元スレ魔王「余は何をやっておるのだ……」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
151 = 145 :
そういや他所の大陸に行くのが目的だったな
152 = 141 :
この辺で……
今日はガチで一日中ニートの予定なので、起きたら書き溜めというものをやってみたいと思います。
154 = 141 :
用事が出来てました……
まあ、それなりに書き溜めできたと思います。
というわけではじめます
155 = 141 :
・・・・・・
勇者「船が出せない?」
「そうなんでさ。 灯台に魔物が住み着いちまって……」
勇者「退治は、しないんですか?」
「しようとしたんですが、随分と強い魔物だもんで」
戦士「……へえ、強いのか」
「そりゃあもう! 討伐にいった奴は誰も帰ってきやしないんでさ」
勇者「……わかりました。 私たちがその魔物を退治してきます!」
「ええっ!? で、でも……大した御礼も出来ませんぜ?」
勇者「いいんです、むしろこっちがお礼をしたいくらいです」
魔王「その通りだな(経験値が向こうからやってきおったわ)」
「……わかりました、どうかよろしくお願いしまさあ」
156 = 141 :
・・・・・・
魔王「あれが灯台か」
勇者「そうみたいですね」
遊び人「……あ」
戦士「ん? どうし……げ」
魔王「どうしたのだ?」
戦士「あれみろあれ」
魔王「む?」
157 = 141 :
姫「おーっほっほっほ! これが例の灯台でございますわね? 騎士」
騎士「はあ……左様でございます」
姫「では、とっとと魔物をぶちのめして差し上げましょう! 行きますわよ」ダッ
騎士「それほど急がれなくても……」タッタッタ
遊び人「いっちゃった」
魔王「ふむ、きゃつらも来ておったのか」
勇者「……」
158 = 141 :
戦士「どうした?勇者」
勇者「早く行かないと、倒されちゃうよ! 急がなきゃ!」ダダダダダ
戦士「おい、待……行っちまった」
魔王「まあよかろう。 きゃつらもいれば、恐らく大事にはなるまい」
戦士「そうだな。 あの目立ちたがり屋、変な奴だけど強いしな」
遊び人「妬ましい……」
魔王「では、我々も往くとしよう」
159 = 141 :
・・・・・・
姫「魔物が巣食っていると仰っていたわりには、ちっとも出てこないですわね」
騎士「恐らく、強い魔物が占拠しているのではないでしょうか」
姫「それなら、そうであるほうが細かいのがちまちまいるよりは見苦しくなくてよいですわね」
騎士「だといいのですが……」
勇者「まってえええええええええ!」ダダダダダ
160 = 141 :
騎士「何奴!」スチャ
姫「あなたは……たしか勇者さんでしたわね。 騎士、知り合いです」
騎士「はっ、失礼しました」チャキ
姫「このものは騎士です。 それで、どうしたのですか勇者さん? それほど慌てて」
勇者「はぁっはぁっ……あの、魔物退治わたしにも手伝わせてください」
姫「よろしくてよ。 なぜそれほど慌てていらっしゃるのです?」
勇者「早くしないと、魔物が倒されちゃってるんじゃないかと思って」
姫「そうですか。 ……ところで、他の皆様はどちらに?」
161 = 141 :
勇者「えっと……」
姫「……」
騎士「……」
勇者「迷子になっているみたいです」
姫「そうでしたか。 では、参りましょう」
騎士(いやいやいやいや)
162 = 141 :
最上階・・・・・・
姫「あの魔物ですわね」
勇者「おっきい……」
炎竜「む……なんだ、人間か」
勇者「……最近のトカゲさんは喋るんですね」
姫「連中の中には、ひとの言葉を操れる程度には頭のあるものもいるということらしいですわ」
騎士「お前を征伐しに来た」
炎竜「征伐? このわしを? ……餌の分際で調子に乗るでない、人間風情が」
勇者「ふ、ふふ」
炎竜「どうした人間、気でもふれたか?」
163 = 141 :
勇者「……します」
炎竜「ん?」
勇者「あなたに感謝します」ニコリ
炎竜「感謝? わしにか?」
勇者「はい。 あなたを[ピーーー]ことで、わたしは人に必要とされている実感を得ることが出来ます。あなたが強ければ強いほど、
より強く、わたしが要らないなんて事はない実感を得られます。……そのことに感謝します」ニコニコ
炎竜「わけのわからぬことをいいおって……貴様ら全員頭から喰ってやろう!」グアッ
姫「来ますわよ!」バッ
騎士「はっ!」
164 = 141 :
・・・・・・
炎竜「ふん、この程度か」
騎士「ぐっ、ううう……」
姫「屈辱ですわ……こんな、トカゲにこのような醜態をさらしてしまうとは……」
炎竜「心地がいいものだな、弱者の遠吠えというものは!」
勇者「……」フラッ
炎竜「ほう、まだ立つか」
勇者「……す」
炎竜「うん?」
勇者「あなたに……感謝します……ここまで、強くあったことに……」
炎竜「まだ言うか、そんなものはわしを殺してから言え」バシッ
165 = 141 :
勇者「あうっ」ドオン
炎竜「さて、まずはぴかぴか目障りだった貴様から喰ってやろう」
姫「くっ、おのれ……」グググ
勇者「……」スッ
炎竜「まだ立てるとはな」
勇者「あなたに、感謝……」
炎竜「……いいかげん耳障りだ。 やはり貴様からにしよう」
勇者「あ……」
炎竜「ではな」ゴアアア
166 = 141 :
「ふむ」ビュウウウウウウ
炎竜「むうっ!? これは、氷魔法……!?」
魔王「勝手に別れの挨拶を済ますでない」ドン
勇者「ぁ……魔法使いさん……」
戦士「勇者、無事か!?」
遊び人「ようやく、実践編……大丈夫?」
勇者「戦士ちゃんに遊び人ちゃん……」
167 = 141 :
魔王「ついでに……お前たち、無事か?」
騎士「ぐっ、なんとか……」グググ
姫「くっ……」プルプル
魔王「無理に立たずともよい」ヒョイヒョイ
騎士「なっ!」
姫「あらあら。大胆、ですのね」
魔王「遊び人よ、こやつらと勇者を……」
勇者「うあ、ま、魔法使いさん」
169 = 141 :
なにか変わるんですか?ひょっとしてこれじゃ意味がないとか?
魔王「……そちはよくやった。 大儀である」
勇者「そんな……先走った挙句にこんな」
魔王「だが、もしそちが先走らなければこの二人は死んでおったかもしれん。 そちはよくやった。
少なくとも、二人の命を救ったのだ」
勇者「わたしが、必要だったんですか……?人に必要と、されたんですか?」
魔王「無論だ。 間違いなく(……?)」
勇者「よかっ……た」パタリ
戦士「勇者!?」
魔王「気絶しただけだ。 どうやら命に関わるケガはないようだしな」
遊び人「よかった……」
170 = 141 :
魔王「遊び人よ、こやつらの手当てを頼むぞ」
遊び人「……実践編は」
魔王「余がまず直々に手本を見せてやろう。 それに,実践はまだそちには早い」
遊び人「……わかった」
炎竜「何者だ?きさまら」
魔王「なに、こやつらのパーティーで魔法使いをやっておるものだ。 戦士よ、準備はよいか?」
戦士「ああ、いつでもあのトカゲをズタズタに出来るぜ……!」
魔王「ふむ、今回は余は氷魔法を使うから、粉々のほうが表現としては正しいやも知れんな」
171 = 141 :
戦士「そうかい」
魔王「往くぞ、戦士よ」ダッ
戦士「なますにしてやる!」ダンッ
炎竜「フン、くらうがいい!」ボオオオオ
魔王「ふっ」ビュウウウウウウウ
炎竜「この程度の吹雪で、わしの炎が破れるとでも」
魔王「思ってはおらんさ。 ゆけ、戦士よ! そちには氷の加護を付けた、多少は平気のはずだ」
戦士「あいよォ!」ズアッ
炎竜「ぬうっ!」
172 = 141 :
この後の出来事を、同パーティーの遊び人はこう述懐している
遊び人「戦士が、炎竜の炎と魔法使いの吹雪の狭間から飛び出した。
熱そうには見えなかった。 なんでも、氷の加護って言う炎の熱さを半減して吹雪の冷たさを無効化する
ものをエンチャントしてたとか……え?知ってた?……ともかく、そのまま戦士は炎竜に突っ込んでいって、
頭に剣を刺し込んだ。 すごい音がした。 台風のときの風のような、女の人の悲鳴のような、それでいて
男の人の絶叫のような……。きっとのた打ち回ったんだね、砂埃がすごくて目を開けられなかった。
目を次に開けたのは全てが終わった後だった。 ……その時の戦士の表情?…………えと、なんというか
……笑って?いたのかな、それにしては壮絶な表情に見えたけど。まあ、戦士だし。いろいろあるんじゃない? ……え? わたしは何してたのか? けが人と一緒に離れてたに決まってる。だって危ないし」
173 = 141 :
炎竜「グ、ガ……お、のれ」
魔王「まだ生きているのか。 目障りなのだから、とっとと死ぬがいい」
炎竜「なんだと……」
魔王「……時に、余がこの世で最も嫌いなことはなんだと思う?」
炎竜「しるか、そんなもの」
魔王「じつはな、弱者同士の争いも見ていて非常に腹が立つのだが、一番はあれだ、そちのような
勘違いしていきがっておる弱者がそれよりさらに弱者な者をいたぶって悦に浸っているのが一番我慢ならんのだ」
174 = 141 :
炎竜「ぐ、く……」
魔王「ではな、できるだけ苦しんで死ぬがいい。 弱者よ」
炎竜「ぐ……ガハッ」バタリ
・・・・・・
勇者「う、ううん……はっ!」パチリ
勇
175 = 141 :
勇者「知らない天井だ」
魔王「目が覚めたか」
勇者「魔法使いさん!」ガバッ
勇者「いたた」
魔王「無理はするな」
勇者「はい、すみません……あの、他の人たちは?」
魔王「一晩中起きておったからな、遊び人と戦士は寝かせた。 残りの二人はそちの隣で寝かせておる」
姫「スースー」
騎士「……」
176 = 141 :
勇者「よかった……無事で」
魔王「そうだな。 ……時に、勇者よ」
勇者「はい?」
魔王「あの時言っておった、自分は必要とされているのかという問い」
勇者「……」
魔王「あれは何だったのだ?」
勇者「……」
177 = 141 :
ここまでっす。意外と短いね。
今まででは一番だけど。
なーんか、遊び人も戦士もついでに魔王もキャラが固まってきた気がしないでもないのに
勇者だけ一向に固まる気配を見せなかったんで無理やりいったぜ!
不自然?知らんな
ではまた次の投下で。
179 :
乙
遊び人と遊びたい
180 :
乙
こういうキャラ付け嫌いじゃない
181 :
sagaを入れないと殺すやらがピーに自動変換される
sageと併用するなら両方入れる必要がある
182 :
キャラが一瞬で変わっていくな
184 :
遊び人は賢者になりたいから、しょうがないだろ!
1、頑張って完結せろ!嫌いじゃないよ!
185 :
>>1です。酉つけてみました。
気のせいかもしれませんが、最近魔王勇者スレがたくさんあるように感じられて何よりです。
短くても投下
186 = 185 :
姫「う、ううん……」
魔王「む」
勇者「おはよう! ええと……」
姫「あら、おはようございます。 勇者さんに魔法使いさん」
魔王「おい……」
勇者「ケガは大丈夫?」
姫「ええ、それほど……っぅ」ズキ
魔王「ち……あれだけボロボロになってそれほどなわけがなかろうに」
勇者「そ、そうですよね。 無理しないで休んでてください」
187 = 185 :
姫「でも、わたくしははやくこの大陸から出て遠くに行かないと……」
勇者「へえ、そうなんですか! 実はわたしたちもなんです」
姫「え?」
勇者「といっても、急いでいるわけではありませんけど」
姫「そ、そうなのですか」
勇者「わたしたちは別の大陸に旅に行こうと思ってるんです。 自由気ままに」
姫「自由気まま……羨ましいですわね」
魔王(む……?)
188 = 185 :
勇者「あなたも一緒に行きませんか?」
姫「わたくし、でございますか?」
魔王「よい案ではないか。うむ、実によい」
姫「あ、あのー」
勇者「そうですよね。 ぜひどうですか? きっとみんな喜ぶと思うんです」
姫「ええと」
魔王「いいぞ、こやつらの旅は。 それに、旅の道連れは多いほうがよい」
189 = 185 :
姫「魔法使いさん…… わかりました。 そこにいる騎士も共によろしいですか?」
勇者「かまいませんよ、腰ぎんちゃくなんですよね?」
姫「ええ、そうなのです。 ただ、騎士はなんというかしら……」
魔王「何も問題なかろう(光魔法と旅が出来るだと!? ふっふっふ、店主の誘いに乗って正解だったな。
まさかめぐり合えるとは思ってはおらなんだ! ああ、何年求めつづけてきたことか!……)」ニヤニヤ
騎士「……私は特に反対いたしません」
姫「あら、起きていたのですか」
騎士「今しがた目覚めました。 そちらがよいのであれば、こちらとしては反対する理由はありません」
190 = 185 :
・・・・・・
戦士「……」ヒクヒク
遊び人「なんでこんなことに……」
姫「と、いうわけでご一行に加えていただくこととなりました、姫と申しますわ! 以後よしなに」
騎士「騎士という。よろしく頼む」
戦士「勇者、説明してくれ」
勇者「え? 旅は道連れでしょ? それに大人数のほうが楽しいよ」
戦士「……魔法使いさんよ、あんたもなのか?」
遊び人「……」
191 = 185 :
魔王「ここで逃したら二度とそばに置くことができんかもしれない宝をみすみす手放せるか」
戦士「は?」
遊び人「光魔法……」ボソ
魔王「しかも、宝は自分から来るという。 断る理由なぞなかろう?」
戦士「……まあ、いいか。 そのうち慣れるだろ」
魔王「その諦めのよいところは嫌いではないぞ」
戦士「へいへい……」
192 = 185 :
・・・・・・
勇者「すごいすごい! 魚が飛び跳ねてるよ、ほらあそこ!」
戦士「おおお! すげえや、あそこもだ!」
船員「あんまり乗り出してると、魚の餌になっちまいますよ!」
遊び人「契約済みの魔法を使えるようになるには、ただレベルアップするだけではダメで……そもそも根本的に……」パラパラ
姫「随分と楽しそうですわね」
騎士「初めてのときはああいうものでしょう。 そして……」
姫「ええ……」
魔王「ぅぇぇ……」
姫「大丈夫でございますか?」
魔王「ぅぅ……」
193 = 185 :
騎士「しばらく横になっているといい」
魔王「そうさせてもらおう……ぅ」パタリ
姫「……仕方ありませんわね」
騎士「そ、そんな! はしたのうございます……」
姫「しっ、起きてしまいますわ」
騎士「し、しかし……」
姫「せめてもの恩返し、困った時はお互い様でしょう?」
騎士「うう……わかりました」
姫「よろしくてよ」
194 = 185 :
・・・・・・
魔王「う、うう……」パチリ
姫「あら、お目覚めになられましたの」
魔王「……なんだ、これは?」
姫「膝枕をご存じなくて?」
魔王「それは知っている。 余がいっておるのはなぜこのようなことになっているのか、ということだ」
195 = 185 :
姫「皆様はしゃぎなさってどなたもお気付きにならないようでしたので、わたくしが介抱してさしあげたのですわ!
このわたくしに介抱されることを光栄に思ってくださいな?」
魔王「……この光はなんだ?」
姫「光魔法ですわ。 心地よくありませんこと?」
魔王「サービスのよいやつだ……(光魔法営業か、悪くない)」
姫「当然ですわ」
196 = 185 :
魔王「……だいぶ楽になった。 礼を言おう。 もうよいぞ ……ぅぷ」
姫「ご遠慮なさらず、もうしばらくどうぞ?」
魔王「いや、余は……(魔法の効果が残っている間に書きとめておかねば……)」
姫「ど う ぞ ?」
魔王「……わかった、もうしばし世話になる。 引き続き光魔法を頼む(しかたがない、この感覚を身体に刷り込むとしよう)」
姫「よろしくてよ! 存分に堪能なさってくださいな」
197 = 185 :
この辺で……
今日旅行から帰って来たもんで眠くて眠くて……
魔法マニアな魔王は膝枕より光魔法に興奮を覚えるようです
批判、要望その他諸々お待ちしております。
ではまた
198 :
乙 おもしろかった
魔王が変態で何より
199 :
変だな
魔王が可愛く見えてきた
みんなの評価 : ★
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