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    元スレ上条「俺がジャッジメント?」

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    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★
    タグ : - とある魔術の禁書目録 + - 上条 + - 初春 + - 御坂美琴 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    302 :

    さすが初春さん
    すばらしい演算能力www自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/

    303 :

    初春の妄想力がwwww
    黄泉川家+上条さんって以外にいいな、芳川は自宅警備員ですね自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/

    304 :

    仕事中に2828しちゃったじゃないかww
    あぁくそ初春かわいすぎるぜちくしょー自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/

    305 :

    イイヨーイイヨー自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/

    306 = 274 :

    もう上条さん(インデックスも?)は黄泉川家に転がり込んでもいいレベル
    めっちゃ楽しそう

    初春さん可愛すぎてマジパねえっす
    2828しすぎてやばいわ俺www自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/

    307 :

    乙!
    妄想力高すぎワロタwwwwwwww

    いや、エピローグに突入したのかと思って真剣に焦ったじゃないか…自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/

    308 :

    なんという妄想満開自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/

    309 :


    「かかかかかかかかかかかかかかかか上条さんっ!!」

    「え、ど、どーしたんだ?」

    「どーどー、落ち着きなよ初春」


     妄想から復帰した矢先の事。
    正に頭の中にいた想い人の登場に、初春はたじろいでとても落ち着ける状況ではなかった。
    佐天もそんな初春を落ち着かせるようにしているのだが、効果はどうなのだろうか。


    「初春、深呼吸深呼吸。それ、ひっひっふーひっひっふー」

    「は、はひ…………ひっひっふー、ひっひっふー」

    「それちょっと違うと思いますが…………」


     逆に力が入りそうな呼吸法に、上条が冷や汗を垂らしながらツッコミをいれる。
    まあこうなったのは恐らく自分の責任(?)なので落ち着くまで待つ事にした。


    「上条さん、ですね? 初めまして、初春からお話は聞いてます! 佐天涙子と言います」

    「これはこれはご丁寧に。ワタクシ上条当麻と申します。以後、お見知り置きを…………なんつってな。いやー話に聞いていた通りで」


    馬鹿丁寧に挨拶を交わしたのはいいが、途中で何だか恥ずかしくなって言葉の最後にそう付けざるを得なかったのはまあいいだろう。
    初春とはまた別のタイプの活発な感じの佐天に、上条はなるほど、と納得したような表情を見せた。




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    310 = 1 :


    そんな上条の様子に佐天はキョトンとする。


    「へ?」

    「はは、佐天さんの事も初春さんから話を聞いてましたよっと」

    「え、え。そうなんですか?」

    「うん。何でも元気過ぎてたまに困っちゃうだのなんだの」

    「そ、そんな事言ってたの? う、初春めー!」

    「えぅ、だって事実ですー」


    初春も何とか落ち着きを取り戻したか、非難するような佐天に何とか言葉を返していた。
    上条も佐天の事は初春と会話をしている時に、こんな友達がいるんですよ程度に聞いており、受けた印象は正しくその通りであった。


    「こ、こうなったら…………」プルプル

    「え、まさか…………ちょ、佐天s」






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    311 = 1 :





    「てりゃ──────────!!」







    「え────────」


    ファサ────────。

    佐天の下から上に突き出した腕。
    それは勿論初春に対する佐天の必殺技で。


    スカートが、揺れる。





    「ぬお!? み、水玉……………………!」


    「え……………………? ひゃ、ひゃああああああぁぁぁ───────!!」


    ここ一番の少女の悲鳴がそこで響き渡った。






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    312 = 1 :


    「ヒグッ………………グスッ………………」

    「ご、ごめんってば」


     それからというと、少女の泣き声が響くばかりで、佐天もただひたすら謝っていたりしていた。
    上条としてもまさかの展開にオロオロするだけで、対処に困っている。
    ただしゃがみ込んで目元を押さえる初春を見て、頭をかくしかなかった。


    「ほら、見てないから。上条さん、何も見てませんから!」

    「エグッ…………ヒック…………だって…………水玉って…………」ポロポロ

    「ぐはっ!?」ドキーン

    「あ、あははー……………………」


     初春の目線に合わせ、上条もしゃがみ込む。
    ぶっちゃけ、上条の対女の子用のバイブルには白紙のページが続いてこういう時の女の子のあやし方などどこにも載っていない。
    周りからはフラグ野郎だの百戦錬磨だの色々言われてるが、自身としては身に覚えのない話だ。
    だから上条の、泣いている女の子の対処法などこれっきしもない頭を振り絞って、決まって無意識にワンパターンの行動を取るしかなかった。


    「ほら、もう泣くなって」


    初春の頭に手を乗せ、撫でる。
    柔らかい髪質を傷付けないように、あくまでそっと、そっと。






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    313 = 1 :


    「ふぁ……………………」


    その優しい甘美な手触りに、初春はそこで泣き止んだ。
    彼の感触を確かめる様に、じっと動かず確かめるように。
    心なしか、そそそとゆっくり彼に近付いていた。


    「ん。もう大丈夫か?」


    泣き止んだ初春を見て、上条がそっと呟く。
    どうやら初春からの泣き声が聞こえなくなった事に気付いて、ホッと一息胸を撫で下ろしていた。


    「はい……………………」


    顔を上げ、上条と視線を合わせる。
    多分、自分の目は真っ赤になっているのだろう。
    そして彼の手が自分の目元に来ると、そっと指で涙を拭ってくれた。

    ……………………………………これは。

    先程自分が夢見た、あの場面ではないか。
    勿論状況的には厳密には違うのだが、『自分の中の彼』と『現実の彼』が起こしてくれた行動は一緒。

    やはり、彼は優しい。


    「ふわ……………………」


    コテン、と彼の胸に頭を預けると、また優しく頭をそっと撫でてくれた。





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    314 = 1 :


    「お、おお…………」


    そんな上条と初春の様子を見て、佐天は感嘆の声を漏らす。
    彼女としては、いつもの反応の通り「何してるんですかっ佐天さん!」と顔を赤くして怒るいつもの反応を予想していて。

    まさか、泣き出してしまうとは思いもしなかった。

    それほどまでに初春の中の上条が大きな存在だと言うことを悟り、罪悪感が広がる。


    「………………ごめんね、初春」


    大切な友人を傷付けてしまったのかと思うと、心苦しく。
    また自分に対してちょっぴり嫌悪感を感じたりしていた。


    「……………………大丈夫ですよ」


    コテンと上条の胸に頭を預けながら、初春が視線だけをこっちに寄越した。
    相変わらず、上条の手は初春の頭を撫で続けている。
    何となく初春の顔を見れなかったが、ふと初春に視線を向けると。

    ──あれ?

    初春は顔を真っ赤にしていて。
    そして口角が釣り上がっていて。

    ──ちょ、めちゃめちゃ幸せそうな顔してるんですけど────!?

    佐天から視線を外し、すりすりと上条の胸に頭を擦り合わせる様に甘えていた。
    ここは誰にも渡しませんよ? という意思表示みたいなものも感じた佐天。
    それを見ると、そこまで深く反省しなくてもいいんじゃないかななんて思えてきたりしていた。





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    315 = 1 :


    「そ、そろそろいいか?」


    「え……………………」


    落ち着いたのを見計らった頃に上条が初春に声を掛ける。
    初春としてはまだまだこの感触を味わっていたいらしく、思わず聞き返していたのだが。


    「ほら、場所も場所だしさ………………その、周りの視線が気になるというか」



    注)初春行きつけの洋菓子店の真ん前です。






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    316 = 1 :





    セイシュンダネー ナンカカワイイ クリスマスモチカイシネー
    ワタシモコイシタクナッチャッタ カミヤンアシタハカクゴシトキーヤ アシタハサイバンダニャー




    「ご、ごめんなさい上条さんっ///」

    「はは、大丈夫。元気になったんならよかったよ」


    自分がどんな状況かを冷静になって思い返した初春はバッと体勢を戻し、立ち上がった。
    その顔は林檎如く真っ赤になっていて、とてもじゃないけど上条の顔を見ていられる状況じゃなかった。


    「と、とりあえずここから離れましょうか」


    そんな様子を見て、苦笑いを浮かべた佐天の言葉に一同反対する訳もなくそそくさとその場を立ち去る事にした。



    オーオーニーチャンカノジョヲシアワセニシテヤンナ! ヒューヒュー!
    ガンバレヨー! カミヤンアンナカワイイコタチフタリヲハベラカシテ マタカミジョウカ カミジョウクンノ。ウワバキニガビョウヲシコム テツダウニャー

    三人の背中に届いたのは通行人達のそんな生暖かい(?)視線だった。





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    317 = 1 :


    「はは、やっぱ白井っていつもそんな感じなのか」

    「そうなんですよー。この前の夏休みの皆でプール行った時なんて御坂さんの更衣室に空間移動して突っ込んでましたからねー。すぐさま粛正されてましたけど」

    「あの時は面白かったよねー」


     放課後らしい賑わいを見せるファミレス内で、三人もまた例に漏れず談笑していた。
    上条としては女子中学生二人に男子高校生一人という組み合わせは正直周りの目が気になって勘弁願いたい所だったのだが、似たようなグループもちらほらいた為少しほっと胸を撫で下ろしていた。

    …………あくまでそれは恥ずかしさ&世間の目というのがネックだった訳で、この二人といるのが嫌かと聞かれれば全然そんな事はない。



    「ところで、上条さん」

    「はい?」



    そこで佐天が会話が一段落付いたのを見極め、上条に尋ねる。
    その表情は…………口角が釣り上がっていて、どうしてもこの質問が聞きたくて仕方がない、という表情だった。


    「初春の事、どう思ってます?」




    「ぶふぅ────────!?」





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    318 = 1 :


    「Oh……………………」ピチャピチャ

    「あちゃー……………………」

    「ケホッ、ケホッ…………かっ上条さんっ、ご、ごめんなさいっ!!」バッ

    「はは、大丈夫。こういう不幸慣れてるから………………はは…………」フキフキ


    その質問を浴びせると同時に初春は吹き出してしまい、真正面に座っていた上条は紅茶の飛沫を一身に受けていた。
    それに青ざめた初春がばっと上条の傍に駆け寄り、持っていたハンカチで拭きながら謝る。
    上条も自身が持っていたハンカチで顔を拭きながらまた泣きそうな初春をあやしていた。

    キッと佐天を睨む初春に対して、佐天は両手を合わせてごめんごめんと軽く謝りをいれる。
    全く、先程した反省の色はどこに飛んでいったのだろうか。

    まあ結局、そのまま初春は上条の隣に座る事となった。


    「初春さんの事?」


    顔を拭き終わった上条が顎に手を当てて考える仕草を見せる。
    テーブルを拭いていた初春も、いつの間にかその手は止まっていた。

    彼が自分の事をどう思っているのか。
    彼の中の自分はどういう女の子なのか。

    隣に座る彼の顔をチラッと見てみると、相変わらず考えている仕草のまま。

    もし、もし。
    変に思われてたらどうしようと考えると不安になってくる。
    自分が彼に見せた姿と言えば………………ダメだ、いいところを見せた覚えがない。
    しかし今は、彼の言葉をただ待つしかなかった。





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    319 = 1 :



    「んー。癒し、かな」


    ふとそこで上条が隣に座る初春に視線を向ける。
    彼と目が合った瞬間、初春はその言葉の意味を噛み締めると同時に一気に顔を赤くし、フリーズ。
    そんな彼女にお構いなく、佐天は事情聴取する刑事如く何故か手帳サイズのノートとペンを持っていた。


    「ふむ。癒し、ですか」

    「うん。まあ、まだそんなに付き合い長くないし、何とも言えないけど。可愛いし、落ち着くし、料理も美味しかったし、受けた印象がそれかな」


    「……………………ほう」ニヤ

    「え……えっ……わ、わぅ………ぅ……………///」


    その上条の言葉を反芻するかの様に、吟味する。


    ──か、可愛い……………………? 私が、可愛い…………の…………?


    まさか上条の口からそんな言葉を聞けるとは思っていなかった。


    「あ、でも。ジャッジメントとしての初春さんは凛々しくもあるよなー」

    「あ、やっぱ上条さんもそう思います? 初春、ああ見えて結構頑張り屋さんですしね(あれ? これ私手伝わなくてもいけそうなんじゃね?)」

    「はぅっ///」


    こういう社交的な場として彼の口から出る言葉がお世辞だとしても、初春は嬉しさから妄想世界へと再び飛び立ってしまいそうになった。

    上条の口から出た、可愛い。
    その一言が何よりも初春を嬉しくさせ、また。

    また、彼への想いが増していったのが分かった。






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    320 = 1 :


    「むむむ……………………」

    「ふんふーん♪」


     空腹からか手にしていた箸をスティック代わりにして机というドラムをBPM=160の2ビートで刻みながら、台所に立つ上条の後ろ姿をじっと見つめる。
    揺れる銀髪もそのままにズッダンズッダンというリズムが部屋で響き渡っているのだが、フライパンを振る上条の耳にその音は届いていない様子だ。

     昨日小萌が突然迎えに来て、何かと尋ねればまた上条は入院との事で。
    お見舞いに行きたいと言ってももう時間は遅かった為に小萌に咎められ、結局そのまま小萌の部屋にお泊りとなっていた。

    そして先程帰ってきたら帰ってきたで、妙に機嫌が良さそうに見える。
    上条の奏でる鼻歌と自身が刻むリズムは全くと言っていいほど合っていない、まあそれはどうでもいいが。

    待たせた罰として噛み付いてやろうかと画策していたのだが、いざ飛び付いたら彼の着ている服からいつもと違う匂いがする事にそこで気付いた。
    完全記憶能力を持つ自分としては、その匂いが何なのかを知っていた。





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    321 = 1 :


    あの時の、この部屋を訪れたあの少女の匂い。

    その少女の匂いが、彼の服から漂っていたのだ。

    何故その子の匂いが上条から漂ってくるのか。
    何があったのか。
    恐らく、染み付くまで寄り添っていたのだr



    「ふんにゅ──────────────!!」



    ドガンドガン!!

    そこまで考えると妙に怒りが沸いて来て、いつの間にか顔面ドラムに変わって爆音と共に机が揺れた。
    みしみし言っているのだが、机は大丈夫なのだろうか。


    「お、おいインデックス! 何やってんだよ?」


    その音に気付いたのか上条が視線だけをこちらに向ける。
    手元は相変わらずフライパンを振っているのであくまで、視線だけ。
    それでも彼が気にかけてくれたのが嬉しく感じてインデックスはパタリと動きを止めた。

    …………単純な女などと、思わない。






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    322 = 1 :


    ジュー…………という音と共にフライパンを持った上条がコンロの前から1m程横にずれる。
    恐らく盛り付けの段階に入ったのだろう。


    「ほらよ、できたから」


    そういい、かに玉の乗った皿を机の上に置き、ご飯も持ってきてくれた。


    「悪かったよ、インデックス」


    真剣な表情の彼がふと口にした謝罪の言葉。


    「とうま…………」


    ああ、やっぱり鈍感鈍感と言われる彼も分かってくれたのか。
    自分が不機嫌になった理由を、気付いて汲み取ってくれるのか。
    やっぱり彼は自分を、一番に思ってくれるのか。

    いつだって守ってくれた。
    いつだって救ってくれた。
    どんな危険な目にあっても、悲壮という幻想をぶち殺してくれた。

    ならばそれはこれのお膳立てだろうか。
    彼からの、愛の言葉への────────





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    323 = 1 :






    「そこまで腹空かさせしちまって、悪かったよ」









    ──……………………は?


    「ちょいと前ここに来た子達とお茶しててな。ご飯遅れちまって、すまん」

    「」ピキ


    前言撤回。


    「お茶してたって何かなあああぁぁぁ? それよりとうまは何で私が怒っているのか分かってないのかなああああぁぁぁ?」

    「え。ご飯遅くなったからに決まっているだろ?」

    「とうまは私を何だと思っているのかなああああぁぁぁ?」

    「な、何でそんなに怒ってんだよ…………だからご飯遅くなって悪かったって…………」

    「もうこれは噛み付かれても仕方ないよねええええぇぇぇ? 乙女心が全くわからないって神に背く冒涜行為だよねえええぇぇ?」

    「んな神がいるか!? ちょっと待て! 他に何かあるなら謝るかr」

    「問答無用!!」

    がぶっ。

    「みぎゃああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」


    やっぱり鈍感過ぎるのも、罪かも!




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    324 = 1 :

    とりあえずここまで!

    なかなか先に進まないのは何故かって?
    ただ単に展開思いつかなくて伸ばし伸ばしにしていr

    また次回!自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/

    325 = 1 :

    ってか書き込んだ時絶対エラーになるんだけど、ちゃんと全部書き込めているよな…………?


    自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/

    326 :

    乙自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/

    327 :


    俺も画鋲仕込みに行っていいかな…?自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/

    328 :



    ちょっと、バナナ食べてバナナの皮捨ててくる自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/

    329 :


    更新はリロードすればわかるよ自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/

    330 :


    俺も上条さんみたいに、素で女の子に可愛いとか言えるようになりてぇよ…自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/

    331 :


    >>1は女の子を可愛く書ける人なんだなぁ
    今回はインデックスまで可愛かった

    >>330
    下心なんて薄めちまえ。考えるな、感じて言葉を紡ぐんだ!w自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/

    332 :

    インデックスの語尾やりすぎじゃねw

    GJ自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/

    333 :


    「ふむ」


     ある薄暗い一室で、不気味な声が響く。
    それは男のものか女のものか、はたまた若々しいのか年老いているのか声色からは判別が着かない。
    ただその雰囲気からは絶対的な自信を匂わせていて、それはこの場で生命維持漕のビーカーで逆さまに浮かんでいる彼(と言っておこう)を睨むサングラスをかけた金髪の少年も緊張を解いていない。


    「お前の差し金か? アレイスター」


     いつもとはまるで違う、冷酷な口調を浴びせるのは土御門元春。
    サングラスに金髪というその風貌からは想像も付かないが、陰陽博士という最高位の陰陽術の使い手であり、天才魔術師である。
    表の顔では、ある高校に通うちょっとやんちゃな高校生ではあるのだが、『必要悪の教会』に属し、また学園都市の暗部『グループ』にも属している多重スパイという裏の顔も持つ。
    しかしそんな激務も難なくこなしてきた土御門なのだが、そんな土御門でも目の前にいる彼と対峙するには少々覚悟が伴う様だ。
    それは土御門がここに来るとき術媒体とする折り紙を必ず手にしている所から見て取れていた。


    「何の話かね?」


     アレイスター=クロウリー。
    その正体はこの学園都市の最大権力者、学園都市統括理事長であり、また伝説級の魔術師でもある。
    彼は土御門の質問に対し、まるでわからないという様な声を返した。


    「決まっているだろう。幻想殺しの事だ」


     その他に何がある? と言う意味も交えて浴びせる。
    心なしか、私情も入ったかの様に語気が強くなっていた。




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    334 = 1 :


    「何の事かね?」

    「上条当麻の有用性についてあれだけ語っていたお前が奴の近況を掴んでいない筈がない」

    「ふむ、それもそうなんだけどね。彼には第三次世界大戦で大いにプランを崩してくれたからね、怒り心頭だよ」

    「…………、誤魔化すな。俺の質問に答えてない」


     アレイスターの言葉に土御門がグッと拳を握り締める。
    その言葉の言質を取ると、幻想殺し…………上条当麻に降り懸かる危険性を意味している。
    しかし今はそんな言葉を求めているのではなく、上条がジャッジメントになるという事が何を意味するのかというのを把握しておきたかっただけ。
    アレイスターが持つ滞空回線にて、上条の動向は常にアレイスターの手元に入っている筈だ。
    ゆえに、知らないとは言わせないつもりだった。


    「…………ふむ、例えばの話だが。私がそれの指揮を取っているとして、君に何の関係があるというのだ? 君も彼を利用するだけの立場なのだろう?」

    「………………何を企んでいる?」

    「さあね。別に、とでも言っておこうか」

    「…………………………………………」


    真意が掴めないアレイスターの言葉に土御門は押し黙ってしまった。
    確かに、土御門は上条を利用はしていた。
    戦争を起こさせない為に自身は奔走し、また彼も使う。
    実に利害関係として使っていたと言っても過言ではない。

    ただ、土御門としてはそれだけの関係で使ったつもりは全くない。
    上条の力を信じ、人間性を信じ。
    使う、利用するのではなく、上条を信頼して頼み込む。
    周りから、上条からどう思われようが自身の心情的にそうしてきたつもりだった。

    事実上条は、被害者を救い、加害者を救う。
    そしてその果てに彼の元に大きな力が集まってきた。
    上条勢力、というらしいのだが、それには勿論自分も入っている。

    上条を苦しめ、仇なすものは排除するつもりで。

    つまる所、土御門にとって上条は親友、ただそれだけの事だった。





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    335 = 1 :


    「お、上条」

    「あ、黄泉川先生、どうもです。昨日はご馳走様でした」ヒョコヒョコ

    「気にするなじゃん。それよりどうした? 足でも痛めたか?」

    「いえ、画鋲を踏んじゃったみたいで…………」

    「気をつけるじゃんよ」

    「痛み入ります」


     長い髪の毛を揺らし、昼休みの廊下で足をかばう様にして歩く姿の上条に黄泉川が声を掛ける。
    窮屈な服装はあまり好まない彼女はいつものジャージ姿だ。
    実はアンチスキルの仕事の時に着る防護服も動きにくいという理由であまり着たくないみたいなのだが、そこは仕事上仕方なく着ている様だ。
    スーツ着用義務があったとしても、彼女は恐らく着る事はしないだろう。


    「そうそう、明日ジャッジメント試験の合否の報せが私のところに届くじゃん。明日放課後職員室に来てくれるか?」

    「意外と早いっすね。了解です」

    「それじゃ、午後はちゃんと授業受けるじゃんよ。あまり小萌を泣かせるなよ」

    「はは、善処します」


    教室内に入っていく上条を見届ける。

    今回の件で上条を見る目が少し変わっていた。




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     以前は小萌が「手のかかる生徒なんですよー」と愚痴を吐かれてばかりだったが、あの試験の時の力を実際に見せられたなら上条に対する考え方を改めなくてはならない。
    それに、何故アンチスキル上層部がまるで上条を推薦するかの様に通達を寄越したのか。
    それは恐らく上条のあの力目当てなのだろうが、全容は分からない。

    もっと、複雑な何かが動きはじめている、そんな気がした。











    オイカミヤン ゴチソウサマデシタッテドウイウコトヤ
    キノウノアノフタリトハマタベッケンカ? コリャダイニカイガッキュウサイバンヒラクヒツヨウガアリソウダニャー
    トウトウ。ヨミカワセンセイマデオトシタノ?
    カミジョウ、キサマハセイサイヲウケナキャナラナイヨウネ
    オイオイナンノハナシダヨ
    ウルセー! カミヤン、オマエハオレヲオコラセタ! クラエ! オンミョウマジュt
    チョットマテツチミカド! パキーン
    グハァッ!
    ツ、ツッチードウシタンヤ!? イキナリチヲハイテタオレタデ!?
    ダ、ダレカキュキュウシャー!


    「…………………………………………」


    そんな気がした、気の迷いでなければ。




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    『おー、初春さん? いや、別に大した用事じゃないんだけどさ』

    「…………えへ」ポワーン

    『この前手伝ってもらったお礼に、今度ご飯でもどうかなーなんて電話してみたんだけどさ』

    「…………えへへ」ポワポワ

    『初春さん何が好きなの?』

    「そ、それは………………カミジョウサンデス///」ドキドキ

    『おー! そうなんだ、俺も結構好きだな。んじゃ今度、食べに行こうか』

    「は、はいっドコデモツイテイキマス…………///」キュンキュン




    「ごきげんよう…………って初春電話中でしたの?」

    「!? ししししししししし白井さんいつからそこに!?」ピッ

    「? 今来たばかりですの。それより電話はもういいんですの?」

    「い、いつでも聞けますからいいですけど」ハラハラ

    「?」ハテ


     ジャッジメント第一七七支部にて。
    暇な時には聞いているあの時の録音した電話を聞いていると、背中越しに聞こえた黒子の声に狼狽して初春は慌てて切った。
    初春の言葉がいまいち理解出来ないのか、頭に?マークを浮かべる黒子だったが気にしない事にした。
    録音に返事をしている姿などとても人に見せられるものでもなく、追求して来ない黒子にホッと胸を撫で下ろしていた。




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    「こんにちは。二人とも早いのね」

    「あ、固法先輩こんにちは」

    「こんにちはですの」


    そんな中、初春と黒子と同じくジャッジメント第一七七支部所属の爆乳高校生、固法美偉が姿を現した。
    眼鏡を掛けた、凛とした綺麗な顔立ちの初春と黒子の尊敬すべき先輩だ。
    彼女はジャッジメントのこの支部に来るとまずは必ず飲むムサシノ牛乳を冷蔵庫から取り出すと、机に置いてある書類に目を通しはじめた。


    「ん。やっぱり美味しいわね」


     その天晴れとも言える飲み姿を披露しながら本日の仕事を確認する。
    今日は出張った仕事はどうやらなく、書類整理の日になりそうだ。


    「この分だと今日は早く仕事が済みそうね」

    「事件が起きなければ、ですが「prrrrrrrrr」うぇ」

    「言ったそばからこれですね。まあ私はどっちにしろ情報整理ですから頑張るのは白井さんですけど」


    早く仕事が終わるのを期待していた矢先に、第一七七支部に電話の音が響き渡る。
    それを聞くや否や黒子はがっかりとした表情を見せて頂垂れた。




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    「はい、第一七七支部です。……………………。はい、では向かわせます。白井さん、出動よ。能力者がまた暴れてるらしいわ。初春さん、データ受信来てる?」

    「はい、今来ましたね」

    「全く懲りない者共ですの…………初春、場所は?」

    「はい。えっと…………第九学区の大通りのショッピングモール付近ですね」

    「では行ってまいりますの」

    「気をつけてね、白井さん」


    その固法の言葉を聞くや否や、黒子は空間移動にて第一七七支部を後にした。
    ジャッジメント第一七七支部は、大体固法指揮の元に動く。
    実動部隊の黒子、諜報部隊の初春、指揮官固法といった具合にして様々な事件に対応している。
    今だ幼さが抜けない女子供達ではあるのだが、実は他の支部よりも功績を上げていて、ジャッジメント上層部や周りの支部からの信頼も厚い。
    故に仕事も回ってくる確率が高く、なかなかに気の休める事はない。
    とはいえ、あの名門常盤台の空間移動のトップが向かったなら後は安心して帰りを待てばいいのだろう。


    「それじゃ私達はちゃっちゃと書類を片付けちゃいましょうか」

    「はいっ」


     カタカタとキーボードを鳴らし、ファックスで送られてきた書類を整理する。
    普段はおっとりとした性格で、基本人に対する接し方は丁寧(黒子を除く)。
    ただ仕事に対する姿勢は真剣で、やはり根は真面目の様だ。
    そして処理能力も高く、彼女にかかれば一時間は掛かるであろう処理を彼女はものの数分で終わらせてしまう。
    その凛とした姿は、普段の生活では中々お目にかかれないものなのであろう。




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    ──……………………そういえば。

    カタン、とエンターキーを押してふうと一息ついた。
    机に置かれた紅茶を口にすると、あの時の言葉を思い返していた。


    『ジャッジメントとしての初春さんは凛々しくもあるよな』キリッ

    「……………………。……………………///」


    あの時の言葉が初春の脳裏に蘇った。
    おまけに「可愛い」とも言われた事を思い出し、初春の顔は更に赤くなっていく。
    胸の動悸が、速くなっていく。
    あの時の頭を撫でてくれた感触が忘れられない。
    優しい彼の手、温かかった彼の手。

    ──上条さん……………………会いたい、です。

    あの優しさに触れたのなら、きっと誰だって堕ちてしまう。
    それは同居しているらしいあの少女も。
    そして恐らくだが、尊敬すべきレベル5の少女、友達である美琴も。
    「不幸体質でよく事件に巻き込まれるんだよ」という言葉から、今まで成り行きで助けられただろう人達もきっとそう。

    ──でも、私なんかが……………………。

    きっと、彼に好意を寄せる女の子達の人数は自分が想像する以上なのだろう。
    そしてそれはそのどれもがレベルの高い女の子達で。
    ちんちくりんな自分など、彼は見てくれはしないのだろうか。

    そんな事を考えては、気分が沈んできた。




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    彼に見合うには、もっと大人の女性じゃなければならないのだろうか。


    「…………………………………………」

    「どうしたの? 初春さん」


    そんな中、固法から声が掛かった。


    「いえ、別に………………あ」

    「?」


    初春の後ろで作業をしている固法に目をやると、初春は目を見張る。
    彼女の視線は、ある部分。
    ふくよかな膨らみが、遠慮もせずにその存在を主張していてそれは世の男性を恐らく魅了するものなのだろう。


    「固法先輩」

    「は、はい?」


    初春のギラッとした目付きに一瞬たじろぐが、何とか返答をした。


    「牛乳飲めば、いいんですか?」

    「な、何が……………………?」

    「牛乳飲めば、私もそこまでいけますか?」


    ズイッと近寄ってきた初春に固法は面を食らったが、そこで初春が何を言いたいのかを理解した。




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    彼女の視線が自分の胸に行っていることに気付くと、固法はニヤッと口角を吊り上げる。


    「ははーん。さては好きな人でも出来た?」ニヤ

    「えっ///」

    「えっ」


     初春の顔がそこで一気に林檎の様に赤く染まった。
    固法としては、ぶっちゃけただ単に狙ってもいないカマをかけただけなのだが、まさか釣れるとは思ってもなく初春のその反応に驚いていた。


    「初春さん、もしかして」

    「……………………///」

    「好きな人でも、出来たの?」

    「っ!!///」カァ-


    ああこれは間違いない。
    モジモジとしだした初春を見れば、確定的に明らかだ。
    これはニヤニヤするしかないと見た固法は、自身の仕事も終わった為いじり倒す事にした。






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    「どんな人なの? お相手は」

    「あの………………高校生で…………」

    「へえ。カッコイイの?」

    「///」コクコク

    「キスはしたの?」ニヤ

    「!? そっそこまでまだしてません!!///」

    「まだ? する予定はあるの?」ニヤニヤ

    「っ!/// そ、それは…………その…………シタイデスケド……ツキアッテモナイデスシ…………///」

    「あら、告白はいつするの?」

    「こっこここここここ告白!?///」アワワ

    「あら。好きなんでしょ?」

    「………………ハイ///」

    (何この子抱きしめたい)


    目の前で身体全体を使って照れ隠しをする初春にキュンと来たのはまあいいだろう。
    しかし相手は高校生か、と関心を寄せていた。
    自分の知っている人なのだろうか。


    「その人のお名前は?」

    「上条、当麻さんです…………///」

    「あら、よくこの支部でも名前上がってる人じゃない。会ったんだ?」

    「はい///」


    上条という名を聞いた事があった。
    それはいつも、という訳でもないのだが事件現場に出くわす回数が多く、彼のおかげで解決した事件も割と多い。




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     その度に何故か黒子が不機嫌そうに報告をしてきたのを思い出した。
    それをよく巻き込まれる人ねーなんて流していただけだったのだが、ここでその名前が上がった事に固法は関心を覚えた。


    「でも……………………」


    そこで初春が口を開く。
    その様子がさっきとは違う、少し落ち込んだような声色に固法は何だろうと思いながら彼女の顔を見る。
    その表情は、やはり沈んだ様な表情だった。


    「自信が、ないんです…………」

    「……………………」


    その沈んだ表情から、彼女がどれだけ深く悩んでいるのかを悟る。
    それと同時に、どれだけその彼を想っているのかを知った。
    それはもはや彼しかいない、という様な表情。
    彼以外、考えられないという思念。

    固法にとって、初春は可愛い後輩だった。
    黒子と喧嘩しながらも、垣間見える彼女の正義の元にこの仕事を選び、その思いを見てきたつもりだ。
    こんな可愛い後輩が恐らく初めて出来たであろうその想い人へのその想い。
    それに、かつての自分を当て嵌めながら固法は考えていた。


    「上条さんには、もっと魅力的な人がいますし、そっちの方が合うんじゃないかと思うんです…………」

    「……………………」




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    「上条さんはすごい人で…………でも私なんか能力も変な能力だし、子供体型だし…………」

    「ふーん………………でもさ」

    「はい……………………」

    「勝手に諦めて、満足しちゃうの?」

    「!」

    「諦めつくの? 何も伝えてないうちに」

    「……………………」


    初春は静かに首を横に振った。
    同時に、彼女の頭に乗った花飾りも揺れる。
    花のいい香りが漂うと、固法は言葉を続けた。


    「あなたはあなたなりにいい所があると思うの。それは他の誰も持ってない、あなただけのいいところが。私はあなたはそれを誇ってもいいと思うの」

    「……………………」

    「好きなら好き。そうぶつけてみてからでも、考えるのは遅くないんじゃないかしら」

    「……………………」

    「そう言いたくても……………………言えない人もいるからね」

    「固法先輩……………………」


    彼女には、辛い思いをしてほしくない。
    かつての自分がそうだったように、離れてしまってからではもう遅いのだ。
    好きなのに好きだと言えない辛さ、それは一番固法が理解している事だった。





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    「だから、笑顔でいなさい。あなたの一番の可愛さはやっぱり笑顔にあると思うから」

    「ありがとう、ございます…………っ」


    泣きそうになった初春の頭をキュッと抱きしめる。
    彼女も固法の胸にしがみつき、そのままじっとしていた。
    いつだって、笑顔でいてほしい。
    可愛い後輩を泣かせてたまるもんですか。

    そうして、時間は流れていった。













    「…………固法先輩。やっぱり牛乳ですか? その柔らかさを得るためにはやっぱり牛乳なんですね?」

    「え、初春さん?」

    「いただきます!」グビグビ

    「ちょ、私のムサシノ牛乳がああああああああああぁぁぁぁぁぁ」


    それ以降、黒子が帰ってくるまでしばらくそんなドタバタが続いたらしーです。




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      キーンコーンカーンコーン。

     放課後を告げるチャイムが響き渡ると、一気に教室内は騒がしくなる。
    それは恐らくこの教室内、学校内だけでは収まらず恐らく全国共通、いや世界共通なのだろう。
    その開放感を味わうべく、上条の横の席を陣取る土御門が伸びをしていた。


    「カミやん、この後ゲーセンでもいかないかにゃー?」

    「いや、今日はパス。悪い、用事あるんだよ」

    「また女の子か!? またなのかー!?」


    この世の終わりの様に叫び声を響かせた青髪ピアスにツッコミチョップで黙らせ、鞄を持ってじゃあなと教室を後にする。

     今日は、昨日黄泉川が告げたジャッジメント試験合否の発表の日。
    それを受け取る為、上条は職員室に向かった。
    ぶっちゃけ今日の授業など頭に入ってこなかった。
    落ちたらどうしよう、留年確定か、などと考えながら過ごしていたらあっという間に放課後になっていて、授業内容など頭に入っていなかった。

    ……………………元々、そうでなくとも頭に入らないのであろうがな。


    「うるせえよ」


    事実だろうが。





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     コンコン、とノックをする。
    中からどうぞーという声がしたので意を決して入室すると、黄泉川と小萌が何やら話し合っているのが目に入った。

    ──ううむ、大丈夫かな?

    自分の合否について話し合っているのだろうか。
    何やら深刻そうに見えるし、またそうでないようにも見える。
    だが二人の表情は真剣そのもの。
    二人の発するオーラに、近付いてもいいものだろうかと少し思案するが、待っていても仕方がないだろう。
    そそそと近付いてみた。




    「だからーあそこの焼鳥はパサパサして美味しくないじゃんよ」

    「何言ってるんですかー! 黄泉川先生の言うお寿司屋さんだってネタとシャリが合ってないじゃないですかー!」

    「だあああああぁぁぁ」




    その会話の内容に大袈裟にこけると、黄泉川と小萌の二人が上条の姿に気が付いた。


    「か、上条ちゃん! だ、大丈夫ですか!?」

    「お、上条。来たか」


    転んだ上条に小萌がちょこちょこと駆け寄ると、上条の頭をキュッと抱きしめる。
    悲しいかな、期待した弾力はなかった。





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    「先生、何してんすか」

    「えへ」

    「と、とにかく! 離れて下さい!」

    「……………………」ウル

    「涙!?」

    「小萌………………せめて場所を考えるじゃんよ…………」

    「いやツッコミ所おかしいでしょ!?」

    「まあまあ」


    俺がずれてんのかな、と少し不安になった上条だが何となく気にしたら負けの様な気がしたので無理をして気にしない事にした。
    体勢を整えると、黄泉川がちょい、と椅子に指を指し、上条は座る。
    黄泉川が机から一枚の書類を取り出すと、それに目を通しはじめた。


    「ど、どうっすかね…………?」

    「…………………………………………」


    黄泉川が目を通しているのは、恐らく合否の通知だろう。
    小萌も様子を固唾を飲んで見守っているらしく、何も喋ったりはしなかった。




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     沈黙が漂う。聞こえるのは職員室にて業務をしている教師達の作業の音だけ。
    上条の問いに、返ってくる言葉はない。
    それはつまり、落第、を意味しているのであろうか。

    ──やっぱ……………………淡い期待だったか。

    騒ぎ立てる心の臓を感づかれないように、冷静を装って黄泉川の顔を見てみる。
    黄泉川も難しい顔をして、一枚の書類から目を離す事はなかった。

    ──これはもう、落ちたのだろう。


    「……………………あの、その。俺、また来春目指しますから。はは、今年進級出来るかわかんないですけど。小萌先生もすいません。迷惑掛けちゃいましたね」

    「ん? 何の話をしてるじゃん?」

    「えっ、何のって……………………ジャッジメント試験、落ちたんですよね? 俺」

    「ああ、その話? ってあれ」


    ん? ん? どういうことだ?
    自分の空気と黄泉川の空気がまるで違う。
    まるで試験の事など二の次の様に話題から外していた黄泉川に、上条は首を捻った。


    「ああ、そうか」


    そこでふと納得した様な表情を見せた黄泉川。
    悪い悪いなんて言いながら彼女が目にしていたプリントを机に放り投げるかのように置くと、上条の目にもその内容が飛び込んでくる。





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