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元スレ勇者「ハーレム言うなって言ってるじゃないですか」盗賊「……3、だよ……」

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801 :

乙です!

あいかわらずいいとこできりやがる

802 :

まってたああああああああぁぁぁぁ!!!!

804 :

おつ
まったくハラハラさせやがって

805 :

ギリギリでも単発じゃないから嬉しいな

無理しないで欲しいが月1で来てくれるとハラハラせずにすむんだが

806 :


いくらなんでもギリギリすぎるだろwwwwww

807 :

わざとだろjk

808 :

量はよくても時間やべーよwwwwwwwwww
乙!

809 :

―バハラタ・宿―


勇者「……」

勇者「……」

勇者「……ん」

勇者「…………ん?」


シーン


勇者「……」

勇者(ここは……宿?)

勇者(ああ、そっか。僕カンダタと戦った後、戦士と話をして……そのまま寝ちゃったんだ)

ムクッ

勇者「いつっ!」ズキ

勇者「いたた……」サスサス

勇者(忘れてた……肩を怪我してたんだ)

勇者(カンダタのやつ、最後のほうは本当に容赦しなかったんだなぁ)

勇者(でももう傷自体は塞がってる。僧侶が治してくれたんだ……後でちゃんとお礼言わなきゃ)

勇者(そういえば皆はもう寝たのかな、もう夜みたいだけど)

810 = 1 :

ぐぅぅぅ


勇者「……う」

勇者(結構図太いな僕も……)

勇者「よいしょ……さて」ギシ

勇者(見た事ない宿だから……ここはバハラタかな?)

勇者(えっと、窓は……あったあった)

ガラ

勇者「……?」


シーン……


勇者「……何だ?」

勇者(なんでこんなに暗くて静かなんだ?明かりが一つもない)

勇者(明りがあるのはこの建物の窓が幾つか……それ以外真っ暗だ)

勇者(もう深夜?僕、そんなに寝てたのかな)

勇者(でも深夜にしてもこの暗さはおかしい気が……)


ガチャッ


勇者「!」



戦士「……あれ」



勇者「戦士」

戦士「なんだよ、もう起きてたのか」

戦士「ってか寝てろって!まだ怪我人なんだから!」スタスタ

グイッ

勇者「わわ」ドサッ

戦士「ったく……」

811 = 1 :

勇者「ごめんごめん。他の皆は?」

戦士「あぁ、食堂にいるよ。話し合ったり飯食ったり」

勇者「そっか……食堂」

勇者「……僕もお腹空いたから行くよ」

戦士「だーめ」

勇者「えぇぇ」

戦士「安静に寝てろって……明日にはもう出なきゃなんだから」

勇者「そうだけどさぁ、さすがにお腹が……あはは」

戦士「ん?あぁ、だよな」

カチャ

戦士「起きたら腹空かしてると思ったからこれ持って来たんだよ」

勇者「え?……おぉ!」

戦士「本当はお前が眠ってる時に置いてこうとしてたんだけどな」

勇者「クレソンのポタージュ!いただきます!」

戦士「くえくえーパンもあるぞー」

812 = 1 :

カチャカチャ

勇者「ん、やっぱり美味しいや」

戦士「そうか?」

勇者「うん、久々に食べたよ。戦士が作った料理」

戦士「……なんでバレたんだよ」

勇者「だってこれ戦士の得意料理の一つじゃん」

戦士「確かにアタシの料理のレパートリーすっくないけどな」アハハ

勇者「……ん、美味しい」

戦士「……そっか」

勇者「すごい美味しい」

戦士「……うん」

勇者「ちょう美味しい」

戦士「……」

勇者「まじ美味しい」

戦士「わかったってば!恥ずかしいんだからやめろっつーのばかぁ!」

813 = 1 :

…………


カラン

勇者「よし、ごちそうさま」

戦士「おそまつさまでした」

勇者「ふぅ……戦士?」

戦士「ん?」

勇者「どうしたの?なんか元気ないけど」

戦士「……」

勇者「もしかして今日の事?あれなら気にする事なんて」

戦士「いや……違う。違う」

戦士「さっきの事はもう全部ぶちまけてスッキリしたし……」

勇者「……じゃあ」チラッ


シーン


勇者「この街の静けさに関係ある事?」

戦士「……」

勇者「……なにがあったの?」

戦士「……」

勇者「……!……ま、まさかグプタさんとタニアさんに何か」

戦士「いや、そうじゃない」

勇者「え?そう……?じゃあ一体」

戦士「……さっき」

勇者「?」

戦士「夕方……あの洞窟を出た時にさ」

…………
……


814 = 1 :

――――――――――――



オオオォォオォォォオオォォ……


勇者『……』

僧侶『……』

魔法使い『……何……あの数』

商人『…………規格外、すぎます……』

武道家『……それに』


勇者『スゥ……スゥ……』


戦士『……あぁ』

戦士『あの……あの真ん中に居るのって――……』


815 = 1 :



―西の空・山脈上空―



オオオオオオオオォォォオオオオォォォォォオオォォ



翼魔『ゲギャギャギャギャ!!!!!』


翼魔『ブォォオオオオオオオオオオ!!!!』


翼魔『ガギュアァァァァァァァ!!!!!』



――――――――――


盗賊『……あれは……』

遊び人『…………』

816 = 1 :


遊び人『……竜』




バサッ!!! バサッ!!!!





『ゴギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!』






…………
……

817 = 1 :






勇者「…………」




戦士「……」

勇者「……」

戦士「……っ、勇者、あの」

勇者「……そっか」

戦士「え?」

勇者「そんな事あったら確かに街の人達も怖くて明かりつけて眠れないよね」

戦士「……」

勇者「それだったら納得かな……でもそんな数の魔獣達……一気に攻めてこられたらまずいなあ」

勇者「明日の朝みんなで話し合いしようか。寝坊しないでよ?」

戦士「勇者……」

勇者「…………大丈夫」

戦士「!」

勇者「心配してくれてるのはありがたいけど……本当にもう大丈夫だから」

戦士「……」

818 = 1 :

戦士「うん……ははは、なんか悪いな」

勇者「いやいや……ふぁぁ……あふ」

戦士「あれ?眠いのか?」

勇者「うーん……いっぱい眠ったはずなんだけどなぁ……」

戦士「でもあんなに血ぃ流したんだ、それくらい当然だって」

勇者「んー……そうかな……でも」

戦士「……アタシに構わず寝ちまえよ、アタシもお前が眠ったら寝るよ」

勇者「そう?……じゃあ、ごめん」

モゾ

勇者「それじゃ、寝るね」

戦士「ん、ああ」

勇者「……ポタージュ、ありがとう」

戦士「いいって、恥ずかしい」

勇者「はは……おやすみ」

戦士「ああ、おやすみ」

勇者「……」

戦士「……」

勇者「……」

戦士「……」

勇者「……」

819 = 1 :

戦士「…………なあ」

勇者「ん……?」

戦士「……寝る前に、一つだけ。一つだけ聞いてもいいか?」

勇者「うん、なに?」

戦士「…………一回しか聞かない。多分、嫌な思いするだろうから」

戦士「でも……聞かせてくれ」

勇者「…………うん」

戦士「……」

戦士「……勇者は」


戦士「アイツの事……好きだった?」


勇者「…………!」


戦士「……」

勇者「……」

戦士「……」

勇者「……」

戦士「……」

勇者「……」

勇者「…………うん」

戦士「!」

勇者「好きだった」

勇者「……大好きだったよ」

820 = 1 :


戦士「……!」

戦士「……そっ……か」

戦士(やっぱり……そうなんだよな)



勇者「…………当たり前だよ……親友だったんだし」



戦士「…………………………え?」

勇者「……だから」

勇者「あんな風に、大好きで、大事な人達を……もう失わないように」

勇者「僕は強くなろうって……決めたんだ」

戦士「……」

勇者「……皆だってそうだよ」

勇者「ちょっと恥ずかしくて、あんまり言えないけどさ」


戦士(あぁ、そっか)


勇者「男Cくん達や……ルイーダさん達……」

勇者「そして、一緒に旅してる皆……それと、その……戦士も」

勇者「……僕にとっては、すんごい大切なんだよ」


戦士(……――私の勘違いだったのか)


勇者「うん、なんか恥ずかしいな……これ」

勇者「えっと、その、だからね?そういう人達を――……」

戦士「…………ふ」

勇者「え?」

戦士「っふ、あはは」

勇者「な、なにさ!笑う事ないだろ!」

戦士「いや、ごめんごめん。違うんだ、ははは」

戦士(馬鹿だな、アタシって……本当)

821 = 1 :

戦士「なんでもないんだ……馬鹿にしたわけじゃねーよ」

勇者「本当かなぁ……」

戦士「ああ、ただ……アタシも一緒だと思っただけ」

勇者「……」

戦士「…………アタシも」

ギュッ

勇者「!……戦士、手を」

戦士「アタシも……大切な人達を失いたくない」

勇者「…………戦士」

戦士「こどもの頃……母ちゃんが死んで」

戦士「そして次に師匠……そして、アイツが……姉ちゃんが死んで」

勇者「……」

戦士「……アタシも、同じように思ったんだ」

戦士「誰ももう死なせたくないって」

勇者「……そっか」

戦士「……ああ」

勇者「うん……同じだ」

戦士「ああ……同じだよ」

勇者「……ふふ」

戦士「へへ」

822 = 1 :

…………


勇者「すぅ……すぅ……」

戦士「……寝たか」

勇者「すぅ……ん」モゾ

戦士「……布団退けるなって」スッ

勇者「ん……」

戦士「……はは」

戦士「……」

戦士(姉ちゃん、ごめんな)

戦士(アタシ馬鹿だから色々勘違いしてたみたいだ)

戦士(勘違いして、それを怖がって……考えないようにしてた)

戦士(でもよく考えてみれば分かる事だったんだ)




サブリナ『…………でも、もう……喋ることができないの……』

サブリナ『……私それが辛くてね……』

サブリナ『…………本当に辛くて……おかしくなっちゃいそうなの』



戦士(別に、恋人じゃなくっても……)

戦士(大切な人が居なくなったら……ましてや、目の前で死んだりしたら)

戦士(まともでいられるわけ……ないんだ)

戦士(……アタシは、本当に馬鹿なんだなぁ)

823 = 1 :

勇者「すぅ……すぅ……」

戦士「……」

スクッ

戦士「……」

勇者「すぅ……すぅ……」

戦士「……おやすみ、勇者」ボソ

スタスタ

バタン

戦士「……」

戦士「……んっ……~~~っ」グググ

戦士「――っと……ふぅ」ポキポキ

戦士「さて……と」


スタスタ


戦士「ん?……武道家、魔法使い」

武道家「あ、戦士」

魔法使い「ゆーしゃのようす、どうだった?」

戦士「あぁ、大丈夫そうだった。元気だったよ」

武道家「そ。……で、アンタは?」

戦士「ん?」

魔法使い「……もう、だいじょうぶ?」

戦士「……ん」

戦士「悪かったな、二人共。いろいろ迷惑かけて」

魔法使い「わたしたちはだいじょうぶだよ」

武道家「まぁ、大丈夫そうならそれでいいわ」

824 = 1 :

スタスタ

武道家「それじゃ、そろそろ寝ましょ。明日も早いんだし」

戦士「ああ、そうだな」

魔法使い「戦士?ちゃんとおきられる?」

戦士「あー……あんまり自信ないかな」

武道家「アンタねぇ……」

戦士「ちょっと今日は色々考えすぎたから、疲れたよ」

魔法使い「……えへへ」

戦士「ん?なんだよ」

魔法使い「なんでもないよっ。ね!武道家!」

武道家「……――ふふっ、そうね、なんでもないわね」

戦士「なんだよー。もう」

魔法使い「なんでもないってば!ほら!はやくねるよっ!」

戦士「分かったから急かすなって」

スタスタ……


…………
……

825 = 1 :

―朝・バハラタ街門―



ザッ

勇者「よしっ!準備は出来たね」

勇者「もう怪我は大丈夫かい?お兄ちゃん」

勇者「ああ、僧侶達のおかげでもう全然。ありがとうね」

僧侶「ううん、いいんです。でももう変な無茶は駄目ですよ?」

勇者「はい……毎度毎度すみません」

商人「ほんとですよ、全く……そして勇くん」

勇者「ん?」

商人「黒胡椒の件はどうなったんです?」

魔法使い「あ、そ、そういえばここには黒胡椒もらいにきたんだよねっ!」アワワ

遊び人「え、忘れてたの?」

盗賊「……ちゃんと交渉しに行かないと……」

勇者「ああ。胡椒の件ならもう話してあるんだ」

戦士「そうなのか?」

勇者「うん。今朝尋ねたら、昼ごろここで待つように言われたんだけど……」


スタスタ


グプタ「勇者さん!」

タニア「勇者様方!」

勇者「あ!グプタさん、タニアさん!」

826 = 1 :

ザッ

グプタ「お待たせしてすみません……っと、これを」スッ

勇者「!じゃあこれが……」

グプタ「はい、これが黒胡椒です」



――勇者は黒胡椒を手に入れた!――



戦士「よっしゃ!」

魔法使い「これで目的たっせいだねっ!」

商人「いや、喜んでもいられませんよ……」

僧侶「え?」

商人「ほら、お代……」

戦士・魔法使い・僧侶「「「あ”」」」

ズシッ

勇者(う……思ったより多いな……)

勇者(船乗り娘さんの分考えても結構余るぞ)

勇者(こんなにあるなら相当値も張りそうだ……これの半分くらいにしてもらおうかなぁ)

勇者「えっと、それでその。お代は如何ほどで――……」

グプタ「お代!?いやいやいや!とんでもない!!」

勇者「え?」

タニア「どうぞ、受け取って下さい」

グプタ「お礼としては、足りないくらいなのですが……」

827 = 1 :

勇者「えぇ!?いえ、ちゃんとお代は払わせてください!」

勇者「そうですよ、こんな量……結構なお値段でしょう」

グプタ「いえ、いいんです」

タニア「もし勇者様方がいなければ、私達はこうして胡椒を売り続ける事もできなかったでしょうから」

勇者「そんなっ」

グプタ「……――それに」

勇者「?」

グプタ「それに、何より」

グプタ「勇者さんには大切な事を教えて貰いました」

グプタ「それのお礼でもあるのです……どうぞ、受け取って下さい」

勇者「……そんな」

商人「……勇くん」

遊び人「もう、ここは受け取らせて貰ったら?」

勇者「……うん」

勇者「グプタさん、タニアさん」

グプタ「!」

勇者「黒胡椒……有難く頂いていきます」

勇者「本当に、ありがとうございます」ニコ

グプタ「……!はいっ!」



戦士「……」



勇者「……!……!」

グプタ「…………!……!」



戦士「……」


…………
……

828 = 1 :


―バハラタ地方・荒野―


スタスタ


勇者「皆、こっちこっち」

商人「うげぇ、また歩くんですか……」

魔法使い「すぐにるーらでポルトガにとんでもよかったんだけど……」

勇者「昨日はあんなのが西の山脈上に居たんだ。少し様子を見よう」

遊び人「暫く様子見て問題無さそうなら飛べばいいし、ね」

盗賊「……そうだね。さすがに歩いて帰る時間は短縮したいし……」

戦士「アタシは別に歩いて帰ってもいいぞー!」

武道家「アンタは本当にどうでもいい所で元気ね……」

戦士「何ぃー?」

僧侶「ふふふっ、うん。本当にそうですね」

戦士「えっ!?僧侶!?」

僧侶「戦士ちゃんはいつでも元気だから、戦士ちゃんなんです!」

僧侶「だからそのままが一番です!えへへっ!」

戦士「ん?んん?」

戦士「なんか僧侶が変な事言い始めた……」

武道家「あはは、ううん。至って正論よ」

商人「元気だけが戦士ちゃんの取り得なんですから」

戦士「お前はいつもひでーな!」ギリギリ

商人「痛い痛い!!痛いですって!ギブブ!」

盗賊「……ああ、いつもの光景……」

遊び人「もう、早く行くよ!」

829 = 1 :



勇者「皆ー!遅いよー!早くしないと!」



商人「あのもやしはもやしで何であんなに張り切ってるんですか……」

武道家「多分、早く船を手に入れたいんじゃないかしら」

勇者「子供かい。いや、下手すれば一番子供だったね。精神的に」

盗賊「……男の子は、何歳になっても子供だからね……」

魔法使い「でもわくわくするきもちもわかるよね」

遊び人「っていうか勇者ちゃーん!後ろ振り向きながら小走りしたら転b」



ズテン!


勇者「ニーチェ!」ズゴォ!!



遊び人「言ってる傍から転んでるし!!もう!!」

商人「馬鹿ですかあいつは」

商人「あっ、馬鹿だった」

僧侶「酷すぎますよ商人ちゃん」

830 = 1 :

盗賊「……もう、勇者ってば……」タッ

戦士「……」ダッ!

盗賊「!」



勇者「いてて……」

タッタッタ

ズザッ グイッ

勇者「!」

戦士「ったく!何やってんだよお前は」

勇者「戦士」

戦士「何も無い所で転ぶとかアホアホかお前本当に」

勇者「いや、何も無くないよ!ほら!そこの石に躓いたんだって!」

戦士「えー?ホントかぁー?」

勇者「ホント!本当だからね!」

戦士「アタシにはあそこ通った様に見えなかったけどなぁー」

勇者「うっそ!いや、本当通ったって!」


<ワーワー



商人「……子供が二人に増えましたね」

武道家「もう、早く行かないといけないのに……」

盗賊「……でも、なんだかあの二人のああいう喧嘩、和む……」

勇者「あはは、まぁ和んでる暇は無いんだけどね」

831 = 1 :

戦士「まぁ、石に躓いてても躓いてなくても転んだ事に変わりねーしなー」

勇者「ぐぬぬ……このっ」

戦士「あははっ」

勇者「……」

戦士「ん?なんだ?やるかー?」

勇者「…………ふふ」

戦士「?」

勇者「元気になったみたいで、良かったよ」

戦士「!」

戦士「……」

戦士「…………ああ」

戦士「もう大丈夫だ。悪かったな!」ニコッ!

勇者「……それはいいとして。僕は石には躓いてないからね」

戦士「それもどうでもいいっつの!」

勇者「よくないっつの!」

武道家「やかましいっつの!アンタらは!」

戦士・勇者「「はい……」」

832 = 1 :

戦士(そうだ、そうだよ)




勇者「それじゃ、そろそろ急がないと」

商人「いや最初っから急ぎましょうよ!」

勇者「あ、はい……正論です」

遊び人「勇者ちゃんのおバカに付き合ってる暇はないんだから」

勇者「ひどいよう」



戦士(アタシはちょっと考えすぎだったんだ)


戦士(変な事うじうじ考えたりして)


戦士(アタシは、頭悪いんだから)


戦士(シンプルに考えればよかったんだ)



魔法使い「それじゃそろそろるーらする?」

勇者「そうだね。山の上にも魔物の影は無いし」

盗賊「……うかうかしてたら、日もてっぺんに昇ってきちゃうし、それがいいかも……」

勇者「それじゃ、みんな魔法使いと手を繋ごう」

833 = 1 :





戦士(アタシは、勇者が大好きだ)


戦士(武道家が、魔法使いが、盗賊が、僧侶が)


戦士(女勇者が、商人が、遊び人が、大好きだ)


戦士(だから、こいつらの傍から離れたくない)


戦士(傍にいるため資格とか、権利とか……そんなもん、いるわけないんだ)


戦士(居場所がどうのこうの、考える必要なんて無いんだ)


戦士(だから)



勇者「戦士」

戦士「!」

勇者「ほら、魔法使いがルーラ唱えるから、手を繋いで」

戦士「……」

834 = 1 :



スッ

ギュッ


戦士「おう!」



戦士(アタシにできるのは)



戦士(強くなって、こいつらをアタシなりに守ること)



戦士(アタシなりに……――戦う事!)


835 = 1 :



戦士(そうだよ……)



―――こいつらはアタシの―――


―――大事な、大事な―――






魔法使い「それじゃ、ポルトガにいくよーっ」

勇者「うんっ!お願い!」



戦士「おう!」





……―――――――― 一生の親友なんだから!


836 = 1 :




チクリ





戦士「……」


戦士(…………ん?)


戦士(なんだ?)


戦士(一生の、親友?)


戦士(……)


戦士(……)


戦士(なんでだろう)


戦士(勇者と、一生親友)


戦士(……――なんでだ)


戦士(考えただけで、あれ)


戦士(なんか、胸がぎゅって)


戦士(どきどきして、ちくちくする)

837 = 1 :




戦士(…………なんでだ?)







…………―――――ま、いっか!!


838 = 1 :

第五章 -完-

840 = 1 :



……
…………


―ポルトガ―



……ゥゥゥゥゥゥウウン


シュタッ


魔法使い「よしっ!とーちゃくだよーっ!」

勇者「ふう……ありがとう、魔法使い」

勇者「精神力の方は大丈夫そう?」

魔法使い「うん!ぜんぜんよゆー!」

勇者「ならよかった」

商人「うう……お腹がもじょもじょする……」

戦士「ほんとにルーラ苦手だなお前」

商人「平気なみんながおかしいんですよ……うぅ」

僧侶「商人ちゃん、大丈夫?ホイミいりますか?」

商人「いや……外傷じゃあるまいし、ホイミ意味ないですって……」

841 = 1 :

スタスタ

盗賊「……でも、ルーラだとやっぱり早く着くね……」

武道家「そうね。便利だわ」

勇者「さて、と。じゃあ早速黒胡椒を届けにいこっか」

勇者「そうだね」

スタスタ



遊び人「……」



勇者「でも、この黒胡椒……本当に一杯あるなぁ」

魔法使い「ルイーダさんのぶんもとっておいてあげる?」

戦士「ああ、そりゃいいかもな」



遊び人「……」



勇者「船乗り娘ちゃんの所はいつ行こう……まず宿屋に戻ったほうがいいのかな」

遊び人「……ねえ、女勇者」

勇者「ん?なんだい?」

遊び人「ちょっと……変な事言ってもいいかな」

842 = 1 :

勇者「ああ、別に大丈夫だけど。遊び人ちゃんと私の仲だし、全然」

遊び人「……もしさ」

勇者「うん」

遊び人「もし、私達が……もう少し帰るのが早かったら」

遊び人「あの時……私達」

勇者「……」

勇者「……っ」

遊び人「………………たぶん、殺されてたよね」

勇者「……うん」

勇者「もし、あの時……あの時間帯にルーラで西のポルトガに飛んでたら」

勇者「丁度あの魔物の大群に空中で遭遇して、多分捕まって喰い殺されてただろうね」

勇者「まあ、運が良ければなんとか逃げられるかもしれないけど……空中でイニシアチブをあちらに完全に取られているし」

勇者「十中八九ルーラの魔制速度でも多分追いつかれて……殺されてた」

遊び人「だよ、ね……」

勇者「はは、でも結果オーライじゃないか」

勇者「私達はなんとかあの大群や竜と遭遇せずにこうやってここにいるんだし」

遊び人「……」

勇者「……」

勇者「……嫌な予感の事、かい?」

遊び人「……うん」

843 = 1 :

遊び人「だって、タイミングが良すぎない?なんだか、まるで」

遊び人「まるで……私達を待ち伏せしてたかのような……」

勇者「えぇ?……うーん、それは考えすぎじゃないかな」

遊び人「……そう、かな……」

勇者「うん。そんなに心配しなくていいと思うよ」

勇者「さすがに魔王があんな大勢の魔物を動員して私達を殺しに来るとは思えないし」

勇者「たしかに、オルテガの娘と息子って事では多少向こうにも知れ渡ってるかもしれないけどさ」

勇者「でも私達には魔王にあそこまでの事をさせる要因がないよ」

遊び人「……うん」

遊び人「そうだよね……うん。ごめんね」

勇者「ううん。それじゃ、行こうか。早く船の手がかりでも手に入れなきゃ」

遊び人「そうだね。うん」


遊び人「……」

遊び人(要因……か……)

844 = 1 :

スタスタ

遊び人「……」


勇者「……」

勇者(何か引っかかる事でもあったのかな……)


ガシッ


勇者「え?」

ギュッ!!

勇者「んぐっぅ!!!?~~~~!!」ジタバタ

ズルズル


<……!!


スタスタ


遊び人「えっと、ごめん。さっきのは本当に気にしないで。女勇――……」


シーン……


遊び人「……?……あれ?」

キョロキョロ

遊び人「女勇者?女勇者ー?」


シーン……


遊び人「…………どこに行ったの……?」

845 = 1 :

―ポルトガ・街の中―



ガヤガヤ


戦士「んーっ!やっぱり潮の香りはいいなぁ!」

僧侶「なんだかわくわくしますよね」

商人「うう……」

武道家「あ、ここに港の市場の方を見つめてる子がいるわ」

勇者「……まだ駄目だよ」

商人「わかってますよもう!」

盗賊「……まずはお城に行ってから……ね……」

商人「盗賊ちゃんまで……ぐぬぬ」


ザワザワ


戦士「……なんだ?」

武道家「……変ね?」

魔法使い「うん……なんかちょっとそうぞうしいね」

846 = 1 :

勇者「何かあったのかな……もしかして昨日の魔物の大群の事かな」

僧侶「ちょっと街の人に聞いてみます?」

勇者「そうだね……」


街人「でさー……」

街人2「えっ、そうなの?だったら――……」


勇者「あの、すみませーん」スタスタ


武道家「勇者って物怖じせずに人に話しかけるわよね」

魔法使い「たにんをあんまり怖がらないからねぇ」

商人「将来騙されて一文無しになるタイプですから不安ですよ本当」

戦士「ああ、それは分かる」

847 = 1 :

街人「ん?なんだい?」

勇者「突然すみません、何かあったんですか?なんだか街が騒々しいので」

街人「あぁ、それがさ。今朝サマンオサからお偉いさんが来たんだよ」

勇者「お偉いさん?」

街人「ああ、それで……ほら、見てみなよ」

勇者「?」チラッ


「……」


兵2「……」スタスタ


兵3「……」ウロウロ


勇者「あれは……」

街人「あの兵達、見慣れない格好だろ?」

街人「なんだかサマンオサからお偉いさんが連れて来た兵隊達らしくってさ」

街人「それでなくてもポルトガの兵隊達も大勢街をうろついてるし……」

勇者「何か事件でもあったんですか?」

街人「いや、この街では何も起こってないよ」

街人「ただ……昨日の事があれば……ねぇ」

勇者「……あぁ……」

街人「魔王が本気を出した、とかサマンオサとポルトガと数国で合従軍を組む、とか色んな噂がね……」

街人「やれやれだよ全く……魔物相手でも戦争は嫌だなぁ」

848 = 1 :

スタスタ


魔法使い「どうだった?」

勇者「ん、なんだかサマンオサからお偉いさんが来てるみたい」

武道家「サマンオサから?」

戦士「あれ、サマンオサって言ったら」

商人「えっと、武道家ちゃんの御師匠さんの……」

武道家「うん、そうね」

盗賊「……そういえばサイモンおじさん、サマンオサ出身だったっけ……」

勇者「だから、そのお偉いさんの来訪でみんな色々と混乱してるみたいだ」

武道家「そっか……昨日あんな事があれば皆混乱するのも仕方ないかもしれないわね」

戦士「だなぁ」

勇者「ひとまず、その人達の事も聞けるかもしれないからお城に行こうか」

盗賊「……ん、そうだね……」


スタスタ


魔法使い「んえ?」

勇者「ん?どうしたの?」

魔法使い「えっと……女勇者と遊び人は?」

戦士「えっ、ほんとだ。いねーし」

武道家「どっかではぐれたのかしら」

商人「まぁ、はぐれたとしても皆お城目指してるんですからすぐに見つかるでしょう」

勇者「それもそうだね……じゃあ、先に行ってようか」

849 = 1 :

―ポルトガ城付近―


スタスタ


戦士「しっかし……サマンオサかぁ」

武道家「なに?どうかしたの?」

魔法使い「なにかおもうところでもあった?」

戦士「いや、ちょっと……あんまり楽しくは無い事思い出してさ」

勇者「楽しくない事?」

戦士「あぁ」

商人「なになになんですか?気になりますけど」

戦士「いや、大した事じゃないんだけどさ」

戦士「……」


――――――――――




『なんで王はあんな愚図にあんな仕事を与えてるのか……』

『君もオルテガ様のお弟子なら不服じゃないんですかね?』

『彼が、“オルテガの息子”というだけであんなポジションにいる事が』




――――――――――



戦士「……いや、あの野郎が留学に行ったのもサマンオサだったと思って」

850 = 1 :

スタスタ


「…………さて、ようやく見つけましたね」

「それでは、手筈通りに」

?2「……はい」






魔法使い「あの野郎?」

戦士「ほら、居たじゃん……城のさぁ」

武道家「え?城の?」

勇者「あぁ!もしかして――……」




「皆さん!」




勇者「え?」

一同「「「えっ?」」」



スタスタ



「…………――御久しぶりですね」




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