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    元スレ僕「小学校で」女「つかまえて」

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    301 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 06:55:08.38 ID:1Jh7mIA00 (+31,+28,+0)
    >>300
    がんばれ!
    応援してるぜ。
    302 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 07:07:17.93 ID:KTV7mwX30 (+19,+29,-2)
    こういうの好きだわ...
    支援
    303 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 07:13:52.72 ID:e52vTnWF0 (+8,+18,-4)
    やっと追いついた~
    全力で支援
    304 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 07:43:59.95 ID:VPgvqUkE0 (+19,+29,-3)
    ええもん見たわ
    支援するで
    305 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 08:15:19.01 ID:9To1yBSR0 (-22,-10,-1)
    支援
    306 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 08:26:47.92 ID:KKgu5QEcP (+41,+29,-7)
    >>300
    スレはまだ700も残ってるんだ
    ゆっくりでいいからおまえの頭ん中全部吐き出してくれ
    307 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 09:23:14.86 ID:u2yr1Dx80 (+0,+11,-1)
    308 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 10:17:48.12 ID:9To1yBSR0 (-18,-11,-3)
    保守間隔ってどれくらいだ
    309 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 10:31:48.66 ID:1Jh7mIA00 (-24,-12,-3)
    保守
    310 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 10:39:50.98 ID:Zuwn44Rz0 (+19,+29,-1)
    大体2時間ぐらいはもつっぽい
    311 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 11:46:50.58 ID:Pkrmme7w0 (+17,+29,-1)
    ほっしゃん
    312 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 11:50:58.21 ID:/DCyfDgb0 (-3,+11,-1)
    313 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 12:26:41.08 ID:1Jh7mIA00 (-4,+7,-1)
    ほし
    315 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 13:40:59.96 ID:1Jh7mIA00 (+10,+22,-1)
    補手
    316 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 14:35:05.27 ID:Pkrmme7w0 (+0,+11,-1)
    317 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 15:04:44.07 ID:wcSFwqoe0 (-24,-12,+0)
    ho
    318 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 15:35:08.82 ID:u2yr1Dx80 (-21,-9,+0)
    mo
    320 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 16:24:02.12 ID:Pkrmme7w0 (-4,+7,-1)
    ほし
    321 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 16:46:19.95 ID:l1nUAkN1O (+40,+29,-34)
    >>306
    はい。
    でもなるべく早くには。
    「また保守するのかよ」って言うのを考えちゃうとなかなか。


    あと一時間くらい。
    保守ありがとう。
    322 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 16:53:15.39 ID:bmVdds5K0 (+30,+29,-19)
    >>321
    気にすんな。
    何時間でも待ってるから、ゆっくり良いもの書いてくれ
    323 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 16:56:04.25 ID:BQI+KCk/0 (+5,+29,-16)
    >>321
    期待してる人は多いと思う。
    俺も頑張って貰いたいと思ってる。

    あれ?ここvipだよな?って思うぐらい良スレ。
    324 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 17:48:57.63 ID:Pkrmme7w0 (+0,+12,-2)
    ほっしう
    325 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 18:31:10.50 ID:3Mqmihtr0 (-3,+11,-1)
    326 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 18:51:57.78 ID:/DCyfDgb0 (-27,-12,+0)
    ho
    327 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 18:56:01.02 ID:l1nUAkN1O (+24,+29,-2)
    あら嬉しい。

    続きから。
    328 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 19:01:20.01 ID:l1nUAkN1O (+40,+30,-111)
    >>298


    キーンコーン

    カーンコーン

    「あ、先生きたよ」

    彼女の一言で、机に集まっていたみんなは自分の席に戻っていく。

    視界が開けた先には、不機嫌そうに窓の外を見つめていた隣がいた。

    「……」

    僕は彼をあまり見ないようにした。

    「一時間目は漢字の書き取り~」

    彼女も彼女で、先ほどの言葉には反応してくれない。
    329 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 19:07:48.62 ID:l1nUAkN1O (+35,+30,-131)
    (川、花、口……月、日……)

    授業は相変わらず退屈だった。

    何も考えずに受ても問題無い。

    一年生の漢字では優越感に浸る事もできなかったけど。

    僕の視線は、すぐに隣の女を見ていた。

    彼女は机に目を向け、熱心に鉛筆を動かしている。

    (そんなに一生懸命やらなくても……)

    小学生らしく、何かイタズラしてやろうか。

    そう思った矢先だった。

    「……はい」

    小さな声と一緒に、破られた一枚のノートが渡された。

    『どうして嘘だってわかるの?』

    授業中のお手紙交換、というやつだろうか。
    330 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 19:14:53.83 ID:l1nUAkN1O (+35,+30,-124)
    「?」

    「……」

    驚いて彼女を見つめても、視線をこっちには向けてくれない。
    だから僕も手紙を書く事にした。

    『なんとなく。嘘っぽかったから』

    スッと手紙を彼女の手元に返す。

    (元気に嘘をつくときは、無駄に明るくなるのが彼女の癖だから……)

    『みんながいたから。話したくなかった』

    『なんとなくわかるよ~』

    記憶の中から、彼女の問題になりそうな部分を掘り起こしてみる。

    彼女に関して心当たりがあるのは、両親の問題だけだった。

    だから多分……。

    『あのね、お父さん出ていっちゃったんだ』
    331 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 19:22:51.90 ID:l1nUAkN1O (+35,+30,-116)
    『うん』

    それだけ返すと、僕は黙って彼女からの手紙を待った。

    『もう前からお父さんとお母さんは別居してたんだけど……夏休みが終わる前に本格的に離れる事になっちゃってさ』

    『離婚?』

    『ううん。そういう話はまだ』

    (確か大学の時でも……離婚はしてなかったかな。問題でゴタゴタしていたのは聞いていたけれど)

    『だから最初ちょっと休んじゃって、ごめんね?』

    手紙の中では、彼女はとても素直だった。

    そんな性格を僕は知っていた。

    嫌な記憶も、辛そうな過去の出来事も、彼女に対する記憶は僕の頭に残っている。
    332 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 19:31:41.52 ID:l1nUAkN1O (+35,+30,-94)
    『大丈夫だよ。あ、針千本じゃなくて駄菓子を買ってくれるだけでいいから』

    『……』

    『ガムでいい?』

    『またガムなの……』

    『あははっ。この話はまた後でね』

    『わかった~』

    手紙を返すと、小さくなるまで折り畳み、それを彼女の筆箱にしまっていた。

    (ガム、か……)

    放課後、彼女と駄菓子屋に一緒に行く。

    残りの授業は、この約束で頭がいっぱいだった。

    僕と彼女の間では、あれだけでちゃんとした約束になる。

    彼女もきっと、そう思ってくれているはずだ。

    (あ、でもその前に給食が……)
    333 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 19:41:14.76 ID:l1nUAkN1O (+35,+30,-122)
    先生「じゃあみんな~。いただきます」

    「いただきます!」

    元気な声でお昼が始まる。

    眼鏡「ぼ、僕ちゃん。牛乳飲んで?」

    僕たちのクラスでは、近くの四人で机を向かい合わせ、一つのグループでご飯を食べる事になっている。


    僕の前の席にいる眼鏡ちゃんが、給食中は隣になる。

    「コロッケおいし~」

    そして隣にいた女とは正面同士になる。

    眼鏡ちゃんから牛乳を受け取り、グビグビと一口に飲み干す。

    「僕ちゃんちっちゃいから牛乳たくさん飲まないとね?」

    やっぱり、何をしても彼女は僕に笑いかけてくる。
    334 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 19:42:35.98 ID:udvDxY830 (-27,-15,+0)
    335 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 19:55:51.02 ID:l1nUAkN1O (+33,+30,-116)
    「今から牛乳飲まないと将来……くすっ」

    (二十何歳の姿を知っているくせに……)

    彼女の笑顔は、絶対にそれをわかって言っている。

    「……女ちゃんも、牛乳飲んだ方がいいよ。少しでも将来に胸がおおき……」

    そこまで言うと、机の下の膝辺りにぶっきらぼうな衝撃が飛んでくる。

    「あづっ!」

    眼鏡「ど、どうしたの僕ちゃん……?」

    「あ、足が……」

    「あら、保健室行く?」

    (本気で蹴るなよバカ……)

    「くすっ」

    僕もまた、彼女の体がそこまで大きく成長しないのを知っていた。
    336 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 19:58:01.43 ID:pmmLJLH90 (-14,-7,-1)
    規制民用掲示板出来たwwwwww

    http://jbbs.livedoor.jp/computer/42791/
    337 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 20:07:10.32 ID:1CU4J7EI0 (+19,+29,+0)
    いいなぁいいなぁ
    338 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 20:12:44.30 ID:l1nUAkN1O (+35,+30,-82)
    「まだヒリヒリするや……」

    駄菓子屋に着いてからも、足の痛みは治まらず、僕一人でヒイヒイ言っていた。

    「ねえ眼鏡ちゃん。チョコだよチョコ」

    眼鏡「あたしはえびせんべいのが食べたいかな~」

    いつものメンバーで帰りたい、と彼女が言い出したので、眼鏡ちゃんもそのまま一緒に駄菓子屋に来る事になった。

    一応隣にも声はかけたけれど、僕の顔を見たらやはり一目散に逃げて行った。

    相変わらず嫌われているようだ。
    339 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 20:24:57.90 ID:l1nUAkN1O (+35,+30,-101)
    「はい、僕ちゃんにはガムあげるね~」

    「あ、ありがとう」

    ……

    九月の帰り道。

    僕と彼女の指切り針千本は、こうして簡単に果たされてしまった。

    (ま、彼女が戻ってきたんだからいっか……)

    ペリペリとガムの包みを剥がそうとする僕の手元に、今度は別のガムが渡されてくる。

    「?」

    視線を向けると、眼鏡ちゃんが俯きながらガムを僕に渡そうとしている。

    彼女もまた、とても小さな手をしていた。

    眼鏡「あ、あたしも……これ」
    340 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 20:27:59.86 ID:5kpwQ8T40 (+24,+29,-16)
    ガムの包みって中身出した後、つい元通りに戻してしまっておきたくなるんだけど、俺だけ?
    341 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 20:31:32.91 ID:l1nUAkN1O (+35,+30,-104)
    「あ、ありがとうね」

    眼鏡「うんっ!」

    眼鏡ちゃんは元気に、いつの間にかちょっと離れた場所にいた、彼女の元へ駆け寄っていった。

    眼鏡『渡せたよ!』

    『よかったわね~』

    表情からこんな会話がされてるんだ、と何となくわかってしまう。

    記憶がある限り、鈍感な僕にはなれないみたいだ。

    (……)

    僕は、手に持った二つのガムをポケットにしまう。

    (……学校帰りに買い食いや道草はダメだから)

    多分そんな理由じゃないけれど。

    僕は自分にそう言い聞かせながらまた歩き始めた。
    342 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 20:37:23.79 ID:l1nUAkN1O (+35,+30,-118)
    眼鏡「ばいば~い!」

    眼鏡ちゃんと元気に別れ、僕たちはまた二人きりになった。

    すぐに女の家には着いてしまうけれど、久しぶりの嬉しさがある。

    「ガム貰えてよかったね~」

    (どっちの?)

    「大切に食べてあげてね?」

    (ああ、眼鏡ちゃんの方ね)

    二人が物をくれた意味はそれぞれ違う。

    僕と彼女にはそれがわかっている。

    でも眼鏡ちゃん自身は多分……彼女と同じ気持ちでガムを渡せた、そう思ったんだろう。

    「……大切に食べるよ」

    おうむ返しに生返事。

    拗ねてるわけじゃない。
    彼女の家に着いてしまったから、それが少し残念なだけだったんだ。
    343 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 20:38:30.56 ID:3ubZM67v0 (-1,+13,-12)
    しえん
    344 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 20:41:47.68 ID:l1nUAkN1O (+35,+30,-70)
    「じゃあ、またね。ちゃんと学校来なよ?」

    いつもはこんな事を言わないが、今日は何だか特別だった。

    「うん……また、ね」

    「……」

    「……」

    挨拶の後も、彼女は家に入ろうとはしない。

    僕たちはお互いを見つめて固まってしまった。

    「ねえ僕ちゃん……ちょっと、お家寄ってかない?」

    「……?」

    「お願い、ね?」
    345 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 20:48:27.30 ID:l1nUAkN1O (+35,+30,-164)
    「お邪魔します」

    「あ、誰もいないから平気だよ。適当にあがっちゃって」

    誰もいない?

    「あ、玄関段差あるから気をつけてね」

    言われるままに通されたのは、障子と畳で綺麗に間取りされた居間だった。

    (十年くらい前の田舎町にしては綺麗な家かも……)

    確か貸家だと聞いていた。

    家賃はいくらなんだろう。

    この地域の相場は確か……。

    一人で考え込んでいたが、アパートや家など地元では借りた事がなくて、逆にわからなかった。

    「今、お茶持ってくるからね」

    彼女はそのまま台所に消えていった。
    346 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 20:57:15.37 ID:l1nUAkN1O (+35,+30,-174)
    (箪笥に、テレビに、テーブルに……)

    家具は一通りが揃っている。

    この居間が八畳程だろうか。

    少し手狭に感じてしまうのは、三人分の衣類が入りそうな少し大きな箪笥。

    それに、お皿を多目にのせられるような大きなテーブルがあったせいだろうか?

    (……)

    「お待たせ~。ココアでいいよね」

    そこに元気な彼女が一人加わる。

    それだけで、部屋がまた狭くなったような気がした。

    「お茶じゃないの?」

    「甘いの好きでしょ?」

    「わかってるね」

    「当たり前だよ!」
    347 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 21:04:15.10 ID:l1nUAkN1O (+35,+30,-134)
    自信満々にそう言う彼女の手元には、ココアを入れたカップが二つ。

    片方のカップの臨界点からは、山盛りになった砂糖がひょっこりと顔を出している。

    「……」

    「ごめんね、溶けきらなくって……」

    嘘でもわざとでもいい。

    僕はそのココアを一口飲んでみる。

    「……あま」

    「やっぱり?」

    「でも……美味しいや」

    彼女が作ってくれた飲み物だから。

    何をされても僕は多分美味しく飲める。

    「くすくす、僕ちゃん将来糖尿病になっちゃうよ? 砂糖入れすぎだもん、それ」

    「……」

    意地悪に笑われても多分……美味しいんだろう……か。
    348 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 21:06:52.04 ID:KywlbAiE0 (+24,+29,-18)
    久々に面白い読み物に出会った気がするかもしえん
    349 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 21:12:48.41 ID:l1nUAkN1O (+35,+30,-127)
    彼女との談笑は続いた。

    目の傷がそろそろカサブタになりそうな事、運動会の練習事。
    秋に学校で行われる文化イベントのための合唱の事……。

    時計はもう夕方六時を指している。

    「あ、そろそろ帰らないと……」

    最近は陽が落ちるのも早くなり始めている。

    一年生が歩き回るにはどこか不安が残る。

    「……」

    「じゃあ、また。今日はありがとう。ごちそうさま」

    言葉を終え、立ち上がろうと足に力を入れた瞬間……。

    「やだ……」

    彼女の言葉と指が、僕の洋服をキュッと捕まえる。
    350 : 以下、名無しにか - 2010/08/03(火) 21:22:45.17 ID:l1nUAkN1O (+35,+30,-109)
    「な、何が……?」

    確認するように、問いかける。

    「帰っちゃやだ……」

    返ってきたのは僕が予想した通りの言葉だった。

    「今日はお家に誰もいないの、だから……だから……」

    大学生のままの彼女がこのセリフを言えば、僕も今とは違う意味で捉え、彼女を抱きしめていたんだろう。

    (でも……)

    「一人は嫌だよ……寂しいんだよ……」

    彼女は怯えていた。

    遊んで、お友達とバイバイしたくない。それだけのはずなのに。

    それだけじゃないのが、やはり僕にはわかってしまう。
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