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    元スレ鳴上「月光館学園か」有里「八十稲羽?」

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    51 = 45 :



    【2012/4/6(木) 晴れ】


    >とりあえず、退院していいと言われた。

    >まだ通院の必要はあるらしいが……。

    >元々怪我でも病気でも無いのだから、入院期間は短くて当たり前か。

    >堂島さんが迎えに来てくれた。

    堂島「随分早い退院だったな」

    有里「まだ通院しろってしつこく言われましたけどね」

    堂島「まぁ、いいさ。支払いは立て替えておいたから」

    有里「……何から何まで」

    堂島「いい。早速、家に案内するぞ」

    >堂島さんの運転で、これから住む家に向かった。


    【堂島宅】


    堂島「ここだ」

    >普通の民家だ。

    堂島「部屋は……あいつには悪いが、あいつの部屋を貸してもらうか」

    有里「あの……」

    堂島「さて、と。今日から俺がお前の保護者だ。ちゃんとした自己紹介がまだだったな。俺は堂島遼太郎。稲羽署で刑事をやってる」

    有里「はい、よろしくお願いします」

    堂島「で、だ。俺はまだ仕事がある。だからお前につきっきりになってるわけにもいかない」

    有里「はぁ……?」

    堂島「夜には帰れると思うが……後の詳しい事は菜々子に聞くといい」

    有里「菜々子って……」

    堂島「娘だ。じゃ、また夜にな」

    有里「ど、堂島さん?あ……」

    >堂島は車で去っていった。

    >……仕方ない、入るとしよう。

    >玄関を開けた。

    >……視線を感じる。

    >奥の部屋から、小さな女の子が覗いている。

    有里「……あの」

    「湊……さん?」

    有里「あ、はい」

    52 = 45 :


    >どうやら彼女が菜々子のようだが、とても緊張しているようだ。

    有里「君が、菜々子ちゃんだね?」

    菜々子「そう、です」

    有里「堂島さ……お父さんからお話聞いてるかな?」

    菜々子「聞いてる。お兄ちゃんがこれから一緒に住むんでしょ?」

    有里「うん。これからお世話になります有里湊です。よろしくね」

    >できる限り優しく微笑んでみた。

    >菜々子が部屋から出てきてくれた。

    菜々子「よかった……菜々子、こわいお兄ちゃんだったらどうしようかと思ってた」

    有里「怖くないよ?」

    菜々子「うん!菜々子わかるよ」

    有里「そっか、ありがとう。ええと、それで……」

    菜々子「あ、そうだ。お兄ちゃんのお部屋教えるね」

    >菜々子が袖を引っ張ってくる。

    >どうやら、部屋は二階らしい。

    菜々子「お兄ちゃんの部屋だけど、湊お兄ちゃんに貸してあげるんだって」

    有里「お兄ちゃん?」

    菜々子「菜々子の大好きなお兄ちゃんだよ。今はお引越ししちゃっていないんだけど、また遊びにくるんだって」

    有里「そうなんだ。じゃあお兄ちゃんのお部屋、しばらく借りるね」

    菜々子「湊お兄ちゃんだったらいいよ!これからよろしくおねがいします」

    >堂島菜々子と知り合いになった。

    >菜々子と遊んで過ごした……。

    53 = 45 :



    【同日 夜 堂島宅】


    >堂島さんが帰ってきたようだ。

    菜々子「お父さんおかえりなさい!」

    堂島「ただいま。湊、菜々子とは話したか」

    菜々子「湊お兄ちゃん、遊んでくれたよー」

    堂島「そうか、良かったな。湊、お前、まだ生活用品何も無かっただろ」

    有里「あ、はい」

    堂島「明日、菜々子の学校が始まるから、菜々子が帰って来てから一緒に買い物に行くといい」

    菜々子「お買い物?」

    有里「でも、僕無一文ですよ」

    堂島「知ってるよ。ほら」

    >堂島から小遣いをもらった。

    堂島「いろいろ必要な物もあるだろう。無駄遣いはするなよ」

    有里「……何か、すみません」

    堂島「謝らなくていい。どうしても心苦しいなら、その内バイトするなりなんなりで返してくれればいい」

    有里「はい、ありがとうございます」

    菜々子「お買い物だったらジュネスがいいなぁ」

    有里「ジュネス?」

    菜々子「エブリデイ・ヤングライフ・ジュネス♪」

    >菜々子と買い物に行く事になった。

    >堂島の確かな優しさを感じる……。

    『No.12 刑死者 堂島遼太郎』のコミュを手に入れた。

    『No.12 刑死者 堂島遼太郎』のランクが1になった。

    >その晩は、三人でいろいろな話をした……。

    54 = 45 :

    とりあえず一旦終わり。
    今日もまた後で時間あれば投下しに来ます。

    56 = 43 :

    3主人公のキャラ付けが難しそうだな

    59 = 58 :



    【同日 23:55】

    >例の彼の部屋で眠る事になった。

    >なんとなく、眠れない。

    >体力が回復してきているからか、今まで寝過ぎだったからか……。

    >もうこんな時間だ。

    >もう来ないとわかっていても、この時間になると少し身構えてしまう。

    >……。

    >日付が変わる。

    >もう、寝よう。

    カチッ

    有里「……」

    >悪い方の予想が当たった。

    有里「僕がこうして生きてるって事は、封印が解けたって事なんだろうけど」

    有里「やっぱりまたか……『影時間』」

    >さて、どうしたものか……。

    >異変の中心を探る必要がある。

    >……明日にしよう。

    >今日は、眠る……。


    【2012/4/6(金) 晴れ】


    >朝、早く目覚めたので家事を済ませておいた。

    >ただ世話になるだけ、というわけにもいかない。

    菜々子「湊お兄ちゃん?」

    有里「おはよう、菜々子ちゃん」

    菜々子「菜々子でいいよぉ。お兄ちゃんご飯作ってくれたの?」

    有里「うん、簡単で悪いけど」

    菜々子「すごい、湊お兄ちゃんお料理できるんだ!」

    有里「そんなに驚かなくても……」

    菜々子「お父さん全然出来ないんだよ」

    有里「まぁ、男の人はそういう事もあるんじゃないかな」

    菜々子「でも、お兄ちゃんも湊お兄ちゃんもお料理できるよね?」

    有里「趣味みたいなものだよ」

    堂島「おはよう。なんだ、二人とも早いな」

    有里「おはようございます」

    >学校へ行く菜々子と、仕事へ行く堂島さんを見送った。

    >さて、昼までに掃除くらいはしておこう……。

    60 = 58 :



    【同日 昼過ぎ】


    菜々子「ただいまー」

    有里「あ、お帰り」

    菜々子「あ、湊お兄ちゃん。今日ジュネス行くんだよね?」

    有里「それがジュネスの場所、わからないんだよね」

    菜々子「大丈夫だよ!菜々子覚えてるから!」

    有里「じゃあ、案内頼めるかな?」

    菜々子「うん!準備するねー」

    >菜々子とジュネスに行く事にした。


    【ジュネス】


    有里「ああ、ジュネスってこういう……」

    菜々子「エブリデイ・ヤングライフ・ジュ、ネ、ス♪」

    陽介「おお?有里じゃねーか!聞いたぜ、堂島さんとこに世話になるんだってな!」

    有里「陽介。なんでここに?」

    菜々子「ジュネスのお兄ちゃんこんにちわー!」

    陽介「おーう菜々子ちゃんこんにちわー!なんでって、ここ俺の親が経営してんだよ。だからまあバイトっつーか手伝い?」

    有里「なるほど、それで」

    クマ「クマー!ナナちゃんいらっしゃいクマー!」

    菜々子「あー、クマさんだー!湊お兄ちゃん、菜々子クマさんと遊んでていい?」

    クマ「ヨウスケー、ナナちゃんと遊んできていいクマかー?」

    有里「いいよ、行っておいで」

    陽介「あんまり無茶すんじゃねーぞ」

    菜々子「わーい!クマさん遊んでー!」

    クマ「今日は何するクマー!?」

    陽介「……ったくアイツは無駄に元気いーんだから」

    有里「今の着ぐるみ、陽介の同僚?」

    陽介「あー、そんなようなもんだ。で、今日はどうしたよ」

    有里「僕生活用品何も持ってないから」

    陽介「なんだ、普通に買い物ね。そうだ、菜々子ちゃんはクマに預けてよ、ちょっと話さねえか?」

    有里「仕事はいいの?」

    陽介「ああ、今日は正式にバイトで入ってるわけじゃねえんだ。だから大丈夫」

    有里「そう。じゃあ別に構わないよ」

    陽介「うち、フードコートもあんだよ。そこで話そうぜ!おばちゃーん!ちっと抜けんねー!」

    おばちゃん「はいよー、いつもありがとねー!」

    61 = 58 :



    【ジュネス内・フードコート】


    陽介「よっと、炭酸飲めるか?」

    有里「大丈夫」

    陽介「いやー、それにしても良かったな。とりあえずでも拠点が決まってよ」

    有里「本当に……そういえば陽介、色々手を打ってくれてたんだって?」

    陽介「ん?ああ、まあな。どれも成果なしだったけどよ。言ったろ?出来る事なら力になるってよ」

    有里「気持ちが嬉しい」

    陽介「へ、へへ。なんだよ、照れるじゃねえか」

    >陽介は嬉しそうにしている。

    陽介「……なんか、懐かしいな」

    有里「何が?」

    陽介「いや、前に住んでた友達とさ、よく集まったんだよ。ここで」

    有里「僕に似てるっていう?」

    陽介「そ。そのソイツとさ、他の仲間と一緒に集まってよ……」

    有里「いいね……」

    >陽介は、なんだかしんみりしているようだ。

    陽介「……あ、そういやさ、有里ってオカルトとか得意?」

    有里「オカルト?」

    >陽介は雰囲気を変える為か、妙な切り出しで話し始めた。

    陽介「おー。お前の情報収集にさ、結構遅くまでネットとかしてんだよ、最近」

    有里「本当にありがとう」

    陽介「や、それはいいって。でさ、最近、夜中に変な時間あるんだよな」

    有里「変な時間?」

    陽介「決まって丁度12時くらいか。PCが止まるんだよね」

    有里「!?」

    陽介「空気も何か変な感じだしさ、停電か?って思うんだけど、他の連中に聞いても停電なんて知らねーって言われるし……」

    有里「月だけが光ってる?」

    陽介「そうそう、周り全部真っ暗でさ……って、有里、もしかして知ってる?」

    有里「……陽介は、一日が24時間じゃないって言ったら、信じる?」

    陽介「え、いきなりだな」

    有里「一日と一日の間に、ある特定の人種しか知る事が出来ない時間がある……って、どう思う?」

    陽介「それって、どういう……」

    有里「『影時間』。そう呼ばれてる」

    62 = 58 :


    陽介「待て、マテ待てまて。ど、どういうことなワケ?」

    有里「陽介が感じた変な時間の説明をしてる」

    陽介「いや、お前記憶無いんだったよな?なんでそんな詳細に覚えてんのよ」

    有里「……それを話すには、凄く長くなる。だから、今は聞かないで欲しい」

    陽介「……わかった。今は、な。いずれ話してくれるよな?」

    有里「うん、いずれね。……とにかく、そういう時間が存在して。それを知覚出来る存在がいる」

    有里「それが、ペルソナ使い」

    陽介「ペルソナっ……!って、何で有里がそれ知ってんだよ!」

    有里「やっぱり、陽介もペルソナ使いなんだね?」

    陽介「俺もって、まさか有里も?」

    >黙って頷いた。

    陽介「マジかよ……信じらんねぇ。あのさ、マヨナカテレビ……って、知ってるか?」

    有里「マヨナカテレビ?」

    陽介「そっちは知らねんだな。有里の言った影時間みたいなもんでさ、まあそれに関する事件があったんだよ」

    有里「それで、どうしたの」

    陽介「ここに集まった仲間ってのは、その事件解決の為に結成した特別捜査隊の事なんだよ」

    有里「それって……」

    >特別課外活動部みたいなものだろうか。

    陽介「仲間も皆ペルソナ使いで、ついこの間事件を解決したばっかりなんだ」

    有里「……驚いたな」

    陽介「こっちの台詞だっての。まさか仲間以外にペルソナなんて話するなんてよ」

    有里「陽介。頼みがある」

    陽介「なんだよ、改まって」

    有里「影時間の発生は異常事態だ。そして、影時間は……人に害を成す。その解決の為に、力を貸して欲しい」

    陽介「……マジ、なんだな?」

    有里「マジだ。その仲間たちを、もう一度集める事は出来ないだろうか」

    陽介「さっき言った、引っ越しちまった友達以外はすぐにでも集められるぜ」

    有里「出来れば、一度話をしておきたい。学校も始まって忙しいとは思うけれど」

    陽介「そうも言ってらんねえんだろ?わかったよ、話してみる」

    有里「すまない。ありがとう」

    陽介「水臭い事言うなって。行き倒れとそれを介抱した中だろ?」

    >陽介は頼もしく笑っている。

    『No.20 審判 自称特別捜査隊』のコミュを手に入れた。

    『No.20 審判 自称特別捜査隊』のランクが1になった。

    >影時間は復活したが、新たな地で新たな仲間を得た。

    >きっと、対抗する事が出来るだろう……。

    63 = 58 :

    今日も短めですが本日はここまで。
    二人が徐々に近付き始めます。

    64 :

    おお!特別課外活動部が有里を見たらどんな反応するか楽しみだ

    66 :

    何故雪子が悪い意味の月?
    『迷い』そして『謎』か…?
    はっ!『笑いのツボ』が『謎』か!

    67 :

    初の生ペルソナss

    68 :

    P3ってクジラの羽根がどうとかってストーリーじゃないのか

    70 :

    トリニティソウルは3の10年後って設定だがパラレルであって正史じゃないからな

    71 = 58 :

    番長とキタローの違い
    番長
    ・無自覚たらし
    キタロー
    ・確信犯たらし

    では本日分。

    72 = 58 :

    【2012/4/7(土) 晴れ 巌戸台分寮】


    >昨夜の美鶴とアイギスとの会話で思いついた事がある。

    >ベルベットルームの入り口を探そう。

    >……近くにあるはずだ。

    天田「鳴上先輩。どうかしたんですか?」

    鳴上「ああ。ちょっと出かけようと思って」

    天田「そうですか。あ、そういえばポロニアンモールの案内、結局できてませんね……」

    鳴上「ああ、色々あったからな……そういえば、あの辺りはまだ見てないのか」

    天田「どうかしましたか?」

    鳴上「ポロニアンモール、ちょっと行ってくる」

    天田「あ、でしたら僕も……」

    鳴上「いや、すぐ戻ってくると思うから。案内はまた今度頼む」

    天田「そうですか?じゃあいってらっしゃい」

    >ポロニアンモールへ行く事にした。


    【ポロニアンモール】


    >賑やかだ……。

    鳴上「ここのどこかにあるといいが……」

    エリザベス「……」

    >視界の端に青い服が見えた。

    鳴上「……?」

    >よく確かめてみよう。

    エリザベス「……」

    鳴上「……」

    >どうやら、見間違いでは無いようだ。

    >ゲームセンターのクレーンゲームに熱中している青い服の女性……。

    >ベルベットルームで出会った、エリザベスに間違いない。

    エリザベス「!」

    >あ……。

    >掴んだはずのジャックフロスト人形が落ちてしまった。

    >……大人としてあるまじき顔をしている。止めよう。

    鳴上「あの、エリザベス……さん?」

    エリザベス「?……あら、ごきげんよう」

    >エリザベスはさらに五百円を投入しようとしている。

    鳴上「それ、欲しいんですか」

    エリザベス「いえ、ほんの戯れにございます」

    >……。

    >黙って百円を入れ、ジャックフロスト人形を取った。

    エリザベス「……お上手ですね」

    鳴上「いえ、何故かすごく取りやすい位置まで来ていたので……どうぞ」

    73 = 58 :

    >エリザベスはきょとんとしている。

    鳴上「よく考えたらそこまで好きなキャラでも無かったので、差し上げます。どうぞ」

    エリザベス「まぁ、そうですか?では、遠慮なく」

    鳴上「……ええと、エリザベスさん。あなたは、ベルベットルームの……」

    エリザベス「はい。ベルベットルームで主イゴールの補佐をしております」

    鳴上「では、何故ここに?」

    エリザベス「いけないのでしょうか?」

    鳴上「いえ、そういうわけでは……」

    エリザベス「すぐ帰れる位置なので大丈夫です。ほら、あそこに」

    >指差した先には見覚えのある青いドアがある……。

    鳴上「なるほど、確かに」

    エリザベス「この後、タコ焼きを食べたらまた戻ります。……ところで、何か主にご用でも?」

    鳴上「いえ、そういうわけではないんです。というか、用があったのはエリザベスさんで」

    エリザベス「私に、でございますか」

    鳴上「はい。……タコ焼きなら、俺が買ってあげますから、少しお話いいですか」

    エリザベス「ええ、いつでも」

    >……謎のタコ焼きを買った。

    鳴上「……」

    >エリザベスは嬉しそうにタコ焼きをつついている。

    鳴上「ええと……」

    エリザベス「お話、でございましたね。どうぞ」

    鳴上「あ、はい。まず、エリザベスさんのお姉さんがマーガレットなんですよね?」

    エリザベス「その通りでございます。それと、私の事はエリザベス、とお呼びください。たかが従者ですので」

    鳴上「じゃあ、エリザベス。マーガレットはペルソナを自在に付け替える、ワイルド能力を持っていた」

    エリザベス「はい。当然私もワイルド能力を所持しております」

    鳴上「やっぱり、そうなんだな」

    エリザベス「ええ。ですが、それが聞きたかったわけでは無いのでしょう?」

    鳴上「……あなたは、いえ、あなたとあなたの主……イゴールは、この街で他にもワイルド能力を持った人物と関わった事がある」

    エリザベス「はい、確かに」

    鳴上「その人の話を聞きたい。……あなたから見た、彼の話を」

    エリザベス「……彼は、酷い人でした」

    鳴上「酷い?」

    エリザベス「私の願いの尽くを受け入れ、叶え、それまで人形のようだった私に生きる事の意味を見出させ……」

    エリザベス「その挙句、私では無い仲間を守る為、己の全生命を賭して奇跡を起こし、私の前から消えてしまったのです」

    鳴上「……」

    74 = 58 :


    エリザベス「もしもう一度、いけしゃあしゃあと私の前に出てきやがりましたら……」

    鳴上「出てきたら?」

    エリザベス「メギドラオンでございます」

    鳴上「……ええと、あの」

    エリザベス「大いなる封印について、お察しになられましたか?」

    鳴上「やっぱり、その人が自分の身を犠牲にして……って、何故それを?」

    エリザベス「あなたは、もしその時が来たらご自身の身を捨ててでも、と考えていらっしゃる。違いますか?」

    鳴上「……俺なりに、考えた結果なんだが」

    エリザベス「それも一つのこたえだと、私は思います。自信をお持ちになってください」

    鳴上「エリザベスは、もしかして俺にその話をする為に?」

    エリザベス「何のことでしょう。今日の話はタコ焼きとこの人形のお礼です。他に意味はございません」

    鳴上「そうか……ありがとう」

    エリザベス「こちらこそ、ありがとうございます。……もしも、の話をしても?」

    鳴上「ん?」

    エリザベス「もしも、あの人が私の前に現れたら」

    鳴上「メギドラオンなんだろ?」

    エリザベス「ええ。もしいつもの様子でふらふらと現れようものなら。ですが、もし万が一、例えば誰かと関わり合う上で偶然出会う事になったら」

    エリザベス「……その時は、仕方なく素直になってみようかと」

    鳴上「……なるほど。よくわかったよ」

    エリザベス「なによりでございます。あ、いけませんね。私ばかりが食べていては……はい、あーん」

    >エリザベスにタコ焼きを食べさせてもらった。

    >タコ焼きを完食すると、エリザベスは恭しく一礼し帰っていった……。

    『No.09 隠者 エリザベス』のコミュを手に入れた。

    『No.09 隠者 エリザベス』のランクが1になった。


    【同日夜 巌戸台分寮】


    >ラウンジでコロマルと戯れていると、美鶴が帰ってきた。

    美鶴「いや、驚いた。あれだけ晴れていたのに、急に降りだしてきたぞ」

    >美鶴の髪が濡れて頬に張り付いている。

    >窓の外を見ると、確かに大粒の雨が降っている。

    天田「桐条さん、天気予報見なかったんですか?今日の夕方から明日の朝まで、ずっと雨って予報でしたよ」

    >とりあえず、バスタオルを渡した。

    美鶴「ああ、すまない。助かる……そうか、うっかりしていた。私生活でも油断は禁物ということか」

    アイギス「皆さん、お話したいことが」

    >アイギスが皆を呼んだ。

    美鶴「話というと、あの事か?」

    アイギス「ええ、皆さんお揃いのようなので良い機会かと」

    天田「あの事ってなんです?」

    アイギス「最初の日、影時間が発生した3月31日……確かにお二人はシャドウに襲われた。でしたよね?」

    鳴上「ああ、それは間違いない」

    75 = 58 :

    天田「僕も覚えてます。それがどうかしたんですか?」

    アイギス「それから、鳴上さんは倒れ、天田さんも毎日は影時間を見回ってはいない。そうですね?」

    鳴上「ああ。体調が完全に戻るまでは探索もお預けだって言われてる」

    天田「僕も流石に毎日は……学校もありますし」

    アイギス「私と美鶴さんは毎日見回りに出ていました。それで、思った事があります」

    鳴上「毎日……言ってくれたら手伝ったのに」

    美鶴「気にするな。私もアイギスも時間には融通が利くし、なにより経験者だからな。それで、思った事なんだが……」

    アイギス「シャドウが、いないんです」

    鳴上「え?」

    天田「……そういえば、確かに。僕が見回った日も一体も……」

    美鶴「あの日から毎日、影時間には街を一周するようにしていた。しかし、初日に君達が襲われて以降、誰かが襲われたという話も無いし、シャドウも確認できていない」

    鳴上「でも、影時間はシャドウのせいで発生して、シャドウが徘徊する時間なんでしょう?」

    アイギス「そのはずです。だから、何か変だと思って相談しようと」

    天田「……どういうこと、なんだろう」

    >アイギスと美鶴から奇妙な報告を聞いた。

    >全員で話し合ったが、その後も結論は出せなかった……。


    【深夜】


    >眠れない。

    >テレビの中でも無いのに、この事件は霧の中にあるようだ……。

    >おかしな事が多すぎて、違和感を違和感が上塗りしているような感覚。

    >……眠れない。

    >!

    >影時間だ。

    >あれ以来、この時間帯は寝て過ごしていたから体感するのは久しぶりだ……。

    >…………?

    76 = 58 :


    >また、違和感……なんだろう、これは……。

    >窓ガラスに雨が当たって、月は見えないが……。

    鳴上「雨が……?」

    『影時間には、あらゆる物の活動が止まる』

    鳴上「なんで、雨が……!?」

    >影時間では月以外の光源が無い。

    >影時間ではシャドウとペルソナ使い以外の音源が無い。

    >なら、この窓を叩く雨の音と、本来煌々と輝いているはずの月を覆う雲は何だ。

    鳴上「雨……雨?」

    >雨。影時間の始まる時間。影時間中はずっとその時間だ。

    >雨。夜12時。テレビ。

    >マヨナカテレビ……!

    鳴上「皆には話していない……誰も、気付いていないのかも」

    >この部屋にテレビは無い。部屋を出て、ラウンジに降りる。

    >古いブラウン管テレビだ。

    「ザーザーザーザー」

    >雨の音ではない。

    >テレビのノイズだ……。

    鳴上「……明日、陽介に連絡をしよう」

    >電源が着くはずの無いテレビには、どこかの光景が映しだされている。

    >真ん中にそびえる塔は、何か不吉な物に見えた。

    77 = 58 :



    【2012/4/7(土) 晴れ ジュネス内フードコート】


    陽介「っし、皆良く来てくれた!」

    有里「僕は有里湊。陽介から話は聞いてる……と思うんだけど、よろしく」

    「はいはーい!アタシ、久慈川りせって言います!有里さん、よろしく!」

    「あー……俺は、巽完二……ッス。有里さんって、いくつなんスか?」

    有里「一応、18歳だよ」

    完二「じゃあ先輩ってワケだ。よろしくお願いしゃッス!」

    「僕は、白鐘直斗です。有里さん、記憶喪失だと伺いましたが……?」

    有里「ああ、アレは嘘。よろしく」

    直斗「嘘?……まあ、それを含めてお話を聞かせてもらいましょうか」

    千枝「私達はもう知ってるよね」

    天城「で、有里くんが話って……?」

    有里「うん。君達は、普段何時に寝てる?」

    りせ「ヤダ、早速私生活チェック?有里さんったらもー」

    陽介「いや、真面目な話な」

    千枝「私は結構早いよ。10時にはもう眠くなっちゃうんだー」

    完二「俺もッス。家手伝ったりすると結構疲れるんスよねー……」

    天城「私も完二君と同じ感じかなー」

    有里「完二君と同じ感じ?」

    天城「……ぷふっ」

    陽介「有里、そこはいーから」

    りせ「私もそのくらいかも。仕込みとかいろいろあるから早めに寝るようにしてるよ」

    直斗「僕はもう少し遅いですが……それでも11時には大体寝ています」

    有里「……すごいな、皆。今時の高校生とは思えない就寝時間だね」

    陽介「驚くとこそこかよ!」

    有里「冗談はさておき。じゃあ皆、眠っている間に変な感覚を感じたりした事は?」

    りせ「あ、アタシあるかも。なんていうんだろ、ぞわっ?ぶわっ?」

    有里「りせちゃんはとてもビンカンなんだね」

    陽介「お前って結構愉快なヤツなのな」

    有里「冗談はさておき。陽介から、皆はペルソナ使いだって聞いてる。間違いない?」

    直斗「……ええ。間違いありません。しかし、何故有里さんがペルソナの事を?」

    有里「これから話すよ。……少し、長くなるかもしれないけど」

    完二「構わねェッスよ。元々そのつもりで集まってンだ」

    陽介「マジな話だっつって集まってもらったんだ。皆、ふざけてるようで覚悟はキメてるぜ」

    有里「……そう。まずは、どこから話そうかな。うん、じゃあ『影時間』について……」

    78 = 58 :

    >今まで自分が辿ってきた経緯を説明した。

    >……ただし、大いなる封印に全生命が必要であること、自分がその為に一度死を体験した事は伏せ……

    >大いなる封印を行った際の副次的な作用で、時間と空間を跳躍したと伝えた。

    完二「マジすか、それ……」

    陽介「お前、ハンパじゃねーな……」

    直斗「影時間とシャドウ……か」

    りせ「なんか、マヨナカテレビに似てる、かも……」

    千枝「人も、襲われちゃうんだよね……」

    天城「でも、有里くんがこうして話してくれたって事は、私達に出来る事もあるんだよね?」

    有里「出来る事なら協力して欲しい。今はまだ何も見えないけれど、この事件の真実を追えば、きっと終わらせる事が出来るはずなんだ」

    陽介「真実は霧の中、か。まぁよ、俺は昨日話聞いてからそのつもりだぜ」

    千枝「人助け、だしね」

    天城「私達に出来る事があるなら、やらなくちゃって思える」

    完二「そんな気味悪ィ話があったんじゃ、安心して夜も眠れねェ。俺ァやるぜ!」

    りせ「なんか思い出すねー、去年の事!」

    直斗「事件である以上、解決するのが僕の役目ですから」

    有里「……ありがとう。でも、まだ具体的な解決策が見えたわけじゃないんだ。とりあえず、日替わりでパーティーを組んで街を見回るくらいかな」

    直斗「そういえば、ずっと気になっていたんですが……クマ君はどうしたんですか?」

    陽介「ああ、アイツさ、昨日までいたんだけど、急にいなくなってよ。多分テレビん中に帰ってるんだと思うけど……」

    有里「テレビ?」

    陽介「ああ、そっか。有里にゃまだ言って無かったな。昨日見たクマの着ぐるみがいたろ?アイツ、元々テレビん中の住人でよ。顔見せない時は大抵テレビん中に帰ってんだわ」

    有里「ああ、マヨナカテレビ……」

    >その日は、当番を決めて解散となった。

    >マヨナカテレビ……聞いたことも無い話だが、少し引っ掛かる物がある。

    >明日以降、少し聞いてみるべきかもしれない。

    79 = 58 :


    【商店街】


    >この辺りだろうか……。

    有里「あった」

    >見覚えのある青い扉がある……。

    >扉に手をかけた。

    イゴール「ようこそ、我がベルベットルームへ……」

    有里「あ、いたいた。マーガレット借りていいですか」

    イゴール「……?どうぞ、お好きなように」

    マーガレット「あの……?」

    有里「話がしたいんだ」

    マーガレット「情熱的なお誘いですこと……では主、少しの間席を外させて頂きます」

    >マーガレットを連れて、ベルベットルームを出た。

    有里「ふぅ」

    マーガレット「お客様。私に一体どのようなお話が?」

    有里「いや、特には無いんだ」

    マーガレット「まあ」

    有里「……僕と、昔の仲間との絆は切れ掛かっているね」

    マーガレット「お気づきでしたか」

    有里「自分の心の問題だからね。切れているというのも僕の側に問題があるみたいだ」

    有里「……新しい場所で頑張って行こうって思うことが、前の場所を薄れさせる事になるなんてね」

    マーガレット「人とはそうしたものでございます。しかし、正確には絆は切れているのではありません。強いて言うならば、待機状態と申しましょうか」

    有里「それは、どういうこと?」

    マーガレット「今の場所での絆が強く輝く為、以前の絆は見えにくくなっているのです。切れたわけではありません。未だ、強く強く繋がっていますよ」

    80 = 58 :

    有里「そう……そうだね。心っていうのも器用なもんだね」

    マーガレット「そうですね。ところで、そのようなお話であれば、私を外へ連れ出す事も無かったのでは?」

    有里「ああ、いや、それはおまけ。待機状態で存在しているとはいえ、今僕が新しく絆を繋げるのはここの住人だけだからね」

    マーガレット「はあ……?」

    有里「マーガレットとも、絆を育んでおこうかと思って」

    マーガレット「まあ。嬉しいお話ですわ」

    有里「マーガレットとの絆なら、強い力を得られる気がするんだ」

    マーガレット「力の大小で友人をお選びになるのですか?」

    有里「違うよ。絆を築きたいから選ぶんだ。きっと、マーガレットとなら強い絆で結ばれるだろうって、そういうこと」

    マーガレット「……あまり、人をからかうのはおやめになった方がよろしいかと」

    有里「本気」

    マーガレット「……でしたら、またいずれ主に暇をもらいます。その時、存分に絆を深めるといたしましょう」

    有里「ありがとう。頼りにしてる」

    マーガレット「では」

    >マーガレットはベルベットルームへ帰っていった……。

    『No.15 悪魔 マーガレット』のコミュを手に入れた。

    『No.15 悪魔 マーガレット』のランクが1になった。

    有里「うーん、信じてもらえなかったかな。本気なんだけど」

    >今日は、もう帰ろう。


    【堂島宅 深夜】


    >今日は少し夜更かしをしよう。

    >出来るなら影時間をしっかりと感じておきたい。

    >もし前回と違うならその差異を……。

    >夕方から雨が降っている。

    >この雨も、影時間になれば止む……。

    >日付が、変わった。

    有里「……!?」

    有里「雨が、止まない?影時間は……いや、この感覚、確かめるまでも無い……」

    有里「時計は動かない。辺りも一面真っ暗だ。ここまでは当たり前……」

    >どうやら、今回の影時間はやはり様子が違うようだ。

    >明日、陽介達と相談しよう。

    81 = 58 :



    【2012/4/8(日) 曇り ジュネス内フードコート】


    陽介「よう、どうしたって?」

    有里「連日すまない。けど少し聞いておきたい事があって」

    陽介「例の話、だよな。いいぜ、何でも聞いてくれよ」

    有里「ああ。君達が解決した事件……マヨナカテレビって言ったね」

    陽介「そうだけど、それがどうかしたのかよ?」

    有里「それについて詳しく教えて欲しい。もしかするとすごく重要かもしれないんだ」

    陽介「……なるほど、な。よっしゃ、じゃあ詳しく教えてやるぜ!まず、マヨナカテレビってのはただの噂だったんだけどよ」

    >PiPiPiPi……

    >携帯の着信音?

    >もちろん自分は持っていない。

    陽介「っと、ワリ。電話だわ。えーっと……おー!相棒じゃねーか!」

    有里「相棒……?」

    陽介「わりい有里、ちょっと待ってな!おう、もしもし!久しぶりだなー、元気だったか!?」

    陽介「そうそう、今な……んだって!?」

    陽介「マヨナカテレビがまた映っただぁ!?」

    有里「……!」

    82 = 58 :

    本日はここまで。
    そろそろ合流かも?

    85 :

    楽しみにしてる

    88 :

    >>87 お待たせしました。
    では本日分。

    89 = 88 :

    陽介「どういうこったよ。……おう、おう……こっち?いや、多分誰も……そっか、前はこの街だけだったもんな」

    陽介「おう、こっちでも確認してみるわ。なぁ、それって影時間ってのと何か関係あんのか?……ああ、そういやまだ言ってなかったな」

    陽介「こっちに今すげえヤツがいんだよ。そいつと相談して……おう、いろいろやってみるわ。お前さ、GWにはこっち来るんだろ?」

    陽介「そん時に色々擦り合わせてみようぜ。多分、そんなに頻繁に雨も降らないと思うし……お前はお前でやることあるんだろ?」

    陽介「おう……気ぃつけろよ。じゃ、また何かあったら連絡するわ!」

    有里「……相手は、例の彼かい?」

    陽介「おう。やっぱマヨナカテレビの説明しなきゃなんねーみたいだわ。向こうで映ったんだってよ」

    有里「詳しく」

    陽介「まず、マヨナカテレビってのは雨の日の真夜中12時に映る、あるはずの無い番組の事だ」

    有里「影時間と似てるね」

    陽介「こっちはテレビさえありゃ誰にでも見れるんだけどな。で、その番組内容なんだけど、テレビの中に落とされたヤツによって変わるんだわ」

    有里「落とされた?」

    陽介「……まぁ、そこは話すと長い。内容は、主演になるヤツの心の暗い部分……シャドウってのが映っちまう」

    有里「で、さっき彼から聞いた話では誰が映ってたの?」

    陽介「それがさ、風景だけだったってんだよ。ちょっと今までと違うから、もしかして影時間関連かもって思ってさ」

    有里「そうか……彼は影時間について知ってるの?」

    陽介「なんか、知ってるみたいだったぜ。むしろ俺に『どこで聞いた?』って言ってた」

    有里「……彼は、今引っ越して遠くにいるんだったね。今、どこに住んでるの?」

    陽介「ああ、こっちと違って都会だぜ。たしか、月光館学園ってとこの寮に住んでるはず……って、あれ?」

    有里「昨日、僕の話聞いてたよね」

    陽介「ああ。そうか、すげえ偶然だな……有里の住んでたとこか」

    有里「うん……でも、仲間のほとんどはもう卒業してるはずなんだ。誰から聞いたのかわからないけど……」

    陽介「じゃあ、お前も行ってきたらどうだ?堂島さんにいつまでも世話んなってるつもりも無いんだろ?知り合いに会えるかも知れねえし」

    有里「……いや、いいさ。僕はこの街で事態を解決する」

    陽介「なんでだよ。せっかく……」

    有里「いいんだ。堂島さんには悪いけど……僕は向こうに帰る気は無い」

    陽介「……ま、深くは聞かねぇよ。有里は、俺なんかよりずっといろいろあったと思うしさ」

    有里「ありがとう。そうしてくれると助かるよ」

    陽介「でも、仲間なんだろ?いつか、顔だけでも見せてやったほうがいいんじゃねえの?心配とか、してると思うぜ」

    有里「だろうね。けど、仲間に会っちゃうと……」

    >決心が、揺らぎそうだから。

    90 = 88 :



    【商店街】


    >そういえば、昨日少しだけ聞いた話では……

    >あの久慈川りせという子はアイドルで、今は豆腐屋の手伝いをしているらしい。

    >……よくわからないが、とりあえずもう少し話をしておこう。

    有里「すみませーん……?」

    >店内は地味なものだ……が、割烹着で忙しなく動きまわる少女は確かに場にそぐわない華やかさがある。

    りせ「はーい……って、有里さん?どうしたの?」

    有里「いや、本当に仕事してたんだね。ちょっと話出来ないかなと思ったんだけど……ごめんね」

    りせ「本当にしてるよー。えっと、お話……ちょっと待っててね!」

    >りせは奥に走っていった……。

    >何やら声と足音が聞こえる。

    >待っていると、私服に着替えたりせが出てきた。

    りせ「お待たせ!ここじゃ邪魔になっちゃうから、どっか別で話そ!」

    >りせに腕を引っ張られて連れて行かれた……。


    【鮫川河川敷】


    りせ「とりあえずこの辺!歩きながらでいいですか?」

    有里「ああ、大丈夫だよ。そんなに大事な話ってわけでもないしね」

    りせ「そうなの?なんかガッカリかも」

    有里「いや、ちょっとりせさんと話がしたくてさ」

    りせ「りせで良いですよお、年上なんだし」

    有里「じゃあ、りせちゃん?」

    りせ「んー……子供扱いはいやぁー……」

    有里「……りせ?」

    りせ「はいはい、なんでしょー」

    有里「りせは、どうやって前の事件に関わったの?」

    りせ「えっと……テレビに落とされた所を、先輩たちに助けてもらって、それからかな」

    有里「そう。辛かった?」

    りせ「え?」

    有里「マヨナカテレビは、自分の見たくない部分を映すって聞いたから」

    りせ「あ、あはは。最初はね、かなり辛かったです。有里さんは、すっごい機嫌が悪い時に、みんな消えちゃえー!って思ったり、しない?」

    有里「まぁ、そういう時もあるよね」

    >……無い。

    りせ「うん、まぁ誰でもあるよね、そういう事。そういう、後から反省しちゃうような本音を目の前に並べられるの。それが辛くないわけないじゃんって感じ」

    有里「そっか……」

    りせ「でも、いいんだ。そのおかげで先輩たちと仲良くなれたし、ほんとの自分ってのも見つかったしね。逃げてばっかじゃ、やっぱり駄目だったんだと思う」

    有里「……」

    りせ「やだ、そんな神妙な顔しないでくださいよぉ。すっごく辛かったけど、乗り越えたんだから褒めてもらうとこでしょ?」

    >これは、地顔だ……。

    91 = 88 :

    有里「うん。りせは強いんだね。すごいよ」

    りせ「え、えへへ……なんか、嬉しいな」

    >りせは照れたように笑っている。

    りせ「有里さんだから言うけどね、あたし、先輩の事好きなんだよね」

    有里「陽介?」

    りせ「いや、それは無い。あ、有里さん、まだ知らないんだっけ。転校しちゃった先輩がいるの」

    有里「話には聞いてる。その人が好きだったの?」

    りせ「や、改めて言われると照れちゃうな……うん。好きだったっていうか、今でも好き。あの人は……って、語るような事でもないんですけどね」

    有里「告白は?」

    りせ「え?」

    有里「ちゃんと言ったの?」

    りせ「……いつか、離れ離れになっちゃうのわかってたから、言ってない。あたしアイドルだし、そういうのもどうなのかなって」

    有里「そう……」

    りせ「で、なんでこんな話しちゃったかというとですね」

    有里「ん?」

    りせ「有里さんと話してると、先輩と話してるような気分になるっていうか……浮気しちゃいそー」

    有里「付き合ってないなら、浮気でも無いんじゃない?」

    りせ「そ、そうなんだけど!あたしは純愛タイプだから、浮つかないの!ほんとは!」

    有里「そう」

    りせ「結構衝撃的なこと言ったつもりなんだけどなー……そういうとこも、何か似てる」

    >りせは嬉しそうに笑っている。

    りせ「……じゃ、そろそろ帰ります!またお話ししてくださいね!」

    有里「うん。また会いに行くよ」

    りせ「約束ですよ!」

    >笑ってりせと別れた。

    『No.17 星 久慈川りせ』のコミュを手に入れた。

    『No.17 星 久慈川りせ』のランクが1になった。

    >明日は彼に話を聞こう……。

    92 = 88 :



    【2012/4/9(月) 晴れ 商店街】


    有里「しまった」

    >そういえば、もう学校が始まっている。

    >ここに来ても、完二に会うことは出来ないだろう。

    有里「うーん……仕方ない、夕方にまた来よう」

    >とりあえず、今は……

    有里「白鐘さん、だっけ。見てないで話をしようよ」

    直斗「なっ」

    >建物の影から覗いていた直斗を呼んだ。

    直斗「いつから、気付いていたんですか?」

    有里「最初から。君は学校行かなくていいの?」

    直斗「少し様子を見てから向かうつもりでした……全く、不思議な人ですね」

    >直斗は観念したようだ。


    【中華料理屋 愛家】


    有里「座って喋れる所を他に知らなくて」

    直斗「なら僕に案内させてくれれば良かったのに……」

    有里「不満?」

    直斗「いえ、別に不満は。で、何のお話ですか」

    有里「白鐘さんは何をしてる人なの?」

    直斗「は?」

    有里「事件を解決させるのが役目って言ってたよね」

    直斗「ああ、そういう事ですか。……探偵、ですよ」

    有里「見た目は子供ってやつ?」

    直斗「子供って、そう見えますか?」

    >直斗は不満気だ……。

    有里「いや、言ってみただけ。探偵だから、疑わしい僕を尾行していたわけだ」

    直斗「……疑っているわけではありません」

    有里「じゃあ趣味?」

    直斗「趣味でもありません!」

    有里「白鐘さんは……」

    直斗「あの」

    有里「ん?」

    直斗「年上にさん付けで呼ばれるのは、少しむず痒いので」

    有里「じゃあ白鐘ちゃん?」

    直斗「いえ、そうではなく……って、ちゃん?」

    93 = 88 :


    有里「女性はちゃんだと思うんだけど、それともくんの方が好み?」

    直斗「え、ぼ、僕が女ってわかってたんですか?」

    有里「どこから見ても女の子だけど」

    直斗「……直斗で」

    有里「直斗ちゃん?」

    直斗「呼び捨てで構いません!」

    有里「直斗」

    直斗「はい。それでお願いします」

    有里「で、直斗は僕の事をどう思ってるの?」

    直斗「……不思議な人だなぁ、と」

    有里「具体的に」

    直斗「ぐ、具体的に?ええと……」

    有里「気になっちゃう?」

    直斗「へ?」

    有里「僕のこと」

    直斗「まあ、気になっているといえばそうですね」

    有里「そう、ありがとう」

    直斗「……?」

    有里「直斗も彼の事が好きなの?」

    直斗「彼?」

    有里「引っ越した先輩」

    直斗「っ、なっ、ど、どうして今先輩が出てくるんですか!」

    有里「なんとなく、勘で」

    直斗「あ、ぅ、はぁ。僕はそういう事に興味はありません」

    有里「でも僕のこと気になってるんでしょ?」

    直斗「そういう意味じゃありません!」

    有里「そうなの?」

    直斗「そうです……有里さんと話していると、すごく疲れます」

    有里「ドキドキする?」

    直斗「ええ、まぁ……いや、だからそういう意味じゃないですから!」

    有里「直斗をからかうのは面白い」

    直斗「ああ、もう!好きにしてください……」

    94 = 88 :

    有里「うん。僕は直斗さえ良ければもっと仲良くなりたいと思ってるんだけど」

    直斗「仲良く、ですか?」

    有里「駄目かな」

    直斗「いえ、駄目というわけでは……しかし、仲良くと言っても……」

    有里「これから、事件を解決するにあたって、メンバーが親密になる事は必要だと思わない?」

    直斗「確かに、そういう面から見れば有里さんは一番の新入りですから、他のメンバーと交流する必要はありますね」

    有里「でしょ?だから直斗とも……」

    >ぐっと身を乗り出して顔を近付けてみた。

    直斗「……っ」

    有里「仲良くなりたいな、と思って」

    直斗「わ、わかりました!わかりましたからちゃんと座って下さい!」

    有里「うん。じゃあ、捜査とか関係なく遊びに誘っても?」

    直斗「か、構いませんよ。まあ、予定が無い時に限りますが」

    有里「ありがとう。引き止めて悪かったね。学校は?」

    直斗「そうですね、そろそろ行かないと。では、失礼します……有里さん」

    >会釈をし、ズレた帽子を直すと直斗は席をたった。

    有里「なんか、最近綾時みたいになってるな……僕……」

    『No.16 塔 白鐘直斗』のコミュを手に入れた。

    『No.16 塔 白鐘直斗』のランクが1になった。


    【同日夕方 商店街】


    有里「さてと」

    >下校してきた完二を捕まえた。

    完二「っと、有里サン。家の前でなにやってんスか」

    有里「完二君と話がしたくて」

    完二「あ、呼び捨てでいいッスよ。ええと、じゃあ荷物置いてくるんで、ちっと待っててくださいや」

    95 = 88 :



    【鮫川河川敷】


    完二「なんでこんなとこなんスか」

    有里「昨日りせに連れてこられて、割りといい場所だったから」

    完二「あー、皆のとこ回ってんスね。ご苦労様ッス」

    有里「やっぱり、メンバー皆と仲良くなりたいからね」

    完二「そうッスね……」

    >完二は黙ってしまった。

    >……会話が続かない。

    完二「……やっぱり、影時間ってヤツは、危ないんスよね」

    有里「……そうだね」

    完二「……この街の皆も、危ないッスか」

    有里「……そう、だね」

    完二「やっぱ、そうッスよね……」

    有里「誰か、大事な人でも?」

    完二「オフクロ……と、街のヤツら皆ッス」

    有里「多いね」

    完二「おかしいスか」

    有里「いや、驚いてる。完二は良い奴なんだね」

    完二「ヘッ、そうでもねえよ」

    >完二は照れているようだ。

    完二「自分の住んでる街……俺ぁここしか知らねぇから。この街くらいは守ってやりてぇなって思うんスよ」

    有里「うん」

    完二「いけすかねぇヤツも一杯いやがるし、けど同じくらい好きなヤツらもいるんス。だから……」

    有里「うん」

    完二「なんか、恥ずい事言っちまった気がすんなぁ……」

    有里「いや、完二の事が良くわかったよ。今日はありがとう」

    完二「な、なんスか。この程度で俺の事わかった気になんないでくださいよ!」

    有里「そうだね。だから、また話をしよう」

    完二「まぁ、暇な時なら。じゃ、俺ぁ帰りますわ」

    『No.14 節制 巽完二』のコミュを手に入れた。

    『No.14 節制 巽完二』のランクが1になった。

    96 = 88 :

    【堂島宅 夜】


    >捜査隊のメンバーと話をした。

    >残るは……

    有里「転校した彼か……」

    有里「なんとなく、接触するタイミングは選ばなければいけない気がする」

    >彼はきっと鍵を握っている。

    >そして、恐らくは彼にとっての自分も……。

    有里「GW、ね」

    >もし自分が港区に行って、恐らくは彼といるだろうかつての仲間達に出会ったとして……

    有里「どんな顔すればいいのやら……」

    >……寝よう。


    【2012/4/8(日) 曇り 巌戸台分寮】


    >昨夜のアレはまず間違いなくマヨナカテレビだが、今までのパターンとは随分と違う。

    >とにかく、陽介に連絡しよう。

    >携帯を取り出して、登録してある番号にかける……。

    >呼び出し音が何度か鳴り、陽介に繋がった。

    鳴上「陽介か?」

    陽介『おう、もしもし!久しぶりだなー、元気だったか!?』

    鳴上「ああ」

    陽介『そうそう、今な……』

    鳴上「聞いてくれ、陽介。マヨナカテレビがまた映ったんだ」

    陽介『んだって!?マヨナカテレビがまた映っただぁ!?』

    鳴上「間違いない」

    陽介『どういうこったよ?』

    鳴上「俺にもよくわからない。けど、昨日の12時、間違いなくテレビは映っていた。どこかの殺風景な場所に、バカ高い塔が立ってる映像だ」

    陽介『おう、おう……』

    鳴上「そっちでは誰か確認してないか?」

    陽介『こっち?いや、多分誰も……そっか、前はこの街だけだったもんな』

    鳴上「ああ、地域が関係あるのかもしれないと思って」

    陽介『おう、こっちでも確認してみるわ。なぁ、それって影時間ってのと何か関係あんのか?』

    鳴上「なんで陽介が影時間の事を?」

    陽介『ああ、そういやまだ言ってなかったな。こっちに今すげえヤツがいんだよ。そいつと相談して……』

    鳴上「すごい奴……とにかく、いろいろ確認してみてくれ」

    陽介『おう、いろいろやってみるわ。お前さ、GWにはこっち来るんだろ?』

    鳴上「今の所その予定だけど」

    陽介『そん時に色々擦り合わせてみようぜ。多分、そんなに頻繁に雨も降らないと思うし……お前はお前でやることあるんだろ?』

    鳴上「ああ」

    陽介『おう……気ぃつけろよ。じゃ、また何かあったら連絡するわ!』

    鳴上「わかった。頼んだぞ」

    97 = 88 :

    >陽介は影時間の事を知っていた……。

    >すごい、奴?

    >とにかく、他のメンバーにマヨナカテレビの事を説明しないと……。

    >寮内を回ろう。


    【ラウンジ】


    >メンバーを集めて、マヨナカテレビについて説明した……。

    美鶴「つまり、テレビの中限定の影時間……のようなものと考えていいのか?」

    鳴上「そんな感じです」

    アイギス「それが、昨夜映っていた。そして……」

    美鶴「聞いた話の通りだとすれば、その塔とやらは間違いなくタルタロスだろうな」

    鳴上「その、タルタロスについて説明してもらってもいいですか?」

    美鶴「そうか、まだ言っていなかったな。タルタロスは、時間と空間に干渉するシャドウの力、その空間側面の現象だ」

    アイギス「月……つまり、Nyxの復活の為の祭壇のような物だと考えてかまいません」

    鳴上「……なんで、それがテレビの中に?」

    アイギス「それは、わかりません……」

    天田「あの、いいですか?」

    美鶴「どうした?」

    天田「仮説なんですけど……今、影時間中にシャドウが目撃出来ないんですよね?」

    アイギス「確かにそうです」

    美鶴「私のアナライズにも何も反応がない。見えないというより、いないという方が正しいな」

    天田「で、テレビの中っていう別世界に……シャドウが集まるタルタロスがあった」

    98 = 88 :


    鳴上「俺が見た妙な塔がタルタロスだっていうなら、そういう事になるな」

    天田「シャドウは、テレビの中にいるんじゃないでしょうか」

    アイギス「……なるほどなー」

    美鶴「その口癖も懐かしいな……しかし、ならば初日に君達が襲われた事はどう説明する?」

    天田「初日は普通の影時間だったのかもしれません。それから、どういう原因かマヨナカテレビが映り始めて」

    鳴上「外にいたシャドウたちがテレビの中へ移動した?」

    天田「の、かもしれません。マヨナカテレビは雨の日しか映らないけど、それ以外の日にテレビの中の世界が存在しないわけでは無いんですよね?」

    鳴上「ああ、それはそのはずだ……つまり、昨日雨が降ったから俺たちに見えたけど、実はかなり早い段階でテレビの中にタルタロスができていたってことか」

    天田「今となっては確認する術はありませんけどね。そう考えれば、奇妙な事象に説明がつくんじゃないかと」

    美鶴「なるほど……確かに在り得ない話ではないな」

    天田「問題は、だからといってテレビの中に今すぐ飛び込んでいいのかって話だと思います」

    鳴上「はっきり言って危険だし、どこに出るかもわからないからな……以前は、ナビゲーターがいたんだが」

    アイギス「とにかく、次の雨を待つのが確実でしょうか。様子を見てから決めるということで」

    美鶴「そうだな……と、そうだ。伝え忘れていた。今日、また入寮者が来るぞ」

    鳴上「え?」

    美鶴「夕方には着くと言っていたから、誰か迎えてやってくれ。私は少し出掛けなければならないから」

    天田「わかりました。僕は一日寮にいますし」

    アイギス「私もですね」

    鳴上「俺も、一応挨拶くらいはしたいんで……」

    美鶴「うん。それでは出かけてくる。夜には戻るから、後は頼んだ」

    >入寮者……一体誰だろう。

    99 = 88 :

    【同日 夕方】


    >部屋で明日の準備をしていると、扉がノックされた。

    「えっと、鳴上くん?いますか?」

    >誰だろう……。

    「元特別課外活動部部員の、山岸風花って言います。良かったらお話しませんか?」

    >どうやら、入寮者というのはこの人のことらしい。

    鳴上「どうぞ、お入りください」

    風花「えっ……し、失礼します」

    >風花が部屋に入ってきた。

    鳴上「椅子とか無いんで、良かったらベッドにでも座っててください」

    風花「あ、はい……」

    鳴上「で、お話というのは……?」

    風花「ん?ううん、別に何か話があったわけじゃないの。この部屋に住んでるって聞いて、どんな人かなって思って」

    鳴上「この部屋に?」

    風花「私達がここに住んでた頃はね、ここも人が入ってたの。その人は当時のリーダーでね」

    鳴上「ああ、話には聞いてます」

    風花「だから、何か懐かしくなっちゃって。ごめんね、急におじゃまして」

    鳴上「いえ、別に用事があったわけでも無いんで」

    風花「そっか、良かった。もうここでの生活も慣れた?」

    鳴上「まぁ、随分と。皆さんよくしてくれるし……」

    風花「皆良い人だよ。そうそう、久しぶりに会ったら天田君があんなに大きくなっててびっくりしちゃった!もうすぐ私追い越されちゃうなぁ」

    >風花はまるで昔からの知り合いに対するように話しかけてくる。

    鳴上「山岸さん、良い人なんですね」

    風花「ええっ、突然どうしたの?」

    鳴上「いや、何となく。初対面の俺でもそんな風に話してくれるし」

    風花「あっ、馴れ馴れしかった?ごめんね?」

    鳴上「嬉しいです、そういうの」

    風花「……やっぱり、ちょっと懐かしいんだと思う。この寮」

    鳴上「いい思い出ばかりでは無いと聞いていますが」

    風花「うん、それは、そう。でも、やっぱり楽しかったし……全体で見るといい思い出かな」

    鳴上「……そうですか」

    風花「そうそう、私、今大学生なんだけど、今度手続きして正式にここに住む事になると思うから。その時はよろしくね」

    鳴上「え?今日入寮じゃ……」

    風花「まだいろいろ終わってないの。学校に書類も出さないといけないし……今日はそろそろ帰ろうかなって思って」

    鳴上「あ、そうですか……いろいろ、ありがとうございます」

    風花「私は何もしてないよ。また皆の力になれるよう頑張るから、鳴上くんも頑張ってね!じゃあ、またね」

    >風花は出ていった。

    『No.02 女教皇 山岸風花』のコミュを手に入れた。

    『No.02 女教皇 山岸風花』のランクが1になった。

    100 = 88 :


    >……なら、入寮者というのは誰だろう?

    >天田にでも聞いてみよう。


    【ラウンジ】


    >玄関の外がなにやら騒がしい。

    >様子を見に行こうか……。

    >と、玄関の扉が開き、巨大な鞄が入ってきた。

    「いやー重いのなんのってこれが重いんだわ。おー、懐かしきかな巌戸台分寮!」

    >鞄は男の持ち物のようだ。

    >彼が入寮者なのだろうか。

    「お?お前、もしかして例のルーキー?」

    鳴上「はい。この前転校してきました、鳴上悠です。よろしくお願いします」

    「いやー俺も先輩ってワケね!なんつーの?こう、嬉しくなるよなぁ!」

    天田「何騒いでるんですか……って、順平さん!お久しぶりです!」

    「あ?誰だっけお前……って、もしかして天田か?おいおいこーんな小さかったのにどうした!?」

    天田「皆して小さい小さい言うのやめてくださいよ。三年も経てばそりゃ成長しますって」

    「そりゃそうだな。おっとルーキー。自己紹介が遅れたな。俺は伊織順平。かつてこの分寮のエースだった男だ!」

    鳴上「エース!?」

    天田「まぁ、頼りにはなりましたよ。ええ」

    順平「あれ?ちょっと、そこはお世辞でもさ、もっと持ち上げるトコじゃない?」

    天田「エースは言い過ぎじゃないかな……」

    鳴上「違うのか」

    順平「まぁ、エースでは無かったかな……うん……」

    鳴上「ええと、とにかく、これからよろしくお願いします」

    順平「おう!えーと、俺の部屋って、前と同じでいいのかね」

    天田「あ、そのはずですよ」

    順平「じゃあ鳴上!悪いんだけど荷物運の手伝ってくんね?重くて重くてよ」

    鳴上「ああ、じゃあ手伝いますよ」

    順平「この後輩を使う感じ!いいねー青春だね!」

    天田「ていうか順平さん、大学はどうしたんですか?」

    順平「あ?通うよ。手続きとかする前にこっち来ちゃっただけ」

    天田「ああ……そうですか……」

    順平「その目はかつての先輩に向ける目じゃねえぞ……」

    >順平の荷物を運んだ。


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