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    元スレ上条「俺達は!」上条・一方「「負けない!!」」

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    タグ : - 一方 + - 上条 + - 腹パンの人 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    151 = 150 :

    >何でだよ、じゃなくて何でそうなるwwwだった

    152 = 150 :

    >何でだよ、じゃなくて何でそうなるwwwだった
    何か口調きついように見えたらごめんなさい

    154 :

    >>150-152
    言いたいことはわかったが落ち着け

    155 :

    待ってたぜェヒーロー…

    >>1、おかえり

    156 :

    これはどうなることやら………

    あと>>1おかえり!

    157 :

    おかえりなさい

    158 :

    >>1よ…受け取れ…っ!
    これが俺の全身全霊をかけた腹パンだッッッ!

    おかえり、待ってたよ!

    159 :

    >>1おかえりィ

    さて、復帰から三日経った訳だが?

    160 :

    改めて禁書はとりあえず3巻まで読めとはよく言ったもんだと思った
    2巻分までは正史をなぞる形にしかならないが設定上無理がある3巻で一気に世界が広がった印象だわ

    161 :

    とりあえずていとくんには腹パンだな

    162 :

    あげんな、腹パンすんぞ

    163 :

    揚げパン美味いよね

    164 :

    『腹パンする』…そんな言葉は使う必要がねーんだ。
    なぜならオレやオレたちの仲間は、その言葉を頭の中に思い浮かべた時には!
    実際に相手を殴っちまってもうすでに終わってるからだ!
    だから使った事がねェーッ!『腹パンした』なら使ってもいいッ!

    165 :

    どうも、皆様。
    今から投下開始します。

    166 :






    「………………眠れねェ」

    とある研究所の一室にて、一方通行はベッドに横たわりながら一人呟いた。

    とりあえず木原に言われた通りに休息を取ろうとした彼だったが、当然のように寝付けられない。

    (………………)

    一方通行は何の気も無しにポケットからケータイを取り出す。

    ケータイは電池切れで使えなくなっていた。

    「……チッ、充電しねェとな」

    立ち上がると、その辺にあった充電器から、一方通行の機種に対応しているのを借りた。

    プラグと充電器を接続して、ケータイの充電に取り掛かる。

    「ン、これでイイな」

    そのままケータイをベッドに放ると、一方通行はいかにも高級そうな椅子に腰掛ける。

    (………………どれぐらい経ったンだ……?)

    壁に掛けられた時計を見てみる。

    木原に言われてから、まだ三十分ほどしか経っていなかった。


    167 :

    (…………)

    一方通行はゆっくりと立ち上がって、部屋を出た。

    やっぱりじっとするのは性に合わないらしい。

    ズカズカと彼は研究室まで歩き、ドアを開けた。

    「オイ、やっぱ俺も…………」

    途中で言葉がピタリと止まった。

    何故なら――――

    「……親父はどこ行った?」

    手伝いを申し立ててやろうとした相手、木原数多がいないからだ。





    「……なるほどね……」

    一方通行は納得したように呟いた。

    研究者達に聞いたところ、木原は『アイテム』の連中と妹達の護衛に向かったらしい。

    「ま、そういう事だ」

    「木原さんと『アイテム』……想像すると、すごいチームだな」

    「恐ろしさなら、世界一なんじゃない?」

    「……まァ、確かにあのメンバーを敵に回したくはねェな」

    自然と、木原と『アイテム』の面々の顔が脳裏に浮かんだ。


    168 :

    木原は昔、暗部の組織である『猟犬部隊(ハウンドドッグ)』で隊長を勤めていたらしい。

    暗部の組織(しかも統括理事会直属の組織だ)で隊長を勤めたのだから、
    木原本人も、それなりどころかかなりの実力者なのだろう。

    そこに『アイテム』という強大な戦力が加わる。

    …………心配なんて要らないだろう。

    何だか嫌な予感がしたが、一方通行はそう自分に言い聞かせて不安を押し殺す。

    「とにかく、そんな訳で木原さんは今いないが……どうかしたのか?」

    研究者に尋ねられ、

    「おォ、眠れそォにもねェから手伝いに来たンだがな」

    そう答えて、一方通行は木原の机を見る。

    色んなモノ(重要そうな資料、漫画雑誌や宝くじなど)が乱雑に置いてある。

    その中を漁ってみると、『実験』についてまとめられたレポートがあった。

    「とりあえず、『実験』の資料を全部貸してくれねェか」


    169 = 1 :






    時は進み、ある研究所の敷地内にて、二人の男女が走っていた。

    彼らは、ある少女達が居住している建物とはまた別の、主に実験場がある建物へと向かっていた。

    男の顔には大きな刺青があるものの、
    白衣を纏っているせいか、一見するとただの研究者に見える。

    しかし、その手には狙撃用のライフルがあり、男が一般人ではない事を示している。

    もう一人、女の方は銃を持っていたり刺青をしている訳でもないが、
    身に纏う雰囲気からは何だかあまり一般人には見えない。

    「いつまで逃げんのよ!」

    「知るか!ってかテメェこそ何一緒に逃げてんだよ!
    戦えよ!テメェだって七人の超能力者の中の一人だろうが!!」

    ギャーギャー言い合いながら二人は全力疾走する。

    と、そこへ――

    「あー、鬼ごっこはここらへんで終わりにしねーか?」

    空中から呆れたような少年の声がした。


    170 :

    女――麦野沈利は、そちらを振り返らずに右手をかざす。

    瞬間、そこから青白くスパークしている一条の光線が放たれた。

    「……っとと。あっぶねーな、オイ」

    言葉とは裏腹に、少年――垣根帝督は楽しそうにそれを背中から生えている白い翼で受け止めた。

    『原子崩し』と呼ばれるその極めて強力な一撃をあっさり止められ、麦野は舌打ちする。

    「いやはや、第四位つってもこんなもんか。
    もーちょいスッゲェかと思ってたんだがなー」

    地面に降り立った垣根は、ガッカリしたように告げる。

    「勝手に言ってろよ。つか何だ、それ。
    テメェの見た目にゃ全く似合ってねぇぞ」

    振り返った白衣の男――木原数多は、目の前のメルヘン少年(ちょっとホストっぽい)に返す。

    それを聞いて垣根は、

    「心配すんなよ、これでも自覚はある」

    それとな、と垣根は続ける。

    「こっちも仕事が詰まってんだ。
    そろそろさ――まぁ、死んでくれ」

    六つの翼が、二人を捉えようと動き出す。

    が。

    次の瞬間、翼は全て垣根の元へ戻り、彼を包み込む。

    何故か。

    理由は簡単、垣根に向かって何かがどこかから投げられたからだ。

    それは翼にぶつかった途端、大爆発を起こした。

    ドォォォォン……!という爆音が辺り一帯に響く。

    しかし、不意を突かれたにもかかわらず垣根は無傷だった。

    「……ったく、誰だ?物騒なモンいきなり投げやがって」

    不意打ちしてきた誰かに呟きながら、垣根は翼を展開して――

    「ありゃ?っていねー……」

    一人、愕然とした。


    171 = 1 :

    どうやら逃げられてしまったようだ。

    「あーあ。今度はかくれんぼかよ」

    面倒だなー、と思いつつ垣根は歩き出す。

    と、その時。

    ケータイの着信音が鳴り響いた。

    相手は、同僚のドレスの少女だ。

    「んー?はいよー」

    『……いつまで遊んでるのかしら、「リーダーさん」?』

    「……うっせーな。仕方ねぇだろ」

    垣根はしかめっ面で少女に応じる。

    『それはそうと、さっきの爆発は何かしら?』

    「あぁ、ちょーっと向こうが派手な事してきてね」

    『……やっぱりそっちに行きましょうか?』

    「あん?んなモン、要らねぇよ」

    垣根は、自信たっぷりに返す。

    「――本気で潰すからな」

    『……はぁ。最初からそうして頂戴』

    へーい、と言って垣根は通話を切ってケータイをしまう。

    「さってと。行きますか」

    真っ白な翼を生やして、彼は飛び立った。


    172 :






    「どうやら超逃げ切れたみたいですね……」

    「結局、時間稼ぎにしかならないって訳よ」

    「いんや。時間稼ぎでもじゅーぶんよ、フレンダ」

    「むぎの、きはら。血が出てる、止血しなきゃ」

    「っと、すまねぇ」

    爆発地点から少し離れた建物の陰に、木原と『アイテム』の四人は隠れた。

    先程、フレンダの爆弾による不意打ちで一度撤退したのだ。

    「……第二位、垣根帝督……。
    まさか、ここまでの実力とはな」

    「正直、あんなの超反則です」

    絹旗が小さく呟く。

    「フレンダの爆弾に私の『窒素装甲(オフェンスアーマー)』、
    最終的には麦野の『原子崩し』まで防ぎきってみせるなんて……」

    超ありえません、と絹旗はぼやいた。

    「きはら、何か良い策はないの?」

    滝壺が止血しながら木原に聞く。

    木原は、学園都市第一位の一方通行を開発した研究者だ。

    それはつまり、この街の中でも相当の頭脳を誇る事になる。


    173 :

    「そうだな……」

    木原は頭の中で垣根の情報を整理する。

    圧倒的な攻撃と防御を繰り出すあの六つの翼。

    あれをどうにかしなければ、勝機はないだろう。

    (……んー)

    木原は周りをぐるりと見回す。

    そうしてから、先程の垣根の様子を思い出す。

    (……ヤツはさっき、不意打ちにですら対応してみせた)

    もっと言えば、一番最初の木原の狙撃にも。

    何故そんな事が出来たのか?

    二つの不意打ちの共通点を考えてみる。

    (……待てよ、確か昔見た『超電磁砲』のレポートに……)

    仮説に過ぎないが、もしかしたら垣根は――?

    「……よし、オマエら」

    木原が口を開くと、四人はじっと彼を見る。

    「何?良い作戦が思い付いた?」

    「いや、良い作戦かどうかは分からねぇ」

    麦野の質問に、きっぱりと答えた。

    「だがまぁ、これぐらいしか思い付かない。
    賭けに近いが、それでも良いなら聞いてくれ」

    四人は目を見合わせると、

    「もちろん、それしかないなら超聞きます」

    「どっちにせよ、時間ないしね」

    「私はきはらを信じてるよ」

    「つーわけだからさっさと聞かせなさいよ」

    木原は頷くと、

    「じゃあまず――」


    174 :






    「んー。どこかねー」

    翼をたなびかせ、垣根は空を飛んでいた。

    低空飛行で辺り一帯の捜索を始めたのだが、木原達はなかなか見つからない。

    (……ま、本命っつーか『依頼』の内容はアイツら殺す事じゃねぇけど)

    そう、垣根の目標はあくまでも妹達という軍用クローンである。

    木原達など放っておいて、そちらに向かう方が普通だろう。

    だが、

    (天下の第二位が、格下にあっさり逃げられるってのは屈辱だよなぁ?)

    そんな訳で、垣根は敢えて木原達を探している。

    ただ、己の『プライド』のために。

    とりあえず今度は向こうかね、と思いつつ垣根は方向転換しようとした。

    そこへ――

    「……こんばんは、死ね!!」

    という叫びが聞こえたと思った途端、垣根に向かって光が飛んできた。

    「よっと」

    慌てる事なく、彼は翼でそれを受け止める。

    「いやはや、わざわざそっちから来てくれるとはな」

    垣根は真っ直ぐに光の来た方向を見る。

    その視線の先には、絹旗、フレンダ、そして――麦野がいた。


    175 :

    「よー。テメェら五人いたはずだけど、後二人はどうした?」

    「……ハッ、テメェみたいなヤツとやり合うには足手まといだから置いてきただけよ」

    あっそ、と垣根はどうでもよさそうに言う。

    「どうせ三人でやっても勝てっこねーんだから、
    五人掛かりで捨て身の攻撃した方が良いと思うがね」

    「……超上等です。その自信、打ち砕いてやりますよ」

    「やれるんなら、な!」

    六つの翼が別れ、三人へと襲い掛かる。

    麦野は『原子崩し』で機動力を上げて横に大きく跳び、それを避けてみせた。

    フレンダは爆弾を目の前で爆発させ、爆風で吹き飛ぶ事で避けた。

    しかし、絹旗だけは回避に間に合わない。

    「……くっ!」

    とっさに自分の能力である『窒素装甲』を使って、
    両手に窒素の壁を作り上げて受け止めようとした。

    だが。

    「ぐうっ!?あ、がぁぁぁああ!!」

    一対の翼は、その壁ごと無理矢理絹旗を吹き飛ばす。

    勢いよく飛んだ彼女は建物の一つに衝突し、大きな穴を壁に空けた。


    176 = 167 :

    「――まずは一人」

    垣根はつまらなそうにカウントする。

    「絹旗ぁ!」

    そして、今度は叫びを上げた少女――フレンダを見た。

    「――二人」

    言うと同時、六つの翼全てがそちらへと殺到する。

    一瞬、注意が絹旗に飛んでしまったために、フレンダは反応出来なかった。

    その目は恐怖に染まっていた。

    しかし――

    横から誰かが飛んできて、彼女を引っ張っていく。

    「へ?」

    間抜けな声を上げ、その人物と共に五メートル離れた地点に倒れ込む。

    瞬間、先程までフレンダが立っていた場所に翼が叩き付けられた。

    ズゥゥゥゥン……!!という衝撃が辺りに響く。

    フレンダはただ呆然とそれを眺めていた。

    「………………ッ!!大丈夫、フレンダ!?」

    「あ――む、麦野」

    フレンダは、自分を引っ張った人物――麦野を見て、正気に返った。


    177 = 174 :

    「ふーん。そんなヤツ庇う意味あんのか?」

    上から響いた声に、慌てて二人は立ち上がる。

    声のした方を見れば垣根が、絹旗が吹き飛ばされた方向とは反対にある、
    五階建ての建物――検体調整器保管所とか入口に書いてある――の屋上から見下ろしていた。

    「……どういう意味よ」

    麦野が聞くと、

    「いやさ、そいつだけ妙に足手まといじゃねーか。
    戦ってる最中によそ見してさ。わざわざ助ける必要あんのか?」

    垣根が言い終えると同時に、麦野が『原子崩し』を放つ。

    これまでで一番大きな一撃だった。

    「オイオイ、そんなに怒るか普通?
    人がせっかくアドバイスしてんのにさー」

    あっさりとそれを防いだ垣根は、未だに余裕のある表情をしている。

    「ご忠告どうも。でも生憎だけど、ここは私の組織だ。
    仲間を決めるのも、使えるかどうか判断するのも、全て私が決める」

    そう言って、麦野は手をかざす。

    「つーわけで――くたばれ、クソ野郎!!」

    瞬間、どこまでも青白い光が伸びた。

    「……ひっでぇな」

    垣根は呆れたように呟く。

    そして彼は笑うと、

    「…………すっげぇムカついたわ」

    冷酷な声で告げ、翼を全て真下に叩き付ける。

    それらは光線を弾き、真っ直ぐに麦野へと向かう。

    そうして、二人まとめて捻り潰される。



    ――そのはずだった。



    「………………がっ!?」

    胸に鋭い衝撃が走った、と感じた途端に垣根は後ろに大きく吹き飛んだ。


    178 :






    垣根が後ろに吹き飛んだのを見て、麦野はやれやれと首を振る。

    「おっそいのよ、まったく」

    そう呟いた彼女は、遥か後方――七百メートル先にある、
    『簡易実験場』という、七階建ての建物の屋上を見る。

    ここからでは見えないが、そこには狙撃用ライフルを構えた木原数多と滝壺理后がいる。





    木原の考えはこうだった。

    垣根を倒すにはまず、あの翼をどうにかしなければならない。

    しかしながら、あの攻防一体の翼は木原達の持つ力では破れない。

    ならば、考えを変えればいい。

    翼を破るのではなく、翼による防御をさせなければいい。

    つまりはこういう事だ。

    誰かが囮になり、垣根にわざと六つの翼全てで攻撃させるのだ。

    その間、彼の防御に僅かな隙が生まれる。

    後は木原の精密な狙撃で垣根を叩けばいい。


    179 :

    『ちょっと待った』

    そこまで説明を受けたフレンダが疑問を口にした。

    『アイツ、さっき私の不意打ちに対応してたじゃん』

    それに最初のそっちの狙撃にだって、と付け加える。

    そう、垣根は不意打ちにだって対応していた。

    仮に隙を生み出せても、瞬時に翼を引き戻して防御するのではないか?

    そう、『アイテム』の誰もが思った。

    『あー、それなんだがな』

    木原はあっさりと告げた。

    『かなりの遠距離からなら、ヤツは気付かねぇと思う』

    『どうして?』

    滝壺が首を傾げると、

    『こいつは仮説なんだが……ヤツはおそらく、能力をレーダーみたいに使ってるんだと思う』

    例えば、『超電磁砲』と呼ばれる、発電系では最高峰の能力者がいる。

    彼女は確か特殊な電磁波を放つ事で、ソナーのように障害物の位置を特定する事が出来たはずだ。

    それと似たようなモンじゃねぇか、と木原は告げた。

    『もしヤツが広範囲にそんなモノが使えるなら、とっくの昔に俺達の所に来るはずだろ?』

    そこまで言うと、木原は一呼吸して、

    『まぁ、あくまで仮説だ。
    もしかしたら、全然見当違いなのかもしれねぇ』

    どっちかっつーとそっちの可能性が高いがな、と木原は付け加えた。

    『で、どうする?やっぱ止めとくか?』

    四人は顔を見合わせる。

    もう、答えは決まっていた。


    180 :






    「……まったく、運が良いっていうか何て言うか」

    「超ラッキーとしか言えませんね」

    「結局、ヒヤヒヤしたけどね」

    何とか生きていた絹旗と共に、麦野達は木原達と合流すべく歩き出す。

    「でもまぁ、これでもう大丈夫じゃない?」

    第二位、垣根帝督。

    おそらくは、統括理事会の最終兵器。

    それを撃破したとなると、向こうもそう簡単に新手は送らないだろう。

    「つまりは……」

    「私達の超大勝利、ですね」

    やったね!と絹旗とフレンダは喜び合っている。

    「コラコラ、油断しない。――特にフレンダ!」

    え、私!と言った顔でフレンダは自分を指差す。

    「ま、そりゃそうですよ」

    「絹旗までーっ!?」

    ガーン、という擬音が似合いそうなポーズを取ったフレンダを見て、麦野は苦笑いする。

    「皆、無事?」

    「よー、生きてっかー?」

    前方から聞こえた声に、

    「わーん、滝壺ーっ!麦野達がいじめるー!!」

    あからさまな嘘泣きをしながら、フレンダが滝壺に抱き着く。

    「大丈夫、私はそんなフレンダを応援している」

    そんな事を言いながら、滝壺が頭を撫でる。

    「よう、お疲れさん」

    そう言った木原を見て、麦野は笑顔で――



    「今度こんな仕事持ってきたら、ぶっ飛ばす」



    木原に軽く、ボディーブローをかました。


    181 :






    「……そもそもよォ、俺がこうしてシナリオの裏を
    全部知っちまえば『実験』は成り立たねェンじゃねェか?」

    たくさんのレポートを眺めながら、一方通行はうんざりしたように言った。

    彼は今、『実験』に関するレポートを全て読み切ったところだった。

    一番基本的な、『実験』の概要が記してあるレポート読んでみると、
    割り当てられた二万通りの戦闘を、
    シナリオ通りに片付ける事によって伸びる能力の、その成長方向を操る事で、
    一方通行を超能力者から絶対能力者(レベル6)へと進化させる、とある。

    つまり、彼が『実験』の事を完璧に知れば、そもそも『実験』は成り立たなくなるのだ。

    しかし――

    「あー、その可能性も考えたんだがな……」

    「あの統括理事会の事だ。
    そうなったら多分、お前の脳からその記憶をまるごと消すと思うんだよな……」


    182 = 167 :

    学園都市には、学習装置(テスタメント)と呼ばれる機械がある。

    脳の電気信号を直接操る事で『洗脳』する機械だ。

    そういう技術がたくさんある学園都市には、
    人の『記憶』を操る機械だってある、との事だった。

    「……チッ」

    一方通行は舌打ちして、もう一度レポートを漁る。

    どれを読んでも、非の打ち所のない。

    『樹形図の設計者』の演算は、完璧そのものだった。

    どうすりゃイイ……?と呆然と考えていると、一つのレポートが目に留まった。

    それには、そもそも何故『実験』を行うのかが書かれていた。

    『現在、学園都市にいる七人の超能力者の内、
    まだ見ぬ絶対能力へ到達可能とされているのは、
    「学園都市最強」の第一位、一方通行である。
    統括理事会からのオーダーより、私はその方法を調べ上げ…………』

    そこまで読んで、一方通行はさっさと別のレポートを読もうとして――ふと、その手を止めた。


    183 = 175 :

    一方通行はもう一度さっきのレポートを引っ張り出し、読み返す。

    (……待て。今俺は何に引っ掛かった?)

    とにかく最初からレポートを読み返す。

    「……………………ッ!!」

    そして、気付いた。

    この『実験』を止めるための方法に。

    ガタ、と彼は椅子から慌てて立ち上がる。

    「どうかしたのか?」

    驚いて尋ねてきた研究者を見て、

    「イイ方法が思い付いた」

    そう言って、一方通行は周りの研究者達に告げた。

    逆転の方法を。





    「そんなの無理だ!」

    「そうよ、そんな条件を満たせる人間がいる訳ないじゃない!」

    それを聞き終えた途端、研究者達は皆口々に否定した。

    当然だ、とは思う。

    常識的に考えたら、ありえない話だろう。

    しかし、

    「……ま、任せろよ」

    そう言って、一方通行はさっさと部屋を出た。

    そのまま、ケータイを置いてきた部屋へと入る。

    ケータイの充電はとっくに終わっていた。

    手に取り、電話帳からある番号を選択して通話ボタンを押そうとして、指が止まる。

    (………………)

    一方通行は迷った。

    本当に良いのか?

    こんな事に、アイツを巻き込んでしまっても良いのか?

    そう考えた彼の脳裏に、昨日の死体が思い浮かんだ。

    (……もォ決めたじゃねェか)

    何を犠牲に払っても、必ず妹達を助けると。

    ならば、迷ってはならない。

    一方通行はゆっくりと通話ボタンを親指の腹で押した。


    184 = 175 :

    今回は以上!
    次回で三巻編終了予定です!
    それでは皆様、またいつか。

    185 :

    乙乙

    そして上条さんに電話か

    186 :

    ドキドキしすぎて濡れてきた

    187 :


    木原パパも腹パンの犠牲者になったか……

    188 :

    乙乙

    原子崩し腹パンとな…ゴクリ

    189 :

    上条さんに負けるという展開か?

    190 :

    >>189
    予想はよそうぜ!

    191 :

    >>190
    よそうだけによそうとな?

    192 :

    >>191

    くだらないうえにageやがって…

    193 :

    アイテムのキャッキャウフフがていとくン復活フラグにしか見えない

    194 :

    >>193
    予想はよそうぜ!

    195 :

    >>194

    くだらないうえにageやがって…

    196 :

    >>1マダー?

    ちくせう>>1来たかと思えば・・・チッ

    197 :

    あげぽよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

    198 = 197 :

    あげwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwあげwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

    199 :

    暇人乙
    よく飽きもせずご苦労様です


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