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    元スレ鳴上「月光館学園か」有里「八十稲羽?」

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    751 :

    乙!
    オレもこんな環境だったら勉強したのに・・・

    753 :

    乙!毎日楽しみにしてる

    754 :

    今からちょっと八十稲羽いってくるわ^^

    >>1は折角だからコテをつけていくといいよ…

    755 :

    こんな環境だったら俺は先週のテストで惨敗しなくて済んだのに…

    あ、>>1

    756 :

    テスト勉強なんか生まれてこの方やったことないです。

    と言うわけで本日分。

    757 = 756 :



    【2012/7/23(月) 晴れ 八十神高校・期末テスト一日目】


    >今日から期末テストだというのに、まだ陽介は登校していない。

    千枝「そろそろ時間だよ」

    雪子「花村君、大丈夫かな……徹夜して勉強して、そのまま遅刻とか……」

    >陽介なら有り得る……。
    >いくらなんでも二人の人数差を埋める事は不可能に近い。
    >このままでは……

    陽介「……よう」

    有里「おはよう、陽介。ギリギリだ……ね……?」

    >陽介の目の下には濃いクマが出来ている。

    千枝「うっわ、花村アンタどうしたのその顔!」

    陽介「……ためよ」

    雪子「え?」

    陽介「全ては、勝つ為よ……!楽園の為なら睡眠の九時間や十時間、削ってみせるぜ!」

    >悲惨な様相の陽介だが、その姿からは間違いなく漢を感じる。

    千枝「っていうか九時間十時間って、あんた普段どんだけ寝てんの……」

    陽介「うるせぇ。その俺が一睡もしなかった意味を考えるんだな。里中、お前にゃとびっきり恥ずかしい目にあってもらうぜ……」

    >いつもと違い、静かに言い放つ陽介。
    >だが、かえって不気味な説得力と迫力がある。

    千枝「う、あんな事言ってる。有里君……」

    >千枝がすがるようにこっちを見ている。

    雪子「勝てば問題無いよ。ね?」

    >天城さんが千枝を励ましてくれた。
    >すまない、千枝。
    >もうこれからは勝負なんだ。
    >陽介の気迫に応えなければならない。
    >こうして、期末テストが始まった。

    758 = 756 :



    【2012/7/24(火) 晴れ 月光館学園・期末テスト二日目】


    >テストも二日目に入った。
    >だが、俺のペンは止まらない。
    >どんな問題も今の俺の前では無力だ。
    >一通り終わらせた後、もう一周解き直す。
    >かつ、誤差のあった問題を再度検証する。
    >無敵だ。
    >今の俺は無敵だ。
    >本来短いはずの一教科の時間が有り余って感じられる。
    >ちらりと様子を伺うと、美奈子も同様に鬼気迫る勢いで問題を解いている。
    >いける。
    >これはいけるぞ。
    >とにかくミスを無くす事だ。
    >ケアレスミスが死に直結すると思え。
    >……勝てる。
    >いや、勝つ!
    >余った時間で、出来る所までチェックを行おう。

    759 = 756 :

    【2012/7/26(木) 晴れ 八十神高校・期末テスト終了】


    >四日間の期末テスト、その全工程が終了した。
    >……恐らく、四日間不眠不休で戦った陽介の顔色は、最早すさまじい程だ。

    陽介「……有里。俺、やったよな。戦ったよな」

    有里「ああ。陽介は立派にやったよ。僕が誇りに思うくらいに……」

    陽介「……少し、疲れたよ。寝る。ありがとな、ありさ……と……」

    >陽介は机の上に崩れ落ちた。

    千枝「終わったー……かつてない程勉強したしある程度上がってくれないと困るなー」

    雪子「真面目にやってたもんね、千枝。大丈夫、きっと良い点取れるよ」

    有里「お疲れ様。結果発表っていつだっけ?」

    雪子「来週の頭かな。それが終わったら完璧に夏休みだね」

    有里「夏休みか……夏期講習とかあるんだっけ」

    雪子「成績次第じゃ補習もあるよ」

    有里「ん、てことは明日で一学期の授業終わり?」

    雪子「そうだよ」

    >夏休みか。
    >そういえば、向こうはどうなっているのだろう。

    有里「悠、いつ頃来れるのかな」

    千枝「そっか、夏休みには来るって言ってたもんね。どのくらいの間いるんだろう」

    有里「聞いておこうか。……帰り際、私達も行くーって言ってた人たちがいたね、そういえば」

    千枝「ああ、そういえば……向こうの皆も来るのかな」

    >……もし来たら、どうなるだろう。
    >少なくとも、休む事は出来なさそうな気がする。

    有里「……楽しみだね、色々」

    千枝「そうだねー」

    雪子「そういえば、海行くのかな、結局」

    >今日の所は帰って休もう。
    >流石に少し疲れた……。

    陽介「俺は……やったぜ……相棒……」

    760 = 756 :



    【2012/7/26(木) 晴れ 月光館学園・期末テスト終了】


    「終わったー!そして終わったー……」

    >どうやら手応えが今一つだったらしい。
    >しかし、今そんな事はどうでもいい。

    鳴上「美奈子」

    美奈子「悠」

    >お互いの目を見る。
    >その奥には確信があった。

    鳴上「フッ」

    美奈子「ふふっ」

    >ピシガシグッグッ。

    「まった古いネタやってんな、お前ら……」

    鳴上「よし、後は結果発表を待つだけだ。帰ろう」

    美奈子「そだね。帰ろっか」

    「よー、二人共これからカラオケいかね?打ち上げ打ち上げ」

    鳴上「いいな。騒ぐか」

    美奈子「いいねー、思い切り歌っちゃおう!」

    >後は、結果を見るだけだ。


    【2012/7/28(土) 曇り 商店街】


    >今日は一人で商店街だ。
    >というのも、今朝マーガレットから連絡があり……頼みがあるから聞いてくれと言われたからだ。

    マーガレット「ちゃんと来てくれたのね。待ってたわ」

    有里「まぁ、マーガレットからお呼びがかかっちゃね。で、どうしたの?」

    マーガレット「貴方……昔、妹から色んな依頼を受けてたのよね?」

    有里「うん、それはもう色々と」

    マーガレット「そんな貴方にお願いがあるのよ。実は、あるモノが欲しいのだけど……私、調達に出るわけにいかないでしょ?」

    有里「ああ、そういうことね……」

    >なんだか懐かしくもある。

    有里「いいさ、引き受けよう。それで、何が欲しいの?」

    マーガレット「ありがとう。ただ、名前もわからないのよ」

    761 = 756 :

    有里「またそういう難題を……どういうモノかはわかるんでしょ?」

    マーガレット「そうね……洋服なのだけれど、白と、黒で……そう……例えて言えばブリリアントな感じの」

    有里「……うん、全然わからない。じゃあそれらしい服を見つけたら持ってくるよ。それでいいんでしょ?」

    マーガレット「ごめんなさいね、お願いするわ」

    有里「慣れてるからね。……あれ、あれは……」

    >向こうから千枝とりせが歩いてくる。
    >珍しい組み合わせだな……。

    マーガレット「お友達?」

    有里「まぁね」

    マーガレット「ふぅん……」

    >マーガレットが目を細めた。

    マーガレット「可愛らしい子達ね」

    有里「でしょ」

    マーガレット「その軽口、いつもそうなの?」

    有里「大体はね」

    マーガレット「……ま、とにかくお願いするわね。それじゃ、また」

    >マーガレットは僕の頬にキスをするとベルベットルームへ帰っていった。

    有里「突然何を……ん?」

    >りせが抱えていた袋を落としている。
    >千枝も、ただならぬ様子でこっちを見ている。
    >……見られた?

    りせ「せ、せんぱい?さっきの人ってダレ?」

    有里「いや、知り合いの女の人だけど……」

    千枝「が、外国の人かな?キスは挨拶って言うもんね」

    >まぁ、日本人ってわけでは無いだろうけど……どうなんだろう。

    りせ「そ、そっか!スキンシップだよね!んもう、びっくりしちゃった!」

    千枝「だよね、有里君!そうだよね?」

    有里「うん、軽いノリでしたんじゃないかな」

    千枝「だよねー!そうだよ、だって……うん、そうだよ!」

    >りせが走ってくる。

    りせ「センパイ、あんまり軽くそういう事するの良くないですよ……」

    有里「いや、僕に落ち度は無いと思うけど……」

    りせ「里中先輩、アレで結構嫉妬深いとこありますから……」

    >千枝はまだ何かぶつぶつ言っている。

    有里「……覚えとく」

    >しかし、ブリリアントな服……ね。
    >なんなんだろう、一体。

    762 = 756 :



    【2012/7/28(土) 曇り ポロニアンモール】


    >朝早く、エリザベスから電話があった。
    >頼みごとがあるから来てくれという話だったが……。

    エリザベス「おはようございます。よく来てくださいました」

    鳴上「いや、エリザベスが頼みたい事があるって言うから。一体どうしたんだ?」

    エリザベス「……お客様は、以前姉の頼みを尽く達成せしめたと聞き及んでおります」

    鳴上「まぁ、な。それがどうかしたのか」

    エリザベス「そのようなお客様にこそお願いしたい事なのですが、あるモノを手に入れてくださいませんか」

    鳴上「モノ?……いいけど、一体何なんだ?」

    エリザベス「青い肉じゃがでございます」

    鳴上「……は?」

    >肉じゃが、なら良く知っている。
    >しかし、青いとなると聞いた事も……

    鳴上「あ」

    >あった。

    鳴上「しかし、アレは再現性のあるバグかどうかわからないんだが……」

    エリザベス「以前、彼が言っていました。世にも珍しい物だと。一度、見てみたくて……」

    >有里か、余計な事を……。

    鳴上「作れそうな人を知ってる。今度、その人の住んでる所に行くから、トライしてもらうよ」

    エリザベス「ありがとうございます。是非、お願いします」

    763 = 756 :

    >エリザベスは喜んでいるようだ……?

    エリザベス「では、私はこれで」

    鳴上「ああ……」

    >エリザベスは一礼して青い扉に入った。
    >今、一瞬……

    鳴上「あれ、どこに……」

    >いた。
    >アイギスさん……だと思ったのだが、どうやら違うらしい。

    鳴上「全然似てないけど、似てるな。髪は黒いし、目は赤い。アイギスさんとは何ていうか、真逆……」

    >だが、何か気になる。
    >人ごみに紛れてしまう前に追いかけてみよう。

    「この匂いは!こ、この匂いはぁあああ!」

    >……?
    >聞き覚えのある声がする。

    鳴上「この声……」

    クマ「セーンセーイクマアアアアアア!!」

    >人ごみの中から着ぐるみが飛び出してきた!

    鳴上「うわっ、クマ!どうしてここに?」

    >クマはなんと言うか、薄汚れている。
    >そして何故か子供達に蹴られている。

    鳴上「こらこら、あんまりこのクマいじめちゃ駄目だぞ」

    子供「これクマなの?」

    鳴上「そうらしいぞ。ほら、やめてあげよう。な?」

    >子供達も悪戯はいけないとわかってくれたようだ。

    クマ「う、うぅ……辛かったクマ……八十稲羽じゃ人気者なのに、この街じゃ酷い目にあったクマ……」

    >クマはよろよろと立ち上がった。

    鳴上「大丈夫か?というかなんでここに。テレビがどうなったかわからないから、てっきりまだ出てこられないもんだと……」

    764 = 756 :

    クマ「テレビの中は、ちょっとずつ直ってったクマ……で、この前ようやく出られるようになったから飛び出て来たら、どっかに飾ってあるテレビから出ちゃったクマ」

    鳴上「それがこの街だったわけか」

    クマ「辛かったクマ、駄目かと思ったクマ……けど、なーんか知ってる匂いするからずっと待ってたクマ。そしたら、そしたらなんと……」

    >クマにタックルを喰らった。
    >これも久しぶりだ。

    クマ「センセイだったクマ!ありがとう、ありがとセンセイ!おかげで生きていけそうクマぁ!」

    鳴上「落ち着け。……そうか、まぁ、丁度良かったよ。陽介達も心配してただろうから連絡しておこう。それから……中身だけでついてこい。また蹴られるぞ」

    >さっきのアイギスさんに似た人は見失ってしまった。
    >が、まずはクマを連れて帰ろう。


    【巌戸台分寮】


    風花「おかえりなさ……あれ、その人は?」

    鳴上「ああ、ええと……クマの中身ですね」

    風花「……何言ってるかちょっと」

    鳴上「ええと、だから……」

    クマ「クマはクマクマ」

    風花「あ、ほんとにそうなんだ。え、じゃあどうしてクマ君がこっちに?」

    鳴上「どうも、テレビを出たらこっちだったらしくて。それで、放っておくと色々危なそうだったんで連れて来ちゃいました」

    クマ「フーカチャンとセンセイは一緒に住んでたクマか?」

    鳴上「まあそうだな」

    クマ「ど、どどど同棲!?センセイ大人クマー!!」

    >……さて、とりあえずどうしようか。
    >まず、桐条さんに相談して……そうだ、八十稲羽行きの話もしないといけない。

    鳴上「風花さん、今桐条さんいますか?」

    風花「あ、お部屋にいると思う」

    鳴上「そうですか。ちょっと、クマの事含めて相談してきます。クマよろしくお願いします」

    風花「はい、わかりました。クマ君、とりあえずその着ぐるみ、お洗濯しよっか。なんか凄く汚れてるよ?」

    クマ「しゃーないクマ……いっぱいいじめられたクマ……」

    765 = 756 :



    【巌戸台分寮・三階】


    >扉をノックする。

    美鶴「誰だ?」

    鳴上「あ、鳴上です。少しお話が。良いですか?」

    美鶴「鳴上か。入ってくれ」

    鳴上「失礼します……どうしたんですか?」

    >桐条さんは這いつくばって棚の下に手を突っ込んでいる。

    美鶴「いや、それが……この下に、ペンが転がっていってしまって。気に入っているから、取りたいんだが……よっ、んんっ……」

    >ベネ。

    鳴上「俺やりますよ」

    美鶴「そうか?」

    鳴上「俺の方が手長いんで……よい、しょ……あ、これかな」

    >細い何かを握った。
    >引っ張り出すと、やはりペンだった……が、桐条さんらしくないというか、変わったデザインのボールペンだ。

    美鶴「ありがとう、助かった。……埃がついてしまったな。後で綺麗にしておかなければ……」

    >本当に大事そうにそのペンを握る。
    >あのペン、どこかで見た気が……。

    鳴上「あ、それと同じの……湊が持ってたんだ」

    >桐条さんが跳ねた。
    >あまりにも驚くと、人間は跳ねるらしい。

    美鶴「そ、そうか?偶然だな。……で話というのは何だ」

    鳴上「あ、はい。そろそろ夏休みなんですが、俺、また八十稲羽に行こうかと思ってるんですよ」

    美鶴「ん、そうか。もう止める理由も無い。行って来るといい」

    鳴上「それで、なんですが。長期滞在になると思うんですが、良かったら桐条さんも一緒に行きませんか?」

    >予想だにしなかった、という表情をされた。

    766 = 756 :

    美鶴「何故、私と?……いや、すまない。今、何かとても君を傷付けるような事を言ってしまったかもしれないが」

    鳴上「多分桐条さんが思ってるような事ではなく。皆で遊びに行けたら楽しそうだなと思っただけで……」

    美鶴「ああ、そういう事か」

    鳴上「向こうには湊もいますしね」

    美鶴「別に、彼がいようと関係無い……が、顔を見せるくらいはしてもいいかもしれないな。うん、そうか。そうだな……」

    >桐条さんは一人何かを考え込んでいる。
    >まぁ、詳しい日程は一学期が終わってからでいいだろう。

    鳴上「あ、それからもう一つ。ちょっと拾い物をしまして……よければしばらく寮に置いてもらえないでしょうか」

    美鶴「ん?それは構わんが、なんだ、犬か猫でも拾ったのか?それなら私よりコロマルの機嫌を取らないとな」

    鳴上「犬猫ではないですが……クマです」

    美鶴「……んん?」

    鳴上「あの、Nyx封印した時の事覚えてますか?」

    美鶴「あまり、思い出したくは無いがな」

    鳴上「はは……あの時、妙な着ぐるみが居たんですが、知ってます?」

    美鶴「……ああ!確かにいたな、原色の奇妙な……」

    鳴上「アレ、俺達の仲間なんですけど、どうやらこっちに出てきちゃったらしくて。どうせ夏休みには向こうに行くんで、その時までこっちで保護できないかと」

    美鶴「なんだ、そういう事か。脅かすんじゃない。いいだろう、ただし部屋が無いから君の部屋で寝泊りしてもらっていいか?」

    鳴上「それでいいです。話はそれだけです。じゃあ、クマの様子を見てきます」

    美鶴「ああ。……鳴上」

    鳴上「はい、なんですか?」

    美鶴「八十稲羽行き……日程が決まったら教えてくれ」

    鳴上「わかりました。それじゃ、失礼します」

    >桐条さん、どうやら相当行きたいみたいだな……。
    >しっかり日程を組もう。

    767 = 756 :



    【2012/7/29(日) 雨 巌戸台分寮】


    クマ「朝クマー起きるクマー」

    >耳元でクマが五月蝿い……。

    クマ「起きないとひどいことするクマー、とんでも無い事するクマー、それでも良ければ寝てるクマー」

    >とんでも無い事……?

    鳴上「それは困る」

    クマ「あっ起きちまったクマ」

    鳴上「なんだ、そのしまった!みたいな言い方」

    クマ「ミナコチャンに教えてもらったとんでも無い事しようと思ってたクマ……」

    >あいつ……。

    鳴上「……おはよう。起こしてくれてありがとうな」

    クマ「ぜんぜんクマ。おはよーさんセンセイ!」

    >着替えるとしようか。


    【ラウンジ】


    >ラウンジには寮内の皆が集まっていた。
    >なにやらわいわいと騒いでいる……。

    順平「どういうとこなのよ、八十稲羽って」

    風花「いい所だよ。あんまり人はいないけど、こっちには無い物がたくさんあるって感じかな」

    アイギス「美味しい物もありました。それから温泉も」

    岳羽「でも田舎だもんね、長い間いたら暇しちゃうかもね」

    天田「有里さんもいますし、向こうの皆さん楽しい人達みたいですし……そんなことも無いんじゃないですか?」

    「田舎も悪いもんじゃないぞ。どこでシャドーしてても警察は来ないしな」

    美奈子「やーん楽しみかもー」

    >……まさか。

    美鶴「起きたか。おはよう。……クマだったか?君も、おはよう」

    クマ「おはよークマ!皆集まってどったの?」

    美鶴「ああ。鳴上を含め、皆夏休みに入るからな。折角なら鳴上の言うように『皆で』旅行でも出来たらいいなと」

    鳴上「なるほど……流石に全員って事は無いですよね?」

    天田「残念ながら、僕は部活です……コロマルと留守番してますよ。何か、いつかを思い出しますね」

    順平「やめろって、旅行に温泉と来たら古傷が疼く……」

    鳴上「そうか、天田はいけないのか……あれ、えーと。じゃあ他の人達は……」

    美鶴「全員参加だそうだ」

    768 = 756 :

    鳴上「……天城に礼の一つでも言われるな、これは」

    クマ「ユキちゃんがどしたクマ?」

    鳴上「何でもない。ところで、日程がまだ決まっていないんですけど……どうしましょうか」

    美鶴「そうだな、これだけ大人数だと中々な。一ヶ月丸々というわけにもいかないだろうし」

    岳羽「流石に一ヶ月はねー。鳴上君は夏休み全部向こう?」

    鳴上「とも思ったんですけど……ちょっと考えが変わりました」

    順平「なんだよ、俺は別に一月だろうと平気だったのに」

    鳴上「いや、旅館に一ヶ月だと費用が……」

    美鶴「それなら気にしないでいいぞ?」

    鳴上「あ、スポンサーついてたんですか。いえ、何なら向こうの連中をこっちに呼ぶのもアリかなと思いまして」

    風花「それ、いいかもしれないね。じゃあとりあえず皆と相談?」

    鳴上「そうですね、とりあえず。まずは一学期を滞りなく終えて、って話になりますね」

    美鶴「だそうだ。旅費・宿泊費はこちら持ち、好きなだけ楽しむといい。そうだ、鳴上。向こうの仲間達にもそう言っておいてくれ」

    鳴上「ええ!?いいんですか?」

    美鶴「彼らだって事件解決の為働いてくれたんだろう?なら、それを労う必要がある。遠慮するな。どうせ使うなら有意義に、だ」

    順平「その発想、過剰に持つ者特有のモンっすよ……」

    >どうやら、夏休みも退屈せずに済みそうだ……。


    【2012/7/30(月) 晴れ 月光館学園】


    >学校について来たがるクマを引き剥がして、何とか登校した。
    >今日はテストの結果発表の日……
    >勝負の日だ。

    美奈子「悠、おっそーい!ほらほら、貼られてるよ!」

    >美奈子は先に出たはずだが、まだ結果は見ていないようだ。

    鳴上「ああ、悪い。よし、それじゃ見ようか」

    >まず前提として、美奈子が一位で無ければならない。
    >出席番号の問題で、美奈子が先に来るはずだからだ。
    >順位表の一番上は……

    769 = 756 :



    【2012/7/30(月) 晴れ 八十神高校】


    >今日はテストの結果発表日だ。
    >順位はこの際どうでもいいが、一応確認しておこう。

    有里「……うん、よし」

    >さて、後は女子陣がどうだったか……。
    >……メールだ。
    >終業式後、ジュネス集合。

    有里「どっちが勝ったかな、と」

    >とりあえず、一学期は終わりだ。
    >……楽しかったな。


    【ジュネス内フードコート】


    陽介「おう、来たな有里、完二!」

    完二「うぃーっス」

    有里「あれ、僕らだけ?」

    陽介「まず俺らだけで結果見ようと思ってよ。あいつらにゃ後で集まるように言っといた。……つーか、見たぜ有里」

    完二「あ、俺も見たっス。有里先輩、一位だったじゃないスか!すげェっスよ!」

    有里「ありがとう。まぁ、ミスしなければ何とかね」

    陽介「普段だったら嫌味にしか聞こえねーけど今日ばっかりはお前が仏様みたいに見えるぜ!で、点数はどうなのよ」

    有里「はい、これ」

    陽介「ちょっと拝見……んだ、こりゃ」

    完二「なんスか?……うわっ、なんだこりゃ!三桁しか載ってねえ!」

    有里「俗に満点って言うらしい」

    陽介「くっそ、俺らの頑張りが霞むぜ……」

    完二「いや、でも頼もしいっスよ。チームなんスから、喜ぶとこっしょ、これ!」

    陽介「お、おお!そうだな!で、どうだったんだよ完二!」

    完二「俺が先っスか!……しゃあねえな、とくと見やがれィ!」

    >完二は勢い良く結果通知表を出した。

    770 = 756 :

    有里「すごいね、90台もいくつもあるし……80以下無し、か」

    陽介「おいおいやるじゃねーか完二!」

    完二「へへへ、あざっス!先輩のおかげっス!」

    >完二は照れているようだ。
    >どちらかというと、僕ではなく直斗のおかげのような気もするが……。

    有里「で、陽介は?」

    陽介「あ?……ふっふっふ。お前ら、ちょっとバカにしてんだろ?どうせ大した事無いんだろうなーとか、どうせオチ担当なんだろうなーとか思ってんだろ?」

    完二「なんだよ、もったいぶらずに見せてくれよ」

    陽介「おら、これだぁ!」

    >陽介が出した通知表には驚きの数字が書かれていた。

    完二「平均点が……92!?嘘だろ、これマジで花村先輩のかよ!」

    有里「すごい、良く頑張ったね」

    陽介「やりゃあ出来んだよ俺だって!でもよ、これ、いけると思わねーか?」

    完二「そうっスね。いつも通りなら、こんだけ取れりゃ下手すりゃ直斗にも負けねー」

    陽介「こっちだって天城より上あるぜ!それにこいつだよ、満点!100以外の数字は知らない男!」

    有里「まぁ、本人達が言ってた事が正しいとすれば……りせと千枝は足して一人分いくかどうか、だね」

    陽介「人数なんてハンデにならねんだよ!これが……俺達の力だ!」

    >陽介と完二が盛り上がっているところに、女性陣が到着した。

    雪子「あれ、皆早いね」

    千枝「どうせ花村の事だから、変に張り切って来たんでしょ?」

    陽介「その通りだけど別にいいだろ!お前ら、結果見せ合ったんかよ」

    直斗「いや、まだですよ。……テストっていうのは、こういう事する為にあるんじゃないと思いますけどね」

    りせ「まぁまぁいいじゃん!その方が楽しいしさ!さて、それじゃ早速……いっちゃいますか!」

    >りせは自信満々だ。
    >あれは、点が良かったからなのか、それともこちらを甘く見ているのか……。
    >後者なら、りせの顔はもうすぐ変わるだろう。

    771 = 756 :

    陽介「っしゃぁ、まず完二行け!」

    完二「お、おうよ!どうだ!」

    >完二が通知表を出すと、りせの顔色が変わった。

    りせ「うっそ、完二でしょ!?」

    直斗「……これだけ取ってくれると、少しですが教えた甲斐があったと思えますね」

    完二「おう、ありがとよ。おかげで初めて見る点数だぜ」

    直斗「それじゃ、次は僕が。……といっても、大した物じゃないですけど」

    >直斗が通知表を広げる。

    完二「相変わらず良い点だぜ……あれ?」

    直斗「そうですね。負けました。巽君の方が高得点です。これじゃ、次から僕が教えてもらわないといけませんね」

    >完二が複雑な表情をしている。
    >あれは、勝って嬉しいと何か悪い事しちゃったな、の間くらいだろうか。

    完二「で、でもよ!すげえ点だぜ。お前に教えてもらってなかったら俺も取れなかったし、良かったらこれからもちょくちょく……」

    陽介「っしゃ、次誰だ!?そっちが人数多いんだからそっちから来いよな!」

    >陽介は相変わらず空気を読まない。

    雪子「それじゃ、次私ね。はい、こんな感じ」

    >……やはり、軒並み高得点だ。
    >が。

    陽介「……ふっふっふっふっふ」

    りせ「ヤダ、花村先輩なんか気持ち悪い……」

    千枝「何か気合いが変な方向にいっちゃってるよね……」

    陽介「何とでも言え!俺は今!確実な勝利の予感に打ち震えています!俺のはこれだ!」

    >合計点を見ると、わずかにとは言え陽介が上回っている。

    千枝「うそっ!ほんとなのこれ!」

    りせ「えええええ!花村先輩がこの点……嘘だぁ!」

    陽介「嘘じゃねーんだなこれが!どうだ!これが俺の本気だぜ!」

    りせ「ううう……ごめんみんなー……私、こんな感じ」

    >どうやら、りせは余り普段と変わらないらしい。

    りせ「こ、これでもいつもよりちょっと良いんだから!勉強した分ちゃんと出てるもん!」

    有里「まぁ、今回は皆頑張ってたからね。仕方ないよ」

    りせ「うー、有里せんぱぁい……」

    772 = 756 :

    有里「で、僕はこれ」

    >ぴらっと、机の上に乗せる。

    雪子「……」

    千枝「……いや、これは……」

    直斗「……多分、生まれて初めて見ました」

    りせ「……ジョーダンでしょ……」

    >何故か、陽介が勝ち誇っている。

    陽介「さぁどうだ。こっちにゃ有里がついてんだよ。さーて、残る一人は誰だったかなぁ?」

    >千枝は何か計算している。

    陽介「ほら早く出せよぉ。待ってんだぜこっちは。まぁ里中がどれだけ取れてるかしらないけど?普段の里中だったら絶対……」

    千枝「あの、さ」

    >千枝が通知表を出す。

    千枝「勝ってるよね、これ」

    >……点数は、陽介を越えていた。

    陽介「……ん?」

    雪子「……すごい」

    完二「あ?……マジかよ」

    直斗「90以下が一つもありませんね」

    りせ「里中先輩、すごすぎじゃない?」

    有里「……ええと」

    >天城さんがあれだけで、直斗があれだけで。
    >りせと、千枝を合わせて……。

    有里「僕達の、負けだね」

    陽介「……えっ?」

    りせ「や、やった!!先輩!ハイタッチハイタッチ!」

    千枝「え、あ、ハイターッチ」

    直斗「驚きました。里中先輩がそんなに高得点を……」

    雪子「私もびっくり。教えてる時はここまでじゃ……」

    完二「いや、しゃーねーわこれは。先輩が上手だったっつーことっスね」

    >陽介は放心している。

    773 = 756 :

    陽介「ウソ、だろ?ウソだって言ってくれよ。嘘だよな?あ、アレだろ!里中カンニングとか……」

    有里「陽介」

    陽介「いや、だってよ!あの里中だぜ!?」

    完二「見苦しいっスよ、先輩……」

    有里「良く考えたら、千枝は僕と結構前から勉強会してたし。今回は最後まで詰めてたみたいだし、成果が出たって事じゃないかな?」

    直斗「なるほど、地道な努力の結果ですね」

    りせ「花村先輩サイテー……」

    陽介「嘘だ……ま、負け……」

    千枝「有里君に色々教えてもらってたし、雪子も分かりやすく教えてくれたし……二人のお陰だね。ありがと」

    雪子「違うよ、千枝が頑張ったからだよ。ね?」

    有里「そうだね。真面目にやれば何とでもってことだね」

    りせ「あ、勝ったって事はアレ、私達にって事ですよね!?」

    有里「ああ。僕らは一日君達の奴隷だ。好きな日に使うといいよ」

    完二「ちっ、仕方ねぇな……ま、腹括るっきゃねえか!」

    りせ「やったあ!えへへ、何してもらっちゃおうかなー」

    雪子「良かったね、千枝」

    千枝「へっ?何で私?」

    直斗「なるべく軽い事にしましょうよ、折角皆成績上がったんですし」

    陽介「嘘だ……」

    >男女対抗テスト対決は、女子組の勝利で終わった。
    >何をさせられるかわからないが、受けるしかないだろう。
    >……それはそれで美味しいし、良しとしよう。


    【夜 堂島宅】


    >……メールだ。

    有里「悠からか。……何も書いてない。添付だけついてるな」

    >とりあえず、展開してみよう……。

    有里「……何っ!?」

    >添付されていた画像は、巌戸台分寮のラウンジらしき場所で、スクール水着を着た美鶴が何故かコスプレをした女性陣にいじられまくって真っ赤になっている画像だった。

    有里「……詳細モトム、返信と」

    >……寝よう。

    774 = 756 :



    【巌戸台分寮】


    美奈子「今日で一学期も終わりかー。さーて夏休み、夏休み!」

    鳴上「そういえば、美奈子も行くのか?八十稲羽」

    美奈子「そのつもりだけど、駄目かな?」

    鳴上「いや、聞いてみただけだ。深い意味は無いよ」

    美奈子「旅行って好きなんだよねー、温泉があると特に!」

    鳴上「混浴じゃないけどな」

    美奈子「あ、それはどうでも」

    >美奈子としゃべっていると、桐条さんが降りてきた。

    美鶴「おかえり。今学期は滞りなく終わったか?」

    美奈子「余すところ無く!」

    鳴上「おかげさまで無事に。それで、丁度お話があったんですよ」

    美鶴「ふ、テストの事だろう。どうだった?」

    >美奈子と顔を見合わせる。

    鳴上「……どうぞ、ご覧ください」

    >二人の通知表を見せる。
    >笑顔で受け取った桐条さんの頬が、ひくっと動いた。

    美鶴「……間違いなく、君達の成績だな?」

    美奈子「間違い無しです」

    鳴上「俺達の点数ですよ、それ」

    美鶴「ぷっ、あははは!まさか、本当に二人共満点で一位か!ブリリアント!エクセレントだ!恐れ入ったよ」

    美鶴「じゃあ、私はこれで」

    美奈子「待った」

    鳴上「約束は守ってくださいよ」

    美鶴「……仕方ない。約束だからな。で、君達は私に何をさせたいんだ?」

    美奈子「美鶴先輩にはいっぱい頭を下げてもらいます」

    美鶴「……え?」

    775 = 756 :



    【夜】


    岳羽「……で、こうなってると」

    美鶴「すまない、私が軽率だった……。だが、今日だけで良いんだ。我慢してくれ」

    岳羽「外に出るで無し、別にいいですよ。そんな頭下げなくても」

    >寮内の女子は全員、コスプレさせられている。
    >あの日、美奈子が俺に提言したのはこうだ。

    美奈子『みんなにコスプレで給仕してもらいたくない?』

    >……されたい。
    >そして俺は本気で勉強し、今に至る。

    アイギス「給仕の伝統的なファッションですか。確かに、気が引き締まるようですね」

    >アイギスさんはメイド服。結構気に入っているようだ。
    >元々外見がそれらしいので、酷く似合っている。
    >ただ、動きが少々雑なのが難点か。

    岳羽「っていうかセレクトがおかしくない?これ、何の衣装なのよ」

    鳴上「イメージとしてはOLです」

    岳羽「こんなミニスカのOLいないっての……恥っずいなー、もう」

    >岳羽さんはミニのタイトスカートが良く似合っている。
    >個人的にはベージュかブラウンのストッキングを履いて欲しかったが、生足も……アリだな。
    >勿論、メガネも完備だ。

    風花「たまにはこういうのも楽しいかもね。……ちょっと、恥ずかしいけど」

    >風花さんはセーラー服だ。
    >今でも高校生で全然通じそうだ。
    >これもミニスカートで、普段余り見る事の無い脚が目につく。
    >……美奈子にセレクションを任せたのだが、どうやら良い判断だったらしい。

    鳴上「あれ、そういえばその美奈子と桐条さんは……」

    776 = 756 :

    >さっき、嫌がる桐条さんを連れて上に行って以降、降りてくる気配が無い。

    美奈子「諦めましょーよ、ね?約束したじゃないですか」

    美鶴「だ、だがこれは……せめて皆のように普通の服にしてくれないか」

    美奈子「いや可愛いですって。ありですよあり。さ、いきましょー」

    美鶴「待って、ああ、もう……」

    >上から声が聞こえる。
    >どうやらつれてこられたようだ。

    美奈子「やっほー、お待たせ。どうよ!」

    >美奈子は水着とも他の何かとも取れない服を着ている。

    美奈子「昔はこれ着てタルタロス探索したもんよー」

    岳羽「懐かしー、それハイレグアーマーじゃん。着るの恥ずかしかったなー」

    美奈子「どう?いい感じ?」

    風花「ていうか、美奈子ちゃんは別にコスプレしなくても良かったんじゃ……」

    美奈子「いや、気分気分。だって楽しそうなんだもん」

    >ハイレグアーマーというのか。
    >白いエナメル質の素材が何ともいやらしい……もとい、美しい。
    >露出が多いのに、手袋やブーツが長い辺り製作者のこだわりを感じる。
    >これでタルタロス探索か……見たかった。

    美鶴「あ、余り動かないでくれ……」

    >その美奈子の後ろに、桐条さんが小さくなっている。
    >……いや、ほとんど隠れていないから、もうわかってしまったのだが。

    岳羽「うわ、それは流石に……」

    風花「えっと……その……」

    アイギス「スクール水着、ですね」

    美鶴「私だって好きで着ていない!美奈子が着ろと……」

    >……これは。

    美奈子「ほれ悠。どうよ」

    鳴上「ああ。なんていうか、アレみたいだ。あの、アレ」

    >……アダルトビデオ、とは間違っても言えない。

    美奈子「そーいうビデオみたいでしょ?絶対えろいと思ったんだよね!」

    >しかし美奈子は躊躇無く言い放った。

    美鶴「ビデオ……?何がだ?」

    岳羽「いや、その……ねぇ?」

    風花「あ、あはは……」

    >良く見ると、下に黒のストッキングを履いている。
    >肌の露出を抑えたのだろうが、余計にいやらしいというか怪しいというか。

    美奈子「うーん、でも何か足りないんだよねぇ。なんだろ」

    777 = 756 :

    アイギス「あ。アレでは?」

    >アイギスさんが何かを持ってくる。

    美奈子「あ、これだ!美鶴先輩、これつけてこれ!」

    美鶴「なんだこれは……ちょ、やめ……」

    >……耳、だ。

    美奈子「アニマルイヤー(猫)!」

    美鶴「なんだ、どうなってるんだ?何がついてるんだ?」

    >桐条さんは自分の頭上なので見えないようだが、しっかりと猫耳カチューシャが乗っている。
    >随分と可愛らしくなったものだ。

    岳羽「くっ……ぷ、これは……可愛いかも……くくっ……」

    風花「ちょっと、ゆかりちゃん。笑っちゃ悪いよ。あの、えっと……凄く可愛いですよ!」

    アイギス「お似合いであります」

    美鶴「なんだどうなって……」

    >美奈子が満面の笑みで鏡を見せた。
    >桐条先輩がそれを見る。

    美鶴「……」

    美奈子「可愛いよ、美鶴」

    >あ、茹だった。
    >ぱしゃ。
    >思わず携帯で写真を撮ってしまった。

    美鶴「!?こ、こら鳴上!撮るな、撮るんじゃない……」

    美奈子「にゃーって言ってくださいよ、にゃー」

    岳羽「あ、私も聞きたい!にゃー」

    風花「桐条先輩がにゃー……聞きたいかも、にゃー」

    アイギス「にゃーであります」

    美鶴「に、にゃー?」

    美奈子「やーん可愛い!もって帰っていい!?」

    岳羽「そーね、もって帰って好き放題しちゃって」

    >コスプレ軍団にもみくちゃにされる桐条さん……。
    >もう一枚撮っておこう。
    >……陽介にでも送ろうか。いや、湊だな。

    >明日から、夏休みだ。

    778 = 756 :



    鳴上「ふぅ」

    >……いや、本当に色んな意味で『ふぅ』、といった所だ。
    >多分、まだ桐条さんは遊ばれているのだろうが、アレ以上あの場にいたら身がもたない。

    >コンコン。
    >扉がノックされた。

    風花「私」

    鳴上「ああ、入ってください」

    風花「お邪魔します。あはは、お疲れ?」

    鳴上「ちょっとはしゃぎすぎましたね」

    風花「そう?落ち着いてたみたいだけど」

    鳴上「内心バクバクでしたよ、色んな意味で」

    >風花さんは楽しそうに笑う。
    >というか、まだセーラー服なのか。

    鳴上「まだ着替えないんですか?」

    風花「あ、もうちょっとね。楽しくて。それに……こういうのも、スキかと思って」

    >確かに、好きだが……。

    鳴上「あんまりその格好で動き回られると、なんていうか目に毒ですよ」

    風花「……可愛くないかな?ごめんね」

    >少し違和感があった。
    >風花さんはそんな事を言うような人だっただろうか。

    鳴上「そうじゃなくて。魅力が強すぎて、って事で」

    風花「ふふ、ありがとう」

    >風花さんはベッドに腰掛けて、そのままぱたんと寝転んだ。

    鳴上「ああ、そんな風にしたらスカートめくれちゃいますよ」

    風花「……いいよ、別に」

    >おかしい。
    >これはおかしい。

    風花「私、本当に魅力ある?」

    鳴上「ありますよ、そりゃ……」

    >口の中が渇く。
    >……何の緊張だ?

    風花「だったら、ね……」

    >風花さんの瞳が濡れている。
    >少しだけ頬が上気している。
    >うす桃色の唇の奥、真っ赤な舌が見える。
    >心臓が早鐘を打つ。
    >俺は……。

    779 = 756 :



    【2012/7/31(火) 晴れ 巌戸台分寮】


    >Pipipi……
    >電話だ。
    >今は……八時か。
    >電話に起こされた。

    鳴上「……ていうか、なんて夢を見てるんだ、俺は」

    >昨夜のバカ騒ぎのせいだろうか。
    >電話の主は有里だった。

    鳴上「もしもし」

    有里『僕だけど、もしかして寝てた?』

    鳴上「わかるか」

    有里『なんとなくね。悪いね、起こしちゃって』

    鳴上「いや、むしろ助かった。ありがとう」

    有里『……?ええと、そう。話があったんだ。そっちももう夏休みでしょ?』

    鳴上「ああ、そうか。そっち行く時の予定だな」

    有里『そう、それと……昨日の写真、アレは何だったの?』

    鳴上「ああ、あれはな……」

    >湊と打ち合わせをした……。
    >昨夜の夢はなんだったのだろうか。
    >まさか、何かの異変?
    >それとも……ただ、俺が若いだけだろうか。

    780 = 756 :

    悪夢ではない。断じてない。
    むしろ良いんだけど、起きた時に随分と情けない思いをするのではあるまいか。

    そして夏休み、始まる。

    といわうけで本日分は終わり。
    では、また後日。

    781 :

    すくうるみずぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!
    乙!

    782 :

    美鶴可愛すぎ

    あ、>>1

    783 :

    美鶴さんはともかくエリザベスさんは俺の嫁。

    夏休みに入りましたか、解決までどれくらいの時間がかかるの?(この世界的な意味で)やはり1年くらいかかるんかな

    784 :

    >>783
    そうですね、せっかくだし、四季のイベントはやらせてあげたいなぁ。

    というわけで本日分。

    786 = 784 :

    有里「あ、それと向こうのメンバーも一緒に来るらしいよ。かなり大所帯になるみたい」

    雪子「団体さんになるのかな」

    有里「そこまでの人数はいないけど……部屋数は取るかも」

    雪子「鳴上君がお得意様になりそう……」

    >今回は全員乗り気だ。
    >さて、用事は済んだし……どうしようかな。

    有里「あ、そういえばあの話どうなったの?」

    千枝「あの話?」

    りせ「あ、罰ゲーム?あれはまだ相談中でーす。何か革新的なアイディア出るまで握っとくって事で」

    有里「ふぅん。まぁ決まったら何でもするよ。しっかり考えてね」

    >帰ろうとした所、袖をつかまれた。

    有里「おっと、何?」

    雪子「この後ちょっと時間良い?ちょっと手伝って欲しい事あって」

    有里「ああ、別に用事は無いし、構わないよ」

    雪子「ありがと。じゃあ家来てね」

    千枝「あっ……」

    有里「ん?」

    千枝「ん、なんでもない。じゃあまたね」

    >千枝も何か用事があったのだろうか。
    >……まぁ、今度でいいんだろう。


    【天城屋旅館・厨房】


    有里「なるほど、料理ね」

    雪子「うん。多分山岸さんも来ると思うから、その時また料理教室やってもらおうと思って」

    有里「ああ、それで予習を。まぁ僕も上手く無いけどね」

    雪子「私より上手いでしょ?だから、お願い」

    有里「……とりあえず、余計な事をしない事から始めようか。今日は何作る?」

    雪子「えっと……鶏肉のトマト煮?」

    有里「また微妙なラインを……それじゃ、材料を用意して」

    >……。

    787 = 784 :

    有里「ああ、だからそれ入れちゃ駄目だって」

    雪子「えっ、でももうちょっと塩味が……」

    有里「いや、これでいいと思うよ。そもそもその量はちょっとじゃない」

    雪子「そうかな?えっと……じゃあ、後はしばらく煮込んで出来上がり」

    有里「うん。お疲れ様」

    雪子「有里君が止めてくれたから変な事はしてないと思うけど……」

    >確かに、幾度も幾度も静止をかける事になった。
    >こんな作り方をしていたら、料理の形をした謎の物体が出来るのもうなずける……。

    有里「天城さん、不器用ってわけじゃないんだから。まずレシピ通りに作れば失敗はしないはずだよ」

    雪子「……ねぇ、有里君。その、天城さんっていうの、やめない?」

    有里「どうして?」

    雪子「なんか、さ。他の皆は名前で呼んでるでしょ?なのに私だけずっと苗字だなーって」

    有里「……そういえば、そうだね。じゃあ何て呼ぼうか」

    雪子「千枝とかと同じ感じで、雪子って呼んでくれていいから」

    有里「ん、じゃあ雪子。鍋見てないと」

    雪子「あ、わっ、ごめん!……千枝とは、上手くいってる?」

    有里「あー……またその話?雪子は千枝から聞いてると思ってたんだけど」

    雪子「うん、聞いてる。だけど、有里君からも聞いてみたくて」

    >雪子は鍋を見つめている。
    >どことなく、違和感を感じる。
    有里「……千枝はどうかわからないけど、僕は千枝に不満は無い。多分、上手く行って無くは無い……と思ってるんだけどね」

    雪子「あれ、ちょっと自信ない?」

    有里「こと恋愛に関してはね。相手を喜ばせる事は出来ても、どうやらそれで全てって訳ではないらしい。難しいもんだね」

    雪子「そうだね……あ、もう出来たかな」

    788 = 784 :

    有里「ああ、そうだね。じゃあ火を止めて」

    雪子「ちょっと味見してみて?はい」

    >菜箸で一つまみつまんで、口の前に持ってこられた。

    雪子「あ、ちょっと熱いか。ふーっ、ふーっ……どうぞ」

    >……少し、照れ臭い。

    有里「じゃあ、いただきます。……うん。思ったとおりの味だ。多分成功」

    雪子「ほんと!?……あ、でも今日はほとんど有里君が作ったみたいなものだしね。ありがとう」

    有里「いやいや。僕はちょっと手伝っただけだよ」

    雪子「ふふ、でもありがとう。これからもいろいろ練習してみるね」

    >雪子と料理の練習をした。

    千枝「や!」

    >帰り道で千枝に出会った。

    千枝「えっと、偶然だね!良かったらそこまで一緒に……」

    >恐らくは偶然では無いだろう。
    >少しおかしくなって、思わず笑ってしまった。

    千枝「……なによぉ」

    有里「別に。それじゃ、一緒に帰ろうか。はい」

    >手を差し伸べると、恐る恐るといった感じに手が伸びてきた。

    有里「汗」

    千枝「あ、暑いからだからね!別に緊張とかしてないっすよ!」

    有里「はは……」

    >……恋愛に限らず、人間関係は難しいよなぁ。

    789 = 784 :



    【ポロニアンモール】


    >買い物を済ませた帰り道、また順平さんと例の女性を見た。

    鳴上「仲良さそうに見えるんだけどなぁ」

    >しばらく談笑?した後、二人は別れた。

    鳴上「順平さん」

    順平「うぉっ!ああ、鳴上か。もしかして、また見てた?」

    鳴上「はい。そういえば、順平さんも八十稲羽旅行、参加するんですよね」

    順平「おうよ。あのー、ほら。千枝ちゃんだっけ?あの子可愛かったしな!」

    鳴上「ははは……そんな事言うと彼女に怒られますよ」

    順平「だーから彼女じゃねえって」

    鳴上「そういえば、夏休みなのに彼女さんと会えなくていいんですか?」

    順平「ん?あー……」

    >順平さんはぽりぽりと頭を掻いている。

    順平「ほれ、アイツって体弱いんだよ。だから、どうせ夏場はあんまり出てこれねんだわ」

    鳴上「ああ、そうだったんですか……すみません」

    順平「謝んなって、怒っちゃいねーよ。アイツさ、俺がどこ行ったとか、なにやったとか。そういう話好きなんだわ」

    >少し照れているのだろうか。
    >しかし、嬉しそうだ。

    鳴上「いいですね、そういうの。なんていうか、憧れます」

    順平「憧れるって事もねーだろ。お前だって彼女くらい……」

    鳴上「……ええと、まぁそれはいいじゃないですか。それで、八十稲羽で土産話を調達しようと」

    順平「ま、そゆこと。……ていうか、何でぼかすんだよ」

    鳴上「いや、別に何でも」

    順平「お前、もしかして振ったのか!?」

    鳴上「い、いやいや!ちゃんと……」

    順平「だよなぁ。惚気られても困るけど、あからさまに避けられても困っちまうぜ。あ、それともなんかあったんかよ」

    鳴上「何かあったというか……ちょっと」

    >昨夜の夢の事を話した。

    790 = 784 :

    順平「あー、昨日はびっくりしたぜー。皆どっかおかしくなっちまったのかと思ってよ。なんだ、お前らが糸引いてたのか」

    鳴上「ええ、まぁ……」

    順平「にしても、夢ねぇ」

    鳴上「やっぱり、変でしょうか」

    順平「変っつーか……お前、ちゃんと処理してる?」

    鳴上「処理?」

    順平「こう、溜まってくリビドーっつーの?持て余すじゃん?」

    鳴上「……まぁ、それなりに」

    順平「でもお前がねぇ。聖人みたいな顔してなぁ」

    鳴上「からかわないでくださいよ。結構真剣に悩んでるんですから」

    順平「あー、そうか。悪かったな。……でも、それだったら簡単だろ」

    鳴上「簡単ですか?」

    順平「おー簡単だ。要するに、お前溜まってんだよ。だから、普段よりこう、多く処理すれば……」

    鳴上「やっぱり、そうですかね……」

    順平「……お前さ、童貞?」

    鳴上「……今まで、彼女らしい彼女っていたこと無いですからね」

    順平「あー……わかるぜ、その気持ち。とにかく自分で処理するか、後は……」

    順平「相手に処理してもらうかじゃねーの?」

    >処理してもらう……。

    鳴上「む、無理ですよ!まだそんなじゃ……」

    順平「おーおー純な反応だねぇ。けど、他に方法も無いんじゃねえの?それか我慢するか。別に害があるってわけでもねーしよ」
    鳴上「まぁ、そうですけど……」

    順平「いやぁ、なんつーの?お前でもそういう事で悩むんだな!これもまた青春ってか?先輩は嬉しいぞ!んなっはっはっは!」

    >順平さんに相談したら、何故だか喜ばれてしまった。
    >……処理、か。
    >溜まってるんだろうか、いろいろ……。

    791 = 784 :

    溜まってるんじゃないですかね。いろいろ。

    今日はごく短い更新になります。
    全部教習が悪い。

    というわけで本日分は終わり。
    では、また後日。

    792 :

    きっと溜まってますね
    乙です

    793 :

    間違いなく溜まってるな色々

    794 :

    P4G予約してきたぜ

    795 :

    >>794
    Vitaさえあれば俺だって・・・

    というわけで本日分。

    796 = 795 :



    【2012/8/5(土) 晴れ時々雨 堂島宅】


    有里「にわか雨か。夕方じゃなくても夕立って言うのかな」

    >突然雨が降り出した。
    >別に出かける予定は無かったからいいものの、出掛けていた人達は大変だっただろう。
    >Pipipi……

    有里「電話?……珍しいな」

    >久慈川りせ、と表示されている。
    >りせが電話をかけてくる事は滅多に無いのだが。

    有里「もしもし」

    りせ『あ、先輩……今お家ですか?』

    有里「そうだけど、どうかしたの?」

    りせ『良かったぁ、今から先輩のお家にお邪魔しようかなって思ってたんですけど、大丈夫ですか?』

    有里「うん、それは良いけど……雨だよ」

    りせ『実はもうすぐ近くなんで、走って行きます!着いたら良かったらシャワー貸してくださいぃ』

    有里「ん、ご自由に。えーと、じゃあ玄関前に……」

    りせ「こんにちわー!」

    直斗「お邪魔します……」

    有里「近っ」

    >とにかく、バスタオルでも持って行ってあげよう。

    有里「いらっしゃい。直斗も一緒だったんだね」

    りせ「うん、ていうか直斗が先輩のトコ行こうって……」

    直斗「た、タオルありがとうございます!ええと、それで……」

    有里「良かったらシャワーも浴びる?って言っても着替えが無いか……」

    りせ「ふっふーん、実はあるんですよ、ちゃーんと。ね?直斗」

    直斗「……まぁ、一応は」

    >直斗は何故か尻込みしている。

    有里「そう。時間あるなら服乾くまでゆっくりしていったらいいよ。もう晴れるて来てるし、これだけ暑かったらすぐでしょ」

    りせ「あ、じゃあそうさせてもらいますね!えっと、お風呂は……」

    有里「ん、こっち」

    りせ「ほら直斗も!」

    直斗「う、はい……」

    >……あれ。
    >そういえば何で二人は家に来たんだろう。
    >何か用事頼まれてたっけ?

    有里「まぁ、いいか……お茶でも入れておこう」

    797 = 795 :



    【有里の部屋】


    りせ「いやー急に押し掛けちゃってごめんネ、先輩」

    有里「構わないけど……今日はどうしたの?それと直斗もどうしたの?入ればいいのに」

    りせ「そうそう、用事があるのは私じゃなくて直斗なんですよ。ほーら、入んなさいってば」

    直斗「まだ心の準備が……」

    りせ「いいから!準備終わらないでしょどうせ!はいどーん!」

    直斗「わっ……た、っと……」

    >りせに腕を引っ張られて直斗が転がり込んできた。

    有里「お?」

    >目が、合った。

    直斗「……」

    有里「……」

    >帽子を深く被り直して顔を隠してしまった。

    有里「直斗」

    直斗「な、なんでしょう」

    有里「可愛いよ」

    直斗「……ッ!」

    >……良く見えないけど、多分真っ赤になっている。
    >りせはとても楽しそうだ。
    >その気持ち、わかる。

    りせ「直斗ってば、悠先輩が帰ってくるからって張り切っちゃって。折角だから湊先輩にも見てもらおーって事で」

    有里「ああ、そういえば前に言ったんだった。よかったら見せてって」

    >今日の直斗はいつもの服装じゃない。
    >なんとも夏らしい薄手のワンピースだが、多分どうしても恥ずかしいのだろう。いつもの帽子はかぶっている。
    >見た目にはアンバランスだが、仕草が非常に可愛いのでよし。

    798 = 795 :

    りせ「直斗くらい素材が良いと、思いっきりシンプルにした方が良いと思って。本当はもう少し短いのにしようと思ったんですけどね」

    直斗「無理です!」

    りせ「まぁ、こんな感じで。ノースリーブも最初は嫌がってたもんね」

    直斗「だって、すかすかじゃないですか。油断できなくて……」

    有里「……ん?」

    >おかしい。
    >胸の辺りに違和感が……

    有里「直斗、もしかしてさらし巻いてる?」

    りせ「あー、何かどうしても外せないんだーって。直斗くらい大きいと苦しいと思うんだけどなー」

    直斗「べ、別に大きく無いです!というか、有里先輩の前でそういう事言わないでください!」

    有里「いつもの服なら仕方ないと思うけど、女物なんだし外せばいいのに」

    直斗「そういう問題でも無く……ええと、その」

    りせ「……直斗、アンタもしかして」

    直斗「な、なんですか?」

    りせ「ちょっと先輩あっち向いててくださいね」

    有里「ん?いいけど……」

    >なんだろう。

    りせ「アンタ、やっぱり……」

    直斗「ええ、実は……持ってきてなくて」

    りせ「あー、そりゃ外せないよね……ノー……」

    直斗「ちょ、聞こえる!言わないでくださいって!」

    りせ「……私の……無理か。悔しいけど」

    直斗「悔しいって……」

    有里「あのー」

    りせ「あ、もう良いですよー」

    有里「うん。で、結局なんだったの」

    799 = 795 :

    りせ「……なんていうか、敗北感が募りました」

    有里「……何で?」

    直斗「あ、あはは……気にしないでください」

    有里「そう……」

    りせ「何でちょっと残念そうなんですか……?」

    >それから、りせと二人で直斗に似合いそうな服を選んだ……。

    りせ「あー楽しかった!っと、もうこんな時間。そろそろお暇しますね!」

    直斗「そうですね……あの、先輩」

    有里「ん」

    直斗「今日はありがとうございました。突然来ちゃってすみません……良ければ、またお願いできませんか」

    有里「いいよ。悠の為だしね」

    直斗「鳴上先輩は関係ありま……!す、けど」

    有里「男性目線も必要だと思うし、僕でよければいつでも。じゃ、またね」

    直斗「はい。それじゃ失礼します」

    >直斗とりせが帰った……。

    有里「ノーブラか……くそっ!」

    >是非見たかった……。

    800 = 795 :



    【2012/8/6(月) 晴れ 八十稲羽行き電車内】


    >結局天田以外全員が八十稲羽に向かう事になった。
    >アイギスさんと順平さんとクマが騒ぎ、それを岳羽さんが止める。
    >真田さんは寝ていて、桐条さんは……美奈子に猫耳を乗せられている。
    >そして、俺の正面には……

    風花「今日もいい天気だね」

    鳴上「そうですね」

    >風花さんが座っている。
    >あの夜以降、何となく気まずい……。
    >別に何をしたわけでもないし、堂々としていればいいと思うのだが。

    風花「……どうしたの?どこか具合悪い?」

    鳴上「いや、そういう訳では……」

    >例の夢はあれから一度も見ていない。
    >ただの偶然、気の迷いだと言い切りたいのだが、どうしても意識してしまう。

    鳴上「……もしかして、コスプレに弱いのかな」

    >あの日と今までの違いとなるとそのくらいしか思いつかない。

    風花「へ?コスプレ?」

    鳴上「あ、なんでもないです」

    風花「そう?……なら、いいけど」

    >き、気まずい。
    >恐らく皆は気を遣ってくれたのだろうが、好意が痛いとはこの事か。
    >これから八十稲羽まで、どう過ごそうか……。

    風花「……ふふ」

    >突然、風花さんが笑った。

    鳴上「あの、何かおかしかったですか?」

    風花「あ、違うの。ごめんなさい。……わくわくしちゃって。鳴上君と一緒だからかな。つい、ね」

    >臆面も無くそう言って微笑む。
    >……そんなに楽しみにしてくれていたのか。

    鳴上「……俺も、楽しみです。十日間、何しましょうか」

    風花「あ、お祭りがあるって聞いたんだけど、向こうにいる内にあるかな?」

    鳴上「今年はどうですかね。皆で回れたらいいんですけど」

    風花「そうだね、皆で……」

    鳴上?「山岸の浴衣姿とか見たいしな」

    風花「え?」

    鳴上「いや、俺じゃないですよ」

    順平「俺だよ!なーにいちゃいちゃしちゃってんだよ鳴上ぃ?ん?」

    鳴上「別にそんなつもりは……」

    順平「いやいや良いんだよ。若い二人はそれが正常!邪魔したな!」

    >……酔っているのだろうか。
    >いや、あの人は素面でもあんな感じだったな。
    >八十稲羽までの道中を楽しく過ごした……。


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