで、ようやく安心って感じ」
有里「そう。ごめんね、何も言わなくて」
風花「いいの。わかってる。わかってる、から……」
陽介「俺、このパターン前にも見たな……」
完二「先輩、ここは空気読みましょうや……」
風花「会いたかった……会いたかったよ、ずっと」
有里「うん。ほら、風花。汚れちゃうから」
風花「うん。……うん。でも、ごめんなさい、もう少しだけ……」
>風花は膝をついて涙を流した。
>黙って、風花の頭を撫でてあげた。
風花「有里君……有里君……!」
>…………。
有里「落ち着いた?」
風花「うん。ごめんね……ありがとう」
有里「というわけで、ここが八十稲羽だよ」
風花「うん。のどかな所だね……あ、あれ?」
陽介「……」
千枝「……あ、あはは」
雪子「……すごい、ね」
直斗「なんだか、見てるこちらが恥ずかしくなりますね」
りせ「……うーん、強敵カモ」
完二「あー、そのー、なんだ……」
風花「えっと、この人達は?」
有里「こっちで出来た仲間。……友達。ちなみにずっといたよ」
風花「……あ、あぅ、あの……」
332 = 318 :
千枝「ひ、久しぶりの再会ですもんねー!わかるっ!わかりますっ!」
りせ「そ、そうそう!感極まっちゃうよね!」
直斗「で、ですね。仕方ないと思いますよ」
風花「あ、うぅ、ご、ごめんなさい!恥ずかしい所を……」
陽介「なんでどいつもこいつも既に攻略済みなんだよ……」
完二「だからよ、アンタはちっと空気ってもんをよぉ……」
千枝「と、とにかく!ようこそ八十稲羽へ!歓迎します!」
風花「あ、ありがとうございます。えっと、とりあえず、旅館に案内してもらっていいかな?」
雪子「あ、その旅館家なんです」
風花「あ、そうなの?すごい、若女将ってヤツですか?」
完二「流石に一週間分となると荷物もすげえっスね。俺、持ちますよ」
風花「ありがとう。うわぁ、すごい体。鍛えてるみたいだね。かっこいい」
完二「そ、そうスか?へへへ……」
有里「とにかく、旅館に行ってから続きだね」
陽介「はぁ……」
>八十稲羽に風花がやってきた。
>これから一週間、騒がしくなりそうだ……。
【2012/5/2(水) 晴れ 月光館学園】
鳥海「さて、チャイムが鳴ったら四連休。この二日が無けりゃ九連休だったのに残念だったね。私も残念だったけど」
鳥海「遊ぶもよし勉強するもよし。ちょっとくらい羽目外しても全然構わないわよー。ただし、補導されるような事は絶対しないこと!」
男子「ありゃ自分の仕事が増えるの嫌がってんだな」
鳴上「言ってる事は正しいんだから良いんじゃないか」
鳥海「わかった?わかったら解散。また来週!じゃーねー」
男子「よっしゃ遊ぶぜー!鳴上は旅行だっけ?」
鳴上「ああ、四日間丸々な」
男子「豪勢な時間の使い方だよほんとに。じゃ、来週な!」
鳴上「またな」
>帰って八十稲羽行きの準備をしよう。
333 = 318 :
【2012/5/2(水) 晴れ 天城屋旅館】
風花「あ、それダウト」
陽介「うぇえ!?」
千枝「花村弱すぎ……」
>風花はすっかり馴染んでいるようだ。
陽介「っくしょー、山岸さんが強すぎんだよ。有里!頼む!仇討ってくれぇ」
有里「ん?僕?……いいよ、やろうか」
千枝「有里君強そうだもんねー」
有里「そうだな……さっきから風花は連勝してるし、ハンデって事で種目はこっちが決めていい?」
風花「ん、いいよ。何にする?」
有里「ポーカー」
陽介「お、渋いので来たな!」
千枝「まさにポーカーフェイスだしね。こりゃ強敵だわ」
風花「いくら有里君相手でも簡単には負けないんだから。いいよ」
有里「……それじゃ、もう一つ提案がある。このポーカー、面白くする為にあるモノを賭けよう」
風花「あるモノ?」
有里「脱衣ポーカー……って言えば、わかるかな」
陽介「脱衣ポーカー!?男のロマンじゃねえか!」
風花「脱衣って……嘘、本気で言ってるの?」
有里「僕は本気だ」
千枝「うっわ……流石にこれはちょっと……」
有里「逃げるの?」
千枝「逃げっ……だ、だって、脱ぐんでしょ?男は平気かもしれないけど、私たちはちょっと」
風花「……ここは、逃げません!やります!」
千枝「ちょ、山岸さん!?」
風花「里中さん。大丈夫。勝てばいいんだよ」
千枝「た、確かにそうだけど……」
陽介「なんだよ里中ー。いざとなったら意気地無しってか?ん?」
千枝「くっ……いいよ、やったろーじゃん!!」
有里「ルールは以下。最も強い役を揃えた者が負けた者を一人指定して、一枚脱がせる事が出来る。靴下は片方で一枚。アクセサリーなんかも一枚扱い」
風花「わかった。その代わり、イカサマは禁止。捨て札は全部伏せて出す事。こっちの条件も飲んでね」
有里「受けよう。じゃあ、ディーラーは誰が?」
風花「公平性を期す為に、ゲーム毎に順番にシャッフルしていって、その都度チェンジの順番を決める。それでどうかな?」
有里「グッド。さ、始めようか」
>脱衣ポーカー勝負が始まった。
>…………。
334 = 318 :
陽介「でさぁ……なんで俺がパン一なわけ?」
有里「言ったはずだよ、一番強い役を揃えた人が一人指定できるって」
陽介「毎度毎度ハッタリとポーカーフェイスで乗り切って、そんでなんで俺を指名すんだよ」
有里「女の子を脱がすわけにはいかないから……」
風花「結局一回も勝てなかったけどね……」
千枝「こっちがどんだけ揺さぶっても全然無視だし、逆にこっちが不安な時にいちいち煽ってくるし……強すぎるよ……」
陽介「なぁ、服着ていいか?」
有里「どうぞ」
陽介「うぅ……欲張って参加した俺がバカだった……」
風花「でも、楽しかったよ。あ、そうだ。明日鳴上君達が来るんだよね」
有里「あ、そうか」
千枝「いつ頃来るとか聞いてませんか?」
風花「夜移動して、朝早くに着くみたい。休み全部遊びたいんだって」
陽介「おー、楽しみだな。どうする、また出迎え行くか?」
千枝「あ、でも堂島さんと菜々子ちゃんが行くんじゃないかな」
陽介「あー、そっか。じゃあ邪魔すんのも悪いな。じゃ、荷物置いたらジュネス集合でいいか」
風花「有里君はその人たちと一緒に住んでるんだよね」
有里「今お世話になってるね」
千枝「じゃあお出迎えは有里君に任せよっか」
陽介「だな。俺らはその後ってことで。ファーストコンタクトは菜々子ちゃんに譲るか!」
有里「じゃあ彼に連絡とってみるよ。とりあえず脱衣ポーカーを続行しよう」
陽介「どうせまた俺が的じゃねーか!」
>明日、誰が来るのだろうか。
>……また、嫌な予感がする。
335 = 318 :
【巌戸台分寮】
岳羽「あ、おかえりー」
鳴上「ただいま。早いですね」
岳羽「大学生なんてそんなもんそんなもん。今日出発だっけ?」
鳴上「夜ですけどね。とりあえず準備しないと」
岳羽「男の子はそんなに荷物いらないんじゃないの?」
鳴上「まぁ、俺は前に住んでた家に荷物置いてあるんで……むしろ心配が別にありまして」
岳羽「あー、アイギスね……あの子、あれで結構抜けてるからねー」
鳴上「浮かれようが凄いんで、何かミスしてないかと」
岳羽「あはは、鳴上君わかってんねー。多分、何かやらかしてると思うから。備えはしといた方がいーよ」
鳴上「そういうわけなんで、失礼します」
岳羽「ん、しっかりねー」
>荷物を鞄に詰めた……。
鳴上「と言っても、本当に着替えくらいなんだよな」
>自分の準備は済んだ。
鳴上「……一応、アイギスさんの荷物もチェックした方がいいかな」
【三階】
鳴上「アイギスさん、います?」
アイギス「あ、鳴上さん。今開けます」
鳴上「あ、アイギスさん。今日出発ですけど荷物……は……」
>巨大なトランクが三つ並んでいる!
鳴上「それ、全部持っていくんですか」
アイギス「必要な物を全部と思うと、どうしても……」
鳴上「ちょっと待っててください。岳羽さーん!岳羽さーん!」
岳羽「なに、どうしたの、って……アイギス、あんたねぇ……」
アイギス「うぅ、あの、良ければ選別を手伝ってもらえませんか……」
鳴上「あんまり私物見ちゃうのも何なんで俺はこれで……」
岳羽「ん、とりあえずコレは任せといて。アイギス、ほらこっち!そこ座って!」
アイギス「夜までには終わらせますから、心配しないでくださいね」
鳴上「はい、じゃあ……」
>……色々と多難だ。
336 = 318 :
美鶴「……」
鳴上「あ、桐条さん……どうかしましたか?」
美鶴「ん、いや。別になんでも無いんだが……」
鳴上「やっぱり、一緒に行きますか?」
美鶴「いい。それは遠慮する。……本心では別だが」
鳴上「……あ、そうだ」
>エリザベスとの約束を思い出した。
鳴上「有里の意思次第ですけど、あいつ、こっちに連れてこれませんかね」
美鶴「何?それは……不可能ではないが。どうしてだ?」
鳴上「やっぱり、現状を皆さん知っておくべきかと。あいつは嫌がってるみたいですが」
美鶴「そういう男だからな。……交渉は、君に任せる。もし彼が認めたら、他の雑事は私がやろう」
鳴上「わかりました。では今夜出発します。ただ、あまり期待しないでください」
美鶴「あくまで彼の意思が優先か。そうだな、それがいい。旅行中、私達の事は忘れても良いから、羽根を伸ばしてきなさい」
鳴上「はい。あと、アイギスさんが荷物の選別に迷ってるようなんで、良ければ手伝ってあげてくれませんか」
美鶴「何?困ったものだな……アイギス。私も手伝おう」
>有里との交渉……難航しそうだ。
>約束した手前、最善を尽くそう。
>ん?
>メールだ……。
>有里に到着予定時刻をメールしておいた。
鳴上「あ、アイギスさんの話し忘れた」
>……まぁ、いいか。
337 = 318 :
【巌戸台駅】
鳴上「じゃあ、行ってきます」
アイギス「行って参ります」
美鶴「うん。気をつけてな」
天田「楽しんできてくださいね」
岳羽「私らしか見送り来れなくてごめんね」
鳴上「いや、別にそんなに長い別れってわけでもないし。ありがとうございます」
アイギス「鳴上さん!あの電車ですよ!」
鳴上「あ、それじゃまた月曜日に!行ってきます!」
>電車に乗った。
鳴上「これに乗って、途中で乗り換えになります」
アイギス「了解であります!」
>アイギスの目が輝いている……。
鳴上「……楽しいですか?」
アイギス「何故、そんな事を聞くんですか?」
鳴上「いえ、明らかに様子がおかしいので」
アイギス「ほ、本当ですか?おかしいな……」
鳴上「遠足に行く小学生みたいな顔してますよ」
アイギス「それは経験した事が無いのでわかりませんが、そんなにおかしいでしょうか?」
鳴上「アイギスさんって、そんな顔もするんですね。もっと冷静な人かと思ってました」
アイギス「……恥ずかしいです」
鳴上「いいんじゃないですか?俺は好きですよ」
アイギス「……」
>そういえば、向こうに有里がいる事を伝えていない……。
>どう言おうか……。
鳴上「アイギスさん、もし向こうに着いて、信じられないような人が出迎えてくれたらどうします?」
アイギス「何の質問でしょうか?」
鳴上「いや、深い意図は無いんですが」
>アイギスは何かを考えるように首を傾げている。
アイギス「……ああ!サプライズというヤツですか!?」
鳴上「……なんか、それでいいです」
>ある意味最高のサプライズには違いないし、そういう事にしておこう。
>八十稲羽へと向かった……。
338 = 318 :
GW突入編、本当に突入だけ。
とりあえず本日分は終わり。
では、また後日。
339 :
アイギスだとぉ!
340 :
風花とアイギスは予想してたけど、再開と同時にオルギアモードで荒ぶるとか無しねw
341 :
アイギスが全力で抱きしめたらキタロー死ぬんじゃないかww
342 :
アイギスかわええなぁ
343 :
女子の中でハブられるゆかりっちカワイソスww
そして>>1乙
344 :
キタローェ・・・
脱衣なのに男脱がすのかよ!しかも紳士な態度見せやがって!
陽介でなくとも悔しいぃぃ
345 :
続きはよ
346 :
遅くなりました。
有里が脱衣ポーカーを提案した理由
1.陽介が絡んでくる事を見越して、最下位を陽介に任せる事で他のメンバーに油断を作るため
2.賭ける物を作ることで緊張と不安を煽り心理を読みやすくするため
3.ノリと勢い
この内どれかであることは確かです。
では、本日分。
347 = 346 :
【2012/5/3(木) 晴れ 堂島宅】
菜々子「お父さん、早く!」
堂島「待て待て、まだ時間あるだろう。もうちょっとゆっくり準備させてくれ」
有里「菜々子、楽しみみたいだね」
菜々子「うん!」
堂島「すまんすまん。じゃ、行くか」
>鳴上の出迎えに行こう。
【八十稲羽駅前】
堂島「で、何時だったかな」
有里「そろそろのはずですけどね」
菜々子「……」
>菜々子はうずうずしているようだ。
有里「まぁ、こんな早朝にここで降りる人はあまりいないでしょうから」
堂島「だな。電車が来ればわかるか……って、言ってたら来たな」
菜々子「お兄ちゃん、着いたかなぁ」
有里「んー……あ、アレじゃないかな」
>二人組みが歩いてきている。
>一人は銀髪、一人は金髪の……
有里「……ああ、そうきたか」
菜々子「お兄ちゃんだ!お兄ちゃん!」
>菜々子が走り出して鳴上に抱きついた。
鳴上「うわ!っと……菜々子、久しぶり」
>あちらでは二人が感動の再会をしている。
>そしてこっちでは……
348 = 346 :
アイギス「あなたは……誰ですか?」
有里「……久しぶり、だね」
堂島「ん?湊、お前……」
アイギス「……っ!!」
>アイギスは両方の手袋の指先を噛んで引っ張り、投げ捨てた。
アイギス「答えなさい!あなたは何者ですか!」
鳴上「あ、アイギスさん!待って……」
有里「君に銃口を向けられるのはこれで何回目かな?せっかく卒業式以来の再会なのに」
アイギス「何故、それを知って……本当に……?」
有里「僕は僕だ。ただいま、アイギス」
>アイギスに歩み寄り、そっと抱き寄せた。
アイギス「な、何故……どうして?本当に、あなたなのですか?」
鳴上「詳しくはまた説明します。とにかく、こいつは本当に有里湊ですよ」
アイギス「あ、あう……ううう……」
有里「アイギス、落ち着いて。煙が……」
鳴上「熱暴走だ……」
堂島「湊。俺にも説明してくれるか」
有里「……長くなりますよ」
堂島「……なら、全部終わってからでいい」
菜々子「お兄ちゃん、湊お兄ちゃんの事知ってるの?」
鳴上「ああ。陽介から話を聞いてたんだ」
菜々子「そっか!あのお姉ちゃんは?」
鳴上「お兄ちゃんが今住んでる所のお友達だよ」
菜々子「お姉ちゃんはどこに泊まるの?」
鳴上「ああ、そうだ。堂島さん、お久しぶりです」
349 = 346 :
堂島「他人行儀は無しだ。やり直し」
鳴上「はは。ただいま」
堂島「おかえり。で、あそこで煙吹いてる人はなんだったか」
鳴上「あ、アイギスさんです。ええと、天城屋に泊まる予定なんですけど」
堂島「じゃあ家に帰る前に送っていこう。それでいいだろ?」
鳴上「すみません、お願いします」
堂島「いいさ。湊、その人大丈夫か?」
有里「その内再起動すると思います。大丈夫ですよ」
堂島「そ、そうか。じゃ、行くとするか」
>八十稲羽に鳴上とアイギスがやってきた……。
【天城屋旅館】
有里「アイギス?着いたみたいだよ?」
アイギス「うう……はっ!ここは……」
鳴上「今日からしばらく泊まる旅館です。もう山岸さんがいるはずなんで」
有里「天城さんもいるから大丈夫だとは思うよ」
アイギス「ひ、一人で大丈夫です。お手数おかけしました」
堂島「フラフラしてるぞ、大丈夫か」
有里「大丈夫……だと思いますけど」
>アイギスを見送った……。
堂島「さて、そんじゃ我が家だな」
有里「今、鳴上君の部屋は僕が借りてるんだけど……」
堂島「ああ、そうだったな。悠、そういうわけでお前の部屋は今湊が使ってる。どこで寝る?」
鳴上「そうですね……菜々子、一緒に寝るか?」
菜々子「お兄ちゃんと一緒?」
堂島「冗談だ。お前はお前の部屋で寝ろ」
有里「あれ、それじゃ僕は?」
堂島「布団運ぶから一緒に寝たらいいだろう。それとも嫌か?」
鳴上「俺は構わないですよ」
有里「特に不満は無いです」
堂島「悪いな。正直言ってすっかり忘れてた。多少手狭だが、お前らなら平気だろ」
350 = 346 :
【堂島宅】
堂島「よし。荷物はそれだけだな?」
鳴上「ええ。そんなに持ってくる物もありませんでしたし」
有里「持とうか?」
鳴上「平気だ……ただいま」
菜々子「おかえりなさい!」
堂島「おかえり。どうだ、久々に帰ってきてみて」
鳴上「何とも言えない気分ですよ。懐かしいというか、なんというか」
堂島「はっは、そうか。荷物置いたら菜々子の相手してやってくれ。お前の事ずっと待ってたんだ」
鳴上「はい。あ、有里」
有里「ん?どうかした?」
鳴上「お前はこれからどうする?」
有里「んー……とりあえず、旅館行ってあの二人と少し話をしようと思う」
鳴上「そうか。多分その後皆で集まることになると思うけど、大丈夫か?」
有里「わかった。二人も連れて行っていいんだよね?」
鳴上「平気だろ。じゃあ行って来い」
有里「ん。菜々子の相手がんばってね」
【天城屋旅館】
有里「まさかアイギスとは」
>撃たれずに済んだのは本当に運が良かった。
有里「そう何回も狙われたらたまったもんじゃないな。……そういえば、堂島さんは耳から煙を吹く人間を見てもなんとも思わないんだろうか」
>……。
有里「まぁ、いいか」
雪子「あ、有里君。いらっしゃい、どうしたの?」
有里「忙しそうだね」
雪子「連休だからね。残念だけど、今日皆集まっても私行けないみたい。鳴上君には会いたいんだけど」
有里「その内連れてこよう。ええと、金髪で青い目の女の人が今朝来たよね?」
雪子「ああ、私が案内したよ。山岸さんのお部屋でよかったんだよね?」
有里「そう、ありがとう。じゃあちょっとその二人に会ってこよう」
雪子「はい。じゃあまたね」
有里「えーと……この部屋だ」
有里「おはよう。アイギスは……」
風花「あ、有里君。アイギスならそこで寝てる。何か処理限界が来ちゃったんだって」
有里「あ、寝てる?そう……」
>突然、アイギスが飛び起きた。
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