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    元スレ勇者「ハーレム言うなって言ってるじゃないですか」盗賊「……3、だよ……」

    SS+覧 / PC版 /
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    タグ : - ハーレム + - 勇者 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    751 :

    平気で嘘をつけるようになってるよ。完結しないだろうし、もう切らせてもらう。

    惰性で書いてるからキャラブレひどい、2ヵ月に1回じゃ、まともに書けるわけない。nipは消えなきゃいいのかっつーの

    752 :

    気持は分かるが、わざわざ言わなくてもいいな

    753 :

    SSなんて公開[田島「チ○コ破裂するっ!」]だから文句はお門違いかもしれんけど、無理なら宣言するよとも思うからなぁ

    754 :

    まあ忙しそうだし無理はするなとは思う。本当に

    756 :

    まあ5カ月投下無しの現行スレだってあるし気長に待つしか無いんじゃね?

    757 :

    あとひと月足らずか…?

    759 :

    前も投下する頻度は遅かったけど、普通に一人分完結するまでは投下してくれたからなぁ
    モチベ切れちゃったのかな? それか展開思いつかないとか

    760 :

    投下前の絵が懐かしい…
    ハーレム言うな はじまるよ!!って

    761 :

    モチベーション無くなったんだろな
    ここだけは未完で終わってほしくない
    でもまだまだ物語は先が長そうなのに、このペースじゃ…

    762 :

    更新はいつもギリギリなんだからギリギリまで待ちなんせ

    764 :

    むう…

    765 :

    ―バハラタ・入り口―


    スタ スタ

    遊び人「……」ウロウロ

    盗賊「……」

    遊び人「……」ウロウロ

    遊び人「…………」ウロウロ

    遊び人「………………」ウロウロ

    盗賊「……遊び人、落ち着いて……」

    遊び人「……」ウロウロ

    盗賊「……」スクッ

    スタスタ

    遊び人「……」ウロウロ

    盗賊「……てい……」ペシ

    遊び人「あたっ……え?な、なに?」ピタッ

    盗賊「……落ち着きなって……」

    遊び人「あ、ご、ごめん。落ち着き無かった?」

    盗賊「……」

    遊び人「……ちょっと、不安だったから」

    遊び人「ごめん、ほんと……」

    盗賊「……」

    盗賊「……それは……」

    遊び人「え?」

    盗賊「……その不安は……」

    盗賊「……グプタさんたちの事?……それとも……」

    遊び人「……」

    盗賊「……」

    遊び人「…………ん」

    遊び人「…………どっちも、かな」

    766 = 1 :

    盗賊「…………」

    遊び人「……盗賊は知ってるでしょ」

    遊び人「私の嫌な予感って……結構当たるの……」

    盗賊「……」

    遊び人「…………これ、何に対しての嫌な予感なのかなぁ……」

    遊び人「……」

    遊び人「……また」

    遊び人「また……“また”」

    遊び人「何か……嫌な事が……」ブル…

    盗賊「……遊び人……」

    遊び人「……」

    遊び人「……ごめん」

    遊び人「ごめん、何かちょっと今弱気モードみたい」

    盗賊「……」

    遊び人「……」

    盗賊「……あの、占いの事なら……気にしない方がいいよ……」

    遊び人「……うん」

    遊び人「……」

    遊び人「そうだよ……そうだね」

    スクッ

    遊び人「よいしょ……っと!」

    遊び人「ごめんね、なんか変になってたよ」

    盗賊「……気にしない……」

    遊び人「でもこう遅いと勇者ちゃんたちの方も心配だね」

    盗賊「……グプタさんたちだって大丈夫だよ……」

    767 = 1 :

    遊び人「うーん……でもね」

    盗賊「……?……」

    遊び人「なんだか、戦士の様子がおかしかったから」

    盗賊「……!……」

    遊び人「なんか、勇者ちゃんとケンカ……まではいかないまでも、気まずいモードっだったっていうかなんていうか……」

    遊び人「だから勝手に突っ走っちゃってないか、心配なのよね」

    盗賊「……」

    遊び人「あの二人、両方とも後先考えないタイプだから……」

    遊び人「突っ走った先で色々拗らせてケンカになってないといいけどなぁ」

    盗賊「…………」


    ―――――――――――――


    勇者『戦士の事で、相談があるんだ……』


    ―――――――――――――


    盗賊「……ふふ……」

    遊び人「ん?どうしたの?」

    盗賊「……なんでもないよ。それに……」

    盗賊「……その事なら、きっと大丈夫だよ……」

    ………

    768 = 1 :

    ―カンダタアジト―


    戦士「……」

    勇者「……」

    戦士「……同じこと、してた……って」

    戦士「そ、そんなの、当たり前だろ……」

    戦士「アタシらはなんとかなるんだって……回復呪文もちゃんと……っ……効くし!」

    戦士「でもお前はっ」

    勇者「……うん」

    勇者「確かに……僕は、ルビス様の……ご加護がない」

    戦士「だったらっ!!無理しないで大人しくしとけよ!!!」

    勇者「……」

    戦士「なんでだよ!!なんでそんな無駄な意地――……!!」


    勇者「っ……!!」

    ギュッ!!

    勇者「お前が殴られてて黙ってられるかっての!!!!!」



    戦士「!?」ビクゥッ


    勇者「なに!?戦士は僕の親かなにかなの!?」

    勇者「僕は死なない腹案があったからああいう行動に出たんだよ!!!」

    勇者「別に命を投げ出したわけじゃない!!なのにいつまでブーブー言ってるんだよ!!!」

    勇者「僕は僕の考えで動くっての!!戦士は口出すな!!!!」



    戦士「 」


    戦士「……」


    戦士「…………は」


    戦士「………………はあぁぁぁぁあぁぁぁ!!!!?」

    769 = 1 :

    グイッ!!


    戦士「なんだお前!!人が心配してんのに!!」

    勇者「別に僕が心配してって頼んでるわけじゃない!!!!」

    戦士「心配っつうのはそういうもんじゃねぇだろうが!!!!」

    勇者「じゃあどういうものだよ!!言ってみろ!!」

    戦士「だから、……っあーもう!!説明できたらとうにしてるってのバカ!!!」

    勇者「説明もできないんじゃんか!!だったら口出しするな!!!」

    戦士「なっ……!!お前っ!!!」

    勇者「なんだよっ!!」

    戦士「お前、本気で言ってんのか!!!!」

    戦士「アタシ達に……アタシに、心配すんなとか……っ!!」

    戦士「本気で、言ってんのかよ!!!」

    勇者「だったらどうするんだよ!!!!本当に心配しないでくれるのかよ!!!」

    戦士「ふざけんなっ!!!!!アタシ達が、どんだけ長い付き合いだと思ってっ」

    勇者「ああ、長い付き合いだよ!!それこそ生まれた時からのね!!!!」

    戦士「だったら!!!!」

    770 = 1 :

    勇者「ああ、別に本気じゃない!!!!」

    戦士「……えっ………………………………………………はぁ!!!?」

    勇者「別に本気で言ったわけじゃないよ!!!!嘘ついただけだ!!!!からかっただけだけど!?何か問題あるのかよ!!!」

    戦士「は、はぁぁぁ!!?」

    戦士「ふっ……ふざけてんなよ……お前っ!!!!意味わかんねー!!!!」

    戦士「何が言いたいんだよ!!!!ちゃんと本当の事言って――……」

    勇者「じゃあ戦士はどうなんだよ!!!!」

    戦士「えっ……!!?」ピタッ

    勇者「確かに長い付き合いだよ!!僕達は!!!!」

    勇者「それなのにお前、最近僕に本気で何かを言った事あったかよ!!」

    戦士「……!!」

    勇者「一人でウジウジして、一人で押し込んで……!!!!」

    勇者「僕に何か言いたい事があるなら!!!本気で言ってみろ!!!!!」

    勇者「僕に何か不満があるなら僕にちゃんと言え!!!!」

    勇者「そんな事もできなくなったか!!!!!!戦士!!!!」

    戦士「…………!!!!」

    ギリッ

    戦士「このっ……バカ!!!!!全部こっちの台詞でもあるっての!!!!!」

    戦士「わかったよ!!!!!じゃあ言ってやるよ!!!!」

    771 = 1 :

    戦士「お前、最近隠し事多すぎなんだよ!!!!!」

    勇者「誰だって隠し事くらいあるだろ!!!」

    戦士「だから多すぎだって言ってるじゃんか!!全部全部隠しやがって!!」

    戦士「一人で全部ウジウジ押し込んでるのはお前のほうじゃんか!!」

    勇者「それは!!!すみませんけど!!!」

    戦士「自覚あんのかよ!!もう手に負えないじゃん馬鹿!!!!」

    勇者「馬鹿とか言うなよ!!!一言余計だっての!!」

    戦士「それだけじゃねーよ!!!!」

    勇者「なんだよ!!!!」

    戦士「お前、お前の師匠はアタシだろうが!!!!昔からずっと!!!!一緒にやってきただろ!!!!」

    戦士「なんであんな奴に教えて貰ってんだよ!!!!」

    勇者「そりゃ僕だって強くなりたいし!!!!別にいいじゃんか!!!!戦士が師匠なのは変わりないんだし!!!」

    戦士「じゃあなんで!!!隠れてコソコソ鍛錬したりするんだよ!!!!」

    勇者「強くなりたいからだよ!!!!」

    戦士「お前、アタシが寝た後とかにコソコソ一人でやってたりするじゃんか!!!!」

    戦士「強くなりたいならアタシを起こして一緒にやるとかあるだろうが!!!!」

    勇者「戦士寝てるのを起こすの申し訳ないじゃん!!!!」

    戦士「じゃあ夜やるなよばかぁ!!!!!」

    勇者「それは!!!なんかすみませんけど!!!」

    戦士「それからまだある!!!!」

    勇者「なにさ!!!!」

    戦士「女にデレデレしすぎなんだよ馬鹿!!バカバカバカ!!!!」

    勇者「してませんけど!!!?」

    戦士「してるじゃんかよ!!!!魔法使いのおっぱいを商人が揉んでた時すげえおっぱいをガン見してやがったくせに!!!!」

    勇者「えっ!!いやそれは!!!」

    戦士「遊び人がポンチョ脱いでバニー姿になる時に太ももガン見したり!!!!」

    勇者「それは、いやほんと!!!!……すみませんけど!!!」

    戦士「それに盗賊のお尻n」

    勇者「すみませんけど!!!!すみませんけど!!!!!!!」

    戦士「盗賊のお尻をすげえ見ないように意識してんのまる分かりなんだからなこのムッツリ!!!!!」

    勇者「いや、なんで被らないように言い直したのさ!!!!」

    戦士「黙ってろムッツリ!!!!」

    勇者「いや、すみませんけど!!!!!!本当に!!!!」

    772 = 1 :

    戦士「それに最近他人行儀すぎるんだよお前は!!!!!」

    勇者「は!!!?」

    戦士「前とは打って変わってヨソヨソしくなったよ!!!!お前!!!」

    戦士「アタシの家に泊まった時アタシのベッドでおねしょするくらい図々しかったお前が!!!!」

    勇者「そういうのやめてくんない!!!?恥ずかしいんですけど!!!」

    戦士「それが今じゃアタシに気を使ってばっかりじゃねえか!!!」

    戦士「アタシをお前のなんだと思ってんだよ!!!幼馴染なんだよ!!!!もっと頼れよ!!!!!」

    戦士「ずっとずっと!!!!傍に居たのに!!!!!」

    戦士「お前はアタシを……アタシ達を頼ろうともしなかったじゃんか!!!!!」

    勇者「それは、悪かった!!!」

    戦士「旅立ちの時だって!!!!お前、アタシ達にばれないように一人で行こうとしやがって!!!!」

    戦士「あんなに皆、旅に出る為に頑張ってたんだぞ!!!!お前と一緒にっ!!いや、みんなで一緒に旅に出る為に!!!!」

    戦士「それをお前、一人だけで行こうとして!!!!ふざけんなよ!!!」

    勇者「それも、悪かった!!!」

    戦士「迷惑なら、迷惑って言えば良かったんだ!!!!」

    戦士「中途半端に、アタシと……!!!!アタシ達と……距離置きやがって!!!!」

    戦士「一人で、全部っ!!背負い込んでっ!!」

    戦士「ふざけんな!!!!ふざけんなよ!!!!!」


    戦士「そんなに!!!!アタシはいらないかよ!!!!!」


    勇者「……」

    戦士「そんなにアタシには、何も……っ!!!!何も助けさせてくれないのかよっ……!!!」

    773 = 1 :

    勇者「……悪かった」

    戦士「そんなにっ!!!!アタシは信用できないかっ!!!!」

    戦士「確かに、アタシ、不器用だし!!!!ガサツで、女っぽくもないしっ……!!!!」

    勇者「戦士」

    戦士「頭も、悪いし……!!!頼りないかもしれないしっ」

    戦士「なにもっ……気の利いた事……できないし……!!!」

    ギュッ

    勇者「悪かった、戦士」

    戦士「いっぱい、いっぱい、お前に友達も、ふえて」

    戦士「アタシ以外に……友達が、ふえて」

    戦士「アタシなんかっ……」

    戦士「アタシなんか、いらない、の、かもしれない……!!!!」

    勇者「!!!戦士っ……」


    ギュッ!!


    勇者「!」


    戦士「……ひぐっ……!!ぐすっ……!!!」ポロポロ


    戦士「でも……っ」

    戦士「アタシは……」

    戦士「一緒、に、居たいよ」

    戦士「勇者が……傍に、居ないと……やだ……!!!」

    ギュウゥゥ……

    戦士「やだよぉ……っ……!!!」


    勇者「…………うん」

    774 = 1 :

    ギュッ

    勇者「戦士、ごめん」

    戦士「アタシ、ずっと、怖かったんだ……!!」ポロポロ

    戦士「勇者が、あの日から……なんかっ……遠くに、行った、みたいで」

    勇者「うん……うん」

    戦士「アタシは、勇者にとって、もう、いらないのか、とか」

    戦士「そんな事、考え、ちまって、ぐすっ」

    勇者「うん……ごめんな」

    戦士「でも、アタシ、だめなん、だ」

    戦士「お前を、たすけなきゃ、って、思ってた、けどっ」

    戦士「アタシの、方が、お前にっ……ひぐっ……依存、してた」

    勇者「うん……うん」

    戦士「お前、が、どう思っても、何、言っても」

    戦士「アタシ、にはっ……お前は、父ちゃん、以外、のっ……家族、みたいな、もんで」

    勇者「……うん……っ」ギュゥ

    戦士「ひぐっ……みんな、も」

    戦士「幼馴染、の……みんな、も……おなじ、くらいっ……!!だいすき、だけど……!!」

    戦士「お前、が……いない、と……!」

    ギュゥゥゥ

    戦士「やだよ……!」

    戦士「アタシを、もっと、頼ってよ……!!」

    戦士「……ばか……勇者……!!!!」

    戦士「ばかっ……」

    戦士「勇者の…………馬鹿ぁ……!!!!」

    勇者「……」

    ギュゥゥッ

    勇者「うん……」

    勇者「ごめん…………ごめんね、戦士」

    戦士「ひぐっ……!!!うぇぇぇ……!!!!」

    勇者「…………」

    ナデ…

    勇者「…………………………ありがとう……」


    …………
    ……

    775 = 1 :



    ……
    …………


    遊び人「口喧嘩をするようにアドバイス?」

    盗賊「……ん、そう。そうするのが一番かなって思って……」

    盗賊「……だから、相談された時、勇者に言ってあげたの。『いっそ二人共言いたい事全部言い合っちゃいなさい』って……」

    遊び人「そっか……うん、なるほど」

    盗賊「……いつからか、戦士はだんだん勇者に対して無意識に気を使うようになっちゃったから……」

    盗賊「……まあ、ある意味あの二人は似た物同士だから。似た様な気の使い方しちゃうんだよね……」

    遊び人「うん……それはあるかも」

    遊び人「それに二人共子どもっぽい所も似てるし。一度不満ぶつけたら一気に全部ぶちまけそう」

    盗賊「……ふふ、二人共かわいらしいね……」

    遊び人「かわいいで済ませられる問題かなぁ……」

    遊び人「でも……すぐ仲直りできるといいね」

    盗賊「……うん……」

    遊び人「まぁ今は人の命が関わってるかもしれない事態だから喧嘩なんてしてる場合じゃないんだけどね……」

    遊び人「……二人ともちゃんと整理できてるといいけど」

    盗賊「……ふふ……」

    遊び人「ん?どしたの?」

    盗賊「……ううん、大丈夫だよ。あの二人は……」

    盗賊「……なんたって、勇者と戦士だもん……」

    遊び人「なんだそりゃ」アハハ

    盗賊「…………昔からの……」

    盗賊「……一番の……幼馴染だから……」

    遊び人「……」

    盗賊「……」

    遊び人「……あはは、妬ける」

    盗賊「……ん……」

    遊び人「……」


    <……!!


    遊び人「ん?」

    盗賊「……なんだか町中が騒がしいね……」

    遊び人「そうね。どうかしたの……か……な…………」

    盗賊「……?どうした……の…………」

    遊び人「……」

    盗賊「…………何、あれ…………」


    …………
    ……

    776 = 1 :

    ――――――――――


    …………


    戦士「……ぐすっ……」

    勇者「……」

    戦士「……」

    勇者「……落ち着いた……?」

    戦士「ん……」

    勇者「そっか……よか、った……」

    戦士「……勇者」

    勇者「ん……?」

    戦士「……わざとだろ」

    勇者「……」

    戦士「わざと……口喧嘩させようと挑発したろ」

    勇者「……」

    戦士「…………ばか」

    勇者「うん……ちょっと色々、無理があった……」

    戦士「本当……無理ありすぎだよ」

    勇者「はは……でも、戦士も乗って来た、じゃん」

    戦士「…………不覚だよ、ホント」

    勇者「……えへへ」

    戦士「……ってか、傷口また開いてきてるじゃんか……」

    777 = 1 :

    グイッ

    勇者「え、ちょっ……」

    戦士「いいから……頭、あたしの膝に乗っけろって。もっかい……肩の所……ちゃんと薬草塗りなおすから」

    勇者「…………ん」

    戦士「……ぐすっ……」

    ペタッ ペタッ

    勇者「…………いづっ……」

    戦士「……」

    勇者「…………目、真っ赤……だね」

    戦士「ぐす…………誰のせいだよ、馬鹿」

    勇者「……ごめ、ん……」

    戦士「…………また意識朦朧としてんじゃん」

    勇者「ちょっと……ね」

    勇者「なんか……叫んでるうちに……フラフラしてきちゃって」

    戦士「……こんな大怪我してんのに……あんな馬鹿みたいな口喧嘩するからだよ」

    勇者「馬鹿みたいて…………いや、たしかに……馬鹿……か」

    戦士「……ん……」

    778 = 1 :

    戦士「だいたい……お前、口喧嘩弱すぎ……昔と何も変わってねーじゃん」

    勇者「はは……なんか、言葉が、とっさに出てこなくて……」

    戦士「……それに、切羽詰るとなんで敬語になるんだよ……アホか」

    勇者「……え、敬語になってた……?」

    戦士「…………」

    ナデ

    勇者「……戦士?」

    戦士「……」

    ナデナデ

    戦士「……なんか、こんな感じ……久々だな」

    勇者「ああ……確、かに……」

    勇者「昔……よく、戦士に助けられたら……こんな、風に……慰めてもらってたよね……」

    戦士「……そうだっけか……?」

    勇者「そう、だよ……」

    戦士「……」

    勇者「……そうだった……」

    戦士「…………なぁ」

    勇者「…………ん?」

    戦士「なんだか……アタシの方が……色々忘れちゃってたみたいだな……」

    勇者「……」

    戦士「……さっきは、ああやって……泣き喚いちまったけどさ……」

    戦士「実際……アタシの方が……」

    勇者「…………」

    戦士「……ごめんな」


    ナデ


    戦士「…………我侭言って、足引っ張って」

    戦士「お前を、こんな目に遭わせちゃって」

    戦士「……本当」

    勇者「……」

    戦士「…………ごめん、勇者」

    779 = 1 :

    勇者「……」

    戦士「……」

    勇者「…………戦士」

    戦士「……なに?」

    勇者「……僕はさ」

    戦士「……うん」

    勇者「…………確かに、変わったかも、しれない……」

    戦士「…………うん」

    勇者「前みたいに……お前と、なんでも一緒じゃ……なくなったし」

    勇者「……あんまり、明るくない目標も……一杯増えた」

    戦士「うん……うん」

    勇者「…………けどさ」

    勇者「……けれど……僕だって……変わってない所も一杯あるんだよ」

    戦士「……うん……」

    戦士「ぐすっ……うん……」

    戦士「知ってる……知ってるよ……」

    戦士(知ってるよ、そのくらい)

    戦士(お前のお人よし加減とか)

    戦士(超頑固な所とか)

    戦士(かっこつけたがる所とか)

    戦士(皆を大切にしてる所とか)

    戦士(前から、変わってない所……いっぱい、いっぱいあるよ)

    勇者「……その一つにさ」

    戦士「……うん」

    勇者「…………戦士も含まれてるんだよ」

    戦士「うん……」

    戦士「……うん?」

    780 = 1 :

    勇者「だから、さ……」

    勇者「なんていうか……こう、解りにくい、話……なんだけど、さ……」

    勇者「僕の中に……いろんな、要素が息づいてて」

    勇者「それが、僕の背骨に…………なってるんだけれど……」

    戦士「ぐす……背骨……?」

    勇者「うん……僕は、それで、立ってる様な、もの……なんだ」

    勇者「例えば……父さんの事とか……勇者としての事……そして、あの時の事」

    戦士「……うん」

    勇者「美味しかった、ご飯の事とか……楽しかった、皆で遊んだ、事」

    戦士「はは……なんだよそれ」

    勇者「例え、だよ……まあ、そういうので……僕は、立っていられるんだ」

    勇者「……そして、さ」

    勇者「……戦士」

    戦士「……?」

    勇者「……戦士もさ……その要素の、一部なんだよ」

    戦士「……」

    勇者「それもさ…………すごい、大部分、占めてんの」

    勇者「だって、昔から……二人で、一緒に過ごしてきたじゃんか……」

    戦士「…………うん」

    781 = 1 :

    勇者「初めての喧嘩も……戦士とした」

    戦士「……うん。覚えてるぞ……」

    勇者「一緒に特訓もしたし……一緒に勉強もした……」

    戦士「うん……アタシら頭悪くて……結局、魔法使いとかに教えてもらったり」

    勇者「一緒に悪さをして……色んな人に、戦士と一緒に……怒られた」

    戦士「……うん」

    勇者「一緒に……いっぱい遊んだし……一緒に、いっぱい泣いた」

    戦士「うん……うん……」

    勇者「二人で……いろんな人達と知り合って……二人で、いろんな人達と……友達になった」

    戦士「うん」

    ポロ

    戦士「うん……!うん……!」ポロポロ

    勇者「四六時中……一緒だったじゃん」

    戦士「うん……っ!……ぐすっ……!!」ポロポロ

    勇者「…………そんな風に、さ」

    勇者「僕の中で……戦士の存在ってさ……すっごい……大きいんだよ」

    戦士「……うんっ……!!」

    782 = 1 :

    勇者「だから……さっき言ったみたいな、悲しい事言わないで……くれよ」

    勇者「お前の事……どうでも良いわけ……ないじゃんか」

    勇者「信用、できないわけ……ないじゃんか……」

    戦士「うん……!!……ごめん……!!」ポロポロ

    勇者「…………」

    勇者「戦士から……ちょっと、距離を置いてたように……見えてたんなら……謝る、よ」

    勇者「それは…………多分、僕が……不器用で、馬鹿だからなのかも……しれない……」

    勇者「……でも……僕が……僕自身で、一人で乗り越えなきゃ……いけない事も……いっぱい……あるんだ」

    戦士「ぐすっ!!……うんっ」

    勇者「……」

    勇者「……それでも」

    戦士「ぐすっ……っ……?」

    勇者「それでも……僕のがそういうのに、立ち向かっていけるのは」

    勇者「そういう、僕の背筋を……正してくれる物が……あるからなんだよ……」

    勇者「……恥ずかしいから……一回しか言わないけど……」

    勇者「…………戦士」

    ギュッ


    勇者「今まで……一緒に、居てくれて……ありがとう」

    勇者「……本当に、感謝……してる」


    戦士「……」

    戦士「……~~っ」ポロッ

    戦士「あっ……あたし」

    戦士「あたしだって……!!うぅぅぅ……!!!」ポロポロ

    783 = 1 :

    勇者「はは……意外とさ……戦士って……泣き虫、だったよね……昔、から」

    戦士「うんっ……!ぐすっ……ごべんっ……!!」

    勇者「……」

    戦士「ぐすっ……!!」

    スッ

    戦士「っ」

    勇者「…………ほら……泣くなって」

    戦士「……っん」グスッ

    勇者「……涙、僕の顔に……落ちてきて……くすぐったい、からさ……」

    戦士「……ぐすっ……!……ん……」

    勇者「…………戦士」

    戦士「……?」

    勇者「……これからも」


    スッ


    勇者「これからも……ずっと、よろしく……」


    戦士「……」

    勇者「……戦士……?」

    戦士「……」

    戦士「……」


    ゴシゴシ


    戦士「……――っ」

    戦士「――――ああ!!」ニコッ

    784 = 1 :

    ―カンダタアジト・廊下―



    ドサッ!!


    タニア「あうっ!!」

    グプタ「うぐっ!!」

    カンダタ子分C「よし、階段上にも着いたし……」

    カンダタ子分H「あ!子分C!!」プルプル

    カンダタ子分C「よう、頑張ってんな壁布係」

    カンダタ子分I「親分は!?」プルプル

    カンダタ子分C「ああ、多分上手くいけばそろそろ……」

    スタスタ

    カンダタ子分C「!」


    カンダタ「ふう……」ザッ


    カンダタ子分H「あ!親分!!」プルプル

    カンダタ子分I「この擬態壁布持ち続けるのすげえ辛いんですけど!!まだっすか!?」プルプル

    カンダタ「あぁ、わりぃな。もう少し待ってろ」

    カンダタ子分H・I「チクショオオオ」プルプル

    カンダタ「わりいな、子分C。少し遅くなっちまった」

    カンダタ子分C「いえ!!大丈夫っす!!あのガキは?」

    カンダタ「ああ、毒でふらふらだ。しばらくは追っかけてこねえだろ」

    ザッ

    カンダタ「さて、お二人さん……」

    タニア・グプタ「「!!」」

    カンダタ「名残惜しいが……」


    ジャキン!!

    カンダタ「ここでお別れだ」


    タニア「あ、あぁぁ……!?」ガクガク

    グプタ「ま、まさか約束を破って……!?」

    カンダタ子分「こ、殺しちまうんですか!?」

    タニア「いやあああ!!!」

    785 = 1 :

    カンダタ「あぁ?何言って……」

    ダッ

    ズザッ

    カンダタ「!!」

    グプタ「はぁ……はぁ……!!」

    カンダタ「……なんだ?てめぇ」

    グプタ「タ、タニアに、っ」

    グプタ「タニアには手を出すなぁ!!!!」

    タニア「……グプタ……!!」

    カンダタ「……」

    スタ

    グプタ「!!」

    カンダタ子分「親分!?」

    カンダタ「……いい度胸じゃねえか」

    タニア「グプタ!!駄目!!逃げて!!」

    グプタ「う、う!!」

    グプタ「に、逃げるもんか」

    グプタ(あの旅の人みたいに……僕だって……!!)

    グプタ「お前なんかに!!タニアを触れさせるかあああ!!!!」



    バキィッ!!!



    グプタ「オゴォッ!!」

    タニア「グプタぁっ!!!!」

    ドサァッ!!

    グプタ「あ、ぐ……!!」

    タニア「グプタ!!グプタぁっ!!!」

    786 = 1 :

    カンダタ「ったく、うるせえ野郎だ」

    カンダタ子分「親分ひでえ!!鬼畜!!鬼畜オッサン!!」

    カンダタ「やかましい!!」


    スタスタ


    カンダタ「ほら、手出せ」

    タニア「ひっ……え?」


    ザシュッ ザシュッ


    カンダタ「手縄巻いたまま帰れんのか?てめえらは」

    タニア「……あ……」

    カンダタ子分B「親分優しい!!可愛い!!可愛いオッサン!!」

    カンダタ「お前ら本当、ちょっと黙ってて」

    グプタ「……あ、ぐ……」

    タニア「っ!!グプタ!!」ザッ

    カンダタ「おうおう、すまねえな若造」

    タニア「ひどい……!!どうしてこんな!!」

    カンダタ「あぁ、結構本気で斧の柄で殴っちまったからな……悪い悪い」

    カンダタ「だが、お前らを拘束するっつう仕事は夕刻までだったからな」

    カンダタ「お前らに手出ししないって条件も夕刻までなんだよ」ニィ…

    カンダタ子分C「やっぱ殺すんすか!!酷い!!最低!!最低メガネ!!」

    カンダタ「殺さねぇっつってんだろ!!ちょっと黙ってろってばもう!!あとメガネしてねえよ馬鹿!!」

    787 = 1 :

    グプタ「……あ、ぐ……!!チク、しょぉ……!!」

    タニア「グプタ、大丈夫!?」

    カンダタ「まあでも、兄ちゃんよぉ」

    グプタ「……な、なんだよ……!」

    カンダタ「そのくらいで済んで良かったと思いな」

    グプタ「え……」

    カンダタ「…………あいつらが」

    カンダタ「あの戦士のガキや、あのガキ……勇者が戦ってた時」

    カンダタ「……頑張ってーとかぬかしてるお前」


    ニコォ


    カンダタ「グッチャグッチャの肉塊にしてやりたかったぜ?」


    グプタ「っ」ゾォッ

    カンダタ「いくら武職に就かなかったとはいえ……てめぇも男だろうが」

    カンダタ「それを、自分の命の為に戦ってる他人に『お願いだ頑張ってくれ』ぇ?」

    カンダタ「最初にアジトに突っ込んで来た時は骨のある奴かと思ったがよぉ」

    カンダタ「踏ん縛ってやったらすぐ大人しく助けを待ちだすから随分ガッカリだったぜぇ?」

    グプタ「……」

    カンダタ子分「親分……」

    カンダタ「へっ、いざとなったら全部他人に助けて貰おうとする奴が一番嫌いなんだよ俺は」

    カンダタ子分「それを元凶の俺らが言っても……」

    カンダタ「ド正論だけどこういうタイミングで言わないでくれない?」

    カンダタ子分D「鬼畜メガネ」

    カンダタ「もうメガネでいいよ。いいからお前ら黙ってて」

    788 = 1 :

    カンダタ「……よし、そろそろずらかるか」

    カンダタ子分ズ「「「「うすっ!!!」」」」

    カンダタ「お前ら、そこで待ってたら多分あいつらの仲間が来ると思うぜ。大人しくしてな」

    タニア「……」

    グプタ「……」

    カンダタ「……」

    カンダタ「それじゃ、行くぞ」

    スタスタ

    カンダタ「……」

    ピタ

    カンダタ「…………まぁ、でも」

    タニア「……?」

    グプタ「……?」

    カンダタ「…………最後の、俺に挑んだのだけは、良かったぜ」

    グプタ「……!」

    カンダタ「くかかっ!彼女に愛想尽かされんなよ」

    タッタッタ……

    カンダタ「……ん?」



    <さっきこっちから悲鳴が……

    <急ぐよ!!



    カンダタ「けっ!!もう来やがった」

    カンダタ「行くぞ!!お前ら!!」


    タッタッタ…

    789 = 1 :

    グプタ「……」

    タニア「……」

    グプタ「……僕、は……」

    ギュッ

    グプタ「!」

    タニア「……」

    グプタ「……タニア……?」

    タニア「…………グプタ」

    タニア「助けに来てくれて、ありがとう……」

    タニア「私は、それだけで十分……十分だから……」

    グプタ「……」

    ギュゥゥッ

    グプタ「…………タニア……」

    グプタ「…………」

    グプタ「……ごめん」

    グプタ「僕も……もっと強くなるよ……」

    グプタ「もう……誰にも君を攫わせないくらい……」

    グプタ「絶対に……」

    タニア「うん……」

    タニア「ありがとう……グプタ……」


    …………
    ……

    790 = 1 :

    ―カンダタのアジト―




    勇者「すぅ…………すぅ……」

    戦士「…………」


    タッタッタ


    戦士「!」


    バターン!!


    魔法使い「ゆーしゃぁっ!!」

    武道家「戦士!!」

    僧侶「いますか!!!?」

    商人「あ!!戦士ちゃん!!」

    タッタッタ

    戦士「皆……」

    僧侶「っ!どうしたんですか!!血まみれで……!!」

    戦士「そうなんだ、勇者が……薬草はあるだけ塗ったんだけど……」

    僧侶「戦士ちゃん!!怪我は!?」

    戦士「アタシは、大丈夫なんだ。勇者を診てやって」

    商人「勇くん!しっかりして下さい!!」

    魔法使い「しー!気をうしなってるみたいだからおこしちゃだめ!」ヒソ

    ワーワー


    戦士「……」

    武道家「……戦士」

    戦士「……武道家……タニアさん達は?」

    武道家「女勇者が地上まで連れてってるわ」

    戦士「……そっか」

    武道家「……戦士」

    戦士「……ん」

    武道家「何やってんの」

    791 = 1 :

    戦士「…………」

    武道家「……はぁ」


    コツン


    戦士「いてっ」

    武道家「……まぁ、人質が居たっていうのを考慮はするけどさ」

    武道家「うじうじ悩んで……こうなっちゃったんでしょ」

    戦士「……うん」

    武道家「……私もこの前やらかしたから、人の事言えないけどね」

    武道家「でもさ――……」

    戦士「うん」

    武道家「……ん?」

    戦士「うん……うん」

    戦士「もう、大丈夫」

    武道家「……ほんと?」

    戦士「さっき、勇者とちゃんと話したんだ」

    武道家「……」

    戦士「子どもみたいに喧嘩もした……本音をぶちまけたよ」

    戦士「すげースッキリした……ちゃんと分かったんだ。いろいろ」

    戦士「もうこんなヘマは……絶対しない」

    武道家「……そう」

    戦士「ああ」

    792 = 1 :

    スクッ

    戦士「っ」


    パァン!!!!


    戦士「~~っ!!」ビリビリ


    武道家「うわぁ……自分の頬をそんな強く……痛そー……」


    戦士「っっっよぉし!!!!」

    スタスタ


    僧侶「とりあえず回復呪文は唱えました」フゥ

    魔法使い「あとは宿であんせーにねかせないと!」

    商人「それじゃ勇くんを運ばないと――……」


    ザッ

    グイッ

    僧侶「へ?」


    ガシッ


    戦士「勇者、意外に重いな」

    魔法使い「え?戦士?」

    商人「ちょっと戦士ちゃん」

    ズザァッ!!

    戦士「よし!!!皆!!!」




    戦士「最短距離で帰ろう!!!」




    商人「おいこらやめろくださいばかやろう」

    793 = 1 :



    ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!


    戦士「おらああああ!!!!!」タッタッタ



    魔法使い「わー!!ちょ、ちょっと!!戦士ー!!かべこわさないでぇー!!」タッタッタ

    商人「ふざけやがるなください!!!!うごおぉ!!!岩が飛んできたぁ!!!」タッタッタ

    僧侶「戦士ちゃん!ゆ、勇者くんが危ない!!もうちょっと冷静に!!揺らさないで!!」タッタッタ


    戦士「だいじょおおおおおおおぶ!!!!!」


    ドッゴォオオオオオオオオン!!!!!


    三人「「「ぎにゃー!!!!」」」

    武道家「……はぁ」

    商人「ちょ、ちょっと武道家ちゃんも何か言ってやって下さいよ!!」

    魔法使い「ふつうに出るように言おうよー!」

    武道家「そうね……でも」

    武道家「…………ふふ」

    商人「笑ってる場合じゃないでしょう!!!」

    僧侶「?どうかしたんですか?」

    武道家「……ううん」

    武道家「ちゃんと、色々吹っ切れたんだなぁって」

    商人「……」

    魔法使い「……うん」

    僧侶「……ふふふ、そうですね」

    魔法使い「なんか……いまの戦士」

    武道家「……ん」

    僧侶「子どもの頃の戦士ちゃんみたいですね……」









    ドゴオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!






    僧侶「わー!!」

    商人「でもこれは洒落にならないでしょうが!!!!」

    武道家「よし!それじゃ私も壁壊しに加勢しますかね!!」

    魔法使い「うわーん!!このひとも脳筋のひとだったよぉー!!!」

    …………
    ……

    794 = 1 :

    ―カンダタアジトの洞窟・地上―



    勇者「…………」

    タニア「……あ……あぁ……!!」

    グプタ「…………」



    タッタッタ

    ズザッ!!


    戦士「よっしゃ!!出口だ!!」

    武道家「意外と早く出られたわね」

    商人「そりゃあれだけ壁ぶっ壊せばそうでしょうよ!!」

    魔法使い「ほんとうにふたりはもう!!むかしっからなんでそうなの!!」

    僧侶「あ、女勇者ちゃん」

    スタスタ

    戦士「女勇者、遅くなって悪い……それと勇者が」

    勇者「……」

    戦士「……女勇者?」

    795 = 1 :


    ドサッ


    戦士「え?」


    魔法使い「……」

    武道家「……」

    僧侶「……」

    商人「……」


    戦士「おい、どうしたんだよ商人。荷物落とし――……」


    武道家「…………何……アレ……」


    戦士「……――え?」

    戦士「あれって……ん?」クルッ

    戦士「……」

    戦士「……」

    戦士「……」

    戦士「……」

    戦士「………………え……?」

    796 = 1 :

    最初は、西の空に真っ黒な雲が流れているものだと思った



    ―ロマリア―



    大臣「……な、なな、なんと……!」

    ロマリア王「……」

    ロマリア王(……まさかこれがナジミ様の夢の……前兆なのか……?)

    ロマリア王(…………まずい)

    ロマリア王(そうすると……世界が……)




    その雲は、奇妙に蠢いていて




    ―ポルトガ・城―


    ポルトガ王「……」

    大臣「ポ、ポルトガ王!!」

    ポルトガ王「……大臣」

    大臣「はっ!」

    ポルトガ王「準備を整えろ」

    大臣「はっ!!?しかし……」

    ポルトガ王「命令だ」

    大臣「……畏まりました!!」

    ポルトガ王「……」

    ポルトガ王(オルテガよ……)



    ―ポルトガ・港―


    ザワザワ

    「なんだあれ……!!」

    「前にも見たぞ!!確かあれは――……!!」

    船乗り娘「……」

    キュポン

    船乗り娘「…………」ゴクゴク

    船乗り娘「っぷは……」

    船乗り娘(……はは……怖くて酔えない)

    船乗り娘「これは……時化が来そうっすねえ……」

    797 = 1 :

    皆がその不吉な雲を、見つめていた



    ―イシス―


    側近「女王様……」ギュッ

    イシス「……大丈夫ですよ」

    イシス「……」

    イシス(イシス勇者……そして勇者様方……)

    イシス(…………どうか、ルビス様のご加護がありますように……!!)






    そしてその雲はまるで悪い神様みたいに





    ―バハラタ洞窟周辺・森―



    カンダタ「……なんだ……ありゃ」

    カンダタ子分「親分怖いよお!!!!」

    カンダタ「るせえぇっ!!!男ならしっかりしろバカ!!!」

    カンダタ「……くそっ!」

    カンダタ(面倒臭ぇ事になるのは勘弁だぞ……)

    798 = 1 :


    皆を恐怖のどん底に叩き落していった





    ―バハラタ―



    ザワザワ


    「おしまいだぁ!!もう駄目だ!!」

    「ルビス様……!!どうか我々をお守り下さい……!!」



    盗賊「……」

    遊び人「……」

    盗賊「……あれ、は……」

    遊び人「…………黒」

    盗賊「……!」

    遊び人「……さっき……」

    遊び人「さっき……水晶玉に映った未来……」

    盗賊「……遊び人……」

    遊び人「……私の、悪い予感……」

    遊び人「本当に当たるんだよね……」

    遊び人「…………なんでなのかな……」

    盗賊「…………」

    799 = 1 :


    オオオオオオオオオオォォォォォオオオオオオオオ……



    魔法使い「……」

    僧侶「……」

    勇者「……」

    商人「…………」

    武道家「……」



    戦士「……」

    勇者「すぅ……すぅ……」



    グプタ「あっ、あれっ……!あれは……っ」ガクガク

    戦士「静かに」

    グプタ「えっ!?」

    戦士「静かに……勇者が起きる」

    グプタ「……?」


    勇者「すぅ……すぅ……」


    戦士「……」

    戦士「あれは……多分、勇者は見なくていいやつだ」




    西の遠い空の上で

    羽根を持った大きな魔物達が、無数に飛び交っていた

    そして、その真ん中には――……



    戦士「……」

    勇者「すぅ……すぅ……」

    戦士「……」

    ギュッ……



    …………
    ……

    800 = 1 :

    今日はおしまいです
    すみません


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